JP2004000044A - 酵母入り発酵麦芽飲料 - Google Patents

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田山 智広
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伊藤 俊哉
Setsuzo Tada
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Abstract

【課題】壜若しくは缶等の飲料容器に充填された発酵麦芽飲料において、酵母を存在させて、酵母入り発酵麦芽飲料特有の香味を付与すると共に、飲料容器に充填後の酵母による発酵等の反応を実質的に抑制し、香味の変化を防止した酵母入り発酵麦芽飲料を提供すること。
【解決手段】壜若しくは缶等の飲料容器に充填するビールもしくは発泡酒等の発酵麦芽飲料において、飲料容器に充填する製品発酵麦芽飲料を、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が1%未満であるような発酵度に調整し、かつ存在させる酵母が10〜10cells/mlになるように調整することにより、酵母による発酵を完全に抑制し、飲料容器に充填後の香味の変化を防止する。本発明の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料は、好ましくは低温流通に供される。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、壜若しくは缶等の飲料容器に充填・密封された酵母入り発酵麦芽飲料、及びその製造方法、流通方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料は、壜や缶のような飲料容器に充填され、密封されて、製品のビール若しくは発泡酒として製造され、流通に供されている。これらの発酵麦芽飲料の多くは、酵母により発酵され、そして、その後、貯蔵工程を経た後、残存する酵母を、ろ過により除去し(必要により低温殺菌して)、実質的に生きた酵母の存在しない状態で製品化されている。
一方、壜や缶のような飲料容器に充填された発酵麦芽飲料の中で、ビールのような発酵麦芽飲料を酵母と共に摂食するために、製品中に酵母を存在させ、酵母入り発酵麦芽飲料として販売に供されているものもある。しかし、殆どの商品が流通若しくは保管の過程で、酵母は死滅し、酵母が生きたまま存在する製品はごくまれにしか見られない。製品中に酵母を生きたまま存在させるために、製品ビールとしての発酵が実質的に終了している状態に達する前のビールに酵母を添加して、最終的な発酵を壜などの飲料容器内で行わせ、特徴のある香味のビールを製造することを目的としているものもある。しかしながら、このような酵母入り発酵麦芽飲料においては、その流通過程において、飲料容器内で生存する酵母により、製品発酵麦芽飲料内の各種成分に変化を生ずることが避けられないことから、その味の保持や賞味期限の延長に、制約を抱えているのが現状である。
【0003】
他方、ビールや発泡酒のような発酵麦芽飲料においては、壜や缶等の密封飲料容器中における香味の変化が、容器中に残存する酸素によって引き起こされるという問題がある。このような飲料容器中の酸素による酸化を防止するために、従来、飲料容器への発酵麦芽飲料の充填に際して、容器中への空気の混入を極力排除する手段を講じたり、或いは酸化防止剤としてアスコルビン酸などを添加する方法が考えられてきた。近年、このような飲料容器中の酸素による酸化を防止するために、発酵が終了したビールを壜や缶等に充填する前に、新たに酵母及び麦芽汁を添加し、容器中の酸素を消費させ、充填後24時間以内に低温殺菌により酵母を死滅させるような方法が提案されている(特開平9−224636号公報)。また、容器に充填されたビールの、容器内の酸素の酸化作用による香味の変化を防止するために、実質的に発酵が終了しているビールに、麦汁を添加することなく、酵母を添加して容器内の酸素を消費させ、酸素の酸化作用による香味の経時的変化を防止する方法が提案されている(特開昭63―36771号公報)。
【0004】
しかしながら、前者においては、酵母とともに、麦芽汁を添加するため、酵母による発酵が起こり、飲料容器充填の際の香味が変化することが避けられず、また、後者においては、実質的に発酵が終了しているビールといっても、具体的には外観最終発酵度(発酵が進んで発酵性の糖分がすべて消費されている状態)とその外観発酵度との差が1%未満まで達しない発酵度のものが使用されていたため、酵母濃度が高くなると飲料容器充填後の多少の酵母の発酵は避けられず、更なるアルコールの生成、香味成分の生成、炭酸ガスの発生などにより、ビールの容器充填時の香味を維持するということが幾分難しくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、壜若しくは缶等(プラスチック製の壜や、壜形の缶も含まれる)の飲料容器に充填されたビールもしくは発泡酒等の発酵麦芽飲料において、酵母を存在させて、酵母入り発酵麦芽飲料特有の香味を付与し、かつ、視覚的にも酵母の存在を確認でき、しかも、飲料容器に充填後の酵母による発酵等の反応を実質的に抑制し、飲料容器に充填後の香味の変化を防止し、充填時の品質を維持させた酵母入り発酵麦芽飲料、及びその製造方法、流通方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために鋭意研究の結果、壜若しくは缶等の飲料容器に充填するビールもしくは発泡酒等の発酵麦芽飲料において、飲料容器に充填する製品発酵麦芽飲料を、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が1%未満であるような発酵度に調整し、かつ存在させる酵母が10〜10cells/mlになるように調整することにより、上記課題、即ち酵母を存在させて、酵母入り発酵麦芽飲料特有の香味を付与し、かつ、視覚的にも酵母の存在を確認でき、しかも、飲料容器に充填後の酵母による発酵等の反応を実質的に抑制し、飲料容器に充填後の香味の変化を防止し、充填時の新鮮な品質を維持させた酵母入り発酵麦芽飲料を製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。本発明の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料は、好ましくは低温流通に供されるものである。
