JP2003527579A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 ヌクレオチド類似体を有する非凝集性、非消光性の結合体及びオリゴヌクレオチドプローブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)複数のモノマー単位を有するポリマーと、
(b)前記ポリマーと共有結合したフロオロホアと、を備え、
前記のモノマー単位の内の単数又は複数は、下記の構造を有するピラゾロピリミジン及びピロロピリミジンから成るグループから、それぞれ独立的に選択される塩基類似体を含み、
当該塩基類似体が、それらが置換される塩基の塩基対合特異性を保持し、前記フルオロホアの消光の減少、前記ポリマーの自己会合の減少、或いは、前記フルオロホアの消光の減少と前記ポリマーの自己会合の減少との両方をもたらす結合体。
【化1】
Figure 2003527579

(式中、R 及びR は、それぞれ独立的に、−H,−OH,−SH,又は−NH であり、R は、−H,−CN,ハロゲン(F,Cl,Br,又はI),又は−R 12 −Yであり、R 12 は、C −C 12 のアルキル、アルケニル、又はアルキニルであり、Yは、−H,−OH,−NH ,又は−SHであり、Xは、=CH−,又は=N−であって、R が−NH であり、R がHである場合にはXは=N−である。)
【請求項2】 更に、蛍光クエンチャーを有する請求項1に記載の結合体。
【請求項3】 前記ポリマーはDNAを含む請求項1に記載の結合体。
【請求項4】 前記ポリマーはペプチド核酸(PNA)を含む請求項1に記載の結合体。
【請求項5】 前記ポリマーは、PNA/DNAキメラを含む請求項1に記載の結合体。
【請求項6】 前記塩基類似体は前記ポリマーの前記DNAの部分に存在する請求項5に記載の結合体。
【請求項7】 前記塩基類似体は前記ポリマーの前記PNAの部分に存在する請求項5に記載の結合体。
【請求項8】 Xは、=N−である請求項1に記載の結合体。
【請求項9】 前記塩基類似体は、ピラゾロピリミジニルアデニン(PPA)、ピラゾロピリミジニルグアニン(PPG)、及びピラゾロピリミジニルヒポキサンチン(PPI)から成るグループから選択される請求項8に記載の結合体。
【請求項10】 前記ポリマーの中に、少なくとも4つの連続するプリン残基を有し、これら少なくとも4つの連続するプリン残基の内の少なくとも1つは、塩基類似体によって置換されている請求項1に記載の結合体。
【請求項11】 Xは、=CH−である請求項1に記載の結合体。
【請求項12】 前記塩基類似体は、7−デアザアデニン、7−デアザヒポキサンチン、及び7−デアザグアニンから成るグループから選択される請求項10に記載の結合体。
【請求項13】 前記フルオロホアは、400〜800nmで蛍光放出する請求項2に記載の結合体。
【請求項14】 前記クエンチャーは、400〜800nmで蛍光吸収する請求項13に記載の結合体。
【請求項15】 更に、小溝バインダを有する請求項1に記載の結合体。
【請求項16】 前記塩基類似体は、ピラゾロピリミジニルアデニン(PPA)、ピラゾロピリミジニルグアニン(PPG)、及びピラゾロピリミジニルヒポキサンチン(PPI)から成るグループから選択される請求項1に記載の結合体。
【請求項17】 前記塩基類似体はピラゾロピリミジニルグアニン(PPG)である請求項16に記載の結合体。
【請求項18】 前記プリン残基はグアニンである請求項10に記載の結合体。
【請求項19】 前記塩基類似体は、ピラゾロピリミジニルアデニン(PPA)、ピラゾロピリミジニルグアニン(PPG)、及びピラゾロピリミジニルヒポキサンチン(PPI)から成るグループから選択される請求項18に記載の結合体。
【請求項20】 前記塩基類似体はピラゾロピリミジニルグアニン(PPG)である請求項18に記載の結合体。
【請求項21】 置換が行われた後の前記ポリマーの中に、三つ以下の連続するプリン残基が残る請求項10に記載の結合体。
【請求項22】 前記プリン残基はグアニンである請求項21に記載の結合体。
【請求項23】 置換が行われた後の前記ポリマーの中に、二つ以下の連続するプリン残基が残る請求項10に記載の結合体。
【請求項24】 前記プリン残基はグアニンである請求項23に記載の結合体。
【請求項25】 2〜9の連続するグアニン残基を有し、当該2〜9のグアニン残基は、同数のピラゾロピリミジニルグアニン(PPG)によって置換される請求項24に記載の結合体。
【請求項26】 Xは、=N−である請求項21に記載の結合体。
【請求項27】 は、−CN,ハロゲン(F,Cl,Br,又はI),又は−R 12 −Yであり、R 12 は、C −C 12 のアルキル、アルケニル、又はアルキニルであり、Yは、−H,−OH,−NH ,又は−SHであり、Xは、=CH−である請求項1に記載の結合体。
【請求項28】 5´末端、3´末端の単数又は複数の検出可能な蛍光標識と、当該単数又は複数の蛍光標識の蛍光放出を消光するクエンチャーとを有するオリゴヌクレオチドプローブであって
前記プローブは、少なくとも4つの連続するグアニン残基を含み、これら4つの連続グアニン残基のうちの少なくとも1つはPPG残基によって置換されており、前記残基の置換によって前記単数又は複数の蛍光標識の消光の減少を示すオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項29】 更に、結合した小溝バインダを有する請求項28に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項30】 前記小溝バインダは、前記オリゴヌクレオチドの5´末端に位置している請求項29に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項31】 前記小溝バインダは、前記オリゴヌクレオチドの3´末端に位置している請求項29に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項32】 前記標識は、前記オリゴヌクレオチドの5´末端に位置している請求項28に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項33】 前記標識は、前記オリゴヌクレオチドの3´末端に位置している請求項28に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項34】 前記小溝バインダは、1,2−ジヒドロ−(3H)−ピロロ[3,2−e]インドール−7−カルボキシレートの三量体(CDPI )と、N−メチルピロロ−4−カルボックス−2−アミドの五量体(MPC )とから成るグループから選択される請求項29に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項35】 更に、複数の蛍光標識を有する請求項29に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項36】 前記複数の蛍光標識のうちの1つの放出波長は、前記複数の蛍光標識のうちの別の1つの吸収波長と重なっている請求項35に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項37】 4〜9の連続するグアニン残基を有し、当該グアニン残基のうちの少なくとも1つはPPG残基によって置換されている請求項28に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項38】 少なくとも4つの連続するグアニン残基を有し、当該少なくとも4つの連続するグアニン残基の全部がPPG残基によって置換されている請求項28に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項39】 4〜9の連続するグアニン残基を有し、当該グアニン残基の全部がPPG残基によって置換されている請求項38に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項40】 前記蛍光標識に直接隣接した少なくとも1つのグアニンラジカルが、PPG残基によって置換されている請求項28に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項41】 前記蛍光標識に直接隣接した4〜9の連続したグアニンラジカルを有し、当該グアニンラジカルのうち少なくとも1つはPPG残基によって置換されている請求項40に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項42】 4〜9の連続するグアニン残基を有し、当該グアニン残基の全部がPPG残基によって置換されている請求項41に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本開示は、DNA及びRNAプローブ、及びペプチド核酸(PNA)等の修飾核酸プローブ、更に、二種類以上の核酸及び/又は修飾核酸を含有するキメラプローブを含む、ハイブリダイゼーションプローブに、改良特性を提供するためのヌクレオチド類似体の使用に関する。
【0002】
背景
ハイブリダイゼーション分析は、遺伝子クローニング、遺伝子同定、法医分析、薬物ゲノム学(pharmacogenomics),遺伝子ポリモリフィズムの同定を含む、分子生物学及び診断における種々の技術にとって中心的役割を果している。ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイズされたプローブの存在がそのアッセイの読み取りを構成するアッセイのエンドポイントとして使用可能であり、或いは、ハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーションに続く事象(例えば、ハイブリダイズしたプライマの伸張、又はハイブリダイズしたプローブの加水分解等)が読み取りとして使用される、アッセイにおける最初の工程に使用することができる。
【0003】
従来、ハイブリダイゼーションプローブ及びプライマは、DNA分子であったが、DNAをプローブ又はプライマとして使用することにはいくつかの欠点がある。例えば、DNA分子の塩基組成によって、いくつかの方法で、プローブ又はプライマとしてのその有効性が影響を受けうる。G残基の濃度が高いDNA分子は、多くの場合取り扱いが困難であり(例えば、凝集と低い溶解性との問題)、ハイブリダイゼーション反応において高いバックグランドを作り出す可能性がある。又、GリッチDNA分子は、それらの分析が行われる変性条件にも拘わらず、恐らくは、それら分子が二次構造を採ることにより、ゲル電気泳動によるDNA配列分析において人為構造を産出しやすいこともよく知られている。
