JP4631548B2 - 紙基材積層体および酸素吸収性包装容器 - Google Patents

紙基材積層体および酸素吸収性包装容器 Download PDF

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本発明は、各種食品、医薬品、化粧品等の長期保存を可能とする酸素吸収機能を有する紙基材積層体、およびそれを用いた酸素吸収性包装容器に関するものである。
従来、各種食品や医薬品等を充填、保存するために、紙を基材とする種々の包装用材料が開発されてきた。例えば、(1)に示すように熱可塑性樹脂と紙基材層とからなるもの、(2)に示すようにアルミ箔や無機酸化物蒸着フィルム、またはガスバリア性を有する熱可塑性樹脂等からなるガスバリア材層が中間層として積層されているもの、(3)に示すように両面が熱可塑性樹脂によって被覆された酸素吸収層が紙基材層に積層されているもの等が挙げられる。
(1)熱可塑性樹脂層/紙基材層/熱可塑性樹脂層
(2)熱可塑性樹脂層/紙基材層/ガスバリア材層/熱可塑性樹脂層
(3)熱可塑性樹脂層/紙基材層/熱可塑性樹脂層/酸素吸収層/熱可塑性樹脂層
(いずれも、左記が外側、右記が内側となる。以下同様。)
しかしながら、上記の包装用材料において、上記(1)の場合には、外部からの酸素透過に対するバリア性が著しく劣るため、これからなる紙容器に充填される物品は酸素による品質の劣化が進行しやすく、収納物品の保存性が大きく劣るという欠点がある。また、上記(2)の場合には、ガスバリア材層により容器内部への酸素透過が大幅に低減されるため、(1)の場合と比較して収納物品の保存性は優れるものの、容器内空間部の酸素や、充填された物品中の溶存酸素を除去することはできないため、収納物品の酸化劣化を完全に防ぐことは困難である。
またさらに、上記(3)の場合には、(1)と比較して収納物品の保存性は優れるものの、外部から熱可塑性樹脂層を透過して侵入する酸素により酸素吸収層の機能が低下するため、収納物品の長期間の保存には適しない、という問題があった。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1には、紙基材層/ガスバリア材層/酸素吸収性樹脂層/酸素透過性樹脂層をこの順に積層した紙基材積層体を用いた容器が提案されている。この場合、上記ガスバリア材層によって容器内部に酸素が侵入することを防止することができる。また上記酸素吸収性樹脂層によって、容器内部の空間に存在する酸素や、容器内の食品等に含まれる酸素(溶存酸素)を吸収することができる。しかしながら、この方法においては、上記酸素吸収性樹脂層は、熱可塑性樹脂中に鉄粉等の金属粉が分散されたもの等とされる。そのため、容器内部等に水が存在しない場合には、上記金属粉と酸素との反応が促進されず、酸素吸収能が低い、という問題があった。またこの方法においては、酸素吸収速度が十分でなく、成形性に悪影響を及ぼすほか、何よりも、内容物中に金属粉が混入する恐れがあり、衛生上の問題を引き起こす可能性がある。
特開2000−62102号公報
そこで、容器外部からの酸素を遮断し、かつ容器内空間部の酸素や、充填された物品中の溶存酸素をより速く除去することが可能であり、衛生上の問題を引き起こす恐れがなく、しかも簡単な工程で製造することができる酸素吸収性包装容器、およびそれに用いられる紙基材積層体の提供が望まれている。
本発明は、前記実情に鑑み鋭意検討した結果、共役ジエン重合体環化物を酸素吸収性樹脂層に用いることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、以下の1〜4の発明が提供される。
1.紙基材層と、前記紙基材層上に形成されたガスバリア材層と、前記ガスバリア材層上に形成され、共役ジエン重合体環化物を含有する酸素吸収性樹脂層と、前記酸素吸収性樹脂層上に形成された酸素透過性樹脂層とを有する紙基材積層体。
2.前記紙基材層の、前記ガスバリア材層が形成された側と反対側の面に、熱可塑性樹脂を主成分として含んでなる保護層が形成されていることを特徴とする前記1に記載の紙基材積層体。
3.前記共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が10%以上であることを特徴とする前記1または2に記載の紙基材積層体。
4.前記1〜3までのいずれかに記載の紙基材積層体を用いたことを特徴とする酸素吸収性包装容器。
本発明の紙基材積層体を用いて酸素吸収性包装容器を製造した場合、ガスバリア材層によって、酸素吸収性包装容器内に外部から酸素が進入することを遮断することができる。また、上記酸素吸収性樹脂層に共役ジエン重合体環化物が含有されていることから、酸素吸収性包装容器内に存在する酸素や、酸素吸収性包装容器内の物品中の溶存酸素を効率よく吸収することが可能となり、各種食品や医薬品等を酸化劣化させることなく、長期保存することが可能なものとすることができる。またさらに、本発明によれば、上記酸素吸収性樹脂層に共役ジエン重合体環化物が用いられることから、酸素吸収性包装容器内に水分が存在しない場合であっても、酸素吸収性樹脂層が、効率よく酸素を吸収するものとすることができるという効果も奏する。
以下、本発明の紙基材積層体および酸素吸収性包装容器について説明する。
A.紙基材積層体
まず、本発明の紙基材積層体について説明する。本発明の紙基材積層体は、紙基材層と、前記紙基材層上に形成されたガスバリア材層と、前記ガスバリア材層上に形成され、共役ジエン重合体環化物を含有する酸素吸収性樹脂層と、前記酸素吸収性樹脂層上に形成された酸素透過性樹脂層とを有するものである。
本発明の紙基材積層体は、例えば図1に示すように、紙基材層1と、その紙基材層1上に形成されたガスバリア材層2と、そのガスバリア材層2上に形成され、共役ジエン重合体環化物を含有する酸素吸収性樹脂層3と、その酸素吸収性樹脂層3上に形成された酸素透過性樹脂層4とを有するものである。好ましくは、例えば図2に示すように、前記紙基材層1の、前記ガスバリア材層2が形成された側と反対側の面に、保護層5を有する。
本発明の紙基材積層体を用いて酸素吸収性包装容器を製造した場合、ガスバリア材層によって、酸素吸収性包装容器内に外部から酸素が進入することを遮断することができる。また、上記酸素吸収性樹脂層に共役ジエン重合体環化物が含有されていることから、酸素吸収性包装容器内に存在する酸素や、酸素吸収性包装容器内の物品中の溶存酸素を効率よく吸収することが可能となり、各種食品や医薬品等を酸化劣化させることなく、長期保存することが可能なものとすることができる。またさらに、本発明によれば、上記酸素吸収性樹脂層に共役ジエン重合体環化物が用いられることから、酸素吸収性包装容器内に水分が存在しない場合であっても、酸素吸収性樹脂層が効率よく酸素を吸収することができる。
以下、本発明の紙基材積層体の各構成ごとに説明する。
<酸素吸収性樹脂層>
