JP2004002327A - シクロアルカンの酸化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コバルト化合物およびルテニウム化合物の存在下、酸素と接触させて酸化させることを特徴とするシクロアルカンの酸化方法であり、コバルト化合物およびルテニウム化合物のCo/Ruの当量比が、通常、1/99〜99/1であり、コバルト化合物およびルテニウム化合物の合計使用量が、通常、シクロアルカンに対して、0.000001〜0.1モル%であり、反応温度が通常、70℃から170℃の範囲である方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シクロアルカンを酸素(以下、「分子状酸素」を単に「酸素」と称す。)と接触させることにより、シクロアルカンを酸化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
反応中間体の一つであるヒドロペルオキシド類の濃度が低くなるシクロアルカンの酸化方法として、近年、N−ヒドロキシフタルイミドのようなイミド化合物と金属化合物との触媒または金属化合物を無機化合物の担体に固定化した触媒の存在下に酸素酸化する方法が開発されている。例えば、特許文献1には、シクロアルカンを、イミド化合物とルテニウム化合物の存在下に、酸素を含有するガスを反応させる方法が記載されている。また、特許文献2には、金属化合物を無機化合物の担体に固定化した触媒の存在下にシクロヘキサンを酸素雰囲気下で反応させる方法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−87215号公報
【特許文献2】
WO99/40055号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、高価なイミド系触媒を用いるため、コストの点で満足できるものではない。また、上記特許文献2に記載の方法では、固体触媒調製工程が必要となり、効率的ではない。
本発明の目的は、反応中間体であるヒドロペルオキシド類の生成を抑制して、安全かつ低コストで効率的にシクロアルカンを酸素酸化する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、シクロアルカンを金属化合物の存在下に酸素酸化する方法について鋭意検討した結果、金属化合物としてコバルト化合物およびルテニウム化合物を併用することにより、反応収率が上昇しかつ反応中間体の一つであるヒドロペルオキシド類の濃度が非常に低くなることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、コバルト化合物およびルテニウム化合物の存在下、酸素と接触させて酸化させることを特徴とするシクロアルカン(以下、シクロアルカンを有機基質と称する場合がある。)の酸化方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシクロアルカンとしては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカンのような飽和脂肪族環式炭化水素類;シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセンのような不飽和脂肪族環式炭化水素類が挙げられるが、好ましくは上記飽和脂肪族環式炭化水素類が挙げられる。特に好ましくはシクロヘキサンが挙げられる。
【0007】
コバルト化合物としては、通常、2価または3価のコバルトを含む化合物が用いられ、ルテニウム化合物としては、通常、0価、2価、3価または8価のルテニウムを含む化合物が用いられる。コバルト化合物およびルテニウム化合物の種類としては、それぞれ、例えば、酸化物、有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシド、アセチルアセトナートのような錯体、オキソ酸およびその塩、イソポリ酸およびその塩、ヘテロポリ酸およびその塩等が挙げられる。
