JP2002253198A - 清酒およびその製造方法 - Google Patents

清酒およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002253198A
JP2002253198A JP2001054509A JP2001054509A JP2002253198A JP 2002253198 A JP2002253198 A JP 2002253198A JP 2001054509 A JP2001054509 A JP 2001054509A JP 2001054509 A JP2001054509 A JP 2001054509A JP 2002253198 A JP2002253198 A JP 2002253198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactic acid
sake
producing
fermentation
yeast
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001054509A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3525115B2 (ja
Inventor
Yasukazu Tanabe
能一 田邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NAKANO SHUZO KK
Original Assignee
NAKANO SHUZO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NAKANO SHUZO KK filed Critical NAKANO SHUZO KK
Priority to JP2001054509A priority Critical patent/JP3525115B2/ja
Publication of JP2002253198A publication Critical patent/JP2002253198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3525115B2 publication Critical patent/JP3525115B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 清酒に爽快な酸味を付与するための乳酸を、
発酵によって選択的に、かつ短時間で生成させると共
に、乳酸発酵後、乳酸生成菌は清酒酵母により速やかに
淘汰され、アルコール発酵が健全に行われ、酒質に悪影
響を与えない清酒の製造方法を確立すること。 【解決手段】 米糖化液に乳酸生成酵母を接種し、発酵
させて乳酸含有米糖化液を得、該乳酸含有米糖化液を醪
に添加して発酵を行うことを特徴とする清酒の製造方法
並びに当該方法で得られたアルコール濃度が5〜10%
である清酒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、清酒およびその製
造方法に関する。更に詳しくは、乳酸生成酵母を用いて
発酵させて得た乳酸発酵液を醪に添加して発酵を行うこ
とにより清酒を製造する方法および該方法により得られ
た清酒、とりわけ発泡性の低アルコール清酒に関する。
【0002】
【従来の技術】古来より親しまれている清酒には様々な
タイプのものがあり、飲用のしかたも多用になってきて
いる。しかし、料理、特に肉料理との相性を意識した食
中の飲酒に適する清酒の開発については未だ十分とは言
えない。この清酒については、コクと旨味を併せ持つ爽
快な酸味を付与する必要があり、そのために清酒に含ま
れる有機酸のうち、特に乳酸の含量を増強する方法が提
案されている。清酒において、乳酸の酸味を増強する方
法としては、大別すると、(1)食品添加物である乳酸
を添加する方法、(2)乳酸菌を用いて乳酸を生成させ
る方法、(3)変異処理等により有機酸の生成能を改善
した変異酵母を用いて乳酸等の有機酸を生成させる方法
がある。
【0003】上記(1)の乳酸を添加して酒質を改良す
る方法は、飲食品に対する消費者の無添加志向の高まり
がある上に、清酒本来の風味が損なわれる恐れがあると
いう点においても好ましくない。また、(2)の方法と
しては、例えば特開昭49−94900号公報、同61
−58574号公報、同64−74976号公報などに
記載の方法がある。これらの方法では、仕込み時に乳酸
菌を加えて乳酸を生成させているが、仕込み初期の雑菌
汚染防止と乳酸菌の増殖を図るため、仕込み温度を通常
よりも高温(例えば50〜60℃)に設定している。そ
のため、乳酸菌として耐熱性乳酸菌を選択する必要があ
り、さらに高温での温度管理が必要であるため、醪を高
温にさらすこととなり、最終的に酒質に悪影響を与え
る。その上、実用時には、エネルギーコストが高くなる