まず、本発明に用いられる酸素吸収性樹脂層について説明する。本発明に用いられる酸素吸収性樹脂層は、後述するガスバリア材層上に形成されるものであって、少なくとも共役ジエン重合体環化物が含有されているものである。このような酸素吸収性樹脂層は、包装容器内に存在する酸素、または包装された物品中の溶存酸素を吸収する役割、または包装容器外部から侵入する微量の酸素を吸収する役割を果たす。
(共役ジエン重合体環化物)
ここで、本発明で用いられる共役ジエン重合体環化物は、酸触媒の存在下、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分を環化反応させて得られるものである。なお、本発明においては、共役ジエン重合体環化物が極性基を含有していてもよい。
極性基としては、“炭素原子及び水素原子”以外の原子を有する基であればよく、例えば、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、エステル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、ハロゲン等が挙げられる。中でも、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、エステル基、エポキシ基及びアミノ基が好ましく、酸無水物基、カルボキシル基及び水酸基がより好ましく、酸無水物基及びカルボキシル基が特に好ましい。
極性基の含有量は、特に制限されないが、極性基を含有する共役ジエン重合体環化物100g当たり、通常、0.1〜200ミリモル、好ましくは1〜100ミリモル、より好ましくは5〜50ミリモルの範囲である。この含有量が少なすぎても多すぎても、酸素吸収性が劣る傾向にある。
また共役ジエン重合体環化物の生成に用いられる共役ジエン重合体は、共役ジエン単量体の単独重合体若しくは共重合体、又は共役ジエン単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体である。
使用できる共役ジエン単量体は、特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。これらの単量体は、単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが好ましく、イソプレンがより好ましい。
また共役ジエン単量体と共重合可能な他の単量体は、特に限定されない。その具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン等の鎖状オレフィン単量体;シクロペンテン、2−ノルボルネン等の環状オレフィン単量体;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等の非共役ジエン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等のその他の(メタ)アクリル酸誘導体;が挙げられる。これらの単量体は、単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。またこれらの中でも芳香族ビニル単量体が用いられることが好ましい。
共役ジエン単量体の単独重合体及び共重合体の具体例としては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(BIR)等を挙げることができる。中でも、ポリイソプレンゴム及びポリブタジエンゴムが好ましく、ポリイソプレンゴムがより好ましい。
共役ジエン単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体の具体例としては、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレン−イソブチレン共重合体ゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体ゴム(EPDM)等を挙げることができる。
中でも、重量平均分子量が1,000〜500,000の芳香族ビニル重合体ブロックと少なくとも一つの共役ジエン重合体ブロックとを有してなるブロック共重合体が好ましい。
共役ジエン重合体における共役ジエン単量体単位の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択されるが、通常、40モル%以上、好ましくは60モル%以上、更に好ましくは80モル%以上である。中でも、共役ジエン単量体単位のみからなるものが特に好ましく使用できる。共役ジエン単量体単位の含有量が少なすぎると、適切な範囲の不飽和結合減少率を得ることが困難になり、酸素吸収性が劣る傾向となる。
共役ジエン重合体の重合方法は常法に従えばよく、例えば、チタン等を触媒成分として含むチーグラー系重合触媒、アルキルリチウム重合触媒、又はラジカル重合触媒等の適宜な触媒を用いて、溶液重合又は乳化重合により行われる。
本発明で用いる共役ジエン重合体環化物は、上記共役ジエン重合体を、酸触媒の存在下に環化反応させて得られる。
環化反応に用いられる酸触媒としては、従来公知のものが使用でき、例えば、硫酸;フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、これらの無水物又はアルキルエステル等の有機スルホン酸化合物;三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、エチルアンモニウムジクロリド、臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、六塩化タングステン、塩化鉄等の金属ハロゲン化物;等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも、有機スルホン酸化合物が好ましく、p−トルエンスルホン酸及びその無水物がより好ましく使用できる。
酸触媒の使用量は、共役ジエン重合体100重量部当たり、通常、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜2重量部である。
環化反応は、通常、共役ジエン重合体を炭化水素溶媒中に溶解させ、酸触媒の存在下で反応させることにより行われる。
炭化水素溶媒は、環化反応を阻害しないものであれば特に限定されない。その具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;等が挙げられる。これらの炭化水素溶媒を共役ジエン単量体の重合反応に用いた場合は、その重合溶媒をそのまま環化反応の溶媒として用いることもでき、この場合は、重合反応が終了した重合反応液に酸触媒を添加して、環化反応を行うことができる。 炭化水素溶媒の使用量は、共役ジエン重合体の固形分濃度が、通常、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%となる範囲である。
環化反応は、加圧、減圧又は大気圧いずれの圧力下でも行うことができるが、操作の簡便性の点から大気圧下で行うことが望ましく、中でも乾燥気流下、特に乾燥窒素や乾燥アルゴンの雰囲気下で行うと水分に起因する副反応を抑えることができる。