【0007】
すなわち本発明は、製品発酵麦芽飲料として、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が1%未満であるように調整され、存在させる酵母が10〜10cells/mlになるように調整された密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料(請求項1)や、製品発酵麦芽飲料として、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が0.5%以下であるように調整されていることを特徴とする請求項1記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料(請求項2)や、小麦麦芽又は小麦麦芽エキスを発酵麦芽飲料製造原料の一部に用いたことを特徴とする請求項1又は2記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料(請求項3)や、発酵麦芽飲料が、上面発酵ビール酵母を用いて発酵・調製されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料(請求項4)や、発酵麦芽飲料が、ビール若しくは発泡酒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料(請求項5)や、製品発酵麦芽飲料として低温流通に供されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料(請求項6)や、密封飲料容器が、壜又は缶であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料(請求項7)からなる。
【0008】
また本発明は、製品発酵麦芽飲料として、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が1%未満となるように調整し、かつ存在させる酵母を10〜10cells/mlになるように調整した製品発酵麦芽飲料を、飲料容器に充填し、密封することを特徴とする、密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料の製造方法(請求項8)や、製品発酵麦芽飲料として、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が1%未満となるように調整され、かつ存在させる酵母が10〜10cells/mlになるように調整された貯蔵工程の発酵麦芽飲料を濾過処理を行うことなく、そのまま飲料容器に充填し、密封したことを特徴とする請求項8記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料の製造方法(請求項9)や、製品発酵麦芽飲料として、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が1%未満となるように調整し、かつ存在させる酵母を10〜10cells/mlになるように調整した製品発酵麦芽飲料を、飲料容器に充填・密封して密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料を製造し、該発酵麦芽飲料を低温流通に供することを特徴とする密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料の製造・流通方法(請求項10)からなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、製品発酵麦芽飲料として、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が1%未満であるように調整され、存在させる酵母が10〜10cells/mlになるように調整された密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料からなる。ここで、外観発酵度とは、(発酵前の麦汁糖度―発酵後の糖度)/発酵前の麦汁糖度で示めされる。外観最終発酵度とは、試料(発酵麦芽飲料)に更に酵母を添加して更なる発酵をさせた際に、発酵性の糖分が全て消費されている状態の外観発酵度である。従って、外観最終発酵度と外観発酵度の差が0であるときは、発酵性の糖分が全て消費されていることを意味するから、発酵に用いた酵母を添加しても更なる発酵は起こらない。本発明においては、外観発酵度が、製品発酵麦芽飲料として、外観最終発酵度と外観発酵度の差を1%未満、特に好ましくは0.5%以下に調整される。また、本発明においては、発酵麦芽飲料を飲料容器に充填するに際して、存在させる酵母を10〜10cells/mlになるように調整される。
【0010】
