JP2003529571A - メソ形化合物の触媒的不斉非対称化 - Google Patents

メソ形化合物の触媒的不斉非対称化

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JP2003529571A
JP2003529571A JP2001572438A JP2001572438A JP2003529571A JP 2003529571 A JP2003529571 A JP 2003529571A JP 2001572438 A JP2001572438 A JP 2001572438A JP 2001572438 A JP2001572438 A JP 2001572438A JP 2003529571 A JP2003529571 A JP 2003529571A
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デン,リ
チェン,ヨンガン
ティアン,シンカイ
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ブランデイス ユニヴァーシティー
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D493/00Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system
    • C07D493/02Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D493/08Bridged systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B53/00Asymmetric syntheses

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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、プロキラル出発材料、例えば、メソ形無水物から、キラル非ラセミ生成物、例えば、鏡像異性が豊富なヘミエステルの合成方法に関する。本発明はまた、上述した方法のための触媒、およびこれらの触媒を合成する方法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願 本出願は、2000年4月4日に出願された、米国仮特許出願第60/194
520号の出願日の恩恵を主張するものである。
【0002】 発明の背景 鏡像異性的に純粋な化合物の要望が、近年急速に増加している。そのようなキ
ラル非ラセミ化合物の重要な用途の1つは、医薬産業における合成のための中間
体である。例えば、鏡像異性的に純粋な薬物には、ラセミ薬物混合物よりも優れ
た多くの利点があることが次第に明らかになってきた。これらの利点(例えば、
Stinson,S.C., Chem Eng News, 1992年9月28日、46-79頁に精査されている)と
しては、鏡像異性的に純粋な化合物に関連することの多い、より少ない副作用お
よびより大きな有効性が挙げられる。
【0003】 有機合成の伝統的な方法は、ラセミ材料の製造のために最適化されていること
が多かった。鏡像異性的に純粋な材料の製造は、歴史的に、2つの様式の内の1
つで行われてきた:天然源(いわゆる「キラルプール」)から誘導された鏡像異
性的に純粋な出発材料の使用;および伝統的な技法によるラセミ混合物の分離。
しかしながら、これらの方法のいずれにも重大な欠点がある。キラルプールは、
天然に見つかる化合物に限られているので、特定の構造と形状のものしか容易に
は得られない。分離剤を使用する必要のあるラセミ体の分離は、不都合であり、
時間がかかるであろう。さらに、分離は、望ましくない鏡像異性体が捨てられ、
したがって、効率が低減し、材料の半分が浪費されることを意味する。
【0004】 発明の概要 本発明は、プロキラル出発材料、例えば、メソ形無水物から、キラル非ラセミ
生成物、例えば、鏡像異性的に一方が豊富なヘミエステルの合成方法に関する。
本発明はまた、上述した方法のための触媒、およびこれらの触媒を合成する方法
にも関する。
【0005】 発明の詳細な説明 プロキラルメソ形化合物を鏡像異性的に一方が豊富なすなわち鏡像異性的に純
粋なキラル化合物に選択的に転化させる能力には、特に、農業および製薬産業、
並びに高分子産業において、広い用途がある。ここに記載したように、本発明は
、プロキラルメソ形化合物等の触媒作用による不斉非対称化のための方法および
触媒に関する。以下に詳述する本発明の主要な構成要素は:非ラセミキラル第三
アミン含有触媒;プロキラルメソ形基質、典型的に、内部平面または対称点によ
り関連付けられる一対の求電子性原子を含む複素環;および反応条件下で上述し
た2つの求電子性原子の内の1つを選択的に攻撃し、鏡像異性的に一方が豊富な
キラル生成物を生成する、求核体、典型的には溶媒;である。それに加え、本発
明の触媒および方法は、ラセミ混合物等の運動分離(kinetic resolutions)を行
うために利用することができる。
【0006】定義 便宜上、明細書、実施例、および添付の請求項に用いた特定の用語をここに集
めた。
【0007】 「求核体」という用語は、当該技術分野において認識されており、ここで用い
ているように、反応性電子対を有する化学部位を意味する。求核体の例としては
、水、アミン、メルカプタンおよびアルコールのような非荷電化合物や、アルコ
キシド、チオレート、カルボアニオン、および様々な有機と無機の陰イオンのよ
うな荷電部位が挙げられる。陰イオン求核体の例としては、ヒドロキシド、アジ
ド、シアン化物、チオシアネート、アセテート、ホルメートまたはクロロホルメ
ート、および重亜硫酸塩が挙げられる。有機銅酸塩、有機亜鉛、有機リチウム、
グリニャール試薬、エノラート、アセチリド等のような有機金属試薬が、適切な
反応条件下で、適切な求核体であろう。水素化物も、その基質の還元が望ましい
場合には、適切な求核体であろう。
【0008】 「求電子体」という用語は、当該技術分野において認識されており、上述した
求核体から電子対を受容できる化学部位を称する。本発明の方法に有用な求電子
体の例としては、エポキシド、アジリジン、エピスルフィド、環状スルフェート
、カーボネート、ラクトン、ラクタム等のような環式化合物が挙げられる。非環
式求電子体の例としては、スルフェート、スルホネート(例えば、トシレート)
、塩化物、臭化物、ヨウ化物等が挙げられる。
【0009】 ここで用いているような「求電子性原子」、「求電子性中心」および「反応性
中心」という用語は、求核体により攻撃され、求核体との新たな結合を形成する
基質の原子を称する。ほとんど(全てではない)の場合、これは、脱離基がそこ
から離れる原子でもある。
【0010】 「電子吸引性基」という用語は、当該技術分野において認識されており、ここ
に用いているように、そうでなければ同じ位置にあるであろう水素原子よりも、
それ自体に電子を引き付ける官能基を意味する。電子吸引性基の例としては、ニ
トロ、ケトン、アルデヒド、スルホニル、トリフルオロメチル、−CN、塩化物
等が挙げられる。「電子供与性基」という用語は、ここで用いているように、そ
うでなければ同じ位置にあるであろう水素原子ほどは、それ自体に電子を引き付
けない官能基を意味する。電子供与性基の例としては、アミン、メトキシ等が挙
げられる。
【0011】 「ルイス塩基」および「ルイス塩基性」という用語は、当該技術分野において
認識されており、ある条件下で電子対を供与できる化学部位を称する。ルイス塩
基性部位の例としては、アルコール、チオール、オレフィン、およびアミンのよ
うな非荷電化合物や、アルコキシド、チオレート、カルボアニオン、および様々
な他の有機陰イオンのような荷電部位が挙げられる。
【0012】 「ルイス酸」および「ルイス酸性」という用語は、当該技術分野において認識
されており、ルイス塩基から電子対を受容できる化学部位を称する。
【0013】 「メソ形化合物」という用語は、当該技術分野において認識されており、少な
くとも2つのキラル中心を有するが、内部平面、または対称点のためにアキラル
である化学化合物を意味する。
【0014】 「キラル」という用語は、鏡像パートナーに重ね合わせられない分子を称し、
一方で、「アキラル」という用語は、鏡像パートナーに重ね合わせられる分子を
称する。「プロキラル分子」という用語は、特定のプロセスにおいてキラル分子
に転化される能力を持つアキラル分子である。
【0015】 「立体異性体」という用語は、同一の化学構造を有するが、空間におけるそれ
らの原子または基の配置が異なる化合物を称する。特に、「鏡像異性体」という
用語は、互いに重ね合わせられない鏡像体である化合物の2つの立体異性体を称
する。他方で、「ジアステレオマー」という用語は、2つ以上の不斉中心を持ち
、互いに鏡像ではない一対の立体異性体間の関係を称する。
【0016】 さらに、「立体選択性プロセス」は、反応生成物の特定の立体異性体を、その
生成物の他方の可能性のある立体異性体よりも優先して生成するプロセスである
。「エナンチオ選択性プロセス」は、反応生成物の2つの可能性のある鏡像異性
体の内の一方を優先的に生成するプロセスである。本発明の方法は、生成物の特
定の立体異性体の収率が、キラル触媒の存在しない状況下で行った同じ反応から
生じるその立体異性体の収率に対して統計的に相当大きい、「立体選択的に一方
が豊富な」(例えば、エナンチオ選択的に一方が豊富な、またはジアステレオ選
択的に一方が豊富な)生成物を生成すると言われている。例えば、本発明のキラ
ル触媒の内の1つにより触媒作用が及ぼされたエナンチオ選択性反応は、キラル
触媒を用いない反応のeeよりも大きい、特定の鏡像異性体のeeを生成する。
【0017】 「位置異性体」という用語は、分子の化学式が同じであるが、原子の相互接続
性が異なる化合物を称する。したがって、「位置選択性プロセス」は、特定の位
置異性体が他方よりも優先的に生成されるプロセスであり、例えば、その反応は
、ある位置異性体を統計的に著しく優先的に生成する。
【0018】 「反応生成物」という用語は、求核体と基質との反応から生じる化合物を意味
する。一般に、「反応生成物」という用語は、ここで用いられているように、不
安定な中間体や転移状態を称するのではなく、安定な分離可能な化合物を称する
ために用いられる。
【0019】 「基質(substrate)」という用語は、求核体と、または本発明によれば、環拡
張剤と反応して、立体中心(stereogenic center)を有する生成物を少なくとも一
種類生成できる化学化合物を意味することを意図したものである。
【0020】 「触媒量」という用語は、当該技術分野において認識されており、反応体に対
する不足当量(substoichiometric amount)を意味する。ここで用いられているよ
うに、触媒量は、反応体の0.0001から90モルパーセントまで、より好ま
しくは、0.001から50モルパーセントまで、さらにより好ましくは、0.
