JP2003532554A

JP2003532554A - 使い捨て吸収性物品で使用するための複合布地パネル

Info

Publication number: JP2003532554A
Application number: JP2001581736A
Authority: JP
Inventors: テリル、アラン、ヤング; ドナルド、キャロル、ロウ; ウイリアム、ジョセフ、テーナー
Original assignee: Procter and Gamble Co
Current assignee: Procter and Gamble Co
Priority date: 2000-05-09
Filing date: 2001-05-08
Publication date: 2003-11-05
Also published as: AU2001259629A1; EP1280493A1; US20090054860A1; WO2001085081A1

Abstract

(57)【要約】複合布地パネルは、基材と、基材に直接係合した複数の伸張作用部材とを含み、伸張作用部材が、刺激に応じて実用的な作用を果たす。一実施態様では、基材は、不織布と、マルチフィラメントヤーンを含有する伸張作用部材とを含む。伸張作用部材により果たされる有用な作用として、湿り、温度変化、ｐＨ変化、または高濃度化学環境の影響のような刺激に応じた変形及び／または活性剤の選択的な分配を含むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】（発明の分野）本発明は、複合布地パネルに関し、特に使い捨て吸収性物品で使用するように
構成された複合布地パネルに関する。

【０００２】（発明の背景）今日、使い捨て物品は、居住域及び非居住域表面の多種多様な目的の処理に
広く使用されている。例えば、使い捨て物品は、パーソナルケアアイテム、医
薬品及び健康管理、育児、衣服保護、並びに家庭内及び商業上及び産業上の洗
浄の分野で使用されているが、これに制限するものではない。これら使い捨て
物品は、例えば、洗浄、表面処理のためのコーティング類または他の材料（着
色、塗料、ワックス、コンディショニング剤など）の塗布、並びに廃棄物、汚れ
、または他の過剰な若しくは望ましくない物質を収容または除去する材料（例
えば、人体排出物用おむつ、モップ、ブラシ、手袋、その他などの目的のため
に使用することができるが、これに制限されない。多くの場合において、これ
らの物品が好ましい手段として、再使用可能な物品に取って代わってきたのは
、コスト、便利さ、及び衛生上の理由からである。

【０００３】使い捨て物品の分野で有効性を改善する数多くの進歩が、例えば、強度の向
上や、洗浄性を改善する活性成分の添加や、吸収性を改善する吸収性ゲル化剤の
使用などがなされてきたが、依然多くの問題が存在する。これら使い捨て処理
物品で経験した問題の中には、除去または隔離しようとする物質の漏れで、不
完全な洗浄、または、該物品にて除去または隔離しようとした物質による処
理表面の汚れなどとなることがある。他の問題としては、これまでの使い捨て処
理物品が、特定のタイプの処理を必要とする時と必要としない時の、状況間の区
別をしないことがある。例えば、使い捨て拭き布は、一般的洗浄と同様に生物
学的汚れ（例えば、乳児の皮膚表面から糞便を拭き去るなど）の洗浄にも使用さ
れることがある。乳児の臀部から糞便を除去するように設計された拭き布は、消
毒剤または他の活性成分を含有するが、これは、他の用途、例えば乳児の顔か
ら食べ物をふき取る、あるいは布地表面または床から汚れを拭き取るには、必
要とされなくてもよく、望ましくない。更に、使い捨て物品を処分前に数回使
用する場合、糞便の除去に関連する皮膚の消毒など、特定の処理条件で必要とす
る活性成分は、もはや存在しないまたは所期の目的には効果的でない可能性も
ある。

【０００４】それ故に、効果のある機能的な特性を示しながら、身体排出物を効果的に吸
収して貯蔵できる使い捨て吸収性物品に使用する複合布地パネルを提供するこ
とができれば、望ましいことである。見栄えが改良された複合布地パネルを提供
できれば、これも望ましいことである。更に、刺激に応じて活性物質を供給する
などの実用的な作用を行うことができるような複合布地パネルを提供できれば
望ましいことである。

【０００５】（発明の概要）複合布地パネルは、基材と、基材に直接係合した複数の伸張作用部材とを含
み、伸張作用部材が、刺激に応じて実用的な作用を果たす。実用的な作用には、
湿り、または特定の組成の検知のような刺激に応じて活性物質を放出すること
、並びに吸収を含むことができる。一実施態様の場合、基材は、一対の重なり合
う不織布層を含み、伸張作用部材は、層の間で基材に包まれて、対になって隣
接する伸張作用部材の間で層の伸張した区分輪郭を描く。層の伸張した区分は、
伸張作用部材から横断方向に間隔を置く隣接する部分に向かって収束し、伸張作
用部材の側に沿って延びるチャンネルを包囲する。

【０００６】伸張作用部材により果たされる有用な作用として、湿り、温度変化、ｐＨ変
化、または高濃度化学環境の影響のような刺激に応じて生じる、変色、拡大／
収縮、または臭い吸収などの変質を含むことができる。あるいは、実用的な作
用には、刺激に応じる選択的な活性物質の分散を含むことができる。活性物質と
して、抗菌剤、酵素、ｐＨ中和剤、薬剤を含むことができる。

【０００７】好ましい一実施態様では、基材は、不織布シートを含み、伸張作用部材は、
不織布シートの重なり合う層の間に包まれたヤーンを含む。別の実施態様では、
伸張作用部材は、不織布シートの外側表面上に取り付けられる。更に別の実施態
様は、不織繊維を互いに結合してシートを結束状態に置く前に、伸張作用部材を
不織布シートの中に埋め込むことを含む。この実施態様の場合、伸張作用部材は
、基材に結合した熱収縮性材料で形成されるフィラメントを含むことができ、熱
影響下でフィラメントが収縮すると基材をたわませる。

【０００８】複合布地パネルは、使い捨ておむつまたはその類似品などの、吸収性物品
の構成要素として含むことができる。この実施態様の場合、基材は、一対の対
向する端部領域の間に置かれた股部領域を備える、伸張した構成を有する。伸張
作用部材は、基材の股部領域から端部領域の中へ延びる。伸張作用部材は、股部
領域に排出された身体液を吸収して端部領域へ引くように作られる。好ましい
一実施態様では、基材は、使い捨ておむつのトップシート構成要素を形成する、
不織布シートを含む。別の好ましい実施態様では、基材は、使い捨ておむつのバ
ックシート構成要素を形成する、流体不透過性フィルムを含む。

【０００９】（発明の詳細な説明）この明細書は、発明と見なす点を特定して指摘し明確に請求する請求項にて
結論とするが、次の本発明の詳細説明を読み、含まれている図面を検討するこ
とにより、本発明をさらに容易に理解できうる。

【００１０】定義本明細書で使用する用語「吸収性物品」は、流体を吸収し収容する装置を指
し、更に具体的には、拭き布など洗浄のために使用する装置、並びに、着用者の
身体に押し付けてまたは近接して配置し、身体から排出される様々な排出物を
吸収し収容する物品を指す。

【００１１】「長手方向」は、物品の直線最大寸法に平行に走る方向である。「長手方向
に」は、長手方向±４５°の方向を含む。

【００１２】「横」または「横断」方向は、長手方向に直角である。

【００１３】「Ｚ方向」は、長手方向及び横断方向の両方に直角である。

【００１４】本明細書において用語「使い捨て」は、洗濯さもなければ吸収性物品として
修復または再使用することを一般に意図しない、吸収性物品を記述するのに使
用する（すなわち、その物品を、１回の使用後に廃棄するか、あるいは好ましく
はリサイクルするか、堆肥化するか、またはそうでなくとも環境に適応した方
法で処分することを意図する）。

【００１５】本明細書で使用する用語「配置した」は、ある要素が、他の要素と共に一体
の構造物として、または他の要素へ結合される別個の要素として、特定の場所
または位置に形成される（位置決めして結合される）ことを意味するのに使用す
る。

【００１６】本明細書で使用する用語「結合した」は、１つの要素が、直接もう一方の要
素へ固着することにより他の要素へ直接固定される構成、及び１つの要素が中間
部材へ固着し、その中間部材がついでもう一方の要素へ固着することにより他の
要素に間接的に固定される構成を、包含する。

【００１７】「一体型」吸収性物品とは、別個の部品が相互に結合されて形成される調和
して働く統一体であり、したがって、別個のホルダーまたはライナーのような
別個の操作部分を必要としない、吸収性物品を指す。

