JP2002316963A - 低ホルモン活性ビスフェノール類 - Google Patents

低ホルモン活性ビスフェノール類

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JP2002316963A
JP2002316963A JP2002038524A JP2002038524A JP2002316963A JP 2002316963 A JP2002316963 A JP 2002316963A JP 2002038524 A JP2002038524 A JP 2002038524A JP 2002038524 A JP2002038524 A JP 2002038524A JP 2002316963 A JP2002316963 A JP 2002316963A
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bisphenol
bis
fluorene
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bisphenols
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JP2002038524A
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Masahiro Yamada
昌宏 山田
Hiroaki Murase
裕明 村瀬
Mitsuaki Yamada
光昭 山田
Yasuhiro Suda
康裕 須田
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホルモン活性が大きく低減し、かつ安全性の
高いビスフェノール類およびその誘導体を提供する。 【解決手段】 ビスフェノール類として、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類又はその誘導
体を用いることにより、ホルモン活性を大きく低減させ
る。このビスフェノール類は、エストロゲン受容体に対
する結合試験において、結合阻害率が濃度100μMで
50%以下、転写活性試験において波長540nmでの
吸光度における転写活性が、ビスフェノールAの少なく
とも1/100以下、又は細胞増殖試験において細胞増殖活
性がビスフェノールAの少なくとも1/20以下である。前
記誘導体には、前記ビスフェノール類又はそのアルキレ
ンオキサイド付加体をジオール成分とする樹脂、例え
ば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂などが含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境ホルモン性が
低減されたビスフェノール類、およびそれを用いること
により環境ホルモン性を低減する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノール類又はその誘導体は、安
定性、耐熱性などに優れるため、種々の分野で使用され
ている。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノール
D,ビスフェノールADなどのビスフェノール類は、グ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂の原料、ビスフェノー
ル型ポリカーボネート樹脂の原料として使用されてい
る。また、ビスフェノール類は、ポリエステル系樹脂
(ポリアリレート系樹脂など)のジオール成分としても
使用されている。さらに、ビスフェノール類は、誘導
体、例えば、エチレンオキサイドなどのC2-4アルキレ
ンオキサイドの付加体として、前記ポリエステル系樹脂
やポリウレタン系樹脂のジオール成分や各種化合物の原
料として利用されている。
【0003】これらの樹脂や化合物は化学的に安定であ
るため、例えば、塗料などのコーティング剤、接着剤、
成形材料などの広い分野で利用されている。このような
塗膜や成形体などからは、残存した低分子量のビスフェ
ノール類や分解により生成したビスフェノール類が溶出
する可能性がある。
【0004】しかし、ビスフェノール類の中にはビスフ
ェノールAなどのように内分泌撹乱物質として作用し、
ホルモン活性が高いことが報告され、特にビスフェノー
ルAは環境団体からの削減要求もなされている(A WWF
European Toxics ProgrammeReport, Bisphenol A’a kn
own endocrine disruptor, WWF-UK April 2000)。その
ため、ビスフェノールAの代替となりうる、環境負荷の
少ない低ホルモン性ビスフェノール類が産業上、強く望
まれている。
【0005】文献[J.Appl.Polym.Sci.,27(9),3289,198
2]、特開平6−145087号公報、特開平8−21
7713号公報には、塩化水素ガスおよびメルカプトプ
ロピオン酸を触媒として用い、フルオレンを空気酸化し
て得られるフルオレノンとフェノールとを縮合させ、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類
を製造することが開示されている。特開平6−4918
6号公報、特開平8−239459号公報及び特開平9
−302077号公報には、9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン類をジオール成分として用い
た芳香族ポリエステル系樹脂が光学特性や耐熱性などに
優れ、光学材料や食品包装材料に適していることが開示
されている。また、特開平11−349657号公報に
は、フルオレン骨格を有するポリウレタン系樹脂が低温
用材料として優れていることが開示されている。しか
し、これらの文献には、ホルモン活性については言及さ
れていない。
【0006】特開2001−19741号公報には、ビ
スクレゾールフルオレン型エポキシ樹脂と、必要により
非フェノール系エポキシ樹脂と、硬化剤とを含む低環境
ホルモン性の熱硬化性樹脂組成物が開示されている。し
かし、このような樹脂組成物を用いても、環境ホルモン
性が変動し、確実にホルモン活性を低いレベルに維持で
きるか否か保証できない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ホルモン活性が大きく低減し、かつ安全性の高いビ
スフェノール類およびその誘導体を提供することにあ
る。
【0008】本発明の他の目的は、環境ホルモン性を低
減させる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、ビスフェノール類の
うち、フルオレン骨格を有し、特異な立体構造を有する
ビスフェノール類のホルモン活性が極めて低く、ホルモ
ン活性を殆ど示さないことを見いだし、本発明を完成し
た。
【0010】すなわち、環境ホルモン性が小さな本発明
のフルオレン骨格を有するビスフェノール類は、下記式
で表される。
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1,R2は、同一又は異なって、
アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基又はアリ
ール基を示し、nは0〜2の整数を示す。R3はアルキ
レン基を示し、mは0又は1以上の整数を示す)。
【0013】前記フルオレン骨格を有するビスフェノー
ル類のホルモン活性は、(i)エストロゲン受容体に対す
る結合試験において、1nMのβ−エストラジオールに
対して、結合阻害率が濃度100μMで50%以下、(i
i)転写活性試験において波長540nmでの吸光度にお
ける転写活性が、ビスフェノールAの1/100以下、又は(i
ii)細胞増殖試験において細胞増殖活性がビスフェノー
ルAの1/20以下であり、ホルモン活性が著しく低減して
いる。本発明のビスフェノール類は、通常、上記特性
(i)〜(iii)のうち複数の特定、特に全ての特性を備えて
いる。
【0014】前記式において、R1,R2は、同一又は異
なって、C1-4アルキル基であってもよく、nは0,1
又は2であってもよい。フルオレン骨格を有するビスフ
ェノール類には、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−C1-2
ルキル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、アルキ
レンオキサイド付加体[例えば、9,9−ビス(4−
(ヒドロキシC2-4アルキルオキシ)フェニル)フルオ
レン又は9,9−ビス(3−C1-2アルキル−4−(ヒ
ドロキシC2-4アルキルオキシ)フェニル)フルオレ
ン]などが含まれる。
【0015】このような低ホルモン活性のビスフェノー
ル類は、特定の精製工程(又は晶析工程)、特に塩酸又
は硫酸を触媒とする反応工程と特定の精製工程とを組み
合わせることにより得ることができ、極めて低いレベル
の環境ホルモン性を確実に維持できる。
【0016】本発明には、前記式で表されるフルオレン
骨格を有するビスフェノール類又はその誘導体を用い、
ホルモン活性を低減する方法も含まれる。前記誘導体と
しては、種々の低分子又は高分子化合物が含まれ、前記
式で表される化合物(ビスフェノール類)をジオール成
分とする(メタ)アクリル酸エステルや樹脂(例えば、
(i)ポリエステル系樹脂、(ii)ポリウレタン系樹脂、(ii
i)ポリカーボネート系樹脂、および(iv)エポキシ樹脂と
(メタ)アクリル酸との付加体などが例示できる。さら
に、樹脂には、エポキシ系樹脂、特に前記式において、
(a)nが0、R3がC2-4アルキレン基及びmが0又は1
以上の整数である請求項1記載の化合物、または(b)n
が1又は2、R3がC2-4アルキレン基及びmが0又は1
以上の整数である請求項1記載の化合物をジオール成分
