JP2014024014A - 酸素吸収剤および酸素吸収性積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素吸収性に優れ、酸素吸収に伴って発生する臭気が少なく、耐熱性に優れ、さらには酸素吸収に伴う成形材料としての劣化が防止された樹脂材料からなる酸素吸収剤を提供すること。
【解決手段】共役ジエン単位におけるビニル結合含量が60モル%以上である共役ジエン重合体を環化反応させてなる共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤。また、その酸素吸収剤を含んでなる酸素吸収層、酸素吸収層の第1の面側に積層されるシーラント層、および酸素吸収層の第2の面側に積層される酸素バリア層を含んでなる酸素吸収性積層体。
【選択図】なし
【解決手段】共役ジエン単位におけるビニル結合含量が60モル%以上である共役ジエン重合体を環化反応させてなる共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤。また、その酸素吸収剤を含んでなる酸素吸収層、酸素吸収層の第1の面側に積層されるシーラント層、および酸素吸収層の第2の面側に積層される酸素バリア層を含んでなる酸素吸収性積層体。
【選択図】なし
Description
本発明は、酸素吸収剤および酸素吸収性積層体に関する。さらに詳しくは、酸素吸収性に優れ、酸素吸収に伴って発生する臭気が少なく、耐熱性に優れ、さらには酸素吸収に伴う成形材料としての劣化が防止された樹脂材料からなる酸素吸収剤と、その酸素吸収剤を含んでなる酸素吸収層を有する酸素吸収性積層体に関する。
食品、飲料、医薬品などは、酸素と接触するにより品質の劣化が起こるため、極力酸素と接触しないように貯蔵することが要求される。そのため、食品、飲料、医薬品などを貯蔵する容器または包装内に窒素などの不活性ガスを充填することも行なわれている。しかし、この方法には、製造時にコストアップになる問題や、一旦開封すると外部から空気が流入し、それ以後の品質劣化を防止することができなくなる問題が存在する。そのため、容器または包装内に残存する酸素を除去する手法について種々の検討が行なわれている。
近年、酸素を除去する手法として、酸素吸収性を有する樹脂組成物を用いて容器または包装を構成し、その容器または包装自体に酸素を吸収させる手法が注目されている。酸素吸収性を有する樹脂組成物を構成するための材料としては、種々の材料が検討されているが、その1つとして、ポリイソプレンなどの共役ジエン重合体を環化反応させてなる共役ジエン重合体環化物の使用が検討されている。
例えば、特許文献1では、共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤が提案されている。この酸素吸収剤は、高い酸素吸収性を示し、酸素を吸収した後でも機械的強度が高いものである。なお、特許文献1の具体例においては、シス−1,4−結合単位の含有量が99%以上であるハイシスポリイソプレンや3,4−結合単位の含有量が5〜7%程度であるポリイソプレンを環化反応させて得られる共役ジエン重合体環化物を酸素吸収剤の有効成分として用いている。
また、特許文献2では、共役ジエン単量体単位部分におけるビニル結合量が4モル%以下である共役ジエン重合体の環化物からなる酸素吸収剤が提案されている。この酸素吸収剤は、酸素吸収性に優れ、酸素吸収時に不快臭成分を発生しがたいものである。さらに、特許文献3では、 ガスバリアー材層と、共役ジエン重合体環化物を主成分とする酸素吸収剤からなる酸素吸収剤層と、密封材層とが積層されてなる酸素吸収性多層フィルムが提案されている。この酸素吸収性多層フィルムは、酸素吸収剤層が共役ジエン重合体環化物からなることに基づき、酸素吸収性に優れ、残存臭気の問題を引き起こしがたいものである。
しかしながら、特許文献1〜3に具体的に記載されているような、ビニル結合含量が10モル%以下であるようなポリイソプレンを環化反応させてなるポリイソプレンの環化物は、酸素吸収に伴う臭気の発生が完全に防止されているわけではなく、特に臭気が問題となる食品などのための酸素吸収剤として用いる場合においては、さらなる臭気の低減が望まれていた。また、これらのポリイソプレンの環化物には、耐熱性が十分でないという問題もあった。そのため、特許文献3に具体的に記載されているような酸素吸収性多層フィルムでは、ポリイソプレンの環化物を主成分としてなる酸素吸収剤層の耐熱性が低くなり、このフィルムを用いて構成した容器をレトルト処理のような加熱殺菌処理に供することが困難になるという問題があった。さらに、これらのポリイソプレンの環化物は、酸素を吸収するにしたがって分解され、成形材料として劣化してしまうという問題をも有するものであった。
そこで、本発明は、酸素吸収性に優れ、酸素吸収に伴って発生する臭気が少なく、耐熱性に優れ、さらには酸素吸収に伴う成形材料としての劣化が防止された、樹脂材料からなる酸素吸収剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、ビニル結合含量が60モル%以上であるポリイソプレンを環化反応させてなるポリイソプレンの環化物が、優れた酸素吸収性を発揮し、また、特許文献1〜3に具体的に記載されているような、ビニル結合含量が10モル%以下であるようなポリイソプレンを環化反応させてなるポリイソプレンの環化物に比して、酸素吸収に伴って発生する臭気が少なく、耐熱性に優れ、さらには酸素の吸収によって分解し難いものとなることを見出した。本発明は、この知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、共役ジエン単位におけるビニル結合含量が60モル%以上である共役ジエン重合体を環化反応させてなる共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤が提供される。
上記の酸素吸収剤では、共役ジエン重合体環化物が、一般式(1)で表される結合単位を含み、全繰り返し単位に対する該結合単位の含有割合が60モル%以上である共役ジエン重合体を環化反応させてなるものであることが好ましい。
上記の酸素吸収剤では、共役ジエン重合体環化物が、イソプレンの3,4−結合単位を含み、全繰り返し単位に対する該結合単位の含有割合が60モル%以上である共役ジエン重合体を環化反応させてなるものであることが好ましい。
上記の酸素吸収剤では、共役ジエン重合体環化物の環化反応による不飽和結合減少率が50%以上であることが好ましい。
上記の酸素吸収剤では、共役ジエン重合体環化物のガラス転移温度が70℃以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、上記の酸素吸収剤を含んでなる酸素吸収層、酸素吸収層の第1の面側に積層されるシーラント層、および酸素吸収層の第2の面側に積層される酸素バリア層を含んでなる酸素吸収性積層体が提供される。
上記の酸素吸収性積層体では、酸素吸収層における共役ジエン重合体環化物の含有量が10重量%以上であることが好ましい。
上記の酸素吸収性積層体では、酸素吸収層における樹脂成分が実質的に共役ジエン重合体環化物のみからなることが好ましい。
本発明によれば、酸素吸収性に優れ、酸素吸収に伴って発生する臭気が少なく、耐熱性に優れ、さらには酸素吸収に伴う成形材料としての劣化が防止された樹脂材料からなる酸素吸収剤が提供される。
本発明の酸素吸収剤は、共役ジエン単位におけるビニル結合含量が60モル%以上である共役ジエン重合体を環化反応させてなる共役ジエン重合体環化物を酸素吸収のための有効成分とするものである。
本発明の酸素吸収剤の有効成分となる共役ジエン重合体環化物を得るために用いられる共役ジエン重合体としては、共役ジエン単位におけるビニル結合含量が60モル%以上のものであれば特に限定されず、1種の共役ジエン単量体の単独重合体、2種以上の共役ジエン単量体の共重合体、および共役ジエン単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体のいずれをも使用することができる。共役ジエン単量体は、特に限定されず、その具体例としては、1,3−ブタジエン;イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ブチル−1,3−ブタジエン、2−イソブチル−1,3−ブタジエン、2−アミル−1,3−ブタジエン、2−イソアミル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2−シクロヘキシル−1,3−ブタジエン、2−イソヘキシル−1,3−ブタジエン、2−ヘプチル−1,3−ブタジエン、2−イソヘプチル−1,3−ブタジエン、2−オクチル−1,3−ブタジエン、2−イソオクチル−1,3−ブタジエンなどの2位が炭素数1〜10のアルキル基で置換された置換1,3−ブタジエン;2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン;2−フェニル−1,3−ブタジエン;1,3−ペンタジエン;2−メチル−1,3−ペンタジエン;1,3−ヘキサジエン;4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン;3−ブチル−1,3−オクタジエンが挙げられる。これらのなかでも、1,3−ブタジエンまたは2位が炭素数1〜10のアルキル基で置換された置換1,3−ブタジエンが好ましく用いられ、2位が炭素数1〜10のアルキル基で置換された置換1,3−ブタジエンが特に好ましく用いられ、イソプレンが最も好ましく用いられる。なお、これらの共役ジエン単量体は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
共役ジエン重合体を、共役ジエン単量体以外の単量体との共重合体とする場合において用いられうる単量体は、特に限定されず、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの鎖状オレフィン単量体;シクロペンテン、2−ノルボルネンなどの環状オレフィン単量体;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドなどのその他の(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。これらの単量体は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、共重合様式も特に限定されず、例えば、ブロック共重合体であっても良いし、ランダム共重合体であっても良い。
共役ジエン重合体における共役ジエン単位の含有量は、特に限定されないが、40モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。
