JP2004002636A - ビニルエステル系樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホルモン活性が低減され、耐熱性及び機械的強度に優れる硬化樹脂を得るのに有用なビニルエステル系樹脂及び樹脂組成物を得る。
【解決手段】ビニルエステル系樹脂は、下記式(1)で表され、開始剤、及び必要により共重合性モノマーともにビニルエステル系樹脂組成物を構成する。
Figure 2004002636

(式中、Rは二価の有機基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは1以上の整数を示す。Fは下記式で表わされる二価基を示す。)
Figure 2004002636

(式中、Rはアルキレン基を示し、R及びRはアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基又はアリール基を示し、nは0又は1以上の整数及びpは0〜3の整数を示す)
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境ホルモン性が低減され、かつ耐熱性及び機械的強度のバランスに優れたフルオレン骨格を有するビニルエステル系樹脂及びその製造方法、並びに前記ビニルエステル系樹脂を含む樹脂組成物に関する。さらに詳細には、ガス供給管、給排水管などの広範な配管ライニング樹脂用途に適するビニルエステル系樹脂を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
ビニルエステル系樹脂は、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型、ノボラック型)と(メタ)アクリル酸との反応などにより合成される。このようなビニルエステル系樹脂は、タンク、ダクト、スクラバー、パイプ、船や自動車の構成部材としての繊維強化プラスチックや樹脂ライニングなどの種々の用途で使用されている。
【0003】
従来、安定性、耐熱性などの特性に優れるビニルエステル系樹脂を得るため、原料として、ビスフェノール類が用いられてきた。最近、ビスフェノール類を原料とした樹脂の塗膜や成形体などから、残存した低分子量のビスフェノール類や分解により、ホルモン活性の高いビスフェノール類が溶出する可能性があることが問題となっている。そのため、用途によっては、ビスフェノール類の使用が倦厭され、ビスフェノールに代わる耐熱性、安定性、機械的特性(機械的強度など)などの諸特性に優れる材料の開発が望まれている。
【0004】
特開2000−169532号公報には、分子末端に(メタ)アクリレート基を有するエポキシアクリレートからなるビニルエステル樹脂とホモポリマーのガラス転移温度−10℃〜99℃である重合性不飽和モノマーとの混合物が開示されている。また、この混合物は、伸び、靱性、硬化反応性などに優れ、未反応モノマーの残存量が低減されることも記載されている。特開平5−97943号公報には、不飽和基含有量を表す2重結合力価が400以上のビニルエステル樹脂重合体と、2重結合力価が400以上の空乾性付与型重合体と、(メタ)アクリロイル基を有するエチレン性不飽和単量体とを含有するビニルエステル樹脂組成物が開示されている。この樹脂組成物は、伸び、靱性、柔軟性を保持しつつ、低温硬化性に優れることも記載されている。しかし、これらの樹脂組成物では、環境ホルモン性を低減できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、環境ホルモン性が低減されたビニルエステル系樹脂及びその製造方法、並びにビニルエステル系樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、耐熱性及び機械的強度のバランスに優れる硬化樹脂を得るのに有用なビニルエステル系樹脂及びその製造方法、並びにビニルエステル系樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、従来のビスフェノール類を出発原料としたジグリシジルエーテルに代えて、カルド構造を有するために耐熱性に優れるフルオレン骨格をハードセグメントとして有するジグリシジルエーテルを用いると、耐熱性及び機械的強度のバランスに優れたビニルエステル系樹脂が得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明のビニルエステル系樹脂は、下記式(1)で表される。
【0009】
【化9】
Figure 2004002636
【0010】
[式中、Rは二価の有機基を示し、Rは同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、mは1以上の整数を示す。Fは同一又は異なって、下記式
【0011】
【化10】
Figure 2004002636
【0012】
(式中、Rはアルキレン基を示し、R及びRは同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基又はアリール基を示し、nは同一又は異なって0又は1以上の整数を示し、pは0〜3の整数を示す)で表わされる二価基を示す]
前記式(1)において、Rは、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸又はこれらの酸無水物、及びポリエステル型ジカルボン酸から選択された少なくとも一種のカルボン酸残基、RはC2−6アルキレン基、nは0〜5の整数、R及びRはC1−4アルキル基、pは0〜2の整数などであってもよい。
【0013】
前記ビニルエステル系樹脂は、下記式(4)で表わされるエポキシエステルと下記式(5)で表されるビニルカルボン酸とを反応させることにより製造できる。
【0014】
【化11】
Figure 2004002636
【0015】
(式中、R、R、F及びmは前記に同じ)
前記式(4)で表わされるエポキシエステルは、下記式(2)で表されるジカルボン酸と、下記式(3)で表されるエポキシ化合物との反応により得てもよい。
【0016】
【化12】
Figure 2004002636
【0017】
(式中、R及びFは前記に同じ)
前記式(3)で表されるエポキシ化合物は、下記式で表される化合物であってもよい。
【0018】
【化13】
Figure 2004002636
【0019】
(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、pは0又は1を示す。nは前記に同じ)
本発明のビニルエステル系樹脂組成物は、少なくとも前記ビニルエステル系樹脂と、開始剤とで構成されている。前記樹脂組成物は、さらに共重合性モノマー((メタ)アクリル系単量体など)を含んでいてもよい。前記共重合性モノマーは、下記式(6)で表される(メタ)アクリル系単量体で構成されていてもよい。
【0020】
【化14】
Figure 2004002636
【0021】
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rはアルキレン基を示し、qは0又は1以上の整数を示し、Zは脂環式炭化水素基を示す)
【0022】