という問題がある。一方、特開平11−46748号公
報には、山廃酒母より分離した乳酸菌を用いて乳酸を生
成させる方法が提案されており、この方法では通常の仕
込み温度で乳酸を生成させることが可能である。しか
し、酒母の育成工程を要することから、目標とする酸度
まで乳酸を生成させるのに約10〜14日という長時間
を必要とし、雑菌汚染の面で問題がある。さらに、実用
上、生産効率の点でも課題が残されている。
【0004】次に、(3)の方法については、例えば特
開平11−46757号公報や同10−225289号
公報に記載されている変異酵母を用いて乳酸を生成する
方法では、発酵により乳酸の他にリンゴ酸も生成する。
このリンゴ酸は、爽やかな酸味を呈するが、コク、深み
といった味わいに欠け、食中酒としては物足りない清酒
が得られる。しかも、変異酵母を取得する操作が煩雑
で、目的に適う変異酵母を分離、取得することが困難で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
上記の諸問題を解決するために必要な方策について検討
し、以下の条件を満足する清酒の製造方法の確立が必要
であると考えた。 (a)清酒の安全発酵のため、所望により添仕込み時に
少量使用する乳酸以外は乳酸を添加しないで、発酵によ
って乳酸を生成させること。 (b)乳酸発酵は、酒質に悪影響を与えない範囲の温度
帯で実施すること。 (c)生産効率、雑菌汚染防止の両面から、なるべく短
時間で乳酸を生成させること。 (d)他の有機酸の生成を抑え、乳酸のみを特異的に増
強させること。 (e)乳酸発酵後、乳酸生成菌は清酒酵母により速やか
に淘汰され、アルコール発酵が健全に行われ、酒質に悪
影響を与えないこと。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、乳酸生成
菌として高濃度に乳酸を生成する能力を有する酵母、サ
ッカロミセス・ベローネ(Saccharomyces veronae)
LKB339(以下、LKB339株と略記することが
ある。)を選択し、特定の条件下に乳酸発酵を行わせる
ことにより、上記の課題が解決できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】請求項1記載の本発明は、米糖化液に乳酸
生成酵母を接種し、発酵させて乳酸含有米糖化液を得、
該乳酸含有米糖化液を醪に添加して発酵を行うことを特
徴とする清酒の製造方法である。請求項2記載の本発明
は、乳酸生成酵母が、サッカロミセス・ベローネ LK
B339(FERM P−13648)である請求項1
記載の清酒の製造方法である。請求項3記載の本発明
は、乳酸含有米糖化液を添加した後の醪のアルコール濃
度が1〜10%となるように乳酸含有米糖化液を醪に添
加する請求項1記載の清酒の製造方法である。請求項4
記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の方法
で製造された、アルコール濃度が5〜10%である清酒
である。請求項5記載の本発明は、清酒が、発泡性清酒
である請求項4記載の清酒である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、乳酸生成菌とし
て選択した上記サッカロミセス・ベローネLKB339
株は、樹液から分離された野性酵母であり、乳酸生産能
を有することが見出された。
【0009】現在までの知見によれば、サッカロミセス
属酵母を含む他の酵母の中でLKB339株程、高濃度
に乳酸を生成する菌株は知られていない。しかも、サッ
カロミセス属酵母は、ビール、清酒、ワイン等の醸造に
古来より使用されているものであり、安全性の面からも
問題がない。
【0010】LKB339株は、増殖適温が20〜35
℃、好ましくは30℃前後であり、室温に近い温度で仕
込みの温度管理が可能である。そのため、エネルギーコ
ストが安い。しかも、醪を高温にさらす必要がないた
め、酒質に悪影響を与えない。本発明者らは、清酒の製
造において、乳酸生成菌としてLKB339株を使用す
るにあたり、糖化酵素を使用して糖化した米糖化液にL
KB339株を接種して乳酸発酵を行ったところ、約2
4時間で目標とする滴定酸度2.0以上まで上昇させる
ことができることを知見した。
【0011】また、酒造工程中に発見される乳酸菌であ
るラクトバチルス・サケを同一条件で培養して得た乳酸
含有米糖化液の乳酸濃度と比較した場合、LKB339
株は乳酸の生成量が約5倍であり、その上、乳酸以外の
有機酸の生成量は僅かであることから、本菌を用いるこ
とにより乳酸を特異的に増強できることが判明した。
【0012】さらに、乳酸生成酵母としてLKB339
株を使用しても、従来法により乳酸を生成させた後、清
酒酵母を添加してアルコール発酵を行うと、乳酸生成酵
母が清酒酵母により淘汰され、消失するのに時間がかか
り、結果的に酒質に悪い影響を与える。そこで、本発明