共役ジエン重合体の共役ジエン単位におけるビニル結合含量(すなわち、共役ジエン重合体を構成する共役ジエン単位全数に対して、1,2−結合単位および3,4−結合単位の合計数が占める割合)は、60モル%以上である必要があり、62モル%以上であることが好ましく、64モル%以上であることがより好ましい。このようなビニル結合含量を有する共役ジエン重合体を、環化反応させて共役ジエン重合体環化物を得ることにより、その共役ジエン重合体環化物が、酸素吸収に伴って発生する臭気が少なく、耐熱性に優れ、酸素の吸収によって分解し難いものとなる。なお、共役ジエン重合体の共役ジエン単位におけるビニル結合含量の上限は、特に限定されるものではないが、共役ジエン重合体を合成し易くする観点からは、97モル%以下であることが好ましい。
共役ジエン重合体の共役ジエン単位のミクロ構造は、ビニル結合含量が前述の範囲にある限りにおいて、特に限定されない。したがって、1,2−結合単位と3,4−結合単位との比率は任意でよく、また、シス−1,4−結合単位やトランス−1,4−結合単位が含まれていてもよい。なお、共役ジエン重合体の共役ジエン単位のミクロ構造は、1H−NMR測定や13C−NMR測定により、定量的に求めることができる。
本発明の酸素吸収剤の有効成分として用いられる共役ジエン重合体環化物を得るために、特に好ましく用いられる共役ジエン重合体は、一般式(1)で表される結合単位(すなわち、2位が炭素数1〜10のアルキル基で置換された置換1,3−ブタジエン単位)を含み、共役ジエン重合体の全繰り返し単位に対する該結合単位の含有割合が60モル%以上、より好ましくは62モル%以上、さらに好ましくは64モル%以上のものである。このような共役ジエン重合体を環化反応させて共役ジエン重合体環化物を得ることにより、その共役ジエン重合体環化物が、酸素吸収に伴って発生する臭気が特に少なく、特に耐熱性に優れ、さらには酸素吸収に伴う成形材料としての劣化が防止されたものとなる。
共役ジエン重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィで測定される標準ポリスチレン換算値として、通常5000〜6,000,000、好ましくは10,000〜3,000,000、より好ましくは50,000〜2,000,000である。また、共役ジエン重合体の分子量分布も特に限定されないが、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィで測定される標準ポリスチレン換算値として測定される数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)として、通常1.0〜3.0、好ましくは1.0〜2.5、より好ましくは1.0〜2.0である。
共役ジエン重合体のガラス転移温度は、特に限定されないが、通常−10℃以上であり、−5℃以上であることが好ましく、0℃〜30℃であることがより好ましい。
共役ジエン重合体の合成は、常法に従えばよく、例えば、アルキルリチウムなどのアニオン重合触媒と第三級アミン化合物やナトリウムアルコキシドなどのミクロ構造調整剤との組み合わせ(例えば、特開平10−53670号公報参照)、コバルト化合物と有機アルミニウム化合物の組み合わせ(例えば、特開昭56−57809号公報参照)、希土類金属メタロセン錯体からなる重合触媒(例えば、国際公開2005/085306号参照)などの共役ジエン単量体単位におけるビニル結合含量が60モル%以上の共役ジエン重合体を得ることができる重合触媒系を用いて、溶液重合法や乳化重合法により共役ジエン単量体を重合すればよい。
本発明の酸素吸収剤の有効成分となる共役ジエン重合体環化物は、上述したような共役ジエン重合体を環化反応させることにより得ることができる。環化反応は、酸触媒の存在下で行うことができ、環化反応のための酸触媒としては、公知のものを使用することができる。その具体例としては、硫酸;フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、炭素数2〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、これらの無水物およびアルキルエステルなどの有機スルホン酸化合物;三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド、エチルアンモニウムクロリド、臭化アルミニウム、五塩化アンチモン、六塩化タングステン、塩化鉄などのルイス酸;が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、助触媒として、ターシャルブチルクロライド、トリクロロ酢酸を併用してもよい。これらの中でも、有機スルホン酸化合物が好ましく用いられ、p−トルエンスルホン酸やキシレンスルホン酸がより好ましく用いられる。酸触媒の使用量は、共役ジエン重合体100重量部当たり、通常0.05〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜7重量部である。
環化反応は、通常、共役ジエン重合体を溶媒中に溶解して行なう。溶媒としては、環化反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;などの炭化水素溶媒が好ましく用いられる。これらの炭化水素溶媒の沸点は、70℃以上であることが好ましい。共役ジエン重合体の重合反応に用いる溶媒と環化反応に用いる溶媒とは、同一種であってもよい。この場合は、重合反応が終了した重合反応液に環化反応用の酸触媒を添加して、重合反応に引き続いて環化反応を行なうことができる。炭化水素溶媒の使用量は、共役ジエン重合体の固形分濃度が、通常5〜60重量%、好ましくは10〜40重量%となる範囲である。
環化反応は、加圧、減圧および大気圧のいずれの圧力下でも行なうことができるが、操作の簡便性の点から大気圧下で行なうことが望ましい。環化反応を、乾燥気流下、特に乾燥窒素や乾燥アルゴンの雰囲気下で行なうと水分によって引き起こされる副反応を抑えることができる。環化反応における反応温度や反応時間は、特に限定されない。反応温度は、通常50〜150℃、好ましくは70〜110℃であり、反応時間は、通常0.5〜15時間、好ましくは2〜10時間である。環化反応を行なった後、常法により、酸触媒を不活性化し、酸触媒残渣を除去し、次いで炭化水素溶媒を除去して、固形状の共役ジエン重合体環化物を得ることができる。
本発明の酸素吸収剤の有効成分となる共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、特に限定されるものではないが、50%以上であることが好ましく、55〜99.9%であることがより好ましく、60〜99.8%であることがさらに好ましい。不飽和結合減少率がこのような範囲にある共役ジエン重合体環化物を用いることにより、酸素吸収剤の酸素吸収に伴う臭気の発生をさらに抑制することができる。なお、共役ジエン重合体環化物として、不飽和結合減少率の異なる共役ジエン重合体環化物を2種以上組み合わせて用いることもできる。
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、共役ジエン重合体中の共役ジエン単位部分において、不飽和結合が環化反応によって減少した程度を表す指標であり、以下のようにして求められる数値である。即ち、1H−NMR分析により、共役ジエン重合体中の共役ジエン単位部分において、全プロトンのピーク面積に対する二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積の比率を、環化反応前後について、それぞれ求め、その減少率を計算する。具体的には、次に述べるようにして、共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率を求めることができる。すなわち、共役ジエン重合体中の共役ジエン単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、式:SB=SBU/SBTで表され、環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、式:SA=SAU/SATで表される。そして、不飽和結合減少率は、式:不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SBで求められる。
共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、共役ジエン重合体の環化反応における酸触媒の量、反応温度、反応時間などを適宜選択して調節することができる。
共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィで測定される標準ポリスチレン換算値として、通常5000〜6,000,000、好ましくは10,000〜2,000,000、より好ましくは50,000〜1,000,000である。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量は、環化に供する共役ジエン重合体の重量平均分子量を適宜選択して調節することができる。共役ジエン重合体環化物の重量平均分子量を適切に設定することにより、環化反応の際の溶液粘度が適切なものとなると共に、酸素吸収剤の加工性や機械的強度が良好となる。また、共役ジエン重合体環化物の分子量分布も特に限定されないが、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィで測定される標準ポリスチレン換算値として測定される数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)として、通常1.0〜5.0、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.0〜3.0である。
共役ジエン重合体環化物のガラス転移温度は、特に限定されないが、70℃以上であることが好ましく、75℃以上であることがより好ましく、80℃〜150℃であることが特に好ましい。共役ジエン重合体環化物のガラス転移温度がこの範囲にあることにより、酸素吸収剤が酸素吸収性と耐熱性に優れたものとなる。共役ジエン重合体環化物のガラス転移温度は、共役ジエン重合体を環化する際の共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率を調節することなどにより調節することができる。
本発明の酸素吸収剤は、上述した共役ジエン重合体環化物を酸素吸収のための有効成分とするものであれば、共役ジエン重合体環化物のみからなるものであってよいし、さらに他の成分を配合したものであってもよい。本発明の酸素吸収剤に配合しうる共役ジエン重合体環化物以外の成分は、特に限定されないが、例えば、酸化触媒、共役ジエン重合体環化物以外の重合体材料、軟化剤、脂肪酸、酸化防止剤、光開始剤、熱安定剤、補強剤、充填剤、難燃剤、着色剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、乾燥剤、脱臭剤、帯電防止剤、粘着防止剤、防曇剤、表面処理剤などを挙げることができる。