【発明の実施の形態】
[ビニルエステル系樹脂]
本発明のビニルエステル系樹脂は、下記式(1)で表される。
【0023】
【化15】
Figure 2004002636
【0024】
(式中、Rは二価の有機基を示し、Rは同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、mは1以上の整数を示す。Fは同一又は異なって、下記式で表わされる二価基を示す。)
【0025】
【化16】
Figure 2004002636
【0026】
(式中、Rはアルキレン基を示し、R及びRは同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基又はアリール基を示し、nは同一又は異なって0又は1以上の整数を示し、pは0〜3の整数を示す)
前記式(1)において、Rはジカルボン酸残基であり、対応するジカルボン酸(HOOC−R−COOH (2))としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸又はこれらの酸無水物、及びポリエステル型ジカルボン酸から選択された少なくとも一種が挙げられる。
【0027】
前記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸などの飽和C3−20脂肪族ジカルボン酸(好ましくは飽和C3−14脂肪族ジカルボン酸など);マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、メサコン酸などの不飽和C4−20脂肪族ジカルボン酸(好ましくは不飽和C4−14脂肪族ジカルボン酸など);これらのエステル形成可能な誘導体[例えば、酸無水物(無水コハク酸、無水グルタル酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸の無水物;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸の無水物など);低級アルキルエステル;アリールエステルなど]などが挙げられる。
【0028】
脂環族ジカルボン酸としては、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ハイミック酸などの飽和脂環族ジカルボン酸(C5−10シクロアルカン−ジカルボン酸など);1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、1,3−シクロヘキセンジカルボン酸などの不飽和脂環族ジカルボン酸(C5−8シクロアルケン−ジカルボン酸など);及びこれらのエステル形成可能な誘導体[例えば、酸無水物(無水ヘキサヒドロフタル酸など);低級アルキルエステル;アリールエステルなど]などが挙げられる。
【0029】
芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカルボン酸など)、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルケトンジカルボン酸などの芳香族C8−16ジカルボン酸;及びこれらのエステル形成可能な誘導体[例えば、酸無水物(無水フタル酸など);低級アルキルエステル;アリールエステルなど]などが挙げられる。
【0030】
前記ポリエステル型ジカルボン酸は、ジカルボン酸成分とジオール成分との縮合反応から得られる。ジカルボン酸成分としては、前記例示の脂肪族、脂環族及び芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸などを併用してもよい。ジカルボン酸成分としては、通常、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸から選ばれた少なくとも一種、特に、不飽和脂肪族ジカルボン酸及び/又は芳香族ジカルボン酸が好ましい。脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸とを含む場合、両者の割合は、前者/後者(モル比)=5/1〜1/3、好ましくは4/1〜1/2、さらに好ましくは3/1〜1/1程度である。
【0031】
ジオール成分には、例えば、脂肪族アルキレンジオール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオールなどの炭素数2〜12程度の脂肪族グリコール、好ましくは炭素数2〜10程度の脂肪族グリコール)、ポリオキシアルキレングリコール[アルキレン基の炭素数が2〜4程度であり、複数のオキシアルキレン単位を有するグリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジテトラメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど]、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなど)などが挙げられる。また、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、キシリレングリコールなどの芳香族ジオールを併用してもよい。これらのジオール成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。さらに、必要に応じて、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどのポリオールを併用してもよい。
【0032】
好ましいジオール成分には、C2−6アルキレングリコール(エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの直鎖状C2−4アルキレングリコールなど)、繰返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有するポリオキシアルキレングリコール[ジエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリ(オキシ−C2−4アルキレン)単位を含むグリコールなど]、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが含まれる。
【0033】
ジオール成分とジカルボン酸成分との割合は、前者/後者(モル比)=1/5〜1/2、好ましくは1/4〜1/2、さらに好ましくは1/3〜1/2程度である。
【0034】
前記ポリエステル型ジカルボン酸を得るための縮合反応の温度は、特に制限されず、120〜300℃、好ましくは180〜250℃程度である。なお、ジカルボン酸成分として不飽和ジカルボン酸を用いる場合、脱水反応の後、一旦、50〜200℃、好ましくは70〜180℃程度に反応混合物を冷却し、不飽和ジカルボン酸又はその酸無水物を添加して反応させてもよい。反応は、必要により不活性な溶媒中、空気中で行ってもよいが、通常、不活性ガス(ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気又は流通下で行なわれる。反応時間は、特に制限されず、10分〜24時間、好ましくは1〜12時間程度である。