【0004】
DNA分子をプローブ及びプライマとして使用することの問題点のいくつかを克服する試みとして、種々の修飾形態のDNA及びDNA類似体が使用されてきた。それらの中には、ペプチド核酸(PNA,ポリアミド核酸としても知られる)がある。ニールセン(Nielsen)等、(1991) Science 254:1497-1500。PNAは、DNA及びRNAの糖−燐酸骨格鎖特徴の代りに、ポリアミド骨格鎖によって結合された、DNA及びRNAに見られるもののような、複素環塩基単位を含有している。PNAは、相補的DNA及びRNA標的配列にハイブリダイゼーションすることができ、事実、対応の核酸プローブよりもより強力にハイブリダイズする。更に、PNAは、前記糖−燐酸DNA及びRNA骨格鎖を攻撃する多種類のヌクレアーゼに対する耐性を有している。PNAのその他の利点には、特異的に修飾されたPNAが血液−脳バリアを超えることができること、そして、PNAの鞘内注射によって、イン・ヴィヴォでアンチセンス・アフェクトを媒介することが可能であることが観察されることが挙げられる。デューリング(During)等、(1999) Nature Biotechnol. 17:753-754。
【0005】
PNAオリゴマーの合成及びPNAオリゴマーの合成に使用される反応性モノマーは、米国特許第5,539,082号、第5,714,331号、第5,773,571号、第5,736,336号及び第5,766,855号に記載されている。PNA合成とPNA合成用のモノマーに対する別の方法が要約されている。ウールマン(Uhlmann)等、(1998)Angew. Chem. Int. Ed.37:2796-2823。
【0006】
しかしながら、それらがより広く使用されるにつれて、PNAの欠点も明らかになってきた。例えば、長いPNAオリゴマーは、それらの配列により、凝集しやすく、精製が困難で、キャラクタライズが困難である。更に、プリンリッチなPNAオリゴマーは、凝集する傾向があり、水性媒質中での溶解性が悪い。ギャンガマニ(Gangamani)等、(1997) Biochem. Biophys. Res. Comm.240:778-782;エグホルム(Egholm), Camridge Healthtech Institute´s Seventh Annual Nucleic Acid-Based Technologies,1999年6月21−23、Washington, D.C; ウールマン(Uhlmann), Camridge Healthtech Institute´s Seventh Annual Nucleic Acid-Based Technologies,1999年6月21−23、Washington, D.C。その結果、ハイブリダイゼーションにおけるPNAの有効な使用は、連続するプリンが4−5以下で、その配列のどの10塩基部分においてもプリンが6個以下で、及び/又は、連続するG残基が3以下である配列に限られている。例えば、http://www.resgen.com/perseptivedesign.htmlを参照。更に、PNA−PNA相互作用は、PNA−DNA相互作用よりも更に強力ある為、自己相補的配列を含有するPNA含有プローブ及びプライマは、一般に、標的配列へのハイブリダイゼーションに使用することはできない。PNAと相補的DNA及び/又はRNA分子間の相互作用が非常に強力であることによるもう一つの結果は、PNAプローブを使用して単一ヌクレオチドミスマッチ識別を得ることが困難であることである。デミトフ(Demidov)等、(1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:2637-2641。
【0007】
前述したウールマン(Uhlmann)等は、PNA/DNAキメラの合成、及びPNAオリゴマーへの末端リジン残基の付加を含む、PNAの溶解性を増大させるためのいくつかの方法を検討した。彼らは、PNAオリゴマーの溶解性を増大させ、それらのハイブリダイゼーション特性を改善するためにヌクレオチド類似体を使用することは開示しなかった。
【0008】
非PNA含有オリゴヌクレオチドプローブ及びプライマの合成においても、同様の設計制約条件が必要とされる。例えば、「配列検出システム定量的アッセイ設計及び最適化」PE Biosystems, Stock No.117MI02-01と題された刊行物を参照。これらの場合、オリゴマーのG/C含有量は、20−80%の範囲に留めなければならず、同じヌクレオチド、特に、グアニン(G)のランは避けなければならない。特に、上述した刊行物は、4つ以上のG残基が連続してはならないこと、そして、5´蛍光標識プローブの5´末端にG残基が存在してはならないとアドバイスしている。プライマの場合、3´末端の5つのヌクレオチドに含まれるG及び/又はC残基は2以下とすべきである。
【0009】
ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン及び7−デアザプリンヌクレオチドの合成、及び、それらのホスホルアミダイト(phosphoramidte)モノマーのオリゴマー合成における使用が記載されている。シーラ(Seela) 等、(1985) Nucl. Acids. Res. 13:911-926; シーラ(Seela) 等(1986a) Helv. Chim. Acta 69:1191-1198; シーラ(Seela) 等(1986b) Helv. Chim. Acta 69:1813-1823;及びシーラ(Seela) 等(1987) Biochem. 26:2232-2238。ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン及び7−デアザプリンヌクレオチドの、DNA配列決定における使用、及びそれらの抗ウイルス因子としての使用は、EP 286 028に開示されている。共有PCT公開公報WO99/51775は、ハイブリダイゼーションと、ミスマッチ識別に対するピラゾロ[3,4−d]ピリミジン含有オリゴヌクレオチドの使用を開示している。DNAに2´デオキシ−7−デアザグアノシンを導入することによって、ゲル電気泳動によるDNA配列分析中のGCリッチストレッチ中のバンド圧縮が無くなり(米国特許第5,844,106号)、Gリッチ配列による四倍体(tetraplex)形成が減少し(Murchie等 (1994) EMBO J. 13:993-1001)、2´―デオキシグアノシンを含有するDNA分子の特徴である凝集物形成が減少する(米国特許第5,480,980号)ことが報告されている。しかしながら、オリゴヌクレオチドを、7−デアザアデノシン(Aの代りに)又は7−デアザグアノシン(Gの代りに)によって置換することによって、その置換されたオリゴヌクレオチドによって形成するハイブリッドのTmが低下し、置換された塩基一つ当たりTmが1度以上低下する。シーラ(Seela) 等(1987)、前出、及びシーラ(Seela) 等、(1986) Nucl. Acids. Res. 14:2319-2332。
【0010】
他方、ピラゾロピリミジン塩基類似体による二本体の安定化が報告されている。シーラ(Seela) 等(1988) Helv. Chim. Acta 71:1191-1198; シーラ(Seela) 等(1988) Helv. Chim. Acta 71:1813-1823;及びシーラ(Seela) 等、(1989) Nucl. Acids. Res. 17: 901-910。ベローソフ(Belousov)等、(1998) Nucleic Acids Res. 26: 1324-1328;米国特許第5,594,121号及び共有PCT公報WO98/49180に開示されているように、単数又は複数のプリン残基がピラゾロ[3,4−d]ピリミジンによって置換されたオリゴヌクレオチドは、より高い二倍体及び三倍体形成能力を示した。オリゴヌクレオチド中のピラゾロ[3,4−d]ピリミジン残基は、又、オリゴヌクレオチドに対する種々のペンダント基の付着部位としても有用である。共有PCT公報WO90/14353,1990年11月29日、及び米国特許第5,824,796号を参照。これらの参考文献は、いずれも、凝集を減少させる及び/又はオリゴマーの溶解性を増加させるため、又は、オリゴマーに接合したフルオロホアの消光を減少させるために、ピラゾロピリミジン又は、その他のタイプの塩基類似体を使用することを開示するものではない。
【0011】
小溝バインダ(MGB)と、単数又は複数のプリン残基がピラゾロ[3,4−d]ピリミジン(PZP)残基によって置換されているオリゴヌクレオチドと、フルオロホアと、蛍光クエンチャーとを有する接合体が、共有PCT公報WO99/51621及びWO99/51775に開示されている。それらの接合体は、とりわけ、ハイブリダイゼーションプローブ、プライマ、5´−ヌクレアーゼに基づく増幅アッセイにおける加水分解可能プローブとして使用される。これらの接合体中にMGBを含ませることによって、その接合体のオリゴヌクレオチド部分によって形成されるハイブリッドの安定性が増大し、より短いプローブを設計することが可能となる。更に、MGBとPZPとの両方は、そのような接合体がより高いミスマッチ識別を示す能力に貢献する。上述した公報はいずれも、凝集を減少させる及び/又はオリゴマーの溶解性を増加させるため、又は、オリゴマーに接合したフルオロホアの消光を減少させるために、PZP又はその他のタイプの塩基類似体を使用することを開示するものではない。
【0012】
要旨
そのサブユニットの少なくとも一つがピラゾロピリミジン及び/又はピロロピリミジン塩基類似体を有するオリゴマーが提供される。これらオリゴマーは、DNA,RNA、PNA、又はそれらの組み合わせ、又は、それらのキメラとすることができる。前記オリゴマー中の任意の数のプリン残基を塩基類似体と置換することができる。上述したオリゴマーはいずれも、フルオロホア、蛍光クエンチャー、及び/又は小溝バインダ等の追加の部分(moiety)を有することができる。
【0013】
そのサブユニットの少なくとも一つがピラゾロピリミジン及び/又はピロロピリミジン塩基類似体を有するオリゴマーは、ハイブリダイゼーションに使用された時、凝集及び自己会合しにくく、溶解性が高く、ミスマッチ識別性が高く、接合された蛍光標識の蛍光放出を消光しない。