本発明の酸素吸収剤で用いられる共役ジエン重合体環化物は、比較的高温(例えば、50℃以上)の条件下では、それのみで優れた酸素吸収性を発揮することができるものであるが、より速い酸素吸収速度や常温下での酸素吸収性が必要となる場合には、共役ジエン重合体環化物に酸化触媒を添加して酸素吸収剤を構成することが好ましい。この酸化触媒としては、重合体材料の酸化を促進することができる従来公知の酸化触媒を特に制限なく用いることができる。酸化触媒の具体例としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウムなどの遷移金属の塩を挙げることができる。また、遷移金属塩の形態の例としては、塩化物、酢酸塩、オレイン酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、2−エチルヘキサン酸エチル、ネオデカン酸塩、ナフトエ酸塩が挙げられる。酸化触媒として特に好ましく用いられる遷移金属の塩は、コバルト塩であり、なかでも特に好ましく用いられるコバルト塩としては、オレイン酸コバルト(II)、ナフテン酸コバルト(II)、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ステアリン酸コバルト(II)、ネオデカン酸コバルト(II)が挙げられ、さらにそのなかでも、ステアリン酸コバルト(II)が好適である。共役ジエン重合体環化物に酸化触媒を添加する場合の添加量は、特に限定されないが、共役ジエン重合体環化物に対して、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.05〜3重量%であることがより好ましい。
本発明の酸素吸収剤には、必要に応じて、共役ジエン重合体環化物以外の重合体材料を配合してもよい。そのような重合体材料の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン、ポリテトラシクロドデセンなどの環状オレフィン樹脂、ポリスチレンなどの芳香族ビニル樹脂、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル樹脂、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリビニルアルコール樹脂、フッ素樹脂、メタクリル樹脂などのアクリル樹脂、ポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド610樹脂、ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂およびこれらの共重合体などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール系ポリエステルなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂を挙げることができる。
本発明の酸素吸収剤には、必要に応じて、軟化剤を配合してもよい。共役ジエン重合体環化物に軟化剤を加えて酸素吸収剤を構成することにより、酸素吸収剤全体としてのガラス転移温度を低下させて、より低い温度で優れた酸素吸収性を発揮するようにすることができる。酸素吸収剤に配合する軟化剤としては、それ自体のガラス転移温度が−30℃以下である液状物が好適に用いられる。また、軟化剤は、共役ジエン重合体環化物と相溶性を有することが好ましい。
軟化剤の具体例としては、イソパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、流動パラフィンなどの炭化水素オイル;ポリブテン、ポリイソブチレン、アタクティックポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体(線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)など)などのオレフィン重合体(低分子量のもの);ポリイソプレンやポリブタジエンなどの共役ジエン重合体の水素化物(低分子量のもの);スチレン−共役ジエン重合体の水素化物(低分子量のもの);脂肪酸エステルが挙げられ、これらのなかでも流動パラフィンが好適に用いられる。これらの軟化剤は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の酸素吸収剤には、必要に応じて脂肪酸を配合してもよい。共役ジエン重合体環化物に脂肪酸を配合することにより、その酸素吸収性を改良することができる。このように用いられる脂肪酸としては、特に限定されないが、炭素数18〜44の高級不飽和脂肪酸または高級飽和脂肪酸が好適である。炭素数18〜44の高級不飽和脂肪酸の具体例としては、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸などの直鎖不飽和脂肪酸、2−メチル−9−オクタデセン酸、2−メチル−2−エイコセン酸などの分岐不飽和脂肪酸、ダイマー酸などの不飽和脂肪酸の多量体などを挙げることができる。また、炭素数18〜44の高級飽和脂肪酸の具体例としては、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸などの直鎖飽和脂肪酸、イソステアリン酸、イソアラキジン酸、イソベヘン酸、イソリグノセリン酸などの分岐飽和脂肪酸、ダイマー酸の水素添加物などの不飽和脂肪酸の多量体の水素添加物などを挙げることができる。これらの脂肪酸は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。なお、脂肪酸は、その種類によっては、前述の軟化剤としての機能をも果たす場合がある。
本発明の酸素吸収剤には、必要に応じて酸化防止剤を配合しても良い。酸素吸収剤を構成する共役ジエン重合体環化物に酸化防止剤を配合することにより、共役ジエン重合体環化物の安定性が向上し、加工時などにおける取り扱いが容易になる。酸素吸収剤を構成する共役ジエン重合体環化物における酸化防止剤の含有量は、特に限定されないが、通常5000重量ppm以下、好ましくは3000重量ppm以下、より好ましくは2000重量ppm以下、特に好ましくは500重量ppm以下である。酸化防止剤の含有量が多すぎると、酸素吸収剤の有効成分である共役ジエン重合体環化物の酸素吸収を阻害するおそれがある。
酸化防止剤は、樹脂材料やゴム材料の分野において通常使用されるものであれば、特に制限されない。このような酸化防止剤の代表的なものとしては、ヒンダードフェノール系、リン系およびラクトン系の酸化防止剤を挙げることができる。これらの酸化防止剤は、2種以上を組み合わせて使用することもできる。これらのなかでも、リン系酸化防止剤を用いることが好ましい。なお、これらの酸化防止剤に加えて、さらに、アミン系光安定化剤(HALS)を添加してもよい。
本発明の酸素吸収剤を得るにあたり共役ジエン重合体環化物以外の成分を配合する場合において、各成分を混合する方法は特に限定されず、公知の手法を採用すれば良いが、工程の簡便さやコストの観点から、溶融混練法が好適に使用される。なお、各成分を混合する順序も特に限定されず、全ての成分を一括で混合してもよいし、任意の順で複数回に分けて混合してもよい。
本発明の酸素吸収剤を構成する各成分を混合する際に、溶融混練法を採用する場合に用いる装置は、特に限定されないが、例えば、連続式インテンシブミキサー、(同方向または異方向)ニーディングタイプ二軸押出機、ミキシングロール、コニーダーなどの連続型混練機;高速ミキサー、バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、加圧ニーダーなどのバッチ型混練機;KCK社製のKCK混練押出機などの、石臼のような摩砕機構を有する回転円板を使用した装置;一軸押出機に混練部(ダルメージ、CTMなど)を設けたもの;リボンブレンダー、ブラベンダーミキサーなどの簡易型の混練機を挙げることができる。混練温度は、混練する成分に応じて決定すればよく、特に限定されないが、通常50〜300℃の範囲で選択される。
以上のようにして得られる本発明の酸素吸収剤の用途は特に限定されるものではないが、本発明の酸素吸収剤は優れた酸素吸収性を有し、成形材料として用いることが可能であるから、食品、飲料、医薬品などの内容物を包装するための包装材の材料として好適に用いることができる。
以上のようにして得られる本発明の酸素吸収剤の酸素吸収速度は特に限定されるものではないが、60℃における酸素吸収速度が、5cc/g・日以上のものであることが好ましい。ここで、本発明において、酸素吸収剤の酸素吸収速度は、対象とする酸素吸収剤を厚さ70μmのフィルムとし、60℃、大気圧の下、乾燥空気中に3日間(72時間)置いた場合に、そのフィルムが重量1g当り1日(24時間)で吸収する酸素の容量(単位:cc)で表すものとする。
本発明の酸素吸収剤の形態は、特に限定されず、フィルム状、ペレット状、粉体状など各種の形態で使用することができる。ペレット状や粉体状にする場合において、各々の形状にも特に制限はない。本発明の酸素吸収剤の形態として、特に好ましいものはフィルム状の形態である。本発明の酸素吸収剤がフィルム状の形態であると、単位重量当たりの表面積が大きくなるために、酸素吸収速度が向上し、さらには、取り扱いが容易となる。なお、「フィルム」と「シート」とを厚さで区別する場合があるが、本発明では、「フィルム」は、「フィルム」および「シート」の双方を包含する概念である。本発明の酸素吸収剤をフィルム状の形態にする場合において、その厚さは特に限定されないが、10〜7,000μmであることが好ましく、15〜5,000μmであることがより好ましい。
本発明の酸素吸収剤を所望の形状にする方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用できる。粉体状にする場合には、例えば、酸素吸収剤に含有される共役ジエン重合体環化物のガラス転移温度未満の温度雰囲気下で、酸素吸収剤を粉砕することにより、粉体状の酸素吸収剤を得ることができる。また、フィルム状にする場合には、公知の樹脂フィルムの成形方法に従って、フィルムの形態に成形することができる。例えば、本発明の酸素吸収剤を溶媒に溶かした後、概ね平坦な面上に溶液を塗布・乾燥する溶液キャスト法によりフィルムが得られる。また、例えば、本発明の酸素吸収剤を押出し機で溶融混練した後、T−ダイ、サーキュラーダイ(リングダイ)などを通して所定の形状に押出すことにより、T−ダイ法フィルム、ブローンフィルムなどが得られる。押出し機としては、一軸押出し機、二軸押出し機、バンバリーミキサーなどの混練機を使用することができる。
本発明の酸素吸収剤の使用方法は、酸素吸収剤の形態に応じて選択すればよく、特に限定されない。酸素吸収剤をペレット状や粉体状の形態にした場合には、例えば、その酸素吸収剤を酸素透過性の袋体に収納した上で、その袋体を内部の酸素濃度を低下させるべき容器中に収納することができる。また、酸素吸収剤をフィルム状の形態にした場合には、例えば、そのフィルムを用いて、内部の酸素濃度を低下させるべき容器を構成することができる。