【0035】
縮合反応の終点は、酸価を測定することにより確認することができ、例えば、酸価50〜300mgKOH/g、好ましくは80〜200mgKOH/g、さらに好ましくは100〜200mgKOH/g程度である。
【0036】
ポリエステル型ジカルボン酸は、必要により、慣用の方法、例えば、可溶化溶媒と貧溶媒とを利用する沈殿法などの方法を利用して分離精製してもよい。
【0037】
このようにして得られるポリエステル型ジカルボン酸の分子量は、特に制限されず、例えば、100〜5000、好ましくは100〜3000(例えば、200〜2500)、さらに好ましくは100〜2000(例えば、200〜1000)程度である。
【0038】
環境ホルモン性を低減するためには、前記ジカルボン酸のうち、低ホルモン活性のジカルボン酸、例えば、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸や、芳香族ジカルボン酸の中でもイソフタル酸、テレフタル酸、さらにこれらのジカルボン酸を用いたポリエステル型ジカルボン酸などを用いるのが好ましい。
【0039】
前記式(1)において、Rは水素原子又はメチル基であり、通常、水素原子である。
【0040】
前記式(1)において、mは1〜500、好ましくは5〜200、さらに好ましくは10〜100(例えば、10〜50)程度である。
【0041】
前記式(1)の二価基Fにおいて、Rで表わされるアルキレン基としては、エチレン、トリメチレン、プロピレン基などのC2−6アルキレン基(好ましくはC2−4アルキレン基など)などが挙げられる。
【0042】
nは、後述するように、ビスフェノールフルオレンに対するアルキレンオキシドの付加モル数を示し、この付加モル数に応じて適宜選択できる。このようなnは、好ましくは0〜30、さらに好ましくは0〜20、特に0〜10(例えば、0〜5)の整数である。
【0043】
前記式(1)の二価基Fにおいて、R及びRで表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基などのC1−6アルキル基が例示できる。好ましいアルキル基は、C1−4アルキル基、特にC1−2アルキル基である。
【0044】
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ基などのC1−6アルコキシ基(好ましくはC1−4アルコキシ基、特にC1−2アルコキシ基)が例示できる。
【0045】
シクロアルキル基としては、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基などのC4−8シクロアルキル基(好ましくはC5−6シクロアルキル基)が例示できる。アリール基としては、フェニル、C1−4アルキルフェニル基(2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基など)、ナフチル基などのC6−12アリール基(特にフェニル基)、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基(C6−12アリール−C1−4アルキル基、特にベンジル基)などが例示できる。
【0046】
好ましい置換基R,Rは、同一又は異なって、アルキル基(例えば、C1−2アルキル基、特にメチル基)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基)又はアリール基(例えば、フェニル基、ベンジル基)である。
【0047】
前記式において、pは好ましくは0〜2の整数、特に0又は1である。
【0048】
二価基Fの式において、ベンゼン環に対する基−O−(RO)−CH−と置換基R,Rの置換位置は、特に制限されず、例えば、基−O−(RO)−CH−は、2−位、3−位、4−位のいずれであってもよいが、特に4−位が好ましい。置換基R,Rの置換位置は、pによっても変動するが、例えば、2−位、3−位、4−位、2,3−位、2,4−位、3,4−位などが例示できる。置換基R,Rの好ましい置換位置は、3−位である。
【0049】
ビニルエステル系樹脂の重量平均分子量Mwは、500〜50,000、好ましくは1,000〜20,000、さらに好ましくは1,000〜10,000程度である。
【0050】
[ビニルエステル系樹脂の製造方法]
(エポキシエステル(4)とビニルカルボン酸との反応)
前記ビニルエステル系樹脂は、下記式(4)で表わされるエポキシエステルとビニルカルボン酸とを反応(以下、単に反応(A)と称する場合がある)させることにより製造できる。
【0051】
【化17】
Figure 2004002636
【0052】
(式中、R、R、F及びmは前記に同じ)
ビニルカルボン酸としては、前記ビニルエステル系樹脂(1)に対応して、通常、前記式(5)で表わされるビニルカルボン酸、すなわち、(メタ)アクリル酸が使用できるが、桂皮酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸モノアルキルエステル(モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチルマレート、モノ(2−エチルヘキシル)マレートなど)などの不飽和カルボン酸を用いてもよい。ビニルカルボン酸は、一種で又は二種以上組合せて使用してもよく、前記不飽和カルボン酸と併用してもよい。
【0053】
エポキシエステル(4)とビニルカルボン酸(5)との割合は、前者/後者(モル比)=1/10〜1/2、好ましくは1/5〜1/2、さらに好ましくは1/3〜1/2程度である。
【0054】
反応(A)は、触媒の存在下又は非存在下のいずれにおいても行うことができる。触媒としては、エポキシ基とカルボキシル基との開環付加反応に用いられる慣用の触媒、例えば、トリアルキルアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミンなどのトリC1−4アルキルアミンなど)、芳香族3級アミン類(N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミンなど)、ジアザビシクロオクタンなどの3級アミン類;4級アンモニウム塩(トリエチルメチルアンモニウムヨーダイドなどのテトラアルキルアンモニウムハライドなど)などが使用できる。触媒は、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0055】
触媒の割合は、反応混合物の総量に対して、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%、更に好ましくは0.05〜0.5重量%程度である。
【0056】