01から10モルパーセントまで、一層好ましくは、反応体に対して0.1から
5モルパーセントまでを意味する。
【0021】 以下により詳しく論じるように、本発明において検討される反応には、エナン
チオ選択性、ジアステレオ選択性、および/または位置選択性である反応が含ま
れる。エナンチオ選択性反応は、アキラル反応体を一方の鏡像異性体が豊富なキ
ラル生成物に転化する反応である。エナンチオ選択性は、一般に、以下に定義さ
れる「鏡像異性体過剰率」(ee)とみなされる: 鏡像異性体過剰率A(ee)%=(鏡像異性体A%)−(鏡像異性体B%)
ここで、AおよびBは形成された鏡像異性体である。エナンチオ選択性と組み合
わせて用いられる追加の用語としては、「光学的に純粋」または「光学的に活性
」が挙げられる。エナンチオ選択性反応は、ゼロよりも大きいeeを持つ生成物
を生成する。好ましいエナンチオ選択性反応は、20%より大きい、より好まし
くは、50%より大きい、さらにより好ましくは、70%より大きい、最も好ま
しくは、80%よりも大きいeeを持つ生成物を生成する。
【0022】 ジアステレオ選択性反応は、キラル反応体(ラセミまたは鏡像異性的に純粋で
あってもよい)を、一方のジアステレオマーが豊富な生成物に転化する。キラル
反応体がラセミである場合、ラセミではないキラル試薬または触媒の存在下では
、一方の反応体鏡像異性体は、他方のものよりもゆっくりと反応するであろう。
このクラスの反応は、反応体鏡像異性体が、異なる反応速度により分離されて、
鏡像異性的に一方が豊富な生成物および鏡像異性的に一方が豊富な未反応基質の
両方を生じるものである、反応速度分離と称される。反応速度分離は、通常、一
方の反応体鏡像異性体のみと反応するのに十分な試薬(すなわち、ラセミ基質1
モル当たり1/2のモルの試薬)を使用することにより行われる。ラセミ反応体
の反応速度分離のために用いられてきた触媒反応の例としては、シャープレスエ
ポキシ化およびノヨリ(Noyori)水素化が挙げられる。
【0023】 位置選択性反応は、一方の反応中心でのほうが、異なるもう一方の反応中心で
よりも優先的に生じる反応である。例えば、不対称に置換されたエポキシド基質
の位置選択性反応は、エポキシド環の2つの炭素の内の一方での優先的な反応を
含むであろう。
【0024】 キラル触媒に関して「非ラセミ」という用語は、所定の鏡像異性体を50%よ
り多く、より好ましくは、少なくとも75%有する触媒の調製を意味する。「実
質的に非ラセミ」という用語は、触媒の所定の鏡像異性体を90%eeより多く
、より好ましくは、95%eeより多く有する触媒の調製を意味する。
【0025】 「アルキル」という用語は、直鎖アルキル基、枝分れアルキル基、シクロアル
キル(脂環)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換ア
ルキル基を含む飽和脂肪族基のラジカルを称する。好ましい実施の形態において
、直鎖または枝分れアルキルは、主鎖に30以下の炭素原子(例えば、直鎖につ
いてはC1−C30、枝分れについてはC3−C30)、より好ましくは、20以下の
炭素原子を有する。同様に、好ましいシクロアルキルは、その環構造に4−10
の炭素原子を有し、より好ましくは、環構造に5,6または7の炭素原子を有す
る。
【0026】 さらに、本明細書および特許請求の範囲中に用いられているように、アルキル
という用語は、「未置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含むことを
意図したものであり、後者の置換アルキルは、炭化水素主鎖の1つ以上の炭素上
の水素が置換基で置換されているアルキル部分を称する。そのような置換基の例
としては、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル、アルコキシル、エステル、ホ
スホリル、アミン、アミド、イミン、チオール、チオエーテル、チオエステル、
スルホニル、アミン、ニトロ、および有機金属部分が挙げられる。炭化水素鎖上
で置き換えた部分は、適切であれば、それら自体が置換されても差し支えないこ
とが当業者には理解されよう。例えば、置換アルキルの置換基としては、アミン
、イミン、アミド、ホスホリル(ホスホネートおよびホスフィンを含む)、スル
ホニル(スルフェートおよびスルホネートを含む)、シリル基、エーテル、チオ
エーテル、セレノエーテル、カルボニル(ケトン、アルデヒド、カルボキシレー
ト、およびエステルを含む)、−CF3、−CN等の置換形態および未置換形態
を含んでもよい。置換アルキルの例が以下に説明されている。シクロアルキルは
、さらに、アルキル、アルケニル、アルコキシ、チオアルキル、アミノアルキル
、カルボニル置換アルキル、CF3、CN等により置換されていても差し支えな
い。
【0027】 「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、上述したアルキルと長さ
および可能性のある置換基が類似であるが、それぞれ、少なくとも1つの炭素−
炭素二重結合または三重結合を含む不飽和脂肪族基を称する。
【0028】 炭素数が別記されていない限り、ここで用いられている「低級アルキル」は、
上述したようなアルキル基であるが、主鎖構造に、1から10までの炭素原子、
より好ましくは、1から6までの炭素原子を有するアルキル基を意味する。同様
に、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」も同様の鎖長を有する。
【0029】 ここで用いているように、「アミノ」という用語は−NH2を意味し;「ニト
ロ」という用語は−NO2を意味し;「ハロゲン」という用語は、−F,−Cl
,−Brまたは−Iを称し;「チオール」という用語は−SHを意味し;「ヒド
ロキシル」という用語は−OHを意味し;「スルホニル」という用語は−SO2
−を意味し;「有機金属」という用語は、ジフェニルメチルシリル基のような、
炭素原子に直接結合した金属原子(水銀、亜鉛、鉛、マグネシウムまたはリチウ
ムのような)または半金属(ケイ素、ヒ素またはセレニウムのような)を称する
【0030】 「アミン」および「アミノ」という用語は、当該技術分野において認識されて
おり、未置換および置換アミンの両方、例えば、一般化学式:
【化1】 により表すことができ、ここで、R9,R10およびR’10の各々が、独立して、
原子価の規則により許される基を表すものである部分を称する。
【0031】 「アシルアミノ」という用語は、当該技術分野において認識されており、一般
化学式:
【化2】 により表すことができ、ここで、R9が上述のごとく定義したものであり、R’1 1 が、水素、アルケニルまたは−(CH2m−R8を表し、ここで、mおよびR8
が上述のごとく定義したものである部分を称する。
【0032】 「アミド」という用語は、アミノ置換カルボニルとして当該技術分野において
認識されており、一般化学式:
【化3】 により表すことができ、ここで、R9,R10が上述のごとく定義されたものであ
る部分を含む。アミドの好ましい実施の形態は、不安定であろうイミドは含まな
い。
【0033】 「アルキルチオ」という用語は、硫黄ラジカルが結合した、上述のごとく定義
したようなアルキル基を称する。好ましい実施の形態において、「アルキルチオ
」部分は、−S−アルキル、−S−アルケニル、−S−アルキニル、および−S
−(CH2m−の内の1つにより表され、ここで、mおよびR8は上述のごとく
定義されたものである。代表的なアルキルチオとしては、メチルチオ、エチルチ
オ等が挙げられる。
【0034】 「カルボニル」という用語は、当該技術分野において認識されており、一般化
学式:
【化4】 により表すことができるような部分であって、ここで、Xが結合であるか、酸素
または硫黄を表し、R11が水素、アルキル、アルケニル、−(CH2m−R8
たは薬剤的に許容できる塩を表し、R’11は水素、アルキル、アルケニル、また
は−(CH2m−R8を表し、ここで、mおよびR8は上述のごとく定義されたも
のである部分を含む。Xが酸素であり、R11またはR’11が水素ではない場合、
前記化学式は、「エステル」を表す。Xが酸素であり、R11が上述のごとく定義
されたものである場合、前記部分は、ここでは、カルボキシル基と称され、特に
、R11が水素である場合、前記化学式は「カルボン酸」を表す。Xが酸素であり
、R’11が水素である場合、前記化学式は「ホルメート」を表す。一般的に、上
述した化学式の酸素原子が硫黄により置換された場合、その化学式は「チオカル
ボニル」基を表す。Xが硫黄であり、R11またはR’11が水素ではない場合、前