とするエポキシ系樹脂も含まれる。すなわち、本発明の
方法は、前記式で表される化合物(フルオレン骨格を有
するビスフェノール類)をジオール成分又はその誘導体
若しくは樹脂の構成成分として用いることにより、ホル
モン活性を低減させる方法も包含する。
【0017】
【発明の実施の形態】[ビスフェノール類]前記式で表
されるビスフェノール類について、便宜的に、m=0の
化合物とmが1以上の整数である化合物とに分けて説明
する。
【0018】本発明の低ホルモン活性のビスフェノール
類において、前記式中、R1,R2で表されるアルキル基
としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル
基などのC1-6アルキル基が例示できる。好ましいアル
キル基は、C1-4アルキル基、特にC1-2アルキル基であ
る。
【0019】アルコキシ基としては、例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、
s−ブトキシ、t−ブトキシ基などのC1-6アルコキシ
基(好ましくはC1-4アルコキシ基、特にC1-2アルコキ
シ基)が例示できる。
【0020】シクロアルキル基としては、例えば、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基などのC
4-8シクロアルキル基(好ましくはC5-6シクロアルキル
基)が例示できる。アリール基としては、フェニル、C
1-4アルキルフェニル基(2−メチルフェニル基、3−
メチルフェニル基、4−メチルフェニル基など)、ナフ
チル基などのC6-12アリール基(特にフェニル基)、ベ
ンジル基、フェネチル基などのアラルキル基(C6-12
リール−C1-4アルキル基、特にベンジル基)などが例
示できる。
【0021】好ましい置換基R1,R2は、同一又は異な
って、アルキル基(例えば、C1-2アルキル基、特にメ
チル基)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル
基)又はアリール基(例えば、フェニル基、ベンジル
基)である。
【0022】前記式において、nは0〜2の整数、特に
0又は1である。
【0023】ベンゼン環に対するヒドロキシル基と置換
基R1,R2の置換位置は、特に制限されず、例えば、ヒ
ドロキシル基は、2−位、3−位、4−位のいずれであ
ってもよい。ヒドロキシル基の好ましい置換位置は4−
位である。置換基R1,R2の置換位置は、nによっても
変動するが、例えば、2−位、3−位、4−位、2,3
−位、2,4−位、3,4−位などが例示できる。置換
基R1,R2の好ましい置換位置は、3−位である。
【0024】前記式において、m=0のフルオレン骨格
を有するビスフェノール類としては、例えば、9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン;9,9−
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニ
ル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−
ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ヒド
ロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビ
ス(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)フルオレン
などの9,9−ビス(アルキルヒドロキシフェニル)フ
ルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒド
ロキシ−2,6−ジメチルフェニル)フルオレン、9,
9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフ
ェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジアルキルヒ
ドロキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンな
どの9,9−ビス(シクロアルキルヒドロキシフェニ
ル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−
フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ア
リールヒドロキシフェニル)フルオレンなどが挙げられ
る。
【0025】これらのフルオレン骨格を有するビスフェ
ノール類のうち、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)
フルオレン、9,9−ビス(C1-4アルキルヒドロキシ
フェニル)フルオレン類、9,9−ビス(アリールヒド
ロキシフェニル)フルオレン類が好ましい。特に9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9
−ビス(4−ヒドロキシ−3−C1-2アルキルフェニ
ル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−メチルフェニル)フルオレン]が好ましい。
【0026】これらのフルオレン骨格を有するビスフェ
ノール類の純度は特に限定されないが、通常、95重量
%以上、好ましくは99重量%以上である。
【0027】なお、前記式において、m=0の化合物
(前記フルオレン骨格を有するビスフェノール類)は、
前記文献[J. Appl. Polym. Sci., 27(9), 3289, 198
2]、特開平6−145087号公報、特開平8−21
7713号公報に記載されている方法に準じて、塩化水
素ガスおよびメルカプトプロピオン酸を触媒として用
い、フルオレノンとフェノール類とを縮合させることに
より製造できる。また、前記塩化水素ガスに代えて、塩
酸水を用いると、高純度のビスフェノール類を単純な操
作で得ることができる。
【0028】特に、フルオレノンとフェノール類(フェ
ノール、C1-4アルキルフェノールなど)とを、触媒
[例えば、チオール類および塩酸(特に硫酸)で構成さ
れた触媒系]の存在下で縮合反応させ、特定の晶析溶媒
を用いて、反応混合物からビスフェノールフルオレン類
を晶析させると、環境ホルモン性を極めて低いレベルに
確実に低減できる。なお、触媒として硫酸を用いると、
不純物の生成を抑制しながら、ビスフェノールフルオレ
ン類を生成できる。以下に、硫酸を触媒とする方法にお
いて、環境ホルモン性を確実に低減できるビスフェノー
ルフルオレン類の製造方法について簡単に述べる。
【0029】フルオレノンとフェノール類との反応にお
いて、フェノール類の割合は、フルオレノン1モルに対
して、通常、過剰量、例えば、2〜30モル、好ましく
は3〜20モル、さらに好ましくは4〜10モル程度で
ある。硫酸(H2SO4換算)の使用量は、通常、フルオ
レノン1重量部に対して、0.001〜0.5重量部
(例えば、0.005〜0.5重量部)、好ましくは
0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.05〜
0.5重量部(例えば、0.1〜0.3重量部)程度で
ある。
【0030】チオール類としては、例えば、メルカプト
カルボン酸(チオ酢酸、β−メルカプトプロピオン酸、
α−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオ
シュウ酸、メルカプトコハク酸、メルカプト安息香酸な
ど)、アルキルメルカプタン(メチルメルカプタン、エ
チルメルカプタン、プロピルメルカプタン、イソプロピ
ルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、ドデシルメ
ルカプタンなどのC1- 16アルキルメルカプタン(特にC
1-4アルキルメルカプタン)など)、アラルキルメルカ
プタン(ベンジルメルカプタンなど)又はこれらの塩
(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩)などが挙げられ
る。これらのチオール類の中でも、メルカプトC2-6
ルボン酸(例えば、β−メルカプトプロピオン酸)が好
ましい。
【0031】フルオレノンに対するチオール類の使用量
は、例えば、フルオレノン1重量部に対して、チオール
類0.001〜0.1重量部、好ましくは0.003〜
0.03重量部、さらに好ましくは0.005〜0.0
15重量部程度である。
【0032】チオール類に対する硫酸の使用量は、例え
ば、チオール類1モルに対して硫酸1〜100モル(好
ましくは10〜80モル、さらに好ましくは20〜60
モル)程度であってもよく、通常、5〜80モル(特に
25〜75モル)程度である。
【0033】反応は、フルオレノンとフェノール類と
を、チオール類及び前記硫酸の存在下、不活性ガス(窒
素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなど)の雰囲気中
で行うことができる。反応温度は、通常、10〜100
℃(例えば、10〜80℃)程度、好ましくは20〜7
0℃(例えば、20〜50℃)程度である。
【0034】反応は、トルエン、キシレンなどの溶媒の
存在下で行ってもよいが、通常、溶媒の非存在下で行う
ことができる。また、過剰量のフェノール類を溶媒とし
て用いてもよい。
【0035】反応混合物から得られたビスフェノールフ
ルオレン類は、通常、着色しているが、晶析溶媒を用い
ることにより、反応混合物から着色のない高純度の目的
化合物を得ることができる。晶析溶媒は、晶析効率を高
めるため、通常、残存する硫酸及びチオール類を除去し
た後(また、必要であれば、蒸留などによりフェノール
類を除去した後)、残渣に対して晶析溶媒を添加し混合
溶解する場合が多い。残存する硫酸は、慣用の方法、例
