JP2004002365A - Acat阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とからなる医薬組成物 - Google Patents

Acat阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とからなる医薬組成物 Download PDF

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Toshimori Inaba
稲葉 寿守
Toshihiko Fujiwara
藤原 俊彦
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Abstract

【課題】
本発明は、動脈硬化症又は動脈硬化に起因する疾患の予防又は治療のための医薬組成物を提供する。
【解決手段】
当該医薬組成物は、ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤を、有効成分として含有する。
【選択図】
なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アシルコエンザイムA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(以下、ACATと省略する。)阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤を、同時に又は時間を置いて別々に投与する、動脈硬化症或いは虚血性心疾患、虚血性脳疾患又は末梢循環不全症等の動脈硬化に起因する疾患の予防又は治療のための医薬組成物に関する。
また、本発明は、ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とからなる医薬組成物の薬理的に有効な量を、同時に又は時間を置いて別々に、温血動物(特に、ヒト)に投与することにより、動脈硬化症或いは虚血性心疾患、虚血性脳疾患、末梢循環不全症等の動脈硬化に起因する疾患を、予防又は治療する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
食事の欧米化や人口の高齢化等に伴い、アテローム性動脈硬化症は増加の一途を辿っている。アテローム性動脈硬化症は、虚血性心疾患(心筋梗塞、不安定狭心症、虚血性突然死)、虚血性脳疾患(脳梗塞、脳内出血等)、末梢循環不全症等の主因となる。また、アテローム性動脈硬化症をもたらす危険因子としては、高脂血症(特に、高コレステロール血症)のほか、高血圧症、インシュリン抵抗性に基づく糖代謝異常を挙げることができる。また、これらの危険因子は合併症(シンドロームX)として発病する場合が多く、例えば、高脂血症は、動脈硬化ばかりでなく、黄色腫をひきおこす危険因子でもあり、動脈硬化が進行している場合、黄色腫が出たり、心筋梗塞などの血管合併症が起こることが多く、互いに病因が絡みあっていると考えられており(例えば、非特許文献1参照)、その有効な予防法及び治療法が求められている。
【0003】
これまで、トログリタゾン、ピオグリタゾン等のインシュリン抵抗性改善剤を、ACAT阻害剤と併用することにより、アルツハイマー病の治療に有用であることが開示されている(例えば、特許文献1参照)が、ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤との併用による動脈硬化進展抑制効果および四肢関節部に発症する黄色腫に対する発症抑制効果についての開示はない。
【0004】
【非特許文献1】
ダイアビーティス,第37巻,第1595頁(1988年)[Diabetes, 37, 1595 (1988)]
【特許文献1】
国際公開第99/38498号パンフレット
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、動脈硬化症等の治療剤等について鋭意研究を行った結果、ACAT阻害剤及びインシュリン抵抗性改善剤からなる医薬組成物が、各々の薬剤を単独で投与するよりも、上記2剤を、同時に又は時間を置いて別々に投与することにより、優れた動脈硬化進展抑制効果および四肢関節部に発症する黄色腫に対する発症抑制効果を有し、毒性も弱いため、温血動物(特に、ヒト)に対する、動脈硬化症或いは虚血性心疾患、虚血性脳疾患、末梢循環不全症等の動脈硬化に由来する疾患の予防薬又は治療薬(特に、治療薬)に有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1) ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤を、同時に又は時間を置いて別々に投与する、動脈硬化症又は動脈硬化に由来する疾患の予防又は治療の為の、医薬組成物に関する。
【0007】
上記医薬組成物において、好適には、
(2) ACAT阻害剤が、FR−129169、CI−1011、F−1394、F−12511、T−2591、FCE−28654、K−10085、HL−004、NTE−122、FR−186054、N−(1−ペンチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド又はN−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド或いはその薬理上許容される塩である医薬組成物、
【0008】
(3) ACAT阻害剤が、CI−1011、F−12511、N−(1−ペンチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド又はN−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド或いはその薬理上許容される塩である医薬組成物、
【0009】
(4) ACAT阻害剤が、N−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド又はその薬理上許容される塩である医薬組成物、
【0010】