【0014】
少なくとも一つのPNA残基を含み、前記PNA残基の少なくとも一つがピラゾロピリミジン及び/又はピロロピリミジン塩基類似体を有するオリゴマーも提供される。これらオリゴマーは、PNA残基のみを有するものとすることができ、或いは、これらオリゴマーは、PNA及び/又はDNA及び/又はRNA残基の両方を備えて、PNA/DNA,PNA/RNA又はPNA/DNA/RNAキメラを構成するものとすることができる。前記オリゴマー中の任意の数のプリン残基を塩基類似体によって置換することができる。上述したオリゴマーはいずれも、フルオロホア、蛍光クエンチャー、及び/又は小溝バインダ等の追加の部分を有することができる。
【0015】
別実施例において、ポリマーとフルオロホアとを有する組成物が提供され、ここで、前記ポリマーの単数又は複数のプリン含有残基は、ピラゾロピリミジン及び/又はピロロピリミジン塩基類似体を有する残基によって置換される。ポリマーは、DNA,RNA、PNA、又はそれらの組み合わせ、又は、それらのキメラとすることができ、前記塩基類似体は、キメラポリマーのPNA,DNA又はRNA部分のいずれに存在してもよい。前記ポリマー中の任意の数のプリン残基は、PAN,DNA及び/又はRNA部分のいずれかにおいて、塩基類似体によって置換することができる。上述した組成物は、オプションとして、蛍光クエンチャー及び/又は小溝バインダを有するものとすることができる。
【0016】
上記ポリマー−フルオロホア組成物において、そのポリマー中のプリン残基によるフルオロホアの消光は、単数又は複数のプリンが塩基類似体によって置換されることによって減少する。追加的に蛍光クエンチャーを有するそのような組成物は、例えば、前記蛍光クエンチャーによるフルオロホアの消光が、プローブのハイブリダイゼーション依存加水分解によって軽減される、加水分解可能プローブアッセイにおけるプローブとして有用である。プリンの塩基類似体による置換によって提供される消光の減少によって、加水分解後の蛍光出力の増加、従って、そのようなアッセイにおける感度の増加が得られる。
【0017】
塩基類似体を有するPNA含有オリゴマーの合成のための新規な中間体も提供される。一実施例において、ピラゾロピリミジン又はピロロピリミジンののN1が酢酸部分のC2に結合し、官能基がブロックされた、ピラゾロピリミジンとピロロピリミジン塩基類似体の酢酸誘導体が提供される。これらの誘導体は、置換PNA及びPNA/DNAキメラの自動合成用のモノマーの作成に有用である。これら中間体の好適実施例には、2−{6−[(1E)−1−アザ−2−(ジメチルアミノ)ビニル]−4−ヒドロキシピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル}酢酸、2−(6−アミノ−4−ヒドロキシピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル)酢酸、及び2−(−4−アミノピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル)酢酸が含まれる。
【0018】
又、ブロックされたグリシル部分のαアミノ基が、前記アセテートの酢酸C1と、エチルアミン部分のC2とに誘導される、上述したピラゾロピリミジン及びピロロピリミジン塩基類似体の酢酸誘導体のアミノエチルグリシル誘導体も提供される。これらの誘導体は、「PNAモノマー」としても知られる。それらの組成物は、上述したオリゴマー及びポリマーの自動合成に有用である。PPG−含有PNAモノマー(PPPGとしても知られる)の好適実施例には、5−[4−ヒドロキシ−6−(2−メチルプロパノイルアミノ)ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル]−3−(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)−4−オクソペンタン酸、及び1−{6−[(1E)−アザ−2−(ジメチルアミノ)ビニル]−4−ヒドロキシピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル}−N−(2−{[4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)−N−(2−オキシプロピル)アセタミドが含まれる。PPA含有PNAモノマーの好適実施例は、2−[N−(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)−2−{4−[(4−メトキシフェニル)カルボニルアミノ]ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル}アセチルアミノ]酢酸である。
【0019】
又、PNA,DNA,RNA及び/又はそれらのキメラを有するオリゴマーの合成方法も提供され、ここで、上述したPNAモノマーは前記合成における単数又は複数の工程に使用される。これらの方法によって合成されるオリゴマーも提供される。
【0020】
別実施例において、DNA,PNA又はPNA/DNAオリゴマーを有するプローブであって、そのプローブ中の単数又は複数の残基が、ピラゾロピリミジン又はピロロピリミジン塩基類似体を有するプローブに対するハイブリダイゼーションによってポリヌクレオチド中の標的配列を検出するための方法が提供される。これらの方法の実施において、前記プローブは、追加的に、リボヌクレオシド、フルオロホア、蛍光クエンチャー、及び/又は小溝バインダのいずれか一つ又は複数を含むことができる。
【0021】
別実施例において、ポリマー部分(ポリマーを有する)と、蛍光発生性部分(単数又は複数のフルオロホアを有する)組成物であって、前記ポリマーの単数又は複数のプリン含有残基が、ピラゾロピリミジン及び/又はピロロピリミジン塩基類似体によって置換された組成物を利用する、ポリヌクレオチド中の標的配列を検出するための方法が提供される。この方法に使用されるポリマーは、PNA,DNA,RNA又はそれらのキメラを有することができ、前記塩基類似体は、キメラポリマーのPAN,DNA又はRNA部分の何れかの中に存在するものとすることができる。前記ポリマー中の任意の数のプリン残基を、塩基類似体によって置換することができる。好適実施例において、前記方法は、前記蛍光発光性部分の間近の前記ポリマー部分中のブリン残基がピラゾロピリミジン又はピロロピリミジンによって置換された組成物を使用して実行される。別の好適実施例において、三つ以上の連続するG残基を含有するオリゴマーは、それらの連続するG残基がPPGによって置換される。この方法に使用される組成物は、オプションとして、蛍光クエンチャー及び/又は小溝バインダを含むものとすることができる。
【0022】
更に別の実施例において、本発明の前記組成物を利用して、増幅反応中の標的配列を検出する方法が提供される。一好適実施例において、前記増幅反応は、加水分解可能プローブアッセイである。
【0023】
ここに記載したオリゴマーの少なくとも一つがアレイに存在するオリゴマーマイクロアッセイも提供される。
【0024】
ここに記載の組成物に対するハイブリダイゼーションによって、サンプル中に存在するポリヌクレオチド中の標的配列を検出するための方法も提供される。一好適実施例において、前記標的配列は、前記サンプル中に同様に存在する関連配列に対して単一ヌクレオチドミスマッチを有し、前記組成物は、前記標的配列とはハイブリッドを形成するが、前記関連配列とはハイブリッドを形成しない。
【0025】
具体的実施例の説明
本発明の実施には、特に明記されない限り、有機化学、生化学、オリゴヌクレオチド合成及び修飾、生接合(bioconjugate)化学、核酸ハイブリダイゼーション、分子生物学、微生物学、遺伝子学、組み換えDNA、及びそれらに関連する分野における当業者の範囲内の従来技術が使用される。これらの技術は、文献に完全に説明されている。例えば、マニアティス(Maniatis),フリッシュ(Fritsh)及びサムブルック(Sambrook), MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1982); サムブルック(Sambrook)、フリッシュ(Fritsh)及びマニアティス(Maniatis), MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 第2版Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989);オースベル(Ausbel)等、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, ジョン ウィリ(John Wiley)及びサンズ(Sons) (1987及びそれの年次更新版);ゲイト(Gait) (編集), OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS; A PRACTICAL APPROACH, IRL Press (1984); エクスタイン(Eckstein) (編集), OLIGONUCLEOTIDES AND ALALOGUES: A PRACTICAL APPROACH, IRL Press (1991)を参照。
【0026】
ここに挙げたすべての刊行物及び特許の開示内容の全体を、ここに参考文献として合体させる。
【0027】
定義
デアザプリンとピロロピリミジンという用語は、下記の一般式による、融合ピリミジン及びピロロ環を有する複素環核を示すために交換可能に使用される。
【0028】
【化2】
Figure 2003527579
【0029】
ピラゾロピリミジンという用語は、下記の一般式による、融合ピリミジン及びピラゾール環を有する複素環核を指す。
【0030】
【化3】
Figure 2003527579
【0031】
「モノマー」とは、反応性部分に共有結合され、そのモノマーが、オリゴマー又はポリマーの一部として前記反応性部分を介して導入可能な、塩基又は塩基類似体を有する組成物をいう。或る種の場合において、前記塩基/塩基類似体部分及び/又は前記反応性部分上の官能基は、重合中に反応性にならないように、ブロックされる。好適実施例において、前記反応性部分は、アミノエチルグリシン部分であり、その場合、前記モノマーは「PNAモノマー」と称することができる。
【0032】