では、乳酸生成酵母LKB339株による乳酸発酵と清
酒酵母によるアルコール発酵を別々の容器を用いて行
い、乳酸発酵により得た乳酸を高濃度に含む米糖化液
を、アルコール発酵により得たアルコール濃度が高い醪
に添加する方法を採用した。その結果、アルコール濃度
が高い醪には大量の清酒酵母が存在するため、乳酸生成
酵母は短時間で醪中の清酒酵母により淘汰されることが
明らかとなった。特に、清酒酵母でアルコール発酵を行
って得た、アルコール濃度が2%以上、好ましくは4〜
20%の醪に対し、高濃度乳酸含有米糖化液を所定の割
合で添加した場合、乳酸生成能を有するLKB339株
は速やかに淘汰される。醪に対する乳酸含有米糖化液の
添加量は、添加後の醪のアルコール濃度が1〜10%と
なるようにすれば良く、通常は醪の容量の1〜4倍程度
の高濃度乳酸含有米糖化液を添加することが適当であ
る。
【0013】なお、醪の製造は常法により行えばよく、
乳酸含有米糖化液を添加した後の醪の発酵も同様に常法
に従って実施すればよい。上記したように、本発明の方
法によれば、乳酸を生成させるために用いたLKB33
9株は、乳酸を高濃度に含む米糖化液を醪に添加した場
合、醪中で速やかに死滅するので、醪中での酸度上昇を
考慮する必要がなく、清酒製品の規格酸度に適合させる
ことが容易である。
【0014】本発明に係る清酒は、特に限定はされない
が、発泡性の低アルコール清酒が好ましいものである。
発泡性清酒の製造は常法により行えばよく、例えば前記
原料を用い、密閉容器内でアルコール発酵を行い、発酵
過程で生成する炭酸ガスを醪中へ溶け込ませて目的とす
るガス圧になった時点で火入れ殺菌を行う方法が挙げら
れる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって詳しく説明
するが、本発明はこれらによって制限されるものではな
い。 試験例1 米麹に水と清酒酵母(K−701号株)を添加し、アル
コール発酵を行っている醪に、サッカロミセス・ベロー
ネ LKB339株(FERM P−13648)を用
いて24時間乳酸発酵を行って得た乳酸含有米糖化液の
所定量を添加し、添加後の醪のアルコール濃度が0〜1
0%となるように調製した。この醪と乳酸含有米糖化液
の混合液での清酒酵母とLKB339株の菌数の動向を
TTC染色法(農芸化学会誌、37、398−403、
(1963))により調べた。結果を第1表に示す。表
中の「10未満」は測定不可能を意味する。
【0016】
【表1】第1表(その1)アルコール濃度0%の場合
【0017】
【表2】第1表(その2)アルコール濃度0.5%の場
【0018】
【表3】第1表(その3)アルコール濃度1.0%の場
【0019】
【表4】第1表(その4)アルコール濃度2.0%の場
【0020】
【表5】第1表(その5)アルコール濃度3.0%の場
【0021】
【表6】第1表(その6)アルコール濃度5.0%の場
【0022】
【表7】第1表(その7)アルコール濃度10.0%の
場合
【0023】第1表から明らかなように、乳酸含有米糖
化液添加後の醪のアルコール濃度が0%の場合、LKB
339株の菌数は醪への添加前は7.0×10個/mLで
あったが、添加後6日経過しても依然として3.2×10
個/mL存在した。醪のアルコール濃度が0.5%の場
合、LKB339株の菌数は添加前は7.0×10個/m
Lであったが、添加後から減少し、5日間経過した時点
で2.2×10個/mL、6日目には10未満となった。
また、醪のアルコール濃度が1.0%の場合、醪へ添加
前にLKB339株の菌数は1.2×10個/mLであっ
たが、2日目には8.0×10個/mLに減少し、3日目
には10未満となった。醪のアルコール濃度が2.0%
の場合は、醪へ添加前にLKB339株の菌数は4.8×1
0個/mLであったが、2日目には1.0×10個/mL
に減少し、3日目には10未満となった。醪のアルコー
ル濃度が3.0%の場合、LKB339株を添加して1
日目に10未満となった。同様に、醪のアルコール濃度
が5.0%及び10.0%の場合も、LKB339株を
添加して1日目に10未満となった。
【0024】したがって、乳酸含有米糖化液添加後の醪
のアルコール濃度が1%以上10%以下となるように乳
酸含有米糖化液を醪に添加すれば、LKB339株は清
酒酵母によって速やかに淘汰されるので、醪中での酸度
上昇を考慮する必要がなく、製品の規格酸度に適合させ
ることが容易である。
【0025】実施例1 図1に示した工程により発泡性低アルコールにごり清酒
を製造した。まず、第2表に示した配合で仕込みを実施
した。すなわち、タンク内の水670Lに50%乳酸1
0kgを添加し、これに清酒酵母である協会701号酵
母及び米麹500kgを加え、13〜15℃程の温度で
醪を仕込んだ。仕込み後、約6日目に別のタンクに米1
400kgと水2800Lを加え、さらに糖化酵素を添
加して1日糖化させた。糖化終了後、米糖化液を30〜
