JP2004000047A - 高濃度栄養成分を有する玄米粉の製造方法とその加工食品 - Google Patents

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Eiji Tamehisa
為久 英二
Katsuyuki Nakayama
中山 勝之
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Abstract

【課題】微生物汚染がなく、高濃度栄養成分を有する玄米粉の効率的な製造方法と当該玄米粉の提供、及び当該玄米粉を用いた加工食品を提供すること。
【解決手段】玄米を浸漬水に15〜20時間程度浸し吸水させる等、所定の前処理を施した後、蒸気・マイクロ波照射で加熱・滅菌処理し乾燥させた加工玄米を研削式搗精機で外周部の20〜30%を選択的に研削抽出すれば、高濃度栄養成分を有するα化玄米粉の効率的な製造が可能である。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高濃度の栄養成分を有する米粉体の製造に関し、特に玄米(含む、籾米及び胚芽・糠層を有する一分搗き精白米)を浸漬水に数時間以上浸して吸水させ、米粒内の酵素活性化等の作用で各種栄養成分を飛躍的に高める処理(以下発芽前処理と呼ぶ)を施した加工玄米の外周部位のみを選択的に研削抽出することで、高濃度の栄養成分を有する玄米粉を効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
玄米や精白米、所謂米の製粉技術については、種々の製粉方法が紹介されている。例えば、特公平7−100002号公報では、米澱粉の強固な細胞壁組織をマセレイティング酵素(セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ベクチナーゼ等)を作用させて成分を低分子化処理するもの又、特開2000−175636号公報では、有機酸水溶液に浸し米粒中のペクチンの膨潤・溶解を促進させた後、ロール方式・衝撃方式やあるいは気流粉砕方式等で粉末乾燥するものがある。しかし、これらはいずれも小麦粉の100%代替を前提とした米粒の全粒粉砕技術とその製粉応用に関するものである。玄米を製粉化しても全粒粉砕である限り栄養成分と含有量は、例えば100g当たりの玄米粒と比較してほとんど変わらない。
一方、単に玄米(生)を搗精した副産物として生成される栄養成分の豊富な赤糠(粉体)を焙煎等の熱処理する方法は古くから知られているが、これでは玄米に内在する各種酵素の働きで植物種子自身の代謝作用がもたらす栄養成分の増加や吸収性の向上といった、所謂発芽前処理の優れた諸効果を期待することができないのみならず、粉体後における加工作業の難易性も問題がある。
更に、「100%のお米パン」といった小麦粉の100%代替を考えるには、例えば、粒径40μm以下、安息角50度以下、ヌレ特性0.05cm/秒以上といった所謂調理取り扱いに関連しての粉体特性を考慮する必要があり、製品価格的にも問題は大きい。殆どが輸入される小麦を原料に製粉される小麦粉の消費者価格は、キログラム当たり100〜120円程度であるのに対し、米粉は500〜650円と5倍以上も高価で普及の大きな障壁になっていることも事実である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、微生物汚染がなく、高濃度栄養成分、特に脂質・タンパク質・食物繊維を始めミネラル類(カルシウム・リン・鉄・ナトリウム・カリウム等)やビタミン類を全粒の2〜6倍に濃縮した米粉体の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決し、目的を達成するため、本発明は、玄米を一定温度の水に15〜20時間浸漬させて内在酵素の生理活性化作用による所謂発芽前処理を施した後、マイクロ波照射等の熱処理をして乾燥したα化加工玄米を、例えば、研削式回転ロール砥石による精米機を用いこの加工玄米粒の外周約20〜30%(重量比)部位のみを選択的に削り取る手段で高濃度栄養成分の玄米粉体を効率よく製造するとともに、同時に生成される内部部位(α化された搗精米粒または同米粉体)についても高い付加価値を持った副産物として提供できることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
玄米を一定条件、具体的には15〜30℃の水に約15〜20時間(累積)浸漬させることで玄米自身の代謝作用即ち内在する各酵素(例えば、胚芽に含まれるリパーゼ・グルタミン酸脱炭酸酵素や澱粉の分解酵素であるところのα−、β−アミラーゼ等々)の生理活性化作用がもたらす栄養成分の富化及び米粒の軟化を目的として実施する所謂発芽前処理を施した浸漬吸水米に、蒸気・マイクロ波による加熱および滅菌処理をして含水率15%程度に乾燥したα化玄米を、例えば、研削式回転ロール砥石による精米機を用いこの加工玄米粒の外周約20〜30%(重量比)部位のみ選択的に抽出することで高濃度栄養成分を有する玄米粉体の製造をしようとするもので、以下に実施例で詳細に説明する。
【0006】
【実施例】
次に本発明の一実施例について具体的に説明するが、本発明は当然これらに限定されるものではない。
【0007】
予め水洗いした玄米(実験では岡山県産の粳米ヒノヒカリを使用した)を、水温28℃の水に約20時間(累積)浸漬する。尚、必要により途中で1〜2回浸漬水の交換をする。約20時間後浸漬水から玄米を取り出して表面付着水を切り、次いでこの浸漬吸水米を蒸米機に張り込み1.2kgf/cm,103℃の蒸気中で25〜30分間蒸煮する。