【００１８】本明細書で使用する用語「おむつ」は、一般に幼児及び失禁者が胴体下部の
周りに着用する吸収性物品を指す。

【００１９】本明細書で使用する「流体」は、液状態の物質（例えば、身体排出物、湿り
、油他）を指す。

【００２０】「伸張作用部材」は、例えば、物理的な変形、流体の吸収、または活性物質
の分散などの機能的な特性を示す、細長い物体を指す。

【００２１】「刺激」は、物体の活性に影響を及ぼすことが可能な、何かである。

【００２２】「細長い」により、物体が、他の２つの直交軸に比較して非常に長い主軸を
有することを意味し、縦横比が、少なくとも１０／１、好ましくは５０／１であ
る。

【００２３】「不織布」は、紙、及び織り製品、編み製品、タフテッド製品、またはウエ
ットミーリングによるフェルト製品をニードル追加加工の有無を問わずに除き、
摩擦及びまたは粘着により結合して、方向を有してまたはランダムに配向さ
れた天然または人工の繊維で製造された、シート、ウエブ、またはバットであ
る。

【００２４】本発明の複合布地パネルは、どのような分野の用途にも適用でき、パーソナ
ルケア、健康管理、育児、家庭及び家事用途、洗浄製品、消毒及び／または衛
生製品、織物処理、パーソナルケア、化粧、医療用途、及び医薬品などが挙げら
れるが、これに限定されない。複合布地パネルは、上記用途分野のどれでも有用
であり得るが、使い捨ておむつ、失禁用ブリーフ、失禁用下着、吸収性挿入具
、おむつホルダー及びライナー、女性用衛生衣料、拭き布、モップ、包帯、よだ
れかけ等を含むが、これに限定されない吸収性物品に特に適用可能である。

【００２５】本発明の複合布地パネルは、伸張作用部材に結合した平面状基材を含み、伸
張作用部材は、刺激に応じて実用的な作用を果たし、複合布地パネルの特性と対
応する有用性を際だたせる。基材は、複合布地パネルの本体を形成し、どの単
一、またはフィルム、セルロースウエブ、または不織布で構成されてよい多層
構造をも一般的に含むことができる。伸張作用部材は、弾性または非弾性特性
を有する任意の数の、異なる構造を含んでもよく、フィラメント、発泡体、テー
プ、ヤーンなどを含む材料で構成することができるが、これに限定されない。
伸張作用部材は、基材と直接係合し、以降に更に述べるように、基材に結合して
も埋め込まれてもよい。

【００２６】好ましい実施態様では、平面状基材は、基材の中にまたは上に組み込まれた
マルチフィラメント糸を含む伸張作用部材を有する、不織または織った繊維性
または非繊維性の材料を含む。かかる平面状繊維性基材は、天然繊維、合成繊維
、または天然繊維と合成繊維の混合を含み、使い捨てとすることができる。好
適な天然繊維には、木材パルプ繊維、木綿、麻、羊毛、及びレーヨンなどのセル
ロース繊維が含まれるが、これに限定されない。好適な合成繊維には、一般に織
物に使用される繊維が含まれ、ポリエステル及びポリプロピレン繊維などが挙げ
られるが、これに限定されない。

【００２７】好適な繊維性平面状基材は、様々な形成方法を使用して形成することができ
、これをウエブとも呼ぶ。例えば、ウエブは、エアレイイングなどの乾式不織
布形成技法により、または抄紙機上などでのウエットレイイングにより、製造
することができる。他の不織布製造技法も使用することができ、メルトブローン
、スパンボンド、ニードルパンチ、及び水流交絡技法などが含まれるが、これに
限定されない。

【００２８】伸張作用部材は、ヤーン類を含むことができ、マルチフィラメント、嵩高連
続フィラメント、ヒートセットヤーン、撚りヤーン、ラップドヤーン、縫い糸な
どのマルチファイバ、単一またはモノフィラメント、及び二構成成分若しくは
多構成成分ヤーンのいずれかのタイプが挙げられるが、これに限定されない。
更に、かかるヤーンを形成する個々のフィラメントまたはファイバは、円形、
３葉、５葉、長方形、星形、中空、異形など、どんな断面であってもよい。ヤー
ンは、多種多様な化学反応で構成することができ、アクリル、ポリエステル、ナ
イロン、綿、レーヨン、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、当技術分野で
既知の臭い吸収材料、吸収性ゲル材料、またはこれらの組合せなどが挙げられ
る。また、ヤーンは、装飾効果をもたらすために、基材と明確に対照をなす色
合いを示してよい。

【００２９】あるいは、伸張作用部材は、任意の型のテープを含んでもよい。そのテープ
は、フィルム、織布、不織布、セルロースなどで作成することができる。一般
的には、テープは、その断面によって定義され、厚さに比べて相当広い幅を有す
る。テープの断面は、多種多様な形状を有することができ、リボン、波テープ、
または糸類などのフィラメントで取り付けられた様々な幾何形状などが挙げら
れるが、これに限定されない。ヤーンと同様に、テープは、多種多様な化学反
応で構成することができ、アクリル、ポリエステル、ナイロン、綿、レーヨン、
ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、当技術分野で既知の臭い吸収材料、吸
収性ゲル材料、またはこれらの組合せなどが挙げられる。ヤーンと同様に、テ
ープもまた、装飾効果をもたらすために、基材と明確に対照をなす色合いを示
すこともできる。

【００３０】伸張作用部材によりなされる実用的な作用は、使用者にとって有益な多種多
様な結果を対象とすることができ、それには、洗浄、漂白，着色，彩色，衛生化
、磨き、脱臭、消毒、医薬治療、麻酔、化学食刻、表面修飾、平滑化、染色、ゴ
ム質除去、コーティング、カプセル化、物質収集、化学反応、封印、明色化、暗
色化、艶消し、グリース塗布、濃縮、ゲル化、塗料塗布、インク塗布、印刷、臭
い付け、飽和化、乾燥、吸収、吸着、無毒化、帯電防止、消磁、磁化、粘着化、
表面繊維除去、メッキ、純化、肉汁かけ、拭取り、酸化を含む化学反応、還元及
び中和、固体化、液化、固化、軟化、皮なめし、処理、加湿、ローション添加、
加塩、希薄化、スタイリング、保存、潤滑、クレンジング、及び溶解等が含まれ
るが、これに限定されない。

【００３１】伸張作用部材の実用的な作用の幾つか特定の例には、活性物質の分散または
放出が含まれ、この活性物質の機能として、洗浄、調節、色づけ、変成、化学反
応、化学反応の触媒作用、衛生化、消毒、脱臭、殺菌、（虫、微生物などの）殺
処理、コート、ｐＨ調整、生物活性調整、抑制、物体保護がある。したがって、
活性物質として、脱臭剤、酵素阻害剤、抗菌剤、坑カビ剤、スキンケア組成物、
洗浄剤、表面変成剤、またはｐＨ調整剤が含まれるが、これに限定されない。

【００３２】先に定義したように、刺激は、物体（すなわち、伸張作用部材）の活性に影
響を及ぼす。かかる刺激には、電気的、化学的、生物学的、生化学的、物理的、
または機械的な特性を含むことができる。刺激の例として、姿勢、圧力、温度
、流量、動作、湿気、酵素、細菌、ｐＨ、電気伝導度、抵抗、キャパシタンス、
インダクタンス、電気場及び／または電磁場、光、材料若しくは物質の存在ま
たは材料若しくは物質の状態の変化、他の特性または事象（例えば、材料の出
現または存在）及びこれらの組合せが含まれるが、これには限定されない。こ
のような刺激に反応するために、本発明の伸張作用部材は、応答システムを含む
ことができ、物質（例えば、病原体、流体、または身体排出物などがあるが、
これには限定しない）の構成成分を検知することにより、その物質の存在を見つ
けることができるセンサーが含まれる。かかる応答システムを有する物品の例は
、同時継続中の「応答システムを有する使い捨て処理物品（Disposable Treatme
nt Article having a Responsive System ）」という名称の出願番号０９／３４
２，７８５に記載され、参考として本願に取り入れる。