「オリゴマー」は、結合した複数のモノマーユニットを有するポリマーである。オリゴマーは、公知のように、複数のモノマーを、それらの反応性部分を介して、連続結合させることによって合成することができる。オリゴマーは、DNAオリゴマー、RNAオリゴマー、PNAオリゴマー、又は、DNA、RNA及び/又はPNAモノマーから成るいかなるキメラオリゴマーであってもよい。
【0033】
「ブロック基」又は「保護基」は、それが無ければN,S又はO原子が反応性となる可能性がある条件下において、それが付着する、N,S,又はO原子の反応性を阻止することが可能なすべての化学成分(moiety)をいう。保護基の具体例としては、非限定的に、tert−ブチルオキシカルボニル(tBoc),4−メトキシフェニルジフェニルメチル(MMTr),イソブチリル(iBu),9−フルオロニルメチルオキシカルボニル(Fmoc),−C65(ベンジル),ジフェニルカルバモイル(DPC),2−N−ジメチルビニル(Dmv),ベンジルオキシカルボニル(Cbz),ベンゾイル(bz)、イソブタノイル、アセチル、及びアニソイル(An)基が含まれる。核酸及びPNAオリゴマーの合成に有用な、これら及びその他の保護基が、当該技術において公知である。ウールマン(Uhlmann)等、(1998) Angew. Chem. Int. Ed. 37:2796-2823; グリーン(Green)等、Protective Groups in Organic Synthesis第2版、John Wiley and Sons, Inc. NY.,pp.441-452, 1991。
【0034】
オリゴマー
本発明は、単数又は複数のプリン塩基が、それが置換するプリンと同じ塩基対合特異性を有する塩基類似体によって置換されるオリゴマーを提供する。前記類似体は、ピラゾロピリミジン又はピロロピリミジンとすることができる。オリゴマーは、DNAオリゴヌクレオチド、RNAオリゴヌクレオチド、PNAオリゴマー、又は、それらのキメラを有することができる。キメラとは、例えば、RNA/DNAキメラ、PNA/DNAキメラ、RNA/PNAキメラ、又はPNA/DNA/RNAキメラ等の、一種以上のサブユニットを有するオリゴマーをいう。キメラオリゴマーの場合、塩基類似体は、そのキメラのどの部分(即ち、DNA部分、RNA部分及び/又はPNA部分)にも含まれることが可能である。
【0035】
DNA、RNA及びPNAオリゴマーの合成方法は公知である。例えば、米国特許第5,419,966号、ゲート(Gait)前出、Eckstein (編集)"Oligonucleodies and Analogues: A Practical Approach,"1991, IRL Press, Oxford; オジリブ(Ogilive)等、(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 5746-5748;ニールセン(Nielsen)等、(1991)前出、ウールマン(Uhlmann)等(1998)前出、米国特許第5,539,082号、第5,714,331号、第5,773,571号、第5,736,336号及び第5,766,855号を参照。その他の修飾DNA及び/又はRNAオリゴマーを使用することも可能である。例えば、2´−O−メチルオリゴリボヌクレオチドの合成方法が記載されている。スプロート(Sproate)等,(1989) Nucleic Acids Res. 17:3373-3386。
【0036】
一般に、オリゴマー合成の方法は、オプションとして、固体支持体に付着された成長オリゴマー鎖に、モノマーを添加する段階的サイクルを有し、前記成長オリゴマー鎖は、オプションとして、保護基と、ブロックされた成長端部とを含む。通常、モノマー添加の各サイクルにおいて、前記支持体結合成長鎖は、先ず、前記成長端部をブロック解除する条件下に曝され、次に、オプションとして縮合の為に活性化されるモノマーと縮合する。ブロック解除条件及び試薬、更に、活性化条件及び試薬は、公知である。前記モノマー添加工程は、必要回数繰り返され、各工程において追加されるモノマーは、オリゴマーの所望の配列に対応する。所望の配列が得られると、発生期のオリゴマーは、官能基をブロック解除し、及び/又は、完成したオリゴマーを前記支持体から切り離す条件に曝され、その後、必要ならば、精製する。
【0037】
PNAオリゴマーは、しばしば、種々のハイブリダイゼーション及びその他の技術におけるDNAオリゴヌクレオチドの代用物として使用される。しかしながら、PANオリゴマー、特にGリッチPNAは、凝集しやすく、多くの場合、水性溶媒中の溶解性の低下を示す。一好適実施例において、PNAオリゴマーは、プリン塩基がピラゾロピリミジン又はピロロピリミジン塩基類似体によって置換されている、例えば、GがPPG又は7−デアザグアニンによって置換され、AがPPA又は7−デアザアデニンによって置換され、そしてG又はAがPPI又は7−デアザヒポキサンチンによって置換された、単数又は複数の残基を有する。このようにして、前記塩基類似体は、それが置換された前記塩基の塩基対合特異性を保持する。より好適な実施例において、単数又は複数のG残基がPPGによって置換されたPNAオリゴマーが提供される。そのようなPPG置換PNAは、Gを含有するオリゴマーと比較して、分子間及び分子内自己会合の低下を示す。これによって、これらオリゴマーの精製と取り扱いが容易になり、特に、三つ以上の連続G残基を含むプローブ配列に対して、ハイブリダイゼーション特性の改善(例えば、感度の増大)が提供される。
【0038】
塩基類似体は、それが置換する塩基の塩基対合特異性を保持するので、本発明のオリゴマーは、相補的配列に対して配列特異的結合することが可能であり、一本鎖及び二本鎖標的に対して、それぞれ、より高い二倍体及び三倍体係合性を示すことができる。
【0039】
いかなる理論によっても限定されることを望むものではないが、本出願人は、自然発生プリン塩基と比較した場合、ピラゾロピリミジン及びピロロピリミジン塩基類似体は、非正規塩基対(G−T及びG−G塩基対)を形成しにくいものでありながら、それらが置換するプリンの特徴である正規の塩基対(即ち、PPG−C,7PG−C,PPA−T及び7PA−T塩基対)を形成する能力を保持するものである、ことを銘記するものである。
【0040】
塩基類似体とそれらの合成
オリゴマー及びオリゴマー合成用の中間体における塩基類似体が提供される。これらの塩基類似体は、式1に示される構造を有し、ここで、R1及びR2は、それぞれ独立的に、−H,−OH,−SH又は−NH2であり、R3は、−H,−CN,ハロゲン(F,Cl,Br又はI)又は−R12−Yであり、R12は、C1−C12アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり、Yは−H,−OH,−NH2又は−SHであり、Xは、=CH−又は=N−であり、Lは、DNA,RNA,PNA又はそれらのキメラ等のオリゴマー骨格鎖に対するリンクである。
【0041】
【化4】
Figure 2003527579
【0042】
Xが=N−である場合、前記塩基類似体はピラゾロピリミジンであり、Xが=CH−である場合、前記塩基類似体はピロロピリミジンである(7−デアザプリンとしても知られる)。例えば、Xが=N−,R1が−OH、R2が−NH2、R3が−Hであれば、前記塩基類似体は、ピラゾロピリミジニルグアニン(PPG)である。Xが=N−,R1が−NH2、R2及びR3が−Hであれば、前記塩基類似体は、ピラゾロピリミジニルアデニン(PPA)である。Xが=N−,R1が−OH、R2及びR3が−Hであれば、前記塩基類似体は、ピラゾロピリミジニルヒポキサンチン(PPI)である。
【0043】
Xが=C−,R1が−OH、R2が−NH2、R3が−Hであれば、前記塩基類似体は、7−デアザグアニン(7PG)である。Xが=C−,R1が−NH2、R2及びR3が−Hであれば、前記塩基類似体は、7−デアザアデニン(7PA)である。Xが=C−,R1が−OH、R2及びR3が−Hであれば、前記塩基類似体は、7−デアザヒポキサンチン(7PI)である。
【0044】
PPGと7−デアザグアニンとは、グアニンと同じ塩基対合特性(即ちCとの塩基対合)を有し、これに対してPPAと7−デアザアデニンとは、アデニンと同じ塩基対合特性(即ちTとUとの塩基対合)を有する。PPIと7−デアザヒポキサンチンとは、GとAとの両方に対して均等の塩基対合特性を有するので、従って、C,T及びUと対合する。
【0045】
前記塩基類似体を有するオリゴヌクレオチドは、式3による、前駆体(「PNAモノマー」)を使用して、周知の自動方法によって合成される。前記モノマーは、式2に示される構造を有する中間体を使用して作られる。
【0046】
【化5】
Figure 2003527579
【0047】
【化6】
Figure 2003527579
【0048】
式1及び式2における許容される官能基は次の通りである。
【0049】
1及びR2は、それぞれ独立的に、−H,−OH,−OR6,−SH,−NH2又は−NHR7
3は、−H,−CN,ハロゲン(F,Cl,Br又はI)又は−R12−Y、R12は、C1−C12アルキル、アルケニル、又はアルキニル、そしてYは、−H,−OH,−NH2又は−SH,
4は、−H、tert−ブチルオキシカルボニル(tBoc)、4−メトキシフェニルジフェニルメチル(MMTr)、イソブチリル(iBu)及び9−フルオロニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)から成るグループから選択される保護基、
5は、−H又は−C64H(TFP)、
6は、−H,−C65(ベンジル)又はジフェニルカルバモイル(DPC)基、
7は、2−N−ジメチルビニル(Dmv),ベンジルオキシカルボニル(Cbz),モノメトキシトリチル(MMtr)、ベンゾイル(bz)、イソブチリル(iBu)、イソブタノイル、アセチル、及びアニソイル(An)基から成るグループから選択される保護基、そして
Xは、=CH−又は=N−である。
【0050】
これらの式は、これらによって示された分子のすべての異性体と互変異性体とを含む。PNA合成用の前駆体と、これら前駆体の合成に使用する中間体の好適実施例は、次の通りである。式2において、R1が−OH,R2が−NH2,R3が−HそしてXが=N−である場合、その結果得られる構造は、2−(6−アミノ−4−ヒドロキシピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル)酢酸(PPGA)である。式2において、R1が−NH2,R2が−H,R3が−HそしてXが=N−である場合、その結果得られる構造は、2−(4−アミノピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル)酢酸(PPAA)である。R4及びR5が−Hである式3の対応する誘導体は、それぞれ、MPPGA、MPPAAと略称する。後述するように、これらの化合物のブロック誘導体も提供される。