(5) インシュリン抵抗性改善剤が、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン、GI−262570、JTT−501、AZ−242、MCC−555、YM−440、KRP−297、T−174、NC−2100、NN−622、BMS−298585又は5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン或いはその薬理上許容される塩である医薬組成物、
【0011】
(6) インシュリン抵抗性改善剤が、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン又は5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン或いはその薬理上許容される塩である医薬組成物、或いは、
【0012】
(7) インシュリン抵抗性改善剤が、5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン又はその薬理上許容される塩である医薬組成物を挙げることができる。
【0013】
また、有効成分のACAT阻害剤を(2)−(4)からなる群から選択し、有効成分のインシュリン抵抗性改善剤を(5)−(7)からなる群から選択し、これらを任意に組合せて得られる医薬組成物も好適であり、例えば、以下のものをあげることができる。
【0014】
(8) 有効成分のACAT阻害剤が、FR−129169、CI−1011、F−1394、F−12511、T−2591、FCE−28654、K−10085、HL−004、NTE−122、FR−186054、N−(1−ペンチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド又はN−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド或いはその薬理上許容される塩であり、
有効成分のインシュリン抵抗性改善剤が、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン、GI−262570、JTT−501、AZ−242、MCC−555、YM−440、KRP−297、T−174、NC−2100、NN−622、BMS−298585又は5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン或いはその薬理上許容される塩である医薬組成物、
【0015】
(9) 有効成分のACAT阻害剤が、CI−1011、F−12511、N−(1−ペンチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド又はN−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド或いはその薬理上許容される塩であり、
有効成分のインシュリン抵抗性改善剤が、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン又は5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン或いはその薬理上許容される塩である医薬組成物、
【0016】
(10) 有効成分のACAT阻害剤が、N−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド又はその薬理上許容される塩であり、
有効成分のインシュリン抵抗性改善剤が、5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン或いはその薬理上許容される塩である医薬組成物。
【0017】
本発明の医薬組成物の有効成分の一つである「ACAT阻害剤」は、アシルコエンザイムA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)を阻害する薬剤であり、その結果コレステロールを低下させるだけでなく、血管壁の動脈硬化病変へ直接作用し、マクロファージの泡沫細胞化(細胞内へのコレステロール蓄積)を抑制することから、本来、動脈硬化症の治療薬若しくは予防薬として使用される。
【0018】
そのようなACAT阻害剤としては、例えば、
WO92/09561号公報に記載された一般式(I)を有する化合物[好適には、FR−129169であり、その化学名は、N−(1,2−ジフェニルエチル)−2−(2−オクチルオキシフェニル)アセトアミドである。]、
特表平8−510256号公報(WO94/26702号公報又は米国特許第5,491,172号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、CI−1011であり、その化学名は、2,6−ジイソプロピルフェニル−N−[(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)アセチル]スルファメートであり、本発明のCI−1011は、その薬理上許容される塩も含有する。}、
EP公開第421441号公報(米国特許第5,120,738号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、F−1394であり、その化学名は、(1S,2S)−2−[3−(2,2−ジメチルプロピル)−3−ノニルウレイド]シクロヘキサン−1−イル 3−[(4R)−N−(2,2,5,5−テトラメチル−1,3−ジオキサン−4−カルボニル)アミノ]プロピオネートであり、本発明のF−1394は、その薬理上許容される塩も含有する。}、
特表2000−500771号公報(WO97/19918号公報又は米国特許第5,990,173号公報)に記載された化合物又はその薬理上許容される塩[好適には、F−12511であり、その化学名は、(S)−2’,3’,5’−トリメチル−4’−ヒドロキシ−α−ドデシルチオ−α−フェニルアセトアニリドであり、本発明のF−12511は、その薬理上許容される塩も含有する。]、
特開平10−195037号公報(EP特許第790240号公報又は米国特許第5,849,732号公報)に記載された一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩[好適には、T−2591であり、その化学名は、1−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−3−(2−シクロヘキシルエチル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)ウレアであり、本発明のT−2591は、その薬理上許容される塩(塩酸塩等)も包含する。]、