本発明においては、壜若しくは缶容器に充填する発酵麦芽飲料を、上記のような外観発酵度に調整し、かつ飲料容器に存在させる酵母を上記のような濃度に調整することにより、酵母入り発酵麦芽飲料特有の白色の曇りのあるクリーミーな泡立ちをもたらすことと、まろやかなコク味からなる香味を付与し、かつ、視覚的にも酵母の存在を確認できる程度であって、しかも、充填時の香味が維持される壜若しくは缶容器充填酵母入り発酵麦芽飲料を提供することができる。そして、本発明においては、飲料容器充填時に生存する酵母はその生存保持を可能にし、しかも生存する酵母の発酵等の反応を実質的に抑制し、飲料容器充填後の香味の変化を防止し、充填時の新鮮な品質を維持させた酵母入り発酵麦芽飲料とすることができる。
すなわち、本発明では、外観最終発酵度と外観発酵度の差を1%未満、好ましくは0.5%以下という外観発酵度としているので、視覚的に酵母の存在を確認できる程度の酵母、10〜10cells/mlの酵母を存在させても、酵母による更なる発酵が起こり難く、アルコール生成、炭酸ガスの発生などが殆ど起こらない。
【0011】
本発明においては、発酵麦芽飲料を飲料容器に充填するに際して、存在させる酵母を10〜10cells/mlになるように調整される。したがって、発酵麦芽飲料は、主発酵が終了すると、その発酵液は貯蔵タンクに移され、貯蔵工程に付されるが、その貯蔵工程ではなお酵母が貯蔵液中に存在するので、その酵母を10〜10cells/mlになるように調整すれば、貯蔵工程終了後の発酵麦芽飲料をそのまま壜若しくは缶容器に充填し、製品とすることができる。なお、その際同時に存在する蛋白質若しくはペプチド或いはポリフェノール等からなるコロイダルな成分を含有することがあるが、それらの成分の混入を妨げない。むしろ該成分の存在により、目視での酵母による白い曇りを助長するような効果がある。また充填の際、もし、酵母濃度が10cells/mlに満たない場合は、主発酵で回収した酵母或いは貯蔵タンク沈殿酵母もしくは別途培養増殖した酵母を添加することで補うことが可能である。
【0012】
本発明では、本発明の発酵麦芽飲料の原料として、麦芽(大麦麦芽)の一部を小麦麦芽に換えたものを好適に用いることができる。小麦麦芽は、ビールに小麦ビール特有の爽やかな香味を付与し、本発明の酵母入り発酵麦芽飲料に特に適合した発酵麦芽飲料を提供する。更に、発酵に用いる酵母を上面発酵酵母とすると、より小麦麦芽ビールとしての特有の香味を有する。また、貯蔵工程での酵母の浮遊性を高め、そのまま壜もしくは缶容器へ充填しても高い酵母濃度を維持できる。
本発明において、小麦麦芽を、原料麦芽に用いたものは、特に好ましい。小麦麦芽の割合は好ましくは大麦麦芽に対して、20〜60%置換して使用する。もちろん大麦麦芽、小麦麦芽ともに、該麦芽を予め可溶化したエキスとしたものを一部又は全部に用いても良い。
【0013】
本発明では、壜もしくは缶容器に充填したものを低温流通(チルド流通)により市場で扱うことが好ましい。特に、10℃を超えないような温度で流通させることが好ましい。市場に滞留する期間が長くなり、比較的高温に置かれることがあると、発酵に用いた酵母を加熱殺菌処理など行なわずに10〜10cells/ml存在させているので、成分との更なる発酵は抑制できるが、酵母が死滅し、自己消化等による香味変化が避けられない。それを避けるために、壜もしくは缶容器に充填した該飲料を、低温で流通する系に載せると長期に充填直後の品質を維持できる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
実施例1 小麦麦芽使用比率を変えて調製した酵母入りビール
本発明で、測定される発酵度、最終発酵度、並びに諸成分については、Methods of Analysis of the ASBC(issued 1992)に準拠して行なった。外観発酵度(AA:Apparent Attenuation)は、(原麦汁エキスー外観エキス)×100/原麦汁エキス で算出されるが、外観最終発酵度は、500ml三角フラスコに試料(ビール)を200ml入れ、圧搾酵母1gを添加して混合後、25℃で2日間発酵させた後、その外観エキスを測定し、外観発酵度を算出する。その時の発酵度が外観最終発酵度(AAL:Apparent Attenuation Limit)となる。
なお、迅速法として、圧搾酵母15g、攪拌20℃×1日間発酵を併用した。
【0015】
本実施例では、2KLパイロットプラントを用いて、小麦麦芽を大麦麦芽の一部に用いる態様を紹介しているので、小麦麦芽の使用比率(例えば小麦麦芽使用比率20%は大麦麦芽:小麦麦芽=80:20を示す)を変化させて麦汁からビールを調製した。大麦麦芽及び小麦麦芽のオールモルト仕込みとして、麦汁を調製した。ホップ添加―麦汁煮沸工程を経て、冷却後発酵に供した。発酵は、上面発酵ビール酵母を用いて、14〜18℃の比較的高温発酵を行なった。貯蔵工程のビールを壜にそのまま(濾過及び低温殺菌を行なうことなく)充填した。
それらのビールの成分及び官能試験結果を表1、表2に示す。なお、官能検査を行なう際には、通常のオールモルトビール(ラガータイプ)を対象に用い、パネルN=5によるプロファイル法により香味の特徴を評価した。
以下の表から明らかなように、本発明のものは、白色の微細な曇りがあり、クリーミーな泡立ちと、まろやかなコク味のあるビールとなった。また、小麦麦芽の使用により、爽やかな香りのビールが得られた。
【0016】
【表1】
Figure 2004000044
【0017】
【表2】
Figure 2004000044
【0018】
実施例2 外観最終発酵度(AAL)−外観発酵度(AA)(%)を変化させた時の充填後のビールの安定性