また、本発明の酸素吸収剤は、酸素吸収層を有する酸素吸収性多層体における酸素吸収層を構成するための材料としても好適に用いることができ、なかでも、酸素吸収層と、酸素吸収層の一方の面側に積層されるシーラント層と、酸素吸収層の他方の面側に積層される酸素バリア層とを含んでなる酸素吸収性積層体における酸素吸収層の材料として特に好適に用いることができる。すなわち、本発明の酸素吸収性積層体は、本発明の酸素吸収剤を含んでなる酸素吸収層、酸素吸収層の第1の面側に積層されるシーラント層、および酸素吸収層の第2の面側に積層される酸素バリア層を含んでなる酸素吸収性積層体である。
本発明の酸素吸収性積層体を構成する酸素吸収層は、上述した本発明の酸素吸収剤を含んでなる層である。本発明の酸素吸収性積層体において用いられる、本発明の酸素吸収剤の構成は特に限定されず、上述した本発明の酸素吸収剤の全ての構成をとることができる。但し、本発明の酸素吸収剤を構成する共役ジエン重合体環化物が、酸素吸収に伴って発生する臭気が少なく、耐熱性に優れ、さらには酸素吸収に伴う成形材料としての劣化が防止されたものであることから、酸素吸収層中で共役ジエン重合体環化物が占める割合を高くすることが好ましい。酸素吸収層において、酸素吸収のための有効成分となる共役ジエン重合体環化物の割合を高くすることにより、本発明の酸素吸収性積層体を特に優れた酸素吸収性を有するものとすることができる。より具体的には、本発明の酸素吸収性積層体の酸素吸収層における共役ジエン重合体環化物の含有量は、10重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましい。また、本発明の酸素吸収性積層体の酸素吸収層における樹脂成分は、実質的に共役ジエン重合体環化物のみからなることが好ましい。酸素吸収性積層体の酸素吸収層における共役ジエン重合体環化物の含有量を高くすることにより、酸素吸収性積層体の酸素吸収性をより優れたものとすることができる。
本発明の酸素吸収性積層体を構成する酸素吸収層の厚さは、特に限定されず、必要とされる酸素吸収量などに応じて設定すれば良いが、通常1〜1000μm、好ましくは5〜300μmの範囲で設定される。
本発明の酸素吸収性積層体のシーラント層は、本発明の酸素吸収剤を含んでなる酸素吸収層の一方の面側に積層される層であって、熱によって溶融して相互に接着する(ヒートシールされる)ことによって、包装内部に外部と遮断された空間を形成する機能を有し、かつ、包装内部において酸素吸収層と内容物とが直接接触することを防ぎつつ酸素を透過させて酸素吸収層に吸収させる層である。シーラント層を構成するために用いられるヒートシール性を有する材料は、通常熱可塑性樹脂で構成され、その具体例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレンなどのポリエチレン;ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ1−ブテンなどのα−オレフィンの単独重合体;エチレン−プロピレン共重合体などのエチレンとα−オレフィンとの共重合体;エチレンまたはα−オレフィンと、他の単量体(イタコン酸、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、その塩、その部分または完全エステル、そのニトリル、そのアミド、その無水物;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチレート、ビニルオクタノエート、ビニルドデカノエート、ビニルステアレート、ビニルアラキドネートなどのカルボン酸ビニルエステル類;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン系化合物;不飽和スルホン酸またはその塩;アルキルチオール類;ビニルピロリドン類)との共重合体;ポリエチレンまたはα−オレフィン(共)重合体をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体などにNaイオンやZnイオンを作用させたアイオノマー樹脂;が挙げられる。これらのなかでも、ポリエチレンまたはポリプロピレンが好ましく用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
シーラント層には、必要に応じて、酸化防止剤;粘着性付与剤(水添石油樹脂、水添テルペン樹脂、ひまし油誘導体、ソルビタン高級脂肪酸エステル、低分子量ポリブテンなど);帯電防止剤;充填剤;可塑剤(フタル酸エステル、グリコールエステルなど);界面活性剤;レベリング剤;耐熱安定剤;耐候性安定剤;紫外線吸収剤;光安定剤;脱水剤;ポットライフ延長剤(アセチルアセトン、メタノール、オルト酢酸メチルなど);ハジキ改良剤;ブロッキング防止剤;防曇剤;滑剤;補強剤;難燃剤;カップリング剤;発泡剤;離型剤;着色剤;顔料;などを添加することができる。
シーラント層の厚さは、特に限定されないが、通常1〜1000μm、好ましくは5〜300μmの範囲で設定される。
酸素バリア層は、本発明の酸素吸収剤を含んでなる酸素吸収層のもう一方の面側(シーラント層が積層される面の裏面側)に積層される層であって、包装外部から酸素吸収層や包装内部への酸素の侵入量を低減させるために設けられる層である。酸素バリア層を構成するために用いられる材料は、酸素透過性の低いものであれば特に限定されず、金属、無機材料、樹脂などが用いられる。酸素バリア層として用いられる金属の例としては、アルミニウムが挙げられる。金属は、箔としてこれを樹脂フィルムなどの他のフィルムに積層して用いてもよく、蒸着などによって他のフィルム上に薄膜を形成して用いてもよい。酸素バリア層として用いられる無機材料の例としては、シリカやアルミナなどの金属酸化物が挙げられ、例えば、樹脂フィルムなどの他のフィルムに蒸着して用いることができる。また、そのように得られる蒸着膜には、さらに酸素バリア性を向上させる目的で、例えばポリビニルアルコール/シラン化合物系の材料などによって形成されるオーバーコート層を設けても良いし、他のフィルムと蒸着膜との密着性を向上させるためにプライマー層を設けても良い。酸素バリア層として用いられる樹脂の例としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリビニルアルコール樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミドMXD6などのポリアミド樹脂;ポリアラミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアセタール樹脂;フッ素樹脂;ポリエーテル系、アジペートエステル系、カプロラクトンエステル系、ポリ炭酸エステル系などの熱可塑性ポリウレタン;ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル樹脂;ポリアクリロニトリル;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などのポリα−オレフィン樹脂;ポリエチレンやα−オレフィン(共)重合体をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂;エチレンとメタクリル酸との共重合体などにNaイオンやZnイオンを作用させたアイオノマー樹脂;これらの混合物;を挙げることができる。
酸素バリア層としては、ヘキサメチレンジシロキサンなどのオルガノシランやアセチレンなどの炭素源となる化合物などのガスを用いた化学気相蒸着によって形成される膜を用いることもできる。
酸素バリア層としては、比較的高い湿度条件下においても高い酸素バリア性を発揮するものが特に好ましく用いられ、その具体例としては、金属または無機材料の層を有するフィルムを挙げることができる。また、酸素吸収性積層体を透明にする必要がある場合には、いわゆる透明蒸着フィルムを酸素バリア層として用いることが好ましい。
酸素バリア層の厚さは、特に限定されず、必要とされる酸素バリア性能や用いる材料などに応じて設定すれば良い。酸素バリア層として、樹脂フィルムに無機材料を蒸着してなるフィルムを用いる場合において、無機材料の蒸着膜の厚さは、通常0.001〜1μm、好ましくは0.01〜0.2μmの範囲で設定される。
本発明の酸素吸収性積層体は、酸素吸収層、シーラント層、および酸素バリア層以外の層を含んでなるものであっても良い。また、酸素吸収層と、シーラント層および酸素バリア層との積層は、それぞれ、直接積層されたものであっても良いし、他の層を介して積層されたものであっても良い。酸素吸収性積層体を構成し得る他の層としては、接着剤層、保護層、支持基材層を例示することができる。
接着剤層は、例えば、酸素吸収層と、シーラント層または酸素バリア層とを接着させるために、これらの層間に配置させる層である。接着剤層として用いられる材料としては接着性樹脂が挙げられ、その具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、およびこれらの重合体に、例えば無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸やその無水物で変性(付加、グラフトなど)させたものが挙げられる。これらのなかでも、不飽和カルボン酸やその無水物で変性させた重合体が好ましく用いられ、不飽和カルボン酸やその無水物で変性させたポリオレフィンが特に好ましく用いられる。なお、接着性樹脂は、酸素吸収層、シーラント層、酸素バリア層などに配合して、これらの層の密着性を改良するために用いることも可能である。
接着剤層の厚さは、特に限定されないが、通常2〜10μmの範囲で設定される。
保護層は、酸素吸収性積層体にさらなる耐熱性などを付与し、酸素吸収性積層体を保護することを目的として設ける層である。保護層として用いられる材料としては、熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、高密度ポリエチレンなどのエチレン重合体;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体などのプロピレン重合体;ポリアミド6、ポリアミド66などのポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリ塩化ビニル;ポリスチレン;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリアクリレート;ポリケトンを挙げることができる。これらのなかでも、ポリアミドやポリエステルを用いることが好ましい。
支持基材層は、酸素吸収性積層体に機械的強度を付与し、形状保持性を改良することを目的として設ける層である。支持基材層として用いられる材料の例としては、ポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル樹脂;ポリアミド6、ポリアミド6−ポリアミド66共重合体などのポリアミド樹脂;天然繊維;合成繊維;これらを抄造して得られる紙が挙げられる。
