JP2003533416A - エレベータ昇降路内の作業を行うための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明によると、メンテナンス足場１０は以下のようにアセンブルされる。すなわち、第１ステップでは、折り畳まれたメンテナンス足場１０の下にある照明された天井が、取り外される。懸架部材１７が、次に鉛直方向位置にされる。プラットホーム１２およびフラップ１３が、懸架部材１７の支持部１９に至るまで鉛直方向に下降される。プラットホーム１２を取り付ける前に、メンテナンス人員は、はしご１８を広げて、フラップ１３を上向きに開けなければならない。いったん人員がプラットホーム１２を取り付けた後、フラップは、ハンドルを用いて閉じられ１３、それによって、プラットホーム全体を作業足場として使用することができる。メンテナンス足場１０が作業位置にあるとき、キャビン天井１４とプラットホーム１２の距離によって決定されるように、調整通路Ｕ用の高さが維持される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、そこから作業を行うことができるメンテナンスプラットホームを有
するエレベータカーを移動させることができる、エレベータ昇降路内の作業を行
うための装置に関する。

【０００２】 特許明細書ＪＰ ０５０９７３５７から、エレベータ設備の昇降路機器のメン
テナンス用の装置が知られるようになった。エレベータカーの中には、メンテナ
ンス作業を行っている間、メンテナンススタッフ用の立ち表面として働くように
カーの壁から広げることができるステージが嵌合されている。エレベータカーの
屋根内は、カバーで閉じることができ、昇降路機器へアクセスできるようにする
上げ蓋が設けられている。メンテナンススタッフはステージ上に立ち、体の上側
部分をカーから乗り出して、昇降路内の作業を行うことができる。

【０００３】 知られている装置の欠点は、ステージを担持しているカーの壁を機械的に強化
しなければならず、また、ステージを折り畳み、保持するために取付具および取
付部品が必要であり、ステージがエレベータ使用者の占有する領域内にあるため
、この取付具および取付部品に、エレベータ使用者が衣服その他の物によって引
っ掛る可能性がある。

【０００４】 ここで本発明の目的は、改善策を提供することである。請求項１に記載の本発
明は、知られている装置の欠点を回避し、エレベータカー内のメンテナンススタ
ッフとエレベータ使用者のどちらに対する危険も呈さない、エレベータ昇降路内
での作業用の装置を作製する解決法を提供する。

【０００５】 本発明によって達成された利点は、本質的に、メンテナンスプラットホームが
エレベータカー使用者の占有する領域の外に、すなわちエレベータカー使用者の
頭の高さより上方に配置されているため、エレベータカーの使用者に対して、メ
ンテナンスプラットホームの部分で彼ら自身を負傷させる危険がないことである
と思われる。また、カーの壁には、たとえば、エッジ、ヒンジ、接合部などの、
破壊的行為の攻撃目標は何もない。カーの内部空間は、メンテナンスプラットホ
ームによって損なわれない。販売戦略の点では、カーの内部空間の美観が経済的
に大いに重要である。本発明によるメンテナンスプラットホームは、たとえば、
照明された天井下で、視界外に配置されることによって、またはメンテナンスプ
ラットホームがいかなる接合部もなしに天井内に嵌合されることによって、これ
らの要件を完全に満たしている。メンテナンス作業が行われている間、天井は、
汚れおよび／または損傷に対して保護されている。メンテナンススタッフは、エ
レベータの通常動作中は見えない、天井の上側面を踏むだけである。本発明によ
るメンテナンスプラットホームは、昇降路内に設置しなければならない、または
昇降路から取り外さなければならない部品をメンテナンスプラットホーム上に一
時的に置くことができるように、より重い荷重を支持することもできる。上げ蓋
、より具体的にはエレベータカーの屋根内開口の位置は、エレベータ昇降路内の
メンテナンス作業を行うために、昇降路上方空間内に配置された昇降路機器が、
上げ蓋を超えて突き出さず、メンテナンスプラットホームが上げ蓋の突出部内に
あり、また、上に立つために十分に広い表面を有するように選択することができ
る。上げ蓋の位置、十分に広い立ち表面、およびメンテナンスプラットホームが
より重い荷重を支持できることは、メンテナンススタッフの安全性を確実にする
。