記化学式は「チオールエステル」を表す。Xが硫黄であり、R11が水素である場
合、前記化学式は「チオールカルボン酸」を表す。Xが硫黄であり、R’11が水
素である場合、前記化学式は「チオールホルメート」を表す。これに対して、X
が結合であり、R11が水素ではない場合、前記化学式は「ケトン」基を表す。X
が結合であり、R11が水素である場合、前記化学式は「アルデヒド」基を表す。
【0035】 ここで用いている「アルコキシル」または「アルコキシ」という用語は、酸素
ラジカルが結合した、上記のごとく定義されたようなアルキル基を称する。代表
的なアルコキシル基としては、メトキシ、エトキシ、プロピロキシ、第三ブトキ
シ等が挙げられる。「エーテル」は、酸素により共有結合された2つの炭化水素
である。したがって、アルキルをエーテルに変えるアルキルの置換基は、−O−
アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(CH2m−R8の内
の1つにより表すことができるようなアルコキシであるかまたはそれに似ており
、ここで、mおよびR8は上述のごとく定義されたようなものである。
【0036】 「スルホネート」という用語は、当該技術分野において認識されており、一般
化学式:
【化5】 により表すことができ、ここで、R41が、電子対、水素、アルキル、シクロアル
キル、またはアリールである部分を含む。
【0037】 トリフリル、トシル、メシル、およびノナフリルという用語は、当該技術分野
において認識されており、それぞれ、トリフルオロメタンスルホニル基、p−ト
ルエンスルホニル基、メタンスルホニル基、およびノナフルオロブタンスルホニ
ル基を称する。トリフレート、トシレート、メシレート、およびノナフレートと
いう用語は、当該技術分野において認識されており、それぞれ、トリフルオロメ
タンスルホネートエステル官能基、p−トルエンスルホネートエステル官能基、
メタンスルホネートエステル官能基、およびノナフルオロブタンスルホネートエ
ステル官能基およびそれらの基を含有する分子を称する。
【0038】 Me,Et,Ph,Tf,Nf,Ts,Msという略語は、それぞれ、メチル
、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスル
ホニル、p−トルエンスルホニル、およびメタンスルホニルを表す。有機化学に
従事している当業者により用いられている略語のより包括的なリストが、ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)の各
々の巻物の初版に見られる。このリストは、典型的に、略語の標準リスト(Stand
ard List of Abbreviations)と題する表に示されている。このリストに含まれる
略語、および有機化学に従事した当業者により用いられている全ての略語をここ
に引用する。
【0039】 「スルホニルアミノ」という用語は、当該技術分野において認識されており、
一般化学式:
【化6】 により表すことができる部分を含む。
【0040】 「スルファモイル」という用語は、当該技術分野において認識されており、一
般化学式:
【化7】 により表すことができる部分を含む。
【0041】 ここで用いられている「スルホニル」という用語は、一般化学式:
【化8】 により表すことができる部分であって、ここで、R44が、水素、アルキル、アル
ケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテ
ロアリールからなる群より選択されるものである部分を称する。
【0042】 ここで用いられている「スルホキシド」という用語は、一般化学式:
【化9】 により表すことができる部分であって、ここで、R44が、水素、アルキル、アル
ケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテ
ロアリールからなる群より選択されるものである部分を称する。
【0043】 ここで用いられている「スルフェート」という用語は、2つのヒドロキシ基ま
たはアルコキシ基に結合した、上述のごとく定義したようなスルホニル基を意味
する。したがって、好ましい実施の形態において、スルフェートは、構造:
【化10】 を有し、ここで、R40およびR41は、独立して、存在しないか、水素、アルキル
、またはアリールである。さらに、R40およびR41は、それらが結合するスルホ
ニル基および酸素原子と一緒になって、5員から10員を有する環構造を形成し
てもよい。
【0044】 例えば、アルケニルアミン、アルキニルアミン、アルケニルアミド、アルキニ
ルアミド、アルケニルイミド、アルキニルイミド、チオアルケニル、チオアルキ
ニル、カルボニル置換アルケニルまたはアルキニル、アルケノキシル、アルキノ
キシル、メタロアルケニルおよびメタロアルキニルを生成するために、アルケニ
ル基およびアルキニル基に、同様な置換を行っても差し支えない。
【0045】 ここで用いている「アリール」という用語は、ゼロから4までのヘテロ原子を
含んでもよい、4,5,6および7員の単環式芳香基、例えば、ベンゼン、ピロ
ール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリア
ゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジン等が挙
げられる。環構造にヘテロ原子を有するそれらのアリール基は、「アリール複素
環」と称してもよい。この芳香環は、環の1つ以上の位置で、例えば、ハロゲン
、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、チオー
ル、アミン、イミン、アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボ
キシル、シリル、エーテル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケト
ン、アルデヒド、エステル、−(CH2)m−R7、−CF3、−CN等のような上
述した置換基により置換されていても差し支えない。
【0046】 「複素環」または「複素環基」という用語は、環構造が1から4までのヘテロ
原子を含んでいる、4員から10員の環構造、より好ましくは、5員環から7員
環を称する。複素環基の例としては、ピロリジン、オキソラン、チオラン、イミ
ダゾール、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンが挙げられる。
この複素環は、1つ以上の位置で、例えば、ハロゲン、アルキル、アルケニル、
アルキニル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、アミ
ド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル
、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、エステル
、−(CH2)m−R7、−CF3、−CN等のような上述した置換基により置換さ
れていても差し支えない。
【0047】 「多環」または「多環式基」という用語は、2つ以上の炭素が2つの隣接して
いる環に共通している2つ以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニ
ル、シクロアルキニル、アリールおよび/または複素環)を称し、例えば、それ
らの環は「縮合環」である。非隣接原子により連結されている環は、「架橋」環
と称される。多環に含まれる各々の環は、例えば、ハロゲン、アルキル、アルケ
ニル、アルキニル、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、チオール、アミン、イミン、
アミド、ホスホネート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、シリル、エー
テル、チオエーテル、スルホニル、セレノエーテル、ケトン、アルデヒド、エス
テル、−(CH2)m−R7、−CF3、−CN等のような上述した置換基により置
換されていても差し支えない。
【0048】 ここで用いられている「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の任
意の原子の元素を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、リンお
よびセレニウムである。
【0049】 本発明の目的に関して、化学元素は、化学と物理のハンドブック(Handbook of