WO96/26948号公報に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、FCE−28654であり、その化学名は、1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−[(4R,5R)−4,5−ジメチル−2−(4−ホスホノフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル]ウレアであり、本発明のFCE−28654はその薬理上許容される塩(ナトリウム塩等)も包含する。)}、
WO98/54153号公報(EP特許第987254号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、K−10085であり、その化学名は、N−[2,4−ビス(メチルチオ)−6−メチル−3−ピリジル]−2−[4−[2−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]アセトアミドであり、本発明のK−10085はその薬理上許容される塩も含有する。}、
WO92/09572号公報(EP特許第559898号公報又は米国特許第5,475,130号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物[好適には、HL−004であり、化学名は、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−テトラデシルチオアセトアミドである。]、
特開平7−82232号公報(EP特許第718281号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、NTE−122であり、その化学名は、トランス−1,4−ビス[1−シクロヘキシル−3−(4−ジメチルアミノフェニル)ウレイドメチル]シクロヘキサンであり、本発明のNTE−122はその薬理上許容される塩(塩酸塩等)も包含する。}、
特表平10−510512号公報(WO96/10559号公報)に記載された化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、FR−186054であり、その化学名は、1−ベンジル−1−[3−(ピラゾール−3−イル)ベンジル]−3−[2,6−ビス(メチルチオ)−4−メチルピリジン−3−イル]ウレアであり、本発明のFR−186054は、その薬理上許容される塩も包含する。}、
WO96/09287号公報(EP特許第0782986号公報又は米国特許第5,990,150号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩[好適には、N−(1−ペンチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミドであり、本発明では、その薬理上許容される塩(塩酸塩等)も包含する。]、
WO97/12860号公報(EP特許第0866059号公報又は米国特許第6,063,806号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩[好適には、N−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミドであり、本発明では、その薬理上許容される塩(塩酸塩、硫酸塩等)も包含し、好適には、N−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド・ヘミスルフェートである。]を挙げることができる。
【0019】
そのようなACAT阻害剤において好適には、FR−129169、CI−1011、F−1394、F−12511、T−2591、FCE−28654、K−10085、HL−004、NTE−122、FR−186054、N−(1−ペンチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド又はN−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミドであり、
更に好適には、CI−1011、F−12511、N−(1−ペンチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド又はN−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミドであり、
最も好適には、N−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミドである。
【0020】
以下に、好適なACAT阻害剤の平面化学構造式を示す。
【化1】
Figure 2004002365
【0021】
【化2】
Figure 2004002365
【0022】
【化3】
Figure 2004002365
【0023】
【化4】
Figure 2004002365
【0024】
【化5】
Figure 2004002365
【0025】
【化6】
Figure 2004002365
【0026】
【化7】
Figure 2004002365
【0027】
【化8】
Figure 2004002365
【0028】
【化9】
Figure 2004002365
【0029】
本発明の医薬組成物における有効成分の一つである「インシュリン抵抗性改善剤」は、インシュリン受容体のシグナル伝達を司るチロシンキナーゼの活性を増強することにより、インシュリン作用の感受性を上げ、不足を補う作用メカニズムによりインシュリン抵抗性を改善する薬剤であり、本来、糖尿病用剤として使用される。
【0030】
そのようなインシュリン抵抗性改善剤としては、例えば、
特開昭61−267580号公報(EP特許第193,256号公報又は米国特許第4,687,777号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、ピオグリタゾンであり、その化学名は、5−[4−[2−(5−エチル−ピリジン−2−イル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオンであり、本発明のピオグリタゾンは、その薬理上許容される塩(塩酸塩等)も包含する。}、