反応(A)には、重合禁止剤を用いてもよい。重合禁止剤としては、慣用のラジカル重合反応用の重合禁止剤、例えば、ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコールなどのハイドロキノン類;ハイドロキノンモノメチルエーテル、ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール類;p−ベンゾキノン、ナフトキノン、p−トルキノンなどのキノン類;ナフテン酸銅、塩化銅(II)などの銅塩;ニトロソベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフィドなどが挙げられる。前記重合禁止剤は、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。重合禁止剤の割合は、反応混合物の総量に対して、10〜1000ppm、好ましくは100〜800ppm、さらに好ましくは100〜500ppm程度である。
【0057】
反応(A)は、溶媒の非存在下で行うことができるが、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、反応を阻害しない非水系溶媒、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサンなど)、脂環族炭化水素類(シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエンなど)、アルコール類(ブタノール、ヘキサノールなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなど),エーテル類(ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)などが挙げられる。
【0058】
反応(A)は、比較的低温、例えば、70〜150℃、好ましくは80〜140℃、さらに好ましくは90〜130℃程度の反応温度で行うのが好ましい。また、反応は、減圧下又は常圧下のいずれでも行うことができる。さらに反応は、通常、不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなど)の雰囲気下又は流通下で行う。
【0059】
このようにして得られたビニルエステル系樹脂は、慣用の方法、例えば、可溶化溶媒と貧溶媒とを利用する沈殿法などの方法を利用して分離精製できる。
【0060】
(エポキシエステル(4)の製造方法)
前記エポキシエステル(4)は、例えば、前記式(2)で表されるジカルボン酸(HOOC−R−COOH)と、下記式(3)で表されるエポキシ化合物との反応(以下、単に反応(B)と称する場合がある)により製造できる。
【0061】
【化18】
Figure 2004002636
【0062】
(式中、Fは前記に同じ)
前記エポキシ化合物(3)としては、二価基Fにおいてn=0である化合物、例えば、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン(ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル,BPFG);9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル,BCFG)、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−グリシジルオキシ−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−グリシジルオキシ−4−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アルキルグリシジルオキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−2,6−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジアルキルグリシジルオキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(シクロアルキルグリシジルオキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アリールグリシジルオキシフェニル)フルオレンなどが挙げられる。
【0063】
また、nが1以上のジグリシジル化合物、例えば、9,9−ビス(4−グリシジルオキシエトキシフェニル)フルオレン(ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル,BPEFG)などの9,9−ビス[4−(グリシジルオキシC2−6アルコキシ)フェニル]フルオレン;9,9−ビス(4−グリシジルオキシエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(ビスクレゾールフルオレンエチレンジグリシジルエーテル,BCEFG)、9,9−ビス(4−グリシジルオキシイソプロポキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アルキルグリシジルオキシC2−6アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−グリシジルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシイソプロポキシ−2,6−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジアルキルグリシジルオキシC2−6アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−グリシジルオキシエトキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(シクロアルキルグリシジルオキシC2−6アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−グリシジルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アリールグリシジルオキシC2−6アルコキシフェニル)フルオレンなどが挙げられる。
【0064】
これらのエポキシ化合物(3)のうち、下記式
【0065】
【化19】
Figure 2004002636
【0066】
(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、pは0又は1を示す。nは前記に同じ)
で表される化合物、特に、前記BPFG、BCFG、BPEFG、BCEFGなどが好ましい。なお、BPEFGは、BPEF[ビスフェノールフルオレン(BPF)のエチレンオキサイド付加物]のジグリシジルエーテル付加物であり、BCEFGは、BCEF[ビスクレゾールフルオレン(BCF)のエチレンオキサイド付加物]のジグリシジルエーテル付加物である。
【0067】
反応(B)において、ジカルボン酸(2)とエポキシ化合物(3)との割合は、前者/後者(モル比)=1/10〜1/1、好ましくは1/5〜2/3、さらに好ましくは1/3〜2/3程度である。通常、ジカルボン酸(2)に対して、化学量論量より過剰のエポキシ化合物(3)を用いる。
【0068】
反応(B)は、触媒の存在下又は非存在下のいずれでも行うことができる。触媒としては、前記反応(A)と同様の触媒が使用できる。
【0069】