35℃まで冷却し、乳酸生成酵母であるサッカロミセス
・ベローネ LKB339株(FERM P−1364
8)を添加した。その後、米糖化液を30℃で20〜2
4時間発酵させた。22時間後の有機酸生成量を調べた
ところ、乳酸は155.39mg/100mLであり、
クエン酸6.98mg/100mL、リンゴ酸3.28
mg/100mL、コハク酸1.38mg/100m
L、酢酸4.67mg/100mLであった。
【0026】このようにして得られた乳酸含有米糖化液
(滴定酸度2.0〜3.0)を、別途調製した仕込み後
約8日目の醪(清酒酵母として協会 K-701号株を使用)
に加えた。この時点での醪のアルコール濃度は2.0〜
3.0%、滴定酸度は4.0〜5.0であった。乳酸含
有米糖化液を添加した醪の発酵をさらに続け、仕込み後
約15日目に仕込み温度が5℃となるように冷水333
0Lを加えた。得られた醪を12メッシュの金網で漉し
て濁り液を得た。この濁り液のアルコール濃度が6.0
%であることを確認してから、容量8500Lの圧力タ
ンクに移動し、密閉した後、後発酵させた。このように
して、発酵中に生じた炭酸ガスが醪に封入された発泡性
低アルコールにごり清酒醪を得た。このようにして得た
発泡性低アルコールのにごり清酒醪を常法により耐圧瓶
に充填した。充填後、瓶詰め製品は火入れ殺菌を行い、
乳酸の増強された発泡性低アルコールのにごり清酒を得
た。
【0027】
【表8】第2表 仕込み配合
【0028】比較例1 仕込みは2段とし、第3表に示した配合で総米1380
kgの純米仕込みを実施した。1次仕込みは、タンク内
の水800Lに米麹180kg、蒸米370kgを加
え、高温糖化酒母育成法により糖化した後、30℃まで
冷却し、乳酸添加は行わず、乳酸生成酵母であるLKB
339株(FERM P−13648)を0.5kg添
加した。この時点で、LKB339株は2.8×10
個/mL存在した。その後、30℃で3日間乳酸発酵さ
せた。1次仕込み終了後、4日目に乳酸発酵を行った醪
の温度を15℃まで冷却し、清酒酵母である協会701
号酵母1.4kgを添加した。この時点で、協会701
号酵母は2.1×10個/mL存在した。同時に、米
麹90kg、蒸米740kg及び水1100Lを加え、
2次仕込みとした。その後は清酒醸造法に準じて発酵さ
せた。なお、発酵中におけるLKB339株並びに清酒
酵母の動向をTTC染色により確認した。結果を第4表
に示す。
【0029】
【表9】第3表 仕込み配合
【0030】
【表10】第4表 清酒醸造試験
【0031】サッカロミセス・ベローネ LKB339
株(FERM P−13648)を2.8×10個/
mL添加した場合、4日目に菌数は1.2×10個/
mLに増加し、滴定酸度は6.0まで上昇した。この時
点で清酒酵母を2.1×10 個/mLになるように添
加した。その後、清酒酵母は次第に増殖し、菌数が増加
した。これに対して、LKB339株は8日目まで菌数
が増加し、9日目以降は次第に減少した。しかし、清酒
酵母添加後、9日間経過してもLKB339株は依然と
して3.4×10個/mL残っていた。
【0032】得られた清酒の酒質を官能検査により評価
したところ、香味が良くなく、特に渋味が強く残ること
が分かった。この原因は、LKB339株が増殖してい
る醪に清酒酵母を添加するため、清酒酵母が増殖して優
勢となり、LKB339株が清酒酵母によって淘汰され
るのに時間がかかり、LKB339株が必要以上に乳酸
を生成し、清酒中に渋味が残ることにあるものと考えら
れる。
【0033】参考例1 この例では、実施例1によって得た発泡性低アルコール
清酒について実際に肉料理との相性について調べた。な
お、従来の乳酸を添加して乳酸量を調整する方法により
得た発泡性低アルコール清酒及びLKB339株の代わ
りに乳酸菌を用いて乳酸発酵させた米糖化液を使用する
方法により得た発泡性低アルコール清酒を対照とした。
対照の発泡性低アルコール清酒の製造法は次の通りであ
る。(1)実施例1に従い作成した米糖化液にサッカロ
ミセス・ベローネ LKB339株(FERMP−13
648)を添加しないで、醸造用50%乳酸を15kg
添加して乳酸を付与した。得られた乳酸含有米糖化液
を、仕込み後7日目の醪に添加した。以後は実施例1と
同様に実施した。(2)実施例1に従い作成した米糖化
液に、高温発酵乳酸菌(ラクトバチルス・ブルガリカ
ス)培養液を添加し、乳酸発酵させて乳酸を付与した
(特開昭54−95799号公報参照)。このようにし
て得られた乳酸含有米糖化液を、仕込み後8日目の醪に
添加した。以後は実施例1と同様に実施した。
【0034】焼肉を食べる際に飲用する清酒として、上
記の発泡性低アルコール清酒が適しているか否かを50
名のパネラーによる官能試験で評価した。評価は、良く
合うを5点、比較的良く合うを4点、普通を3点、あま
り合わないを2点、合わないを1点とする5点評価法で
実施し、平均点で評価した。結果を第5表に示した。表