【0051】
ここで使用する名称「ピラゾロ[5,4−d]ピリミジン」は、以前の共有公報、特許及び特許出願においてピラゾロ[3,4−d]ピリミジンと称されていたものと同じ構造を指す。例えば、米国特許第5,824,796号,PCT WO99/51621及びPCT WO99/51775を参照。命名法におけるこの変化の理由は、その構造が同定される名称を、それらの構造に対してChemInnovation Software, San Diego, CAによって提供される命名法プログラムNamExpert及びNomenclatorによって割り当てられたものと一致させるためである。
【0052】
ピラゾロピリミジン及びピロロピリミジン塩基の合成は、当該技術において公知の方法によって達成される。シーラ(Seela)等(1985)前出、シーラ(Seela)等(1986a)前出、シーラ(Seela)等(1986b)前出及びシーラ(Seela)等(1987)前出を参照。2−置換プリン酢酸誘導体の合成に関してウールマン(Uhlmann)等(1998)前出によって記載された反応を使用して、適当に保護された4−アミノピラゾロ[5,4−d]ピリミジン(PPA)と6−アミノ−4−ヒドロキシピラゾロ[5,4−d]ピリミジン(PPG)とを、アルキル2−ブロモアセテートと反応させて式2の生成物を得ることができる。アルキル化は、ピラゾロピリミジンの1と2の窒素原子の両方で起こるので、異性体の分離と1−置換異性体の精製が必要である。7−デアザプリン及び関連ピロロピリミジンの場合、アルキル2−ブロモアセテートとの反応によってN1−置換生成物のみが生成する。
【0053】
従って、PPGA(3)は、前記異性体の分離後に、水素化ナトリウムの存在下におけるエチル2−クロロアセテートとのアルキル化によって、4−メトキシピラゾロ[5,4−d]ピリミジン−6−イルアミン(4)(シーラ(Seela)等(1985) Heterocycles 23: 2521-2524)から合成することができる(反応式1)。
【0054】
【化7】
Figure 2003527579
【0055】
PPGAの合成に対する別の方法が反応式2に図示されている。この場合、2−アミノ−4−6−ジクロロピリミジン−5−カルボキシアルデヒド(1)を、エチル2−(ヒドラジノル)アセティックアセテートと反応させて、エチル2−(6−アミノ−4−{2−[(エトキシカルボニル)メチル]ヒドラジノ}ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル)アセテート(2)を得る。(2)を水酸化ナトリウム、その後、過酸化水素と反応させて、所望の生成物PPGA(3)が得られる。この合成法の利点は、それによってN1−置換異性体のみが生成することにある。後述する例1を参照。
【0056】
【化8】
Figure 2003527579
【0057】
オリゴマーの自動化学合成に使用するために、アミノ基等の塩基類似体の反応基は保護されなければならない。一実施例において、PPGAのブロック誘導体が、反応式3に記載されているように合成される。PPGA(3)は、ジメチルホルムアミドとトリエチルアミンとの中で塩化イソブタノイルと反応して、イソブチリル−ブロック・アミノ基を有するPPGA誘導体(14)が得られる。後述する例2を参照。
【0058】
【化9】
Figure 2003527579
【0059】
自動オリゴマー合成におけるモノマーとしての、PPGA,PPAA,2−(2−アミノ−4−ヒドロキシピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)酢酸(7PGA)及び2−(4−アミノピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)酢酸(7PAA)のアミノエチルグリシル誘導体の合成方法が知られている。ウールマン(Uhlmann)等、前出。これらの方法では、反応式4に図示されているように、(O−7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェート(HATU),(ベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェート(HBTU)又は、O−[(シアノ(エトキシカルボニル)メチレン)アミノ]−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロボレート(TOTU)等の縮合試薬の存在下で、適当に保護されたアミノエチルグリシン、例えば、メチル2−[(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)アミノ]アセテート(MMTrAeg、ウィル(Will)等(1995) Tetrahedron 51: 12069-12082)が、PPGA,PPAA,7PGA又は7PAA(これも、必要な場合、保護される)と縮合される。前記R5保護基はそれが選択的に除去されて(即ち、他のブロック基を除去することなく)、R5が−Hで、そして、例えば、R1が−NHCbz、R2及びR3が−H、そしてR4が−MMTrである、化合物7が得られるように選択される。MPPAAのこの保護誘導体は、PNAオリゴマー又はPNA/DNAキメラの合成に使用される。
【0060】
【化10】
Figure 2003527579
【0061】
PNA合成のためのブロックPPGモノマーの合成例は、反応式5によって達成される。PPG(15)が塩化イソブタノイルと反応してアミノ−ブロックPPG(16)が得られ、これが水素化ナトリウムによって処理され、その後、アルキルブロモアセテートと反応して、例えば、メチルアセテート誘導体(17)が得られる。メチルエステル17のアルカリ加水分解によって、酢酸誘導体18が得られる。この18を更にメチル2−[(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)アミノ]アセテート(MMTrAeg)と反応させて、MMTrで保護されたアミノ基を備えた、MMTrブロックアミノエチルグリシル誘導体(19)のアルキルエステル(この場合は、メチルエステル)が得られ、これは、前記エステルのアルカリ加水分解後、MMTrで保護されたアミノエチルグリシン誘導体20を生成する。後述する例3を参照。
【0062】
【化11】
Figure 2003527579
【0063】
前記塩基類似体PPAを有するPNAモノマーの合成方法の例が反応式6に図示されている。4−アミノピラゾロ[5,4−d]ピリミジン(PPA,化合物8)が、ピリジン中で4−メトキシベンゾイル塩化物と反応して前記アミノ保護PPA誘導体(9)が生成する。これが、水素化ナトリウムと反応し、その後、2−ブロモアセテートメチルエステルと反応し、N1−置換メチルアセテート誘導体(10)が単離される。誘導体10の水酸化ナトリウムでの処理によって、前記メチルエステルは、PPAAのN−Bz保護アセテート誘導体(化合物11)に変換される。詳細については例4を参照。
【0064】
【化12】
Figure 2003527579
【0065】
反応式6について引き続き、N−BzPPAA(11)のPNA合成のための反応性モノマーへの変換は、化合物11とモノメトキシトリチルアミノエチルアミノアセテート(MMTrAeg=モノメトキシトリチルアミノエチルグリシン)とが縮合することによって12が形成し、その後、この12がアルカリによって処理されて、MMTr保護アミノエチルグリシン誘導体13が生成することによって行われる。詳細については例5を参照。
【0066】
好適なPPGモノマーは、2−N−ジメチルビニルで保護されたMMTr−アミノエチルグリシン誘導体(24)であり、その合成は反応式7に図示されている。4−メトキシピラゾロ[5,4−d]ピリミジン−6−イルアミン(21)を、先ず、乾燥メタノール中でKOHと反応させ、その後、メチルブロモアセテートと反応させて、前記メチルアセテート誘導体(22)が得られた。前記酢酸誘導体23を生成するアルカリ加水分解の後、(ジメトキシメチル)ジメチルアミンとの反応を行って(24)を得た。MMTrAegとの(24)の反応によって保護されたPPGモノマー25が得られた。
【0067】
【化13】
Figure 2003527579
【0068】
好適なPPAモノマーは、2−N−ジメチルビニルで保護されたMMTr−アミノエチルグリシン誘導体(29)であり、その合成を反応式8に図示する。ピラゾロ[5,4]ピリミジン−4−イルアミン(8)を、先ず、乾燥メタノール中でKOHと反応させ、その後、メチルブロモアセテートと反応させて、メチルアセテート誘導体(26)を得た。これを、(ジメトキシメチル)ジメチルアミンと反応させて(27)を得て、これをNaOHによって処理して(28)を生成した。(28)とMMTrAegとの反応によってPPAモノマー(29)が生成した。
【0069】
【化14】
Figure 2003527579
【0070】
PPIの反応性誘導体の合成も類似の手順で行われる。ピラゾロ[5,4−d]ピリミジン−4−オール(PPI,トミナガ(Tominaga)等(1990) J. Heterocycl. Chem. 27: 775-783)をメチルブロモアセテートによって直接にアルキル化し、その後、アルカリ加水分解して、2−(4−ヒドロキシピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル)酢酸を得て、これを、記載されているように(ウールマン(Uhlmann)等、(1998)前出)MMTr−ブロックアミノエチルグリシン誘導体に変換することができる。或いは、メチルブロモアセティックアセテートとの反応の前に、PPIのヒドロキシル基を、ジフェニルカルバモイル基によってブロックすることができる。
【0071】
ピラゾロ[5,4−d]ピリミジンの反応性誘導体を合成するために使用するのと同じ合成法を、PNA含有オリゴマーの合成用の7−デアザプリンの反応性誘導体を合成するために使用することができる。これら二種類の化合物の合成間の基本的相違点は、後者の場合、メチルブロモアセテートとのアルキル化後に、一つの異性体のみが生成することにある。
【0072】
PNA含有オリゴマーの合成