酸素吸収性積層体の層構成は、本発明の酸素吸収剤を含んでなる酸素吸収層、酸素吸収層の第1の面側に積層されるシーラント層、および酸素吸収層の第2の面側に積層される酸素バリア層を含むものである限り、特に限定されない。具体的な層構成の例としては、シーラント層をS、酸素吸収層をOa、酸素バリア層をOb、接着剤層をAd層、保護層をP、支持基材層Bとして、S/Oa/Ob、S/Ad/Oa/Ob、S/Oa/Ad/Ob、S/Ad/Oa/Ad/Ob、S/Ad/Oa/Ad/S/Ad/B/Ob、S/Ad/Oa/Ad/S/Ad/B/Ad/Ob、S/Ad/Oa/Ad/S/Ad/Obが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸素吸収性積層体の全体の厚さは特に限定されないが、通常3〜3000μm、好ましくは10〜1000μmの範囲で設定される。
本発明の酸素吸収性積層体を製造するにあたり、各層を成形する方法、および各層を積層させる方法は特に限定されず、それぞれの材料などに応じて公知の手法を適用すれば良い。各層を成形する方法としては、押出ラミネーション成形法、押出キャスト成形法、インフレーション成形法、溶液キャスト法を例示することができる。また、各層を積層(接着)する方法としては、ドライラミネート方式、ウエットラミネート方式、ノンソルベントラミネーション方式などの積層法が挙げられる。但し、本発明の酸素吸収性積層体を製造するにあたっては、酸素吸収層(他の層を含んでいても良い)と酸素バリア層(他の層を含んでいても良い)との積層は、種々の材料に対して適用可能なドライラミネート方式で行われることが好ましい。
本発明の酸素吸収性積層体は、種々の形態の包装容器・包装材とすることが可能であり、例えば、パウチ(袋状)、箱状、カップ状などの包装容器としたり、包装フィルム、蓋などの包装材としたりすることができる。本発明の酸素吸収性積層体は、これらのなかでも、被加熱殺菌処理包装用パウチを得るために好適に用いられる。
本発明の酸素吸収性積層体を用いて、被加熱殺菌処理包装用パウチを得るためには、公知の手法により、被加熱殺菌処理包装用フィルムのシーラント層をヒートシールして、袋状にすれば良い。パウチの形態は特に限定されず、通常のパウチ、ガゼット付きパウチ、スタンディングパウチ、ピロー包装袋などの形態にすることができる。
本発明の酸素吸収性積層体を用いて得られる被加熱殺菌処理包装用パウチは、内容物を包装した状態で、その内容物を加熱殺菌処理するために用いることができる。包装する内容物は、加熱殺菌処理の対象となるものであれば特に限定されず、例えば、カレー、スープ、シチュー、粥、パスタソース、丼物の具、ハンバーグ、ミートボール、介護食などの食品や輸液などの医薬品を挙げることができる。加熱殺菌処理の手法も特に限定されないが、レトルト処理(加圧下、100℃〜135℃の範囲で行われる)およびボイル処理(常圧下、100℃以下で行われる)が好適に採用される。レトルト処理、ボイル処理の条件は、これらの処理の条件として通常のものであれば特に限定されず、レトルト処理としては、回収式、蒸気式、シャワー式、スプレー式などの方法が採用できる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の部および%は、特に断りのない限り、重量基準である。
各種の測定については、以下の方法に従って行った。
〔共役ジエン重合体(ポリイソプレン)および共役ジエン重合体環化物(ポリイソプレン環化物)の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)〕
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算分子量として求めた。なお、溶出溶剤としては、テトラヒドロフランを使用した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算分子量として求めた。なお、溶出溶剤としては、テトラヒドロフランを使用した。
〔共役ジエン重合体(ポリイソプレン)の共役ジエン単位(イソプレン単位)におけるビニル結合含量〕
1H−NMR測定および13C−NMR測定を行い、得られたスペクトルから各結合単位に帰属されるピークの積分値を求めて、1,2−結合単位および3,4−結合単位に基づくピークの積分値の合計値と、他の結合単位に基づくピークの積分値とから、ビニル結合含量を算出した。
1H−NMR測定および13C−NMR測定を行い、得られたスペクトルから各結合単位に帰属されるピークの積分値を求めて、1,2−結合単位および3,4−結合単位に基づくピークの積分値の合計値と、他の結合単位に基づくピークの積分値とから、ビニル結合含量を算出した。
〔共役ジエン重合体(ポリイソプレン)および共役ジエン重合体環化物(ポリイソプレン環化物)のガラス転移温度(Tg)〕
示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「EXSTAR DSC6220」)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「EXSTAR DSC6220」)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
〔共役ジエン重合体環化物(ポリイソプレン環化物)の不飽和結合減少率〕
(i) M.A.Golub and J.Heller,Can.J.Chem.,第41巻,937(1963).および(ii) Y.Tanaka and H.Sato,J.Polym.Sci:Poly.Chem.Ed.,第17巻,3027(1979).の文献に記載された方法を参考にして、1H−NMR測定により求めた。なお、共役ジエン重合体中の共役ジエン単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、式:SB=SBU/SBTで表され、環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、式:SA=SAU/SATで表される。従って、不飽和結合減少率は、式:不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SBにより求められる。
(i) M.A.Golub and J.Heller,Can.J.Chem.,第41巻,937(1963).および(ii) Y.Tanaka and H.Sato,J.Polym.Sci:Poly.Chem.Ed.,第17巻,3027(1979).の文献に記載された方法を参考にして、1H−NMR測定により求めた。なお、共役ジエン重合体中の共役ジエン単位部分において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU、環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT、二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSAUとすると、環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、式:SB=SBU/SBTで表され、環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、式:SA=SAU/SATで表される。従って、不飽和結合減少率は、式:不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SBにより求められる。
〔酸素吸収剤の酸素吸収性評価〕
試料となる酸素吸収剤(ポリイソプレン環化物)を、電熱プレス(テスター産業社製「SA−02」)により、200℃、50MPaの条件で圧縮成形して、厚さ70μmのフィルムを製膜し、そのフィルムを30mm×50mmのサイズにカットすることにより、評価サンプルを作製した。その評価サンプルおよび空気100ccをアルミパウチ内に封入し、60℃のオーブン内に静置した。所定期間経過したのち、アルミパウチ内の空気5ccを採取して、その酸素濃度を酸素濃度計(東レエンジニアリング社製「LC−750F」)により測定した。その測定結果から、酸素吸収剤1gあたりの酸素吸収量を求めた。静置期間が同じであれば、酸素吸収量が多いものほど酸素吸収性に優れる。
試料となる酸素吸収剤(ポリイソプレン環化物)を、電熱プレス(テスター産業社製「SA−02」)により、200℃、50MPaの条件で圧縮成形して、厚さ70μmのフィルムを製膜し、そのフィルムを30mm×50mmのサイズにカットすることにより、評価サンプルを作製した。その評価サンプルおよび空気100ccをアルミパウチ内に封入し、60℃のオーブン内に静置した。所定期間経過したのち、アルミパウチ内の空気5ccを採取して、その酸素濃度を酸素濃度計(東レエンジニアリング社製「LC−750F」)により測定した。その測定結果から、酸素吸収剤1gあたりの酸素吸収量を求めた。静置期間が同じであれば、酸素吸収量が多いものほど酸素吸収性に優れる。
〔臭気評価のための官能試験〕
酸素吸収性評価において、所定期間経過し、酸素濃度測定のための空気を採取した後のアルミパウチを開封し、10人のパネラーが、それぞれそのパウチ内の臭いを嗅いで、次の基準により評価し、それぞれの評点の平均値を臭気の評点とした。評点が小さいものほど、酸素吸収に伴って発生する臭気が少ないといえる。
評点1:殆ど、無臭である。
評点2:若干、臭いがする。
評点3:臭いがする。
評点4:かなり、臭いがする。
酸素吸収性評価において、所定期間経過し、酸素濃度測定のための空気を採取した後のアルミパウチを開封し、10人のパネラーが、それぞれそのパウチ内の臭いを嗅いで、次の基準により評価し、それぞれの評点の平均値を臭気の評点とした。評点が小さいものほど、酸素吸収に伴って発生する臭気が少ないといえる。
評点1:殆ど、無臭である。
評点2:若干、臭いがする。
評点3:臭いがする。
評点4:かなり、臭いがする。
〔臭気評価のための有機酸発生量測定〕
試料となる酸素吸収剤(ポリイソプレン環化物)を、電熱プレス(テスター産業社製「SA−02」)により、200℃、50MPaの条件で圧縮成形して、厚さ70μmのフィルムを製膜し、そのフィルムを70mm×70mmのサイズにカットすることにより、評価サンプルを作製した。その評価サンプルおよび空気100ccをアルミパウチ内に封入し、それを80℃のオーブン内に静置した。15日間経過したのち、アルミパウチ内に注射器を用いて超純水10ml注入し、1分間振盪し、そののち30分間静置した。そして、アルミパウチ内の液体分全てを注射器により吸い出し、それを超純水で10倍に希釈したものについて、イオンクロマトグラフ装置を用いて、酢酸イオンおよびギ酸イオンの濃度を測定した。酢酸イオンおよびギ酸イオンの濃度が低いものほど、酸素吸収に伴って発生する臭気成分(酢酸およびギ酸)が少ないといえる。
