JP2010179644A - 酸素吸収性を有する成形品の製造方法および成形品 - Google Patents

酸素吸収性を有する成形品の製造方法および成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素吸収により不快な臭気を発生せず、優れた酸素吸収機能(高酸素吸収量および高酸素吸収速度)を有し、かつ優れた加工性を有する成形品の製造方法を提供すること。
【解決手段】エチレン含有量5〜60モル%、ケン化度90%以上のエチレンービニルアルコール共重合体(D)および炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂(A)を含む酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層を有するシートを、面積換算で2倍以上の延伸倍率で延伸または0.5以上の絞り比で熱成形する工程を包含し、該延伸または熱成形は、該エチレンービニルアルコール共重合体(D)の融点をT(℃)としたとき、[T−20℃]以下かつ[T−120℃]以上の温度範囲で行われることを特徴とする、成形品の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸素吸収性を有する成形品の製造方法およびその製造方法によって得られる成形品に関する。
ガスバリア性樹脂、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと記載する場合がある)は、酸素ガスバリア性および炭酸ガスバリア性に優れた材料である。このような樹脂は溶融成形が可能であるので、耐湿性、機械的特性などに優れた熱可塑性樹脂(ポリオレフィン、ポリエステルなど)の層と積層され、多層プラスチック包装材として好適に用いられている。
しかし、これらのガスバリア性樹脂の気体透過性は完全にゼロであるわけではなく、無視し得ない量の気体を透過する。このような気体の透過、とりわけ、内容物の品質に大きな影響を及ぼす酸素の透過を低減するために、また、内容物の包装時点ですでに包装体内部に存在する酸素を取り除くために、酸素吸収剤を使用することが知られている。
例えば、改良された酸素吸収剤として、遷移金属触媒とエチレン性不飽和化合物とを含む組成物および上記のEVOHと酸素吸収剤とを含む樹脂組成物が提案されている(特許文献1および2参照)。特に、EVOHを含む樹脂組成物は、EVOHと同様に溶融成形が可能であるので、各種包装材料として好適に用いることが可能である。
しかし、上記のような酸素吸収剤または酸素吸収性組成物を包装材として使用すると、酸素吸収が進むにつれて酸素吸収剤が分解し、不快な臭気が発生することがある。そのため、臭気に敏感な食品の保存剤などの香りを重視する用途においては、さらなる改良が望まれている。
例えば、不快な臭気を発生しない酸素吸収性樹脂組成物として、本発明者らの一部は、実質的に主鎖のみに炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂および遷移金属塩を含む酸素吸収性樹脂組成物を提案している(特許文献3参照)。
一方、内容物の包装時点で、既に包装体内部に存在する酸素を取り除くために、酸素吸収剤を使用する場合、熱可塑性樹脂と酸素吸収剤とを含む酸素吸収性樹脂組成物を用いると、熱可塑性樹脂の中に酸素吸収剤が存在するため、酸素吸収速度という点では目的を達しにくい傾向にある。この傾向は、特にマトリックス樹脂としてEVOHのようなバリア性樹脂を使用した場合、顕著に現れる。
ここで、EVOHを使用する際の利点を生かしながら、包装体内部に存在する酸素を効率的に取り除くためには、何らかの方法で酸素吸収速度を速くする必要がある。
特開平5−115776号公報 国際公開第02/18496号 特開2005−187808号公報
したがって、本発明の目的は、酸素吸収により不快な臭気を発生せず、優れた酸素吸収機能(高酸素吸収量および高酸素吸収速度)を有し、かつ優れた加工性を有する成形品の製造方法、および前記した優れた性質を有する成形品を提供することにある。
本発明は、エチレン含有量5〜60モル%、ケン化度90%以上のエチレンービニルアルコール共重合体(D)(以下、単にEVOH(D)と記載する)および炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂(A)(以下、単に熱可塑性樹脂(A)と記載する)を含む酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層を有するシートを、面積換算で2倍以上の延伸倍率で延伸または0.5以上の絞り比で熱成形する工程を包含し、該延伸または熱成形は、該EVOH(D)の融点をT(℃)としたとき、[T−20℃]以下かつ[T−120℃]以上の温度範囲で行われることを特徴とする成形品の製造方法である。
1つの実施態様では、上記熱可塑性樹脂(A)は、実質的に主鎖のみに炭素−炭素二重結合を有する。
ある実施態様では、上記熱可塑性樹脂(A)は、ポリオクテニレンである。
別の実施態様では、上記酸素吸収性樹脂組成物(P)は、さらに遷移金属塩(C)を含む。
1つの実施態様では、上記遷移金属塩(C)は、鉄塩、ニッケル塩、銅塩、マンガン塩、およびコバルト塩からなる群より選択される少なくとも1種の金属塩である。
さらに別の実施態様では、上記シートは、前記酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層および該酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層の外側にガスバリア性樹脂からなる層を有する多層シートである。
さらに、本発明は、上記製造方法により製造された成形品である。
1つの実施態様では、上記成形品は、酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層および該酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層の外側にガスバリア性樹脂からなる層を有する。