好ましいコバルト化合物としては、酢酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、コバルトアセチルアセトナート、塩化コバルト、臭化コバルトが挙げられる。好ましくはオクチル酸コバルト等が挙げられる。ルテニウム化合物としては、ルテニウムアセチルアセトナート、トリルテニウムドデカカルボニル、酸化ルテニウム、二酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、オクチル酸ルテニウム、ルテノセン、ビス(イソヘプタジオナト)ノルボルナジエンルテニウムが挙げられる。好ましくは、ルテニウムアセチルアセトナート、オクチル酸ルテニウム、塩化ルテニウム、ビス(イソヘプタジオナト)ノルボルナジエンルテニウム、ルテノセン等が挙げられる。
コバルト化合物およびルテニウム化合物は、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。
【0008】
コバルト化合物およびルテニウム化合物の使用量は、経済的には、それぞれ、有機基質に対して、0.1モル%以下であり、好ましくは0.05モル%以下、さらに好ましくは0.001モル%以下である。また、該使用量の下限については、反応促進の観点から、通常0.000001モル%以上、好ましくは0.00001モル%以上である。
また、コバルト化合物およびルテニウム化合物の使用量は、両者の和として、有機基質に対して、好ましくは0.000001〜0.1モル%、さらに好ましくは0.00001〜0.001モル%程度の範囲である。
コバルト化合物およびルテニウム化合物のCo/Ruの当量比が、通常1/99〜99/1、好ましくは50/50〜99/1、さらに好ましくは80/20〜99/1である。
【0009】
反応は溶媒の存在下に行ってもよく、かかる溶媒としては、例えば、ベンゾニトリル、アセトニトリルのようなニトリル類;ぎ酸、酢酸のような有機酸類;ニトロメタン、ニトロベンゼンのようなニトロ化合物;クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタンのような塩素化炭化水素類等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いることもできる。中でも、ニトリル類や有機酸類が好ましい。
溶媒を用いる場合、その使用量は、基質100重量部に対して、反応促進の観点から、通常1重量部以上、好ましくは10重量部以上であり、容積効率の観点から、通常80重量部以下、好ましくは50重量部以下である。
【0010】
有機基質と酸素との接触は、通常、有機基質、コバルト化合物およびルテニウム化合物を含む液に、酸素含有ガスの気泡を分散させることにより行われ、例えば、ガス導入管を用いてもよいし、反応器に吹き出し孔を設けてもよい。酸素含有ガスとしては、酸素、空気、または酸素もしくは空気を窒素やヘリウムのような不活性ガスで希釈したものを用いることができる。酸素含有ガスの供給速度は、有機基質1モルに対して、酸素として、通常0.001〜1モル/hで、好ましくは0.01〜0.5モル/hである。
【0011】
反応温度は、反応促進の観点から、通常70℃以上、好ましくは90℃以上、さらに好ましくは120℃以上であり、また、通常170℃以下、好ましくは160℃以下である。また、反応圧力は、通常0.1〜3MPa、好ましくは0.5〜2MPaの範囲である。反応は回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよいが、操作性の観点からは、有機基質、コバルト化合物およびルテニウム化合物、酸素含有ガスを反応系内に供給しながら、反応液および排ガスを反応系内から抜き出すことにより、連続式で行うのが好ましい。
【0012】
反応後の後処理操作としては、例えば、濾過、濃縮、洗浄、アルカリ処理、酸処理等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が組み合わせて採用される。例えば、アルカリ処理をすることにより、アルコール類とカルボン酸類とからなるエステル類をケン化してアルコール類およびカルボン酸類を再生できると共に、ヒドロペルオキシド類をケトン類やアルコール類に変換することができる。また、精製操作としては、通常、蒸留や晶析が採用される。
【0013】
本発明の酸化方法で、シクロアルカンを酸化することにより、対応する酸化生成物として、ケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキシド類、アルデヒド類、カルボン酸類等の含酸素有機化合物を製造することができる。