試料となる酸素吸収剤(ポリイソプレン環化物)を、電熱プレス(テスター産業社製「SA−02」)により、200℃、50MPaの条件で圧縮成形して、厚さ70μmのフィルムを製膜し、そのフィルムを70mm×70mmのサイズにカットすることにより、評価サンプルを作製した。その評価サンプルおよび空気100ccをアルミパウチ内に封入し、それを80℃のオーブン内に静置した。15日間経過したのち、アルミパウチ内に注射器を用いて超純水10ml注入し、1分間振盪し、そののち30分間静置した。そして、アルミパウチ内の液体分全てを注射器により吸い出し、それを超純水で10倍に希釈したものについて、イオンクロマトグラフ装置を用いて、酢酸イオンおよびギ酸イオンの濃度を測定した。酢酸イオンおよびギ酸イオンの濃度が低いものほど、酸素吸収に伴って発生する臭気成分(酢酸およびギ酸)が少ないといえる。
〔レトルト処理試験〕
試料となる酸素吸収剤(ポリイソプレン環化物)を、電熱プレス(テスター産業社製「SA−02」)により、200℃、50MPaの条件で圧縮成形して、厚さ70μmのフィルムを製膜し、そのフィルムを60mm×70mmのサイズにカットすることにより、評価サンプルを作製した。その評価サンプルおよび空気100ccをアルミパウチ内に封入し、それを小型レトルト高圧蒸気滅菌器(アルプ社製「PK−3030」)により、温度121℃、圧力0.22MPaの条件で30分間レトルト処理した。レトルト処理後、アルミパウチから試料を取り出して、試料の状態を観察した後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。レトルト処理の前後において、分子量分布(Mw/Mn)の増大が小さいものほど、酸素吸収に伴う成形材料としての劣化の程度が小さいといえる。
試料となる酸素吸収剤(ポリイソプレン環化物)を、電熱プレス(テスター産業社製「SA−02」)により、200℃、50MPaの条件で圧縮成形して、厚さ70μmのフィルムを製膜し、そのフィルムを60mm×70mmのサイズにカットすることにより、評価サンプルを作製した。その評価サンプルおよび空気100ccをアルミパウチ内に封入し、それを小型レトルト高圧蒸気滅菌器(アルプ社製「PK−3030」)により、温度121℃、圧力0.22MPaの条件で30分間レトルト処理した。レトルト処理後、アルミパウチから試料を取り出して、試料の状態を観察した後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。レトルト処理の前後において、分子量分布(Mw/Mn)の増大が小さいものほど、酸素吸収に伴う成形材料としての劣化の程度が小さいといえる。
〔酸素吸収性積層体の酸素吸収性評価〕
試料となる酸素吸収性積層体を用いて得たパウチに、蒸留水30ml、空気3mlおよび非破壊酸素濃度計用ガラス製センサー(PreSens社製、「Fibox3」)を封入し、それを小型レトルト高圧蒸気滅菌器(アルプ社製「PK−3030」)により、温度121℃、圧力0.18MPaの条件で30分間レトルト処理した。レトルト処理後、非破壊酸素濃度計用ガラス製センサーにより、パウチ内の酸素濃度を測定した。パウチ内の酸素濃度が低いものほど酸素吸収性に優れる。
試料となる酸素吸収性積層体を用いて得たパウチに、蒸留水30ml、空気3mlおよび非破壊酸素濃度計用ガラス製センサー(PreSens社製、「Fibox3」)を封入し、それを小型レトルト高圧蒸気滅菌器(アルプ社製「PK−3030」)により、温度121℃、圧力0.18MPaの条件で30分間レトルト処理した。レトルト処理後、非破壊酸素濃度計用ガラス製センサーにより、パウチ内の酸素濃度を測定した。パウチ内の酸素濃度が低いものほど酸素吸収性に優れる。
〔合成例1〕
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.0813g(0.0007mol)、およびナトリウム−t−アミレート(STA)0.097gをトルエン10mlに溶解して得た溶液0.66ml(STAの量として0.0000583mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−ブチルリチウム(n−BuLi)/n−ヘキサン溶液0.14ml(n−BuLiの量として0.00023mol)を加えて、30℃で6時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは601,300、Mw/Mnは1.65、ビニル結合含量は94モル%(3,4−結合単位含量:79モル%、1,2−結合単位含量:15モル%)、Tgは18.4℃であった。
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.0813g(0.0007mol)、およびナトリウム−t−アミレート(STA)0.097gをトルエン10mlに溶解して得た溶液0.66ml(STAの量として0.0000583mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−ブチルリチウム(n−BuLi)/n−ヘキサン溶液0.14ml(n−BuLiの量として0.00023mol)を加えて、30℃で6時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは601,300、Mw/Mnは1.65、ビニル結合含量は94モル%(3,4−結合単位含量:79モル%、1,2−結合単位含量:15モル%)、Tgは18.4℃であった。
〔合成例2〕
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にTMEDA0.122g(0.00105mol)、およびSTA0.097gをトルエン10mlに溶解して得た溶液1.0ml(STAの量として0.0000875mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−BuLi/n−ヘキサン溶液0.21ml(n−BuLiの量として0.00035mol)を加えて、30℃で3時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは295,000、Mw/Mnは1.31、ビニル結合含量は93モル%(3,4−結合単位含量:79モル%、1,2−結合単位含量:14モル%)、Tgは17.0℃であった。
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にTMEDA0.122g(0.00105mol)、およびSTA0.097gをトルエン10mlに溶解して得た溶液1.0ml(STAの量として0.0000875mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−BuLi/n−ヘキサン溶液0.21ml(n−BuLiの量として0.00035mol)を加えて、30℃で3時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは295,000、Mw/Mnは1.31、ビニル結合含量は93モル%(3,4−結合単位含量:79モル%、1,2−結合単位含量:14モル%)、Tgは17.0℃であった。
〔合成例3〕
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にTMEDA0.0978g(0.00084mol)、およびSTA0.097gをトルエン10mlに溶解して得た溶液0.80ml(STAの量として0.00007mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−BuLi/n−ヘキサン溶液0.17ml(n−BuLiの量として0.00028mol)を加えて、30℃で3時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは404,700、Mw/Mnは1.51、ビニル結合含量は92モル%(3,4−結合単位含量:78モル%、1,2−結合単位含量:14モル%)、Tgは18.4℃であった。
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にTMEDA0.0978g(0.00084mol)、およびSTA0.097gをトルエン10mlに溶解して得た溶液0.80ml(STAの量として0.00007mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−BuLi/n−ヘキサン溶液0.17ml(n−BuLiの量として0.00028mol)を加えて、30℃で3時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは404,700、Mw/Mnは1.51、ビニル結合含量は92モル%(3,4−結合単位含量:78モル%、1,2−結合単位含量:14モル%)、Tgは18.4℃であった。
〔比較合成例1〕
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にTMEDA0.0065g(0.000056mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−BuLi/n−ヘキサン溶液0.17ml(n−BuLiの量として0.00028mol)を加えて、70℃で1時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは233,300、Mw/Mnは1.09、ビニル結合含量は8モル%(3,4−結合単位含量:8モル%、1,2−結合単位含量:0モル%)、Tgは−62.4℃であった。
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にTMEDA0.0065g(0.000056mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−BuLi/n−ヘキサン溶液0.17ml(n−BuLiの量として0.00028mol)を加えて、70℃で1時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは233,300、Mw/Mnは1.09、ビニル結合含量は8モル%(3,4−結合単位含量:8モル%、1,2−結合単位含量:0モル%)、Tgは−62.4℃であった。
〔合成例4〕
合成例1で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で6時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、65gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは223,500、Mw/Mnは2.48、不飽和結合減少率は90.8%、Tgは118.2℃であった。
合成例1で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で6時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、65gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは223,500、Mw/Mnは2.48、不飽和結合減少率は90.8%、Tgは118.2℃であった。