環化反応における、反応温度や反応時間は常法に従えばよく、反応温度は、通常、50〜150℃、好ましくは70〜110℃であり、反応時間は、通常、0.5〜10時間、好ましくは2〜7時間である。
環化反応を行った後、常法により、酸触媒を不活性化し、酸触媒残渣を除去した後、所望により、酸化防止剤を添加し、炭化水素溶媒を除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物を取得することができる。
なお、上述した極性基を含有する共役ジエン重合体環化物を取得する方法としては、例えば、(1)極性基を含有しない共役ジエン重合体を酸触媒の存在下に環化して共役ジエン重合体環化物を得て、この共役ジエン重合体環化物に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加する方法、(2)極性基を含有する共役ジエン重合体を酸触媒の存在下に環化する方法、(3)極性基を含有しない共役ジエン重合体に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加した後、酸触媒の存在下に環化する方法、が挙げられる。上記(2)又は(3)の方法で得た極性基を含有する共役ジエン重合体環化物に、さらに極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加反応させることもできる。本発明においては、極性基含有共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率をより調整し易い点で、上記(1)の方法が好ましく採用できる。上記(1)の方法は、環化反応に用いた炭化水素系溶媒を完全に除去することなく、環化反応に引き続いて行うこともできる。
共役ジエン重合体環化物に極性基を導入するために使用する極性基含有エチレン性不飽和化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、エステル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、ハロゲン等の極性基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
酸無水物基又はカルボキシル基を有する化合物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アコニット酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸化合物が挙げられ、中でも、無水マレイン酸が反応性、経済性の点で賞用される。
水酸基を含有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル類;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基を有する不飽和酸アミド類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等の不飽和酸のポリアルキレングリコールモノエステル類;グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の不飽和酸の多価アルコールモノエステル類;等が挙げられ、これらの中でも、不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル類が好ましく、特にアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
その他の極性基を含有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
極性基含有エチレン性不飽和化合物を共役ジエン重合体環化物に付加する方法は特に限定されないが、一般にエン付加反応又はグラフト重合反応と呼ばれる公知の反応を採用できる。
この付加反応は、共役ジエン重合体環化物と極性基含有エチレン性不飽和化合物とを、必要に応じてラジカル発生剤の存在下に、反応させることによって行われる。ラジカル発生剤としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシドベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキシド等のパーオキシド類;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類;等が挙げられる。
付加反応は、固相状態で行っても、溶液状態で行ってもよいが、反応制御がし易い点で、溶液状態で行うことが好ましい。使用される溶媒としては、例えば、前述したような環化反応における炭化水素系溶媒と同様のものが挙げられる。
極性基含有エチレン性不飽和化合物の使用量は、適宜選択されるが、導入された極性基の割合が、極性基含有共役ジエン重合体環化物100g当たり、通常、0.1〜200ミリモル、好ましくは1〜100ミリモル、より好ましくは5〜50ミリモルとなるような範囲である。
上記付加反応は、加圧、減圧又は大気圧いずれの圧力下でも行うことができるが、操作の簡便性の点から大気圧下で行うことが望ましく、中でも乾燥気流下、とくに乾燥窒素や乾燥アルゴンの雰囲気下で行うと、水分に由来する付加反応率の低下を抑制することができる。
また、上記付加反応においては、反応温度は、通常、30〜250℃、好ましくは60〜200℃であり、反応時間は、通常、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。
なお、極性基を含有する共役ジエン重合体環化物に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加する方法は、上述の極性基を含有しない共役ジエン重合体環化物に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加する方法に準じればよい。
このとき、極性基含有エチレン性不飽和化合物の使用量は、適宜選択されるが、付加反応により導入された極性基と付加前に共役ジエン重合体環化物が有していた極性基との合計が、極性基含有共役ジエン重合体環化物100g当たり、通常、0.1〜200ミリモル、好ましくは1〜100ミリモル、より好ましくは5〜50ミリモルとなるような範囲である。
また、極性基を含有しない共役ジエン重合体に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加する方法も、上述の極性基を含有しない共役ジエン重合体環化物に極性基含有エチレン性不飽和化合物を付加する方法に準じればよい。
このとき、極性基含有エチレン性不飽和化合物の使用量は、適宜選択されるが、得られる付加物を環化反応した後、極性基の割合が、極性基含有共役ジエン重合体環化物100g当たり、通常、0.1〜200ミリモル、好ましくは1〜100ミリモル、より好ましくは5〜50ミリモルとなるような範囲である。