本発明によれば、酸素吸収により不快な臭気を発生せず、優れた酸素吸収機能を有し、かつ優れた加工性を有する成形品の製造方法、および酸素吸収により不快な臭気を発生せず、優れた酸素吸収性を有する成形品を提供することができる。
以下、本発明の実施態様について説明する。
本発明の成形品の製造方法は、EVOH(D)および熱可塑性樹脂(A)を含む酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層を有するシートを、面積換算で2倍以上の延伸倍率で延伸または0.5以上の絞り比で熱成形する工程を包含する。該延伸または熱成形は、EVOH(D)の融点をT(℃)としたとき、[T−20℃]以下かつ[T−120℃]以上の温度範囲で行われる。このような温度範囲で酸素吸収性樹脂組成物(P)を延伸または熱成形することにより、酸素吸収により不快な臭気を発生せず、かつ酸素吸収速度の速い成形品が得られる。
通常の室温条件下で、酸素の影響で何らかの劣化を生じやすい内容物(例えば、食品、飲料、ペットフード、化粧品、医薬品など)を、空気存在下で包装材内に充填した場合、このような速い酸素吸収速度を有する成形品を包装材として用いることによって、被包装物の品質劣化などが起こる前に、包装材内部の酸素を吸収することができる。なお、酸素吸収速度は、後述の実施例で説明する方法により測定される。
上記の酸素吸収速度は、包装材内部の酸素を吸収する観点からは速い方が好ましい。しかし、酸素吸収速度を速くすれば、酸素吸収層(酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層)内部への酸素侵入速度を速くする必要がある。酸素侵入速度が速くなれば、酸素吸収層の低分子量成分、吸収された酸素により酸素吸収層内で被酸化物質が酸化されて生じる低分子物質などが、逆に被包装物の方へ拡散してくる可能性が高くなるので好ましくない。したがって、本発明の製造方法で用いる酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層の酸素吸収速度は、好ましくは3〜50ml/(g・day)、より好ましくは4〜20ml/(g・day)である。
まず、成形品の酸素吸収層を構成する酸素吸収性樹脂組成物(P)について説明する。
(1)熱可塑性樹脂(A)
本発明の方法に用いられる熱可塑性樹脂(A)は、分子内に炭素−炭素二重結合を有し、好ましくは、実質的に主鎖のみに炭素−炭素二重結合を有する。「実質的に主鎖のみに炭素−炭素二重結合を有する」とは、熱可塑性樹脂(A)の主鎖に存在する炭素−炭素二重結合が、分子内の全炭素−炭素二重結合の90%以上であり、側鎖に存在する炭素−炭素二重結合が、分子内の全炭素−炭素二重結合の10%以下であることをいう。側鎖に存在する炭素−炭素二重結合の割合は、好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下である。
このような熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、ポリジエン(ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリ(2−エチルブタジエン)、ポリ(2−ブチルブタジエン)など);シクロオレフィンの開環メタセシス重合体(ポリオクテニレン、ポリペンテニレン、ポリノルボルネンなど)などが挙げられる。これらの中でも、ポリジエンの1,4位重合体およびポリオクテニレンが好ましく、1,4−ポリブタジエンおよびポリオクテニレンがより好ましい。
一般的に、熱可塑性樹脂分子の主鎖に存在する炭素−炭素二重結合は、側鎖に存在する炭素−炭素二重結合と比較して、酸素吸収量が少なく、酸素吸収速度が遅い場合が多い。しかし、主鎖に、隣接する炭素−炭素二重結合の間にメチレン鎖が3個以上存在する繰り返し単位(すなわち、−C=C−(CHn≧3−C=C−)を有する熱可塑性樹脂は、炭素−炭素二重結合1個あたりの酸素吸収量が予想以上に多いことがわかった。したがって、本発明の製造方法では、臭気を発生しにくく、少ない添加量で優れた酸素吸収機能が得られるという観点から、熱可塑性樹脂(A)として、好ましくは、隣接する炭素−炭素二重結合の間にメチレン鎖が3個以上存在する繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂としては、ポリオクテニレン、ポリペンテニレンなどが挙げられ、ポリオクテニレンが特に好ましい。
熱可塑性樹脂(A)に含まれる炭素−炭素二重結合の量は、0.001eq/g(当量/g)以上であることが好ましく、0.005eq/g以上がより好ましく、0.01eq/g以上がさらに好ましい。炭素−炭素二重結合の含有量が0.001eq/g未満の場合、得られる成形品は、十分な酸素吸収機能を有さない傾向となる。
熱可塑性樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは1000〜500000であり、より好ましくは10000〜250000であり、さらに好ましくは40000〜200000である。重量平均分子量が1000未満または500000を超える場合、得られる酸素吸収性樹脂組成物(P)の成形加工性およびハンドリング性に劣ることがあり、さらに得られる成形品の強度、伸度などの機械的性質が低下することがある。また、EVOH(D)と混合して使用する場合に分散性が低下し、そのため、酸素吸収機能が低下するおそれがある。
熱可塑性樹脂(A)を製造する方法としては、熱可塑性樹脂(A)の種類によっても異なるが、例えば、ポリオクテニレンは、シクロオクテンを原料モノマーとし、触媒としてタングステン系触媒、ルテニウム系触媒などを用いて開環メタセシス重合を行う方法;あるいは、1,9−デカジエンを原料モノマーとし、同様の触媒を用いて非環状ジエンメタセシス重合を行う方法によって合成できる。触媒としては、例えば、[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムが挙げられる。重合は、無溶媒で行うことも可能であるが、必要に応じて溶媒を用いてもよい。