えば、中和処理により除去できる。中和剤としては、種
々の塩基、例えば、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、水酸
化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、炭酸カ
ルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩など)、有機塩
基が例示できる。塩基としては、通常、アルカリ金属水
酸化物が使用される。塩基の使用量は、通常、中性域p
H、例えば、pH6〜8程度となる量である。
【0036】中和処理は反応終了後の反応混合物に対し
てアルカリ水溶液を添加することにより行ってもよく、
反応混合物に有機溶媒(例えば、ビスフェノールフルオ
レン類を可溶な溶媒、特に、トルエンなどの下記炭化水
素類)、アルカリ水溶液を添加して中和処理してもよ
い。特に、生成したビスフェノールフルオレン類を有効
に回収するため、反応混合液に抽剤を添加し、混合液を
中和処理するのが有利である。抽剤としては、ビスフェ
ノールフルオレン類を可溶な有機溶剤(例えば、ヘキサ
ンなどの脂肪族炭化水素類、トルエンなどの芳香族炭化
水素類、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類、ハロ
ゲン化炭化水素類など)とビスフェノールフルオレン類
に対する貧溶媒(例えば、水)との混合溶媒が使用でき
る。このような抽剤を利用すると、ビスフェノールフル
オレン類を有機層に分配又は移行させ、残存する硫酸を
水相に分配又は移行させることができ、有効かつ効率よ
く残存硫酸を除去できる。特に、残存硫酸を中和処理に
より硫酸塩として水相に効率よく移行させることができ
る。また、チオール類もその溶解性に応じて、水相又は
有機層(特に水相)に分配できる。なお、有機層には未
反応のフェノール類が分配していてもよい。
【0037】通常、反応混合物をアルカリ水溶液で中和
して水相を除去し、有機層を濃縮し、残渣に対して、晶
析溶媒を添加することにより、ビスフェノールフルオレ
ン類を晶析させる。すなわち、中和処理した後、必要に
より有機層を水で洗浄し、水層を除去した後、有機溶媒
を蒸留などにより除去して有機層を濃縮し、残渣に対し
て晶析溶媒を添加する。晶析溶媒は、炭化水素類と極性
溶媒とで構成されており、極性溶媒は、通常、ビスフェ
ノールフルオレン類に対して水素結合能力を有する溶媒
(特に、ビスフェノールフルオレン類との包接結晶を生
成する溶媒)が使用される。
【0038】炭化水素類としては、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水
素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
などの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエ
タン、トリクロロエチレン、ジクロロベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素類などが含まれる。これらの炭化水素
類は単独で又は二種以上混合して使用できる。好ましい
炭化水素類はビスフェノールフルオレン類を可溶な溶
媒、特に芳香族炭化水素類(トルエンなど)である。
【0039】極性溶媒としては、例えば、水、アルコー
ル類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、
ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケト
ン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、
シクロヘキサノンなど)、ニトリル類(アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなど)、セロソ
ルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチル
セロソルブなど)、アミド類(ホルムアミド、アセトア
ミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドな
ど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド)、スル
ホランなどが例示できる。これらの極性溶媒は単独で又
は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい極性溶媒
は、水、アルコール類(例えば、C1- 4アルコール)、
ケトン類(ジC1-4アルキルケトン)、ニトリル類(ア
セトニトリルなど)である。
【0040】炭化水素類と極性溶媒との組合せは、適切
に選択でき、包接結晶を形成する溶媒系、例えば、芳香
族炭化水素(トルエンなど)とアルコール類(C1-3
ルコールなど)との組合せ、芳香族炭化水素類(トルエ
ンなど)とケトン類(アセトンなどのメチルC1-4アル
キルケトンなど)との組合せ、芳香族炭化水素類(トル
エンなど)とニトリル類(アセトニトリル、ベンゾニト
リルなど)との組合せなどが例示できる。特に芳香族炭
化水素類(特にトルエン)とケトン類(特にアセトン)
とで構成された晶析溶媒は、ビスフェノールフルオレン
類に対して最も選択的に包接結晶を形成し、着色原因物
質(不純物、着色成分)の除去に最も効果的であるとと
もに経済性に最も優れている。
【0041】炭化水素類と極性溶媒との割合は、例え
ば、炭化水素類(芳香族炭化水素類など)1重量部に対
して極性溶媒(ケトン類など)0.5〜10重量部(例
えば、1〜10重量部)、好ましくは2〜8重量部(例
えば、2〜6重量部)、特に3〜5重量部程度である。
【0042】なお、晶析溶媒の使用量は、適当に選択で
き、例えば、反応混合物(固形分換算)又は残渣1重量
部に対して、0.5〜50重量部、好ましくは1〜10
重量部、さらに好ましくは1〜5重量部(例えば、2〜
5重量部)程度である。また、晶析溶媒において、極性
溶媒の使用量は、ビスフェノールフルオレン類1重量部
に対して1〜20重量部、さらに好ましくは1.5〜1
0重量部(例えば、1.5〜5重量部)、特に1.5〜
4重量部(例えば、1.5〜3重量部)程度である。炭
化水素類(芳香族炭化水素類など)の使用量は、通常、
ビスフェノールフルオレン類1重量部に対して0.1〜
10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、さらに好ま
しくは0.3〜2重量部(例えば、0.3〜1重量
部)、特に0.5〜0.7重量部程度である。
【0043】このような晶析溶媒を用いる精製方法で
は、極性溶媒とビスフェノールフルオレン類とが強固な
包接結晶を形成するとともに、不純物や着色原因物質は
炭化水素類に溶解するので、通常の晶析方法に比べて、
選択性が高く、ホルモン活性が確実かつ顕著に低減した
ビスフェノールフルオレン類を効率よく回収できる。
【0044】晶析操作は、慣用の方法、例えば、前記反
応生成物又は有機層の残渣を晶析溶媒に溶解し、混合液
を冷却することにより行うことができる。通常、反応生
成物又は有機層の残渣と晶析溶媒との混合液を、溶媒の
沸点以下の温度で加温して溶解し、生成した溶液を、適
当な温度(例えば、−10℃〜30℃、特に0〜30℃
程度)に冷却することにより結晶を析出させることがで
きる。析出した結晶は濾過などにより回収され、必要に
より洗浄し、乾燥することにより高純度で透明性の高い
目的化合物ビスフェノールフルオレン類を得ることがで
きる。なお、晶析操作は繰り返してもよいが、本発明で
は、1回の晶析操作により殆ど着色せず透明性の高いビ
スフェノールフルオレン類を高純度の結晶として得るこ
とができる。
【0045】得られたビスフェノールフルオレン類の着
色度は、ハンター(Hunter)表色系におけるb値2.5
以下、好ましくは2以下、さらに好ましくは1.5以下
である。なお、b値は、可視紫外吸収装置(波長380
〜780nm)を用いて測定した透過率により算出でき
る。
【0046】このようなフルオレン骨格を有するビスフ
ェノール類は、in vivo及びin vitroのいずれにおいて
も、極めて低いホルモン活性を有している。例えば、
(i)エストロゲン受容体に対する結合試験(バインディ
ングアッセイ)において、エストロゲン受容体に対する
ビスフェノール類の結合阻害率は1nMのβ−エストラ
ジオールに対して、結合阻害率が濃度100μMで50
%以下、好ましくは45%以下、さらに好ましくは40
%以下、特に30%以下である。
【0047】なお、濃度1000μMにおける前記結合
阻害率は、例えば、50%以下、好ましくは40%以
下、さらに好ましくは30%以下、特に20%以下であ
る。
【0048】(ii)転写活性試験(レポータージーンアッ
セイ)において、波長540nmでの吸光度変化は、フルオ
レン骨格を有するビスフェノール類の転写活性、すなわ
ちホルモン活性は少なくともビスフェノールAの1/100以
下、好ましくは1/200以下、特に1/500以下である。
【0049】(iii)細胞増殖試験(E-スクリーン法)に
おいて、増殖後の細胞数を酸素活性である乳酸デヒドロ
ゲナーゼ活性は、フルオレン骨格を有するビスフェノー
ル類の細胞増殖活性、すなわちホルモン活性がビスフェ
ノールAの1/20以下、好ましくは1/40以下、特に1/100以
下である。
【0050】前記式において、m=0の化合物に比べ
て、mが1以上の整数である化合物(アルキレンオキサ
イド付加体)は、環境ホルモン活性を殆ど示さず、環境
ホルモン性を測定しても検出限界以下である。
【0051】R3で表されるアルキレン基としては、エ
チレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基
などのC2-4アルキレン基が例示できる。mが2以上の