例えば、シクロアルカンの酸化により、対応するケトン類として、該シクロアルカンの有するメチレン基がカルボニル基となった化合物等を、対応するアルコール類として、該炭化水素類の有するメチル基(例えば、メチルシクロヘキサンのメチル基)、メチレン基またはメチリジン基がそれぞれヒドロキシメチル基、ヒドロキシメチレン基またはヒドロキシメチリジン基となった化合物等を、対応するヒドロペルオキシド類として、該炭化水素類の有するメチル基、メチレン基またはメチリジン基がそれぞれヒドロペルオキシメチル基、ヒドロペルオキシメチレン基またはヒドロペルオキシメチリジン基となった化合物等を、対応するアルデヒド類として、該炭化水素の有するメチル基がホルミル基となった化合物等を、対応するカルボン酸類として、該炭化水素の有するメチル基がカルボキシル基となった化合物や、炭化水素類が環式炭化水素類である場合には、炭素−炭素結合が開裂して両炭素がカルボキシル基となった化合物(ジカルボン酸類)等を製造することができる。
【0014】
中でも、本発明の酸化方法は、シクロアルカンを原料としてケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキシド類およびカルボン酸類から選ばれる少なくとも1種を製造する方法に好適に用いることができる。このとき、酸化方法で原料とするシクロアルカンにシクロアルカノールやシクロアルカノンが含まれていてもよい。
また、反応で生成したシクロヘキサノールを反応系内にリサイクルすることもできる。このようにすることにより、シクロヘキサンの酸化に併せて、シクロヘキサノールのシクロヘキサノンへの酸化を行なうことができる。 具体的には、例えば、シクロヘキサンを原料としてシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、シクロヘキシルヒドロペルオキシドおよびアジピン酸から選ばれる少なくとも1種を製造する方法が挙げられる。
【0015】
【発明の効果】
シクロアルカンの酸化において、コバルト化合物およびルテニウム化合物を併用することにより、反応収率が上昇しかつ反応中間体の一つであるヒドロペルオキシド類の濃度が非常に低くなり工業的製造方法として優れている。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、酸素含有ガスとしては、空気または空気を窒素で希釈したものを用い、酸素含有ガスの吹き込みは、ガス導入管により、行った。ガスの排出は、冷却管および保圧弁を介して行い、冷却管の冷媒には8℃の水を用いた。また、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノールおよびシクロヘキシルヒドロペルオキシドの分析は、ガスクロマトグラフィーにより行い、アジピン酸の分析は、イオンクロマトグラフィーにより行い、これらの分析結果に基づいて、反応成績を算出した。
【0017】
実施例1
1リットルのガラスオートクレーブに、シクロヘキサン252.6g(3モル)、コバルト含有率8重量%のオクチル酸コバルト(II)0.00032g(0.00000043モル)、ルテニウムアセチルアセトネート(III)0.00010g(0.00000025モル)、シクロヘキサノン0.52g(0.0053モル)およびシクロヘキサノール0.52(0.0052モル)を入れ、窒素雰囲気下、圧力1.05MPa、温度140℃に調整した。この中に、該圧力および温度を維持しながら、酸素濃度10容量%の酸素含有ガスを500ml/分で1時間吹き込んだ。その後、該酸素含有ガスを空気250ml/分に切り替えて徐々に流速を上げて500ml/分とし、切り替えと同時に、コバルト換算で0.11重量ppmのオクチル酸コバルト(II)およびルテニウム換算で0.11重量ppmのルテニウムアセチルアセトネート(III)を含むシクロヘキサンを8.2g/分で、ならびに3.1重量%のシクロヘキサノンおよび3.1重量%のシクロヘキサノールを含むシクロヘキサンを0.72g/分で供給開始し、引き続き上記の圧力および温度を維持しながら供給速度とほぼ等速度で反応液を抜き出して、滞留時間0.5時間で連続的に4時間反応させた。排ガスの平均酸素濃度は0.1容量%であった。供給液全体における、シクロヘキサンの濃度は99重量%、シクロヘキサノンの濃度は0.3重量%、シクロヘキサノールの濃度は0.3重量%、オクチル酸コバルト(II)の濃度はコバルトとして0.10重量ppm、ルテニウムアセチルアセトネート(III)の濃度はルテニウムとして0.10重量ppmとなる。