【００３３】本発明の複合布地パネル９０の場合、伸張作用部材９４は、基材の長手方向
軸若しくは横断方向軸に沿って、またはかかる長手方向軸及び横断方向軸の対
角線上に、一方向に配置することができる。かかる一方向配置において、伸張
作用部材９４は、図１ａに示すように均一間隔路で、または図１ｂに示すよう
に不均一間隔路で、平行に延びることができる。伸張作用部材９４は、図１ｃに
示すように非直線（例えば、正弦曲線）路で一方向に配置することもできる。あ
るいは、伸張作用部材９４は、図２に示すように交差するパターンを形成して、
パネルに関して２方向に配置することもできる。更に、伸張作用部材９４は、ラ
ンダム構成に配置して、基材に関して多方向に配置することもできる。

【００３４】伸張作用部材９４は、単一平面体を含む単層基材に、（接着剤、溶接などに
より）結合することができる。あるいは、伸張作用部材は、基材の単一体の中に
埋め込むこともできる。基材が不織布を含む一実施態様では、伸張作用部材９４
は、不織布の繊維の中に埋め込むことができる。多層基材の場合、伸張作用部材
９４は、二層の間に挿入配置して、一方の層または両方の層に結合しても、
またはいずれの層にも結合しなくてもよい。

【００３５】図３及び図４に示す複合布地パネル９０の一例では、基材は複数の不織布シ
ートを含み、伸張作用部材９４が、不織布の２層の間で平行に配置されている。
伸張作用部材は、隣接する２つの伸張作用部材の間で、層の区分の輪郭を描く。
この配置では、層１０６及び１０８の区分１２０及び１２２は、伸張作用部材９
４から横断方向に間隔を置く場所で、結合部１８０により互いに結合している。
図４に示す実施態様では、伸張性作用部材もまた、層１０６及び１０８に結合
部１７６及び１７８を通して結合している。かくて、層１０６及び１０８の区
分１２０及び１２２は、伸張作用部材９４から横断方向に間隔を置く、隣接する
部分１３０を有し、更に伸張作用部材９４から隣接する部分１３０へ収束する、
間隔が離れた部分１３２を有する。伸張作用部材９４と、層１０６及び１０８の
間隔が離れた部分１３２は、伸張作用部材９４の側に沿って延びるチャンネル１
３４を画定する。

【００３６】シート９２に衝突する流体は、チャンネル１３４に集まることができる。伸
張作用部材９４は、集積した流体が伸張作用部材９４に接触した時、流体をそ
の長さに沿って引き寄せて分散作用を果たすように、作ることができる。本発明
のこの特徴に従い、伸張作用部材９４は、不織布シート９２の機械縦方向ＭＤ（
図１）に延びる。これにより、複合布地シートに衝突した流体が、伸張作用部
材９４の側に沿って延びるチャンネル１３４の中を、接触点からパネルの縁に向
かって、分散することが可能になる。更に、伸張作用部材９４が長手方向に向い
ているので、流体が伸張作用部材を横切って横断方向に通過するのを阻止する
助けをすることができる。

【００３７】この実施態様の場合、伸張作用部材は、ヤーンを含むのが好ましい。各ヤー
ン９４は、モノフィラメント構造かマルチフィラメント構造かのどちらを有して
もよい。図３及び図４に示すように、ヤーン９４は、好ましくはマルチフィラメ
ント構造を有する。このために、ヤーン９４が、その周辺表面に沿って流体を
輸送するのに加えて、毛管作用により流体を接触点から端縁部に向かって分散
することが可能になる。ヤーン９４によってなされる液の分散を強化することが
できるようにヤーン中またはヤーン上に親水性材料を含むことができる。ヤ
ーン９４の分散効果は、流体吸収容量が小さい材料を加えることによって、更
に強化されてよい。そのような材料により、ヤーン９４全長に亘って飽和が早
まり、その結果、湿ったヤーン９４が、接触点から端縁部に向かって流体をより
早くより完全に分散する。

【００３８】流体を吸収して分散することに加えて、伸張作用部材は、複合布地パネルの
特性を強化する他の前記の実用的な作用の幾つかを果たすように、作ることがで
きる。例えば、伸張作用部材は、汚染物質中の特定の酵素を検知し、検知された
汚染物質中の酵素に作用する酵素阻害物質を、それに応じて解放することもでき
る。あるいは、伸張作用部材は、流体汚染物質を検知し、拡大するにつれて湿
りを吸引する圧縮された発泡体または吸収材料を、それに応じて解放すること
もできる。伸張作用部材はまた、不快な臭いを発する濃縮揮発性ガスなどの濃縮
化学環境の存在を検知してよく、揮発性ガスの臭いを減少する脱臭剤を、それに
応じて解放する。更に、伸張作用部材は、機械的作用を行うために刺激に応じ
て拡大または収縮するように、または特定の汚染物質の存在を示すために色を
変えるように、作ることもできる。

【００３９】しかも、伸張作用部材は、保護バリヤーとして働く活性剤を刺激に応じて放
出するように作ることもできる。かかる保護バリヤーとして、シリコーンオイ
ルが含まれることが、１９９７年７月１５日に発行された「パーソナルケア組成
物及びその組成物を含有する拭き製品（Personal care Compositions and Wipe
Products Containing the Compositions ）」という名称の米国特許第５，６４
８，０８３号に開示されており、その開示を参考として本願に取り入れる。この
実施態様の場合、複合布地パネルは、次の刺激に応じて解放することが可能な保
護バリヤー物質を含有する伸張作用部材を有する拭き布を含むことができ、そ
の刺激として、剪断、引張り、若しくは圧縮により誘発される伸張作用部材の
温度変化、湿り、また変形があるが、これに限定されない。

【００４０】一実施態様では、伸張作用部材は、好適な圧縮及び復元特性を有する弾性発
泡体を含む圧縮性装置を含み、発泡体を圧縮して、水、尿、糞便の酵素、バクテ
リアなどの汚染物質に接触すると溶ける可溶性フィルムにより、圧縮状態に保持
することが可能である。圧縮性装置は、物体を処理するための物質（例えば、活
性剤）を解放するように作ることができ、活性剤が圧縮性材料の中またはその
上に貯蔵される。圧縮性材料が活性化されると、活性物質は、その所期の機能を
果たすために解放される。この型の伸張作用部材は、圧縮性活性物質解放装置と
呼ぶことができる。その可溶性フィルムには、例えば、ＰＶＡフィルムなどの水
溶性のプラスチックフィルムを含むことができ、イリノイ州（South Holland, I
L ）のクリス−クラフト・インダストリアル・プロダクツ社（Chris-Craft Indu
strial Products, Inc. ）によりＭＯＮＯＳＯＬＭ７０３１フィルムとして供
給され、またはミネソタ州、セントポール（St. Paul, MN ）のフーラー社（H.
B.Fuller Company ）によりＨＬ１６３６若しくはＨＬ１６６９−Ｘとして供給
される。例えば、フィルムの厚さも、所望の活性を提供するように変更すること
ができる。使用するフィルムは、例えば、約０．０００５インチ〜約０．００１
５インチの範囲の厚さであってよい。例えば、厚さが約０．００１インチのＨ
Ｌ１６３６フィルムは、１平方インチ当り約０．０４９グラムの湿分含有量で活
性化される。

【００４１】上述の可溶性フィルムは、ｐＨ感受性水溶性材料を含んでもよく、ｐＨ緩衝
システムの周りの包みを形成する。かかる可溶性材料は、ｐＨ閾値を有する。可
溶性材料の「ｐＨ閾値」は、材料が可溶性から不溶性に変わる、またはその逆
の、ｐＨである。例えば、可溶性材料は、６より小さいｐＨでは実質的に不溶で
あるが、６より大きいｐＨでは可溶とすることができる。したがって、その材料
のｐＨ閾値はｐＨ６である。本発明の好ましい実施態様では、可溶性材料のｐＨ
閾値は、好ましくは約５〜約９の間であり、より好ましくは約５．５〜約８．５
の間であるが、他のｐＨ閾値も考慮される。ｐＨの変化が、可溶性材料の溶解を
引き起こすまたは始動させることができる。ｐＨ感受性フィルムは、例えば、
約５〜７の範囲のｐＨ閾値を有してよい。ｐＨ緩衝液は、例えば、ニューヨーク
州、コーニング（Corning, NY ）のコーニング社（Corning, Inc. ）から入手可
能なｐＨ７のリン酸塩緩衝剤（カタログ番号４７３６５０）であってもよい。ｐ
Ｈ閾値に到達すると、ｐＨ緩衝液が解放されて、化学量論的な化学反応により連
続的に機能する。