Chemistry and Physics)の元素の周期表、CAS版、67刷の内表紙にしたが
って同定される。また、本発明の目的に関して、「炭化水素」という用語は、少
なくとも1つの水素および1つの炭素原子を有する全ての許容される化合物を含
むものと考えられる。広い態様において、許容される炭化水素としては、非環式
および環式、枝分れおよび非枝分れ、炭素環および複素環、芳香族および非芳香
族の置換されていてもされていなくとも差し支えない有機化合物を含む。
【0050】 オルト、メタおよびパラという用語は、それぞれ、1,2−、1,3−および
1,4−二置換ベンゼンに適用される。例えば、1,2−ジメチルベンゼンおよ
びオルト−ジメチルベンゼンは同義である。
【0051】 トリフリル、トシル、メシル、およびノナフリルという用語は、当該技術分野
において認識されており、それぞれ、トリフルオロメタンスルホニル基、p−ト
ルエンスルホニル基、メタンスルホニル基、およびノナフルオロブタンスルホニ
ル基を称する。トリフレート、トシレート、メシレート、およびノナフレートと
いう用語は、当該技術分野において認識されており、それぞれ、トリフルオロメ
タンスルホネートエステル官能基、p−トルエンスルホネートエステル官能基、
メタンスルホネートエステル官能基、およびノナフルオロブタンスルホネートエ
ステル官能基およびそれらの基を含有する分子を称する。
【0052】 Me,Et,Ph,Tf,Nf,Ts,Msという略語は、それぞれ、メチル
、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスル
ホニル、p−トルエンスルホニル、およびメタンスルホニルを表す。有機化学に
従事している当業者により用いられている略語のより包括的なリストが、ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)の各
々の巻物の初版に見られる。このリストは、典型的に、略語の標準リスト(Stand
ard List of Abbreviations)と題する表に示されている。このリストに含まれる
略語、および有機化学に従事した当業者により用いられている全ての略語をここ
に引用する。
【0053】 ここに用いられている「保護基」という語句は、望ましくない化学転位から潜
在的に反応性の官能基を保護する一時的な置換基を意味する。そのような保護基
の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、それぞれ
、アルデヒドおよびケトンのアセタールおよびケタールが挙げられる。保護基の
化学分野が概説されている(グリーン、ティー・ダブリュ(Greene,T.W.;ワッツ
、ピー・ジー・エム(Wuts,P.G.M.)、有機合成における保護基(Protective Group
s in Organic Synthesis)、第2版;ウィリー(Wiley):ニューヨーク、1991年)
【0054】 ここで用いられているように、「置換」という用語は、有機化合物の全ての許
容される置換基の全てを含むものと考えられる。広い態様において、許容される
置換基としては、非環式および環式、枝分れおよび非枝分れ、炭素環および複素
環、芳香族および非芳香族の有機化合物の置換基が挙げられる。例示としての置
換基の例としては、上述したものが挙げられる。許容される置換基は、1つ以上
であって差し支えなく、適切な有機化合物について同じでも異なっていてもよい
。本発明の目的に関して、窒素のようなヘテロ原子は、水素置換基および/また
はヘテロ原子の原子価を満たすここに記載した有機化合物の任意の許容される置
換基を有していてもよい。本発明は、その許容される有機化合物の置換基により
いかようにも制限されることを意図するものではない。
【0055】本発明の触媒 本発明の方法に用いられる触媒は、メソ形分子、すなわち、少なくとも2つの
キラル中心、および対称の内部面または点もしくは両方を含む分子において、対
称により関連付けられる2つ以上の部分の間に区別を生じる、不斉環境を表す非
ラセミキラルアミンである。一般に、本発明により意図される触媒は、多数の特
徴の点から特徴付けることができる。例えば、本発明により考えられる触媒の各
々の顕著な特徴は、アミンの窒素に近い剛性または半剛性の環境を提供する、第
三アミン部分を含む不斉の二環式または多環式の骨格の使用に関する。この特徴
は、その骨格中に存在する1つ以上の不斉中心に近接したアミン窒素に構造的剛
性が課せられたことにより、全体の転位に関する対応するジアステレオ的転位状
態のエネルギーの有意の差が生じることに寄与する。さらに、置換基の選択は、
触媒の反応性に影響を与えるであろう。例えば、触媒上の嵩張る置換基により、
一般に、触媒の回転回数(catalyst turnover numbers)がより大きくなることが
分かった。
【0056】 上述した実施の形態の各々に関する好ましい実施の形態は、2,000g/モ
ル未満、好ましくは1,000g/モル未満、より好ましくは500g/モル未
満の分子量を有する触媒を提供する。さらに、触媒上の置換基は、特定の溶媒系
中の触媒の溶解度に影響するように選択しても差し支えない。
【0057】 ある実施の形態において、キラルの非ラセミ第三アミン触媒は、1−アザビシ
クロ[2.2.2]オクタン部分または1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]
オクタン部分を含む。ある実施の形態において、キラルの非ラセミ第三アミン触
媒は、キナアルカロイド、(DHQ)2PHAL、(DHQD)2PHAL、(D
HQ)2PYR、(DHQD)2PYR、(DHQ)2AQN、(DHQD)2AQ
N、DHQ−CLB、DHQD−CLB、DHQ−MEQ、DHQD−MEQ、
DHQ−AQN、DHQD−AQN、DHQ−PHN、またはDHQD−PHN
である。ある実施の形態において、キラルの非ラセミ第三アミン触媒触媒は、D
HQD−PHNまたは(DHQD)2AQNである。
【0058】 上記に手短に述べたように、触媒置換基の選択は、触媒の電子的特性にも影響
を与えることがある。触媒を、電子の豊富な(電子供与)部分(例えば、アルコ
キシまたはアミノ基を含む)で置換すると、第三アミンの窒素での触媒の電子密
度が増加し、その触媒はより強力な求核体および/またはブレンステッド塩基お
よび/またはルイス塩基となるであろう。逆に、触媒を、電子の不足した部分(
例えば、クロロまたはトリフルオロメチル基)で置換すると、第三アミンの窒素
での触媒の電子密度が低下し、より弱い求核体および/またはブレンステッド塩
基および/またはルイス塩基となり得る。この検討事項を要約すると、触媒の電
子密度は、第三アミンの窒素での電子密度が窒素のルイス塩基性とその求核性に
影響を与えるので重要であり得る。したがって、置換基を適切に選択すると、反
応速度および反応の立体選択性の「調整」が可能になる。
【0059】本発明の方法−不斉第三アミン含有触媒の調製 本発明のある態様は、第三アミンの調製方法に関するものであり、この第三ア
ミンは、本発明の非対称化方法において有用であろう。ある実施の形態において
、第三アミンは、ジアミンが2当量のキラル非ラセミグリシジルスルホネートま
たはハライドと反応させられる、一般工程にしたがって合成される。例えば、以
下の形式はこれらの方法の実施の形態を示しており、ここで、エチレンジアミン
および2当量のキラル非ラセミグリシジルノシレート(nosylate)が反応して、キ
ラル非ラセミビス第三アミンが得られる。実施例2も参照のこと。
【0060】
【化11】 本発明の方法−触媒反応 本発明のある態様において、メソ形出発材料から少なくとも1つの立体中心を
有する化合物を立体選択的に製造する方法が提供される。本発明の利点の1つは
、プロキラルまたはラセミ反応体から鏡像異性的に一方が豊富な生成物を合成す
ることができることである。別の利点は、望ましくない鏡像異性体の製造と関連
する収率の損失を実質的に減少できるかまたは完全になくせることである。
【0061】 一般に、本発明は、求核性反応体、プロキラルまたはキラル環状基質、および
特定の特徴を有する(以下に説明するような)少なくとも1つの触媒量の非ラセ
ミキラル触媒を組み合わせる工程を含む、立体選択性開環プロセスを特徴とする
。反応の環状基質としては、求核体による攻撃を受けやすい求電子性原子を有す
る炭素環または複素環が挙げられる。この組合せは、キラル触媒が、求核性反応
体との反応により、求電子性原子での環状基質の立体選択的開環に触媒作用を及
ぼすのに適した条件下に維持される。この反応は、エナンチオ選択的プロセス並
びにジアステレオ選択的プロセスに適用することができる。この反応はまた、位