【０００６】 例示的な実施形態を示す図面を参照にして、本発明を以下でより詳細に説明す
る。

【０００７】 図１〜３では、１は、エレベータカー２をその中で移動させることができるエ
レベータ昇降路を示している。エレベータカー２用のガイドレール４の上方の昇
降路上方空間３内に、駆動綱車５が配置されている。駆動綱車５は、図示されて
いない駆動部と接続されている。駆動綱車５は、たとえばウォールブラケット６
などによって支持されている。駆動綱車５を渡る、２対１ローピング構成を有す
る懸架ロープ７のカウンターウェイト側端部が７．１で示されており、懸架ロー
プ７のカー側端部が７．２で示されている。カウンターウェイト側では、懸架ロ
ープは、第１のデッドエンドヒッチ８で終わる。カー側では、ロープ７．２は、
吊り下げ滑車９と称される第１滑車を通り、次に第２吊り下げ滑車（図示せず）
を渡り、これも図示されていない第２デッドエンドヒッチを終点としている。２
対１ローピング構成は、ここに示された機械室レスエレベータレイアウトに特に
適している。ここで、エレベータカー２は、２つの吊り下げ滑車９によって運ば
れ、昇降路１内に配置された駆動ユニットにまでほぼ移動することができる。１
０で示されたメンテナンスプラットホームは、照明された天井１１の上方に配置
されている。エレベータ昇降路１内での作業をそこから行うことができるステー
ジと称される立ち表面が、１２で示されている。フラップ１３を備えるステージ
１２は、カー天井１４の一部を形成している。図１および２は、非使用位置での
、本発明によるメンテナンスプラットホーム１０を示している。ステージ１２お
よびフラップ１３は、上げ蓋、すなわちより具体的には天井内開口１５を閉じて
、天井１４の一部を形成している。天井内開口１５の位置および大きさは、たと
えば駆動部のような、昇降路上方空間３内に配置された昇降路機器が、天井内開
口１５を越えて突き出さないように選択される。懸架ブラケット１６上に配置さ
れたハンガー１７は、折り畳まれている。破線矢印Ｌ１、Ｌ２は、ハンガー１７
の、その非使用位置から図３に示す作業位置への動きを示しており、ステージ１
２の下側に配置されたはしご１８は、折り畳まれている。各ハンガー１７を連接
し、メンテナンスプラットホーム１０に剛性を与えるストラットは、図示されて
いない。

【０００８】 ハンガー１７は、ロープで置き換えることができる。この場合、図２に示すよ
うに、メンテナンスプラットホーム１０に剛性を与えるために、ステージ１２か
らカーの壁に至る、１２．１によって示されたアームが、広げられている、また
はステージ１２から引き出されている。

【０００９】 別の変形形態では、メンテナンスプラットホーム１０は、フラップ１３もはし
ご１８も有してはいない。この場合、メンテナンスプラットホーム１０へのアク
セスは、直接か、乗場側扉またはカー側扉から脚立を用いるかのどちらかである
。

【００１０】 本発明によるメンテナンスプラットホームは、図１および２に示した非使用位
置から図３に示した作業位置へ、以下のステップで設置される、または導かれる
。第１ステップでは、照明された天井１１が取り外される。次に、ハンガー１７
が矢印および破線で示したような鉛直方向位置にされる。この後、フラップ１３
を有するステージ１２が、ハンガー１７の支持表面１９に至るまで、鉛直方向に
下降される。ステージ１２が踏まれる前に、はしご１８が下向きに広げられ、フ
ラップ１３が上向きに広げられる。ステージ１２が踏まれた後、フラップ１３は
、ハンドル２０を用いて閉じられ、それによって、ステージの全表面がメンテナ
ンスプラットホームとして使用可能になる。反対の順序で、本発明によるメンテ
ナンスプラットホームは、図３に示す作業位置から図１および２に示す非使用位
置にされる。