本発明に用いられる共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、通常、10%以上、好ましくは40〜75%、より好ましくは45〜65%である。不飽和結合減少率が小さすぎる場合および大きすぎる場合共に、酸素吸収性が低下する傾向がある。
ここで、不飽和結合減少率は、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、不飽和結合が環化反応によって減少した程度を表す指標であり、以下のようにして求められる数値である。即ち、プロトンNMR分析により、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、全プロトンのピーク面積に対する二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積の比率を、環化反応前後について、それぞれ求め、その減少率を計算する。
いま、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、
環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、
SB=SBU/SBT
環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、
SA=SAU/SAT
従って、不飽和結合減少率は、下記式により求められる。
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、環化反応の際の酸触媒量、反応温度及び反応時間等を適宜選択して調節することができる。
本発明に用いられる共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィで測定される標準ポリスチレン換算値で、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは10,000〜700,000、より好ましくは30,000〜500,000である。
共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が低すぎると、フィルムに成形し難く、機械的強度が低くなる傾向にある。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量が高すぎると、環化反応する際の溶液粘度が上昇して、取り扱い難くなると共に、押出成形時の加工性が低下する傾向にある。
共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、原料として用いる共役ジエン重合体の重量平均分子量を適宜選択して調節することができる。
なお、上記共役ジエン重合体環化物が極性基を含有する場合、ゲル量(トルエン不溶解分の割合)は、通常、10重量%以下、好ましくは5重量%以下であるが、実質的にゲルを有しないものであることが特に好ましい。ゲル量が多すぎると、押出成形時の加工性が低下して平滑なフィルムに成形し難くなったり、均一な溶液を調製し難くなったりする。
本発明において、共役ジエン重合体環化物は、1種類を単独で使用してもよく、単量体組成、分子量、不飽和結合減少率、ゲル量等が異なる2種類以上を併用してもよい。
また、上記共役ジエン重合体環化物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。共役ジエン重合体環化物中の酸化防止剤の含有量は、通常3000ppm以下、好ましくは2000ppm以下、より好ましくは1500ppm以下、特に好ましくは1000ppm以下である。この含有量が多すぎると、この共役ジエン重合体環化物を用いて得られる酸素吸収性樹脂層の酸素吸収性を低下させる傾向にある。酸化防止剤含有量の下限は、好ましくは10ppm、より好ましくは20ppmm、特に好ましくは50ppmである。
但し、酸化防止剤の添加量が多すぎると酸素吸収性を低下させるので、加工時の安定性を考慮しながら、添加量を適宜調節することが肝要である。
使用し得る酸化防止剤としては、樹脂材料又はゴム材料の分野において通常使用されるものであれば特に制限されない。その具体例としては、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤等を挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、ビタミンE、テトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス〔3‐(3,5−ジ−t−ブチル−4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−(t−ブチル)−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス−(6−t−ブチル−p−クレゾール)、1,3,5-トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等を挙げることができる。
また、ホスファイト系酸化防止剤の具体例としては、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリスデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールホスファイトポリマー、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−3−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、及び下記式(1)〜(4)で表されるホスファイト化合物等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との併用が好ましい。
Figure 0004631548
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(ポリマー材料)
また本発明に用いられる酸素吸収性樹脂層には、共役ジエン重合体環化物以外のポリマー材料を配合することが好ましい。本発明の酸素吸収性樹脂層に、共役ジエン重合体環化物以外のポリマー材料を配合することにより、酸素吸収後の引張強度が向上する。使用しうる共役ジエン重合体環化物以外のポリマー材料は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂と各種ゴムとを併用することも可能である。
共役ジエン重合体環化物以外のポリマー材料は、1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
共役ジエン重合体環化物と共役ジエン重合体環化物以外のポリマー材料とを含有してなる酸素吸収性樹脂層において、共役ジエン重合体環化物の含有量は、共役ジエン重合体環化物100〜10重量%が好ましく、90〜20重量%がより好ましく、85〜30重量%が更に好ましく、80〜50重量%が特に好ましい。上記範囲内において、酸素吸収性と引張強度とのバランスが良好に保たれ、共役ジエン重合体環化物の割合が高い程、酸素吸収性が良好なものとなる。
熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びポリビニルアルコール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂の具体例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、密度0.925〜0.930g/cm未満の低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン;ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のオレフィン単独重合体;エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ポリブテン−1共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体;エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分又は完全鹸化物等のその他のエチレン共重合体;これらのポリオレフィン樹脂を無水マレイン酸等の酸無水物等でグラフト変性したグラフト変性ポリオレフィン樹脂;等を挙げることができる。
ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。ポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,12等を挙げることができる。ポリビニルアルコール樹脂の具体例としては、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分又は完全鹸化物等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、ポリオレフィン樹脂、とりわけ、オレフィン単独重合体及びエチレンとα−オレフィンとの共重合体が共役ジエン重合体環化物との相溶性に優れるため好ましい。
これらの熱可塑性樹脂と併用しうるゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)ゴム、ポリ(スチレン−ブタジエン)ゴム、ポリ(エチレンープロピレンージエン)ゴム、アクリルゴム等を例示することができる。
(その他)
本発明の酸素吸収性樹脂層は、酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤としては、共役ジエン重合体環化物に配合できるものと同様のものを使用できる。
本発明の酸素吸収性樹脂層中の酸化防止剤の含有量は、通常3000ppm以下好ましくは2000ppm以下、より好ましくは1500ppm以下、特に好ましくは1000ppm以下である。この含有量が多すぎると、酸素吸収性を低下させる傾向にある。酸素吸収性樹脂層中の酸化防止剤含有量の下限は、好ましくは10ppm、より好ましくは20ppm、特に好ましくは50ppmである。
上記酸化防止剤を含有する酸素吸収性樹脂層は、押出成形時の加工性が良好で平滑なフィルムに成形しやすく、成形時に機械的強度が低下することがない。
酸化防止剤を含有する酸素吸収性樹脂層を得るには、その原料として使用する共役ジエン重合体環化物に予め酸化防止剤を添加しておいてもよく、酸素吸収性樹脂層を調製するときに、酸化防止剤を配合してもよい。
本発明の酸素吸収性樹脂層には、本発明の効果を本質的に損なわない限り、酸素吸収性を高める作用を有する触媒、光開始剤、熱安定剤、補強剤、充填剤、難燃剤、着色剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、乾燥剤、脱臭剤、難燃剤、帯電防止剤、粘着防止剤、防曇剤、表面処理剤等の添加剤を配合することができる。
これらの添加剤は、酸素吸収性樹脂層の分野で従来公知のものの中から、目的に応じて、適宜選択し、適量配合することができる。
また、添加剤の配合方法は、特に制限されず、酸素吸収性樹脂層を構成する各成分を、溶融混練したり、溶液状態で混合した後に溶剤を除去したりすることにより行うことができる。
酸素吸収性を高める作用を有する触媒としては、遷移金属塩がその典型的なものとして挙げられる。本発明の酸素吸収性樹脂層は、このような遷移金属塩を含有していなくても、十分な酸素吸収性を発揮するが、遷移金属塩を含有させることにより、更に酸素吸収性に優れたものとなる。
このような遷移金属塩としては、特表2001−507045号公報、特開2003−71992号公報及び特表2003−504042号公報等に例示されたものが挙げられ、オレイン酸コバルト(II)、ナフテン酸コバルト(II)、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ステアリン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)等が好ましく、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ステアリン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)がより好ましい。
上記遷移金属塩の配合量は、通常、酸素吸収性樹脂層の10〜10,000ppm、好ましくは20〜5,000ppm、より好ましくは50〜5,000ppmである。
光開始剤は、酸素吸収性樹脂層にエネルギー線を照射した際に、酸素吸収反応の開始を促進する作用を有する。
光開始剤としては、特表2003−504042号公報に例示されているベンゾフェノン類、アセトフェノン類、アントラキノン類等が挙げられる。
光開始剤の配合量は、通常、酸素吸収性樹脂層の0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。
また、本発明に用いられる酸素吸収性樹脂層の厚みは、好ましくは3〜100μm、より好ましくは5〜80μmである。上記範囲内とすることにより、酸素吸収性樹脂層の酸素吸収性と加工性とを良好なものとすることができる。
本発明の酸素吸収性樹脂層を形成する方法としては、例えば、溶液キャスト法により成形したり、単軸又は多軸の溶融押出機を用い、T−ダイ、サーキュラーダイ等所定形状のダイを通して押出成形したりすることにより成形できる。勿論、圧縮成形法、射出成形法等を採用することも可能である。
本発明の酸素吸収性樹脂層を使用するにあたり、エネルギー線を照射して、酸素吸収反応の開始を促進したり、酸素吸収速度を高めたりすることができる。エネルギー線としては、例えば、可視光線、紫外線、X線、電子線、γ線等を利用可能である。照射エネルギー量は、用いるエネルギー線の種類に応じて、適宜選択することができる。
<酸素透過性樹脂層>
本発明に用いられる酸素透過性樹脂層は、本発明の紙基材積層体が酸素吸収性包装容器に用いられた際、内容物と酸素吸収性樹脂層とを隔離する隔離層としての役割や、酸素吸収性包装容器が形成される際に密封材層としての役割を果たすものである。また、この酸素透過性樹脂層は、酸素吸収性包装容器中の酸素を、酸素吸収性樹脂層に効率よく吸収させるために、酸素を効率よく透過させるものとされる。
このような酸素透過性樹脂層を構成する材料としては特に限定されるものではなく、紙基材積層体の用途に応じて適宜選択され、例えば各種熱可塑性樹脂等を用いることが可能である。また特に紙基材積層体が、食品等を包装するための酸素吸収性包装容器に用いられる場合には、衛生面等を考慮する必要があり、例えばポリオレフィン類を1種類、または2種類以上混合して用いることが好ましい。
ポリオレフィン類としては、例えば直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の各種ポリエチレン;ポリプロピレンホモポリマー、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体等のポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンーαオレフィン共重合体、アイオノマー樹脂等が挙げられる。上記の中でも、各種ポリエチレンを主成分とした系が取り扱い性の面から特に好ましく用いられる。
上記酸素透過性樹脂層には、必要に応じて、熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン類以外の熱可塑性樹脂、酸化チタンやカーボンブラック等の顔料、酸化防止剤、スリップ剤、充填剤、紫外線吸収剤、吸着剤、脱臭剤、その他各種添加剤等を添加してもよく、また酸素透過性樹脂層は単層であってもよく、また複数層が積層されたものであってもよい。
上記酸素透過性樹脂層の膜厚としては、酸素透過性樹脂層を構成する樹脂の種類や、層数によらず、10〜200μmの範囲とすることが好ましく、特に好ましくは20〜150μmの範囲である。酸素透過性樹脂層の膜厚が10μmより薄い場合には、ヒートシール強度が低下し、紙基材積層体を酸素吸収性包装容器に用いた際に、強度が低くなる場合がある。
また酸素透過性樹脂層の25℃における酸素透過度は、酸素透過性樹脂層の層数や膜厚、構成材料によらずに400cc/m・atm・day以上であることが好ましく、特に好ましくは500cc/m・atm・day以上である。酸素透過性樹脂層の酸素透過度が400cc/m・atm・dayより低いと、酸素吸収性樹脂層により行われる酸素吸収に対して律速となり、酸素吸収速度が低下するため、好ましくない。
<ガスバリア材層>
本発明に用いられるガスバリア材層は、本発明の紙基材積層体を酸素吸収性包装容器に用いた場合に、酸素吸収性包装容器の外部から侵入する酸素を遮断する役割を果たすものである。ガスバリア材層を構成する材料としては、アルミ箔等の金属箔、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体の完全または部分鹸化物、ナイロン6、ナイロン66、MXDナイロン、非晶性ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、アルミ蒸着フィルムやシリカ蒸着フィルム等の無機酸化物蒸着フィルム等を単独で又は組み合わせて用いることができ、その酸素透過度は加工性やコストが許す限りできるだけ小さくすることが好ましく、その膜厚に関係なく100cc/m2・atm・day(25℃、100%RH)以下であることが必要であり、より好ましくは50cc/m2・atm・day(25℃、100%RH)以下である。このようにすることで、本発明の紙基材積層体を酸素吸収性包装容器に用いた際に、酸素吸収性包装容器の外部から進入する酸素量を少なくすることができ、収納物品の保存性をより優れたものにすることができる。
<紙基材層>
本発明に用いられる紙基材層は、紙基材積層体を酸素吸収性包装容器に用いた際に、酸素吸収性包装容器を構成する基材層となるものであり、賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を持たせるものである。使用できる紙基材層としては、天然繊維、合成繊維またはこれらの混合物を抄造して得られるものであれば特に制限は無く、抄造に用いられる天然繊維としては、例えば、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材繊維、綿糸、サトウキビ、竹等をパルプ化した植物繊維、羊毛、絹糸等の動物性繊維等が挙げられる。また、合成繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、酢酸セルロース等が挙げられる。なお、本発明においては、上記のような紙基材層には、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の絵柄印刷が施されていても良い。
<保護層>
本発明の紙基材積層体には、上記紙基材層の、ガスバリア材層が形成されている側と反対側の面に、熱可塑性樹脂層を主成分として含んでなる保護層が形成されていることが好ましい。このような熱可塑性樹脂を主成分として含んでなる保護層は、紙基材層表面を保護する役割を果たすものである。また紙基材積層体が酸素吸収性包装容器に用いられる際、接着層としての役割を果たす場合もあることから、酸素透過性樹脂層と融着することのできる熱可塑性樹脂が用いられたものであることが好ましい。例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒によるポリエチレンに例示される各種ポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体に例示される各種ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン類が挙げられる。
この中でも、各種ポリエチレンを主成分とした系が取り扱い性の面から特に好ましく用いられる。また、この熱可塑性樹脂層には必要に応じて熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン類以外の熱可塑性樹脂、酸化チタンやカーボンブラック等の顔料、酸化防止剤、スリップ剤、充填剤、紫外線吸収剤、その他の添加剤を添加しても良く、また、熱可塑性樹脂層は上記樹脂からなる単層又は多層であっても良い。なお、本発明においては、上記のような最外層を構成する保護層の表面には、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄が施されていても良い。
<紙基材積層体の製造方法>
本発明における紙基材積層体の製造方法としては、通常の積層方法、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、共押し出しラミネーション法、その他公知の方法で行うことができる。さらに、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理等の前処理を紙や熱可塑性樹脂層等に施すことができ、また、例えば、ウレタン系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、或いはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系等の公知のアンカーコート剤、接着剤等を使用することができる。
なお、本発明において、ガスバリア材層と紙基材層とを積層するに際しては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等の押し出し用のポリオレフィン類、或いはオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン類等の接着剤樹脂を使用してラミネートすることができる。
B.酸素吸収性包装容器
本発明の酸素吸収性包装容器は、上述した紙基材積層体を用いたものであり、上記紙基材積層体を、その用途等に合わせて、酸素透過性樹脂層側を内面として成形したものとすることができる。このような酸素吸収性包装容器としては、例えばゲーベルトップ、ブリックタイプ、立方体、正四面体等の形状を有する液体包装用容器、その他カップ状の容器、パウチ状の容器等とすることができるが、これらの例に限らず、上記紙基材積層体を各種形状の包装容器に成形したものとすることができる。
なお、これらの酸素吸収性包装容器には、例えば、牛乳、ジュース、日本酒、ウイスキー、焼酎、コーヒー、茶、ゼリー飲料、健康飲料等の液体飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし、マヨネーズ、味噌、すり下ろし香辛料等の調味料、ジャム、クリーム、チョコレートペースト等のペースト状食品、液体スープ、煮物、漬物、シチュー等の液体加工食品に代表される液体系食品や、そば、うどん、ラーメン等の生麺及びゆで麺、精米、調湿米、無洗米等の調理前の米類や調理された炊飯米、五目飯、赤飯、お粥等の加工米製品類、粉末スープ、だしの素等の粉末調味料等に代表される高水分食品、その他農薬や殺虫剤等の固体状や溶液状の化学薬品、液体及びペースト状の医薬品、化粧水、化粧クリーム、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー、石鹸、洗剤等、種々の物品を収納することができ、容器外部から酸素が侵入することがなく、また容器内部の酸素は酸素吸収性樹脂層によって吸収されることから、物品の酸化腐食等が防止され、長期間の良好な品質保持が可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明する。なお、以下の記載における「部」及び「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。
また、各特性の評価は以下のように行った。
(1)共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析による標準ポリスチレン換算値で示す。
(2)共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率
不飽和結合減少率は、下記(i)及び(ii)の文献に記載された方法を参考にして、プロトンNMR測定により求める。
(i) M.A.Golub and J.Heller.Can.J.Chem,41,937(1963).
(ii) Y.Tanaka and H.Sato,J.Polym.Sci: Poly.Chem.Ed.,17,3027(1979).
いま、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、
環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、
SB=SBU/SBT
環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、
SA=SAU/SAT
従って、不飽和結合減少率は、下記式により求められる。
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
(製造例1:共役ジエン重合体環化物AKの製造)
攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキサン233部、スチレン25部、nーブチルリチウム0.113部(1.56モル/リットル濃度のヘキサン溶液で添加)を仕込み、内温を60℃に昇温させて30分間重合させた。スチレンの重合転化率は、ほぼ100%であった。次いで、内温が75℃を超えないように制御しながら、イソプレン75部を60分間に亘り、連続的に添加した。添加終了後、70℃でさらに1時間反応させた。この時点の重合転化率はほぼ100%であった。
上記の重合溶液に、β−ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物のナトリウム塩0.016部を(1%水溶液で)添加し、重合反応を停止して、ポリスチレンブロックとポリイソプレンブロックとからなるジブロック構造の共役ジエン重合体Aを得た。この一部を採取し、重量平均分子量を測定したところ、78,000であった。
引き続き、上記の重合体溶液に、p−トルエンスルホン酸(トルエン中で水分量が150ppm以下になるように還流脱水したもの)1.01部を添加し、75℃で6時間環化反応を行った。その後、炭酸ナトリウム0.391部を含む炭酸ナトリウム水溶液を添加して環化反応を停止し、80℃で30分間攪拌した。80℃で共沸還流脱水により水を除去した後、孔径2μmのガラス繊維フィルターにて系中の触媒残渣を除去した。
得られた重合体環化物の溶液に、重合体環化物に対して、300ppmに相当する量の酸化防止剤(イルガノックス1076:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)及び600ppmに相当する酸化防止剤(アデカスタブHP−10:旭電化工業社製)を添加した後、溶液中のシクロヘキサンの一部を留去し、更に真空乾燥を行って、トルエンを除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物AKを得た。得られた共役ジエン重合体環化物AKを単軸混練押し出し機(ダイスΦ3mm×1穴)にて丸ペレ化(ペレットak)した。共役ジエン重合体環化物AKの不飽和結合減少率は50%であり、重量平均分子量は73,000であった。