置選択的反応にも適用できるであろう。本発明により触媒作用を及ぼされるであ
ろう、エナンチオ選択性反応、反応速度分離、および位置選択性反応の例が以下
に挙げられている。
【0062】 本発明の別の態様において、鏡像異性体の反応速度分離は、主題のキラル触媒
を用いて、ラセミ基質の転化の触媒作用により行われる。ラセミ基質に関する主
題の反応速度分離プロセスにおいて、一方の鏡像異性体が未反応基質として回収
でき、他方の鏡像異性体が所望の生成物に転化される。もちろん、反応速度分離
は、求核体との反応により望ましくない鏡像異性体を除去し、反応混合物から所
望の鏡像異性体を不変のまま回収することにより行うことができる。この手法の
重大な利点の1つは、高価な鏡像異性的に純粋な出発化合物よりもむしろ、安価
なラセミ出発材料を使用できることにある。ある実施の形態において、求核体が
共溶媒である、ラセミ環状基質の反応速度分離に、主題の触媒が用いられるであ
ろう。このタイプの適切な求核体としては、水、アルコール、およびチオールが
挙げられる。
【0063】 本発明のプロセスにより、非常に高い立体選択性(例えば、エナンチオ選択性
またはジアステレオ選択性)または位置選択性を有する光学的に活性な生成物を
得ることができる。主題の非対称化反応の好ましい実施の形態において、鏡像異
性体過剰率が約50%より大きい、約70%より大きい、約90%より大きい、
最も好ましくは、約95%より大きい生成物を得ることができる。本発明のプロ
セスは、商業用に適した反応条件下で実施することもでき、一般に、大規模操業
に適した反応速度で進行することができる。
【0064】 ある実施の形態において、キラル非ラセミ第三アミン触媒は、プロキラル出発
材料に対して約30モル%未満で存在する。ある実施の形態において、キラル非
ラセミ第三アミン触媒は、プロキラル出発材料に対して約20モル%未満で存在
する。ある実施の形態において、キラル非ラセミ第三アミン触媒は、プロキラル
出発材料に対して約10モル%未満で存在する。ある実施の形態において、キラ
ル非ラセミ第三アミン触媒は、プロキラル出発材料に対して約5モル%未満で存
在する。
【0065】 上記の議論から明らかなように、本発明の不斉合成プロセスにより生成される
キラル生成物は、所望のその誘導体を得るために、さらなる反応を経ても差し支
えない。そのような許容される誘導体反応は、当該技術分野に知られた従来の工
程にしたがって実施することができる。例えば、潜在的な誘導体反応としては、
エステル化、アミドのN−アルキル化等が挙げられる。本発明は、特に、心臓血
管薬、抗炎症薬、中枢神経系薬剤、抗ヒスタミン剤の調製または開発もしくはそ
の両方に有用な最終製品の調製および中間体の合成を検討している。
【0066】求核体 本発明に有用な求核体は、いくつかの基準にしたがって当業者により決定され
るであろう。一般に、適切な求核体は、以下の特性の内の1つ以上を有する:1)
所望の求核性部位で基質と反応できる;2)基質と反応する際に有用な生成物を生
成する;3)所望の求核性部位以外の官能基で基質と反応しない;4)少なくともあ
る程度、キラル触媒により触媒作用を受ける機構により、基質と反応する;5)所
望の様式で基質と反応した後にさらに、望ましくない反応を実質的に経ない;6)
触媒と実質的に反応したり、触媒を実質的に劣化させたりしない。望ましくない
副反応(触媒劣化のような)が起こってもよいが、そのような反応の速度は、所
望の反応の速度と比較して、−反応体および条件の選択により−、遅くすること
ができるのが理解されるであろう。
【0067】 上述した基準を満たす求核体は、各々の基質について選択することができ、基
質の構造および所望の生成物により異なるであろう。所定の転位に好ましい求核
体を決定するためには、日常的な実験が必要となるであろう。例えば、窒素含有
求核体が望ましい場合、アンモニア、フタルイミド、ヒドラジン、アミン等から
、求核体が選択されるであろう。同様に、水、水酸化物、アルコール、アルコキ
シド、シロキサン、カルボキシレート、または過酸化物のような酸素求核体を用
いて、酸素を導入してもよく、メルカプタン、チオレート、重亜硫酸塩、チオシ
アネート等を用いて、硫黄含有部分を導入してもよい。追加の求核体は、当業者
にとっては明らかであろう。
【0068】 陰イオンとして存在する求核体に関しては、対イオンは、アルカリ金属陽イオ
ン、アルカリ土類金属陽イオンおよびアンモニウム陽イオンを含む、様々な従来
の陽イオンの内のいずれであっても差し支えない。
【0069】 ある実施の形態において、求核体は、基質の一部であってもよく、したがって
、分子内反応が生じるであろう。
【0070】基質 上述したように、数多くの基質が本発明の方法において有用である。基質の選
択は、使用すべき求核体および所望の生成物のような要因に依存し、適切な基質
は当業者には明白である。基質は、好ましくは、どのような干渉官能基も含まな
いことが理解されるであろう。一般に、適切な基質は、触媒の助けにより求核体
が攻撃するであろう内部面または対称点により関連付けられる少なくとも一組の
反応性求電子性中心または部分を含有する。これらの求電子性中心の内の1つで
求核体の、触媒作用を受けた立体反応性攻撃により、キラル非ラセミ生成物が生
成される。
【0071】 本発明の方法への使用が考えられる基質のほとんどは、3から7までの原子を
有する少なくとも1つの環を含む。小さな環は、歪んでいることが多く、反応性
が向上している。しかしながら、ある実施の形態においては、環状基質は、歪ん
でおらず、より大きい求電子性環を有していてもよい。
【0072】 主題の方法において開環できる適切な環状基質の例としては、環状無水物、環
状イミド等が挙げられる。
【0073】 好ましい実施の形態において、環状基質はメソ形化合物である。他の実施の形
態において、環状基質はキラル化合物であろう。ある実施の形態において、基質
はラセミ混合物であろう。ある実施の形態において、基質はジアステレオマーの
混合物であろう。
【0074】 ある実施の形態において、求電子性原子はヘテロ原子でもよい。
【0075】反応条件 本発明の不斉反応は幅広い条件下で行ってもよいが、ここに述べられた溶媒お
よび温度範囲は、限定的なものではなく、本発明のプロセスの好ましい態様に対
応するだけであることが理解されよう。
【0076】 一般に、基質、触媒、または生成物に悪影響を及ぼさない穏やかな条件を用い
て反応を行うことが望ましい。例えば、反応温度は、反応速度、並びに反応体、
生成物、および触媒の安定性に影響を与える。反応は、通常、−78℃から10
0℃までの範囲、より好ましくは、−20℃から50℃までの範囲、さらにより
好ましくは、−20℃から25℃までの範囲の温度で行われる。
【0077】 一般に、本発明の不斉合成反応は、液体反応媒質中で行われる。これらの反応
は、溶媒を添加せずに行ってもよい。あるいは、それらの反応は、不活性溶媒、
好ましくは、触媒を含む反応成分が実質的に可溶性である溶媒中で行われる。適
切な溶媒としては、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム
、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のようなエーテル;クロロ
ホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のようなハロゲン
化溶媒;ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ペンタン等のような脂肪族または芳香
族炭化水素溶媒;酢酸エチル、アセトン、および2−ブタノンのようなエステル
およびケトン;アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド
等のような極性非プロトン性溶媒;およびこれら2つ以上の溶媒の組合せが挙げ
られる。さらに、ある実施の形態において、使用される条件下で基質に対して不
活性な溶媒を用いることが都合よいであろう。例えば、エタノールが望ましい求
核体である場合に溶媒としてエタノールを使用する。水または水酸化物が好まし
い求核体ではない場合、無水条件下で反応を行うことができる。ある実施の形態
において、エーテルを含んだ溶媒が好ましい。水または水酸化物が好ましい求核
体である実施の形態において、反応は、適切な量の水および/または水酸化物を
有してなる溶媒混合物中で行われる。
【0078】 本発明はまた、溶媒の二相混合物中、乳濁液または懸濁液中の反応、もしくは
脂質ベシクルまたは脂質二重層中の反応も検討するものである。ある実施の形態