〔合成例5〕
合成例2で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で3時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、63gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは214,000、Mw/Mnは1.46、不飽和結合減少率は56.9%、Tgは81.2℃であった。
合成例2で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で3時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、63gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは214,000、Mw/Mnは1.46、不飽和結合減少率は56.9%、Tgは81.2℃であった。
〔合成例6〕
合成例3で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で4時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、64gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは243,500、Mw/Mnは1.74、不飽和結合減少率は77.2%、Tgは102.0℃であった。
合成例3で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で4時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、64gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは243,500、Mw/Mnは1.74、不飽和結合減少率は77.2%、Tgは102.0℃であった。
〔比較合成例2〕
比較合成例1で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で1時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、65gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは213,000、Mw/Mnは1.38、不飽和結合減少率は62.1%、Tgは40.6℃であった。
比較合成例1で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で1時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、65gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは213,000、Mw/Mnは1.38、不飽和結合減少率は62.1%、Tgは40.6℃であった。
〔実施例1〜3,比較例1〕
合成例4〜6および比較合成例2で得られたポリイソプレン環化物をそのまま酸素吸収剤として、それぞれについて、酸素吸収剤の酸素吸収性評価(オーブン内静置期間28日間、但し3日間静置後に酸素吸収速度を測定)、臭気評価のための官能試験および臭気評価のための有機酸発生量測定を行った。また、合成例4と比較合成例2で得られたポリイソプレン環化物については、レトルト処理試験も行った。これらの結果は、表1にまとめて示した。
合成例4〜6および比較合成例2で得られたポリイソプレン環化物をそのまま酸素吸収剤として、それぞれについて、酸素吸収剤の酸素吸収性評価(オーブン内静置期間28日間、但し3日間静置後に酸素吸収速度を測定)、臭気評価のための官能試験および臭気評価のための有機酸発生量測定を行った。また、合成例4と比較合成例2で得られたポリイソプレン環化物については、レトルト処理試験も行った。これらの結果は、表1にまとめて示した。
〔実施例4〕
合成例4で得られたポリイソプレン環化物と低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製「ユメリット140HK」)とステアリン酸コバルト(II)(和光純薬工業社製)とを、重量比20:80:0.5の割合で200℃の卓上型ニーダー(入江商会社製「PBV−01」)で混練した。そして、この混練物を酸素吸収剤として、酸素吸収剤の酸素吸収性評価(オーブン内静置期間16日)および臭気評価のための官能試験を行った。この結果は、表2にまとめて示した。
合成例4で得られたポリイソプレン環化物と低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製「ユメリット140HK」)とステアリン酸コバルト(II)(和光純薬工業社製)とを、重量比20:80:0.5の割合で200℃の卓上型ニーダー(入江商会社製「PBV−01」)で混練した。そして、この混練物を酸素吸収剤として、酸素吸収剤の酸素吸収性評価(オーブン内静置期間16日)および臭気評価のための官能試験を行った。この結果は、表2にまとめて示した。
〔比較例2〕
合成例4で得られたポリイソプレン環化物に代えて、比較合成例2で得られたポリイソプレン環化物を用いたこと以外は、実施例4と同様にして混練物を得て、それを酸素吸収剤として、酸素吸収剤の酸素吸収性評価(オーブン内静置期間16日)および臭気評価のための官能試験を行った。この結果は、表2にまとめて示した。
合成例4で得られたポリイソプレン環化物に代えて、比較合成例2で得られたポリイソプレン環化物を用いたこと以外は、実施例4と同様にして混練物を得て、それを酸素吸収剤として、酸素吸収剤の酸素吸収性評価(オーブン内静置期間16日)および臭気評価のための官能試験を行った。この結果は、表2にまとめて示した。
表1および表2から明らかであるように、ビニル結合含量が60モル%以上であるポリイソプレンを環化反応させてなるポリイソプレン環化物は、比較的に高いガラス転移温度を有することから耐熱性が高いといえ、また、それを用いてなる酸素吸収剤(実施例1〜4)は、酸素吸収性に優れ、酸素吸収に伴って発生する臭気が少なく、酸素吸収に伴う成形材料としての劣化が防止されたものであるといえる。一方、ビニル結合含量が8モル%であるポリイソプレンを環化反応させてなるポリイソプレン環化物は、比較的に低いガラス転移温度を有することから耐熱性に劣るといえ、また、それを用いてなる酸素吸収剤(比較例1および2)は、実施例の酸素吸収剤に比べると、酸素吸収性に劣り、酸素吸収に伴って発生する臭気が多く、酸素吸収に伴う成形材料としての劣化を生じるものであるといえる。
〔合成例7〕
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.0976g(0.00084mol)、およびナトリウム−t−アミレート(STA)0.097gをトルエン10mlに溶解して得た溶液0.80ml(STAの量として0.00007mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−ブチルリチウム(n−BuLi)/n−ヘキサン溶液0.17ml(n−BuLiの量として0.00028mol)を加えて、30℃で6時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは764,600、Mw/Mnは1.44、ビニル結合含量は92モル%(3,4−結合単位含量:78モル%、1,2−結合単位含量:14モル%)、Tgは17.1℃であった。
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.0976g(0.00084mol)、およびナトリウム−t−アミレート(STA)0.097gをトルエン10mlに溶解して得た溶液0.80ml(STAの量として0.00007mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−ブチルリチウム(n−BuLi)/n−ヘキサン溶液0.17ml(n−BuLiの量として0.00028mol)を加えて、30℃で6時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは764,600、Mw/Mnは1.44、ビニル結合含量は92モル%(3,4−結合単位含量:78モル%、1,2−結合単位含量:14モル%)、Tgは17.1℃であった。
〔合成例8〕
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.0813g(0.0007mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−ブチルリチウム(n−BuLi)/n−ヘキサン溶液0.14ml(n−BuLiの量として0.00023mol)を加えて、30℃で6時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは835,300、Mw/Mnは1.49、ビニル結合含量は78モル%(3,4−結合単位含量:65モル%、1,2−結合単位含量:13モル%)、Tgは1.0℃であった。
窒素雰囲気下、磁気撹拌子を入れたガラス反応容器にイソプレン70g(1.1mol)、およびn−ヘキサン279gを加えた。次いで、ガラス反応容器にN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)0.0813g(0.0007mol)を添加した。そして、1.63mol/lのn−ブチルリチウム(n−BuLi)/n−ヘキサン溶液0.14ml(n−BuLiの量として0.00023mol)を加えて、30℃で6時間重合を行った。その後、反応系に少量のイソプロピルアルコールを加えて重合を停止した。得られた重合反応溶液中のポリイソプレンのMwは835,300、Mw/Mnは1.49、ビニル結合含量は78モル%(3,4−結合単位含量:65モル%、1,2−結合単位含量:13モル%)、Tgは1.0℃であった。
〔合成例9〕
合成例7で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で6時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、65gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは238,000、Mw/Mnは1.96、不飽和結合減少率は88.0%、Tgは112.5℃であった。
合成例7で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で6時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、65gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは238,000、Mw/Mnは1.96、不飽和結合減少率は88.0%、Tgは112.5℃であった。
