JP2003516184A - 既定の臭い/抗菌物質パターンを有する臭い/抗菌低減層を使用した使い捨て吸収製品 - Google Patents

既定の臭い/抗菌物質パターンを有する臭い/抗菌低減層を使用した使い捨て吸収製品

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、使い捨て吸収製品に関するものである。本発明の使い捨て吸収製品は、トップシート、トップシートと結合されたバックシート、及びトップシートとバックシートの間に配置され、身体対向表面及びその反対側に衣類対向表面を有する流体貯蔵層を含む。使い捨て吸収製品は更に、トップシートと流体貯蔵層の間又はバックシートと流体貯蔵層の間のいずれか一方に配置される臭い/抗菌低減層を含む。臭い/抗菌低減層は臭い/抗菌物質を含有する。また臭い/抗菌低減層は既定の臭い/抗菌物質パターンを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は使い捨て吸収製品に関する。更に詳しくは、本発明は既定の臭い/抗
菌物質パターンを有する臭い/抗菌低減層を使用した使い捨て吸収製品に関する
。これらの使い捨て吸収製品の例としては、使い捨て下着、プルオンおむつ及び
トレーニングパンツを含む使い捨て紙おむつ(成人用及び子供用)、生理用使い
捨てパンツ、生理用ナプキンを含む使い捨て吸収パッドが挙げられる。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
多種多様な使い捨て吸収製品が、体液(例えば、尿、血液、経血など)を十分
に吸収できるだけでなく、衛生的かつ快適に使用できるように設計されており、
これらの製品は文献により知られている。この種の使い捨て吸収製品は、一般的
に流体透過性のトップシート材料、吸収性コア(又は、流体貯蔵層)、及び流体
不透過性のバックシート材料から構成される。これらの製品の多様な形状、サイ
ズ、厚さは、より快適でかつ便宜的に使用できるように開発されてきたものであ
る。 最近では、これらの使い捨て吸収製品の研究において、主に製品の吸収能力が
重視されている。その結果、高い吸収力を有する多様な吸収性ポリマーが開発さ
れてきた。これらの超吸収性物質で既知のものは、ヒドロゲル形成性の吸収性ポ
リマーとしても知られているが、ポリマー1g当たり約30〜60gの水を吸収
することができる。
【0003】 ごく最近では、悪臭の除去や、使い捨て吸収製品を比較的長時間使用すること
で生じる、皮膚炎、発疹、及び赤みのような皮膚病の予防に研究の重点が置かれ
ている。体液の多くは不快臭(又は、悪臭)を有し、あるいは長時間空気及び/
又は細菌に接触すると不快臭を発生する。更に、吸収製品に吸収された尿及び/
又はその他の排出物は、皮膚上に通常生息する微生物の一種である皮膚細菌によ
って生成される尿素分解酵素により、アンモニアへと変わる。続いてこのアンモ
ニアが、皮膚炎、発疹、及び/又はその他の皮膚刺激状態を引き起こすことがあ
る。乳児におけるこれらの皮膚病は深刻な医療問題にもなり、重症の場合には死
に至ることもある。 抗細菌物質及び殺菌剤は一般的に化学合成品であり、微生物汚染や、製品、材
料、系の変質を防ぐために使用される。このような抗細菌物質及び殺菌剤は、既
に体液を吸収した使い捨て吸収製品から発生する不快臭を除去又は削減する場合
にも有効に作用する。しかし、抗細菌物質又は殺菌剤を使い捨て吸収製品に適用
する方法によっては、これらの抗細菌物質及び殺菌剤が、使い捨て吸収製品の吸
収能力に影響を与える傾向があることが知られている。
【0004】 例えば、特公平4−17058号において、内部に抗細菌物質を含有した超吸
収性物質を含む吸収層を使用した使い捨て紙おむつが開示されている。同様に、
特開平5−277143号では、消臭物質を含有した超吸収性物質を用いた使い
捨て紙おむつが開示されている。金属フタロシアニン誘導体は、特開平5−22
7143号において、消臭物質の例として開示されている。更に、特開昭64−
25856号では、生理用ナプキンが開示されており、この製品には超吸収性物
質と、消臭物質として金属フタロシアニン誘導体を含有した吸収シートが使用さ
れている。これらの開示された吸収製品の構造では、抗細菌物質又は消臭物質は
超吸収性物質と接しており、その結果、抗細菌物質又は消臭物質のせいで、超吸
収性物質の吸収能力が低下する傾向が見られる。
【0005】 使い捨て吸収製品の吸収能力が抗細菌物質及び/又は殺菌剤の影響を受けない
ようにするため、抗細菌物質及び/又は殺菌剤を超吸収性物質から分離した層の
中に添加することが好まれる。しかし、抗細菌物質及び/又は殺菌剤は高価なも
のが多く、使い捨て吸収製品の製造コストが増加する。そのため、効果的な消臭
及び/又は除菌機能を提供すると同時に、適量(かつ最少量)の抗細菌物質及び
/又は殺菌剤が製造において求められる。更に製造方法において、使い捨て吸収
製品の成分物質に適用される抗細菌物質及び/又は殺菌剤の総量を制御すること
は一般的に容易ではない。 以上のことから、効果的な消臭及び/又は除菌機能を有し、製造コストの増加
を最小限に抑える使い捨て吸収製品が必要とされる。更に、使い捨て吸収製品に
適用される消臭及び/又は抗細菌物質の総量を容易に制御できる構造を有する使
い捨て吸収製品が必要とされる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、使い捨て吸収製品に関するものである。本発明の使い捨て吸収製品
は、トップシート、トップシートと結合したバックシート、及びトップシートと
バックシートの間に配置され、身体対向表面及びその反対側に衣類対向表面を有
する流体貯蔵層を含む。使い捨て吸収製品は更に、トップシートと流体貯蔵層の
間又はバックシートと流体貯蔵層の間のいずれか一方に配置される臭い/抗菌低
減層を含む。この臭い/抗菌低減層は臭い/抗菌物質を含有する。また臭い/抗
菌低減層は既定の臭い/抗菌物質パターンを有する。 以上のことから、効果的な消臭及び/又は除菌機能を有し、製造コストの増加
を最小限に抑える使い捨て吸収製品が必要とされる。以上のことから更に、使い
捨て吸収製品に適用される消臭及び/又は抗細菌物質の総量を容易に制御できる
構造を有する使い捨て吸収製品が必要とされる。
【0007】 本発明のこれら及び他の特徴、観点及び利点は、本開示を読むことにより当業
者にとって明らかとなる。 本明細書は、本発明を詳しく指摘し、明瞭に請求する請求項が記載されている
が、本発明は好ましい実施態様の以下の説明からより良く理解されると考えられ
る。この好ましい実施態様は、添付された図面と共に引用され、表記のように実
質的な同一要素を指定するために用いられる。全ての引例は、完全な形で参照す
ることにより本明細書に組み入れている。いかなる参考文献の引用も、特許請求
された発明の従来技術としての有用性についての確定を容認するものではない。 本明細書における「包含する」や「含有する」という用語は、最終結果に影響
を与えないその他の成分や工程を追加してもよいことを意味する。これらの用語
は、「・・・から成る」や「本質的に・・・から成る」という用語を包括してい
る。
【0008】 本明細書における「不織布」という用語は、織物を織る方法を使用せずに製造
したすべての材料を含んでもよい。この織物を織る方法とは、識別可能な方法で
織られる個々の繊維構造を製造するものである。好ましい不織布の製造方法には
、カード不織方法、スパンボンドされている不織方法、メルトブロウン不織方法
などが挙げられる。 本明細書における「層」という用語は、必ずしもその成分を物質の単一層に限
定していない。ここでの層は、実際には複数の不可欠な種類の物質のシート又は
ウェブのラミネート又は組合せから構成されてもよい。 本明細書において「接合される」又は「接合している」という用語は、一つの
構成要素を他の構成要素に直接付着させることによってその構成要素が他の構成
要素に直接固着される形状と、一つの構成要素を中間部材に付着させ、次にそれ
らを他の構成要素に付着させることによって、その構成要素が他の構成要素に間
接的に固着される形状を包括している。
【0009】 本明細書における「金属フタロシアニン物質」という用語は、金属フタロシア
ニン、その誘導体、及びこれらの混合物質のいずれをも包括している。 本明細書における「臭い/抗菌低減層」という用語は、消臭物質及び/又は抗
細菌物質(以後「OAM」と記載する)を含有する層を包含している。この消臭
物質及び/又は抗細菌物質は、使い捨て吸収製品において消臭機能及び/又は除
菌機能を提供することができる。 本発明の吸収構造は、かなりの量の体液(例えば、尿および体排出物における