前述したモノマー及び前駆体に加えて、本発明は、オプションとして、単数又は複数のリガンド、尾部分、又はペンダント基に共有結合された、少なくとも一つの式4のモノマー単位を有する、PNAオリゴマー、DNAオリゴヌクレオチド、及び/又はPNA/DNAキメラを含む。PNAオリゴマーは、式4に示されているように、ペプチド結合によって共有結合されている二つ以上のPNAモノマーを有し、ここでBは、塩基(即ち、核酸又はその修飾誘導体に一般的に見られるように、複素環塩基A,G,C,T又はU)又は塩基類似体、kは、0〜50、好ましくは0〜40、より好ましくは0〜30、更に好ましくは0〜20であり、R21は、独立的に、−H,−OH,−NH2,−NHR22,−N(R222,保護基、反応基、又はオリゴマー、R22は、−H又はC1-6アルキル、アルケニル又はアルキニルである。
【0073】
【化15】
Figure 2003527579
【0074】
モノマー前駆体からのPNAオリゴマーの合成は、公知である。例えば、ウールマン(Uhlmann)等、前出。合成は、接合アミノ基を含むCPG樹脂又はその他の固体支持体から始められる。適当にブロックされたモノマー(所望のオリゴマーの末端モノマーに対応)を、カップリング剤の補助によって、前記アミノ基に共有結合させる。前記第1モノマーのブロックされた成長端部の脱保護後、第2のモノマーを接続する。このプロセスを、所望の長さと配列のオリゴマーが得られるまで繰り返し、その時、オリゴマーは前記固体支持体から切り離され、塩基保護基があればそれらを除去する。
【0075】
一実施例において、PNAオリゴマーは、前記固体支持体から切り離された末端に−NH2基を有し、反対側端部に−COOH又は−OH基を有する。前記末端官能基は、PNA含有オリゴマーに対する、追加の分子及びペンダント基の付着部位を提供する。
【0076】
PNA/DNAキメラオリゴマーの合成方法は、周知である。例えば、ウールマン(Uhlmann)等、前出を参照。PNA/DNAキメラの合成の為の二つの主要な方法は、溶液中での前合成PNA及びDNAオリゴマーのブロック縮合と、適当に保護されたPNA及びDNAモノマー前駆体との段階的固相合成である。当業者は、その合成法に応じて、PNA部とDNA部との間に異なる接続基が可能であることを理解するであろう。結合の具体例としては、非限定的に、N−(2−ヒドロキシエチル)グリシン及び5´−アミノ−2´,5´−ジデオキシヌクレオシドホスホルアミダイト結合がある。ウールマン(Uhlmann)等、前出。
【0077】
PNAオリゴマーを形成するためのPNAモノマーの前記縮合に使用されるカップリング剤(又は活性化剤)は、非限定的に、ベンゾトリアゾリル−1−オキシ−トリスピロロジノフォスフォニウム ヘキサフルオロフォスフェート(PyBOP)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェート(HATU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロフォスフェート(HBTU)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt),N,N´−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC),ブロモ トリス(ピロリジノ)ホスホニウム ヘキサフルオロフォスフェート(ByBrop)、及び、O−[(シアノ(エトキシカルボニル)メチレン)アミノ]−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロボレート(TOTU)を含む。これら及びその他の活性化及び縮合剤は、当業者に周知である。例えばウールマン(Uhlmann)等、前出を参照。
【0078】
オリゴマーに共有結合可能な追加の分子は、非限定的に、インターカレータ、脂肪好性基、小溝バインダ、大溝バインダ、レポータ基(蛍光、化学発光及び放射性レポーターを含む)、タンパク質、酵素、抗体、キレート試薬、及び/又は架橋剤を含む。これらの分子は、オリゴマーの内部、又はその一方又は両方の端部に付着させることができる。それらの分子のオリゴヌクレオチドに対する性質及び付着は現在周知であり、例えば、米国特許第5,512,667号及び第5,419,966号、PCT公報WO96/32496号に記載されており、ここにこれらを参考文献として合体させる。
【0079】
本発明の前記オリゴマーは、その一方又は両方の端部に、比較的低分子量の尾部分を備えることができる。例えば、尾分子は、燐酸塩、燐酸塩エステル、アルキル基、アミノアルキル基、親水性基、又は脂肪好性基とすることができる。この尾部分は、又、インターカレータ、脂肪好性基、小溝バインダ、レポータ基、キレート試薬、及び/又は架橋機能を、本発明のオリゴマーに結合させることができる。尾部分及び種々の尾部分を備えたオリゴヌクレオチドを得るための方法も、上述した米国特許第5,512,667号及び第5,419,966号に記載されている。
【0080】
その水性溶媒中における溶解性を変化させるために、本発明のオリゴマーに分子を付着させることができる。そのような分子は、非限定的に、糖類、アミノ酸、荷電小溝バインダ等の荷電分子等を含む。
【0081】
一好適実施例において、グアニンに置換したPPG及び/又はアデニンに置換したPPAを含有する本発明のオリゴマーは、更に、接合した小溝バインダ(MGB)を含む。最適な単一ヌクレオチドミスマッチ識別は、共有PCT公報WO99/51775に開示されているように、グアニンの代りにPPGを含有するMGB接合オリゴヌクレオチドを使用することによって得られる。極性MGBが好ましく、より好適なMGB部分は、カルバモイル−1,2−ジヒドロ−(3H)−ピロロ[3,2−e]インドール−7−カルボキシレートの三量体(CDPI3)と、N−メチルピロロ−4−カルボックス−2−アミドの五量体(MPC5)である。本発明の実施に使用されるその他のMGB部分は、共有米国特許第5,801,155号及び共有PCT公報WO99/51621号とに開示されており、それらの開示をここに参考文献として合体させる。
【0082】
オリゴマーは、ここに開示されているプリン類似体の他に、例えば、修飾ピリミジンやピリミジン類似体等の、塩基類似体を含むことができる。
【0083】
更に、本発明の前記オリゴマーは、ペプチド骨格鎖以外の骨格鎖を有することができ、或いは、混合したペプチド及び非ペプチド結合から成るヘテロ骨格鎖を備えることができる。例えば、グリシンメチルエステル、オルニチン、プロリン、ジアミノシクロヘキサン、及び2−アミノプロパンジオールのホスホルアミダイトに基く骨格鎖を備えたオリゴマーを使用することができる。ウールマン(Uhlmann)等、前出。更に、N−(2−アミノエチル)ホスホノグリシンやN−(2−ヒドロキシエチル)ホスホノグリシン等の、ペプチド結合がホスホン酸ブリッジによって置換されたPNAを使用することができる。ペイマン(Peyman)等(1997) Angew. Chem. Intl. Ed. Engl. 36: 2809-2812;エフィモフ(Efimov)等(1998) Nucl. Acids. Res. 26:566-577。その他のオリゴマー結合は当業者に明らかであろう。
【0084】
三倍体形成オリゴマー
PNA含有オリゴマーは、一本鎖及び二本鎖核酸標的の両方の検出に有用である。二本鎖核酸の検出の為には、当該技術において知られているように、オリゴマーは、フーグスティーン型塩基対、逆フーグスティーン型塩基対、その他均等の塩基対を介して二本鎖標的の大溝バインダに結合する。例えば、フレスコ(Fresco)米国特許第5,422,251号、ホーガン(Hogan)米国特許第5,176,996号、及びランペ(Lampe)(1997) Nucleic Acids Res. 25: 4123-4131を参照。ここに開示されているようにPNA含有オリゴマーにおいてプリンを塩基類似体によって置換することによって、三倍体形成が容易になる。三倍体形成オリゴヌクレオチドは、オプションとして、フルオロホア、蛍光クエンチャー、及び、上述した追加分子のすべて等の結合基を含む。一好適実施例において、単数又は複数のプリンが塩基類似体によって置換された三倍体形成PNA含有オリゴマーは、結合小溝バインダを有する。本発明のオリゴマーにおいて有用な小溝バインダの開示については上記内容を参照。
【0085】
フルオロホア及び蛍光クエンチャー
一実施例において、付着レポーター基は、蛍光標識又は、フルオロホア/蛍光クエンチャー対である。一好適実施例において、蛍光標識を含有するプローブにおける、単数又は複数のプリン残基の、ピラゾロピリミジン及び/又はピロロピリミジン塩基類似体による置換により、その標的の消光が減少する。更に、単数又は複数のブリン類似体と、オプションとして蛍光クエンチャーとを有する蛍光標識プローブが提供される。
【0086】
蛍光標識は、非限定的に、フルオレセイン、ローダミン、ナフチラミン、クーマリン、キサンテン、アクリジン、ベンゾオキサジアゾール、スチルベン、ピレン、シアニン、フィコエリトリン、緑色蛍光タンパク質、等を含む。追加的蛍光標識、及び、それらを核酸及びPNAプローブに結合する方法は、当業者に知られている。例えば、ホーグランド(Hauglan) (1996) Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals, 第6版、Molecular Probes, Inc., Eugene, OR及びPCT公報WO99/40226を参照。一般に、蛍光標識及び/又は蛍光クエンチャーをPNAオリゴマー又はキメラオリゴマーのPNA部分に付着させる方法は、フルオロホア及び/又は蛍光クエンチャーをDNAオリゴヌクレオチドに結合させるために使用される方法と類似している。前記フルオロホア又はクエンチャーは、例えば、−OH又は−NH2等の反応基を有する尾部分に付着するか、若しくは、例えば、ピリミジンの5位置、プリンの7位置、又は、ピラゾロピリミジン或いはピロロピリミジンの3位置において、塩基に付着する。
【0087】
本発明のいくつかの実施例において蛍光標識(フルオロホア)と蛍光クエンチャーとの両方を有するオリゴマーが使用される。蛍光クエンチャーは、プローブ又はポリマーのクエンチャー部分とも称される。蛍光クエンチャーは、その吸収スペクトルが特定のフルオロホアの蛍光放出スペクトルと重なり、フルオロホアによって放出されるエネルギを吸収して、それによって、放出された蛍光の量を減少させる(即ち、蛍光標識の放出を消光する)分子を含む。様々なフルオロホアが様々な消光剤によって消光される。一般に、特定のフルオロホア/クエンチャー対のスペクトル特性は、そのクエンチャーの単数又は複数の吸収波長がフルオロホアの単数又は複数の放出波長と重なるものである。