【００１１】 図４は、本質的に、カバー２２と、ステージ１２と、ステップ２４を有するス
テップユニット２３とから成るメンテナンスプラットホーム１０の別の変形実施
形態を示している。カバー２２、ステージ１２、およびステップユニット２３は
、たとえばヒンジなどを用いて点Ｓで折り畳むことができる。非使用位置では、
カバー２２は、天井内開口１５を閉じて、天井１４の一部を形成している。ステ
ージ１２およびステップユニット２３は、その時、互いに折り畳まれて、天井２
２上に置かれている。エレベータ昇降路１内の作業を行うために、カバー２２が
下向きに広げられ、ステージ１２およびステップユニット２３が広げられる。ス
テージ１２へのアクセスは、乗場２５からステップ２４を上がって得られる。メ
ンテナンスプラットホーム１０に必要な剛性を確実に得るために、支持および／
またはストラットおよび／または接合アームが設けられている。ばねまたはガス
圧ばねの形状の、折畳み手段もまた考えられる。

【００１２】 図５および６の側立面図は、作業位置での、図４の変形実施形態の詳細を示し
ている。図５および６では、図４によるステップユニット２３は、折畳み式の２
部はしご２３”または３部はしご２３’から成る。これは、はしご２３を畳むた
めのヒンジを点Ｓに有する。折畳み式はしごの代わりに、伸縮式はしごにするこ
ともできる。図５および６では、図４のステップ２４が、はしごの横木２４’と
して装着されている。接合アーム３０”は、ステージ１２または１２’のそれぞ
れに対してはしご２３を安定化させる。図５では、ステージ１２は、メンテナン
スプラットホーム１０が折り畳まれるとき、ステージ１２がカバー２２の縁部と
面一になるまでカバー２２に沿って押し上げられるスライダー３１に締結されて
いる。スライダー３１と、ステージ１２または１２’のそれぞれは、接合アーム
３０’と接続されている。接合アーム３０は、カバー２２を、天井１４の一部で
あり、エレベータカーの側壁が締結されている上側カースリング３２と接続する
。接合アーム３０、３０’、３０”は、好ましくは、トグル継手として装着され
、カバー２２と、ステージ１２または１２’のそれぞれと、はしご２３’または
２３”のそれぞれの、互いとのおよびカースリング３２との剛性の接続を行う。
カバー１４自体は、図５および６では示されていない。カバー２２の接合アーム
３０には、もう一方の端部が支持部３４に接続されたばね３３が作用する。支持
部３４とカースリング３２は、ストラット３５を用いて接続されている。ばね３
３の力は、小さい力でメンテナンスプラットホーム１０を上昇させて非使用位置
に戻すことができるようにされている。メンテナンスプラットホーム１０は、片
側または両側で、接合アーム３０、ばね３３、支持部３４およびストラット３５
と嵌合することができる。

【００１３】 さらに別の変形実施形態では、天井内開口１５は、天井１４の一部を形成し、
ステージ１２として使用することもできるカバーによって閉じられている。エレ
ベータ昇降路１内で作業が行われるとき、カバーは、手動で天井１４から取り外
され、たとえば、反対側の壁に締結されたハンドレール上に置かれ、必要な場合
、支持部によってその高さが調節される。

【００１４】 さらに別の変形実施形態では、メンテナンスプラットホーム、またはメンテナ
ンスプラットホームの部品は、たとえば昇降路扉に隣接するキャビネット内に収
容することもできる。作業を行うためには、メンテナンススタッフがカー内にキ
ャビネットを吊るしまたは立てて、取り外された、またはメンテナンスプラット
ホームのアセンブリに必要のないあらゆる部品を同キャビネット内に収納する。