水分)を吸収できる使い捨て吸収製品に利用することができる。これらの使い捨
て吸収製品の例としては、使い捨て下着、プルオンおむつ及びトレーニングパン
ツを含む使い捨て紙おむつ(成人用及び子供用)、生理用使い捨てパンツ、生理
用ナプキンを含む使い捨て吸収パッドが挙げられる。
【0010】 本発明の使い捨て吸収製品は一般的に次の基本的構造成分を含む。それは、ト
ップシート、トップシートと結合したバックシート、トップシートとバックシー
トの間に配置される流体貯蔵層、及びトップシートと流体貯蔵層の間又はバック
シートと流体貯蔵層の間のいずれか一方に配置される臭い/抗菌低減層である。
好ましくは、流体貯蔵層は超吸収性物質を含有する。臭い/抗菌低減層は臭い/
抗菌物質を含有する。また臭い/抗菌低減層は既定の臭い/抗菌物質パターンを
有する。 臭い/抗菌低減層は好ましくはトップシートと流体貯蔵層の間に配置される。
臭い/抗菌低減層はバックシートと流体貯蔵層の間に配置されてもよい。好まし
くは、臭い/抗菌低減層は流体貯蔵層に接することができるように、流体貯蔵層
の身体対向表面又は衣類対向表面に隣接して配置される。トップシートは液体透
過性又は液体不透過性のいずれであってもよい。好ましい実施態様では、トップ
シートは液体透過性である。また、バックシートも液体透過性又は液体不透過性
のいずれであってもよい。好ましい実施態様では、バックシートは液体不透過性
である。液体透過性のトップシート及びバックシートは、当業界では周知である
仕上げオイル又は界面活性剤で処理することにより形成することができる。更に
、液体不透過性バックシートは、不透過性の薄いプラスチックフィルムを使用す
ることにより形成することができる。好ましい実施態様では、使い捨て吸収製品
は更に、液体透過性トップシート、及びトップシートと結合した液体不透過性バ
ックシートを含む。
【0011】 本発明の臭い/抗菌低減層は、使い捨て吸収製品に効果的な臭い/除菌機能を
提供することができる既定のOAMパターンを有する。好ましい実施態様では、臭
い/抗菌低減層はキャリア手段を含有する。既定のパターンは、OAMの高処理領
域及び低処理領域により画定される。本明細書における「OAMの高処理領域」と
いう用語は、OAMの面積に対する重量の割合が約0.001mg/cm2以上、好
ましくは約0.002mg/cm2以上、更に好ましくは約0.005mg/c
2以上である臭い/抗菌低減層の領域を意味する。本明細書における「OAMの低
処理領域」という用語は、OAMの面積に対する重量の割合が約0.0005mg
/cm2未満、好ましくは約0.0003mg/cm2未満、更に好ましくは約0
.0001mg/cm2未満である臭い/抗菌低減層の領域を意味する。好まし
い実施態様では、低処理領域は約0mg/cm2のOAMの坪量を有する(つまりOA
Mにより処理されていない領域)。いずれの既定パターンも使用することができ
る。これには例えば、小さな液滴、離散したドット、製品の長手方向又は横方向
に走るストライプ、長手方向又は横方向に走るらせん、絵及び/又はキャラクタ
ーなどが含まれる。
【0012】 これらの実施態様では、臭い/抗菌低減層の領域における低処理面積の割合は
大きく異なることがある。本明細書における臭い/抗菌低減層の「低処理面積の
割合」は、次の手順により決まる。(i)臭い/抗菌低減層の全表面積を測定す
る(OA Mによる高処理領域及び低処理領域を含む)。(ii)臭い/抗菌低減層におけ
る 低処理領域の全表面積を測定する。(iii)(ii)で得られた測定値を(i
)で得た測定値で割る。低処理面積の割合は約1〜約99%であってもよい 。好ましくは約5〜約95%、より好ましくは約10〜約90%、更に好ましく
は約15〜約85%、それより好ましくは約20〜約80%、それより更に好ま
しくは約25〜約75%、それより好ましくは約30〜約70%、それより更に
好ましくは約35〜約65%である。
【0013】 望ましい消臭及び/又は除菌機能、及び望ましい臭い/抗菌低減層の液体処理
特性を得るために必要な低処理面積の割合は、OAMの特性(特にOAMの含有量及び
相対的な疎水性又は親水性の特性)により大きく影響される。当業者は日頃の経
験から、望ましい低処理面積の割合を容易に決定できることが分かる。 好ましい実施態様では、OAMは臭い/抗菌低減層に約0.002〜0.012
g/cm2、好ましくは約0.003〜0.008g/cm2、更に好ましくは約
0.004〜0.007g/cm2の平均坪量で適用される。OAMは相対的に親水
性で添加量が多い場合、臭い/抗菌低減層の液体処理特性に許容できない程の不
利な影響を与えることなく使用されてもよいことがわかる。当然、股当て部分の
低処理面積の割合が比較的高い吸収製品も、臭い/抗菌低減層の液体処理に不利
な影響を与えることなく、より多くの添加量を得ることも可能である。
【0014】 好ましい実施態様では、臭い/抗菌低減層パターンは好ましくは吸収製品の長
手方向に走るOAMのストライプ(又は、らせん)である。好ましくは、これらの
ストライプの幅はそれぞれ約0.1〜約10cm、更に好ましくは約0.5〜約
5cmである。これらの長手方向ストライプは低処理領域に間隔を隔てられて配
置される。これらの低処理領域は、OAMが臭い/抗菌低減層にほとんど又は全く
適用されていない領域のことであり、その幅はそれぞれ約0.1〜約10cm、
好ましくは約0.5〜約5cmである。これらの幅の範囲は典型的に成人失禁用
吸収製品に適用される。幼児用おむつのようなより小さな製品の設計では、これ
らの範囲は狭くなってもよい。 体液の多くは不快臭(又は、悪臭)を有し、あるいは長時間空気及び/又は細
菌に接触すると不快臭を発生する。更に、流体貯蔵層に吸収された尿及び/又は
その他の排出物は、皮膚上に通常生息する微生物の一種である皮膚細菌によって
生成される尿素分解酵素により、アンモニアへと変わる。続いてこのアンモニア
が、皮膚炎、発疹、及び/又はその他の皮膚刺激状態を引き起こすことがある。
臭い/抗菌低減層の主な機能はこれらの不快臭を削減することである。これらの
不快臭は、流体貯蔵層に吸収、保持された体液にもともと含まれている臭い、及
び/又はその体液から発生するかもしれない臭いのことである。臭い/抗菌低減
層に含有される臭い/抗菌物質は、体液に接触すると、吸収された体液中に含ま
れるアンモニア成分を中和反応によって中和する。
【0015】 更に本発明の使い捨て吸収製品では、臭い/抗菌低減層は既定の臭い/抗菌物
質パターンを有する。そのため、製造コストの増加を最小限に抑えながら効果的
な消臭及び/又は除菌機能を得ることができる。加えて、使い捨て吸収製品にこ
のような構造(つまり、既定の臭い/抗菌物質パターン)を用いることで、使い
捨て吸収製品の製造方法において製品に適用される消臭及び/又は抗細菌物質の
総量を容易に制御することができる。 本発明の臭い/抗菌低減層は、本質的に100%臭い/抗菌物質である単一層
から構成することができる。あるいは、キャリア手段を含有することもできる。
好ましくは臭い/抗菌低減層は、重量で少なくとも約0.001〜約10%の臭
い/抗菌物質、及び約90〜約99.999%のキャリア手段を含有する。更に
好ましくは臭い/抗菌低減層は、重量で少なくとも約0.002〜約0.2%の
臭い/抗菌物質、及び約99.998〜約99.8%のキャリア手段を含有する
。好ましい実施態様では、臭い/抗菌低減層は約0.003%の臭い/抗菌物質
、及び約99.997%のキャリア手段を含有する。臭い/抗菌低減層に含有さ
れる臭い/抗菌物質は、臭い/抗菌低減層に含有できる構造であればいずれの構
造であってもよい。
【0016】 キャリア手段は、物理的又は化学的結合によって流体貯蔵層の内部に臭い/抗
菌物質を保持又は維持する。当業界で周知のいずれの物質も内部に臭い/抗菌物
質を保持又は維持できる限り、キャリア手段として使用することができる。好ま
しいキャリア手段は繊維物質を含有する。この繊維物質には、例えば、不織布ウ
ェブ、ティッシュウェブ、及び合成繊維又は天然繊維の綿毛があり、この天然繊
維には、例えば、セルロース繊維や、発泡体、有孔高分子繊維ウェブ又はフィル
ムなどがある。臭い/抗菌物質は、好ましくは重量で少なくとも95%、更に好
ましくは少なくとも99%がキャリア手段の成分物質と物理的に結合されており
、残りの臭い/抗菌物質は、キャリア手段の成分物質に結合されていないか、又
は化学的に結合された状態であってもよい。 好ましい実施態様では、キャリア手段は不織布材である。更に好ましくは、こ
の不織布材はポリエチレンテレフタレート(PET)繊維から形成された樹脂結
合した不織布材である。キャリア手段として使用することができる好ましい樹脂
結合した不織布材は、PGI Nonwovens(米国)がコード番号68500として市