【００４２】本発明の別の実施態様では、伸張作用部材は、ねじれの機械的ポテンシャル
エネルギーを生じながら捻られて上述の可溶性フィルムに包まれた、前述のよう
な発泡体または弾力性ヤーンなどの他の弾力性材料を含むことができる。好ま
しくは、捻られた弾力性材料は、可溶性フィルム中にねじり合わさる位置で、
真空下で保持される。この実施態様では、閾値レベルの湿気、ｐＨ、等が検知さ
れると、フィルムまたはカプセルは、不連続的に真空を開放し、発泡体を放出
しながら、溶解する。貯蔵されたねじれの機械的ポテンシャルエネルギーが発
泡体を巻き戻し、汚染物質の収集や捕捉や貯蔵、物体の表面の拭き取り、物体へ
の活性剤の適用などの、実用的な作用を行うことができる。

【００４３】更に別の実施態様では、ｐＨ調整剤を、フィルムまたは顆粒の中に埋め込む
か、または予め決定したｐＨより下（例えばｐＨ約６未満）では不溶すなわち
固体であるが、そのｐＨレベルより上では可溶であるｐＨ感受性材料のフィルム
下に保持することができる。閾値以上のｐＨレベルを検知すると、ｐＨ感受性
の埋め込んだ材料または上にある材料が溶解し、ｐＨ調整剤を解放して所期の
目的の処理をする。埋込みｐＨ調整剤の場合、伸張作用部材は、埋込み材料が溶
解するに従って調整剤を連続的に解放する。ｐＨ調整剤がフィルム下に保持さ
れている場合、伸張作用部材は、フィルムが溶解した後に調整剤を不連続的に解
放する。ｐＨ調整剤は、緩衝液でも、ｐＨ低下剤例えば酸でも、ｐＨ上昇剤例え
ばアルカリでもよい。この実施態様の変形では、汚染物質中に存在する可能性の
ある１つ以上の対象酵素または構成成分により加水分解するとｐＨの変化を起
こす、物質を含むことができる。対象酵素または他の構成成分がその物質と反
応すると、反応によってｐＨ変化が生じ、これが上述のｐＨ感受性材料と類似す
るの１つの物質と反応することができ、ｐＨ調整剤を解放する。酵素阻害物質も
また、ｐＨ感受性材料の中に埋め込まれていてもよい。例えば糞便の酵素など
対象酵素が存在すれば、その物質の変化及びｐＨの変化となり、その結果ｐＨ感
受性材料が溶解して酵素阻害剤を解放し、糞便または他の物体を、例えば使用
者の皮膚または他の表面を処理する。ｐＨ感受性材料の例は、当技術分野で既
知であり、ポリアクリルアミド類、フタレート誘導体類、ホルマリン処理したゼ
ラチン、セラック、ケラチン、セルロース誘導体類例えば酸化セルロース、及び
ポリアクリル酸誘導体類などが挙げられる。好ましい材料として、セルロースア
セテートフタレート、ビニルアセテート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、並びにアクリル酸及びアクリル
エステルコポリマー類と混合したポリメタクリレートが含まれる。他の材料の例
が、「ｐＨ始動浸透性爆発放出装置（pH Triggered Osmotic Bursting Delivery
Devices ）」という名称のＥＰ６１２，５２０Ａ２に記載されており、参考
として本願に取り入れる。

【００４４】本発明の伸張作用部材の更なる実施態様は、汚染物質、着用者、使用者、ま
たは物品など処理されるべき物体へ、刺激に応じて処理剤を放出する、すなわ
ち積極的に輸送することができる。例えば、この実施態様では、伸張作用部材は
、処理されるべき物体に処理剤を放出する、圧縮した弾力性発泡体または閉鎖
システム流体輸送部材を含むことができる。

【００４５】別の実施態様では、伸張作用部材は、ｐＨ感受性材料に埋め込まれたｐＨ緩
衝液を含むことができ、ｐＨ感受性材料が、増加した「目標外れ」ｐＨ水の中へ
ｐＨ緩衝液を連続的に溶解して連続的に解放する。目標を外れたｐＨを有する湿
分がｐＨ感受性材料に接触すると、その材料は連続的に溶解して、ある量のｐＨ
緩衝液を解放し、これが湿分のｐＨレベルを目標ｐＨレベルに変える。ｐＨ感受
性材料に接触する目標外れのｐＨの湿分の量が増加するにつれ、その材料が解
放するｐＨ緩衝液の量が増加する。

【００４６】本発明の伸張作用部材は、伸張作用部材が糞便を検知した時に、１つ以上の
糞便変性剤（「ＦＭＡ’ｓ」「粘性身体排出物変性剤」「変性剤」あるいは「
処理剤」）を、解放または放出することもできる。ＦＭＡは、糞便及び経血な
どの粘性身体排出物の化学的または物理的な特性を変性するのに効果的な量で
使用する。これは、糞便材を硬化すること、糞便の有効粘性を増加若しくは減少
すること、糞便の脱水の容易さを増加するまたは減少すること、糞便のベタつ
きを減少すること、糞便の付着性を減少すること、または上記の任意の組合せ
を含むことができる。

【００４７】本明細書で使用するＦＭＡの「効果的な濃度」は、糞便材の粘性または固さ
に測定可能な効果を有するに必要な、処理剤の相対的な量を指す。好ましくは、
処理する糞便の少なくとも約０．０１重量％のＦＭＡ濃度が望ましく、より典型
的には糞便の約０．１〜約５０重量％の間が糞便に対して使用可能である。

【００４８】本発明の糞便変成材は、糞便の流体部分（すなわち、水）を糞便の固体構造
から分離することが可能な、及び／または糞便水の糞便固体構成成分に対する
「結合」の程度を減少することが可能な、１つ以上の「水遊離」剤を含むことが
できる。

【００４９】上述のように糞便の粘性を減少するように作用する糞便変成剤には、次のも
の：有機及び無機凝集剤類、及び類似物、が含まれるがこれには限定されない。
無機凝集剤類には、二価または三価の金属塩が含まれるがこれには限定されず
、その金属塩には、鉄、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、及びこれらの
混合物の塩が含まれるも、これに限定されない。このような塩は加水分解生成
物を形成し、これが糞便コロイド構造中の粒子物質の荷電表面と連携して、凝集
（すなわち、上述の機構のいずれかによる凝集）に至ると考えられる。幾つかの
例として、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム水酸
化物、アルミン酸ナトリウム、硫酸カルシウム、ポリ−アルミニウム−ケイ酸塩
−硫酸塩（ケベック（Quebec ）のハンディケミカル（Handy Chemical ）より商
標ＰＡＳＳにて入手可能）、硫酸第一鉄、炭酸カルシウム、及び類似物などが挙
げられる。

【００５０】有機凝集剤として、アルブミン、キサンタンガム、及びグアーガムのような
天然物質が挙げられるが、これに限定されない。合成凝集剤は、一般的には架
橋がない水溶性分子または高分子であり、アクリル及びアクリルアミドポリマ
ー類及びその誘導体類（非常に低濃度（数１００重量％）で）、ポリビニルピロ
リドン、ポリメタクリレート類、ポリアミン類、ポリエチレンオキシド、及びア
リルアミンポリマー類などを挙げることができる。好ましくは、これらはカチオ
ンポリマー種である。（出願者らは理論に縛られることは望まないが、これら凝
集剤は、糞便粒子部分の負電荷域と連携して粒子間正味反発電荷を減少すること
により機能する、と考えられている。）合成凝集剤の一部のものは、高濃度で使
用した場合、水性溶液の粘性を増加するように作用することもあり、これについ
ては糞便濃縮剤として以降で説明する。有機凝集剤の一部のものを高すぎる濃度
で使用した場合、その効果は逆転する可能性があることに留意することも重要
である。したがって、荷電粒子と連携するに必要な量を超えてこれら凝集剤を使
用した場合、そのゲルを形成する傾向のために、水はより強固に糞便に保持され
る可能性がある。

【００５１】合成有機凝集剤の幾つかの架橋誘導体類（例えば、ポリアクリレート類）は
、またはその誘導体類は、当技術分野で超吸収性ポリマーとして既知であり、
尿または経血などの非常に低粘度の水性排出物と接触すると、非水溶性ゲルを
形成するように機能する。しかし、これら架橋種は容易に解離（すなわち、溶解
）して糞便マトリックス中の粒子種に吸着することができないので、凝集剤とし
ては機能しない。