において、固相中で触媒反応を実施することが好ましいであろう。
【0079】 ある好ましい実施の形態において、反応は、反応性ガスの雰囲気下で行っても
よい。例えば、求核体としてのシアン化物による非対称化は、HCNガスの雰囲
気下で行ってもよい。反応性ガスの分圧は、0.1から1000大気圧まで、よ
り好ましくは、0.5から100気圧まで、最も好ましくは約1から約10気圧
までであってよい。
【0080】 ある実施の形態において、反応を、窒素またはアルゴンのようなガスの不活性
雰囲気下で行うことが好ましい。
【0081】 本発明の不斉合成プロセスは、連続式、半連続式またはバッチ様式で行って差
し支えなく、所望なように、液体の再利用および/またはガスの再利用の操作を
含んでもよい。本発明のプロセスは、好ましくは、バッチ様式で行われる。同様
に、反応成分、触媒および溶媒の添加の様式や順番も、重要ではなく、どのよう
な従来の様式で行ってもよい。
【0082】 反応は、1つの反応ゾーン中で、または複数の反応ゾーン中で、連続または平
行に行っても差し支えなく、あるいは、バッチ形式もしくは細長い管状ゾーン中
または一連のそのようなゾーン中で行ってもよい。用いられる構造体の材料は、
反応中に出発材料に対して不活性であるものとし、器具の製造は、反応温度およ
び圧力に耐えられるものとする。特に、出発材料の所望のモル比を維持するため
に、反応の過程で反応区域中にバッチ様式または連続的に導入される出発材料ま
たは成分を導入するおよび/またはその品質を調節する手段を前記プロセスにお
いて都合よく用いても差し支えない。反応工程は、出発材料の内の1つから別の
ものへと増やしながら添加することにより行ってもよい。また、反応工程は、出
発材料を光学的に活性な金属リガンド錯体触媒に添加することにより、組み合わ
せても差し支えない。完全な転化が望ましくないか、または達成できない場合、
出発材料を生成物から分離し、反応ゾーンに再利用のために戻しても差し支えな
い。
【0083】 前記プロセスは、ガラスが裏打ちされたステンレス鋼または同様のタイプの反
応器具のいずれの中で行ってもよい。反応ゾーンには、必要以上の温度変動を制
御するために、またはどのような可能性のある「暴走」反応温度を防ぐために、
1つ以上の内部および/または外部熱交換器を取り付けてもよい。
【0084】 さらに、キラル触媒は、例えば、一種類以上の置換基で、ポリマーまたは固体
支持体に共有結合することにより、ポリマーまたは他の不溶性マトリクスに固定
化したり、含ませたりしても差し支えない。固定化触媒は、例えば、濾過または
遠心分離により、反応後に容易に回収されるであろう。
【0085】 例示 これまで本発明を一般的に説明してきたので、本発明のある態様および実施の
形態の説明のみを目的として含まれたのであって、本発明の制限を意図するもの
ではない以下の実施例を参照することにより、本発明は容易に理解されるであろ
う。
【0086】 実施例1環状メソ形無水物の高エナンチオ選択性触媒作用非対称化 容易に入手できるメソ形環状無水物のエナンチオ選択性開環により、1つ以上
の立体中心および2つの化学的に異なるカルボニル官能基を含有する鏡像異性的
に一方が豊富なキラルヘミエステルが生成される(化学式1)。これらの光学的
に活性な二官能ヘミエステルは、不斉合成における多目的のキラル構築ブロック
である1,2,3,4,5,6,7,8,9。有機合成に関するその大きな重要性のために、メソ
形環状無水物の高度にエナンチオ選択性の非対称化の開発は、熱心な研究の話題
となってきた10,11,12,13,14,15。合成的に有用な選択性は、化学量論的量のキ
ラル補助体またはキラル媒介体により補助された非対称化において得られてきた10,11 。多大な努力にもかかわらず11-15、メソ形環状無水物の汎用かつ効果的な
触媒作用的非対称化の開発は、未だに達成されておらず、したがって、望ましく
、取り組みがいのある課題のままである。
【0087】
【化12】 キラルルイス塩基の不斉触媒作用への本出願人の全般的な関心により、我々の
注目は、環状無水物のアミン触媒作用アルコール分解に向けられた。オダは、最
初に、キナアルカロイドが様々な単環式および二環式の無水物の不斉メタノール
分解に触媒作用を及ぼすことを報告した12。アトキン(Atkin)は後に、この反応
を拡張して、ある三環式無水物を非対称化した13。これらの反応は良好な収率で
進行したが、ヘミエステルは、低から中位の鏡像異性体過剰率でしか得られなか
った。本出願人は、この不満足なエナンチオ選択性は、一部には、キノリン窒素
による非選択的触媒作用の存在から生じたのであろうと疑っている。それは、モ
ノヒドロクロライドキニンが、エナンチオ選択性を持たずに、環状無水物のメタ
ノール分解に触媒作用を及ぼすとアトキンにより報告されているからである13a
。このキノリン窒素触媒作用ラセミ経路は、キヌクリジン(quinuclidine)窒素触
媒作用エナンチオ選択性反応の速度が、酸性のヘミエステルによるキヌクリジン
窒素のプロトン化により生じる触媒の失活の結果として著しく減少することが予
測される場合に、前記反応が高転化率で進行するにつれ、次第に競合するはずで
ある。原則的に、ラセミ経路は、触媒としてのキノリン窒素のないキナアルカロ
イドの類似体を使用することにより抑制できる。しかしながら、そのような手法
の実施は、その類似体の調製に要求される合成に関する多大な労力のために、実
験的に困難である16。さらに、その反応を完了するためには、化学量論的ではな
いにしろ、多量のキヌクリジン触媒が必要とされるであろう。本出願人は、キヌ
クリジン窒素の塩基性を減少させ、それによって、酸−塩基反応の平衡を遊離ア
ミン触媒の形成に向けてシフトさせる代わりの戦略を探求することに関心を持っ
ている。そのような戦略のために、酸性ヘミエステルによる遊離塩基アミン触媒
の失活を最小にすることにより、不斉触媒作用の効率および選択性の両方が著し
く改善されることができた。さらにこの手法は、キナアルカロイドの単純な修飾
によりキヌクリジン窒素の周りの環境を変えることにより、実験的に容易に実施
できた。本出願人は、嵩張るアルキル基またはアリール基を有するC−9アルコ
ールの直接的な失活が、イオンの溶媒和に関する立体障壁の形成によりアンモニ
ウムイオンxを不安定化することによって、減少した塩基性のキヌクリジン窒素
を持つキナアルカロイドのエーテルを生成できることを予測した。この目的のた
めに、オダにより報告された条件にしたがって12、キナアルカロイドの様々な市
販のアリールエーテルおよびエステルを、2,3−ジメチルコハク酸無水物(3
)のエナンチオ選択性メタノール分解に触媒作用を及ぼす能力についてスクリー
ニングした。本出願人のスクリーニング研究の結果が図1に示されている。
【0088】 本出願人は、モノキナアルカロイド(DHQD.PHN)およびビスキナアル
カロイド[(DHQD)2AQN]両方のアリールエーテルにより媒介された反
応について、非常に良好なエナンチオ選択性が得られることを発見して満足した17 。両方のアルカロイドは効果的な触媒であるが、後者のほうが一般に、より高
いエナンチオ選択性を与える。1当量の無水物3を、触媒としての5モル%のD
HQD.PHNまたは(DHQD)2AQNいずれかの存在下で、乾燥トルエン
中10当量のメタノールにより処理した場合、反応は、2−4時間で完了して、
それぞれ、81%および85%eeで対応するヘミエステルを生成した。修飾キ
ナアルカロイドのアリール基の構造は、触媒の選択性に劇的な影響を与える。P
HNやAQNのような嵩張る芳香族基を持つ触媒は高いエナンチオ選択性を与え
るが、O−9位置での置換基として比較的小さな複素環を持つ触媒については、
エナンチオ選択性が劇的に低下するのが観察された(図1におけるエントリ2,
3,6,7)。溶媒としてエーテルを使用することにより、この反応をさらに最
適化して、室温で優れたee(93%ee)で生成物を与えることができる。
【0089】 これらの見込みある結果により勇気づけられて、本出願人は、幅広い環状無水
物の触媒作用非対称化を調査した。その結果が、図2−4に要約されている。反
応の領域は全般に、幅広いメソ形環状無水物の非対称化に関して優れたエナンチ
オ選択性および収率を与える。異常に高いエナンチオ選択性が、無水物3並びに
本出願人の調査に用いた二環式無水物の各々について観察された(図2−4のエ
ントリ1,5,6および7)。優れたエナンチオ選択性が、単環式および三環式
無水物(図2−4のエントリ2,3,8,9,10および11)について得られ
、それぞれ、高度に鏡像異性体が豊富な形態で、非環式および二環式のキラルヘ
ミエステルが生成される。環状無水物以外の複素環を含有する基質も、非常に高