整数であるとき、R3で表されるアルキレン基は、mに
よって異なっていてもよい。mは0又は1以上の整数で
あり、通常、0又は1〜100(好ましくは1〜50、
さらに好ましくは1〜12、特に1〜5)程度である。
【0052】mが1以上の整数である化合物(アルキレ
ンオキサイド付加体)としては、例えば、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドな
どのC2-4アルキレンオキサイドがビスフェノール類の
各ヒドロキシル基に対して1〜100モル(好ましくは
1〜50モル、さらに好ましくは1〜10モル、特に1
〜5モル)程度の割合で付加した付加体が例示できる。
ビスフェノール類に対しては、同一又は異なる複数のア
ルキレンオキサイドを付加させることができる。
【0053】アルキレンオキサイド付加体としては、
9,9−ビス(4−(ヒドロキシC2- 4アルキルオキ
シ)フェニル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシC2-4アルコキシ)フェニル]
フルオレン、9,9−ビス[3−(2−ヒドロキシC
2-4アルコキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス
[2−(2−ヒドロキシC2-4アルコキシ)フェニル]
フルオレン;9,9−ビス(3−C1-2アルキル−4−
(ヒドロキシC2-4アルキルオキシ)フェニル)フルオ
レン、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシC2-4
ルコキシ−3−C1-4アルキルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシC2-4アルコキシ−3,
5−ジC1-4アルキルフェニル)フルオレン;9,9−
ビス[4−(ヒドロキシC2-4アルコキシ)−3−アリ
ールフェニル]フルオレン類、例えば、9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−アリールフェ
ニル]フルオレン;9,9−ビス[4−(ヒドロキシC
2-4アルコキシ)−3−アラルキルフェニル]フルオレ
ン類、例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)−3−アラルキルフェニル]フルオレン;9,
9−ビス(4−(ヒドロキシポリ(C2-4アルキルオキ
シ))フェニル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシジC2-4アルコキシ)フェニ
ル]フルオレン;9,9−ビス(3−C1-2アルキル−
4−(ヒドロキシポリ(C2-4アルキルオキシ))フェ
ニル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス(3−C
1-2アルキル−4−(ヒドロキシジC2-4アルコキシ)フ
ェニル)フルオレンなどが例示できる。
【0054】代表的なアルキレンオキサイド付加体は、
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシ
プロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4
−(2−ヒドロキシジエトキシ)フェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシジプロポキ
シ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−
ヒドロキシポリエトキシ)フェニル)フルオレンなどの
2-3アルキレンオキサイド付加体;9,9−ビス(3
−メチル−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)
フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−(2−ヒ
ドロキシプロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9−
ビス(3−メチル−4−(2−ヒドロキシジエトキシ)
フェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4
−(2−ヒドロキシジプロポキシ)フェニル)フルオレ
ンなどのクレゾール型フルオレンに対するC2-3アルキ
レンオキサイド付加体などが例示できる。
【0055】前記フルオレン骨格を有するビスフェノー
ル類はホルモン活性が著しく小さい。そのため、本発明
では、前記式で表される化合物(ビスフェノール類)又
はその誘導体を用いることにより、ホルモン活性を低減
させる。前記誘導体としては、例えば、前記ビスフェノ
ール類をジオール成分とする(メタ)アクリル酸エステ
ル、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート、(ポリ)
エステル(メタ)アクリレート、ビニルエーテル、前記
ビスフェノール類を樹脂成分(ジオール成分など)とす
る樹脂などが含まれる。換言すれば、本発明では、前記
ビスフェノール類を単一成分として用いるだけでなく、
前記ビスフェノール類をジオール成分又はその誘導体や
樹脂の構成成分(ジオール成分など)として用いること
により、ホルモン活性を低減させる。なお、ジオール成
分の前駆体、樹脂の構成成分として用いる場合、前記ビ
スフェノール類の含有量は、前駆体や樹脂の種類に応じ
て、例えば、20〜95重量%、好ましくは25〜85
重量%、さらに好ましくは30〜75重量%程度の範囲
から選択できる。
【0056】誘導体としての(メタ)アクリル酸エステ
ル(モノマー)には、前記ビスフェノール類(アルキレ
ンオキサイド付加体を含む)と(メタ)アクリル酸又は
その酸ハライドとの反応により得られるエステル(モノ
又はジ(メタ)アクリレート)、例えば、9,9−ビス
((メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン
類、例えば、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイル
オキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(3−C
1-2アルキル−4−(メタ)アクリロイルオキシフェニ
ル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス(3−メチル
−4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレ
ン;9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシC2-4
アルコキシ)フェニル)フルオレン類、例えば、9,9
−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキ
シ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−
(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)フ
ルオレン;9,9−ビス(3−C1-2アルキル−4−
((メタ)アクリロイルオキシC2 -4アルコキシ)フェ
ニル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス(3−メチ
ル−4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)
フェニル)フルオレン;9,9−ビス((メタ)アクリ
ロイルオキシポリ(C2-4アルコキシ))フェニル)フ
ルオレン類、例えば、9,9−ビス(4−(2−(メ
タ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)フルオ
レン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイル
オキシトリエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−
ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシジプロポ
キシ)フェニル)フルオレン;9,9−ビス(3−C
1-2アルキル−4−((メタ)アクリロイルオキシポリ
(C2-4アルコキシ))フェニル)フルオレン類、例え
ば、9,9−ビス(3−メチル−4−(2−(メタ)ア
クリロイルオキシジエトキシ)フェニル)フルオレン、
9,9−ビス(3−メチル−4−(2−(メタ)アクリ
ロイルオキシトリエトキシ)フェニル)フルオレンなど
が例示できる。
【0057】(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレートと
しては、末端イソシアネート基を有するウレタン(メ
タ)アクリレート(例えば、後述するジイソシアネート
化合物とヒドロキシC2-6アルキル(メタ)アクリレー
トとの反応により得られる遊離のイソシアネート基を有
する化合物)と前記ビスフェノール類(アルキレンオキ
サイド付加体を含む)とのウレタン化反応により生成す
る生成物などが例示できる。
【0058】(ポリ)エステル(メタ)アクリレートと
しては、前記ビスフェノール類をジオール成分とし、か
つカルボキシル基及び/又はヒドロキシル基などの反応
性基を有するオリゴエステルと、このオリゴエステルの
反応性基とヒドロキシC2-6アルキル(メタ)アクリレ
ート及び/又は(メタ)アクリル酸とのエステル化反応
生成物などが例示できる。
【0059】ビニルエーテルとしては、前記ビスフェノ
ール類(アルキレンオキサイド付加体を含む)とアセチ
レンとの反応により得られるエーテル(モノ又はジビニ
ルエーテル)、例えば、9,9−ビス(ビニルオキシフ
ェニル)フルオレン類、例えば、9,9−ビス(4−ビ
ニルオキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(3−
1-2アルキル−4−ビニルオキシフェニル)フルオレ
ン類、例えば、9,9−ビス(3−メチル−4−ビニル
オキシフェニル)フルオレンなどが例示できる。
【0060】ジオール成分の誘導体としては、アルキル
エステル(酢酸エステルなど)、前記式で表される化合
物をジオール成分として用いたポリエステルポリオー
ル、前記式で表される化合物をジオール成分として用い
たポリエーテルポリオールやポリエーテルエステルポリ
オール、前記式で表される化合物をジオール成分として
用いたポリカーボネートポリオールなどが例示できる。
【0061】前記フルオレン骨格を有するビスフェノー
ル類を構成単位として含む樹脂としては、例えば、ポリ
エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、エポキシ系樹脂などが例示できる。これらの
樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0062】ポリエステル系樹脂(飽和ポリエステル系
樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂)は、少なくとも前記
ビスフェノール類(アルキレンオキサイド付加体を含
む)で構成されたジオール成分とジカルボン酸成分とで
形成される樹脂であればよく、ジオール成分はビスフェ
ノール類と第2のジオールとを組み合わせて構成しても
よい。
【0063】第2のジオールとしては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、ヘキサンジオール、オクタンジオールなどのC2-10
アルキレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコー
ルなどのポリオキシC2-4アルキレングリコール、シク
ロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなど
のC5-8シクロアルキレンジオールなどが例示できる。
これらのジオールは単独で又は二種以上組み合わせて使
用できる。これらのジオールのうち、C2-6アルキレン
グリコール(例えば、エチレングリコールなどのC2-4
アルキレングリコール)が好ましい。
【0064】ビスフェノール類(アルキレンオキサイド
付加体を含む)と、第2のジオールとの割合は、例え
ば、前者/後者=10/90〜100/0(モル比)、
好ましくは25/75〜100/0(モル比)、さらに
好ましくは50/50〜100/0(モル比)程度であ
る。また、ジオール成分において前記式で表されるビス
フェノール類の単位の含有量は、例えば、50〜100
重量%、好ましくは70〜100重量%、さらに好まし
くは80〜100重量%程度である。
【0065】ジカルボン酸成分としては、マロン酸、グ
ルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカン二酸などのC3-12脂肪族ジカルボ
ン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボ
ン酸、ノルボルナンジカルボン酸、ノルボルネンジカル
ボン酸、アダマンタンジカルボン酸、トリシクロデセン
二カルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;フタル酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン
酸、2,2′−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸などが例示できる。ジカルボン酸成分は、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸などの不飽和ジカ
ルボン酸であってもよい。ジカルボン酸成分は、単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのジカル
ボン酸成分のうち、脂肪族ジカルボン酸(特にアジピン
酸、無水マレイン酸など)、芳香族ジカルボン酸(特に
テレフタル酸)、脂環族ジカルボン酸(特にシクロヘキ
サンジカルボン酸)が好ましい。
【0066】前記ジオール成分と前記ジカルボン酸成分
との割合は、適当に選択でき、例えば、ジオール成分/
ジカルボン酸成分=0.7〜1.5/1(モル比)、
0.8〜1.2/1(モル比)、0.9〜1.1/1
(モル比)程度の範囲から選択できる。なお、反応にお
いて、第2のジオールを用いる場合、第2のジオールは
理論量よりも過剰の割合で使用してもよい。
【0067】ポリエステル系樹脂は、少なくともビスフ
ェノール類(アルキレン付加体を含む)をジオール成分
とし、少なくとも飽和脂肪族ジカルボン酸をジカルボン
酸成分とする芳香族飽和ポリエステル系樹脂、少なくと
もビスフェノール類(アルキレン付加体を含む)をジオ
ール成分とし、少なくとも不飽和脂肪族ジカルボン酸
(例えば、無水マレイン酸、フマル酸など)をジカルボ
ン酸成分とする芳香族不飽和ポリエステル系樹脂、少な
くともビスフェノール類(アルキレン付加体を含む)を
ジオール成分とし、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレ
フタル酸など)をジカルボン酸成分とする全芳香族ポリ
エステル系樹脂(アリレート系樹脂など)などであって
もよい。
【0068】飽和ポリエステル系樹脂の重量平均分子量
は、例えば、0.5×104〜3×105、好ましくは1
×104〜2×105、さらに好ましくは3×104〜1
×105程度である。また、不飽和ポリエステル系樹脂
の重量平均分子量は、例えば、500〜10000,好
ましくは1000〜7000程度である。
【0069】前記ポリエステル系樹脂は、慣用の方法、
例えば、前記ジオール成分とジカルボン酸成分との直接
重合法や、前記ジオール成分と前記ジカルボン酸のアル
キルエステル(メチルエステルなどのC1-4アルキルエ
ステル)とのエステル交換法などの溶融重合法により製
造できる。なお、不飽和ポリエステル系樹脂は、反応性
稀釈剤(スチレン系単量体、(メタ)アクリル系単量体
など)で稀釈し、重合開始剤(有機過酸化物など)及び
必要により重合促進剤を用いて重合することができる。
【0070】ポリウレタン系樹脂は、少なくとも前記ビ
スフェノール類で構成されたジオール成分とジイソシア
ネート成分との反応により得ることができる。ジオール
成分は、前記ポリエステル系樹脂と同じく、少なくとも
前記ビスフェノール類(アルキレンオキサイド付加体を
含む)で構成すればよく、ビスフェノール類と前記第2
のジオールとを前記と同様の割合で組み合わせて構成し
てもよい。なお、ポリウレタン系樹脂では、第2のジオ
ールとして、ポリエステルジオール(例えば、アジピン
酸などをジカルボン酸成分とする脂肪族ポリエステルジ
オール)、ポリエーテルジオール(ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキサ
イド−ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポ
リテトラメチレンエーテルグリコールなど)、ポリカー
ボネートジオールなどを利用してもよい。
【0071】ジイソシアネート成分としては、脂肪族ジ
イソシアネート[例えば、トリメチレンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシ
アネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチ
レンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネートなど]、脂環族ジイソシアネート[例え
ば、シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサン
ジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,
5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イ
ソホロンジイソシアネート;IPDI)、ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチルシ
クロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアネート
メチル)シクロヘキサン(水添XDI)など]、芳香族
ジイソシアネート[例えば、フェニレンジイソシアネー
トジフェニルジイソシアネート、ナフタレンジイソシア
ネート(NDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ト
ルイジンジイソシアネート(TODI)、ジフェニルエ
ーテルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート
(TMXDI)など]が例示できる。これらのジイソシ
アネート成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用
できる。これらのジイソシアネート成分のうち、脂肪族
ジイソシアネートとしては、HDIなどが繁用され、脂
環族ジイソシアネートとしては、IPDI、水添MD
I、水添XDIなどが繁用され、芳香族ジイソシアネー
トとしては、TDI、MDI、TODIなどが繁用され
る。
【0072】前記ポリウレタン系樹脂は、前記ジオール
成分とジイソシアネート成分に加えて、鎖伸長剤や硬化
剤を用いて調製してもよい。鎖伸長剤としては、前記C
2-6アルキレングリコール、ジ乃至テトラC2-4オキシア
ルキレングリコール、ジアミン類(エチレンジアミン、