【0088】
フルオロホアによる放出がクエンチャーによって吸収される適当なフルオロホア/クエンチャー対は公知である。例えば、ホーグランド(Hauglan)前出を参照。本発明の実施に使用可能な、蛍光クエンチャー/フルオロホア対の具体例は次の通りである。好適なフルオロホア/クエンチャー対は、フルオレセインとテトラメチルローダミンである。ニトロチアゾールブルーは、6種類の染料、即ち、6−FAM,dR110,dR6G,dTMR,dROX及びJAZの蛍光放出を消光する。リー(Lee)等、(1999) Biotechniques 27: 342-349。6−カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)は、6−カルボキシフルオレセイン(FAM)及び6−カルボキシ−4,7,2´,7´−フルオレセイン(TET)からの放出を消光する。リー(Lee)等(1993) Nucl. Acid Res. 21: 3671-3766。6−(N−[7−ニトロベンズ−2−オクサ−1,3−ジアゾール−4−イル]アミノ)ヘキサン酸は、7−ジメチルアミノクーマリン−4−アセテートによる蛍光を消光する。ビケット(Bicket)等(1994) Ann. NY Acad. Sci. (9月6日)732: 351-355。6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)とエリスロマイシンBとは、FAM放出を消光する。リ(Li)等、(1999) Bioconj. Chem. 10: 241-245。2,4−ジニトロフェニル基は、(R,S)−2−アミノ−3−(7−メトキシ−4−クーマリル)プロパン酸を消光する。ホーソン(Hawthorne)等(1997) Anal. Chem. 253:13-17。ダブシル(dabcyl)は、化学センサにおけるダンシルスルホンアミドのクエンチャーとして、そして、蛍光発生プローブにおいて、フルオロホアEDANS用のクエンチャーとして使用される。ロスマン(Rothman)等、(1999) Biorg. Med. Chem. Lett. 22: 509-512及びマタヨシ(Matayosh)等(1990) Science 247: 954-958。QSY−7は、テトラメチルローダミンのクエンチャーである。ホーグランド(Hauglan)前出。その他のフルオロホア/クエンチャー対は、上述した特性に応じて、放出及び吸収波長を比較することによって、当業者により選択可能である。
【0089】
すべての蛍光標識が本発明の実施において有効ではあるが、好適なフルオロホアは、400〜800nmの放出最大量を有する。同様に、すべての蛍光クエンチャーが使用可能であるが、好適な蛍光クエンチャーは、400〜800nmの吸収最大量を有する。
【0090】
別実施例において、オリゴマーは、蛍光共鳴エネルギ転移(FRET)が可能な一対のフルオロホアを有する。この場合、二つのフルオロホアがFRETシリーズ中に使用される。第1のフルオロホア(蛍光供与体)は、第2フルオロホア(蛍光受容体)の励起スペクトルに重なる放出スペクトルを有する。従って、蛍光供与体の励起波長における放射によって、受容体の放出波長での蛍光が発生する。それらの放出及び励起波長の適切な重なりを有する任意の数のフルオロホアによって、FRETシリーズ、又は、3つ、4つ又はそれ以上のフルオロホアを形成することが可能であることは明らかである。
【0091】
一実施例において、フルオロホアは、「核酸ハイブリダイゼーションによって誘発される蛍光検出」と題する(Attorney docketNo.34469−20006.00)、1999年10月26日出願の共有米国特許出願第09/ ,号に開示されているように、潜在フルオロホアである。
【0092】
利点例
オリゴマーがプローブ又はプライマとして使用される場合、プリンを塩基類似体で置換することにより、置換されたオリゴマーと、それ自身、及びその他のオリゴマー分子との凝集が減少する。凝集の減少は、後述する例6に記載されているGリッチプローブについて示された。その結果、ここに開示されたオリゴマーを使用することによって、オリゴマーをプローブとして使用する、ハイブリダイゼーションによる標的配列の検出のための改善された方法が得られる。標的配列はDNA、RNA、又は、すべてのオリゴ−又はポリヌクレオチドを有することができる。
【0093】
蛍光標識プローブにおけるプリンの塩基類似体による置換は、置換されないプローブにおいて発生する標識の消光を減少させる。後述する例7及び8を参照。特に、本発明者等は、蛍光標識に隣接する3つ以上の連続G残基を含有するプローブを使用した増幅生成物の検出が非効率的であること、そして、蛍光標識に隣接する5つ以上の連続するG残基を有するプローブの場合、生成物の検出は観察されないということを証明した。本発明者等は、又、GをPPGによって置換すると、蛍光標識に隣接する9つ以下の連続PPG残基を含有する蛍光プローブは、増幅生成物の極めて効率的な検出を提供するということも測定した。従って、ポリマー部分(通常、オリゴマー、好ましくは、PNAオリゴマー、又はPNA/DNAキメラ、より好ましくはDNAオリゴマー)と、蛍光部分とを有するプローブを利用した、標的配列を検出するための改良方法が、ここに開示されている組成物を使用することによって得られる。
【0094】
従って、ここに開示されている、ピラゾロピリミジン及びピロロピリミジン塩基類似体を有する、DNA,RNA,PNA及びキメラオリゴマーは、非限定的に、ハイブリダイゼーション、プライマ伸長、加水分解可能プローブアッセイ、増幅方法(例えば、PCR,SSSR,NASBA)、単一ヌクレオチドミスマッチ識別、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、ヌクレオチド配列分析、オリゴヌクレオチドアレイへのハイブリダイゼーション、インサイチュハイブリダイゼーション及びそれらに関連する技術を含む技術において有用である。ここに開示されるオリゴマーは、例えば、米国特許第5,492,806号、第5,525,464号、第5,556,752号及びPCT公報WO92/10588及びWO96/17957に開示されいるもののような、オリゴマーアレイ中の固定オリゴマーとして使用することができる。溶解度の増加、凝集傾向の低下、結合蛍光発光標識の消光の減少、及び/又は、これら及びその他の要因のなんらかの組み合わせにより、恐らく特異性が改善され、感度が改善される。
【0095】
リアルタイム加水分解可能プローブアッセイにおけるPPG置換プローブの優れた性能は、後述する例9に示される。
【0096】
本発明の別実施例において、単数又は複数のプリンが塩基類似体によって置換されたPNA含有オリゴマーが、例えば、薬用、アンチセンス又は抗遺伝子試薬、リボザイムの成分として、或いは遺伝子療法用に、使用される。治療用途には、イン・ヴィヴォ又はエクス・ヴィヴォのDループ形成が含まれる。
【0097】
以下の例は、本発明を限定するのではなく、例示するために提供される。
【0098】

例1:2−(6−アミノ−4−ヒドロキシピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル)酢酸(PPGA,化合物3)の合成
エチル−2−(6−アミノ−4−{2−[エトキシカルボニル]メチル}ヒドラジノ)ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル)アセテート(化合物2)
2−アミノ−4−6−ジクロロピリミジン−5−カルボキシアルデヒド(化合物1)(10g;52mmole)を、100mlの水中のエチル2−(ヒドラジノール)アセティックアセテート ヒドロクロライド10.1g(64.8mmol)によって処理する。トリエチルアミン(15ml;107mmole)を添加し、その混合物を10分間60℃に加熱し、次に、室温で3日間攪拌した。エチル2−(ヒドラジノール)アセティックアセテート ヒドロクロライドは、完全には溶解しなかったが、SiO2(CH2Cl2:CH3OH 10:1)上のTLCは、新規な生成物の形成を示した。この混合物を、乾燥状態にまで蒸発させ、トルエン(100ml)中に採り、乾燥状態まで蒸発させた。固体を約300mlのCH3CN中で懸濁させ、SiO2カラム(49x6cm)を通して濾過し、0.71のCH3CNと約300mlのCHCl3で洗浄した。濾液を乾燥状態まで蒸発させ、120mlの高温CH3OH中に溶解させ、一晩4℃で結晶化させた。その生成物、無色固体(3.2g)を収集し、乾燥させた。TLCと逆相HPLCは、純粋化合物を示し、NMR分析は構造2を裏付けた。
【0099】
2−(6−アミノ−4−ヒドロキシピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル)酢酸(化合物2)
化合物2(3.16g;9.4mmole)を、100mlの高温メタノール中に溶解させ、次に、100mlの2N NaOH溶液を添加し、その混合物を、6時間還流し、その時、TLCによる分析は、エステルの加水分解を示した。前記反応混合物に対する2mlの30%H22(0.5mlの部分)の添加、その後の、過剰H22分解によるO2発生が完了するまで、80℃まで加熱することによって、生成物3(PPGA)が形成された。100−120℃で加熱することによってエタノールを除去し、その後、室温まで冷却し、17mlの濃縮HClを添加して、約4のpHを得た。前記生成物の沈殿はこの時点から始まり、これは、氷の添加によって促進された。生成物を濾過し、冷水で洗浄し、NaOH及びP25上で乾燥させた(収量 3.9g)。NMRによって、その構造が確認され、生成物1分子当たり約4−8分子のH2Oの存在が示された。
【0100】
例2:2−[4−ヒドロキシ−6−(2−メチルプロパノイルアミノ)ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル]酢酸(14)の合成
PPGA(化合物3,5.58g;20mmole)を、無水DMF(40ml)及びトリエチルアミン(4.29ml;30.8mmole)中に懸濁する。塩化イソブタノイル(2.12g;19.9mmole)を、シリンジによって滴状添加する。その混合物を100℃で3時間攪拌し、その後、メタノールで処理し、乾燥状態まで蒸発させる。残渣を20mlの1N HClで処理し、次に、メタノールで処理し、乾燥状態まで蒸発させる。残渣を、高温イソプロパノールで処理し、沈殿生成物を濾過し、真空乾燥させる。生成物(14)をTLC及びHPLCによって分析し、必要ならば、更にクロマトグラフィによって精製する。