特表平9−512249号公報(WO95/21608号公報又は米国特許第5,002,953号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、ロジグリタゾンであり、その化学名は、5−[4−[2−(N−メチル−N−2−ピリジルアミノ)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオンであり、本発明のロジグリタゾンは、その薬理上許容される塩(マレイン酸塩等)も包含する。}、
WO00/8002号公報に記載された一般式(I)を有する化合物、その薬理上許容される塩{好適には、GI−262570であり、その化学名は、2(S)−(2−ベンゾイルフェニルアミノ)−3−[4−[2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イル)エトキシ]フェニル]プロピオン酸であり、本発明のGI−262570は、その薬理上許容される塩(塩酸塩等)も包含する。}、
WO95/18125号公報(EP公開第684,242号公報又は米国特許第5,728,720号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、JTT−501であり、その化学名は、4−[4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)エトキシ]ベンジル−3,5−イソオキサゾリジンジオンであり、本発明のJTT−501は、その薬理上許容される塩(塩酸塩等)も包含する。}、
WO99/62872号公報(EP公開第1,084,103号公報又は米国特許第6,258,850号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物、その薬理上許容される塩{好適には、AZ−242であり、その化学名は、2−エトキシ−3−[4−[2−(4−メチルスルホニルオキシフェニル)エトキシ]フェニル]プロパン酸であり、本発明のAZ−242は、その薬理上許容される塩(ナトリウム塩等)も包含する。}、
特開平6−247945号公報(EP公開第604,983号公報又は米国特許第5,594,016号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、MCC−555であり、その化学名は、5−[6−(2−フルオロベンジルオキシ)ナフタレン−2−イルメチル]チアソリジン−2,4−ジオンであり、本発明のMCC−555は、その薬理上許容される塩も包含する。}、
WO94/25448号公報(EP特許第696,585号公報又は米国特許第5,643,931号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、YM−440であり、その化学名は、(Z)−1,4−ビス[4−(3,5−ジオキソ−1,2,4−オキサジアゾリジン−2−イルメチル]フェノキシ]−2−ブテンであり、本発明のYM−440は、その薬理上許容される塩を包含する。}、
特開平10−87641号公報(米国特許5,948,803号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、KRP−297であり、その化学名は、5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)ベンズアミドであり、本発明のKRP−297は、その薬理上許容される塩も包含する。}、
特開昭64−56675号公報(EP特許第283035号公報又は米国特許第4,897,393号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、T−174であり、その化学名は、5−[2−(2−ナフチルメチル)−5−ベンズオキサゾリルメチル]−2,4−チアゾリジンジオンであり、本発明のT−174は、その薬理上許容される塩(塩酸塩等)も包含する。}、
特開平9−100280号公報(EP公開第787725号公報又は米国特許第5,693,651号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩 [好適には、NC−2100であり、その化学名は、5−(7−ベンジルオキシ−3−キノイルメチル)−2,4−チアゾリジンジオンであり、本発明のNC−2100は、その薬理上許容される塩(塩酸塩等)も包含する。]、
WO99/19313号公報(米国特許6,054,453号公報)に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、NN−622であり、その化学名は、(S)−3−[4−[2−(フェノキサジン−10−イル)エトキシ]フェニル]−2−エトキシプロパン酸であり、本発明のNN−622は、その薬理上許容される塩(ナトリウム塩等)も包含する。}、
WO01/21602号公報に記載された一般式(I)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、BMS−298585であり、その化学名は、N−(4−メトキシフェノキシカルボニル)−N−[4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)エトキシ]ベンジル]グリシンであり、本発明のBMS−298585は、その薬理上許容される塩(塩酸塩等)も包含する。}、
特開平9−295970号公報(米国特許第5,886,014号公報)に記載された一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩{好適には、5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンであり、その薬理上許容される塩(塩酸塩等)も包含する。}