プロピレンジアミンなどのアルキレンジアミンなど)な
どが利用できる。硬化剤としては、1分子中に3以上の
活性水素原子を有する化合物、例えば、ポリオール類
(グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロー
ルエタン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン
などのトリオール類、ジグリセリン、ペンタエリスリト
ールなどのテトラオール類、ソルビトールなどのポリオ
ール類)、ポリアミン類(ジエチレントリアミン、ビス
ヘキサメチレントリアミン、トリメチルアミノヘキサン
などのトリアミン類、トリエチレンテトラミン、ヘキサ
メチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの
脂肪族、脂環族又は芳香族ポリアミン類等)、これらの
ポリオール類やポリアミン類にC2-4アルキレンオキシ
ドが付加した付加体などが例示できる。
【0073】ポリウレタン系樹脂は、前記成分をワンシ
ョット法により反応させて調製してもよく、ジオール成
分とジイソシアネート成分とを反応させて末端にイソシ
アネート基を有するプレポリマーを生成させ、このプレ
ポリマーと前記鎖伸長剤や硬化剤とを反応させるプレポ
リマー法により調製してもよい。末端イソシアネート基
を有するプレポリマーの調製において、前記ジオール成
分と前記ジイソシアネート成分との割合(モル比)は、
ジオール成分/ジイソシアネート成分=1/1.5〜1
/2.5、好ましくは1/1.7〜1/2.3、さらに
好ましくは1/1.9〜1/2.1程度である。
【0074】GPC(ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー)による未架橋ポリウレタン系樹脂の重量平均
分子量は、ポリスチレン換算で、0.1×104〜3×
105、好ましくは0.5×104〜2×105、さらに
好ましくは1×104〜1.5×105程度である。
【0075】ポリカーボネート系樹脂は、前記ビスフェ
ノール類(アルキレンオキサイド付加体を含む)とホス
ゲンとを反応させるホスゲン法、前記ビスフェノール類
(アルキレンオキサイド付加体を含む)と炭酸ジエステ
ルとを反応させるエステル交換法などにより得ることが
できる。ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量は、
例えば、1×104〜1×106、好ましくは1.5×1
4〜5×105、好ましくは2×104〜1×105程度
である。
【0076】エポキシ系樹脂は、前記ビスフェノール類
(アルキレンオキサイド付加体を含む)とエピクロルヒ
ドリンとの反応により得ることができ、エピクロルヒド
リンの付加モル数は、ビスフェノール類の各ヒドロキシ
ル基に対して1〜100モル、好ましくは1〜50モ
ル、さらに好ましくは1〜30モル(特に1〜10モ
ル)程度であってもよい。好ましいエポキシ樹脂には、
前記式において、(a)nが0、R3がC2-4アルキレン基
及びmが0又は1以上の整数であるビスフェノール類
(9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−(ヒドロキシC2-4アルキルオ
キシ)フェニル)フルオレンなどのアルキレンオキサイ
ド付加体)、(b)nが1又は2、R3がC2-4アルキレン
基及びmが0又は1以上の整数であるビスフェノール類
(9,9−ビス(3−C1-2アルキル−4−(ヒドロキ
シC2-4アルキルオキシ)フェニル)フルオレンなどの
アルキレンオキサイド付加体)をジオール成分とするエ
ポキシ系樹脂が含まれる。特に、前記晶析工程(特に硫
酸触媒を用いた反応工程と晶析工程)を経ることにより
得られた低ホルモン活性のビスフェノール類を原料とす
るエポキシ樹脂が好ましい。
【0077】なお、エポキシ系樹脂は、慣用の硬化剤、
例えば、アミン系硬化剤、ポリアミノアミド系、酸又は
酸無水物系硬化剤などで硬化させることができる。
【0078】樹脂には、オリゴマー、例えば、前記エポ
キシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応により生成する
付加体(エポキシ(メタ)アクリレートなど)も含まれ
る。
【0079】なお、モノマーとしての前記(メタ)アク
リル酸エステル誘導体やオリゴマーとしての前記エポキ
シ樹脂と(メタ)アクリル酸との付加体は、必要により
硬化剤や重合開始剤などと組合せて、熱硬化性樹脂組成
物又は光硬化性樹脂組成物として利用してもよい。
【0080】その他の樹脂としては、前記フルオレン骨
格を有するビスフェノール類を樹脂の構成成分(又は反
応成分)として使用している限り特に制限されず、例え
ば、前記ビスフェノール類をフェノール成分として用い
た共縮合フェノール系樹脂やキシレン系樹脂、ビスフェ
ノール類を共縮合成分として用いたアミノ樹脂(尿素樹
脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂など)などが例示でき
る。
【0081】ビスフェノール類又はその誘導体は、種々
の用途、例えば、塗料や印刷インキなどのコーティング
剤(例えば、基材のコーティング剤、缶の内面コーティ
ング剤、外壁のコーティング剤など)、接着剤などに利
用できる。また、前記ビスフェノール類を用いた樹脂
は、高い耐熱性、透明性および高屈折率という特色を有
するため、成形材料としても有用である。例えば、レン
ズ類(メガネレンズ、自動車用ヘッドランプレンズ、ピ
ックアップレンズ、フレネルレンズ、レーザープリンタ
ー用レンズ、カメラレンズ、リアプロジェクションテレ
ビ用投影レンズなどの光学レンズ)、フィルム又はシー
ト類(食品包装用フィルム、位相差フィルム、拡散フィ
ルムなど)、プラスチック光ファイバー、光ディスク基
板、電子又は電気機器(コンピュータ、携帯電話など)
のハウジングやケーシング、電子又は電気機器部品、入
出力端末(キーボードなど)などの成形材料として利用
できる。さらに、成形材料において、前記樹脂は、ポリ
マーアロイとして使用してもよい。
【0082】なお、前記樹脂を用いた組成物において
は、種々の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外
線吸収剤、熱安定剤など)、難燃剤、滑剤、離型剤、帯
電防止剤、無機充填剤、染顔料などの着色剤、分散剤、
可塑剤、帯電防止剤、充填剤や補強剤などを含んでいて
もよい。なお、前記成形材料は、慣用の成形方法、例え
ば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空
圧空成形などの方法により種々の成形体に成形できる。
また、不飽和ポリエステル系樹脂やエポキシ系樹脂など
の熱硬化性樹脂では、必要により補強繊維などと組み合
わせて、積層成形などの方法で成形体を形成してもよ
い。
【0083】本発明は、フルオレン骨格を有するビスフ
ェノール類又はその誘導体を用い、ホルモン活性を有効
に低減させるために有用である。特に、前記ビスフェノ
ール類の誘導体又はその組成物は、外気に晒される用途
(例えば、塗料やコーティング剤、防音剤などによる被
膜形成剤又はフィルム、ハウジングやケーシング、床材
や壁材)、水と接触する用途(例えば、船底コーティン
グ剤、繊維強化プラスチックで形成された浴槽、船体、
ボート、貯水槽、給水管、排水管など)、食品又は飲用
剤と接触したり、直接経口暴露される可能性のある用途
(例えば、食品包装用フィルム、飲用缶の内面コーティ
ング剤、食器、コップ、哺乳瓶、玩具、おしゃぶり、歯
科材料など)、ヒトを含め動物と接触する可能性のある
用途(例えば、ハウジング、ケーシング、キーボード、
CD(コンパクトディスク)、携帯電話、OA(オフィ
スオートメーション)機器、車ランプカバーなど)など
に好適に適用される。
【0084】
【発明の効果】本発明のフルオレン骨格を有するビスフ
ェノール類又はその誘導体は、ホルモン活性が大きく低
減し、かつ安全性が高い。そのため、前記ビスフェノー
ル類は、ホルモン活性を低減させるために有用である。
【0085】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0086】合成例1 撹拌器、冷却器、および温度計を備えた2Lのガラス容
器に、純度99重量%のフルオレノン75g、o−クレ
ゾール270g、β−メルカプトプロピオン酸8.5
g、および36重量%塩酸水27gを仕込み、不活性ガ
ス雰囲気中、25℃で6時間、続いて35℃で11時間
攪拌することにより、反応を行った。反応生成物を高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)で確認した結果、
フルオレノンの残存量は0.1重量%以下であった。
【0087】得られた反応液に、トルエン300gおよ
び水80gを加えた後、32重量%水酸化ナトリウム水
溶液を加えてpHが約7になるまで中和した後、水層を
除去した。有機層を80℃に加温した後に、水80gで
3回洗浄した。
【0088】減圧蒸留によりトルエン300gを回収し
たのち、有機層にトルエン−アセトンの混合液(混合比
率1:4(重量比))500mlを加えて70℃で1時
間攪拌し、10℃まで冷却し、結晶化させることによ
り、目的生成物である9,9−ビス(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)フルオレン(BCF)140g
(収率89%)を得た。得られたフルオレン誘導体の純
度は99.6重量%であった。また、黄色度(ハンター
(Hunter)表色系におけるb値)は1.3(無色透明)
であった。なお、b値は、可視紫外吸収装置(波長38
0〜780nm)を用いて測定した透過率により算出し
た。
【0089】合成例2 o−クレゾール270gに代えてフェノール225gを
用いる以外は合成例1と同様にして行った。その結果、
目的生成物である9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン(BPF)127g(収率87%)が得
られた。得られたフルオレン誘導体の純度は99.3重
量%であった。また、黄色度は1.7(無色透明)であ
った。
【0090】合成例1及び合成例2で得られた化合物
と、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン)(以下、BisAと称することも
ある)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン)(以下、BisFと称することもあ
る)、およびビスフェノールZ(1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン)(以下、BisZ
と称することもある)とのホルモン活性を、下記の試験
法により評価した。
【0091】[エストロゲン受容体に対する結合試験
(バインディングアッセイ)]この方法は、標識したエ
ストロゲンであるエストラジオールのエストロゲン受容
体に対する結合が、ビスフェノール類により拮抗的に阻
害される程度を調べる方法である。この方法では、予め
放射性同位体で標識した天然の結合物質(リガンド)で
ある女性ホルモン物質(エストラジオール)と、ラット
などの子宮組織から調製した受容体(脂質蛋白)とを混
合し、受容体とホルモンとの結合力を測定した後、所定
濃度のビスフェノール類を添加し、結合したホルモンの
変化量を放射能の減少により測定し、エストロゲン受容
体に対する結合阻害活性を評価した。より具体的には、
次の通りである。
【0092】熟成した雌ラットを屠殺して子宮を取り出
し、子宮組織部分に付着している脂肪部分を除き、重量
を測定した後、氷中に置き、組織を1〜2mm角に細切
する。組織の細片を、予め氷中に置いて冷却しておいた
ポリトロンホモジナイザーに入れ、組織50mg当た
り、1.0mlの氷冷したTEDG緩衝液(10mMT
ris・HCl(pH7.6)、1.5m MEDT
A、1mM DTT、10%グリセロール)を加え、5
秒間ホモジナイズする。ホモジネートを予め冷却した遠
心チューブに入れ、105,000×gで60分間遠心
する。
【0093】トリチウム標識したエストラジオール(以
下、単に[3H]−E2と称する)のみからなる全結合
活性測定溶液([3H]−E2の終濃度が各6nM、3
nM、1nM、0.6nM、0.3nM、0.1nM、
0.06nM、0.03nM、0.01nM)を調製
し、各溶液1mlをガラスチューブに加える。また、[
3H]−E2と非標識エストラジオールとの割合(重量
比)が1:100である非特異的結合測定溶液
([3H]−E2の終濃度が各6nM、3nM、1n
M、0.6nM、0.3nM、0.1nM、0.06n
M、0.03nM、0.01nM)を調製し、各溶液1
mlをガラスチューブに加える。調製した各溶液を減圧
乾燥機で乾固した後、氷中に静置する。
【0094】ホモジネートの上清を各チューブに各1m
l加え、おだやかに攪拌した後、キャップをし、4℃に
て20時間インキュベートする。各混合溶液を、ガラス
濾紙を装着した濾過装置上に注ぎ、吸引濾過し、ガラス
濾紙を、さらに氷冷した洗浄緩衝液(50mM Tri
s・HCl(pH7.4))で洗浄する。濾紙を乾燥し
た後、液体シンチレイションカウンターで放射能を測定
する。
【0095】上記非放射性エストラジオールに変えて測
定用環境ホルモン物質を0.5%DMSO(ジメチルス
ルホキシド)水溶液に溶解し、終濃度が1000μM,
100μM、10μMおよび1μMの混合溶液を調製
し、上記と同様の操作を行い、放射性ホルモンの拮抗阻
害活性を測定する。
【0096】このような結合阻害活性試験による結果を
図1に示す。
【0097】[転写活性試験(レポータージーンアッセ
イ)]この方法では、予め培地で培養した細胞(酵母等
も含む)に、遺伝工学的手法を用いて、エストロゲン受
容体遺伝子(ER)と検出用遺伝子(ガラクトシダーゼ
などの酵素遺伝子)を導入し、エストロゲン様物質(ビ
スフェノール類)を添加して培養する。そして、ホルモ
ン作用量に比例して受容体遺伝子が発現することを利用
して、受容体遺伝子と共に導入された酵素遺伝子の発現
量を、酵素活性として測定することにより、ホルモン作
用量を推定する。
【0098】転写活性試験により得られた結果を表1お
よび図2〜図3に示す。
【0099】
【表1】
【0100】図2及び図3中、ビスフェノールAは濃度
0.2mg/lで吸光度変化で示される有意な転写活性
が確認できるのに対し、BCF及びBPFは濃度100
mg/lでも有意な転写活性が確認できなかった。すな
わちBCF及びBPFのホルモン活性はビスフェノール
Aのホルモン活性の1/500以下であることが確認で
きた。
【0101】[転写活性試験−2(ツーハイブリッド
法)]この方法では、転写活性試験法(レポータージー
ンアッセイ、YES法とも呼ばれる)に比べ共役因子を
活性測定システムに組み込むことにより、活性発現が安
定しており、多くの試験研究機関が本法により、試験化
合物の比較を行っている(T Nishihara et Al J.Health
Science46,282-298(2000))。
【0102】具体的には、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
をレポータージーンとして、ロイシン要求性株であるパ
ン酵母にプロモーターとエストロゲン受容体遺伝子を含
むプラスミドとプロモーターとコアクチベーターTFII
を含むプラスミドが共に組み込まれている。具体的な実
験方法は以下の通りである。
【0103】前記酵母を1mlのSD培地(クローンテ
ック社製)に植菌し、一夜30℃で培養する。200μ
lのSD培地に50μlの培養液を加え、DMSO溶液
に溶解した、各試験濃度の試験物質を25μl加える。
30℃で4時間培養する。培養液を懸濁し、そのうち1
50μlを96ウェルマイクロプレートにまき、595
nmの吸光度を測定する。
【0104】残りの100μlを15,000rpm、
5分間遠心し、上静を除く。沈澱に1mg/mlのザイ
モリエースと0.5mMDTT(ジチオスレイトール)
を含む酵素反応緩衝液(16.1g/1Na2HPO4
1H2O、5.5g/1NaH2PO4・H2O、0.75
g/1KCl、0.246g/1MgSO4・7H2O)
とを加え、攪拌した後、37℃で15分間静置する。4
mg/mlのONPG(o−ニトロフェニル−β−D−
ガラクトピラノシド)40μlを加え攪拌後、30℃で
30分間静置し、1M炭酸ナトリウムを100μl加え
る。15,000rpm、5分間遠心し、上静150μ
lをマイクロプレートに移し、415nmと570nm
の吸光度を測定する。
【0105】各濃度におけるビスフェノール類の転写活
性を、1nM β−エストラジオールの転写活性に対す
る相対活性値として表2および図4に示した。
【0106】
【表2】
【0107】[細胞増殖試験(E−スクリーン法)]こ
の方法は、ヒト乳がん細胞由来の培養細胞が女性ホルモ
ンによる容量に比例して増殖する性質を利用した方法。
ビスフェノール類を添加して一定時間培養し、細胞数を
測定し増殖促進活性を他の標品と比較する。
【0108】具体的には、細胞はヒト乳がん細胞株MCF-
7-BOSを細胞増殖用培地で調整し、プレートに播種し、
24±3時間培養する。アッセイ用培地でプレートを洗
浄後、希釈・調整した試料を添加する。試料濃度は実際
に測定する濃度の100倍以上濃い溶液をジメチルスル
ホキシド希釈し、10-10、10-9、10-8、10-7
10-6、10-5、に調整した。6日間培養し、上清を除
いた後、10%トリクロロ酢酸で細胞を氷上で20〜3
0分固定する。流水で充分に洗浄し、スルフォードアミ
ンB溶液で室温で20分染色を行う。1%酢酸で洗浄し
乾燥させる。10mM Trisで充分に溶出し蛍光測
定を行う。
【0109】結果を表3および図5に示す。
【0110】
【表3】
【0111】図5中、ビスフェノールAは添加濃度10
-7mg/lで有意な細胞増殖活性が確認できるのに対
し、BCFおよびBPFは濃度10-5mg/Lでも有意
な細胞増殖活性が確認できなかった。すなわちBCFお
よびBPFのホルモン活性はビスフェノールAのホルモ
ン活性の1/100以下であることが確認できた。
【0112】[細胞増殖試験(E−スクリーン法)−
2]本方法は、ヒト乳がん細胞株MCF−7−Tuft
s株を使用し、ビスフェノール類のホルモン性につい
て、その増殖性を指標にホルモン活性を測定する。
【0113】具体的には、MDF−7細胞を0.08m
g/mgカナマイシン、0.05mg/mlガンタマイ
シン、0.3mg/mlグルタミン、0.224%炭酸
水素ナトリウム含有のダンベッコ改変イーグル(DM
E)培地に5%の牛胎児血清を加えた増殖培地を用い3
7℃、6.7%二酸化炭素下で培養する。24穴プレー
トに各穴それぞれにMCF−7細胞を15,000〜2
0,000個/ml増殖培地で1mlずつ注入する。3
7℃、24時間、6.7%二酸化炭素下で培養し、細胞
を容器に壁着させる。
【0114】培地を捨て、0.08mg/mlカナマイ
シン、0.05mg/mlゲンタマイシン、0.11m
g/mlピルビン酸ナトリウム、1mg/mlグルコー
ス、12mMへベスを含む、フェノールレッド不含DM
E培地(プレーンDME培地)で2回、洗浄する。
【0115】0.3mg/mlグルタミン、0.224
%炭酸水素ナトリウム含有のプレーンDME培地にチャ
コール−デキストラン処理済み5%牛胎児血清を加えた
培地(実験用培地)を0.9mlずつ各穴に注入する。
各濃度の試験溶液を0.lml添加する。37℃、6日
間、6.7%二酸化炭素下で培養する。培地を除去後、
10%トリクロロ酢酸を加え、4℃、30分間放置す
る。
【0116】蒸留水で5回洗浄する。乾燥後、0.4%
スルフォロ−ダミン−B(SRB)1%酢酸溶液、0.