〔合成例10〕
合成例8で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で6時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、65gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは282,000、Mw/Mnは3.27、不飽和結合減少率は85.5%、Tgは101.3℃であった。
合成例8で得られたポリイソプレン溶液350gに、14.54%p−トルエンスルホン酸/トルエン溶液24gを加えて、反応系を撹拌しながら80℃に加熱した。80℃で6時間反応を行った後、25%炭酸ナトリウム水溶液8.57gを加えて反応を停止し、その溶液に硫酸マグネシウムを加えて室温で12時間脱水した。次いで、その溶液をろ紙を用いてろ過して、そのろ液を大過剰のイソプロピルアルコールに注いだ。そして、沈殿物を回収し、アセトンで洗浄した後、40℃で3日間真空乾燥することにより、65gのポリイソプレン環化物を得た。得られたポリイソプレン環化物のMwは282,000、Mw/Mnは3.27、不飽和結合減少率は85.5%、Tgは101.3℃であった。
〔比較製造例〕
比較合成例2で得られたポリイソプレンの環化物と、共重合ナイロン(宇部興産社製「5034B」)と、流動パラフィン(カネダ社製「ハイコールK−350F」)と、水添ダイマー酸(クローダジャパン社製「プリポール1009」)とを、重量比20.3:75.0:4.4:0.3の割合で、二軸混練機を用いて200℃で混練して酸素吸収性樹脂組成物のペレットを得た。
比較合成例2で得られたポリイソプレンの環化物と、共重合ナイロン(宇部興産社製「5034B」)と、流動パラフィン(カネダ社製「ハイコールK−350F」)と、水添ダイマー酸(クローダジャパン社製「プリポール1009」)とを、重量比20.3:75.0:4.4:0.3の割合で、二軸混練機を用いて200℃で混練して酸素吸収性樹脂組成物のペレットを得た。
〔実施例5〕
合成例9で得られたポリイソプレン環化物1gを電熱プレス(テスター産業社製「SA−302」)により、200℃、50MPaの条件で圧縮して、厚さ100μmのプレスシートを得た。次いで、無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「パイレンフィルム−CT P1146」、厚さ50μm)のコロナ処理面に接着剤(東洋モートン社製「TOMOFLEX TM−250HV」)を介して透明蒸着フィルム(三菱樹脂社製「テックバリアTXR」、厚さ12μm)の蒸着面の反対側の面を加熱ラミネートにより接着し、透明蒸着フィルム/無延伸ポリプロピレンフィルムの積層体を得た。そして、その積層体の無延伸ポリプロピレンフィルム側に上述のプレスシートと、別の無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「パイレンフィルム−CT P1146」、厚さ50μm)のコロナ処理面側をこの順に重ね、130℃でラミネートすることによって、透明蒸着フィルム(酸素バリア層)/無延伸ポリプロピレンフィルム/ポリイソプレン環化物(酸素吸収層)/無延伸ポリプロピレンフィルム(シーラント層)の積層体を得た。この積層体から90mm×80mmのサイズのフィルムを2枚切り出して、外側から透明蒸着フィルム/無延伸ポリプロピレンフィルム/ポリイソプレン環化物/無延伸ポリプロピレンフィルムになるように4面をシートシールして、パウチを作製した。このパウチについて、酸素吸収性積層体の酸素吸収性評価を行ったところ、パウチ内の酸素濃度は2.0%であった。また、酸素吸収性評価後(レトルト処理後)のパウチを観察したところ、評価前のパウチから特段の変化は認められなかった。
合成例9で得られたポリイソプレン環化物1gを電熱プレス(テスター産業社製「SA−302」)により、200℃、50MPaの条件で圧縮して、厚さ100μmのプレスシートを得た。次いで、無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「パイレンフィルム−CT P1146」、厚さ50μm)のコロナ処理面に接着剤(東洋モートン社製「TOMOFLEX TM−250HV」)を介して透明蒸着フィルム(三菱樹脂社製「テックバリアTXR」、厚さ12μm)の蒸着面の反対側の面を加熱ラミネートにより接着し、透明蒸着フィルム/無延伸ポリプロピレンフィルムの積層体を得た。そして、その積層体の無延伸ポリプロピレンフィルム側に上述のプレスシートと、別の無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「パイレンフィルム−CT P1146」、厚さ50μm)のコロナ処理面側をこの順に重ね、130℃でラミネートすることによって、透明蒸着フィルム(酸素バリア層)/無延伸ポリプロピレンフィルム/ポリイソプレン環化物(酸素吸収層)/無延伸ポリプロピレンフィルム(シーラント層)の積層体を得た。この積層体から90mm×80mmのサイズのフィルムを2枚切り出して、外側から透明蒸着フィルム/無延伸ポリプロピレンフィルム/ポリイソプレン環化物/無延伸ポリプロピレンフィルムになるように4面をシートシールして、パウチを作製した。このパウチについて、酸素吸収性積層体の酸素吸収性評価を行ったところ、パウチ内の酸素濃度は2.0%であった。また、酸素吸収性評価後(レトルト処理後)のパウチを観察したところ、評価前のパウチから特段の変化は認められなかった。
〔実施例6〕
合成例9で得られたポリイソプレン環化物に代えて、合成例10で得られたポリイソプレン環化物1gを用いたこと以外は実施例5と同様にして、パウチを作製し、酸素吸収性積層体の酸素吸収性評価を行ったところ、パウチ内の酸素濃度は1.9%であった。また、酸素吸収性評価後(レトルト処理後)のパウチを観察したところ、評価前のパウチから特段の変化は認められなかった。
合成例9で得られたポリイソプレン環化物に代えて、合成例10で得られたポリイソプレン環化物1gを用いたこと以外は実施例5と同様にして、パウチを作製し、酸素吸収性積層体の酸素吸収性評価を行ったところ、パウチ内の酸素濃度は1.9%であった。また、酸素吸収性評価後(レトルト処理後)のパウチを観察したところ、評価前のパウチから特段の変化は認められなかった。
〔比較例3〕
合成例9で得られたポリイソプレン環化物に代えて、比較製造例2で得られたポリイソプレン環化物1gを用いたこと以外は実施例5と同様にして、パウチを作製し、酸素吸収性積層体の酸素吸収性評価を行おうとしたところ、酸素吸収性評価におけるレトルト処理によって、パウチの表面に多数のしわの発生が認められた。このしわは、レトルト処理における加熱により、ポリイソプレン環化物からなる酸素吸収層が溶融したことに起因して生じたと認められるものであった。
合成例9で得られたポリイソプレン環化物に代えて、比較製造例2で得られたポリイソプレン環化物1gを用いたこと以外は実施例5と同様にして、パウチを作製し、酸素吸収性積層体の酸素吸収性評価を行おうとしたところ、酸素吸収性評価におけるレトルト処理によって、パウチの表面に多数のしわの発生が認められた。このしわは、レトルト処理における加熱により、ポリイソプレン環化物からなる酸素吸収層が溶融したことに起因して生じたと認められるものであった。
〔比較例4〕
合成例9で得られたポリイソプレン環化物に代えて、比較製造例で得られた酸素吸収性樹脂組成物1gを用いたこと以外は実施例5と同様にして、パウチを作製し、酸素吸収性積層体の酸素吸収性評価を行ったところ、パウチ内の酸素濃度は7.7%であった。また、酸素吸収性評価後(レトルト処理後)のパウチを観察したところ、評価前のパウチから特段の変化は認められなかった。
合成例9で得られたポリイソプレン環化物に代えて、比較製造例で得られた酸素吸収性樹脂組成物1gを用いたこと以外は実施例5と同様にして、パウチを作製し、酸素吸収性積層体の酸素吸収性評価を行ったところ、パウチ内の酸素濃度は7.7%であった。また、酸素吸収性評価後(レトルト処理後)のパウチを観察したところ、評価前のパウチから特段の変化は認められなかった。
ビニル結合含量が60モル%以上であるポリイソプレンを環化反応させてなるポリイソプレン環化物からなる酸素吸収剤を用いてなる酸素吸収層を有する酸素吸収性積層体(実施例5および6)は、酸素吸収性に優れ、酸素吸収層をポリイソプレン環化物からなる酸素吸収剤のみで構成しても、レトルト処理に耐えうる耐熱性を有するものであるといえる。一方、ビニル結合含量が8モル%であるポリイソプレンを環化反応させてなるポリイソプレン環化物のみで構成された酸素吸収層を有する酸素吸収性積層体(比較例3)は、ポリイソプレン環化物で構成された酸素吸収層の耐熱性が不十分であり、レトルト処理に耐えられるものではなかった。そこで、そのポリイソプレン環化物を、耐熱性を有する樹脂などの他の成分と混合して、酸素吸収性樹脂組成物を得て、それを用いて酸素吸収性積層体(比較例4)を構成したが、その酸素吸収性は、実施例5および6の酸素吸収性積層体に比べて劣るものであった。
Claims (9)
- 共役ジエン単位におけるビニル結合含量が60モル%以上である共役ジエン重合体を環化反応させてなる共役ジエン重合体環化物を有効成分とする酸素吸収剤。
- 共役ジエン重合体環化物が、イソプレンの3,4−結合単位を含み、全繰り返し単位に対する該結合単位の含有割合が60モル%以上である共役ジエン重合体を環化反応させてなるものである、請求項2に記載の酸素吸収剤。
- 共役ジエン重合体環化物の環化反応による不飽和結合減少率が50%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の酸素吸収剤。
- 共役ジエン重合体環化物のガラス転移温度が70℃以上である請求項1〜4のいずれかに記載の酸素吸収剤。
- フィルム状の形態を有する請求項1〜5のいずれかに記載の酸素吸収剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の酸素吸収剤を含んでなる酸素吸収層、酸素吸収層の第1の面側に積層されるシーラント層、および酸素吸収層の第2の面側に積層される酸素バリア層を含んでなる酸素吸収性積層体。
- 酸素吸収層における共役ジエン重合体環化物の含有量が10重量%以上である請求項7に記載の酸素吸収性積層体。
- 酸素吸収層における樹脂成分が実質的に共役ジエン重合体環化物のみからなる請求項7または8に記載の酸素吸収性積層体。
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-
2012
- 2012-07-27 JP JP2012166624A patent/JP2014024014A/ja active Pending
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