のようなオキサゾール化合物、オキサジアゾリジン化合物、チアゾリジン化合物又はフェノキサジン化合物を挙げることができ、好適には、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン、GI−262570、JTT−501、AZ−242、MCC−555、YM−440、KRP−297、T−174、NC−2100、NN−622、BMS−298585又は5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンであり、更に好適には、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン又は5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンであり、最も好適には、5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンである。
【0031】
以下に、好適なインシュリン抵抗性改善剤の平面化学構造式を示す。
【化10】
Figure 2004002365
【0032】
【化11】
Figure 2004002365
【0033】
【化12】
Figure 2004002365
【0034】
【化13】
Figure 2004002365
【0035】
【化14】
Figure 2004002365
【0036】
【化15】
Figure 2004002365
【0037】
【化16】
Figure 2004002365
【0038】
【化17】
Figure 2004002365
【0039】
上記における「薬理上許容される塩」は、有効成分のACAT阻害剤及び/又はインシュリン抵抗性改善剤が、アミノ基のような塩基性の基を有する場合には酸と反応させることにより、又、カルボキシル基のような酸性基を有する場合には塩基と反応させることにより、各々塩にすることができる。
【0040】
塩基性の基に基づく塩としては、例えば、弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、りんご酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり、好適には、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩又はマレイン酸塩である。
【0041】
一方、酸性の基に基づく塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノ−ルアミン塩、N−ベンジルフェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり、更に好適には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩又はアルミニウム塩である。
【0042】
上記における「溶媒和物」は、有効成分のACAT阻害剤及び/又はインシュリン抵抗性改善剤に、製造時、精製時などに用いた溶媒、例えば、水、アルコールなどが付加したものであり、ACAT阻害剤及び/又はインシュリン抵抗性改善剤に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限されるものではない。上記「溶媒和物」には、ACAT阻害剤及びインシュリン抵抗性改善剤が、大気中に放置されることにより、水分を吸収し、吸着水が付くことにより生成される水和物も包含される。溶媒和物としては、好適には、水和物である。
【0043】
本発明の医薬組成物の有効成分であるACAT阻害剤及びインシュリン抵抗性改善剤は、その分子内に不斉炭素原子が存在する場合、種々の異性体を有する。本発明の化合物においては、これらの異性体およびこれらの異性体の混合物がすべて単一の式で示されている。従って、本発明はこれらの異性体およびこれらの異性体の任意の割合の混合物をもすべて含むものである。
【0044】
本発明のACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とからなる医薬組成物は、ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とを、同時に又は時間を置いて別々に投与する為の医薬組成物である。
【0045】
本発明によれば、ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とは、それらが併用されることにより各々の単剤と比べて、優れた効果を示す。また、このような効果は、必ずしもACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とが同時に体内に存在していなくてももたらされる。すなわち、ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とが同時にある程度以上の血中濃度を有さなくても効果を示す。臨床上はACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とが同時に投与されることが便宜であり、それゆえ、ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とは、配合剤の形態で投与することができる。製剤技術上、両製剤を物理的に同時に混合することが好ましくない場合は、それぞれの単剤を同時に投与することもできる。また、ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とは、同時に投与しなくても優れた効果を示すので、それぞれの単剤を適当な間隔をおいて相前後して投与することもできる。
【0046】
すなわち、本発明に於いて、同時に投与するとは、ほぼ同じ時間に投与できる投与形態であれば特に限定はないが、単一の組成物として投与するのが好ましい。
【0047】