触媒の割合は、反応混合物の総量に対して、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%、更に好ましくは0.05〜0.5重量%程度である。
【0070】
反応(B)は、溶媒の非存在下で行ってもよく、前記反応(A)の項で例示の溶媒などの存在下で行ってもよい。
【0071】
反応(B)の温度は、特に制限されず、80〜150℃、好ましくは90〜140℃程度である。反応(B)は、常圧又は減圧下で行うことができる。また、反応(B)は、通常、不活性ガス(ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気又は流通下で行なわれる。
【0072】
反応(B)の終点は、酸価を測定することにより確認することができ、例えば、酸価20mgKOH/g以下、好ましくは10mgKOH/g以下、さらに好ましくは5mgKOH/g以下である。
【0073】
反応(B)で得られたエポキシエステル(4)は、必要により、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、可溶化溶媒と貧溶媒とを利用する溶媒沈殿法などの分離手段や、これらを組合せた分離手段により分離精製してもよく、また、分離精製することなくそのまま前記反応(A)に供してもよい。
【0074】
(エポキシ化合物(3)の製造方法)
なお、前記エポキシ化合物(3)は、慣用の方法、例えば、対応するフルオレン骨格を有するビスフェノール化合物又はそのアルキレンオキサイド付加体(3a)(以下、単にビスフェノールフルオレン類と称する場合がある)とエピクロルヒドリン(3b)との反応(以下、単に反応(C)と称する場合がある)により得ることができる。
【0075】
【化20】
Figure 2004002636
【0076】
(式中、R〜R、n及びpは前記に同じ)
式(3a)で表されるビスフェノールフルオレン類としては、n=0のビスフェノールフルオレンを例に挙げて説明すると、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(ビスフェノールフルオレン、BPF);9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(ビスクレゾールフルオレン、BCF)、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アルキルヒドロキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジアルキルヒドロキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(シクロアルキルヒドロキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アリールヒドロキシフェニル)フルオレンなどが挙げられる。
【0077】
反応(C)において、ビスフェノールフルオレン類(3a)とエピクロルヒドリン(3b)との割合は、前者/後者(モル比)=1/1.5〜1/50、好ましくは1/1.8〜1/20、さらに好ましくは1/2〜1/10(例えば、1/2〜1/5)程度である。通常、ビスフェノールフルオレン類(3a)に対して、エピクロルヒドリン(3b)を化学量論量より過剰に用いる。
【0078】
反応(C)は、塩基、例えば、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩など)、第3級アミン(前記反応(A)の項で例示の第3級アミンなど)などの存在下で行ってもよい。
【0079】
反応(C)の反応温度は、特に制限されず、30〜150℃、好ましくは50〜140℃程度であってもよい。反応(C)は、減圧下で行ってもよく、常圧又は加圧下で行ってもよい。また、反応(C)は、通常、不活性ガス(ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気下又は流通下で行なわれる。
【0080】
なお、前記式(3a)において、n=0のビスフェノールフルオレンは、例えば、文献[J. Appl. Polym. Sci., 27(9), 3289, 1982]、特開平6−145087号公報、特開平8−217713号公報に記載されている方法に準じて、塩化水素ガスおよびメルカプトプロピオン酸を触媒として用い、フルオレノンとフェノール類とを縮合させることにより製造できる。また、前記塩化水素ガスに代えて、塩酸水又は硫酸を用いると、高純度のビスフェノールフルオレンを単純な操作で得ることができる。
【0081】
[ビニルエステル系樹脂組成物]
本発明のビニルエステル系樹脂組成物は、少なくとも前記ビニルエステル系樹脂(1)と、開始剤とで構成されており、さらに共重合性モノマー(反応性又は重合性稀釈剤)を含む場合が多い。
【0082】
前記開始剤としては、過酸化物が使用できる。前記過酸化物としては、慣用の硬化剤(又は触媒)、例えば、脂肪族過酸化物(メチルエチルケトンパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ラウロイルパーオキシドなど)、脂環族過酸化物[シクロヘキサノンパーオキシド、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシルパーオキシジカーボネート)など]、芳香族過酸化物(ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、クメンハイドロパーオキシド、ジクミルパーオキシドなど)などの有機過酸化物などが挙げられる。これらの過酸化物は、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0083】
過酸化物の割合は、ビニルエステル系樹脂(1)100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部程度である。
【0084】
前記開始剤は、有機金属化合物などの重合促進剤と併用してもよい。開始剤と重合促進剤とを組み合わせて用いることにより、硬化条件を制御でき、例えば、室温で硬化することもできる。
【0085】
前記有機金属化合物としては、例えば、バナジウム系、マンガン系、又はコバルト系の金属石鹸類、例えば、オクテン酸金属塩(例えば、オクテン酸コバルトなど)、ナフテン酸金属塩[C2s−2で表される単環式ナフテン酸、C2s−4で表される二環式ナフテン酸、C2s−6で表される三環式ナフテン酸(式中、sは3以上の整数を示す)などのナフテン酸と多価金属(コバルトなど)との塩など]などが挙げられる。これらの有機金属化合物は、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記有機金属化合物のうち、オクテン酸コバルト、ナフテン酸コバルトなどのコバルト塩が好ましく、混合物として用いる場合、主成分としてこれらのコバルト塩を含むのが好ましい。
【0086】
有機金属化合物の割合は、樹脂の組成、重合時間、重合温度などの諸条件に応じて広い範囲から選択でき、例えば、ビニルエステル系樹脂(1)100重量部に対して、0.001〜20重量部、好ましくは0.01〜10重量部、さらに好ましくは0.05〜5重量部程度である。