【００５２】上述のような糞便の粘性を低下するように作用する糞便変性剤は、還元剤を
含むこともできる。例えば、結腸粘液の中に見られるような二硫化結合（−Ｓ−
Ｓ−結合）を還元する処理剤は、一般的に（二硫化結合で連結された糖蛋白質マ
クロ分子）を含み、高い粘液濃度を有する糞便の顕著な粘性低下をもたらすこと
ができる。理論に縛られることは望まないが、ムチン二硫化結合（これはムチン
高分子鎖間の架橋として機能する）の還元は、流動性糞便などの糞便中の糖蛋白
質構造の平均分子量を、ムチンの「ゲルポイント」より十分下のレベルにまで著
しく減少する（すなわち、糖蛋白質の比較的小さいサイズのために、長い距離の
構造は不可能になる）と考えられている。代表的な還元剤として、亜硫酸水素ナ
トリウム及び亜硫酸ナトリウム及びジチオン酸ナトリウムなどの亜硫酸塩、チオ
ール及びチオールアルコール（例えば、２−メルカプトエタノール、ジチオトレ
イトール、及びジチオエリトリトール）、メルカプト酢酸、チオグリコール酸ナ
トリウム、チオ乳酸、チオグリコアミド、グリセロールモノチオグリコレート、
ホウ化水素類（例えば、ホウ化水素ナトリウム），第三級アミン類、ナトリウム
チオシアネートなどのチオシアネート類、チオ硫酸ナトリウムなどのチオ硫酸類
、シアン化ナトリウムなどのシアン化物類、チオリン酸ナトリウムなどのチオリ
ン酸塩、亞ヒ酸ナトリウムなどの亞ヒ酸塩類、トリフェニルホスフィンなどのホ
スフィン類、チオフェノール及びｐ−ニトロフェノールなどのフェノール類、ベ
タイン類などが挙げられ、その他として、水素化アルミニウムリチウム、塩化ア
ルミニウム、塩酸グアニジン、塩化第一スズ、ヒドロキシルアミン、及びＬｉＨ
Ｂ（Ｃ_２Ｈ_５）_３などが挙げられるが、これに限定されない。

【００５３】本発明のその他の好ましい実施態様では、水結合の程度を増加することによ
り一般に糞便の構造を増大する変性剤を使用して、糞便の粘性を増し、移動性を
減少する。これは、適度な濃度の濃縮剤を使用することにより達成することがで
きる。濃縮剤は、天然でも合成でもよく、一般的には水溶性の（通常は非架橋の
）ポリマーであり、例えば、ＣＭＣ（カルボキシメチルセルロース）、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸及
びその誘導体類、カラギーナン、ポリアクリルアミド及びその誘導体類、（ポリ
エチレン）イミン類、ゴム類（キサンタン、グアー、カラヤ、寒天、イナゴマメ
ゴム、ペクチン、及びガティガム、またはこれらの混合物など）及びその他類
似物質などがある。糞便バクテリア及び生体高分子類のアニオン性表面のために
、カチオン系ポリマーが好ましい。濃縮剤は、糞便中の遊離水及び浸透的「結合
」水に溶解することにより糞便の粘性を上昇させ、これにより糞便の固体「構造
」を増加する。一般的に、従来型超吸収体などの大きな不溶性の高分子電解質ポ
リマー粒子は、糞便中の遊離水に溶解して糞便中で分子レベルのマトリックスを
生成することはできない。幾つかのＦＭＡは、異なるタイプの糞便上では異なっ
て機能することがある。（例えば、１つのタイプの糞便上では凝集剤として作用
するＦＭＡが、別のタイプの糞便上では、その特定のタイプの糞便の構造的特性
の変化のために濃縮剤として作用することがある。）これの一例として、カルシ
ウム水酸化物があり、これは、流動性糞便類似体に対しては凝集剤として機能す
るが、ペースト状糞便類似体に対しては同じ濃度で濃縮剤として機能する。

【００５４】更に別の好ましい実施態様では、変性剤は、イオン性錯化剤を含む。イオン
性錯化剤は、それ自体、または水、または糞便中の他の化学存在物と錯体を
作って糞便内で構造と堅固さの増加域を形成する、どの単一構成成分でも含むこ
とができる。得られる錯体は、糞便内の水をより堅固に安定化または結合する
ように作用する。代表的なイオン性錯体として、ＺｎＯ，ＭｇＯ，ＭｎＯ、Ｃａ
Ｏ，カルシウム水酸化物、Ａｌ_２Ｏ_３、アルミニウム塩類、酢酸亜鉛及び亜鉛
グルカネートなどの亜鉛塩類、ゼラチン、第四級アンモニウム塩類、エタノール
アミン類、アルギン酸、セチルトリメチルアンモニウム臭化物、及び類似物など
が挙げられる。）あるいは、イオン性錯化剤は、２つ（以上）の成分システム
を含んでもよく、そのシステムでは、錯体（すなわち、より長い範囲の構造）が
２つの追加構成成分（例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、または亜鉛塩
プラスアルギン酸及び／またはその塩）の相互作用により生成される。イオン
性錯化剤は、水と錯体を作ると、結晶性水和物を形成することができる。一般に
、カルシウム含有化合物またはシステム（例えば、ＣａＯ，カルシウム水酸化
物、及びアルギン酸カルシウム、他）は、最も効果的な糞便変成剤の一部である
。

【００５５】更に別の実施態様では、１つ以上の酵素または微生物を、伸張作用部材を覆
っている酵素分解性フィルムまたはカプセルが検知することができ、酵素阻害
物質を解放して皮膚を手当てする。代表的な酵素阻害物質は、１９９８年３月１
２日に出願した「酵素阻害物質を含有したスキンケア組成物を有する使い捨て吸
収性物品（Disposable Absorbent Article Having A Skin Care Composition Co
ntaining An Enzyme Inhibitor ）」という名称の米国特許出願シリアル番号０
９／０４１，２６６に開示されており、参考として本願に取り入れる。

【００５６】代表的なスキンケア組成物（またはローション）が、１９９７年３月４日に
ロー（Donald C.Roe ）へ発行された「皮膚軟化剤及びポリオールポリエステル
不動化剤を含有するローション入りトップシートを有する使い捨て吸収性物品（
Disposable Absorbent Article Having A Lotioned Topsheet Containing An Em
ollient And A Polyol Polyester Immobilizing Agent ）」という名称の米国特
許第５，６０７，７６０号と、１９９７年３月１１日にロー（Donald C.Roe ）
へ発行された「ポリオールポリエステル流体皮膚軟化剤と不動化剤を含むロー
ション入りトップシートを有するおむつ（Diaper Having A Lotioned Topsheet
Comprising A Liquid Polyol Polyester Emollient And An Immobilizing Agent
）」という名称の米国特許第５，６０９，５８７号、及び１９９７年６月３日
にロー（Donald C.Roe ）他へ発行された「ポリシロキサン皮膚軟化剤を含有す
るローション入りトップシートを有するおむつ（Diaper Having A Lotioned Top
sheet Containing A Polysiloxane Emollient ）」という名称の米国特許第５，
６３５，１９１号と、１９９７年７月１日にロー（Donald C.Roe ）他へ発行さ
れた「ローション入りトップシートを有するおむつ（Diaper Having A Lotioned
Topsheet ）」という名称の米国特許第５，６４３，５８８号、並びにそれぞれ
１９９７年９月１０日に出願された米国特許出願シリアル番号０８／９２６，５
３２及び０８／９２６，５３３に記載されており、ここに列挙した特許及び出願
のそれぞれを参考として本願に取り入れる。

【００５７】先に述べたように、本発明の複合布地パネル９０は、不織布シートの重なり
合う層とその間に配置された伸張作用部材を含有する多層基材を含むことがで
きる。複合布地パネル９０を組み立てる一方法は、図５に概略示すように、一対
のローラ１６０と１６２を使用することを含む。まず、不織布シート９２の下側
層１０８が、未結合繊維の単一平面体として、コンベヤ１６４の上に広げられる
。未結合繊維には、当技術分野で既知の好適な接着媒質を事前に混合してある。
ヤーン９４を含む伸張作用部材が、流れ方向ＭＤへ延び、上述の配列で下側
層１０８の上に置かれる。次に、上側層１０６が、未結合繊維と接着媒質の単一
平面体の形態で、ヤーン９４及び下側層１０８を覆って配置される。次に、パネ
ル９０の重なり合う構成要素は、ローラ１６０と１６２の間のニップ１６５を通
る。ニップ１６５で生じる熱及び圧縮の影響下にて、各層１０６及び１０８内の
不織繊維は互いに結合し、ヤーン９４と層１０６及び１０８も互いに結合する。

【００５８】図５に更に示すように、ローラの１つ１６０は溝１７０を有する。溝１７０
は、ローラ１６０の円筒状表面１７２の少なくとも一部の周りを円周方向に延び
、ヤーン９４の配列に対応する配列で配置されており、その結果、各ヤーン９４
が、ローラ１６０と１６２の間のニップ１６５を通過する時に、対応する溝１７
０を通り抜ける。溝１７０が、ニップ１６５に於けるヤーン９４の過度の圧縮を
避ける空間を提供する。

【００５９】更に具体的には、各ヤーン９４の直径は、ニップ１６５に於けるローラ１６
０と１６２の円筒状表面１７２と１７４間の間隔よりも大きい。溝１７０の深さ
は、ヤーン９４の直径及びニップ１６５における間隔に関連して指定され、ヤー
ン９４が、つぶされた状態に圧縮されることなくニップ１６５を通り抜ける空間
を提供する。つぶされた状態からは、ヤーン９４は、図４に例として示すような
最初のつぶされない状態に、完全にまたはそれに近く復元することができない
。溝１７０の深さは更に、層１０６及び１０８が、結合部１７６及び１７８（
図４）を形成するに十分にヤーン９４に対して圧縮されるように、層１０６及び
１０８の厚さに関連して指定される。

【００６０】溝１７０の幅も、ヤーン９４の直径と、重なり合う層１０６及び１０８の厚
さに関連して指定される。図４に更に関連して、層１０６及び１０８の伸張する
区分１２０及び１２２は、区分１２０及び１２２の隣接する部分１３０の間で、
結合部１８０により相互に結合される。結合部１８０を作る手段として、接着剤
、超音波、及び高圧エンボス加工などが挙げられるが、これに限定されない。
（高圧エンボス加工により結合することは、１９６４年９月８日にパルマー（Pa
lmer ）へ発行された米国特許第３，３２３，９８３号に開示されており、参考
として本願に取り入れる。）結合部１８０は、隣接する部分１３０を円筒状ロー
ラ表面１７２と１７４で圧縮する場合に形成される。溝１７０の幅がヤーン９４
の直径を超えているので、層１０６及び１０８の収束する部分１３２もヤーン９
４と共に溝１７０を通り抜ける。これにより確実に、層１０６及び１０８の収束
する部分１３２は、円筒状ローラ表面１７２と１７４により圧縮されることも
互いに結合することもない。

【００６１】下側ローラ１６２も、ヤーン９４がニップ１６５を通るのを案内する溝を有
してもよい。このような実施態様を使用して、対向する側表面２０２及び２０４
のそれぞれに肋骨感がある、複合布地パネル２００（図６）を形成することがで
きる。ローラ１６０及び１６２の溝は、図６に示すようにヤーン９４の側に沿っ
てチャンネル２０６を形成するように、寸法決めすることもでき、または図７
に示すように層１０６及び１０８をヤーン９４の間で共に一杯に押して、チャン
ネルを形成しないこともできる。更に、本発明により構成される複合布地パネル
は、均等間隔の平行な列のヤーン９４とは異なるヤーン列を有してもよい。かか
る配列として、不均等間隔のヤーン２２０（図８Ａ）、正弦曲線さもなければ非
直線路に沿って延びるヤーン２２２（図８Ｂ）、及び／または交差するヤーン
２２４（図８Ｃ）を含めることができる。対応する配列のローラ溝は、上述と実
質的に同じ方法で、ヤーンの圧縮とかかるヤーンの側に沿ってチャンネルを形成
するのを制御することに使用できる。

【００６２】本発明の複合布地パネルは、単一のほぼ平面体の不織繊維とその繊維体の中
に埋め込まれた伸張作用部材を含んでもよい。この実施態様の場合、複合布地パ
ネルは、ヤーンを複合布地パネルと直接係合することにより作ることができる。
例えば図９に示すように、ヤーン２３０は、シート２３２の側表面２３４上に取
り付けることにより、不織布シート２３２と係合している。図１０に示すように
、ヤーン２４０をこの方法で受け入れるに好適なシート２４２が未結合（また
は部分結合）の非粘着条件の時に、ヤーン２４０は、シート２４２の不織繊維の
中に埋め込まれる。非粘着シート２４２及び埋め込まれたヤーン２４０は、一対
のローラの間のニップを通過して、本発明による結合した複合布地パネルを形成
する。かかるローラは、図１１に示すように、不織布シート２４２にヤーン２４
０を横切って延びる平面状側表面２４４をもたらす溝を有して、または図１２
に示すように、ヤーン２４０を横切って延びる波打つ対向側表面２４６をもたら
す溝を有して、構成することができる。

【００６３】代表的実施態様本発明の複合布地パネルは、先に述べた幾つかのタイプの吸収性物品に等し
く適用可能であるが、本発明の吸収性物品の好ましい一実施態様は、図１に示す
使い捨ておむつ２０などの一体の吸収性物品である。図１は、平らに伸びた、非
収縮状態の（すなわち、弾性により誘引される収縮がない）おむつ２０の平面
図であり、おむつ２０の下側の構造をより明確に示すために構造の一部を切欠
し、おむつ２０の着用者に接触する部分を手前に向けている。伸張した構成を
有するおむつ２０が、図１３に示される。おむつ２０の１つの端部３０は、おむ
つ２０の前腰部領域として構成されている。反対側端部３２は、おむつ２０の後
腰部領域として構成されている。おむつ２０の中間部３４は、前腰部領域３０と
後腰部領域３２の間を長手方向に延びる、股部領域として構成されている。腰部
領域３０及び３２は、着用した時におむつ２０の着用者の腰を取り巻く部分を概
ね構成する。腰部領域３０及び３２は、着用者の腰の周りで縮んでフィットと収
容性の改良をもたらすように、弾性要素を含むことができる。股部領域３４は、
おむつ２０を着用した時に、着用者の脚の間に概ね配置されるおむつ２０の部分
である。

【００６４】おむつ２０は、流体透過性トップシート４０、流体不透過性バックシート
４２、並びにトップシート４０とバックシート４２の間に入れられた吸収性コア
４４を含むのが好ましい。吸収性コア４４は、概ね着用者に向く身体側表面４６
と、概ね着用者から外側に向く衣料側表面４８を有するのが好ましい。おむつ２
０はまた、少なくとも１つの係合構成要素５２（雄締結具構成要素）及び少なく
とも１つの着床域５４（雌締結具構成要素）を含む、フックおよびループの締着
装置５０などの締結具を含むのが好ましい。おむつ２０はまた、より良いフ
ィットや収容性や美的特性をもたらすために、脚部カフスや、前及び後耳パネル
や、腰部キャップ機構や、弾性部及び類似品を含む当技術分野で既知の他の機構
を含有することができる。かかる追加機構は当技術分野で周知であり、また米
国特許第３，８６０，００３号及び第５，１５１，０９２号に記載されており、
これらを参考として本願に取り入れる。

【００６５】本発明の複合布地パネルは、他のおむつ実施態様にも好適である可能性があ
り、これらには、２０００年１月４日に発行された米国特許第６，０１０，４９
１号と、１９９９年２月２３日に発行された米国特許第５，８７３，８７０号と
、１９９９年４月２７日に発行された米国特許第５，８９７，５４５号と、１９
９９年５月１８日に発行された米国特許第５，９０４，６７３号と、１９９９年
８月３日に発行された米国特許第５，９３１，８２７号と、１９９９年１１月２
日に発行された米国特許第５，９７７，４３０号、及び１９９９年１２月２１日
に発行された米国特許第６，００４，３０６号とに記載されるものが含まれ、こ
れらの開示を参考として本願に取り入れる。

【００６６】本発明の第一の好適な実施態様でのトップシート４０は、複合布地パネル９
０により画定される。図１４に最も良く示すように、複合布地パネル９０は、不
織布シート９２と、不織布シート９２に直接係合したヤーン９４で構成される複
数の伸張作用部材とを含む。不織布シート９２の周辺部は、トップシート４０の
周辺部に対応し、一方おむつ２０の周辺部５５に対応する（図１３）。このよう
に、不織布シート９２は、１つの端部９６がシート９２の前腰部領域として構成
され、反対側端部９８がシート９２の後腰部領域として構成され、中間部１００
がシート９２の股部領域として構成された、伸張した構成を有する。不織布シー
ト９２のこれら領域９６、９８、及び１００は、おむつ２０自体の対応する領
域３０、３２及び３４と同一の広がりであるのが好ましい。