から明らかなように、実施例1によって得た発泡性低ア
ルコール清酒が最も高い評価を得た。その理由は、実施
例1で得た製品は乳酸が発酵に由来し、かつその際に生
成する他の成分量が少ないため、すっきりとして口当た
りが柔らかいのに対して、乳酸添加法により得た製品
は、添加乳酸と清酒成分が味慣れしないため、乳酸が強
く感じられ、苦味が強く、くどい品質となったこと、ま
た乳酸菌を使用して得た製品は、乳酸生成までに長時間
を要するため、他の発酵成分もしくは乳酸菌自体の影響
で風味が劣ったものと考えられる。
【0035】
【表11】第5表(その1)実施例1の製品 〔 〕内の数値は平均値を示す。
【0036】
【表12】第5表(その2)乳酸添加法による製品 〔 〕内の数値は平均値を示す。
【0037】
【表13】第5表(その3)乳酸菌使用による製品 〔 〕内の数値は平均値を示す。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、清酒、特に発泡性低ア
ルコールにごり清酒の製造法が提供される。この清酒
は、従来の清酒に比べて乳酸含有量が増強し、発泡性で
アルコール含量が低く、肉料理との相性が良いという特
色を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による発泡性低アルコールにごり清酒
の製造工程の1態様を示したものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米糖化液に乳酸生成酵母を接種し、発酵
    させて乳酸含有米糖化液を得、該乳酸含有米糖化液を醪
    に添加して発酵を行うことを特徴とする清酒の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 乳酸生成酵母が、サッカロミセス・ベロ
    ーネ LKB339(FERM P−13648)であ
    る請求項1記載の清酒の製造方法。
  3. 【請求項3】 乳酸含有米糖化液を添加した後の醪のア
    ルコール濃度が1〜10%となるように乳酸含有米糖化
    液を醪に添加する請求項1記載の清酒の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で
    製造された、アルコール濃度が5〜10%である清酒。
  5. 【請求項5】 清酒が、発泡性清酒である請求項4記載
    の清酒。
JP2001054509A 2001-02-28 2001-02-28 清酒およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3525115B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001054509A JP3525115B2 (ja) 2001-02-28 2001-02-28 清酒およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001054509A JP3525115B2 (ja) 2001-02-28 2001-02-28 清酒およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002253198A true JP2002253198A (ja) 2002-09-10
JP3525115B2 JP3525115B2 (ja) 2004-05-10

Family

ID=18914832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001054509A Expired - Fee Related JP3525115B2 (ja) 2001-02-28 2001-02-28 清酒およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3525115B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017093341A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 サントリーホールディングス株式会社 醸造酒配合飲料
JP2017202990A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 丸善製薬株式会社 化粧料および飲食品組成物
CN107541528A (zh) * 2016-06-28 2018-01-05 株式会社芳珂 发芽糙米的Saccharomyces veronae发酵液
JP2019006700A (ja) * 2017-06-23 2019-01-17 丸善製薬株式会社 抗老化剤、育毛剤、及び抗肥満剤、並びに化粧料、及び飲食品