本発明に於いて、時間を置いて別々に投与するとは、異なった時間に別々に投与できる投与形態であれば特に限定はなく、例えば、最初に、ACAT阻害剤を投与し、次いで、決められた時間後に、インシュリン抵抗性改善剤を投与したり、或いは、最初にインシュリン抵抗性改善剤を投与し、次いで、決められた時間後に、ACAT阻害剤を投与したりすることをいう。本発明に於いて、ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とによりもたらされる優れた効果が達成されるのに許容される最大限の上記2系統の薬剤の投与間隔は、臨床上又は動物実験により確認することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明の医薬組成物の有効成分であるACAT阻害剤は、例えば、WO92/09561号公報、特表平8−510256号公報(WO94/26702号公報、米国特許第5,491,172号公報)、EP公開421441号公報(米国特許第5,120,738号公報)、特表2000−50771号公報(WO97/19918号公報、米国特許第5,990,173号公報)、特開平10−195037号公報(EP特許第790240号公報、米国特許第5,849,732号公報)、WO96/26948号公報、WO98/54153号公報(EP特許第987254号公報)、WO92/09572号公報(EP特許第559898号公報、米国特許第5,475,130号公報)、特開平7−82232号公報(EP特許第718281号公報)、特表平10−510512号公報(WO96/10559号公報)、WO96/09287号公報(EP特許第0782986号公報、米国特許第5,990,150号公報)、WO97/12860号公報(EP特許第0866059号公報、米国特許第6,063,806号公報)に記載の方法に従い、容易に製造することができる。
【0049】
また、本発明の医薬組成物の有効成分であるインシュリン抵抗性改善剤は、例えば、特開昭61−267580号公報(EP特許第193,256号公報、米国特許第4,687,777号公報)、特表平9−512249号公報(WO95/21608号公報、米国特許第5,002,953号公報)、WO00/8002号公報、WO95/18125号公報(EP公開第684,242号公報、米国特許第5,728,720号公報)、WO99/62872号公報(EP公開第1,084,103号公報、米国特許第6,258,850号公報)、特開平6−247945号公報(EP公開第604,983号公報、米国特許第5,594,016号公報)、WO94/25448号公報(EP特許第696,585号公報、米国特許第5,643,931号公報)、特開平10−87641号公報(米国特許5,948,803号公報)、特開昭64−56675号公報(EP特許第283035号公報、米国特許第4,897,393号公報)、特開平9−100280号公報(EP公開第787725号公報、米国特許第5,693,651号公報)、WO99/19313号公報(米国特許6,054,453号公報)、WO01/21602号公報、特開平9−295970号公報(米国特許第5,886,014号公報)に記載の方法に従い、容易に製造することができる。
【0050】
本発明のACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とからなる医薬組成物は、優れた動脈硬化進展抑制効果および四肢関節部に発症する黄色腫に対する発症抑制効果を有し、毒性も弱いため、温血動物(特に、人)に対する、動脈硬化症或いは、虚血性心疾患、虚血性脳疾患、末梢循環不全症等の動脈硬化に由来する疾患の予防薬又は治療薬(特に、治療薬)として有用である。
【0051】
本発明の医薬組成物の有効成分であるACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤は、上述したとおり、各々単独で別々の単位投与形態に、又は混合して物理的に1個の単位投与形態に調製することができる。
【0052】
本発明の医薬組成物を、上記疾患の予防薬又は治療薬として使用する場合には、本発明の医薬組成物の有効成分であるACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤を、各々それ自体或いは適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口的又は注射剤若しくは坐剤等による非経口的に投与することができる。
【0053】
これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤:及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸水素カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;及び、上記澱粉誘導体を挙げることができる。)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。)、希釈剤等の添加剤を用いて周知の方法で製造される。
【0054】
本発明の医薬組成物の有効成分であるACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤の投与量と投与比率は、個々の薬剤の活性、患者の症状、年齢、体重等の種々の条件により変化し得る。
【0055】
その投与量は症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、各々、1回当たり下限 0.1mg(好適には 0.5mg)、上限 1000mg(好適には 500mg)を、非経口的投与の場合には、1回当たり下限 0.01mg(好適には 0.05mg)、上限 100mg(好適には 50mg)を、成人に対して1日当たり1乃至6回、症状に応じて、同時に又は時間を置いて別々に投与することができる。
【0056】
また、本発明の医薬組成物の有効成分であるACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤との投与量の比率も、また、大幅に変わりうるが、例えば、ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤との投与量比率は、重量比で、1:500乃至500:1の範囲内であり得る。
【0057】
【実施例】
以下に、実施例及び製剤例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定するものではない。
【0058】
実施例1
大動脈病変面積の測定