【００６７】本発明のこの特定の実施態様では、不織布シート９２は、互いに結合された
不織布の一対の重なり合う層１０６及び１０８（図１４）を含む、積層体構造を
有する。上側層１０６は、着用者の皮膚と接触する外側表面１１０を有する。下
側層１０８は、吸収性コア４４及びバックシート４２の上にのる外側表面１１２
を有する。ヤーン９４は、重なり合う層１０６と１０８の間で、不織布シート９
２の中に包まれている。

【００６８】不織布シート９２は、図１４にて矢印で示す縦方向ＭＤを有する。層１０６
と１０８は、類似であって、互いに関してランダムに配向されて結合した不織繊
維で、おのおの形成されるのが好ましい。かかる繊維は、おむつトップシート４
０に好適な材料特性を不織布シート９２にもたらす、どの材料ででも形成するこ
とができる。好ましくは、不織繊維は、着用者の皮膚を吸収性コア４４中の流
体から隔離するために、疎水性繊維で形成する。このように不織布シート９２を
疎水性材料で形成する場合、上側層１０６の少なくとも外側表面１１０は、流
体がトップシート４０を貫いて、より迅速に移動できるように、親水性になるよ
うに処理してもよい。これにより、身体排出物が、トップシート４０を貫いて引
き込まれて吸収性コア４４に吸収されるよりも、トップシート４０から流れ出る
という可能性が減少する。この方法において、トップシート４０は、シート９２
または外側層１０６に界面活性剤をスプレーする、または界面活性剤に漬ける
などを含む、界面活性剤処理を不織布シート９２に施すことにより、部分的に親
水性にすることができる。このような処理のより詳細な説明は、１９９１年１月
２９日にレイシング（Reising ）他へ発行された「多層吸収層を有する吸収性物
品（Absorbent Articles with Multiple Layer Absorbent Layers ）」という名
称の米国特許第４，９８８，３４４号と、１９９１年１月２９日にレイシング（
Reising ）へ発行された「迅速獲得吸収性コアを有する吸収性物品（Absorbent
Articles with Rapid Acquiring Absorbent Cores ）」という名称の米国特許第
４，９８８，３４５号とに含まれ、そのそれぞれを参考として本願に取り入れる
。

【００６９】透過性及び通気性などのトップシート４０の好適な構造的特性は、不織布シ
ート９２の層１０６及び１０８中の結合繊維間の間隙によりもたらすことができ
る。かかる間隙は、既知の方法で形成することができる。図１３及び図１４に示
すように、好ましい構造的一特性は、不織布シート９２の上側層１０６を通して
封入されたヤーン９４を明瞭に見ることができるような、著しい程度の透明性で
ある。本発明のこの特徴により、シート９２は第一の色付けを好ましくは有し、
ヤーン９４は第二の明確に対照的な色付けを好ましくは有する。図１４に更に
示すように、シート９２の透過性及び通気性は、層１０６及び１０８のそれぞれ
の整列した開口１１５及び１１７により強化される。開口１１５及び１１７は、
既知の方法で形成され、好ましくはシート９２全体を均等に延びる配列により配
置される。

【００７０】ヤーン９４は、シート９２に肋骨感をもたらす肋骨部材として構成してよい
。具体的には、ヤーン９４は、シート９２の層１０６及び１０８の間に間隔を置
く位置で受け止められ、この中で、一対の隣接するヤーン９４の間で横断方向に
延びる、層１０６及び１０８の伸張した区分１２０及び１２２の輪郭を描く。こ
の実施態様でのヤーン９４は類似であり、また平行で均等間隔であり、層１０６
及び１０８の伸張した区分１２０及び１２２が均等な等しい幅を有する。各区分
１２０及び１２２の幅は、各ヤーン９４の直径よりも数倍大きいことが好ましい
。しかし、ヤーン９４の直径は、波打ち輪郭を付与するのに十分大きく、これに
より、外側表面１１０に肋骨感を与える。

【００７１】ヤーン９４は更に、図４に示すように、複合布地パネル９０の絶縁特徴をも
たらすような大きさとなっている。本発明のこの特徴により、外側表面１１０の
波打ち輪郭は、その点でパネル９０が着用者の皮膚１２６（略示）に接触する峰
１２４を画定し、またその点で外側表面１１０が着用者の皮膚１２６と間隔を置
き、介在する谷１２８を画定する。これは、心地良さにとって有用であると共
に、これがなければ皮膚１２６に接触する可能性がある開口１１５（図１４）の
円形の縁での、皮膚１２６への跡づきまたは斑点の形成を阻止することはでき
ない。

【００７２】別の複合布地パネル３００を、図１５に示す。図１３に示すパネル９０と同
様に、パネル３００（並びに上述の他のパネルも）おむつトップシートとして構
成されている。したがって、パネル３００は、一対の腰部領域３０６及び３０８
の間の股部領域３０４を有する伸張した構成を有する、不織布シート３０２を
含む。複数のヤーン３１０が、シート３０２と直接係合して、股部領域３０４と
腰部領域３０６及び３０８を貫いてシート３０２を長手方向に延びる、肋骨部材
として構成されている。

【００７３】パネル９０のヤーン１０４と異なり、パネル３００のヤーン３１０は、熱収
縮性材料で形成されたフィラメントを含む。パネル３００を構成する時には、熱
収縮性材料が収縮するに十分なだけヤーン３１０を加熱する。熱をかけると、ヤ
ーン３１０が長手方向に収縮を起こし、これにより、シート３０２に波打ち表面
輪郭を付与するようにシート３０２をたわませる。したがって、パネル３００に
より画定されるおむつトップシートは、略図で示すように、クッション効果を果
たす波紋構成を備える。

【００７４】同様な波紋構成が、図１６に示す別のトップシート４００にも備えられる。
このトップシ−ト４００は、股部領域４０４と一対の腰部領域４０６及び４０８
を画定する伸張した構成を有する、不織布シート４０２を含む。しかし、この
トップシート４００は、長手方向に延びる肋骨部材として構成されたヤーンを含
まない。その代わり、このトップシート４００は、シート４０２に結合された、
個別のフィラメント４１０の配列を含む。フィラメント４１０は、熱収縮性材料
で形成され、熱影響下でのその材料の収縮した時達成された、短縮状態を呈する
。したがって、シート４０２は、熱収縮性材料が収縮した時フィラメント４１０
によりシート４０２に付与されたたわみの結果として、波打った波紋表面輪郭を
有する。

【００７５】本発明の好ましい実施態様を含む吸収性物品の別の例、すなわち使い捨てお
むつ５００を、図１７に示す。（図１３では、おむつ２０を前から見ているが、
図１７では、おむつ５００を後ろから見ている。）上述のおむつ２０と同様に、
おむつ５００は、前腰部領域５０４及び後腰部領域５０６の間に配置された股部
領域５０２での伸張した構成を有する。おむつ５００はまた、トップシート５
１０とバックシート５１２の間に入れられた吸収性コア５０８を含む。しかし、
本発明のこの実施態様では、トップシート５１０よりもバックシート５１２が、
本発明により構成される複合布地パネル５１４を含む。

【００７６】複合布地パネル５１４に加えて、バックシート５１２は更に、バックシート
５１２を流体不透過性にする内側ウエブ５１６を含む。内側ウエブ５１６は、
当技術分野で既知のどの好適な構造をも有することができ、当技術分野で既知
のどの方法によっても複合布地パネル５１４に結合することができる。

【００７７】上述の複合布地パネルのそれぞれと同様に、複合布地パネル５１４は、不織
布シート５２０、及びシート５２０と直接係合した複数のヤーン５２２を含む。
シート５２０は、前腰部領域５２６と後腰部領域５２８との間の股部領域５２４
を有する、伸張した構成を有する。不織布シート５２０のそれら領域５２４、５
２６、及び５２８のそれぞれは、おむつ５００自体の対応する領域５０２、５０
４、及び５０６と、好ましくは同一の広がりを持つ。ヤーン５２２は、股部領
域５２４から、腰部領域５２６または５２４の少なくとも１つの中へ、好まし
くは２つの腰部領域５２６及び５２８の中へ完全に、シート５２０を長手方向に
延びる肋骨部材として構成されている。