販している。
【0017】 別の好ましい実施態様では、キャリア手段は天然繊維物質から形成される。こ
の天然繊維物質には、例えば、綿毛形態のセルロース繊維があり、これは従来か
ら利用されていて、一般的に吸収性コア(又は、流体貯蔵層)中で「エアフェル
ト」と呼ばれている。 臭い/抗菌低減層は多くの形状及びサイズのものが可能である。例えば、臭い
/抗菌低減層は典型的には長方形、中央部がくびれた形、あるいは非対称の形で
ある。臭い/抗菌低減層は、一般的に約0.25〜約10.0mmの厚さ又は直径
を有する。吸収製品に使用する場合、好ましいのは約250ミクロン以上の厚さ
を有する長方形の臭い/抗菌低減層である。臭い/抗菌低減層は、好ましくは約
0.5〜約3mm、典型的には約1mmの厚さを有する。 本発明において有用なOAMは、体液中に含まれる、あるいは体液が長時間空気
及び/又は細菌に接触すると発生する不快臭(又は、悪臭)を化学的に制御又は
削減できる能力を有する。また本発明において有用なOAMは、化学的に微生物の
成長を抑制するか、あるいは殺菌できる能力を有する。OAMは本発明の臭い/抗
菌低減層に保持又は維持することができる。
【0018】 好ましいOAMには、四級アンモニウム、フェノール、アミド、酸、ニトロ化合
物、金属フタロシアニン物質、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限
定されない。好ましい実施態様では、OAMは金属フタロシアニン物質である。 好ましい第四級アンモニウム化合物には、2−(3−アニリノビニラル)3,
4−ジメチル−オキサゾリニウムヨウ化物、アルキルイソキノリウム臭化物、塩
化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジウム、グルコン酸
クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、ラウリルトリメチルアンモニウム、
塩化メチルベンゼトニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、2,4,
5−トリクロロフェノキシド、及びこれらの混合物が含まれる。
【0019】 好ましいフェノール化合物には、ベンジルアルコール、p−クロロフェノール
、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、o−シメン−5−オー
ル(BIOSOL)、ヘキサクロロフェン、ヒノキチオール、イソプロピルメチ
ルフェノール、パラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、イ
ソプロピル、及び/又はナトリウムメチル置換基を有する)、フェネチルアルコ
ール、フェノール、フェノキシエタノール、o−フェニルフェノール、レゾルシ
ン、モノ酢酸レゾルシン、ナトリウムパラベン、フェノールスルホン酸ナトリウ
ム、チオキソロン、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエ
ーテル、フェロールスルホン酸亜鉛、及びこれらの混合物が含まれる。より好ま
しくは、ナトリウムパラベンである。
【0020】 好ましいアミドには、ジアゾリジニル尿素、2,4−イミダゾリジンジオン(
HYDATOIN)、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、3−トリフルオ
ロメチル−4−4’−ジクロロカルバニリド、ウンデシレン酸モノエタノールア
ミド、及びこれらの混合物が含まれる。より好ましくは、ジアゾリジニル尿素及
び2,4−イミダゾリジンジオンであり、更に好ましくは2,4−イミダゾリジ
ンジオンである。 好ましい酸には、安息香酸塩、安息香酸、クエン酸、デヒドロ酢酸、ソルビン
酸カリウム、クエン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、サリチル酸ナトリ
ウム、サリチル酸、ソルビン酸、、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、及び
これらの混合物が含まれる。より好ましくは、安息香酸、クエン酸、サリチル酸
、及びソルビン酸であり、更に好ましくはクエン酸及びソルビン酸である。 好ましいニトロ化合物には、2−ブロモ−2−ニトロ−2,3−プロパンジオ
ール(BRONOPOL)、及びメチルジブロモグルタロニトリル及びプロピレ
ングリコール(MERGUARD)、及びこれらの混合物が含まれる。 好ましい実施態様では、臭い/抗菌低減層は臭い/抗菌物質として金属フタロ
シアニン物質を含む。好ましい金属フタロシアニン物質は次の化学構造式を有し
ていてもよい。
【0021】
【化1】
【0022】 金属フタロシアニン物質は、遷移元素から選択された中心金属(上記化学構造
式では「M」で示される)を有する。好ましい実施態様では、金属フタロシアニ
ン物質の中心金属は、Ni(II)、Fe(III)、Co(II)、又はMn(II)
である。使い捨て紙おむつに使用する場合、更に好 ましい実施態様では、金属フタロシアニン物質の中心金属はFe(III)又は
Co(II)である。 好ましい金属フタロシアニン誘導体は、官能基としてカルボシキル基を有する
。このような好ましい金属フタロシアニン誘導体は、ジ、テトラ、又はオクタの
カルボシキル基のいずれかを有することができる。あるいは、金属フタロシアニ
ン誘導体はジ、テトラ、又はオクタのSO3Na基のいずれかを有することがで
きる。
【0023】 好ましい実施態様では、臭い/抗菌低減層は、物理的又は化学的結合によって
流体貯蔵層の内部に金属フタロシアニン物質を保持又は維持したキャリア手段を
含有する。当業界で周知のいずれの物質も、内部に金属フタロシアニン物質を保
持又は維持できる限り、キャリア手段として使用することができる。好ましいキ
ャリア手段は繊維物質を含有する。この繊維物質には、例えば、不織布ウェブ、
ティッシュウェブ、及び合成繊維又は天然繊維の綿毛があり、この天然繊維には
、例えば、セルロース繊維や、発泡体、有孔高分子繊維ウェブ又はフィルムなど
がある。金属フタロシアニン物質は、好ましくは重量で少なくとも95%、更に
好ましくは少なくとも99%がキャリア手段の成分物質と物理的に結合しており
、残りの金属フタロシアニン物質は、キャリア手段の成分物質に結合していない
か、又は化学的に結合した状態であってもよい。 好ましい実施態様では、キャリア手段は不織布材である。更に好ましくは、こ
の不織布材はポリエチレンテレフタレート(PET)繊維から形成された樹脂結
合した不織布材である。キャリア手段として使用することができる好ましい樹脂
結合した不織布材は、PGI Nonwovens(米国)がコード番号68500として市
販している。
【0024】 別の好ましい実施態様では、キャリア手段は天然繊維物質から形成される。こ
の天然繊維物質には、例えば、綿毛の形態のセルロース繊維があり、これは従来
から利用されていて、一般的に吸収性コア(又は、流体貯蔵層)中で「エアフェ
ルト」と呼ばれている。 好ましい実施態様では、金属フタロシアニン物質はキャリア手段全体に均一に
分散される。別の好ましい実施態様では、金属フタロシアニン物質はキャリア手
段中に不均一に分散される。例えば、金属フタロシアニン物質の坪量を臭い/抗
菌低減層内部で水平方向、垂直方向、あるいはその両方で変化させている。例え
ば、臭い/抗菌低減層は、水平方向に勾配を持って金属フタロシアニン物質を含
有することができる。例えば、流体処理の必要性が比較的高い部分(つまり、流
体が排出される部分の周辺)に金属フタロシアニン物質をより多く配置し、必要
性がより低い部分には金属フタロシアニン物質を少なく配置する。別の例では、
金属フタロシアニン物質の坪量を臭い/抗菌低減層の垂直方向(つまり、厚さの
方向)で変化することがある。
【0025】 ある実施態様では、金属フタロシアニン物質は独立した粒子の形で存在する。
好ましい実施態様では、金属フタロシアニン物質の粒子は、キャリア手段の繊維
物質中に分散され、臭い/抗菌低減層を形成する。このような臭い/抗菌低減層
は、典型的にエアレイイングによって製造される。エアレイイングでは、金属フ
タロシアニン物質の粒子の気流が、キャリア手段の繊維物質の気流の中で計量さ
れる。あるいは、金属フタロシアニン物質の粒子は、繊維物質(例えば、不織布
材)の2つ以上のウェブ間でラミネートされることができ、臭い/抗菌低減層を
形成する。 好ましい実施態様では、臭い/抗菌低減層の坪量は約0.002〜0.012g
/cm2、好ましくは約0.003〜0.008g/cm2、更に好ましくは約0.
004〜0.007g/cm2の範囲に及ぶことができる。 臭い/抗菌低減層の密度及び坪量は、層全体で均一である必要はない。臭い/
抗菌低減層は、密度及び坪量が比較的高い部分と比較的低い部分を含むことがで
きる。臭い/抗菌低減層の密度は、制限圧力0.2psi(1.43kPa)で測
定された坪量及び層の厚さから計算される。
【0026】 臭い/抗菌低減層の製造時の補助として、その他の物質又は薬剤を金属フタロ
シアニン物質と共に用いることができる。好ましい実施態様では、 金属フタロ
シアニン物質と共に水を使用する。水は、キャリア手段の表面で金属フタロシア
ニン物質が均一に分散するように、またキャリア手段の表面領域に金属フタロシ
アニン物質が浸透するように促す機能を果たす。水は、キャリア手段の質量を1
00としたとき、重量で約20未満(0〜約20)、好ましくは約0.01〜約
20、更に好ましくは約0.1〜約10の割合で使用される。使用される水の実
際の量は、成分物質及びキャリア手段の種類によって異なる。 より好ましい実施態様では、更に粘度管理剤及び/又は結合剤が金属フタロシ
アニン物質と共に使用される。粘度管理剤は、キャリア手段の表面で金属フタロ
シアニン物質が均一に分散するように、またキャリア手段の表面領域に金属フタ
ロシアニン物質が浸透するように促す働きをする。結合剤は、金属フタロシアニ
ン物質とキャリア手段の成分物質との物理的結合がより強力なものになるように
促す。
【0027】 好ましい実施態様のうち、キャリア手段がポリプロピレン繊維製の樹脂結合し
た不織布材であるものでは、粘度管理剤及び結合剤として、それぞれメトロース
及びカルボキシメチルセルロースが用いられる。粘度管理剤は、キャリア手段の
質量を100としたとき、重量で約40未満(0〜約40)、好ましくは約0.
01〜約40、更に好ましくは約0.1〜約30の割合で使用される。結合剤は
、キャリア手段の質量を100としたとき、重量で約40未満(0〜約40)、
好ましくは約0.01〜約30、更に好ましくは約0.1〜約20の割合で使用さ
れる。使用される粘度管理剤及び結合剤の実際の量及び種類は、金属フタロシア
ニン物質及び不織布材の成分物質の種類によって異なる。 好ましい実施態様のうち、キャリア手段がポリエチレンテレフタレート(PE
T)繊維製の樹脂結合した不織布材であるものでは、金属フタロシアニン物質が
、水、粘度管理剤(例えば、メトロース)、及び結合剤(例えば、カルボキシメ
チルセルロース)の混合物中に加えられる。水を使用すると、金属フタロシアニ
ン物質の分散において必要な均一性が得られる一方、金属フタロシアニン物質が
キャリア手段へ良好に浸透できるようになる。しかし、3つすべての混合物がよ
り好まれるのは、キャリア手段への金属フタロシアニン物質の浸透量を管理する
ためである。
【0028】 金属フタロシアニン物質の溶液のpHは、金属フタロシアニン物質及びそこに
結合した官能基の種類に応じて、管理(又は選択)する必要がある。例えば、好
ましい実施態様のうち、金属フタロシアニン物質が官能基としてテトラカルボキ
シル基を有するものでは、金属フタロシアニン物質の溶液をpH約3〜6、好ま
しくはpH約4〜5で管理する。 金属フタロシアニン物質溶液をキャリア手段に適用する際は、溶液を物質に適
用するために用いられる多様な技術、装置のうち、いずれのものも使用すること
ができる。これらの技術、装置には、キャリア手段上に溶液を塗被、放下、注入
、スプレー、噴霧、又は浸漬するものが含まれる。好ましい実施態様では、金属
フタロシアニン物質溶液はキャリア手段の少なくとも一部分に適用される。好ま
しくは、金属フタロシアニン物質溶液は、キャリア手段の大部分、好ましくは全
体の表面全体に塗被される。
【0029】 あるいは、金属フタロシアニン物質溶液は、一般的にキャリア手段の形成前に
、キャリア手段の成分繊維と混合することができる。この混合方法は、キャリア
手段の成分繊維が金属フタロシアニン物質溶液で十分塗被されることができれば
、当業界で周知の多数の混合技術、混合装置のうち、いずれのものも用いること
ができる。成分繊維が金属フタロシアニン物質溶液で完全に塗被された後に、臭
い/抗菌低減層を形成するために、キャリア手段の形成が行われる。 流体貯蔵層は、本質的に100%超吸収性物質である単一層を含有することが
できる。あるいは、流体貯蔵層は本質的に100%超吸収性物質でない単一層を
含有することもできる(例えば、キャリア手段として以下に記載されるような物
質)。好ましくは、流体貯蔵層は超吸収性物質と、超吸収性物質用のキャリア手
段を含有する。キャリア手段は、通常、使い捨て紙おむつや、その他の吸収製品
(例えば、一般的にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプ)に使用される多種
多様な液体吸収性素材から製造することができる。その他のキャリア手段の例と
しては、捲縮セルロース塊、メルトブロウンポリマー(コフォームを含む)、化
学的に剛化、修飾、又は架橋されたセルロース繊維、ティッシュ(ティッシュラ
ップ及びティッシュラミネートを含む)、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、又
はこれらと同等の物質やこれら物質の組合せが挙げられる。
【0030】 流体貯蔵層は、好ましくは重量で少なくとも15%、好ましくは少なくとも2
5%の超吸収性物質(より詳しい定義は後述する)、及び0〜約85%、好まし
くは約75%未満のキャリア手段を含有する。ただし、流体貯蔵層は重量で約0
%の超吸収性物質及び約100%のキャリア手段を含有してもよい。流体貯蔵層
の主な機能は、排出された体液を吸収し、着用者が動いて圧力が生じてもこれら
の体液を保持し続けることである。 以上のことから、流体貯蔵層は好ましくは超吸収性物質を含有する。この超吸
収性物質には、例えば、これらに限定される必要はないが、吸収性ゲル化物質及
び超吸収体繊維物質(例えば、繊維をグラフトしたアクリレート、セルロース繊
維を修飾した超吸収体)の独立した粒子が含まれる。超吸収性物質は、流体貯蔵
層を形成するためにキャリア手段の繊維物質中に含有されることができれば、い
ずれの形態であってもよい。以下に、超吸収性物質についてより詳細に説明する
。超吸収性物質は、水又は体液のような流体に接触すると、これらの流体を吸収
する。使い捨て吸収製品へ排出され、流体貯蔵層に移動した流体は、超吸収性物
質に捕捉され、保持されることができる。これは、本発明の製品が吸収能力を高
め、及び/又は流体保持機能を改良したためである。
【0031】 超吸収性物質とは、後述する吸収能力試験に従って測定するとき、1g当たり
少なくとも約10g、好ましくは少なくとも約15g、更に好ましくは少なくと
も約20gの合成尿(1.0%塩化ナトリウム水溶液)を吸収できるものである
。 本発明で用いる超吸収性物質は、典型的には吸収性ゲル化物質の独立した粒子
の形で存在する。これらの粒子は、好ましくはキャリア手段の繊維物質中に分散
している。流体貯蔵層のうち、キャリア手段の繊維物質中に分散した吸収性ゲル
化物質の粒子を有するものは、典型的にエアレイイングによって製造される。エ
アレイイングでは、吸収性ゲル化物質の粒子の気流を、キャリア手段の繊維物質
の気流の中で計量する。超吸収体繊維物質には、合成繊維又は天然繊維が含まれ
る。キャリア手段として好適な天然繊維物質には、綿毛の形態のセルロース繊維
がある。これは、例えば、従来から利用されており、一般的に吸収性コア(又は
、流体貯蔵層)中で「エアフェルト」と呼ばれているものである。 キャリア手段を含む流体貯蔵層の平均乾燥密度は、一般的に約0.06〜約0.
5g/cm3、好ましくは約0.10〜約0.4g/cm3、更に好ましくは約0.
15〜約0.3g/cm3、より好ましくは約0.15〜約0.25g/cm3であ
る。流体貯蔵層の坪量は、典型的に約0.02〜0.12g/cm2、好ましくは
約0.04〜0.08g/cm2、更に好ましくは約0.05〜0.07g/cm2
ある。
【0032】 流体貯蔵層の密度及び坪量は、層全体で均一である必要はない。流体貯蔵層は
、密度及び坪量が比較的高い部分と比較的低い部分を含むことができる。流体貯
蔵層の密度は、制限圧力0.2psi(1.43kPa)で測定された坪量及び、
層の厚さから計算される。この密度及び坪量の値には、超吸収性物質の重量が含
まれる。更に、流体貯蔵層は、勾配を持った超吸収性物質を含有することができ
る。例えば、流体処理の必要性が比較的高い部分(つまり、流体が排出される部
分の周辺)に超吸収性物質をより多く配置し、必要性がより低い部分には超吸収
性物質を少なく配置する。
【0033】 好ましくは、流体貯蔵層に用いる超吸収性物質は、実質的に水不溶性で、ごく
一部が架橋し、部分的に中和したポリマー吸収性ゲル化物質である。この物質は
水に接触するとヒドロゲルを形成する。このようなポリマー素材は、重合可能な
不飽和の酸含有モノマーから調製することができる。ポリマーゲル化物質の調製
に用いられる好適な不飽和酸性モノマーには、米国特許4,654,039号(
Brandtら、1987年3月31日発行)及び米国特許RE32,649号(19
88年4月19日再発行)に開示されたものが含まれる。好ましいモノマーには
、アクリル酸、メタクリル酸、及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸が挙げられる。アクリル酸は特にポリマーゲル化剤物質の調製に使われ
ることが多い。 不飽和酸含有モノマーから形成されたポリマー成分は、他の種類のポリマー部
分(例えば、デンプン、セルロース)にグラフトされることがある。この種類の
ポリアクリレートをグラフトしたデンプン物質も特に好まれる。
【0034】 一般的な種類のモノマーから調製できる好ましいポリマー吸収性ゲル化物質に
は、加水分解アクリロニトリルをグラフトしたデンプン、ポリアクリレートをグ
ラフトしたデンプン、ポリアクリレート、無水マレイン酸を基にしたコポリマー
、及びこれらの組合せが挙げられる。特に好まれるのは、ポリアクリレート及び
、ポリアクリレートをグラフトしたデンプンである。 ヒドロゲル形成性のポリマー吸収性ゲル化物質において、その粒子の塩基性ポ
リマー成分がどのような種類であっても、これらの物質は一般的にごく一部が架
橋していると考えられる。架橋剤は、ヒドロゲル形成性ポリマーゲル化物質を実
質的に水不溶性にする働きをする。したがって、部分的な架橋により、使用され
たポリマーゲル化剤から形成されたヒドロゲルのゲルボリューム及び得られたポ
リマーの特性が決まる。好適な架橋剤は当業界では周知であり、この中には、例
えば、米国特許4,076,663号(Masudaら、1978年2月28日発行)
で詳細に記述されたものが含まれる。好ましい架橋剤は、多価アルコールを有す
る不飽和モノ又はポリカルボン酸のジ又はポリエステル、ビスアクリルアミド、
及びジ又はトリアリルアミンである。その他の好ましい架橋剤は、N,N’−メ
チレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリアクリレート、及びト
リアリルアミンである。架橋剤は、一般的に、生成されたヒドロゲル形成性ポリ
マー物質の約0.001〜5モル%を構成することができる。より好ましくは、
架橋剤は、本発明で用いられるヒドロゲル形成性ポリマーゲル化粒子の約0.0
1〜3モル%を構成する。
【0035】 ごく一部が架橋したヒドロゲル形成性ポリマーゲル化物質の粒子は、一般的に
部分的に中和された形で使用される。これらの物質は、ポリマー形成に用いられ
るモノマーの少なくとも25モル%、好ましくは少なくとも50モル%が塩生成
陽イオンで中和されている酸性基含有モノマーであるとき、部分的に中和されて
いるとみなされる。好適な塩生成陽イオンには、アルカリ金属、アンモニウム、
置換型アンモニウム、及びアミンが含まれる。酸性基含有モノマーを中和する、
利用された総モノマーのこの割合を、本明細書では「中和度」という。 あるいは、吸収性ゲル化物質の粒子は、2つ以上の繊維物質のウェブ間でラミ
ネートされて、米国特許4,578,068号(Kramerら、1986年3月25
日発行)に例示されているような流体貯蔵層を形成することができる。
【0036】 分離媒体は、金属フタロシアニン物質を超吸収性物質から分離させることがで
きる構造であればどのような構造からも、形成することができる。このような分
離構造では、臭い/抗菌低減層中の金属フタロシアニン物質が超吸収性物質に接
触することがないように分離して配置する構造であれば、いずれの構造であって
もよい。好ましい実施態様では、分離媒体は流体貯蔵層と臭い/抗菌低減層の間
に配置される割り込み物質である。分離媒体にとって好ましい割り込み物質は、
繊維物質を含有する。この繊維物質には、例えば、不織布ウェブ、ティッシュウ
ェブ、及び合成繊維又は天然繊維の綿毛があり、この天然繊維には、例えば、セ
ルロース繊維や、発泡体、有孔高分子繊維ウェブ又はフィルムなどがある。好ま
しい実施態様では、分離媒体が、流体貯蔵層と臭い/抗菌低減層の間に配置され
たティッシュ層又は不織布層である。更に好ましい実施態様では、これらのティ
ッシュ層又は不織布層は、流体貯蔵層の少なくとも一部分、好ましくは全体を包
み込むためにも用いられる。
【0037】 分離媒体の坪量は、約0.001〜0.008g/cm2、好ましくは約0.00
12〜0.006g/cm2、更に好ましくは約0.0013〜0.005g/cm 2 の範囲に及ぶことができる。好ましい実施態様のうち、割り込み物質が不織布
材であるものでは、ティッシュ物質の坪量は約0.0049g/cm2である。 割り込み物質の密度及び坪量は、物質全体で均一である必要はない。割り込み
物質は、密度及び坪量が比較的高い部分と比較的低い部分を含むことができる。
割り込み物質の密度は、制限圧力0.2psi(1.43kPa)で測定された坪
量及び物質の厚さから計算される。割り込み物質として用いられる好ましいティ
ッシュ物質は、Fripa Co., Ltd.がコード番号1110000として市販してい
る。
【0038】 使い捨て吸収製品の特に好ましい実施態様は、図面を引用することにより下記
に開示している。本明細書における「吸収製品」という用語は、体排出物を吸収
し、保持する考案物を表す。より具体的には、着用者の体の近く又はごく近くに
配置され、体から排出される様々な排出物を吸収し、保持する考案物を表す。本
明細書における「使い捨て」という用語は、洗濯することを意図しない、あるい
は吸収製品として復元または再使用することを意図しない吸収製品を、本明細書
で説明するために使用される(つまり、1回使用後に捨てられることを意図する
。好ましくはリサイクルされるか、堆肥にされるか、あるいは環境に適した方法
で捨てられることを意図する)。本発明の使い捨て吸収製品の好ましい実施態様
は、図面に示された一体型使い捨て紙おむつ20である。本明細書における「一
体型」吸収製品とは、適切な位置に配置した本体を形成するために、共に結合さ
れた独立した部分から構成される吸収製品を表す。 この製品は、別にホルダー
やライナーのような独立した操作部分を必要としない。本明細書における「おむ
つ」という用語は、一般的に幼児及び失禁者が着用し、着用者の胴体下部付近に
配置される吸収製品を表す。ただし、本発明のその他の使い捨て吸収製品への適
用も当然考えられる。これらの使い捨て吸収製品には、例えば、使い捨て下着、
プルオンおむつ及びトレーニングパンツを含む使い捨て紙おむつ(成人用及び子
供用)、生理用使い捨てパンツ、生理用ナプキンを含む使い捨て吸収性パッドな
どがある。
【0039】 図面は、使い捨て紙おむつ20の平面図で、不完全な縮小状態(つまり、順応
性を持って縮小を加え、一部を抜粋した状態)のものであり、おむつ20の構造
をより明確に示すために(内部が見えるように)表面を一部切りとった構造部分
とともに、身体対向表面40を手前にして、おむつ20の着用者側の部分を示し
ている。図面に示したように、おむつ20は、好ましくはシャーシ22を含み、
このシャーシ22は、液体透過性トップシート24、トップシートに結合した液
体不透過性バックシート26、及びトップシート24とバックシート26の間に
配置した流体貯蔵層28から構成される。流体貯蔵層28は、2つの向かい合っ
た長手方向縁部60を有する。おむつは、サイドパネル30と、伸縮自在の脚部
カフス32と、伸縮自在のウエストバンド34と、好ましくは一対の固定部材3
7とランディング部材38を含む締着装置36とを、更に含むのが好ましい。
【0040】 図面に示されたおむつ20は、身体対向表面40(図面手前側)、身体対向表
面40と向かい合った衣類対向表面42、後側領域44、後側領域44と向かい
合った前側領域46、後側領域44と前側領域46の間に配置した股領域48、
及びおむつ20の外縁又はエッジにより画定される周辺部を有し、この中で側部
エッジは50、末端部エッジは52で示される。おむつ20の身体対向表面40
は、使用時に着用者の体に隣接して配置されるおむつ20の一部分を有する(つ
まり、身体対向表面40は、一般的に、少なくともトップシート24の一部分と
、トップシート24と結合した他の構成成分から形成される)。衣類対向表面4
2は、着用者の体から離れて配置されるおむつ20の一部分を有する(つまり、
衣類対向表面42は、一般的に、少なくともバックシート26の一部分と、バッ
クシート26と結合した他の構成成分から形成される)。後側領域44及び前側
領域46は、周辺部の末端部エッジ52から股領域48までに及ぶ。 おむつ20は又、長手方向中央線100と横断方向中央線110との二つの中
央線を有している。本明細書で使用する「長手方向」という用語は、おむつ20
を着用した時に、直立している着用者を右半分と左半分に二等分する垂直平面と
ほぼ整列する(例えば、略平行である)おむつ20の平面内の線、軸、もしくは
方向を指している。本明細書で使用する「横断方向」及び「横方向」という用語
は、互換性があり、(着用者を前半分と後ろ半分に分割する)長手方向にほぼ垂
直なおむつの平面内にある線、軸、または方向を指している。
【0041】 シャーシ22は、トップシート24、バックシート26、及び流体貯蔵層28
を含み、この流体貯蔵層は、2つの向かい合った長手方向縁部60、身体対向表
面、及び衣類対向表面を有する。身体対向表面は、一般的に着用者の体に面して
おり、衣類対向表面は、一般的に着用者の体から離れた位置にある(そして、着
用者の衣類に面している)。吸収製品が独立したホルダー及びライナーを含む場
合、一般的にシャーシ22がホルダー及びライナーを含む(つまり、シャーシ2
2は、ホルダーを画定するため、1又はそれ以上の物質層を含み、ライナーは、
トップシート、バックシート、流体貯蔵層などの吸収複合体を含む)。一体型吸
収製品では、シャーシ22は、好ましくはおむつのトップシート24、バックシ
ート26、流体貯蔵層28を含み、更にその他の機能も加えられて、複合体おむ
つ構造を形成している。
【0042】 図面に示された実施態様では、トップシート24及びバックシート26は、一
般的に流体貯蔵層28より長く、幅も広い。トップシート24及びバックシート
26は、流体貯蔵層28のエッジより長く伸びており、そのためにおむつ20の
周辺部を形成している。トップシート24、バックシート26、及び流体貯蔵層
28は、周知の様々な配置方法で組み合わせることができるが、代表的なシャー
シの配置は、一般的に米国特許3,860,003号「Contractible Side Port
ions for Disposable Diaper」(Kenneth B. Buell、1975年1月14日発行
)及び米国特許5,151,092号「Absorbent Article With Dynamic Elast
ic Waist Feature Having A Predisposed Resilient Flexural Hinge」(Kennet
h B. Buellら、1992年9月29日発行)に記述されている。
【0043】 流体貯蔵層28は、一般的に圧縮、成形でき、着用者の皮膚に−刺激がなく、
液体(例えば、尿及びその他の体排出物)を吸収、保持できれば、いずれの吸収
部材であってもよい。図面に示したように、流体貯蔵層28は、衣類に面する側
、身体に面する側、2つのサイドエッジ、及び2つのウエストエッジを有する。
流体貯蔵層28は、多種多様なサイズ及び形状(例えば、長方形、中央部がくび
れた形、T−型、非対称形など)で製造することができる。好ましくは、流体貯
蔵層28は、超吸収性物質及び超吸収性物質用のキャリア手段を含む。この実施
態様では、好ましくはキャリア手段は、一般的にエアフェルトと呼ばれる粉砕木
材パルプから形成される。 流体貯蔵層28の配置及び構造は、様々に変化してもよい。(例えば、流体貯
蔵層は、様々なキャリパーゾーン、吸水勾配、超吸収性勾配、又は低平均密度及
び低平均坪量獲得区域があってもよく、あるいは、1つ以上の層又は構造を含ん
でいてもよい)。更に、流体貯蔵層28のサイズ及び吸収能力も、幼児から成人
までの着用者に合わせて、変化させることができる。ただし、流体貯蔵層28の
総吸収能力は、設計負荷及びおむつの使用目的に適っているべきである。
【0044】 おむつ20のある実施態様は、非対称、変形T型の流体貯蔵層28を有し、前
側領域には耳があり、後側領域は概して長方形である。流体貯蔵層28の使用に
おける代表的な吸収構造は、広く受け入れられており、市販にも成功しているが
、これらは米国特許4,610,678号「High−Density Absorbent Structur
es」(Weismanら、1986年9月9日発行)、米国特許4,673,402号
「Absorbent Articles With Dual−Layered Cores」(Weismanら、1987年6
月16日発行)、米国特許4,888,231号「Absorbent Core Having A Du
sting Layer」(Angstadt、1989年12月19日発行)、及び米国特許4,
834,735号「High Density Absorbent Members Having Lower Density an
d Lower Basis Weight Acquisition Zones」(Alemanyら、1989年5月30
日発行)に記述されている。更に、流体貯蔵層は、流体貯蔵層の上に配置された
化学剛化繊維の捕捉/分配コアを包含した二重コアシステムを含んでいてもよい
。これは米国特許5,234,423号「Absorbent Article With Elastic Wai
st Feature and Enhanced Absorbency」(Alemanyら、1993年8月10日発
行)及び米国特許5,147,345号「High Efficiency Absorbent Articles
For Incontinence Management」(Young、LaVon、及びTaylor、1992年9月
15日発行)に記述されている。
【0045】 好ましい実施態様では、おむつ20は更に、トップシート24と流体貯蔵層2
8の間に配置される本発明の臭い/抗菌低減層(図面には示されていない)を含
む。あるいは、臭い/抗菌低減層はバックシート26と流体貯蔵層28の間に配
置されてもよい。 これらの実施態様では、分離媒体(図面には示されていない)は、キャリア手
段の物質の少なくとも一部分、好ましくは全体を包み込んでいるティッシュ物質
又は不織布材から形成されている。流体貯蔵層と臭い/抗菌低減層の間に配置さ
れた分離層部分は、金属フタロシアニン物質が流体貯蔵層28に含まれる超吸収
性物質に接触しないように分離している。好ましくは臭い/抗菌低減層は、流体
貯蔵層に接することができるように、流体貯蔵層28の身体対向表面又は衣類対
向表面に配置される。
【0046】 別の好ましい実施態様では、分離媒体(図面には示されていない)は、流体貯
蔵層が包み込んでいるような物質(例えば、ティッシュ物質又は不織布材)とは
異なる物質によって形成される。好ましくは、これらの異なる物質(例えば、分
離媒体)は臭い/抗菌低減層と流体貯蔵層28の間に配置される。この異なる物
質は不織布材であるのが好ましい。 トップシート24は、好ましくは流体貯蔵層28の身体対向表面に隣接して配
置され、好ましくは当業界で周知である接着手段(示されていない)により、流
体貯蔵層及びバックシート26に結合される。流体貯蔵層28にバックシート2
6を結合する場合について好適な接着手段を記述する。好ましい実施態様では、
トップシート24及びバックシート26は、おむつの周辺部で直接結合し合って
いる。また、両シートは好適な接着手段で流体貯蔵層28とそれぞれ直接結合し
ていることから、互いに間接的に結合している。
【0047】 トップシート24は、柔軟で柔らかい感触を有し、着用者の皮膚を刺激しない
ものが好ましい。更に、トップシート24は液体透過性であり、液体(例:尿)
がその厚さを容易に貫通できるのが好ましい。好適なトップシート24は、織布
材又は不織布材;開口形状熱可塑性膜、開口プラスチック膜及びハイドロフォー
ム化された熱可塑性膜等の高分子材料;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑
性膜;及び熱可塑性スクリム織物等の広い範囲の材料から製造してもよい。好適
な織布および不織布材は、天然繊維(例えば、木または綿繊維)、合成繊維(例
えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン繊維等の高分子繊維)ある
いは天然繊維および合成繊維の組合せを含むことができる。トップシート24に
とって好ましい不織布材は、ポリプロピレンのカード不織布材であり、Amoco Fa
brics がコード番号 Soft P-10、23 Stly 007 として市販している。
【0048】 トップシート24は、好ましくは疎水性物質から形成される。これは、トップ
シート24を通過して流体貯蔵層28に保持された液体から着用者の肌を隔離す
るため(再度濡れるのを防ぐため)である。トップシート24が疎水性物質から
形成されている場合、液体がトップシートをより速く通り抜けるように、少なく
ともトップシート24の身体対向表面は親水性に処理される。これにより、体排
出物がトップシート24を通って流体貯蔵層28に吸収される代わりに、トップ
シート24から溢れ出てしまう可能性が減少する。トップシート24は、界面活
性剤で処理することによって、親水性にすることができる。界面活性剤でトップ
シート24を処理する適切な方法には、トップシート24の材料に界面活性剤を
噴霧する方法、及びその材料を界面活性剤中に浸漬する方法などがある。これら
の処理及び親水性に関するより詳細な記述は、米国特許4,988,344号「
Absorbent Articles with Multiple Layer Absorbent Layers」(Reisingら、1
991年1月29日発行)及び米国特許4,988,345号「Absorbent Arti
cles with Rapid Acquiring Absorbent Cores」(Reising、1991年1月29日発
行)に示されている。
【0049】 別の好ましいトップシート24は、孔あき成形フィルムを含む。孔あき形成フ
ィルムは、身体排出物に対して透過性でありながら非吸収性であり、又液体が逆
流して着用者の皮膚を再湿潤する可能性が低いので、トップシート用に好ましい
。したがって、体に接触している成形フィルムの表面は乾燥したままであり、こ
れにより体の汚れを減少し、着用者により快適な感触を作る。好適な形成フィル
ムは米国特許3,929,135号「Absorptive Structures Having Tapered C
apillaries」(Thompson、1975年12月30日発行)、米国特許4,324
,246号「Disposable Absorbent Article Having A Stain Resistant Topshe
et」(Mullaneら、1982年4月13日発行)、米国特許4,342,314
号「Resilient Plastic Web Exhibiting Fiber-Like Properties」(Radelら、
1982年8月3日発行)、米国特許4,463,045号「Macroscopically
Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossy Visible Sur
face and Cloth-Like Tactile Impression」(Ahrら、1984年7月31日発
行)、及び米国特許5,006,394号「Multilayer Polymeric Film」(Bai
rd、1991年4月9日発行)に記述されている。
【0050】 バックシート26はおむつ20の一部分で、一般的に着用者の肌から離して配
置され、流体貯蔵層28に吸収、保持された排出物が、ベッドシーツや下着のよ
うに、おむつ20に接触する物を濡らさないようにするものである。このように
、バックシート26は、好ましくは液体(例えば、尿)不透過性で、好ましくは
薄いプラスチックフィルムから製造される。あるいは、他の可撓性の液体不透過
性材料も使用できる。(本明細書で「可撓性」という用語は、順応性があって、
人間身体の一般的な形や輪郭に容易に沿うことができる材料について言っている
。)ただし、バックシート26はおむつ20から気体を逃がすことはできる。バ
ックシート26にとって好ましい材料は、厚さ約0.012〜約0.051mm
(約0.5〜約2.0mil)で、好ましくはポリエチレン又はポリプロピレン
から成る熱可塑性フィルムである。
【0051】 バックシート26は、好ましくは流体貯蔵層28の衣類対向表面に隣接して配
置され、好ましくは当業界で周知であるいずれかの好ましい接着手段によって流
体貯蔵層と結合される。例えば、バックシート26は、均一で連続した接着剤層
、模様付きの接着剤層、又は接着剤の個別線、螺旋線、点の配列により、流体貯
蔵層28に固定することができる。有用性が認められている接着剤は、H. B. Fu
ller Company(ミネソタ、セントポール)が製造し、HL−1258 として市販して
いる。好ましい接着手段の例は、接着剤フィラメントの開放模様網を含めて、米
国特許4,573,986号「Disposable WasteContainment Garment」(Minet
olaら、1986年3月4日発行)に開示されている。別の好適な接着手段は、
螺旋模様を描いた接着剤フィラメントの複数列を含めて、米国特許3,911,
173号(Sprague, Jr.、1975年10月7日発行)、米国特許4,785,
996号(Zieckerら、1978年11月22日発行)、及び米国特許4,84
2,666号(Werenicz、1989年6月27日発行)に示された装置及び方法
により説明されている。あるいは、接着手段は、熱接合、圧力接合、超音波接合
、動機械的接合、もしくは当業界で周知である他の適切な接合手段又はこれらの
接合手段の組合せを含んでもよい。
【0052】 実施態様も同様に考慮されており、その中で流体貯蔵層28は、前側領域46
及び後側領域44に更に伸長性を持たせるために、バックシート26及び/又は
トップシート24に結合されない。別の実施態様も考慮されており、その中では
、液体不透過性バリア材料(示されていない)のような追加部材が、流体貯蔵層
28の衣類対向表面とバックシート26の間に配置されている。このようなバリ
ア部材はいずれも、流体貯蔵層28に結合していても、結合していなくてもよい
。また、バックシート26も、バックシート26と流体貯蔵層28の間に配置さ
れたいずれかのバリアシートに、結合していても、結合していなくてもよい。
【0053】 おむつ20には、好ましくは更に外カバー(図面には示されていない)を含む
。この外カバーは、ラミネートを形成するバックシート26の衣類対向表面の少
なくとも一部分に結合している。外カバーは好ましくは不織布材から成る。(た
だし、考慮されている実施態様では、外カバーは、例えば織物ウェブ、発泡体、
スクリム、フィルム、粗織り繊維、あるいは他のいずれかの材料又は当業界で周
知である材料の組合せから構成され、これによっておむつに布のような外観及び
/又は感触を与え、空気透過性を最小限にしている。)外カバーは、バックシー
ト26の衣類対向表面の全体又は実質的な全体を覆ってもよく、あるいはあらか
じめ設定した部分のみを覆ってもよい。好ましい実施態様では、外カバーの不織
布材は、おむつに布のような外観及び感触を与えるために、バックシート26の
全体又は実質的な全体を覆っている。更に、外カバーはおむつに低コストのラン
ディング領域を与えることができる。このランディング領域は、フック及びルー
プ型ファスナのフックを固定することができる。(このようなランディング領域
は、最初の締着装置の一部としても利用でき、汚れた後の廃棄のための手段とし
て利用することもできる。)あるいは、外カバーはバックシート26の特定部分
(例えば、サイドパネル30の衣類対向表面)だけを覆ってもよい。このような
実施態様のひとつでは、外カバーは、通気性を有するサイドパネル30の中に含
まれる。このように、外カバーは通気性サイドパネル30にふさわしい、十分な
強度、大きさ、美的外観、又はその他の特徴を与えることが可能である。
【0054】 外カバーに含まれる不織布材は、好ましくは液体及び気体透過性である。不織
布材は、天然繊維(例えば、木綿繊維又は木部繊維)を含むことができ、あるい
はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の繊維、又はこれらのいずれ
かの組合せを含むことができる。更に、その不織布材は、カード接着、スパンメ
ルト接着、メルトブロウン接着、又はエアースルー接着することができ、あるい
はその他の特性を有していてもよく、そのほか当業界で周知のいずれかの方法で
製造されてもよい。その不織布材は、十分な熱可塑性材料を含み、おむつの他の
構成成分に対して熱可塑性材料を熱接着できることが好ましい。
【0055】 おむつ20は、好ましくは更に、液体及びその他の体排出物をよりきちんと封
じ込めるために、伸縮性脚部カフス32を有する。伸縮自在の各脚部カフ32は
、脚部領域での身体排出物の漏れを減少させるために、幾つかの異なる実施例を
含んでもよい。(脚部カフは、レッグバンド、サイドフラップ、バリアカフス、
又は伸縮性カフスと同じものである可能性があり、このように呼ばれることもあ
る。)米国特許3,860,003号は、伸縮性脚部カフ(ガスケッティングカ
フ)を得るために、サイドフラップ及び1つ以上の伸縮性部材を有する収縮性脚
開口部を備えた使い捨て紙おむつについて記述している。米国特許4,909,
803号「Disposable Absorbent Article Having Elasticized Flaps」(Aziz
ら、1990年3月20日発行)では、脚部領域の封じ込めを改善するために、
「スタンドアップ」伸縮性フラップ(バリアカフス)を有した使い捨て紙おむつ
について記述している。米国特許4,695,278号「Absorbent Article Ha
ving Dual Cuffs」(Lawson、1987年9月22日発行)及び米国特許4,7
95,454号「Absorbent Article Having Leakage-Resistant Dual Cuffs」
(Dragoo、1989年1月3日発行)では、ガスケッティングカフ及びバリアカ
フを含む二重カフスを有した使い捨て紙おむつについて記述している。米国特許
4,704,115号「Disposable Waist Containment Garment」(Buell、1
987年11月3日発行)は、衣類内部に遊離した液体を保持するために設計し
たサイドエッジ漏れ防止溝を有する使い捨て紙おむつ又は失禁用衣類について開
示している。
【0056】 伸縮性脚部カフ32はそれぞれ、少なくとも上述の米国特許4,909,80
3号において記述したような、バリアフラップ68及び空隙部成分69を有する
内部バリアカフ70を含むことが好ましい。好ましい実施態様では、伸縮性脚部
カフ32は、更に1つ以上の伸縮性ストランド65を備えた伸縮性ガスケッティ
ングカフ63を含む。この伸縮性ストランド65は、上述の米国特許4,695
,278号において記述したようなバリアカフの外側寄りに配置されている。更