熱可塑性樹脂(A)が環状オレフィンの開環メタセシス重合体である場合、開環メタセシス重合の機構から、必然的にある程度のオリゴマーが混合することが避け難い。通常の使用条件では、モノマーが除去されていれば臭気などの問題は起きにくい。しかし、得られた成形品が高温高湿下で保管される場合、これらオリゴマーが存在すると被包装物に臭気が感じられる場合がある。一方、オリゴマー量は臭気などの観点から低いほど好ましいが、必要以上に低くしようとすると製造プロセスが煩雑になる。したがって、高温高湿下で保管を行うことを考慮すると、開環メタセシス重合体中に存在する分子量1000以下のオリゴマーは、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
開環メタセシス重合体からオリゴマーを除去する方法としては、アセトンなどの有機溶剤で洗浄除去する方法などが挙げられる。
熱可塑性樹脂(A)は、酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤としては、例えば、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4,4’−チオビス(6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(6−tert−ブチルフェノール)、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、2,6−ジ−(tert−ブチル)−4−メチルフェノール、2,2−メチレンビス(6−tert−ブチル−p−クレゾール)、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、チオジプロピオン酸ジラウリルなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂(A)が酸化防止剤を含有する場合、その量は、酸素吸収性樹脂組成物(P)中の各成分の種類、含有量、得られる成形品の使用目的、保存条件などを考慮して適宜決定される。酸化防止剤を含有させるときの量は、熱可塑性樹脂(A)および酸化防止剤の合計質量を基準として、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.02〜0.5質量%である。酸化防止剤の含有量が1質量%を超えると、熱可塑性樹脂(A)と酸素との反応が妨げられる傾向となる。一方、酸化防止剤の含有量が0.01質量%未満では、熱可塑性樹脂(A)の保存時または溶融混練時に、酸素との反応が進行し、得られる酸素吸収性樹脂組成物(P)の実際の使用前に、酸素吸収機能が低下する場合がある。
(2)EVOH(D)
本発明の方法に用いられるEVOH(D)は、エチレン含有量5〜60モル%、ケン化度90%以上である。EVOH(D)のエチレン含有量は、好ましくは10モル%以上であり、より好ましくは15モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上である。EVOH(D)のエチレン含有量が5モル%未満では、成形性が劣り、さらに高湿度下でのガスバリア性が低下する。一方、EVOH(D)のエチレン含有量は、好ましくは55モル%以下であり、より好ましくは50モル%以下である。
本発明の方法に用いられるEVOH(D)のケン化度は、好ましくは95%以上であり、より好ましくは98%以上である。EVOH(D)のケン化度が90%未満では、熱安定性が不十分となり、成形体にゲル・ブツが発生しやすくなる。このようなEVOH(D)を用いることにより、酸素を吸収した際に生成する臭気成分が拡散するのを抑制する効果がある。
EVOH(D)のエチレン含有量およびケン化度は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることができる。
酸素吸収性樹脂組成物(P)が熱可塑性樹脂(A)およびEVOH(D)からなる場合、熱可塑性樹脂(A)およびEVOH(D)の合計質量を100質量%とすると、好ましくは熱可塑性樹脂(A)が30〜1質量%、EVOH(D)は70〜99質量%の割合で含まれる。例えば、EVOH(D)の含有量が70質量%未満である場合には、得られる成形品の酸素ガス、二酸化炭素ガスなどに対するガスバリア性が低下する傾向にある。一方、EVOH(D)の含有量が99質量%を超える場合、酸素吸収機能が低下する傾向にある。熱可塑性樹脂(A)は、より好ましくは20〜2質量%、さらに好ましくは15〜3質量%の割合で含まれ、EVOH(D)は、より好ましくは80〜98質量%、さらに好ましくは85〜97質量%の割合で含まれる。
(3)遷移金属塩(C)
遷移金属塩(C)は、熱可塑性樹脂(A)の酸化反応を促進することにより、酸素吸収性樹脂組成物(P)の酸素吸収機能を向上させる効果がある。
遷移金属塩(C)に含まれる遷移金属としては、例えば、鉄、ニッケル、銅、マンガン、コバルト、ロジウム、チタン、クロム、バナジウム、ルテニウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、鉄、ニッケル、銅、マンガン、コバルトが好ましく、マンガンまたはコバルトがより好ましく、コバルトが最も好ましい。
遷移金属塩(C)に含まれる遷移金属の対イオンとしては、有機酸または塩化物由来のアニオンが挙げられ、有機酸由来のアニオンが好ましい。有機酸としては、例えば酢酸、ステアリン酸、ジメチルジチオカルバミン酸、パルミチン酸、2−エチルへキサン酸、ネオデカン酸、リノール酸、トール酸、オレイン酸、カプリン酸、ナフテン酸などが挙げられるが、これらに限定されない。遷移金属塩(C)としては、2−エチルへキサン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、およびステアリン酸コバルトが特に好ましい。