【0087】
前記共重合性モノマーとしては、例えば、芳香族ビニル単量体(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのスチレン又はその置換体、ジビニルベンゼンなど)、ビニル系単量体(例えば、酢酸ビニルなど)、不飽和多価カルボン酸又はその酸無水物(例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸又はその酸無水物等)、イミド系単量体[例えば、マレイミド、N−アルキルマレイミド(例えば、N−C1−4アルキルマレイミド等)など]、アリルエステル類(ジアリルフタレート、トリアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、アリルフマレートなど)、(メタ)アクリル系単量体などが例示できる。
【0088】
前記共重合性モノマーのうち、低ホルモン活性の観点から、非スチレン系のビニルモノマー、特に、(メタ)アクリル系単量体又はオリゴマーが好ましい。
【0089】
前記(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸エステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステルなどの単官能の(メタ)アクリル系単量体の他、多官能の(メタ)アクリル系単量体又はオリゴマー、すなわち、複数の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー又はオリゴマーが挙げられる。共重合性の点からは、特に、多官能の(メタ)アクリル系単量体又はオリゴマーが好ましい。
【0090】
このような多官能の(メタ)アクリル系単量体又はオリゴマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート(C2−8アルカンジオールジ(メタ)アクリレートなど);ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[ポリ(オキシC2−6アルキレン)グリコールジ(メタ)アクリレートなど]、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノジエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0091】
特に、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸系単量体((メタ)アクリル酸エステルなど)で共重合性モノマーを構成すると樹脂組成物における密着性を向上できる。
【0092】
このような脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、前記式(6)で表される(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸エステル)が使用できる。
【0093】
前記式(6)において、Rは水素原子又はメチル基であり、好ましくはメチル基である。Rはアルキレン基であり、好ましくはエチレン、プロピレンなどのC2−4アルキレン基である。オキシアルキレン基の付加モル数qは0又は1モル以上であり、好ましくは1〜10モル、さらに好ましくは1〜5モル(特に1〜3モル)程度である。Zで表される脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−20シクロアルキル基や、ノルボルニル、ボルニル、イソボルニル、ジシクロペンテニル、ジシクロペンチル、トリシクロデカニル、アダマンチルなどの橋架環式脂肪族炭化水素基など挙げられる。これらの脂環式炭化水素基のうち、ジシクロペンテニルなどの橋架環式脂肪族炭化水素基が特に好ましい。
【0094】
脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、下記式(6a)で表される化合物が好ましい。
【0095】
【化21】
Figure 2004002636
【0096】
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、rは1〜3の整数を示す)。
【0097】
このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルポリオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルポリオキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0098】
前記共重合性モノマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。例えば、前記脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル系単量体(例えば、前記式(6a)で表される(メタ)アクリル基単量体など)と、前記多官能(メタ)アクリル系単量体又はオリゴマー(例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど)とを、前者/後者(重量比)=100/0〜10/90、好ましくは95/5〜30/70、さらに好ましくは90/10〜50/50程度の割合で組み合わせてもよい。
【0099】
共重合性モノマーの割合は、ビニルエステル系樹脂(1)100重量部に対して、0〜300重量部(例えば、10〜300重量部)、好ましくは50〜200重量部、さらに好ましくは50〜100重量部程度である。
【0100】
樹脂組成物は、種々の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、難燃剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、無機充填剤、染顔料などの着色剤、分散剤、可塑剤、充填剤や補強剤など含有してもよい。また、他の樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など)と組合せてもよい。
【0101】
本発明のビニルエステル系樹脂及び樹脂組成物は、フルオレン骨格が導入されているため、ホルモン活性が低減されつつも、耐熱性及び機械的強度のバランスに優れた硬化樹脂を得るのに適している。従って、前記ビニルエステル系樹脂及び樹脂組成物は、ガス供給管、給排水管などの配管ライニング樹脂用途などの他、外気に晒される用途(例えば、塗料やコーティング剤などによる被膜形成剤又はフィルム、ハウジングやケーシングなど)、水と接触する用途(例えば、船底コーティング剤、繊維強化プラスチックで形成された浴槽、船体、ボートなど)、食品又は飲用剤と接触する可能性のある用途(例えば、食品包装用フィルム、飲用缶の内面コーティング剤など)、ヒトを含め動物と接触する可能性のある用途(例えば、ハウジング、ケーシング、キーボードなど)などに好適に適用できる。
【0102】
【発明の効果】