【００７８】おむつ５００中の複合布地パネル５１４は、図１ａ〜図１２を参考に上述し
た本発明のどの特定の機構により構成してもよい。本発明の別の特定機構によれ
ば、複合布地パネル５１４は、おむつ５００を着用者上に固定する時に、おむつ
締結装置の係合構成要素５４２が着床するように構成された場所に対応する着床
域５４０として働くこともできる。着床域５４０は、複合布地パネル５１４と一
体でこれにより画定されてよく、パネル５１４の全体構造と全く異なる着床構造
を含む必要はない。伸張作用部材（ヤーン５２２）により形成される波打ち表面
は、着床域５４０の任意の部分を貫いて延び、係合可能な着床表面を形成する
ことができる。波打ち表面及び／または伸張作用部材は、一旦表面と係合する
と、係合する構成要素５４２の動きを抑制する助けをすることができ、締結具の
剪断または剥離強度の増加をもたらすことができる。本発明のパネル５１４は
また、リングロール加工及び／またはさもなければ機械的または化学的にパネ
ルの全てまたは一部を変更する加工などの、当技術分野で既知の方法により改質
してもよい。本発明で使用するに好適な型の係合可能なファスナーを使用する締
結装置、及び締結装置の特性を改質する方法は、１９９８年４月７日に発行され
た米国特許第５，７３５，８４０号、及び１９９９年７月２７に発行された米国
特許第５，９２８，２１２号、及び１９９７年４月２９日に発行された米国特許
第５，６２４，４２７号とに開示されており、その開示を参考として本願に取り
入れる。

【００７９】別の実施態様では、複合布地パネルは、複合布地パネルの当て布をバックシ
ートの着床域に取り付けることにより、バックシートの別個の明確な部分に限っ
てもよい。上述の締結装置と同様に、伸張作用部材は、係合している構成要素の
動きを抑制すると同時に、おむつ構成要素の特性を強調する機能的な属性をもた
らす、改良した係合可能な着床構造を形成してもよい。

【００８０】本発明の特定の実施態様及び／または個別の機構を例示し記述しているが、
本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく様々な変化と変形が可能であることは
、当業者にとり明白であると考える。さらに、このような実施態様及び機構の全
ての組合せが可能であること、またこれにより本発明を好ましく実施できるこ
とも明らかである。従って、付随するクレームは、本発明の範囲内にある全ての
このような変化と変形を包括するように企図したものである。

【図面の簡単な説明】

本明細書は、本発明を形成するとみなす主題を特定して指摘し明確に請求す
る請求項によって結論付けるが、本発明は、添付図と関連づけてなされる次の説
明によってより良く理解されると考えられ、添付図中では同様な表示記号は実質
的に同一の要素を示すのに使用する。

【図１ａ】平行な直線路に沿って一方向に配置した伸張作用部材を示す
、本発明の複合布地パネルの平面図である。

【図１ｂ】平行な直線路に沿って一方向に配置した伸張作用部材を示す
、本発明の複合布地パネルの平面図である。

【図１ｃ】平行な非直線（正弦曲線）路に沿って一方向に配置した伸張
作用部材を示す、本発明の複合布地パネルの平面図である。

【図２】交差するパターンを形成して二方向に配置した伸張作用部材を
示す、本発明の複合布地パネルの平面図である。

【図３】図１に示した複合布地パネルの断面図である。

【図４】図３に示した部品の拡大部分図である。

【図５】図１に示す複合布地パネルの製作に使用する装置の部品の略図
である。

【図６】本発明により構成された別の複合布地パネルを示す、図３と同
様な図である。

【図７】本発明により構成された別の複合布地パネルを示す、図３と同
様な図である。

【図８Ａ】本発明により使用されるヤーンの異なる配列の略図である。

【図８Ｂ】本発明により使用されるヤーンの異なる配列の略図である。

【図８Ｃ】本発明により使用されるヤーンの異なる配列の略図である。

【図９】本発明により構成された別の複合布地パネルを示す、図３と同
様な図である。

【図１０】本発明により複合布地パネルを構成する別の方法で行われる
ステップを示す略図である。

【図１１】本発明により構成された別の複合布地パネルを示す、図３と
類似な追加の図である。

【図１２】本発明により構成された別の複合布地パネルを示す、図３と
類似な追加の図である。

【図１３】本発明の好ましい実施態様を含む、吸収性物品の平面図であ
る。

【図１４】図１３の吸収性物品の構成要素として含まれる、複合布地パ
ネルの拡大部分図である。

【図１５】本発明による複合布地パネルとして構成された、おむつトッ
プシートの平面図である。

【図１６】本発明により構成された別のおむつトップシートの平面図で
ある。

【図１７】本発明の追加実施態様を含む吸収性物品を示す図１３と同様
な図であり、この図では吸収性物品の反対側から見ている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ａ６１Ｆ 13/511 Ａ４１Ｂ 13/02 Ｌ // Ａ６１Ｆ 5/44 ＥＴ 5/441 Ｎ (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＯ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者テリル、アラン、ヤングアメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、マウント、エアリー、アベニュ、2607 (72)発明者ドナルド、キャロル、ロウアメリカ合衆国オハイオ州、ウェスト、チェスター、エンバーウッド、コート、6324 (72)発明者ウイリアム、ジョセフ、テーナーアメリカ合衆国オハイオ州、ワイオミング、スプリングフィールド、パイク、319 Ｆターム(参考） 3B029 BB06 BD10 BD13 BD22 BE02 BF07 4C098 AA09 CC03 CC08 CC19 CE07 DD08 DD10 DD14 DD25 DD26 DD27 DD28 4F100 AR00B AT00A AT00B BA02 DC22B DG04B DG11A DG11B DG15A GB72 JC00 JC00B JK08B JL10B

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複合布地パネルにおいて、基材と、前記基材に直接係合し
た複数の伸張作用部材とを含み、前記伸張作用部材が、刺激に応じて実用的な作
用を果たす、複合布地パネル。
【請求項２】前記基材が、一対の重なり合う不織布層を含み、前記伸張作
用部材が、前記層の間で前記基材の中に包まれる、請求項１で定義された複合布
地パネル。
【請求項３】前記伸張作用部材が、対になって隣接する伸張作用部材の間
で前記層の区分輪郭を描き、前記層の前記区分が、前記伸張作用部材から横断方
向に間隔を置く隣接する部分を有し、更に前記伸張作用部材から前記隣接する部
分へ横断方向に収束する間隔が離れた部分を有し、前記伸張作用部材及び前記区
分の前記間隔が離れた部分が、前記伸張作用部材の側に沿って延びるチャンネル
を包囲するようになっている、請求項２で定義された複合布地パネル。
【請求項４】前記基材が、一体の概ね平面体の不織繊維を含み、前記伸
張作用部材が、前記一体の概ね平面体の不織繊維の中に埋め込まれている、請求
項１で定義された複合布地パネル。
【請求項５】前記伸張作用部材が、前記基材に結合され、及び熱収縮性材
料で形成されたフィラメントを含み、熱影響下で前記フィラメントが収縮した時
、前記伸張作用部材が基材をたわませる、請求項４で定義された複合布地パネル
。
【請求項６】各伸張作用部材が、少なくとも１つのマルチフィラメントヤ
ーン、または少なくとも１つのテープを含む、請求項１で定義された複合布地パ
ネル。
【請求項７】前記実用的な作用が、検知可能な組成の存在を示す色の変
化、拡大または縮小、臭い吸収、または活性物質の選択的分散を含む、請求項
１で定義された複合布地パネル。
【請求項８】前記活性物質が、抗菌剤、酵素阻害物質、ｐＨ中和剤、保
護バリアー剤、または薬剤を含む、請求項８で定義された複合布地パネル。
【請求項９】前記刺激が、湿り、温度変化、濃縮化学環境の存在、また
は酵素の存在を含む、請求項１で定義された複合布地パネル。
【請求項１０】複合布地パネルを含む吸収性物品であって、前記複合布地
パネルが、基材と、前記基材に直接係合して前記基材を横切る波打ち輪郭を形成
する複数の伸張作用部材とを含み、前記伸張作用部材が、刺激に応じて実用的な
作用を果たす、吸収性物品。