【0008】
次に、この蒸米を取り出して解し、厚さ5〜10cm程度に広げマイクロ波(2450MHz)照射装置にて高周波加熱兼滅菌処理を行う。ここでの照射時間は、照射出力が仮に一定であっても被加熱物である蒸米の厚さや含水率によってマイクロ波(電磁波)の浸透度が異なるため、加熱には多少の差が生じうるものの、概ね照射時間は3〜10分間の範囲で最適値を選定すればよい。このようにして蒸煮と高周波加熱処理された玄米粒は、中央部の澱粉層までしっかりとα化される(澱粉の糊化度が90%以上)とともに表面付着の微生物菌も実測値レベルで1グラム当たり10以下迄に滅菌することができる(図1)。
【0009】
更に、これを低温(40℃以下)の除湿空気で含水率15.5%まで送風乾燥させてから金剛ロール砥石(粒度70#)の回転研削式精米機(新中野工業(株)製:RP−5)を用いて米粒の外周部位約30%(重量比)を削り取る。
特にα化し水分を15%程度までに乾燥した加工玄米の米澱粉は、分子構造的にも脆く機械的な衝撃等で米粒が割れ易いので、実験ではロール砥石の回転条件を周速度18〜20m/sec程度に、流量抵抗もできるだけ小さくして加工をした、そして加工玄米120kgを玄米重量が80kgになった時点で研削作業を終了した。又、米粒体と粉体とは振動万石篩(10メッシュ)で分別し更に、粉体内の砕米は20メッシュの篩で約2.2kgを取り出した。尚、具体的な研削加工条件と結果歩留り等は図2に示す。
【0010】
このようにして最終的に抽出された玄米粉は34.7kg(約29%重量比)で、100g当たりの主な栄養成分を全粒粉と対比して分析したものを図3に、又、全粒粉の成分値を100として相対比較したものを図4にそれぞれ示す。
玄米は、精白米に比べてバランスのとれた栄養素を豊富に含んでおり、そしてこれらの栄養成分は、米粒を構成している組織構造に大きく関連し各層部位によって著しく差異のあることは一般に良く知られていることである。例えば、タンパク質は胚乳の表層部に分布頻度が高く、脂質や食物繊維およびビタミン類、ミネラル類(カルシウム・リン・鉄・カリウム等)は、玄米表面に近い外層部の果皮・種皮・澱粉層やサブアリューロン層と呼ばれる所謂糠部に多く分布している。そこでα化した加工玄米の全粒粉も、玄米(生)の発芽前処理で内在酵素の生理活性作用がもたらす栄養成分の富化や米粒内で遊離移散はあるものの、成分分布の頻度や傾向に大きな変化は生じないのではないかと予測してα化玄米の外周部位のみを選択的にかつ慎重に削り取った。このようにして抽出された玄粉体と全粒粉の成分対比は、既に図3、図4で示した通りである。
【0011】
外周部位のみを取り出した玄米粉は、玄米粒の内部部位である澱粉層を物理的に集中して残したことで糖質分は全粒粉の0.6倍(41.9g)と少なく、一方タンパク質は1.7倍、ビタミンB1は3.7倍、脂質は4.5倍、食物繊維においては5.6倍に、またカルシウム・リン・鉄等のミネラル類も全粒粉に対して3〜4倍以上に濃縮され抽出できていることが図3、図4の成分比較から判明できる。
【0012】
【発明の効果】
本発明による高濃度栄養成分を有する玄米粉は、一般の玄米全粒粉に比べて糖質(炭水化物)は約40%程度少ないにも拘らず100g当たりの熱量(エネルギー)比較では、ほとんど変わらない329Kcalで、しかもその他の栄養成分は3〜4倍以上に強化できるものであり従来技術の課題解決において、特にパン・麺類等の小麦粉に混ぜて使用する場合には約30%程度を配合使用することで100%玄米粉使用と同等以上の栄養成分を期待することができる。
一方、粉代(材料費)についても、現在米粉が500〜650円/kgであるのに対し実質的には2分の1以下の260〜270円/kgも可能であり、米粉の応用と普及拡大に大きな効果を期待することができる。又副産物として発生する内部部位は、α化処理された低タンパク質米として酒造用に、あるいは腎臓病疾患、特に慢性腎不全患者でタンパク質・リン・カリウム等の摂取制限を受けている方の食事療法に、更にはアトピー性皮膚炎を引き起こす米アレルギー患者に対する低アレルゲン米といった機能性食品として利用することも充分に可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】α化加工玄米の細菌数検査結果を示す図である。
【図2】玄米粉の抽出処理条件と歩留まり等を示す図である。
【図3】全粒粉と本発明による抽出玄米粉(外部30%)との成分を分析した結果を示す図である。
【図4】抽出玄米粉(外部30%)の成分値を全粒粉と相対比較して示した図である。

Claims (3)

  1. 玄米または、胚芽及び糠層を有する一分搗精米を浸漬水に数時間以上浸して吸水させる等、所定の前処理を施した後、蒸気・マイクロ波照射または煮沸等で加熱並びに滅菌処理し、これを乾燥してなる加工玄米を、例えば研削式搗精機を用いて外周部位の米粉体と内部部位の米粉体または米粒体とに選択的に削り分けることを特徴とする高濃度栄養成分を有する玄米粉の製造方法。
  2. 籾米を浸漬水に数時間以上浸して吸水させる等、所定の前処理を施した後、蒸気・マイクロ波照射または煮沸等で加熱並びに滅菌処理し、これを乾燥してなる加工籾米を更に脱籾殻処理し、例えば研削式搗精機を用いて外周部位の米粉体と内部部位の米粉体または米粒体とに選択的に削り分けることを特徴とする高濃度栄養成分を有する玄米粉の製造方法。
  3. 請求項1、または2記載の製造方法による玄米粉及びこれを加工して得られる加工食品。
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