反応液を分析した結果、シクロヘキサノンの濃度は2.1重量%、シクロヘキサノールの濃度は1.9重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの濃度は0.2%であった。
シクロヘキサンの転化率は4.0%、シクロヘキサノンとシクロヘキサノール、およびシクロヘキシルヒドロペルオキシドの合計収率は3.2%(選択率80.2%)であった。
【0018】
比較例1
1リットルのガラスオートクレーブに、シクロヘキサン252.6g(3モル)、コバルト含有率8重量%のオクチル酸コバルト(II)0.0075g(0.0000011モル)、シクロヘキサノン0.51g(0.0052モル)およびシクロヘキサノール0.53g(0.0053モル)を入れ、窒素雰囲気下、圧力1.05MPa、温度140℃に調整した。この中に、該圧力および温度を維持しながら、酸素濃度10容量%の酸素含有ガスを500ml/分で1.8時間吹き込んだ。その後、該酸素含有ガスを空気250ml/分に切り替えて徐々に流速を上げて350ml/分とし、切り替えと同時に、コバルト換算で0.28重量ppmのオクチル酸コバルト(II)を含むシクロヘキサンを8.1g/分で、ならびに3.1重量%のシクロヘキサノンおよび3.1重量%のシクロヘキサノールを含むシクロヘキサンを0.75g/分で供給開始し、引き続き上記の圧力および温度を維持しながら供給速度とほぼ等速度で反応液を抜き出して、滞留時間0.5時間で連続的に4時間反応させた。排ガスの平均酸素濃度は1.1容量%であった。供給液全体における、シクロヘキサンの濃度は99重量%、シクロヘキサノンの濃度は0.3重量%、シクロヘキサノールの濃度は0.3重量%、オクチル酸コバルト(II)の濃度はコバルトとして0.26重量ppmとなる。
水洗前の反応液を分析した結果、シクロヘキサノンの濃度は1.1重量%、シクロヘキサノールの濃度は1.4重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの濃度は1.0重量%であった。
シクロヘキサンの転化率は2.9%、シクロヘキサノンとシクロヘキサノール、およびシクロヘキシルヒドロペルオキシドの合計収率は2.4%(選択率83.6%)であった。
【0019】
実施例2
1リットルのガラスオートクレーブに、シクロヘキサン253.0g(3モル)、コバルト含有率8重量%のオクチル酸コバルト(II)0.00032g(0.00000043モル)、ルテニウムアセチルアセトネート(III)0.00010g(0.00000025モル)、シクロヘキサノン0.54g(0.0055モル)およびシクロヘキサノール0.56(0.0056モル)を入れ、窒素雰囲気下、圧力1.05MPa、温度140℃に調整した。この中に、該圧力および温度を維持しながら、酸素濃度5容量%の酸素含有ガスを400ml/分で1時間吹き込んだ。その後、該酸素含有ガスを空気250ml/分に切り替えて徐々に流速を上げて275ml/分とし、切り替えと同時に、コバルト換算で0.10重量ppmのオクチル酸コバルト(II)と、ルテニウム換算で0.10重量ppmのルテニウムアセチルアセトネート(III)と、0.2重量%のシクロヘキサノンおよび0.2重量%のシクロヘキサノールを含むシクロヘキサンを4.5g/分で供給開始し、引き続き上記の圧力および温度を維持しながら供給速度とほぼ等速度で反応液を抜き出して、滞留時間1.0時間で連続的に6時間反応させた。排ガスの平均酸素濃度は0.01容量%未満であった。反応液を分析した結果、シクロヘキサノンの濃度は2.3重量%、シクロヘキサノールの濃度は1.5重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの濃度は0.5%であった。
シクロヘキサンの転化率は4.1%、シクロヘキサノンとシクロヘキサノール、およびシクロヘキシルヒドロペルオキシドの合計収率は3.3%(選択率81.4%)であった。
【0020】
実施例3
1Lガラスオートクレーブに仕込む、コバルト含有率8重量%のオクチル酸コバルト(II)が0.00057g(0.00000078モル)、ルテニウムアセチルアセトネート(III)が0.000020g(0.000000050モル)で、供給する原料中のコバルトとルテニウムの濃度がそれぞれ、0.18ppm、0.02ppmであること以外は、実施例2と同様の方法で反応を行った。
反応液を分析した結果、シクロヘキサノンの濃度は2.2重量%、シクロヘキサノールの濃度は1.5重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの濃度は0.5%であった。