実施例1と同様に調製したビール(AAL−AA=0、酵母濃度レベル4〜6×10cells/ml)について、マルトースを添加し、AAL−AA(%)を、1.3%、3.9%、7.7%とした壜充填ビールを作製した。これを、20℃で、14日間保存し、更なる発酵の有無を調べた。結果を表3に示す。本発明のビール(試験区7)は、14日間の保存の後もCOの増加はなく、発酵が起こらなかったが、対照例(試験区8〜10)は、7日目、14日目とCOの増加(%)が起こり、発酵が起こった。表3の結果から、AAL−AA(%)が、1%を超えると、更なる発酵が起こり、炭酸ガスが上昇し、充填時の品質が変化してくる。理論上は、エキス1%が全て発酵性糖分とすると、炭酸ガス含量は、0.04w/w%上昇するが、実際の場合、これより低くなる。従って、充填時からの更なる発酵を抑制するためには、若干の炭酸ガスの生成を許容するとしても、AAL−AA%は、1%未満とすることが望ましい。より好ましくは0.5%以下とする。
【0019】
【表3】
Figure 2004000044
【0020】
実施例3 保存温度による香味の劣化
AAL−AA=0(%)について、保存温度を10℃、20℃とし、香味の劣化を酸化臭を指標に経時変化をみた。結果を表4に示す・また、AAL−AA=7(%)ついては、保存温度を10℃、20℃、30℃として、香味の劣化を酸化臭を指標にみた。結果を表5に示す。酸化臭の程度は、強さの程度を0〜5で評価した。
表4、表5の結果から、20℃の保存温度では、酸化臭はあまり問題にならず、10℃では全く問題とならない。一方、30℃になると、酸化臭が強くなる。温度による酸化の加速に対して、酵母の活性が低下もしくは酵母が死滅して酵母によって製品を還元的な状態に維持することが困難になったためと考えられる。従って、壜もしくは缶容器への充填後は、20℃を超えないように流通させることが好ましく、特に10℃以下がより好ましい。従って、低温流通(チルド流通)は保存変化が少なくより好ましい。
【0021】
【表4】
Figure 2004000044
【0022】
【表5】
Figure 2004000044
【0023】
8.発明の効果
本発明により、壜若しくは缶等の飲料容器に充填されたビールもしくは発泡酒等の発酵麦芽飲料において、酵母を存在させて、酵母入り発酵麦芽飲料特有の香味を付与することができ、かつ、視覚的にも酵母の存在を確認できる程度の酵母の存在を保持することができ、しかも、飲料容器に充填後の酵母による発酵等の反応を実質的に抑制し、飲料容器に充填後の香味の変化を防止し、充填時の品質を維持させた酵母入り発酵麦芽飲料を提供することが可能となる。更に、本発明は、本発明の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料の特性を保持した製品の流通方法を提供するものである。

Claims (10)

  1. 製品発酵麦芽飲料として、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が1%未満であるように調整され、存在させる酵母が10〜10cells/mlになるように調整された密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料。
  2. 製品発酵麦芽飲料として、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が0.5%以下であるように調整されていることを特徴とする請求項1記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料。
  3. 小麦麦芽又は小麦麦芽エキスを発酵麦芽飲料製造原料の一部に用いたことを特徴とする請求項1又は2記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料。
  4. 発酵麦芽飲料が、上面発酵ビール酵母を用いて発酵・調製されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料。
  5. 発酵麦芽飲料が、ビール若しくは発泡酒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料。
  6. 製品発酵麦芽飲料として低温流通に供されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料。
  7. 密封飲料容器が、壜又は缶であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料。
  8. 製品発酵麦芽飲料として、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が1%未満となるように調整し、かつ存在させる酵母を10〜10cells/mlになるように調整した製品発酵麦芽飲料を、飲料容器に充填し、密封することを特徴とする、密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料の製造方法。
  9. 製品発酵麦芽飲料として、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が1%未満となるように調整され、かつ存在させる酵母が10〜10cells/mlになるように調整された貯蔵工程の発酵麦芽飲料を濾過処理を行うことなく、そのまま飲料容器に充填し、密封したことを特徴とする請求項8記載の密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料の製造方法。
  10. 製品発酵麦芽飲料として、その外観発酵度が、外観最終発酵度と外観発酵度の差が1%未満となるように調整し、かつ存在させる酵母を10〜10cells/mlになるように調整した製品発酵麦芽飲料を、飲料容器に充填・密封して密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料を製造し、該発酵麦芽飲料を低温流通に供することを特徴とする密封飲料容器充填酵母入り発酵麦芽飲料の製造・流通方法。
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