CN114806770A (zh) * 2021-01-27 2022-07-29 中粮孔乙己酒业有限公司 一种优化发酵微生态防止酸败的绍兴黄酒酿造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017093341A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 サントリーホールディングス株式会社 醸造酒配合飲料
JP2017202990A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 丸善製薬株式会社 化粧料および飲食品組成物
CN107541528A (zh) * 2016-06-28 2018-01-05 株式会社芳珂 发芽糙米的Saccharomyces veronae发酵液
JP2018002607A (ja) * 2016-06-28 2018-01-11 株式会社ファンケル 発芽玄米サッカロミセス・べローナ発酵液
JP2019006700A (ja) * 2017-06-23 2019-01-17 丸善製薬株式会社 抗老化剤、育毛剤、及び抗肥満剤、並びに化粧料、及び飲食品
JP2022001589A (ja) * 2017-06-23 2022-01-06 丸善製薬株式会社 抗肥満剤、化粧料、及び飲食品
JP7300694B2 (ja) 2017-06-23 2023-06-30 丸善製薬株式会社 表皮における抗老化剤及び化粧料
JP7308552B2 (ja) 2017-06-23 2023-07-14 丸善製薬株式会社 抗肥満剤、化粧料、及び飲食品
CN114806770A (zh) * 2021-01-27 2022-07-29 中粮孔乙己酒业有限公司 一种优化发酵微生态防止酸败的绍兴黄酒酿造方法
CN114806770B (zh) * 2021-01-27 2023-05-30 中粮孔乙己酒业有限公司 一种优化发酵微生态防止酸败的绍兴黄酒酿造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3525115B2 (ja) 2004-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5763416B2 (ja) 低アルコール発酵麦芽飲料の製造方法
RU2687338C2 (ru) Способ получения сброженного напитка и напиток, полученный таким образом
Bhat et al. An overview on the biological production of vinegar
JPH035789B2 (ja)
EP2758509A1 (en) Process for the industrial manufacture of kvas beverage
CN103382425B (zh) 一种混合菌种发酵啤酒饮料及其制备方法
CN112920918B (zh) 酸艾尔啤酒及其制备方法
CN113604315A (zh) 一种发酵型米酒及其酿造方法
JP2005013142A (ja) ビールテイストを有する清涼飲料及びその製造法
JP4503002B2 (ja) 梅スピリッツの製造方法
JP4587368B2 (ja) 抗アレルギー機能を有する乳酸菌入り発酵麦芽飲料又は麦芽代替発酵飲料、及びその製造方法
JP3525115B2 (ja) 清酒およびその製造方法
US20090238919A1 (en) Method of manufacturing vinegar with high extract content
CN100491520C (zh) 在通过气体流获得的还原条件下培养微生物的方法
JP4104914B2 (ja) 麦芽アルコール飲料の製造方法及び麦芽アルコール飲料
KR102634560B1 (ko) 맥주맛 발효 맥아 음료 및 그의 제조 방법, 및 맥주맛 발효 맥아 음료의 싱거운 음용감을 완화하는 방법
JP2004215644A (ja) チロソール高生産性酵母変異株及び該酵母を用いた発酵アルコール飲料の製造法
CN112745999A (zh) 一种蜂蜜白酒的酿造方法
JPH07303447A (ja) 酸性乳清発酵製品及びその製造方法
White Diacetyl Time Line
JP2003116523A (ja) 桜の花から分離した酵母及びその取得方法並びに該酵母を用いた清酒その他の飲食品の製造方法
JP3300814B2 (ja) 酒母及び清酒の製造方法
JP3836254B2 (ja) 発泡酒の製法
KR0183526B1 (ko) 맥주유사의 발포주의 제조법
JPH06141829A (ja) 米からの発酵飲料およびその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3525115

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees