JP2003532377A - ニトリラーゼの選択性を調整する方法、前記方法によって得られるニトリラーゼおよびその用途 - Google Patents

ニトリラーゼの選択性を調整する方法、前記方法によって得られるニトリラーゼおよびその用途

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、調整された選択性を備えた改変ニトリラーゼに関し、それが位置162に本来のアミノ酸残基とは異なるアミノ酸残基を含むことをことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は選択性を高めた新しいニトリラーゼ、それらを得る方法および前記ニ
トリラーゼの用途に関する。
【0002】 ニトリラーゼ ニトリル基を対応するカルボン酸とアンモニウムイオンにする加水分解を触媒
するのがニトリラーゼである(Faber,Biotransformatio
ns in Organic Chemistry,Springer Ver
lag、Berlin Heidelberg、1992、ISBN3−540
−55762−8)。しかしながら、最終結果がニトリル基の加水分解で構成さ
れる、ニトリル基の対応するカルボン酸へのこの生物学的変換は2段階で実施す
ることも可能であり、最初のステップはニトリルヒドラターゼでニトリルを対応
するアミドに生物学的に変換することで構成され、第2のステップは得られたア
ミドをアミダーゼで対応するカルボン酸に加水分解することで構成される。
【0003】 ニトリラーゼは最初に植物中で発見され(Thimann and Maha
devan、1964、Arch.Biochem.Biophys.105:
133−141)、その後、多くの代表的な土壌微生物相で単離された(Kob
ayashi and Shimizu、1994、FEMS Microbi
ology Letters 120:217−224):Pseudomon
as、Nocardia、Arthrobacter、Fusarium、Rh
odoccocus、KlebsiellaおよびAlcaligenes。さ
らに最近になって、好熱性細菌中でニトリラーゼが特性分析された(Cramp
et al.、Microbiology、143:2313−2320)。
ニトリラーゼは多様な基質特異性を有するが、それらの特異性によって3つのグ
ループに分類することができる。すなわち脂肪族ニトリルに特異的なニトリラー
ゼ、芳香族ニトリルに特異的なもの、またはアリルアセトニトリルに特異的なも
のである(Kobayashi et al.、1993、Proc.Natl
.Acad.Sci.USA 90:247−251;Kobayashi a
nd Shimizu、1994、前出;Levy−Schil et al.
、1995、Gene 161:15−20;Layh et al.、199
8、J.Mol.Catal B:Enzymatic 5:467−474)
【0004】 ニトリラーゼは、多くの合成過程がニトリル基の加水分解を含むので生体触媒
作用で価値がある(Yamamoto et al.、1991、Appl.E
nviron.Microb.57:3028−3032;Faber,Bio
transformations in Organic Chemistry
,2nd edn,Springer−Verlag、Berlin、1995
;Levy−Scil et al.、1995、Gene 161:15−2
0;Cowan et al.、1998、Extremophiles 2:
207−216):アジポニトリルのシアノ吉草酸塩またはアジピン酸塩への変
換、ニコチン酸、アミノ安息香酸、トラネキサム酸の合成、マンデロニトリルの
エナンチオ選択的加水分解。特に、Alcaligenes faecalis
ATCC8750のニトリラーゼ(本出願ではNitBと呼ぶ)およびCom
amonas testosteroniのそれ(本出願ではNitAと呼ぶ)
はメチオニンのヒドロキシ類似体を得るために使用することができる(FR94
11301、WO9609403、FR9613077)。
【0005】 ニトリラーゼは、約30%から始まって様々な同一度でアラインする一次構造
を有する。いくつかのニトリラーゼの配列をアラインすると、NitBニトリラ
ーゼの配列の位置163のシステイン残基を含むいくつかの残基の保存が明らか
になる。この残基はニトリラーゼの反応メカニズムに含まれる(Kobayas
hi et al.、1993、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 90:247−251)。
【0006】 本発明に関しては、基準配列はNitB配列であって、特定のアミノ酸位置の
規定および表示はNitB一次配列に関して与えられる。添付の図1は当該技術
の現状で述べられている14種のニトリラーゼの配列であって、NitBを基準
にそれに関して並べられ、Arabidopsis thalianaのp_A
thalia1から4まで(SwissProt受理番号P32961、P32
962、P46010、P46011)、Nicotiana tabacum
のp_Tobacco1と2(GeneBank受理番号D63331、D83
078)、Rhodococcus rhodocrous J1のb_Rho
docJ1(GeneBank受理番号D11425)、Rhodococcu
s rhodocrous PA34のb_RrhodocPA3(GeneB
ank受理番号E09026)、Gordona terraeのb_Gter
rae(GeneBank受理番号E12616)、Rhodococcus
rhodocrous K22のb_RrhodocK22(GeneBank
受理番号D12583)、Klebsiella ozaenaeのb_Koz
aenae(SwissProt受理番号P100450)、Comamona
s testosteroni NI1のb_CtestosNI1またはNi
tA(GeneBank受理番号L32589)、およびAlcaligene
s faecalis JM3のb_AfaecalisまたはNitB(Sw
issProt受理番号P20960)の配列を含む。NitB配列のアミノ酸
の番号がこの図に付され(下部の番号)、その番号付け(上部の番号)と一致す
る配列である。本出願の慣行によって、他のニトリラーゼの残基はこのシステイ
ン残基および基準配列とするNitBニトリラーゼの配列に関して番号付けされ
る。そのようなアラインメント、またはいずれかのアラインメントニトリラーゼ
配列に基づいて、NitBアミノ酸の位置と性質により与えられる規定を使用し
て別のニトリラーゼ配列中の対応するアミノ酸の位置を識別することは当業者に
とって容易である。
【0007】 選択性の問題 ニトリラーゼの選択性は、ニトリラーゼの触媒するニトリルの加水分解によっ
て放出されるカルボキシル機能を持たない化合物のパーセンテージとして規定さ
れる。それは相対的に少ないと言われてきたが、一定数のニトリラーゼと基質に
ついては観察される。このように、2−メトキシマンデロニトリルを2−メトキ
シマンデル酸にする加水分解はPseudomonas fluorescen
s DSM7155のニトリラーゼによって触媒され、2−メトキシマンデルア
ミドの同時生成につながる(Layh et al.、1998、前出)。同様
に、本出願の実施例で説明するComamonas testosteroni
NI1のNitAニトリラーゼによって触媒される2−ヒドロキシ−4−メチ
ルチオブチロニトリル(HMTBN)の加水分解(Levy−Schil et
al.、1995、前出)は2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチルアミド(
HMTBM)の同時生成を伴なう。そのような酵素/−基質対を使用する生体触
媒処理のケースでは、ニトリラーゼのその基質についての選択性の欠如はアミド
の同時生成につながり、それは処理の収量が損失することを表わす。この収量損
失はかなりの経済的衝撃を有し得る。加えて、この選択性欠如は反応産物を不純
物汚染するアミドの存在につながる。その後にカルボン酸の精製が必要とされ、
ここでもやはり処理に大きな経済的衝撃を与える。したがってニトリラーゼの所
定の基質に関する選択性欠如はこのニトリラーゼとこの基質を使用する生体触媒
処理の開発にとって障害となる。
【0008】 酵素の選択性の低減は、この低減が基質に対する酵素の触媒活性の増大を伴な
う場合に必要とされることもある。特に、最大の特異的活性酵素で害毒となる分
子を急速に分解することが必要となる汚染除去の方法におけるケースである。こ
のケースでは、酵素によって触媒される反応に由来する生成物の性質は基質の分
解速度に対してあまり重要でない。
【0009】 したがって、この選択性の向上の見地と低減の見地の両方で、ニトリラーゼの
選択性を調整可能であることが特に大切である。
【0010】 酵素活性の亢進 方向付けられた酵素の増進は、増進された特性を有する変異種を繰り返し選択
することによって酵素を特定の機能に適合させることで構成される(Arnol
d and Volkov、1999、Current Opinion in
Chemical Biology 3:54−59;Kuchner an
d Arnold、1997、Tibtech 15:523−530)。これ
らの変異種は研究対象の酵素をコードする遺伝子に対する突然変異誘発(Ska
ndalis et al.、1997、Chemistry & Biolo
gy 4:8889−898;Crameri et al.、1998、Na
ture 391:288−291):化学的突然変異誘発(Singer a
nd Fraenkel−Conrat、1969、Prog.Nucl.Ac
id Res.Mol.Biol.9:1−29)、エラープローンPCR(L
eung et al.、1989、Technique 1:11−15)、
組み合わせPCR(Crameri et al.、1998、前出;Shao
et al.、1998、Nucleic Acids Res.26:68
1−683)、指向性突然変異誘発(Directed Mutagenesi
s:A Practical Approach、1991、Edited b
y M.J.McPHERSON、IRL PRESS)、などによる突然変異
誘発といったいくつかの技術によって作製することができる。
【0011】 HMTBN(2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル)に対するNitB
ニトリラーゼの活性を増進するちう背景で、NitBの位置162の活性部位で
システイン残基をアスパラガニン残基で置き換える一点置換が研究対象のニトリ
ラーゼの選択性の調整につながることに考案者らは気付いた。他方で、NitA
ニトリラーゼの配列の位置162にシステイン残基を導入することがまた別のそ
れの基質、AMTBNに対する選択性を増進することにつながり、したがってニ
トリラーゼの活性部位の領域の位置162は前記ニトリラーゼの選択性に含まれ
るキーとなる位置であり、本来のアミノ酸を別のアミノ酸で置き換えることで構
成されるこの位置でのアミノ酸残基の変更がニトリラーゼの選択性の調整につな
がることに気付いた。
【0012】 したがって本発明は、調整された選択性を備え、位置162に本来のアミノ酸
残基とは異なるアミノ酸残基を含むことを特徴とする改変ニトリラーゼに関する
【0013】 本発明によると、「改変ニトリラーゼ」という用語は本来のニトリラーゼに対
して改変がなされたニトリラーゼを意味することを意図しており、その改変は位
置162で本来のアミノ酸残基を別のアミノ酸で置き換えることで構成される。
【0014】 本発明によると、「選択性の調整」という表現は本来のニトリラーゼの選択性
とは異なる選択性を意味することを意図しており、特定すると本来のニトリラー
ゼに対して少なくとも0.5%異なり、少なくとも1%異なるのが好都合である
【0015】 都合がよければ残基162はシステイン、アラニン、バリン、アスパラギン、
グルタミン、イソロイシンおよびセリンの中から選択されるアミノ酸で置き換え
られるものであり、本来のニトリラーゼの残基162がシステイン、アラニン、
バリン、アスパラギン、グルタミン、イソロイシンまたはセリンそれぞれと異な
ることは分かっている。
【0016】 残基162はシステイン残基で置き換えられることが好ましい。
【0017】 本発明の特定の実施形態によると、調整は選択性を増進させることから成る。
【0018】 本発明の第2の特定の実施形態によると、調整は選択性を低減させることから
成る。
【0019】 本来の未調整ニトリラーゼは細菌、酵母、菌、植物または動物の起源の中から
選択される。
【0020】 バクテリアを起源とするニトリラーゼの中で、特に以下のニトリラーゼを記載
することができる。すなわち、Rhodococcus rhodocrous
J1のb_RhodocJ1(GeneBank受理番号D11425)、R
hodococcus rhodocrous PA34のb_Rrhodoc
PA3(GeneBank受理番号E09026)、Gordona terr
aeのb_Gterrae(GeneBank受理番号E12616)、Rho
dococcus rhodocrous K22のb_RrhodocK22
(GeneBank受理番号D12583)、Klebsiella ozae
naeのb_Kozaenae(SwissProt受理番号P100450)
、Comamonas testosteroni NI1のb_Ctesto
sNI1またはNitA(GeneBank受理番号L32589)、およびA
lcaligenes faecalis JM3のb_Afaecalisま
たはNitB(SwissProt受理番号P20960)である。植物を起源
とするニトリラーゼの中で、特に記載できるものは、Arabidopsis
thalianaのp_Athalia1から4まで(SwissProt受理
番号P32961、P32962、P46010、P46011)、およびNi
cotiana tabacumのp_Tobacco1および2(GeneB
ank受理番号D63331、D83078)である。
【0021】 その他を起源とするニトリラーゼの中で、特に記載できるものは、Sacch
aromyces cerevisiaeのもの(SwissProt受理番号
P40447およびP4044)、Caenorhabditis elega
nsのもの(GeneBank受理番号AF069986)、Drosophi
la melanogasterのもの(GeneBank受理番号AF069
989)、Homo sapiensのもの(GeneBank受理番号AF0
69987)およびMus musculusのもの(GeneBank受理番
号AF069988)である。
【0022】 本発明のまた別の実施形態によると、本来のニトリラーゼはDNAライブラリ
ー、特にcDNAまたはゲノムDNAのスクリーニングによって得られるニトリ
ラーゼであり、様々な供給源、特にニトリラーゼの無作為の突然変異と組換えを
通じて、指向性の分子進化または土壌ないし他の生態系に由来するDNAライブ
ラリーのスクリーニングによって得られるDNAライブラリーから得られる。
【0023】 本発明はまた、上記の改変ニトリラーゼをコードする核酸配列、特にDNA配
列にも関する。
【0024】 本発明の第1の実施形態によると、本発明による核酸配列は本来のニトリラー
ゼの核酸配列で構成され、それに関して位置162で本来の残基のコドンが本来
のものと異なる残基をコードするコドン、特にアラニン、バリン、アスパラギン
、グルタミン、イソロイシンまたはセリン残基をコードするコドンで置き換えら
れている。
【0025】 本来の配列のコドンは前に規定した酵素の増進のために当業者が知っているあ
らゆる手段、特に指向性の突然変異誘発によって変更することができる。
【0026】 本発明はまた、キメラ遺伝子ないし発現カセットにも関し、転写の方向で、ホ
スト有機体の中で機能するプロモーター調節配列、本発明による改変ニトリラー
ゼをコードする核酸配列および同じホスト有機体の中で機能するターミネーター
調節配列を含む。
【0027】 宿主微生物はすべての真核ないし原核生物を含み、それは分化していても未分
化であってもよく、特定すると細菌、酵母、菌、植物細胞および植物体である。
【0028】 それらは特にバクテリア、例えばE.coli、特にSaccharomyc
es、KluyveromycesまたはPichia属の酵母、特にAspe
rgillusまたはPenicillium属の菌、バキュロウィルス、また
は植物細胞および植物体である。
【0029】 本発明によると、「植物細胞」という用語は植物体に由来するあらゆる細胞を
意味することを意図されており、カルスのような未分化組織、胚、植物体の一部
、植物体または種子のような分化した組織から構成され得る。
【0030】 本発明によると、「植物体」という用語は光合成を行ない得るすべての多細胞
微生物を意味するように意図されており、特に単子葉ないし双子葉、さらに特定
するとトウモロコシ、コムギ、アブラナ、ダイズ、イネ、サトウキビ、ビートの
根、タバコ、ワタなどのような動物またはヒトの食料用に意図されるかまたはさ
れていない作物植物である。
【0031】 プロモーターおよびターミネーター調節要素は当業者にはよく知られており、
宿主微生物によって決まる。
【0032】 バクテリア内でのプロモーターである調節配列として、バクテリア内で自然に
発現される遺伝子のあらゆるプロモーター調節配列、例えばE.coliのトリ
プトファンオペロンのプロモーター(Denefle et al.、1987
、Gene 56:61−70)が使用可能である。
【0033】 酵母内でのプロモーターである調節配列として、酵母内で自然に発現される遺
伝子のあらゆるプロモーター調節配列、例えばS.cerevisiae Mf
α1遺伝子またはKluyveromyces lactis遺伝子(van
den Berg et al.、1990、Bio/Technology
8:135−139)のプロモーターが使用可能である。
【0034】 菌内でのプロモーターである調節配列として、菌内で自然に発現される遺伝子
のあらゆるプロモーター調節配列、例えばPenicillium chrys
ogenum酸性ホスファターゼ遺伝子(Graessle et al.、1
997、Appl.Environ.Microbiol.63:753−75
6)のプロモーター配列またはAspergillus nidulansアル
コールデヒドロゲナーゼI遺伝子(Gwyne et al.、1989、Bi
ochem.Soc.Trans.17:338−340)のプロモーター配列
が使用可能である。
【0035】 植物細胞および植物体内でのプロモーターである調節配列として、植物内で自
然に発現される遺伝子のあらゆるプロモーター調節配列、特にバクテリア、ウィ
ルスまたは植物を起源とするプロモーターが使用可能であり、例えばリブロース
ビスカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(RuBisCO)小型サブユニット遺
伝子のプロモーター、ヒストンプロモーター(EP0507698)、イネのア
クチンプロモーター、または例えばカリフラワーモザイクウィルス(CAMV1
9Sないし35S)のプロモーターやタバコPR−Iaのような病原によって誘
導可能なプロモーターといった植物ウィルス遺伝子のプロモーターである。
【0036】 細菌内でのターミネーターである調節配列として、細菌内で自然に発現される
あらゆるターミネーター調節配列、例えばE.coliリボソームのRNAオペ
ロンのターミネーター調節配列(Denefle et al.、1987、G
ene 56:61−70)が使用可能である。
【0037】 酵母内でのターミネーターである調節配列として、酵母内で自然に発現される
あらゆるターミネーター調節配列、例えばS.cerivisiaeのホスホグ
リセリン酸キナーゼ(PGK)のターミネーターまたはKluyveromyc
es lactisのラクターゼのターミネーター(van den Berg
et al.、1990、Bio/Technology 8:135−13
9)が使用可能である。
【0038】 菌内でのターミネーターである調節配列として、菌内で自然に発現されるあら
ゆるターミネーター調節配列、例えばTrichoderma reeseiの
ピルビン酸キナーゼ遺伝子のターミネーター配列(Scindler et a
l.、1993、Gene 130:271−275)が使用可能である。
【0039】 植物細胞および植物体内でのターミネーターである調節配列として、植物内で
自然に発現される遺伝子のあらゆるターミネーター調節配列、例えばAgrob
acterium tumefaciens nosターミネーターを例とした
バクテリア起源、CaMV 35Sターミネーターを例としたウィルス起源、ヒ
ストンターミネーター(EP0633317)を例とした植物起源の遺伝子のタ
ーミネーターが使用可能である。
【0040】 本発明はまた、上記で規定したようなキメラ遺伝子を含む形質転換したホスト
有機体にも関し、特にそのゲノムの中に本発明によるキメラ遺伝子が安定に一体
化された上記で規定した微生物。
【0041】 本発明はまた、増進された選択性をもつ上記に規定の改変ニトリラーゼを生成
する方法にも関し、前記方法は本発明による形質転換宿主微生物を培養し、適切
なところで改変ニトリラーゼを混合物ないし精製された形で分離することで構成
される。
【0042】 本発明はまた、化合物を合成ないし分解するのに使用する方法の中の生体触媒
反応に本発明による改変ニトリラーゼを使用することにも関する。
【0043】 最後に、本発明はニトリラーゼの選択性を調整する方法に関し、前記方法は本
来のニトリラーゼの残基162を本来のアミノ酸残基と異なるアミノ酸残基で置
き換えることを含む。都合がよければ、残基162は、本来の未改変ニトリラー
ゼをコードする核酸配列内に位置162の残基をコードする、本来のニトリラー
ゼの残基をコードするコドンとは異なるコドンを導入することによって置き換え
られる。
【0044】 前記調整方法を使用して得られるニトリラーゼは上記で規定したようなニトリ
ラーゼであることが好ましい。
【0045】 以下の実施例は、本発明の範囲を限定しようとするものではないが本発明を具
体的に説明することを可能にする。
【0046】 材料と方法 2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルに対するニトリラーゼの活性
は次のようにして測定する。
【0047】 660nmでの吸光度(OD660)が判っている培養試料を採取して100
mMリン酸バッファ、pH7.0で洗浄する。OD660から試料の乾燥重量を
見積もり(1OD660ユニットは乾燥細胞0.35mg/mlの乾燥重量に相
当する)、約1mgのDCを1mlの100mMリン酸バッファ、pH7.0に
とって密閉した2mlのチューブで35℃にて10分間インキュベートする。分
析の開始時に反応混合液中で100mMの濃度となるよう、動力学は78%でH
MTBN溶液17μlを加えることによって開始する。撹拌しながら35℃でイ
ンキュベートして反応させる。15分毎に100μlの懸濁液試料を引き抜き、
900μlの100mM HPO、pH2.5を混合して反応を停止させる
。遠心分離した後、以下に述べるようにしてHPLCによって上清を分析する。
【0048】 溶離液は50mM HPOに希釈したHPLC等級のアセトニトリル(0
.9リットルの50mM HPOと0.1リットルのアセトニトリルを混合
)で構成される。濾過されて脱ガスされたこの溶離液が流速1ml/分および1
40バールの圧力でカラムに浸透する。使用するカラムは5μm C18 Nu
cleosilカラム(INTERCHIM,Ref.N5CC18−25F)
で長さ250mm、直径4.6mmである。注入する容量は5μlであり、検出
は波長215nmにおける吸収を読み取ることによって実施される。これらの条
件下で、HMTBM、HMTBS(2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸)
およびHMTBN(2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンアミド)のピークは
9分、11分および15.8分というそれぞれの保持時間を有する。HMTBN
、HMTBMおよびHMTBSの量はピークの面積測量および既知の組成の較正
用混合液のピーク面積との比較から演繹される。
【0049】 2−アミノ−4−チオブチロニトリルに対するニトリラーゼの活性は次のよう
にして測定する。
【0050】 細胞ペレット(0.4から20mgの間のDC)を200mMホウ酸バッファ
、pH9.2に懸濁し、密閉2mlチューブで30℃にて10分間インキュベー
トする。分析の開始時で反応混合液中の終濃度が50mMとなるようにAMTB
Nの溶液を添加することによって動力学が開始される。撹拌しながら30℃でイ
ンキュベートして反応させる。15分毎に50μlの懸濁液試料を引き抜き、9
50μlのHPLC溶離液(下記の組成参照)と混合して反応を停止させる。遠
心分離した後、以下に述べるようにしてHPLCによって上清を分析する。
【0051】 溶離液は0.5%のHPO水溶液に希釈した1%のHPLC等級のアセト
ニトリルで構成される。濾過されて脱ガスされたこの溶離液が1ml/分の流速
でカラムに浸透する。使用するカラムは5μm C18 Nucleosilカ
ラム(INTERCHIM,Ref.N5CC18−25F)で長さ250mm
、直径4.6mmであり、40℃の温度に維持される。注入される容量は20μ
lであり、検出は波長210nmにおける吸収を読み取ることによって実施され
る。これらの条件下で、AMTBM、AMTBS(2−アミノ−4−メチルチオ
ブタン酸)およびAMTBN(2−アミノ−4−メチルチオブタンアミド)のピ
ークは4.0分、4.5分および5.0分というそれぞれの保持時間を有する。
AMTBN、AMTBMおよびAMTBSの量はピークの面積測量および既知の
組成の較正用混合液のピーク面積との比較から演繹される。
【0052】 使用するその他の技術は当業者によく知られた分子生物学および微生物学の普
遍的な技術であって、例えばAusubel et al.、1987(Cur
rent Protocols in Molecular Biology、
John Wiley and Sons、New York)、Maniat
is et al.、1982(Molecular Cloning:a l
aboratory manual.Cold Spring Harbor
Laboratory,Cold Spring Harbor、New Yo
rk)、Coligan et al.、1997(Current Prot
ocols in Protein Science、John Wiley
& Sons,Inc.)によって述べられている。
【0053】 実施例 実施例1:発現プラスミドpBCAT29およびpBCAT41の作製 図2はプラスミドpRPA−BCAT41のマップを表わす。カッコ内の部分
はクローニングの間で除去された部分である。Ptrpはトリプトファンプロモ
ーター、nitBはニトリラーゼ遺伝子、TrrnBは転写ターミネーター、e
nd ROPはROPタンパク質をコードする遺伝子(Chambers et
al.、1988、Gene 68:139−149)の末端、ORIは複製
起点、RNAI/IIは複製に含まれるRNA(Chambers et al
.、前出)、Tcはテトラサイクリン耐性遺伝子である。
【0054】 Ptrpプロモーターを含む1.27kb断片、λファージcII遺伝子(R
BScII)のリボソーム結合部位、およびAlcaligenes faec
alis ATCC8750のニトリラーゼ遺伝子(nitB)が、プラスミド
pRPA6BCAT6(出願FR96/13077)からEcoRIとXbaI
制限酵素を使用して、同じ制限酵素で開環したベクターpXL642(CIP出
願番号08/194,588に記載)にクローン化させるために抽出された。結
果として得られたプラスミド、pRPA−BCAT15を酵素StuIとBsm
Iで開環し、4.3kb断片をpRPA−BCAT4(出願FR96/1307
7)から精製した136bpのStuI−BsmI断片と連結してプラスミドp
RPA−BCAT19を作製した。pRPA−BCAT19を部分的に配列分析
してニトリラーゼのAsp279残基のコドンがAsn279残基のコドンで置
き換えられていることを確認した。その後、Ptrp::RBScII::ni
tB融合体を含むpRPA−BCAT19の1.2kbのEcoRI−XbaI
断片を同じ酵素で開環されたベクターpRPA−BCAT28内にクローン化し
て6.2kbプラスミドpRPA−BCAT29を作製した。ベクターpRPA
−BCAT28は、アンピシリン耐性マーカーをテトラサイクリン耐性マーカー
で置き換えるために、pXL642(CIP出願番号08/194,588)の
3.9kbのSspI−ScaI断片をpHP45ΩTc(Fellay et
al.、1987、Gene 52:147−154)の2.1kbのSma
I断片と連結することによって得た。プラスミドpRPA−BCAT29の複製
起点に近いNdeI部位の部分的NdeI切断とE.coliポリメラーゼI(
Klenow切断)の作用による破壊でプラスミドpRPA−BCAT41を作
製した。そのマップは図1に表わされる。プラスミドpRPA−BCAT41を
Xcm1切断および連結処理して0.55bpのXcm1断片を除去することに
よってプラスミドpRPA−BCAT72を作製した。
【0055】 実施例2:NitBのシステイン162のアスパラギンとの置換 nitB遺伝子のシステイン162のコドンは、プライマーNitB162(
CGCGTCGGTGCCCTGMASTGCTGGGAGC、ここでM=A/
CおよびS=G/C)およびSR(CGGCAATGATCAGGCCTTCG
GC)を使用した部位特異的突然変異誘発によって変更した。
【0056】 プライマーNitB162とSR、マトリックスpRPA−BCAT41、P
woポリメラーゼ(Boehringer)および次のインキュベーションプロ
グラムを使用してPCR反応によって内部の361断片を増幅した。すなわち9
5℃で5分、(95℃1分、58℃1分、72℃1分)5サイクル、(95℃4
5秒、58℃30秒、72℃30秒)35サイクル、72℃で5分である。
【0057】 増幅した断片をアガロースゲルに移し、「QiaEx」キット(Quiage
n)を使用して断片を抽出することによって精製した後、制限酵素StuIとB
anI(New England Biolabs)の存在下で37℃にて供給
者の推奨するバッファ中で16時間DNAをインキュベートした。別の内部断片
、498bpをプライマーPCRAF1(出願FR96/13072に記載)お
よびNitB1(GCAGCACAGGGCACCGACGC)を使用して同様
の方式で増幅した。
【0058】 増幅した断片をアガロースゲルに移し、「QiaEx」キット(Quiage
n)を使用して断片を抽出することによって精製した後、制限酵素NdeIとB
anI(New England Biolabs)の存在下で37℃にて供給
者の推奨するバッファ中で16時間DNAをインキュベートした。
【0059】 ベクターpRPA−BCAT72を酵素NdeIとStuIで開環し、5.4
3kpをアガロースゲルで精製してQiaExキットを使用して抽出した。
【0060】 その後、以上に述べた3つの断片を連結し、連結反応混合物をエレクトロポレ
ーションによってE.coli DH5α株に導入した。1.26kbの挿入物
を有するプラスミドを選別するために、得られたクローンを酵素EcoRIとX
baIで制限処理することによって分析した。ニトリラーゼ遺伝子のコドン16
2を含む領域の配列分析をした後、所望のコドン(TGCの代わりにAAC)を
持っている2つのプラスミドを選別し、pRPA−BCAT75と命名した。
【0061】 これらのプラスミドをE.coli RPA−BIOCAT496株に導入し
て菌株RPA−BIOCAT526と527を得た。RPA−BIOCAT49
6株はW菌株(ATCC9637)に相当し、その中にプラスミドpRPA−B
CAT34が前もって導入されている。プラスミドpRPA−BCAT34はプ
ラスミドpXL2035(Levy−Schil et al.、1995、G
ene 161:15−20)に相当し、その中にPtrpプロモーターの調節
因子をコードするtrpR遺伝子を持つ475bp断片が、EcoRIとNot
Iの切断部位の間でクローン化されている。この断片をプラスミドpRPA−B
CAT30から抽出し、ベクターpSL301(Brosius、1989、D
NA 8:759−777)にクローニングすることによってプラスミドpRP
G9(Gunsalus and Yanofsky、1980、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 77:7117−7121)から抽出され
たtrpR遺伝子およびそのプロモーターを持つ434bpのAatII−St
uI断片を作製した。
【0062】 実施例3:HMTBN加水分解の間でニトリラーゼの選択性に及ぼすNitB
のシステイン162の影響 RPA−BIOCAT526、RPA−BIOCAT527およびRPA−B
IOCAT497株(プラスミドpRPA−BCAT41が前もって導入された
RPA−BIOCAT496株に相当)を、出願FR96/13072の実施例
5に述べた条件に次の変更を加えて培養した。その変更はすなわち、予備培養を
8時間する点、0.4%のカサミン酸、12μg/mlのテトラサイクリンおよ
び50μg/mlのカナマイシンを含むM9グルコース培地に1:50で植菌す
る点である。
【0063】 HMTBNのニトリラーゼ活性は、1mlの反応液量に1mgのDCを使用し
、100mMのリン酸カリウムバッファ、pH7で洗浄した細胞ペレットに対し
、前述したようにして測定した。菌株の選択性は2時間の加水分解の後に形成さ
れたアミドのピークの面積をアミドと酸のピーク面積の合計と関連させて測定し
た。それはパーセンテージにより表わされ、結果は表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】 これらの結果は、システイン162のアスパラギンとの置換がHMTBNの加
水分解に関するNitBの選択性を変えることを示している。
【0066】 実施例4:NitAのグルタミン162のシステインでの置換 NitAニトリラーゼのグルタミン162のコドンを、QuickChang
e(商標)部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene)を使用した
部位特異的突然変異誘発によってシステインコドンに変えた。
【0067】 プライマーNitA163(GCATGTTCCCAGCAGCAGAGTC
CCCCAAGATTCC)およびNitA162(GGAATCTTGGGG
GACTCTGCTGCTGGGAACATGC)は供給者の推奨する条件下で
プラスミドpXL2158のDNA(Levy−Schil et al.、1
995、Gene 161:15−20)に対して使用した。
【0068】 PCR反応のインキュベーションプログラムは95℃で30秒、および16サ
イクルの95℃30秒−55℃1分−68℃12分を含む。DNAをDpnIで
切断し、反応混合液1μlでE.coli XL1−Blueを感染させた後、
得られたクローンを酵素BpmIを使用したプラスミド制限プロファイルによっ
て分析した。導入した突然変異はBpmI切断部位を変えるので、3つのBpm
I切断部位のうちの1つを消失した5つのクローンを選別した。それらが有する
プラスミドを別々にRPA−BIOCAT496株に導入してRPA−BIOC
AT570およびRPA−BIOCAT574を得た。
【0069】 実施例5:位置162でシステインによる置換をした後のHMTBNの加水分
解に関するNitA C162の選択性増進 プラスミドpXL2158をRPA−BIOCAT496株に導入してRPA
−BIOCAT575を得た。前述した発現条件下でテトラサイクリンをアンピ
シリン100μg/mlに置き換えて菌株RPA−BIOCAT570からRP
A−BIOCAT575までを培養した。これらの菌株のニトリラーゼ活性は反
応液量1mlに5mgの細胞(OD660から算定した乾燥重量)を使用して前
述のようにして1時間について分析した。選択性はアミドに相当するピーク面積
の酸に相当するピーク面積に対する比率を計算することによって測定した。それ
をパーセンテージとして表わし、結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】 これらの結果は、NitAのグルタミン162をシステインで置き換えること
がHMTBNの加水分解に関する選択性の4倍の利得を可能にすることを示して
いる。
【0072】 実施例6:位置162でシステインによる置換をした後のAMTBNの加水分
解に関するNitAの選択性増進 RPA−BIOCAT570およびRPA−BIOCAT575株を前述の発
現条件下で培養した。これらの菌株のニトリラーゼ活性はホウ酸緩衝液、pH9
.2中で2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリルまたはAMTBN(C5H
10N2S)を基質として50mMで使用して測定した。RPA−BIOCAT
570細胞10mg(乾燥重量で表示)およびRPA−BIOCAT575細胞
0.4mgmg(乾燥重量で表示)相当を反応液量1ml中で30℃、24時間
で使用した。前述したようにHPLCによってAMTBSおよびAMTBAの生
成を測定し、同様の方式で選択性を算出した。その結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】 これらの結果は、NitAのグルタミン162のシステインによる置換がHM
TBN以外の基質、このケースではAMTBN、に対する選択性に4倍の利得を
可能にすることを示している。
【0075】 実施例8:NitBの位置162でのその他の置換およびHMTBNへの選択
性の損失 実施例2に述べた突然変異誘発から得たクローンに含まれるnitB遺伝子の
コドン162を含む領域を配列分析することによって、位置162にTGCの代
わりにCAGコドンを持ったクローンを識別することが可能であった。対応する
プラスミドはpRPA−BCAT78と命名され、NitB Q162をコード
するnitB挿入を持っており、そこではシステイン162がグルタミンで置換
されている。これらのプラスミドをE.coli RPA−BIOCAT496
株に導入し、RPA−BIOCAT530および531株を得た。RPA−BI
OCAT530、RPA−BIOCAT531およびRPA−BIOCAT49
7株を実施例3に述べた条件下で培養した。反応液量1mlに1mgのDCを使
用し、出願FR96/13072の実施例4に述べたようにして、100mMリ
ン酸カリウム緩衝液、pH7で洗浄した細胞ペレットについてHMTBNに対す
るニトリラーゼ活性を測定した。菌株の選択性は、2時間の加水分解の後に形成
されたアミドと酸の合計のモル量に対する形成されたアミドのモル量の関係で測
定した。それをパーセンテージで表わし、その結果を表5に示す。
【0076】
【表4】
【0077】 これらの結果は、システイン162の置換がHMTBNの加水分解に関するN
itBの選択性を変えることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、14種類のニトリラーゼのアラインメントを示す。
【図2】 図2は、プラスミドpRPA−BCAT41のマップを示す。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/78 C12N 15/00 A C12P 7/40 5/00 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ジユルダ,カトリーヌ フランス国、エフ−69110・サント−フオ ア−レ−リヨン、シユマン・ドユ・バロ ン、4 Fターム(参考) 4B024 AA03 BA11 DA06 EA04 GA14 HA12 4B050 CC04 DD02 LL05 4B064 AD01 AE61 CA21 CB01 4B065 AA01Y AA26X AB01 AC14 BA03 CA31

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本来のアミノ酸残基とは異なるアミノ酸残基を位置162に
    含むことを特徴とする、選択性を調整された改変ニトリラーゼ。
  2. 【請求項2】 調整された選択性がニトリラーゼの選択性から少なくとも0
    .5%、有利であるのは少なくとも1%異なることを特徴とする、請求項1に記
    載の改変ニトリラーゼ。
  3. 【請求項3】 残基162がシステイン、アラニン、バリン、アスパラギン
    、グルタミン、イソロイシンおよびセリンの中から選択されるアミノ酸で置き換
    えられることを特徴とし、本来のニトリラーゼの残基162がシステイン、アラ
    ニン、バリン、アスパラギン、グルタミン、イソロイシンおよびセリンそれぞれ
    とは異なることが判る、請求項1または2のいずれか一項に記載の改変ニトリラ
    ーゼ。
  4. 【請求項4】 残基162がシステイン残基で置き換えられることを特徴と
    する、請求項3に記載の改変ニトリラーゼ。
  5. 【請求項5】 調整が選択性の増進であることを特徴とする、請求項1から
    4までのいずれか一項に記載の改変ニトリラーゼ。
  6. 【請求項6】 調整が選択性の低下であることを特徴とする、請求項1から
    4までのいずれか一項に記載の改変ニトリラーゼ。
  7. 【請求項7】 未改変である本来のニトリラーゼが細菌、酵母、菌、植物ま
    たは動物起源のニトリラーゼの中から選択されることを特徴とする、請求項1か
    ら6までのいずれか一項に記載の改変ニトリラーゼ。
  8. 【請求項8】 本来のニトリラーゼがDNAライブラリーのスクリーニング
    によって得られるニトリラーゼであることを特徴とする、請求項1から7までの
    いずれか一項に記載の改変ニトリラーゼ。
  9. 【請求項9】 請求項1から8までのいずれか一項に記載の改変ニトリラー
    ゼをコードする核酸配列で、特にDNAの配列。
  10. 【請求項10】 本来のニトリラーゼをコードする核酸配列から成り、それ
    に関して位置162で本来の残基のコドンが本来の残基とは異なる残基をコード
    するコドンで置き換えられていることを特徴とする、請求項9に記載の核酸配列
  11. 【請求項11】 転写の方向で、ホスト有機体の中で機能するプロモーター
    調節配列、請求項9および10の両方に記載の改変ニトリラーゼをコードする核
    酸配列および同じホスト有機体の中で機能するターミネーター調節配列を含むこ
    とを特徴とするキメラ遺伝子または発現カセット。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のキメラ遺伝子を安定にゲノム内に一体
    化されて含むことを特徴とする、形質転換されたホスト有機体。
  13. 【請求項13】 細菌、酵母、菌、植物細胞または植物体の中から選択され
    ることを特徴とする、請求項12に記載のホスト有機体。
  14. 【請求項14】 請求項12および13に記載した形質転換ホスト有機体の
    培養、および適切な場所で、改変ニトリラーゼの混合物ないし精製された形での
    分離で構成されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載
    のように規定した増進選択性を持つ改変ニトリラーゼを作製する方法。
  15. 【請求項15】 化合物を合成または分解するための方法の中の生体触媒反
    応における、請求項1から8までのいずれか一項に記載の改変ニトリラーゼの使
    用。
  16. 【請求項16】 本来のニトリラーゼの残基162を本来のアミノ酸残基と
    は異なるアミノ酸残基で置き換えることで構成されることを特徴とする、ニトリ
    ラーゼの選択性を調整する方法。
  17. 【請求項17】 ニトリラーゼが請求項2から8までのいずれか一項に記載
    のように規定されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
JP2001537483A 1999-11-08 2000-10-30 ニトリラーゼの選択性を調整する方法、前記方法によって得られるニトリラーゼおよびその用途 Expired - Fee Related JP4758580B2 (ja)

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