本発明のビニルエステル系樹脂及び樹脂組成物は、フルオレン骨格を有するため、環境ホルモン性を低減できる。また、前記ビニルエステル系樹脂及び樹脂組成物は、耐熱性及び機械的強度のバランスに優れる硬化樹脂を得るのに有用である。
【0103】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0104】
実施例1
撹拌器、温度計、冷却コンデンサー、滴下ロート、及び不活性ガス導入管を備えた4つ口フラスコ(2L)に、窒素ガスを導入しながら、イソフタル酸1mol及びプロピレングリコール2molを添加し、210℃で3時間脱水反応を行った。ソリッド(固形分)酸価が15mgKOH/g以下となるまで反応した後、150℃まで冷却して無水マレイン酸1molを添加し、反応を継続した。ソリッド酸価が100〜150mgKOH/gとなったところで110℃に冷却し、9,9−ビス(4−グリシジルオキシエトキシフェニル)フルオレン(BPEFG)2molを添加し、ソリッド酸価が3mgKOH/g以下となるまで反応させた後、メタクリル酸2mol、反応混合物に対してトリエチルアンモニウムヨーダイド0.1重量%、及び重合禁止剤としてのハイドロキノンモノメチルエーテル500ppmを加えて、さらに3時間反応させた。その後、ジエチレングリコールジメタクリレートをソリッドに対し40重量%添加し、目的とするビニルエステル樹脂を得た。
【0105】
さらに25℃で6重量%オクテン酸コバルトをソリッドに対し0.5重量%添加して充分に撹拌し、硬化剤(化薬アクゾ(株)製,328E)をソリッドに対し1.0重量%添加し、さらに約1分間撹拌して、硬化物を得た。
【0106】
実施例2
エチレングリコールジメタクリレートに代えて、ジシクロペンテニルオキシエチレンメタクリレートを用いる以外は、実施例1と同様に操作を行い、対応するビニルエステル樹脂及び硬化物を得た。
【0107】
比較例1
BPEFGに代えて、ビスフェノールAのグリシジルエーテルを用いる以外は実施例1と同様に操作を行い、対応するビニルエステル樹脂及び硬化物を得た。
【0108】
(A)機械的強度
実施例1,2及び比較例で得られた硬化物を用いて、引張強さ及び伸び率を評価した。結果を表1に示す。
【0109】
【表1】
Figure 2004002636
【0110】
(B)ホルモン活性
実施例及び比較例で得られたビニルエステル樹脂を用いて、下記の試験法により、ホルモン活性を評価したところ、実施例では、比較例に比べて著しく低下したホルモン活性が得られた。
【0111】
[エストロゲン受容体に対する結合試験(バインディングアッセイ)]
この方法は、標識したエストロゲンであるエストラジオールのエストロゲン受容体に対する結合が、ビスフェノール類により拮抗的に阻害される程度を調べる方法である。この方法では、予め放射性同位体で標識した天然の結合物質(リガンド)である女性ホルモン物質(エストラジオール)と、ラットなどの子宮組織から調製した受容体(脂質蛋白)とを混合し、受容体とホルモンとの結合力を測定した後、所定濃度のビスフェノール類を添加し、結合したホルモンの変化量を放射能の減少により測定し、エストロゲン受容体に対する結合阻害活性を評価した。より具体的には、次の通りである。
【0112】
熟成した雌ラットを屠殺して子宮を取り出し、子宮組織部分に付着している脂肪部分を除き、重量を測定した後、氷中に置き、組織を1〜2mm角に細切する。組織の細片を、予め氷中に置いて冷却しておいたポリトロンホモジナイザーに入れ、組織50mg当たり、1.0mlの氷冷したTEDG緩衝液(10mMTris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)・HCl(pH7.6)、1.5mMEDTA(エチレンジアミン四酢酸)、1mMDTT(ジチオスレイトール)、10%グリセロール)を加え、5秒間ホモジナイズする。ホモジネートを予め冷却した遠心チューブに入れ、60分間遠心する。
【0113】
トリチウム標識したエストラジオール(以下、単に[H]−E2と称する)のみからなる全結合活性測定溶液([H]−E2の終濃度が各6nM、3nM、1nM、0.6nM、0.3nM、0.1nM、0.06nM、0.03nM、0.01nM)を調製し、各溶液1mlをガラスチューブに加える。また、[H]−E2と非標識エストラジオールとの割合(重量比)が1:100である非特異的結合測定溶液([H]−E2の終濃度が各6nM、3nM、1nM、0.6nM、0.3nM、0.1nM、0.06nM、0.03nM、0.01nM)を調製し、各溶液1mlをガラスチューブに加える。調製した各溶液を減圧乾燥機で乾固した後、氷中に静置する。
【0114】
ホモジネートの上清を各チューブに各1ml加え、おだやかに攪拌した後、キャップをし、4℃にて20時間インキュベートする。各混合溶液を、ガラス濾紙を装着した濾過装置上に注ぎ、吸引濾過し、ガラス濾紙を、さらに氷冷した洗浄緩衝液(50mMTris・HCl(pH7.4))で洗浄する。濾紙を乾燥した後、液体シンチレイションカウンターで放射能を測定する。
【0115】
上記非放射性エストラジオールに変えて測定用環境ホルモン物質を0.5%DMSO(ジメチルスルホキシド)水溶液に溶解し、終濃度が1000μM,100μM、10μMおよび1μMの混合溶液を調製し、上記と同様の操作を行い、放射性ホルモンの拮抗阻害活性を測定する。
【0116】
[転写活性試験(レポータージーンアッセイ)]
この方法では、予め培地で培養した細胞(酵母等も含む)に、遺伝工学的手法を用いて、エストロゲン受容体遺伝子(ER)と検出用遺伝子(ガラクトシダーゼなどの酵素遺伝子)を導入し、エストロゲン様物質(ビスフェノール類)を添加して培養する。そして、ホルモン作用量に比例して受容体遺伝子が発現することを利用して、受容体遺伝子と共に導入された酵素遺伝子の発現量を、酵素活性として測定することにより、ホルモン作用量を推定する。
【0117】
[転写活性試験−2(ツーハイブリッド法)]
この方法では、転写活性試験法(レポータージーンアッセイ、YES法とも呼ばれる)に比べ共役因子を活性測定システムに組み込むことにより、活性発現が安定しており、多くの試験研究機関が本法により、試験化合物の比較を行っている(T Nishihara et al J.Health Science46,282−298(2000))。
【0118】
具体的には、β−ガラクトシダーゼ遺伝子をレポータージーンとして、ロイシン要求性株であるパン酵母にプロモーターとエストロゲン受容体遺伝子を含むプラスミドとプロモーターとコアクチベーターTFIIを含むプラスミドが共に組み込まれている。具体的な実験方法は以下の通りである。
【0119】
前記酵母を1mlのSD培地(クローンテック社製)に植菌し、一夜30℃で培養する。200μlのSD培地に50μlの培養液を加え、DMSO溶液に溶解した、各試験濃度の試験物質を25μl加える。30℃で4時間培養する。培養液を懸濁し、そのうち150μlを96ウェルマイクロプレートにまき、595nmの吸光度を測定する。
【0120】