【００１５】 その縮小された昇降路上方空間３によって、ここに示した機械室レスエレベー
タ配置は、たとえば、カーの屋根からメンテナンスを行うための１メートルの、
調整に必要とされるようなオーバートラベル（カーの天井１４と昇降路天井２１
の間の距離）を可能にするのに十分な高さＨを提供してはいない。その作業位置
にある本発明によるメンテナンスプラットホーム１０では、オーバートラベルは
、カー天井１４と昇降路天井２１との間の距離によってもはや決定されず、ステ
ージ１２と昇降路天井２１との間の距離によって決定されるため、また天井内開
口１５を越えて突き出している昇降路上方空間３内の昇降路機器がないため、必
要とされるオーバートラベルＵが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 昇降路上方空間が減少した、エレベータ昇降路内に最上停止位置にあるエレベ
ータカーの概略図である。

【図２】 エレベータカーの平面図である。

【図３】 本発明によるメンテナンスプラットホームがその作業位置にある、図１および
２のエレベータカーの図である。

【図４】 メンテナンスプラットホームの変形実施形態の図である。

【図５】 図４による変形実施形態の詳細図である。

【図６】 図４による変形実施形態の詳細図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 3F304 BA02 BA24 DA11 3F306 AA02 AA11 CA11 CB02 CB60

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業を行うことができるメンテナンスプラットホーム（１０
   ）を有するエレベータカー（２）を移動させることができる、エレベータ昇降路
   （１）内の作業を行うための装置であって、 メンテナンスプラットホーム（１０）が、エレベータカーの使用者によって占有
   される領域の外に配置され、エレベータ昇降路（１）内の作業を行うために、立
   つための表面として、エレベータカー（２）内にステージ（１２）を有すること
   を特徴とする装置。
2. 【請求項２】 メンテナンスプラットホーム（１０）が、エレベータカー（
   ２）の天井上に配置されている、または天井（１４）の一部を形成していること
   を特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 メンテナンスプラットホーム（１０）が、懸架手段（１６、
   １７、２２）によって天井（１４）に締結されていることを特徴とする請求項１
   または２に記載の装置。
4. 【請求項４】 メンテナンスプラットホーム（１０）が、エレベータカー（
   ２）内へ下降させることができ、かつ好ましくは非使用位置で天井内開口（１５
   ）を閉じる、ステージ（１２）を有することを特徴とする請求項３に記載の装置
   。
5. 【請求項５】 ステージ（１２）がフラップ（１３）、およびフラップ（１
   ３）が開いているときにステージ（１２）へのアクセスを提供する折畳みはしご
   （１８）を有することを特徴とする請求項４に記載の装置。
6. 【請求項６】 メンテナンスプラットホーム（１０）が、ステージ（１２）
   、およびエレベータカー（２）内へ広げることができるステップユニット（２３
   ）を有し、前記ステージ（１２）が、ステップユニット（２３）を介してアクセ
   ス可能であり、非使用位置で、ステージ（１２）およびステップユニット（２３
   ）を載せる、カバー（２２）に締結されていることを特徴とする請求項１から３
   に記載の装置。
7. 【請求項７】 ステップユニット（２３）が折畳み式、または伸縮式のはし
   ご（２３’、２３”）であることを特徴とする請求項１から６の一項に記載の装
   置。
8. 【請求項８】 エレベータカー（２）の屋根上に、メンテナンスプラットホ
   ーム（１０）またはカバー（２２）をそれぞれ上昇させるためのばね（３３）が
   取り付けられた支持部（３４）があることを特徴とする請求項１から７の一項に
   記載の装置。
9. 【請求項９】 メンテナンスプラットホーム（１０）が、その折り畳まれな
   い作業位置で、互いに剛に接続された部品（１２、２２、２３）から成ることを
   特徴とする請求項１から８の一項に記載の装置。
10. 【請求項１０】 作業位置で、ステージ（１２）が、調整によるオーバート
    ラベル（Ｕ）が確保されている高さに保持されていることを特徴とする請求項１
    から９の一項に記載の装置。