遷移金属塩(C)は、熱可塑性樹脂(A)およびEVOH(D)の合計質量を基準として、遷移金属換算で好ましくは1〜50000ppm、より好ましくは5〜10000ppm、さらに好ましくは10〜5000ppmの範囲で配合する。遷移金属塩(C)の配合量が50000ppmを超えると、得られる酸素吸収性樹脂組成物(P)の熱安定性が低下し、成形体においてゲル・ブツの発生が著しくなる場合がある。一方、遷移金属塩(C)の配合量が1ppm未満では、得られる酸素吸収性樹脂組成物(P)の酸素吸収機能が不十分となる場合がある。
(4)相容化剤(E)
酸素吸収性樹脂組成物(P)に含まれる熱可塑性樹脂(A)とEVOH(D)との相容性を向上させ、酸素吸収性樹脂組成物(P)に安定したモルフォロジーを与える目的で、必要に応じて相容化剤(E)を添加してもよい。相容化剤(E)の種類は、使用する熱可塑性樹脂(A)、EVOH(D)などの組み合わせにより適宜選択することができる。
例えば、EVOH(D)は極性の高い樹脂であるため、相容化剤(E)としては、極性基を含有する炭化水素系重合体であることが好ましい。相容化剤(E)が極性基を含有する炭化水素系重合体の場合、重合体のベースとなる炭化水素系重合体部分により、相容化剤(E)と熱可塑性樹脂(A)との親和性が良好となる。さらに、相容化剤(E)の極性基により、相容化剤(E)とEVOH(D)との親和性が良好となる。その結果、得られる酸素吸収性樹脂組成物(P)に安定したモルフォロジーを形成させることができる。
上記の極性基を含有する炭化水素系重合体のベースとなる炭化水素系重合体部分を形成し得る単量体としては、次の化合物が挙げられる:エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、3−メチルペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−プロピルスチレンなどのスチレン類;1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンなどのビニルナフタレン類;インデン、アセナフチレンなどのビニレン基含有芳香族化合物;ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエンなどの共役ジエン化合物など。上記炭化水素系重合体は、これらの単量体の一種を主として含有していてもよいし、二種以上を主として含有していてもよい。
上記単量体を用いて極性基を含有する炭化水素系重合体が調製され、その際、該単量体は、次のようなポリマーでなる炭化水素系重合体部分を形成する:ポリエチレン(超低密度、低密度、直鎖状低密度、中密度、および高密度)、ポリプロピレン(ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンなど)、ポリスチレン(汎用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)など)、スチレン−ジエン系ブロック共重合体(スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体など)、その水添物などのスチレン系重合体など。これらの中でも、スチレン−ジエン系ブロック共重合体(スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体など)、その水添物などのスチレン系重合体が好ましい。
相容化剤(E)に含有される極性基としては特に限定されないが、酸素原子を含有する官能基が好ましい。具体的には、活性水素含有極性基(−SOH、−SOH、−SOH、−CONH、−CONHR、−CONH−、−OHなど)、窒素を含有し活性水素を含有しない極性基(−NCO、−OCN、−NO、−NO、−CONR、−CONR−など)、エポキシ基、カルボニル基含有極性基(−CHO、−COOH、−COOR、−COR、>C=O、−CSOR、−CSOHなど)、リン含有極性基(−P(OR)、−PO(OR)、−PO(SR)、−PS(OR)、−PO(SR)(OR)、−PS(SR)(OR)など)、ホウ素含有極性基などが挙げられる。ここで、上記一般式中、Rはアルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基を表す。
相容化剤(E)が炭化水素系重合体である場合に、特に好ましい極性基としては、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、カルボン酸塩基などのカルボキシル基類;ボロン酸基、ボロン酸エステル基、ボロン酸無水物基、ボロン酸塩基などのホウ素含有極性基などが挙げられる。
酸素吸収性樹脂組成物(P)が熱可塑性樹脂(A)、EVOH(D)および相容化剤(E)からなる場合、熱可塑性樹脂(A)、EVOH(D)および相容化剤(E)の合計質量を100質量%とすると、好ましくは、熱可塑性樹脂(A)は29.9〜1質量%、EVOH(D)は70〜98.9質量%、そして相容化剤(E)は29〜0.1質量%の割合で含まれる。EVOH(D)の含有量が70質量%未満である場合、得られる酸素吸収性樹脂組成物(P)の酸素ガス、二酸化炭素ガスなどに対するガスバリア性が低下する傾向にある。一方、EVOH(D)の含有量が98.9質量%を超える場合、酸素吸収機能が低下する傾向にあり、さらに酸素吸収性樹脂組成物(P)のモルフォロジーの安定性が損なわれる傾向にある。熱可塑性樹脂(A)は、より好ましくは19.5〜2質量%、さらに好ましくは14〜3質量%の割合で含まれる。EVOH(D)は、より好ましくは80〜97.5質量%、さらに好ましくは85〜96質量%の割合で含まれる。相容化剤(E)は、より好ましくは18〜0.5質量%、さらに好ましくは12〜1質量%の割合で含まれる。
(5)その他の添加剤
酸素吸収性樹脂組成物(P)は、本発明の作用効果が阻害されない範囲内で、各種の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、可塑剤、熱安定剤(溶融安定剤)、光開始剤、脱臭剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、乾燥剤、充填剤、加工助剤、難燃剤、防曇剤、他の高分子化合物などが挙げられる。
酸素吸収性樹脂組成物(P)は、熱可塑性樹脂(A)、EVOH(D)、ならびに必要に応じて遷移金属塩(C)および相容化剤(E)を混合して得られる。これらの成分を混合する方法は特に限定されず、各成分を混合する際の順序も特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂(A)、EVOH(D)、遷移金属塩(C)および相容化剤(E)を混合する場合、これらを同時に混合してもよく、熱可塑性樹脂(A)、遷移金属塩(C)および相容化剤(E)を混合した後、EVOH(D)と混合してもよい。また、熱可塑性樹脂(A)および相容化剤(E)を混合した後、遷移金属塩(C)およびEVOH(D)と混合してもよく、遷移金属塩(C)およびEVOH(D)を混合した後、熱可塑性樹脂(A)および相容化剤(E)と混合してもよい。さらに、熱可塑性樹脂(A)、EVOH(D)および相容化剤(E)を混合した後、遷移金属塩(C)と混合してもよく、遷移金属塩(C)および相容化剤(E)を混合した後、熱可塑性樹脂(A)およびEVOH(D)と混合してもよい。また、熱可塑性樹脂(A)、EVOH(D)および相容化剤(E)を混合して得られる混合物と、遷移金属塩(C)およびEVOH(D)を混合して得られる混合物とを混合してもよい。
混合の具体的な方法としては、工程の簡便さおよびコストの観点から溶融混練法が好ましい。この場合、高い混練度を達成することのできる装置を使用し、各成分を細かく均一に分散させることが、酸素吸収機能を良好にすると共に、ゲル・ブツの発生および混入を防止できる点で好ましい。
高い混練度を達成し得る装置としては、連続式インテンシブミキサー、ニーディングタイプ二軸押出機(同方向または異方向)、ミキシングロール、コニーダーなどの連続型混練機;高速ミキサー、バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、加圧ニーダーなどのバッチ型混練機;株式会社KCK製KCK混練押出機などの石臼のような摩砕機構を有する回転円板を使用した装置;一軸押出機に混練部(ダルメージなど)を設けた装置;リボンブレンダー、ブラベンダーミキサーなどの簡易型の混練機などが挙げられる。これらの中でも、連続型混練機が好ましい。市販されている連続式インテンシブミキサーとしては、Farrel社製「FCM」(商品名)、株式会社日本製鋼所製「CIM」(商品名)、株式会社神戸製鋼所製「KCM」、「LCM」、「ACM」(いずれも商品名)などが挙げられる。これらの連続式混練機の吐出口に押出機およびペレタイザーを接続し、混練、押出、およびペレット化を同時に実施する装置を採用することが好ましい。さらに、ニーディングディスクまたは混練用ロータを有する二軸混練押出機としては、例えば株式会社日本製鋼所製「TEX」(商品名)、Werner&Pfleiderer社製「ZSK」(商品名)、東芝機械株式会社製「TEM」(商品名)、池貝鉄工株式会社製「PCM」(商品名)などが挙げられる。混練機は1機のみを用いてもよく、2機以上を連結して用いることもできる。
混練は、通常40〜300℃の温度で行われ、好ましくは40〜220℃である。混練時間は、長い程よりよく混練できるが、長すぎると押出機内で酸化反応が起こる懸念がある。したがって、熱可塑性樹脂(A)の酸化防止および生産効率の観点から、混練時間は、通常10〜600秒であり、好ましくは15〜200秒であり、より好ましくは15〜150秒である。
本発明の製造方法に用いられる酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層を有するシートは、単層であってもよいが、機械的特性、水蒸気バリア性、さらなるガスバリア性などの特性を付与するという観点から、他の層と積層された多層シートであることが好ましい。特に、酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層の片面または両面に、ガスバリア性樹脂からなる層が積層されていることが好ましい。さらに、酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層とガスバリア性樹脂からなる層との間に、他の層が含まれていてもよい。
例えば、酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層の両面に、または得られる成形品を使用する際に高湿度となる面に防湿性の高い層を配置した多層シートを用いると、得られる成形品の酸素吸収機能の持続期間が延長される。そのため、高度なガスバリア性がより長時間維持できるので好ましい。また、酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層を最内層に有するシートを用いると、得られる多層容器(成形品)は、その容器内の酸素吸収機能を速やかに発揮する観点から好ましい。さらに、酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層の内側に酸素透過性およびヒートシール性に優れる層を配置し、酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層より外側にガスバリア性に優れる樹脂を配置したシートを用いると、得られる多層容器(成形品)内の酸素を速やかに吸収することができ、かつ外部の酸素進入を抑制することができるため、酸素による影響を受けやすい物品を保存する容器(成形品)として好ましい。
本発明の方法で得られる酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層を含む成形品は、驚くべきことに、特定の条件下、すなわちEVOH(D)の融点をT(℃)としたとき、[T−20℃]以下かつ[T−120℃]以上の温度範囲で、面積換算で2倍以上の延伸倍率で延伸あるいは0.5以上の絞り比で熱成形されることによって、酸素吸収速度が向上する。温度が[T−20℃]を越える場合、酸素吸収速度向上の効果が小さくなる。一方、温度が[T−120℃]未満の場合、延伸あるいは熱成形の安定性が低下するため、酸素吸収性樹脂組成物(P)層の厚みムラが大きくなったり、穴開きが発生したりするなどのおそれがある。この理由は明らかではないが、熱可塑性樹脂(A)とEVOH(D)との延伸特性が異なるため、特定の条件下で酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層を延伸または熱成形すると、酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層内にクレーズが入り、外部に存在する酸素が層内に入りやすくなるため、酸素が酸素吸収剤に到達しやすくなり、酸素吸収速度が速くなると推定される。なお、本明細書において、EVOH(D)の融点Tは、示差走査熱量計(DSC)により求めた融点である。
本発明の方法において、延伸あるいは熱成形は、好ましくは[T−30℃]以下かつ[T−115℃]以上、より好ましくは[T−40℃]以下かつ[T−110℃]以上の温度範囲で行われる。
酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層を含むシートは、一軸延伸または二軸延伸によって延伸され得る。一軸延伸を行う場合、通常、ロール延伸が好ましいが、チューブラー延伸で行ってもよい。延伸は、一段でも二段以上で行ってもよい。二軸延伸の場合、同時二軸延伸でもよく、縦方向の延伸を行った後に横方向を延伸する逐次二軸延伸でもよい。
延伸倍率は、面積換算で2倍以上とした場合、さらに酸素吸収機能が向上する。延伸倍率は、3〜50倍とすることが好ましく、5〜20倍とすることがさらに好ましい。延伸倍率が大きすぎる場合(例えば、50倍を超える場合)、シートの厚みが薄くなって成形安定性も極端に悪くなり、安定的に成形品を得ることが困難になる傾向がある。延伸によって単層シートあるいは多層シートの厚みは薄くなるが、延伸前後の厚みの変化は各層を構成する材料、層構成、延伸倍率などによって異なるので、これらを考慮して、予め各層の厚さと全体の厚さとを決める必要がある。
一方、酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層を含むシートを熱成形する場合、絞り比を0.5以上とすることで、酸素吸収機能が向上する。絞り比は、0.6〜5とすることが好ましく、0.7〜3とすることがさらに好ましい。絞り比が大きすぎる場合(例えば、5.0を超える場合)、熱成形の安定性が低下し、酸素吸収性樹脂組成物(P)層の厚みムラが大きくなったり、穴開きが発生したりする傾向がある。
本発明の成形品は、酸素吸収により不快な臭気を発生せず、優れた酸素吸収機能を有するため、酸素の影響で何らかの劣化を生じやすい内容物(例えば食品、飲料、医薬品、化粧品など)の包装材として好適に用いられる。特に風味を重視する食品、飲料、品質変化に敏感な加工肉、ペットフードなどの包装材として好適である。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例における分析および評価は、以下のとおりに実施した。
(1)熱可塑性樹脂(A)の分子構造
熱可塑性樹脂(A)の分子構造は、重クロロホルムを溶媒としたH−NMR(核磁気共鳴)測定(日本電子株式会社製「JNM−GX−500型」を使用)により、得られたスペクトルから決定した。
(2)熱可塑性樹脂(A)の重量平均分子量
熱可塑性樹脂(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定を行い、ポリスチレン換算値として示した。測定の詳細な条件は、以下の通りである。
<分析条件>
装置:Shodex製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)SYSTEM−11
カラム:Shodex製、KF−806L
カラム温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン、流速1.0ml/分
Run:15分
検出器:RI
濃度:0.1%
注入量:100μl
(合成例1:ポリオクテニレン(a−1)の合成)
(重合)
攪拌機および温度計を装着した3つ口フラスコ内を、乾燥した窒素で置換した。3つ口フラスコに、cis−シクロオクテン110質量部およびcis−4−オクテン0.187質量部を溶解させたヘプタン624質量部を加えた。
次いで、[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム 0.0424質量部を、トルエン3質量部に溶解させた触媒液を調製した。この触媒液をすばやく3つ口フラスコに加えて、55℃で開環メタセシス重合を行った。1時間後、反応液を、ガスクロマトグラフィー(株式会社島津製作所製、GC−14B;カラム:化学品検査協会製、G−100)により分析して、cis−シクロオクテンの消失を確認した。次いで、3つ口フラスコにエチルビニルエーテル1.08質量部を添加し、さらに10分間攪拌した。
得られた反応液に水200質量部を添加し、40℃で30分間攪拌した。次いで、40℃で1時間静置して分液後、水層を除去した。再度、反応液に水100質量部を添加し、45℃で30分間攪拌した。次いで、40℃で1時間静置して分液後、水層を除去した。反応液からヘプタンを減圧下で留去し、さらに、真空乾燥機を用いて1Pa、100℃で6時間乾燥し、重量平均分子量(Mw)が142000、分子量1000以下のオリゴマーの割合が9.2質量%の重合体102.1質量部(収率92%)を得た。この重合体(ポリオクテニレン)の、側鎖中の炭素−炭素二重結合の、全炭素−炭素二重結合に対する比率は0%であった。
(アセトン洗浄)
得られた重合体を1mm角程度に破砕し、攪拌装置、還流管、および温度計を装着したセパラブルフラスコに加えた。次いで、アセトン300質量部をセパラブルフラスコに加え、40℃で3時間攪拌した。アセトンをデカンテーションで除去した。再度、セパラブルフラスコにアセトン300質量部を加え、40℃で3時間攪拌した。アセトンをデカンテーションで除去した。残存するアセトンを減圧下で留去し、さらに、真空乾燥機を用いて1Pa、100℃で6時間乾燥し、重量平均分子量(Mw)が150000、数平均分子量が37000、分子量1000以下のオリゴマーの割合が3.1%の重合体(ポリオクテニレン(a−1))99.0質量部を得た。
(実施例1−1)
(酸素吸収性樹脂組成物の調製)
EVOHとしてエチレン含有量32モル%;ケン化度99.5モル%;メルトフローレート(MFR)1.6g/10分(190℃、2160g荷重);融点183℃;および20℃、65%RHにおける酸素透過速度0.4ml・20μm/(m・day・atm)のEVOH(以下、EVOH(d−1)と記載する)92質量部、熱可塑性樹脂(A)として上記のポリオクテニレン(a−1)8質量部、およびステアリン酸コバルト(II)0.4242質量部(コバルト原子として0.04質量部)をドライブレンドして、混合物を調製した。次いで、得られた混合物を、30mmφ二軸押出機(株式会社日本製鋼所製、TEX−30SS−30CRW−2V)に供給し、シリンダー内を窒素パージしながら溶融混練し、EVOH(d−1)、ポリオクテニレン(a−1)、およびステアリン酸コバルト(II)からなる酸素吸収性樹脂組成物(P)(以下、酸素吸収性樹脂組成物(p−1)と記載する)のペレットを得た。
(フィルムの調製と評価)
酸素吸収性樹脂組成物(p−1)のペレットを、20mmφ一軸押出機を用いて210℃でコートハンガーダイより溶融押出を行い、厚さ270μmの原反シートを得た。このようにして得られた原反シートを、パンタグラフ式二軸延伸機を用いて、80℃で3×3倍の延伸倍率で二軸延伸することにより、厚さ30μmの単層フィルム(以下、延伸フィルムと記載する)を得た。
原反シートの切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子径1μm以下のポリオクテニレン(a−1)が、EVOH(d−1)からなるマトリックス中に分散していた。また、延伸フィルムの切断面をSEMで観察したところ、多数の微細なクレーズが確認された。
得られた延伸フィルム0.2gを、23℃、50%RH(相対湿度)の空気を満たしておいた内部容量260mlの規格瓶に入れた。規格瓶中の空気は、体積比で21:79の酸素および窒素を含有していた。規格瓶の口を、アルミニウム層を含む多層シートを用いてエポキシ樹脂で封じてから、23℃で放置した。
次いで、放置から14日後、規格瓶内部の空気をシリンジでサンプリングし、この空気の酸素濃度を、ガスクロマトグラフィーを用いて測定した。測定によって得られた酸素と窒素の体積比から、酸素の減少量を計算し、以下の式(I)から酸素吸収速度を求めたところ、4.8(ml/(g・day))であった。
F=G/(H×I) (I)
ここで、
F:酸素吸収速度(ml/(g・day))
G:酸素の減少量(ml)
H:保管日数(日)=14(日)
I:フィルムサンプルの重量(g)
上記で得られた延伸フィルム0.1gを精秤し、ロール状に巻いて、23℃、50%RH、体積比で21:79の酸素および窒素を含有する空気を満たした容量85mlの規格瓶に入れた。内部の相対湿度を100%RHとするため、水を含ませたろ紙を一緒に入れた。規格瓶の口を、アルミニウム層を含む多層シートを用いてエポキシ樹脂で封じ、60℃で静置した。次いで、経時的に内部の空気をシリンジでサンプリングし、酸素濃度をガスクロマトグラフィーで測定した。サンプリング時に多層シートに生じた孔は、エポキシ樹脂を用いてサンプリング毎に封じた。測定によって得られた酸素および窒素の体積比から酸素の減少量を計算して、延伸フィルムの60℃、100%RH雰囲気下における酸素吸収量を求めた。封入時から14日後の酸素吸収量(積算量)は、60.5ml/gであった。
(実施例1−2)
ステアリン酸コバルト(II)の量を0.2121質量部(コバルト原子として0.02質量部)としたこと以外は、実施例1−1と同様の手順で、酸素吸収性樹脂組成物(P)(以下、酸素吸収性樹脂組成物(p−2)と記載する)のペレットを得、実施例1−1と同様の手順で、延伸フィルムを調製して評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1−1)
酸素吸収性樹脂組成物(p−1)ペレットを、20mmφ一軸押出機を用いて210℃でコートハンガーダイより溶融押出を行い、厚さ30μmのフィルムを得た。このようにして得られた無延伸フィルムを用いたこと以外は、実施例1−1と同様の手順で評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1−2)
酸素吸収性樹脂組成物(p−2)ペレットを用いたこと以外は比較例1−1と同様の手順で無延伸フィルムを調製して評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1−3)
延伸温度を170℃にしたこと以外は、実施例1−1と同様の手順で延伸フィルムを調製して評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1−4)
実施例1−1で得られた酸素吸収性樹脂組成物(p−1)のペレットを、20mmφ一軸押出機を用いて210℃でコートハンガーダイより溶融押出を行い、厚さ43μmの原反シートを得た。このようにして得られた原反シートを、パンタグラフ式二軸延伸機を用いて、80℃で延伸倍率1.2×1.2倍に二軸延伸することにより、厚さ30μmの単層フィルムを得た。実施例1−1と同様の手順で、得られたフィルムについて評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2010179644
(実施例2−1)
(熱成形容器の調製と評価)