12週齢の雄性アポリポプロテインE欠損マウスをコントロール群、5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン・塩酸塩(0.0001重量%混餌。以下、化合物Bと省略する。)投与群、N−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド・ヘミスルフェート(0.03重量%混餌。以下、化合物Aと省略する。)投与群、化合物B(0.0001重量%混餌)/化合物A(0.03重量%混餌)併用群の4群(各群10例)にわけ、12週間薬物を混餌投与した。12週目に動物を解剖し、大動脈弁部における動脈硬化病変面積と、マクロファージ(抗MOMA−2染色陽性部)面積率を求めた。
【0059】
(1) 動脈硬化病変面積
大動脈弁部にエラスチカマッソン染色を行い、動脈硬化病変面積を計測した。動脈硬化病変面積が少ないほうが、抗動脈硬化作用がより強く、動脈硬化進展抑制効果があることを示す。
【0060】
(2) マクロファージ面積率
大動脈弁部に抗MOMA−2染色を施し、マクロファージ面積(抗MOMA−2染色陽性部面積)を計測し、動脈硬化病変部面積に対する面積率を算出した。マクロファージは病変(プラーク)の不安定化因子で、マクロファージの減少がプラークの安定化に繋がり、抗動脈硬化作用に寄与すると考えられている。従って、マクロファージ面積率が小さいほうが、プラークの安定化作用、ひいては抗動脈硬化作用がより強く、動脈硬化進展抑制効果があることを示す。
【0061】
(1)および(2)の結果を、表1に示す。表1における実測値は、平均値±標準誤差で示されている。
【0062】
【表1】
Figure 2004002365
) Dunnett’s multiple comparison testによるコントロール群に対する有意差が、p≦0.05である。
**) Dunnett’s multiple comparison testによるコントロール群に対する有意差が、p≦0.01である。
【0063】
【製剤例1】
Figure 2004002365
上記処方の粉末を混合し、打錠機により打錠して、1錠200mgの錠剤とする。
また、上記処方中、化合物Aは、N−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド・ヘミスルフェートを、化合物Bは、5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン・塩酸塩を示す。
【0064】
【発明の効果】
本発明のACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤とからなる医薬組成物は、優れた動脈硬化進展抑制効果および四肢関節部に発症する黄色腫に対する発症抑制効果を有し、毒性も弱いため、温血動物(特に、人)に対する、動脈硬化症或いは、虚血性心疾患、虚血性脳疾患、末梢循環不全症等の動脈硬化に由来する疾患の予防薬又は治療薬(特に、治療薬)として有用である。

Claims (12)

  1. ACAT阻害剤とインシュリン抵抗性改善剤を、同時に又は時間を置いて別々に投与する、動脈硬化症又は動脈硬化に起因する疾患の予防又は治療のための医薬組成物。
  2. ACAT阻害剤が、FR−129169、CI−1011、F−1394、F−12511、T−2591、FCE−28654、K−10085、HL−004、NTE−122、FR−186054、N−(1−ペンチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド又はN−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド或いはその薬理上許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. ACAT阻害剤が、CI−1011、F−12511、N−(1−ペンチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド又はN−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド或いはその薬理上許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. ACAT阻害剤が、N−(1−オクチル−5−カルボキシメチル−4,6−ジメチルインドリン−7−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド又はその薬理上許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. インシュリン抵抗性改善剤が、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン、GI−262570、JTT−501、AZ−242、MCC−555、YM−440、KRP−297、T−174、NC−2100、NN−622、BMS−298585又は5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン或いはその薬理上許容される塩である、請求項1乃至4に記載の医薬組成物。
  6. インシュリン抵抗性改善剤が、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン又は5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン或いはその薬理上許容される塩である、請求項1乃至4に記載の医薬組成物。
  7. インシュリン抵抗性改善剤が、5−[4−(6−メトキシ−1−メチルベンズイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン又はその薬理上許容される塩である、請求項1乃至4に記載の医薬組成物。
  8. 動脈硬化症の予防又は治療のための、請求項1乃至7に記載の医薬組成物。
  9. 動脈硬化に起因する疾患の予防又は治療のための、請求項1乃至7に記載の医薬組成物。
  10. 動脈硬化に起因する疾患が虚血性心疾患である、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 動脈硬化に起因する疾患が虚血性脳疾患である、請求項9に記載の医薬組成物。
  12. 動脈硬化に起因する疾患が末梢循環不全症である、請求項9に記載の医薬組成物。
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