シクロヘキサンの転化率は3.9%、シクロヘキサノンとシクロヘキサノール、およびシクロヘキシルヒドロペルオキシドの合計収率は3.2%(選択率82.8%)であった。
【0021】
実施例4
用いるルテニウム種が、オクチル酸ルテニウムであること以外は実施例2と同様の方法で反応を行った。
反応液を分析した結果、シクロヘキサノンの濃度は2.2重量%、シクロヘキサノールの濃度は1.7重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの濃度は0.4%であった。
シクロヘキサンの転化率は4.1%、シクロヘキサノンとシクロヘキサノール、およびシクロヘキシルヒドロペルオキシドの合計収率は3.3%(選択率81.2%)であった。
【0022】
実施例5
用いるルテニウム種が、塩化ルテニウムであること以外は実施例2と同様の方法で反応を行った。
反応液を分析した結果、シクロヘキサノンの濃度は2.1重量%、シクロヘキサノールの濃度は1.9重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの濃度は0.3%であった。
シクロヘキサンの転化率は4.1%、シクロヘキサノンとシクロヘキサノール、およびシクロヘキシルヒドロペルオキシドの合計収率は3.3%(選択率81.5%)であった。
【0023】
実施例6
用いるルテニウム種が、ビス(イソヘプタジオナト)ノルボルナジエンルテニウムであること以外は実施例2と同様の方法で反応を行った。
反応液を分析した結果、シクロヘキサノンの濃度は2.2重量%、シクロヘキサノールの濃度は1.6重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの濃度は0.3%であった。
シクロヘキサンの転化率は3.9%、シクロヘキサノンとシクロヘキサノール、およびシクロヘキシルヒドロペルオキシドの合計収率は3.2%(選択率81.9%)であった。
【0024】
実施例7
用いるルテニウム種が、ルテノセンであること以外は実施例2と同様の方法で反応を行った。
反応液を分析した結果、シクロヘキサノンの濃度は2.2重量%、シクロヘキサノールの濃度は1.6重量%、シクロヘキシルヒドロペルオキシドの濃度は0.4%であった。
シクロヘキサンの転化率は4.0%、シクロヘキサノンとシクロヘキサノール、およびシクロヘキシルヒドロペルオキシドの合計収率は3.2%(選択率81.4%)であった。
Claims (12)
- コバルト化合物およびルテニウム化合物の存在下、酸素と接触させて酸化させることを特徴とするシクロアルカンの酸化方法。
- コバルト化合物およびルテニウム化合物のCo/Ruの当量比が、1/99〜99/1である請求項1記載の酸化方法。
- コバルト化合物およびルテニウム化合物のCo/Ruの当量比が、50/50〜99/1である請求項1記載の酸化方法。
- コバルト化合物およびルテニウム化合物のCo/Ruの当量比が、80/20〜99/1である請求項1記載の酸化方法。
- コバルト化合物およびルテニウム化合物の合計使用量が、シクロアルカンに対して、0.000001〜0.1モル%である請求項1から4のいずれかに記載の酸化方法。
- コバルト化合物およびルテニウム化合物の合計使用量が、シクロアルカンに対して、0.00001〜0.001モル%である請求項1から4のいずれかに記載の酸化方法。
- 反応温度が70℃から170℃の範囲である請求項1から6のいずれかに記載の酸化方法。
- 反応温度が120℃から160℃の範囲である請求項1から6のいずれかに記載の酸化方法。
- 酸化方法で得られる化合物が、ケトン類、アルコール類、ヒドロペルオキシド類およびカルボン酸類から選ばれる1種以上である請求項1から8のいずれかに記載の酸化方法。
- 酸化方法で原料とするシクロアルカンにシクロアルカノールおよび/またはシクロアルカノンが含まれていてもよい請求項1から9のいずれかに記載の酸化方法。
- 酸化方法で原料とするシクロアルカンが、シクロヘキサンである請求項1から10のいずれかに記載の酸化方法。
- 酸化方法で原料とするシクロアルカンに含まれるシクロアルカノールおよびシクロアルカノンがシクロヘキサノールおよびシクロヘキサノンである請求項1から11のいずれかに記載の酸化方法。
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