各層の原料として、酸素吸収性樹脂組成物(p−1)、EVOH(d−1)、ポリプロピレン(ノバテックEA7A(商品名);日本ポリプロ株式会社製:以下、PP−1と記載する)、および接着樹脂(アドマーQF551(商品名);三井化学株式会社製:以下、AD−1と記載する)を用い、共押出装置を用いて4種6層の多層シートを調製した。多層シートの構成は外側から、PP−1(850μm)/AD−1(50μm)/EVOH(d−1)(100μm)/酸素吸収性樹脂組成物(p−1)(100μm)/AD−1(50μm)/PP−1(850μm)であった。絞り比2の金型を用いて、得られた多層シートを110℃で熱成形を行い、容器を得た。得られた容器の胴部の厚みは500μmであり、容量は280mlであった。
得られた容器の酸素吸収性樹脂組成物(p−1)層の切断面をSEMで観察したところ、粒子径1μm以下のポリオクテニレン(a−1)がEVOH(d−1)からなるマトリックス中に分散していた。さらに、得られた容器胴部の酸素吸収性樹脂組成物(p−1)層の切断面をSEMで観察したところ、多数の微細なクレーズが確認された。
得られた容器に水を250ml入れ、ヘッドスペースには、30mlの空気が存在する状態にした。ポリプロピレンのシーラントを有するアルミシートをヒートシールして、容器に蓋をした。容器を60℃で7日間静置した後、ヘッドスペースの空気をシリンジでサンプリングし、酸素濃度をガスクロマトグラフィーで測定したところ、8.5%であり(表2)、良好な酸素吸収性を有することが確認された。
(実施例2−2)
酸素吸収性樹脂組成物(p−2)ペレットを用いたこと以外は、実施例2−1と同様の手順で熱成形容器を調製して評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2−1)
熱成形温度を170℃としたこと以外は、実施例2−1と同様の手順で熱成形容器を調製して評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2−2)
各層の原料として、酸素吸収性樹脂組成物(p−1)、EVOH(d−1)、ポリプロピレン(PP−1)、および接着樹脂(AD−1)を用い、共押出装置を用いて4種6層の多層シートを調製した。多層シートの構成は外側から、PP−1(315μm)/AD−1(20μm)/EVOH(d−1)(40μm)/酸素吸収性樹脂組成物(p−1)(40μm)/AD−1(20μm)/PP−1(315μm)であった。得られた多層シートを用い、絞り比0.3の金型を用いて、得られた多層シートを110℃で熱成形を行い、容器を得た。得られた容器の胴部の厚みは500μmであり、容量は80mlであった。
得られた容器の酸素吸収性樹脂組成物(p−1)層の切断面をSEMで観察したところ、粒子径1μm以下のポリオクテニレン(a−1)がEVOH(d−1)からなるマトリックス中に分散していた。さらに、得られた容器胴部の酸素吸収性樹脂組成物(p−1)層の切断面をSEMで観察したところ、クレーズは見られなかった。
得られた容器に水を50ml入れ、ヘッドスペースには、30mlの空気が存在する状態にした。ポリプロピレンのシーラントを有するアルミシートをヒートシールして、容器に蓋をした。容器を60℃で7日間静置した後、ヘッドスペースの空気をシリンジでサンプリングし、酸素濃度をガスクロマトグラフィーで測定したところ、15.6%であった(表2)。
Figure 2010179644
本発明によれば、酸素吸収により不快な臭気を発生せず、優れた酸素吸収機能を有し、かつ優れた加工性を有する成形品の製造方法、および前記した優れた性質を有する成形品を提供することができる。したがって、本発明の方法によって得られる成形品は、酸素の影響で何らかの劣化を生じやすい内容物(例えば食品、飲料、医薬品、化粧品など)の包装材として有用である。

Claims (8)

  1. エチレン含有量5〜60モル%、ケン化度90%以上のエチレンービニルアルコール共重合体(D)および炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂(A)を含む酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層を有するシートを、面積換算で2倍以上の延伸倍率で延伸または0.5以上の絞り比で熱成形する工程を包含し、
    該延伸または熱成形が、該エチレンービニルアルコール共重合体(D)の融点をT(℃)としたとき、[T−20℃]以下かつ[T−120℃]以上の温度範囲で行われることを特徴とする、成形品の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂(A)が、実質的に主鎖のみに炭素−炭素二重結合を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリオクテニレンである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記酸素吸収性樹脂組成物(P)が、さらに遷移金属塩(C)を含む、請求項1から3のいずれかの項に記載の方法。
  5. 前記遷移金属塩(C)が、鉄塩、ニッケル塩、銅塩、マンガン塩、およびコバルト塩からなる群より選択される少なくとも1種の金属塩である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記シートが、前記酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層および該酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層の外側にガスバリア性樹脂からなる層を有する多層シートである、請求項1から5のいずれかの項に記載の方法。
  7. 請求項1から6のいずれかの項に記載の方法により製造された成形品。
  8. 酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層および該酸素吸収性樹脂組成物(P)からなる層の外側にガスバリア性樹脂からなる層を有する、請求項7に記載の成形品。
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