5mlで10分間染色する。1%酢酸溶液、1mlで2
回洗浄する。10mMトリスベースを加える。
【0117】96穴プレートに0.1ml移し、プレー
トリーダーで吸光度を測定する。
【0118】吸光度から、陰性対照(試験溶液無添加)
に対する細胞数の増加倍率を算定する。
【0119】表4及び図6に各ビスフェノール類の増殖
倍率を示す。
【0120】
【表4】
【0121】表4及び図6から明らかなように、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールZおよびビスフェノールF
に比べ、フルオレン骨格を有するビスフェノール類(B
PF2およびBCF)は、ホルモン活性が著しく小さ
い。
【0122】ビスフェノール類のうち特異な構造をもつ
フルオレン類はホルモン活性が著しく小さいことが、上
記の3種類の試験管内実験で示されており、3種類の試
験管内実験の一致した結果は、子宮重量法など動物実験
での予測とよく一致することが知られている(第4回国
際環境ホルモンシンポジウム、2001)。
【0123】また、逆に試験管内試験方法の1つである
受容体結合法のみでは、生体でのホルモン作用を試験す
る、動物実験を反映しない場合があることが最近指摘さ
れている。
【0124】なお、下記合成例3及び合成例4で調製し
たビスフェノール類を、上記と同様の試験に供したとこ
ろ、著しく低減したホルモン活性を示した。
【0125】合成例3 撹拌器、冷却器、および温度計を備えた2Lのガラス製
反応器に、純度99%のフルオレノン70g、オルトク
レゾール250g、β−メルカプトプロピオン酸0.4
g、および濃硫酸15gを仕込み、55℃で6時間攪拌
することにより、反応を行った。HPLCで確認した結
果、フルオレノンの残存量は0.1%以下であった。得
られた反応混合液に、トルエン300gおよび水80g
を加え、32%水酸化ナトリウム水溶液をpHが約7に
なるまで加えて中和した後、水層を除去した。有機層を
80℃に加温した後に、水80gで3回洗浄した。
【0126】減圧蒸留により有機層からトルエン300
gを回収したのち、有機層にトルエン−アセトンの混合
溶媒(混合比率1:4)400mlを加えて70℃で1
時間攪拌したのちに、10℃まで冷却し、再結晶させる
ことにより、目的生成物である9,9−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン140g(収
率89%)を得た。得られた9,9−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)フルオレンの純度は99.
7%であり、b値は1.1(無色透明)であった。
【0127】合成例4 オルトクレゾール250gに代えてフェノール225g
を用いる以外は合成例3と同様にして、目的生成物であ
る9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
127g(収率87%)を得た。
【0128】得られた9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレンの純度は99.5%であり、b値は
1.5(無色透明)であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例のエストロゲン受容体に対する結
合試験での結果を示すグラフである。
【図2】図2は実施例の転写活性試験でのBCFの結果を
示すグラフである。
【図3】図3は実施例の転写活性試験でのBPFの結果を
示すグラフである。
【図4】図4は実施例の転写活性試験(ツーハイブリッ
ド法)の結果を示すグラフである。
【図5】図5は実施例の細胞増殖試験の結果を示すグラ
フである。
【図6】図6は、実施例の細胞増殖試験において、Bi
sFおよびBisZとのホルモン性に関する比較結果を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 光昭 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 須田 康裕 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AB20 AB84 FC56 FE13 FG29 4J002 CD201 CF281 CG001 CK021 EJ006 FD206 GT00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式 【化1】 (式中、R1,R2は、同一又は異なって、アルキル基、
    アルコキシ基、シクロアルキル基又はアリール基を示
    し、nは0〜2の整数を示す。R3はアルキレン基を示
    し、mは0又は1以上の整数を示す) で表される化合物であって、エストロゲン受容体に対す
    る結合試験において、1nMのβ−エストラジオールに
    対して、結合阻害率が濃度100μMで50%以下、転
    写活性試験において波長540nmでの吸光度における
    転写活性が、ビスフェノールAの少なくとも1/100
    以下、又は細胞増殖試験において細胞増殖活性がビスフ
    ェノールAの少なくとも1/20以下に、ホルモン活性
    が低減したビスフェノール類。
  2. 【請求項2】 エストロゲン受容体に対する結合試験に
    おいて、1nMのβ−エストラジオールに対して、結合
    阻害率が濃度100μMで40%以下、転写活性試験に
    おいて波長540nmでの吸光度における転写活性が、
    ビスフェノールAの少なくとも1/500以下、又は細
    胞増殖試験において細胞増殖活性がビスフェノールAの
    少なくとも1/100以下に、ホルモン活性が低減した
    請求項1記載のビスフェノール類。
  3. 【請求項3】 R1,R2が、同一又は異なって、C1-4
    アルキル基であり、nが0又は1である請求項1記載の
    ビスフェノール類。
  4. 【請求項4】 9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
    ル)フルオレン、9,9−ビス(3−C1-2アルキル−
    4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス
    (4−(ヒドロキシC2-4アルキルオキシ)フェニル)
    フルオレン又は9,9−ビス(3−C1-2アルキル−4
    −(ヒドロキシC2-4アルキルオキシ)フェニル)フル
    オレンである請求項1記載のビスフェノール類。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の化合物又はその誘導体を
    用い、ホルモン活性を低減する方法。
  6. 【請求項6】 誘導体が、請求項1記載の化合物をジオ
    ール成分とする(メタ)アクリル酸エステル又は樹脂で
    ある請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 樹脂が、(i)ポリエステル系樹脂、(ii)
    ポリウレタン系樹脂、(iii)ポリカーボネート系樹脂、
    および(iv)エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との付加
    体から選択された少なくとも一種である請求項6記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 樹脂が、(a)nが0、R3がC2-4アルキ
    レン基及びmが0又は1以上の整数である請求項1記載
    の化合物、または(b)nが1又は2、R3がC 2-4アルキ
    レン基及びmが0又は1以上の整数である請求項1記載
    の化合物をジオール成分とするエポキシ系樹脂である請
    求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の化合物をジオール成分又
    はその誘導体若しくは樹脂の構成成分として用いること
    により、ホルモン活性を低減させる請求項5記載の方
    法。
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