混練機としては、池貝単軸混練押し出し機(40Φ、L/D=25)を用い、混練条件は下記のものとした。
シリンダ1:140℃
シリンダ2:150℃
シリンダ3:160℃
シリンダ4:170℃
ダイス:170℃
回転数:25rpm
(製造例2:共役ジエン重合体環化物BKの製造)
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた耐圧反応器に、10mm角に裁断したポリイソプレン(シス−1,4−結合単位含有量73%、トランス−1,4結合単位含有量22%、3,4結合単位含有量5%、重量平均分子量144,000)300部を、シクロヘキサン700部とともに仕込んだ。反応器内を窒素置換した後、75℃に加温して攪拌下でポリイソプレンをシクロヘキサンに完全に溶解した後、p−トルエンスルホン酸(トルエン中で、水分量が150ppm以下になるように、還流脱水したもの。)2.85部を投入し、80℃以下で環化反応を行った。7時間反応させた後、炭酸ナトリウム1.1部を含む25%炭酸ナトリウム水溶液を投入して反応を停止した。80℃で、共沸還流脱水により水を除去した後、孔径2μmのガラス繊維フィルターにて系中の触媒残渣を除去した。
得られた重合体環化物の溶液に、重合体環化物に対して、300ppmに相当する量の酸化防止剤(イルガノックス1076:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)及び600ppmに相当する酸化防止剤(アデカスタブHP−10:旭電化工業社製)を添加した後、溶液中のシクロヘキサンの一部を留去し、更に真空乾燥を行って、トルエンを除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物BKを得た。得られた共役ジエン重合体環化物BKを製造例1と同じ単軸混練押し出し機(ダイスΦ3mm×1穴)にて丸ペレ化(ペレットbk)した。共役ジエン重合体環化物BKの不飽和結合減少率は61%であり、重量平均分子量は107,000であった。
(製造例3:脱酸素剤含有コンパウンドペレットの作製)
出口部分にストランドダイを装着した二軸押し出し機(TEM−35B:東芝機械(株))を用いて、平均粒径30μmの還元鉄粉100部に対して塩化カルシウム3部をコーティングした粒状の脱酸素剤40部と低密度ポリエチレン樹脂(LC−600A:日本ポリオレフィン(株))60部をスクリュー回転数100rpmで高真空ベントを引きながら、185℃でストランド状に押し出して、目的とする脱酸素剤含有コンパウンドペレットcを作製した。
(実施例1)
製造例1で得られたペレットakを、ラボプラストミル単軸押し出し機にTダイ、二軸延伸試験装置(共に株式会社東洋精機製作所製)を接続して、幅100mm、厚みが20μmとなるようにフィルム成型し、酸素吸収性樹脂層とした。同様に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EP−E105B:(株)クラレ社製)樹脂ペレットを用い、幅100mm、厚みが30μmとなるようにフィルム成型し、ガスバリア材層とした。さらに、低密度ポリエチレン(LC−600A:日本ポリオレフィン(株)社製)樹脂ペレットを用い、上記と同様に、幅100mm、厚みが50μmとなるようにフィルム成型し、酸素透過性樹脂層及び保護層とした。
これらのフィルムを保護層/〔坪量400g/mの紙基材層〕/ガスバリア材層/酸素吸収性樹脂層/酸素透過性樹脂層の順に重ね、125℃に設定したホットロールラミネーター(EXCELAM II 355Q:Gmp Co.LTD製)を用いてラミネート接着させて紙基材積層体とした。この紙基材積層体を100mm×400mmの大きさに裁断し、両端をヒートシーラにて熱融着し、酸素吸収性袋を作成した。この酸素吸収性袋内から空気を完全に除去した後、新たに100ccの空気を入れ、25℃で5日保存した後の酸素濃度を測定した。5日後の酸素濃度を表1に示す。なお、酸素濃度の測定にはフードチェッカーHS−750〔セラマテック社(米国)製〕を用いた。また、保存前の酸素濃度は、20.7%であった。
(実施例2)
製造例2で得られたペレットbkを、ラボプラストミル単軸押し出し機にTダイ、二軸延伸試験装置(共に株式会社東洋精機製作所製)を接続して、幅100mm、厚みが20μmとなるようにフィルム成型し、酸素吸収性樹脂層とした以外は、実施例1と同様に、酸素吸収性袋を作成した。この酸素吸収性袋内から空気を完全に除去した後、新たに100ccの空気を入れ、25℃で5日放置した後の酸素濃度を測定した。5日後の酸素濃度を表1に示す。
(比較例1)
製造例3で得られたペレットcを、ラボプラストミル単軸押し出し機にTダイ、二軸延伸試験装置(共に株式会社東洋精機製作所製)を接続して、幅100mm、厚みが20μmとなるようにフィルム成型し、酸素吸収性樹脂層とした以外は、実施例1と同様に、酸素吸収性袋を作成した。この酸素吸収性袋内から空気を完全に除去した後、新たに100ccの空気を入れ、25℃で5日放置した後の酸素濃度を測定した。5日後の酸素濃度を表1に示す。
Figure 0004631548
表1の結果より、保護層/紙基材層/ガスバリア材層/共役ジエン重合体環化物を含有する酸素吸収性樹脂層/酸素透過性樹脂層をこの順に積層してなる本発明の紙基材積層体からなる酸素吸収性袋は、25℃、5日間で袋内の酸素を殆ど吸収していることが分かる。これに対し、酸素吸収性樹脂層に共役ジエン重合体環化物を含有する組成物を含有せず、還元鉄粉を含有した比較例1では、酸素吸収性に劣る結果となった。
本発明の紙基材積層体の一例を示す概略断面図である。 本発明の紙基材積層体の他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 …紙基材層
2 …ガスバリア材層
3 …酸素吸収性樹脂層
4 …酸素透過性樹脂層
5 …保護層

Claims (4)

  1. 紙基材層と、前記紙基材層上に形成されたガスバリア材層と、前記ガスバリア材層上に形成され、共役ジエン重合体環化物を含有する酸素吸収性樹脂層と、前記酸素吸収性樹脂層上に形成された酸素透過性樹脂層とを有する紙基材積層体。
  2. 前記紙基材層の、前記ガスバリア材層が形成された側と反対側の面に、熱可塑性樹脂を主成分として含んでなる保護層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の紙基材積層体。
  3. 前記共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率が10%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の紙基材積層体。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の紙基材積層体を用いたことを特徴とする酸素吸収性包装容器。

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