いエナンチオ選択性で所望の生成物に転化される(図2−4のエントリ10およ
び11)。β−メチル置換基を持つ単環式無水物でさえ89%eeで転位される
が、比較的高い触媒充填量が必要とされることが注目に値する。1,2−シクロ
ペンチル無水物(図2−4のエントリ5)の開環における高いエナンチオ選択性
は、化学量論的量のキラル促進剤を用いた反応により得られるものよりも著しく
高いことを考慮すると、特筆すべきことである。さらに、加水分解酵素に基づく
合成経路は、低eeでシクロペンチルヘミエステルを与えることしかできない。
(DQA)2AQNを用いて、2,3−ジメチルコハク酸無水物(3)の開環に
触媒作用を与えた場合、対応するヘミエステルの反対の鏡像異性体が96%ee
で得られ、したがって、ヘミエステルのいずれかの鏡像異性体が、ここに記載し
た反応を介して、直接的かつ高度にエナンチオ選択性で調製できることが証明さ
れることに留意するのは重大なことである。驚くべきことに、2,4−ジメチル
グルタル酸無水物の(DHQD)2AQNが媒介した開環により、良好な収率で
あるが、非常に低いee(30%ee)で所望のヘミエステルが得られることが
分かった。しかしながら、この反応を(DHQD)2PHALにより促進した場
合、エナンチオ選択性を著しく改善できる(図2−4のエントリ4)。
【0090】 この触媒作用非対称化の実用性を示すために、予備的規模の反応を行った。5
モル%の触媒充填量により、無水物3を、5ミリモルの規模で98%より大きい
eeで、対応するヘミエステルに転化させた。出発材料が消費されたとき(24
時間)、HCl(1N)水溶液による反応混合物の単純な抽出を行って、生成物
から触媒を分離した。有機溶媒の蒸発により、高純度(NMRによる純粋)およ
び優れた収率(95%)で所望の生成物が得られた。この触媒は、量的に容易に
回収できる。水相をKOHで塩基性にし、次いで、アルカリ性水溶液をEtOA
cで抽出し、有機溶媒を除去することにより、高純度(NMRによる純粋)で回
収した触媒を得た。回収した触媒を、別の予備的規模の反応のためにさらなる処
理を行わずに用い、eeおよび収率が低下せずに新たなバッチの生成物が得られ
る。
【0091】 本出願人は、キナアルカロイドの市販されているアリールエーテルにより媒介
されたメソ形環状無水物の新たに発見された触媒作用非対称化は、一般的に、高
度に選択性であり、実際的な触媒不斉転位であることを示した。ここに記載した
反応は、高度に光学的に純粋な幅広い価値のあるキラルヘミエステルの両方の鏡
像異性体に向かう直接的な手段を提供する最初の触媒作用反応を示す。これらの
キラルヘミエステルのほとんどは、様々な天然生成物および生物学的に重要な化
合物の合成に用いられてきたことに留意するのは重要である1-8。触媒の入手し
やすいこと、単純な実験方法および容易であるが定量的な触媒の回収により、こ
の反応は、非常に魅力的な合成方法となる。この反応の合成の有用性を拡張し、
高度に選択的な触媒作用の原因を力学的見識を得ることを目的とした研究が進行
中である。
【0092】
【表1】
【表2】 実施例2 第三アミン触媒を合成するための一般方法
【化13】 室温の窒素雰囲気下にある乾燥テトラヒドロフラン(93ml)中のジアミン
1(1.40g、4.67ミリモル)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60
%の懸濁液、1.87g、46.7ミリモル)を加えた。この混合物を10分間
に亘り撹拌し、次いで、グリシドールノシレート2を加えた。88時間に亘り撹
拌した後、混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をクロマ
トグラフィー[塩基性酸化アンモニウム、CH3OH:CH2Cl2(1:100
から1:20まで)]により精製して、白色固体としてキラル第三アミン3(6
67mg、35%)を得た。
【0093】実施例3 尿素を含むメソ形二環式コハク酸無水物の触媒作用非対称化
【化14】 −40℃のEt2O中の無水物(16.8mg、0.05ミリモル)およびD
HQD−PHN(20モル%、5mg)の混合物に、−20℃に冷却された無水
MeOH(0.5ミリモル、20.2μl)を一度に加えた。得られた混合物を
、TLC(CH2Cl2中20%のMeOH)によりモニタしながら、反応が完了
するまで(約30時間)撹拌した。反応は、HCl水溶液(1N、3ml)によ
り抑制した。水層をEtOAc(2×10ml)により抽出した。混合有機層は
MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。残留物は、フラッシュクロマトグラフィー
(100%のCH2Cl2からCH2Cl2中10%のMEOHまで)により精製し
て、ヘミエステル(16.7mg、91%の収率)を得た。ヘミエステルのee
は、ヘミエステルの(R)−1−(1−ナフチル)エチルアミンとの反応により
、ヘミエステルを対応するエステルアミドに転化させることにより、93%であ
ると決定された(J.Chem..Soc.Perkin.Trans I 1987,1053)。このエステルアミ
ドをキラルHPLCにより分析した(Chiralpak, OD, 280nm, 0.6ml/分; 関連す
るジアステレオマーの保持時間は、それぞれ、20.030分および25.31
2分である)。
【0094】実施例4 ケトンを含むメソ形二環式コハク酸無水物の触媒作用非対称化
【化15】 乾燥メタノール(32mg、1.0ミリモル)を、−16℃から−17℃まで
で、t−ブチルメチルエーテル中の無水物(0.1モル、15.4mg)および
(DHQD)2AQN(12モル%、10.3mg)の撹拌溶液に滴下により加
えた。反応混合物を80時間に亘りその温度で撹拌した。次いで、反応をHCl
(1N、3ml)により抑制した。水相をEtOAc(2×15ml)で抽出し
た。有機相を組み合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。
ヘミエステルのeeは、ヘミエステルの(R)−1−(1−ナフチル)エチルア
ミンとの反応により、ヘミエステルを対応するエステルアミドに転化させること
により、84%であると決定された(J.Chem..Soc.Perkin.Trans I 1987,1053)
。これを、HPLCにより分析した(Hypersil SI 4.6×200nm, 280nm, 0.5ml/
分、ヘキサン:i−プロパノール=9:1; 関連するジアステレオマーの保持時
間は、それぞれ、28.040分および33.479分である)。
【0095】 引用文献 ここに参照した特許および発行物の全てをここに引用する。
【0096】 同等物 当業者は、ここに記載した本発明の特定の実施の形態に対する多くの同等物を
認識するであろうし、日常的な実験を用いて、確認することができる。そのよう
な同等物は、特許請求の範囲により包含されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、使用した溶媒および触媒の関数としての、シス−2,3−ジメチルコ
ハク酸無水物の不斉非対称化から得られた生成物の鏡像異性体過剰率を表す
【図2】 図2は、使用した反応条件の関数としての、様々なメソ形環状無水物の不斉非
対称化から得られた生成物の鏡像異性体過剰率を表す
【図3】 図3は、使用した反応条件の関数としての、様々なメソ形環状無水物の不斉非
対称化から得られた生成物の鏡像異性体過剰率を表す
【図4】 図4は、使用した反応条件の関数としての、様々なメソ形環状無水物の不斉非
対称化から得られた生成物の鏡像異性体過剰率を表す
【図5】 図5は、本発明の方法に用いられる特定の触媒の構造、およびそれらのここに
用いられている省略形を示す
【図6】 図6は、本発明の方法に用いられる特定の触媒の構造、およびそれらのここに
用いられている省略形を示す
【図7】 図7は、使用した反応条件の関数としての、様々なメソ形環状無水物の不斉非
対称化から得られた生成物の鏡像異性体過剰率を表す
【図8】 図8は、使用した反応条件の関数としての、様々なメソ形環状無水物の不斉非
対称化から得られた生成物の鏡像異性体過剰率を表す
【図9】 図9は、実施例2に記載した本発明の方法を用いて合成した、本発明の第三ア
ミン触媒の1H NMRスペクトルを示す
【図10】 図10は、実施例2に記載した本発明の方法を用いて合成した、本発明の第三