残りの100μlを15,000rpm、5分間遠心し、上清を除く。沈澱に1mg/mlのザイモリエースと0.5mMDTT(ジチオスレイトール)を含む酵素反応緩衝液(16.1g/lNaHPO・1HO、5.5g/lNaHPO・1HO、0.75g/lKCl、0.246g/lMgSO・7HO)とを加え、攪拌した後、37℃で15分間静置する。4mg/mlのONPG(o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド)40μlを加え攪拌後、30℃で30分間静置し、1M炭酸ナトリウムを100μl加える。15,000rpmで、5分間遠心し、上清150μlをマイクロプレートに移し、415nmと570nmの吸光度を測定する。
【0121】
[細胞増殖試験(E−スクリーン法)]
この方法は、ヒト乳がん細胞由来の培養細胞が女性ホルモンによる容量に比例して増殖する性質を利用した方法である。ビスフェノール類を添加して一定時間培養し、細胞数を測定し増殖促進活性を他の標品と比較する。
【0122】
具体的には、細胞はヒト乳がん細胞株MCF−7−BOSを細胞増殖用培地で調製し、プレートに播種し、24±3時間培養する。アッセイ用培地でプレートを洗浄後、希釈により濃度を調整した試料を添加する。なお、試料濃度は実際に測定する濃度の100倍以上濃い溶液をジメチルスルホキシドで希釈し、10−10、10−9、10−8、10−7、10−6、10−5倍の濃度に調整した。6日間培養し、上清を除いた後、10%トリクロロ酢酸で細胞を氷上で20〜30分固定する。流水で充分に洗浄し、スルフォードアミンB溶液を用いて室温で20分染色を行う。1%酢酸で洗浄し乾燥させる。10mMTrisで充分に溶出し蛍光測定を行う。
【0123】
[細胞増殖試験(E−スクリーン法)−2]
本方法は、ヒト乳がん細胞株MCF−7−Tufts株を使用し、ビスフェノール類のホルモン性について、その増殖性を指標にホルモン活性を測定する。
【0124】
具体的には、MDF−7細胞を0.08mg/mgカナマイシン、0.05mg/mlガンタマイシン、0.3mg/mlグルタミン、0.224%炭酸水素ナトリウム含有のダンベッコ改変イーグル(DME)培地に5%の牛胎児血清を加えた増殖培地を用い37℃、6.7%二酸化炭素下で培養する。24穴プレートに各穴それぞれにMCF−7細胞を15,000〜20,000個/ml増殖培地で1mlずつ注入する。37℃、24時間、6.7%二酸化炭素下で培養し、細胞を容器に壁着させる。
【0125】
培地を捨て、0.08mg/mlカナマイシン、0.05mg/mlゲンタマイシン、0.11mg/mlピルビン酸ナトリウム、1mg/mlグルコース、12mMへベスを含む、フェノールレッド不含DME培地(プレーンDME培地)で2回、洗浄する。
【0126】
0.3mg/mlグルタミン、0.224%炭酸水素ナトリウム含有のプレーンDME培地にチャコール−デキストラン処理済み5%牛胎児血清を加えた培地(実験用培地)を0.9mlずつ各穴に注入する。各濃度の試験溶液を0.lml添加する。37℃、6日間、6.7容積%二酸化炭素下で培養する。培地を除去後、10%トリクロロ酢酸を加え、4℃、30分間放置する。
【0127】
蒸留水で5回洗浄する。乾燥後、0.4%スルフォロ−ダミン−B(SRB)1%酢酸溶液、0.5mlで10分間染色する。1%酢酸溶液、1mlで2回洗浄する。10mMトリスベースを加える。
【0128】
96穴プレートに0.1ml移し、プレートリーダーで吸光度を測定する。
【0129】
吸光度から、陰性対照(試験溶液無添加)に対する細胞数の増加倍率を算定する。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で表されるビニルエステル系樹脂。
    Figure 2004002636
    [式中、Rは二価の有機基を示し、Rは同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、mは1以上の整数を示す。Fは同一又は異なって、下記式
    Figure 2004002636
    (式中、Rはアルキレン基を示し、R及びRは同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基又はアリール基を示し、nは同一又は異なって0又は1以上の整数を示し、pは0〜3の整数を示す)で表わされる二価基を示す]
  2. 式(1)において、Rが、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸又はこれらの酸無水物、及びポリエステル型ジカルボン酸から選択された少なくとも一種のカルボン酸残基であり、RがC2−6アルキレン基であり、nが0〜5の整数であり、R及びRがC1−4アルキル基であり、pが0〜2の整数である請求項1記載のビニルエステル系樹脂。
  3. 下記式(4)
    Figure 2004002636
    (式中、R、F及びmは前記に同じ)
    で表わされるエポキシエステルと下記式(5)
    Figure 2004002636
    (式中、Rは前記に同じ)
    で表されるビニルカルボン酸とを反応させ、請求項1記載のビニルエステル系樹脂を製造する方法。
  4. 式(4)で表わされるエポキシエステルを、下記式(2)
    HOOC−R−COOH  (2)
    (式中、Rは前記に同じ)
    で表されるジカルボン酸と、下記式(3)
    Figure 2004002636
    (式中、Fは前記に同じ)
    で表されるエポキシ化合物との反応により得る請求項3記載の製造方法。
  5. 式(3)で表されるエポキシ化合物が、下記式で表される化合物である請求項4記載の製造方法。
    Figure 2004002636
    (式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示し、pは0又は1を示す。nは前記に同じ)
  6. 少なくとも請求項1記載のビニルエステル系樹脂と、開始剤とで構成されているビニルエステル系樹脂組成物。
  7. さらに共重合性モノマーを含む請求項6記載の樹脂組成物。
  8. 共重合性モノマーが(メタ)アクリル系単量体である請求項7記載の樹脂組成物。
  9. 共重合性モノマーが、下記式(6)
    Figure 2004002636
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rはアルキレン基を示し、qは0又は1以上の整数を示し、Zは脂環式炭化水素基を示す)
    で表される(メタ)アクリル系単量体で構成されている請求項7記載の樹脂組成物。
  10. 式(6)において、RがC2−4アルキレン基であり、qが1〜3の整数であり、Zが橋架環式脂肪族炭化水素基である請求項9記載の樹脂組成物。
  11. 共重合性モノマーが、下記式(6a)
    Figure 2004002636
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、rは1〜3の整数を示す)
    で表される(メタ)アクリル系単量体で構成されている請求項7記載の樹脂組成物。
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