に、伸縮性脚部カフ32は、好ましくは近位縁33及び末端縁35を有する。伸
縮自在の脚部カフ32の末端縁35は、おむつ20を着用した時に、シャーシ2
2から遠くなる脚部カフ32の部分である。近位縁33は、おむつ20のシャー
シ22に結合される伸縮自在の脚部32の部分である。近位縁33は、一般的に
おむつ20の周辺部の中央寄りに、横方向に配置される。
【0057】 また、サイドパネル30の全体又は一部にある延伸性又は弾性を、おむつ20
に付与することも好ましい。(本明細書における「延伸性がある」という用語は
、少なくとも一方向にある程度まであまり壊れずに、伸長することができる材料
を指す。ここで、「弾性」および「弾性的延伸性」という用語は、材料を伸長さ
せた力が取り除かれた後、ほぼ当初の寸法に復帰する能力を備えた伸長可能な材
料を指している。本明細書で使用する「延伸性がある」と記されたいずれの材料
又は要素も、他に記述がなければ、弾性的延伸性があるとしてよい。)延伸性が
あるサイドパネル30により、おむつの両側を拡大収縮することができるので、
最初におむつを着用者の体に沿って合わせ、おむつ20が排泄物の負荷を受けた
時よりさらに後の全着用期間中にもこの合わせ具合を維持して、より快適で輪郭
に沿った合わせが得られる。おむつを取り付ける人が取付け中に一方のサイドパ
ネル30を他方のサイドパネルよりも(非対称に)更に引っ張った場合でも、お
むつ20が使用中に「自己調整」するので、延伸性があるサイドパネル30によ
り、一層効果的なおむつ20の取付けが得られる。延伸性があるサイドパネル3
0は、様々な配置方法で構成することが可能であるが、米国特許4,857,0
67号「Disposable Diaper Having Shirred Ears」(Woodら、1989年8月
15日発行)、米国特許4,381,781号(Sciaraffaら、1983年5月
3日発行)、米国特許4,938,752号(Van Gompelら、1990年7月3
日発行)、及び米国特許5,151,092号(Buellら、1992年9月29
日発行)に延伸性があるサイドパネルを有するおむつの例が開示されている。
【0058】 おむつ20には、好ましくは更に、より良いフィット感及び封じ込め力を与え
る伸縮自在のウエストバンド34を含む。伸縮自在のウエストバンド34は、弾
性的に拡大収縮して着用者の腰に動的に合わせることを意図したおむつ20の部
分又は領域である。伸縮自在のウエストバンド34は、好ましくは流体貯蔵層2
8のウエストエッジの少なくとも一方から、縦方向に外に向かって伸びており、
一般的におむつ20の末端部エッジの少なくとも一部分を形成する。使い捨て紙
おむつは、1つの伸縮自在のウエストバンドで構成されることもできるが、一般
的には2つの伸縮自在のウエストバンドを有するように構成され、1つは後側領
域に、もう1つは前側領域に配置される。更に、伸縮自在のウエストバンド34
、又はそのいずれかの構成要素は、おむつ20へ取付けた1つ以上の別個の要素
を含むこともできるが、伸縮自在のウエストバンド34は、バックシート26か
トップシート24か好ましくはそれらの両方などの、おむつの他の要素の延長部
として構成することができる。伸縮自在のウエストバンド34は、米国特許4,
515,595号「Disposable Diapers With Elastically Contractible Waist
bands」(Kievit 及び Osterhage、1985年5月7日発行)及び米国特許5,
151,092号「Absorbent Article With Dynamic Elastic Waist Feature H
aving A Predisposed Resilient Flexural Hinge」(Buell、Clear 及び Falcon
e、1992年9月29日発行)に記述されたものを含め、多数の異なる配置で
構成することができる。また、以前に引用したWO95/03765号に記述さ
れているような、SELF(structural elastic-like film)ウェブから形成さ
れた伸縮自在のウエストバンドもある。
【0059】 好ましい実施態様では、伸縮自在のウエストバンド34は、第1不織布カバー
ストック層のラミネート、エラストマー層、及びより好ましくは第2不織布カバ
ーストック層を含む。エラストマー層は、当業界で知られているエラストマー材
料のいずれかによって形成されることができる。伸縮自在のウエストバンド34
は、好ましくはトップシート24の身体対向表面又は衣類対向表面上に配置され
、伸縮自在のウエストバンド34を体に巻きつけるために、弾性を付けて縮めた
状態でトップシート24に有効的に結合される。
【0060】 おむつ20はまた、サイドファスナを形成する締着装置36を含む。このサイ
ドファスナでは、後側領域44及び前側領域46は重ねて配置される。このとき
、横方向の張力はおむつの外周部で維持され、着用者がおむつを着用した状態を
保てるようにする。代表的な締着装置は、米国特許3,848,594号(Buel
l、1974年11月19日発行)、米国特許4,662,875号(Hirotsu
及び Robertson、1987年5月5日発行)、米国特許4,869,724号(
Scripps、1989年9月26日発行)、米国特許4,846,815号(Scrip
ps、1989年7月11日発行)、米国特許4,894,060号(Nestegard
、1990年1月16日発行)、米国特許4,946,527号(Battrell、1
990年8月7日発行)、及び米国特許5,326,612号「Nonwoven Femal
e Component For Refastenable Fastening Device And Method of Making the S
ame」(David J. K. Goulait、1994年7月5日発行)に開示されている。 本明細書で説明した実施例及び実施形態は例示目的だけであって、本発明の範
囲から逸脱することなく、当業者においては様々な修正案又は変更案を想起され
るものと考える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の使い捨て吸収製品におけるある好ましい実施態様の平面図
を簡略化したものであり、吸収製品の身体に面する側を示した、非縮小状態の平
面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 13/18 380B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ラジャゴパラン、ビジャイ 兵庫県神戸市東灘区向陽町中5−1−524、 ウエスト・コート 4、707号室 Fターム(参考) 3B029 BD22 4C003 HA01 HA02 4C098 AA09 CC02 CC08 CC12 CE06 CE07 DD02 DD04 DD05 DD10 DD13 DD17 DD18 DD25 DD26

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使い捨て吸収製品であって、 トップシート、 トップシートと結合したバックシート、 トップシートとバックシートの間に配置され、身体対向表面及びこの身体対向
    表面と反対側の衣類対向表面を有する流体貯蔵層、及び トップシートと流体貯蔵層の間又はバックシートと流体貯蔵層の間のいずれか
    一方に配置され、臭い/抗菌物質を含有する臭い/抗菌低減層を備え、 前記臭い/抗菌低減層が臭い/抗菌物質の所定のパターンを有する使い捨て吸
    収製品。
  2. 【請求項2】 前記所定のパターンが、臭い/抗菌物質の高処理領域及び低
    処理領域を含む、請求項1記載の使い捨て吸収製品。
  3. 【請求項3】 前記所定のパターンが、液滴、離散したドット、ストライプ
    、らせん、印刷した絵及びキャラクターを含む、請求項1記載の使い捨て吸収製
    品。
  4. 【請求項4】 前記所定のパターンが、それぞれ約0.1〜約10cmの幅
    を有する複数のストライプを含み、前記ストライプがそれぞれ約0.1〜約10
    cmの幅を有する臭い/抗菌物質の低処理領域により離間されている、請求項3
    記載の使い捨て吸収製品。
  5. 【請求項5】 前記臭い/抗菌物質が、四級アンモニウム、フェノール、ア
    ミド、酸、ニトロ化合物、金属フタロシアニン物質、及びこれらの混合物から成
    る群から選択される、請求項1記載の使い捨て吸収製品。
  6. 【請求項6】 前記臭い/抗菌物質が、遷移元素から選択された中心金属を
    有する金属フタロシアニン物質である、請求項5記載の使い捨て吸収製品。
  7. 【請求項7】 前記中心金属が、Ni(II)、Fe(III)、Co(II)、
    又はMn(II)である、請求項6記載の使い捨て吸収製 品。
  8. 【請求項8】 前記臭い/抗菌低減層が、流体貯蔵層の身体対向表面又は衣
    類対向表面のいずれか一方に隣接して配置されている、請求項1記載の使い捨て
    吸収製品。
  9. 【請求項9】 前記臭い/抗菌低減層が更にキャリア手段を含み、臭い/抗
    菌物質が該キャリア手段に適用されている、請求項1記載の使い捨て吸収製品。
  10. 【請求項10】 前記臭い/抗菌物質が、重量で少なくとも約0.001〜
    約10%の金属フタロシアニン物質及び約90〜99.999%のキャリア手段
    を含有する、請求項9記載の使い捨て吸収製品。
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