アミン触媒の13C NMRスペクトルを示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/75 C07C 69/75 Z 69/757 69/757 B C07D 233/32 C07D 233/32 487/18 487/18 493/08 493/08 A // C07M 7:00 C07M 7:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ティアン,シンカイ アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02451 ウォルサム ベッドフォード ス トリート 43 Fターム(参考) 4C050 AA03 BB08 CC08 DD02 EE02 FF02 HH01 4C071 AA03 BB01 BB05 CC11 EE05 FF15 GG06 KK08 LL07 4H006 AA02 AC48 AC81 BA51 BA69 BA81 BB11 BB12 BB15 BB21 BB23 BJ20 BR70 BS10 BS20 KA06 KC12 KC20 4H039 CA65 CA66 CH70

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つのキラル中心と、対称内部面または対称点も
    しくはその両方とを含むプロキラル化合物からキラル非ラセミ化合物を調製する
    方法であって、 該プロキラル化合物を、キラル非ラセミ第三アミン触媒の存在下で求核体と反
    応させ、それによって、キラル非ラセミ化合物を生成する工程を有してなること
    を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記プロキラル化合物が環状無水物であることを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記プロキラル化合物が無水コハク酸であることを特徴とす
    る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記求核体が、アルコール、チオール、またはアミンである
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記求核体がアルコールであることを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記求核体がメタノールであることを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、1−アザビシクロ[
    2.2.2]オクタン部分または1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ
    ン部分を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、キナアルカロイド、
    (DHQ)2PHAL、(DHQD)2PHAL、(DHQ)2PYR、(DHQ
    D)2PYR、(DHQ)2AQN、(DHQD)2AQN、DHQ−CLB、D
    HQD−CLB、DHQ−MEQ、DHQD−MEQ、DHQ−AQN、DHQ
    D−AQN、DHQ−PHN、またはDHQD−PHNであることを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記キラル非ラセミ第三アミン触媒がDHQD−PHNまた
    は(DHQD)2AQNであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記プロキラル化合物が環状無水物であり;前記求核体が
    、アルコール、チオールまたはアミンであり;前記キラル非ラセミ第三アミン触
    媒が、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン部分または1,4−ジアザビシ
    クロ[2.2.2]オクタン部分を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記プロキラル化合物が無水コハク酸であり;前記求核体
    がアルコールであり;前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、キナアルカロイド
    、(DHQ)2PHAL、(DHQD)2PHAL、(DHQ)2PYR、(DH
    QD)2PYR、(DHQ)2AQN、(DHQD)2AQN、DHQ−CLB、
    DHQD−CLB、DHQ−MEQ、DHQD−MEQ、DHQ−AQN、DH
    QD−AQN、DHQ−PHN、またはDHQD−PHNであることを特徴とす
    る請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記プロキラル化合物が無水コハク酸であり;前記求核体
    がアルコールであり;前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、DHQD−PHN
    または(DHQD)2AQNであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記プロキラル化合物が無水コハク酸であり;前記求核体
    がメタノールであり;前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、DHQD−PHN
    または(DHQD)2AQNであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、前記プロキラル化
    合物に対して約30モル%未満で存在することを特徴とする請求項1記載の方法
  15. 【請求項15】 前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、前記プロキラル化
    合物に対して約20モル%未満で存在することを特徴とする請求項1記載の方法
  16. 【請求項16】 前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、前記プロキラル化
    合物に対して約10モル%未満で存在することを特徴とする請求項1記載の方法
  17. 【請求項17】 前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、前記プロキラル化
    合物に対して約5モル%未満で存在することを特徴とする請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、約50%より大き
    い鏡像異性体過剰率を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、約70%より大き
    い鏡像異性体過剰率を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、約90%より大き
    い鏡像異性体過剰率を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記キラル非ラセミ第三アミン触媒が、約95%より大き
    い鏡像異性体過剰率を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  22. 【請求項22】 キラル非ラセミ第三アミンを合成する方法であって、ジア
    ミンを、2当量のキラル非ラセミグリシジルスルホネートまたはハライドと反応
    させる工程を有してなることを特徴とする方法。
  23. 【請求項23】 前記ジアミンが、必要に応じて置換されたエチレンジアミ
    ンであることを特徴とする請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記ジアミンが、1,2−ビス(ベンジルオキシメチル)
    エチレンジアミンであることを特徴とする請求項22記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記キラル非ラセミグリシジルスルホネートまたはハライ
    ドがグリシジルノシレートであることを特徴とする請求項22記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記ジアミンが、必要に応じて置換されたエチレンジアミ
    ンであり、前記キラル非ラセミグリシジルスルホネートまたはハライドがグリシ
    ジルノシレートであることを特徴とする請求項22記載の方法。
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