【0101】
例3:5−[4−ヒドロキシ−6−(2−メチルプロパノイルアミノ)ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル]−3−(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)−4−オキソペンタン酸(20)
N−(4−ヒドロキシピラゾロ[5,4−d]ピリミジン−6−イル)−2−メチルプロパンアミド(16)
化合物15(PPG,3.02g;20mmole)を、無水DMF(40ml)及びトリエチルアミン(1.45ml;10.4mmole)中に懸濁し、塩化イソブタノイル(2.12g;19.9mmole)を、シリンジによって滴状添加する。その混合物を100℃で3時間攪拌する。次に、その反応混合物を、メタノールで処理し、乾燥状態まで蒸発させる。残渣をメタノールで処理し、乾燥状態まで蒸発させる。次に、残渣を、高温イソプロパノールで処理し、析出生成物(16)を濾過し、真空乾燥させる。生成物をTLC及びHPLCによって分析し、必要ならば、更にクロマトグラフィによって精製する。
【0102】
メチル2−[4−ヒドロキシ−6−(2−メチルプロパノイルアミノ)ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル]アセテート(17)
化合物16(4.42g;20mmole)を乾燥DMF(40ml)中で懸濁させ、水素化ナトリウム(0.5g;20.8mmole)を分与で添加し、その混合物を室温で60分間攪拌する。次に、メチルブロモアセテート(1.9ml;20.6mmole)をシリンジを用いて室温で添加し、室温で攪拌を続ける。反応の終了時(TLCによってモニター)、反応混合物をメタノール中の少量の二酸化炭素で処理する。次に、溶剤を蒸発させ、残渣をCH2Cl2中に溶解させ、水で1回洗浄し、乾燥状態にまで蒸発させた。生成物をクロマトグラフィによって精製し、所望の異性体(17)を得た。
【0103】
2−[4−ヒドロキシ−6−(2−メチルプロパノイルアミノ)ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル]酢酸(18)
化合物17(4.41g:15mmole)を、25mlの水中に懸濁し、メチルエステルが完全に加水分解されるまで、pHを11に維持しながら、2Nの水酸化ナトリウムの水溶液を0℃で滴状添加する。次に、反応溶液を濾過し、濾液を2M KHSO4溶液を使用してpH3にし、次に、エチルアセテートで抽出する。水相を蒸発させ、生成物(18)をクロマトグラフィによって精製する。
【0104】
メチル 5−[4−ヒドロキシ−6−(2−メチルプロパノイルアミノ)ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル]−3−(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)−4−オキソペンタノエート(19)
メチル 2−[(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)アミノ]アセテート(MMTrAeg、1.26g;3.1mmole)をDMF(8ml)中に溶解させる。この溶液に、N−エチルモルホリン(1.07g;6.28mmole),3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒロ−1,2,3−ベンゾトラジン(HOObt)(0.505g;3.1mmole)、化合物18(0.91g;3.1mmole)とジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)(0.59g;3.72mmole)を添加する。反応混合物を48時間4℃で攪拌し、その時、溶剤を蒸発させ、残渣をエチルアセテート中に溶解する。このエチルアセテート溶液を水で洗浄し、飽和KCl溶液で一回洗浄する。次に、有機相をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残渣を、少量のエチルアセテート中に溶解させ、氷上で冷却し、ジイソプロピルウレアの結晶化を誘導し、水相中に生成物19を残す。或いは、ジイソプロピルウレアを、化合物19からシリカゲルクロマトグラフィによって分離する。
【0105】
5−[4−ヒドロキシ−6−(2−メチルプロパノイルアミノ)ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル]−3−(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)−4−オキソペンタノエート(20)
化合物(19)(1.33g;2mmole)を10mlのジオキサン中に溶解させる。この溶液を、0℃まで冷却し、1Mの水性NaOH(8.66ml)を2.5時間に渡って、5つのアリコートで滴状添加する。更に室温中で2時間後、溶液を2M KHSO4の滴状添加によってpH5に調節する。析出塩を濾過し、ジオキサンによって洗浄し、これらの合体した濾液を蒸発させる。残渣を、エタノールとメタノール/CH2Cl2とで同時蒸発させ、次に、シリカゲルクロマトグラフィによって精製し、(20)を得る。
【0106】
例4:2−{4−[4−メトキシフェニル)カルボニルアミノ]ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル}酢酸(化合物11,反応式6)の合成
4−(メトキシフェニル)−N−ピラゾロ[4,5−d]ピリミジン−4−イルカルボキシアミド(9)
ピラゾロ[5,4−d]ピリミジン−4−イルアミン(8)(13.5g;0.10mole)を乾燥ピリミジン(250ml)中に懸濁させ、4−メトキシベンゾイル塩化物(17.1g;0.1mole)をシリンジを使用して滴状添加する。TLCによって反応が完了していることが示されるまで(約1〜3時間)、混合物を、100℃で加熱する。次に、冷却された反応物を、メタノールによって処理し、溶剤を蒸発させる。この残渣を、2回、トルエンと同時蒸発させ、この後、高温イソプロパノールと共に攪拌する。この混合物をゆっくりと冷却し、析出生成物(9)を濾過し、TLCとHPLCとによって純度を評価する。必要であれば、生成物を更にクロマトグラフィによって精製する。
【0107】
メチル 2−{4−[(4−メトキシフェニル)カルボニルアミノ]ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル}アセテート(10)
化合物(9)(6.7g;25mmole)を75mlの乾燥DMF中に懸濁させる。水素化ナトリウム(0.65g;25mmole)を分与で添加し、室温で30分間攪拌する。メチルブロモアセテート(2.44ml;26.5mmole)をシリンジを使用して室温で添加する。TLCによって反応の完了が示されるまで、室温で攪拌を続け、反応混合物を、少量の、メタノール中の二酸化炭素で処理する。次に、溶剤を蒸発させ、残渣をCH2Cl2中に溶解させ、水で洗浄し、乾燥状態にまで蒸発させる。生成物をクロマトグラフィによって精製し、所望の異性体(10)を得る。
【0108】
2−{4−[4−メトキシフェニル]カルボニルアミノ}ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル}酢酸(11)
化合物10(5.13g:15mmole)を、120mlの水中に懸濁し、メチルエステルが完全に加水分解されるまで、pHを11に維持するべく2Nの水酸化ナトリウムの水溶液を0℃で滴状添加する。次に、反応溶液を濾過し、濾液を2M KHSO4溶液を使用してpH3にし、生成物(11)を析出させる。析出物を少量の水で洗浄し、真空乾燥し、純度を分析する。必要であれば、生成物(11)をクロマトグラフィによって更に精製する。
【0109】
例5: 2−[N−(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)−2−{4−[(4−メトキシフェニル)カルボニルアミノ]ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル}アセチルアミノ]酢酸の合成(化合物13,反応式6)
メチル 2−[N−(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)−2−{4−[(4−メトキシフェニル)カルボニルアミノ]ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル}アセチルアミノ]アセテート(12)
メチル 2−[(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)アミノ]アセテート(MMTrAeg.1.26g;3.1mmole)をDMF(8ml)中に溶解させる。この溶液に、N−エチルモルホリン(1.07g;6.28mmole),3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒロ−1,2,3−ベンゾトラジン(HOObt)(0.505g;3.1mmole)、化合物11(0.01g;3.1mmole)とジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)(0.59g;3.72mmole)を添加する。反応混合物を48時間4℃で攪拌し、次に、溶剤を真空乾燥させ、残渣をエチルアセテート中に溶解する。この溶液を水で洗浄し、飽和KCl溶液で一回洗浄する。有機相をNa2SO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残渣を、少量のエチルアセテート中に溶解させ、氷上で冷却し、ジイソプロピルウレアの結晶化を誘導し、水相中に生成物(12)を残す。或いは、ジイソプロピルウレアを、化合物(12)からシリカゲルクロマトグラフィによって分離する。
【0110】
2−[N−(2−{[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ}エチル)−2−{4−[(4−メトキシフェニル)カルボニルアミノ]ピラゾロ[5,4−d]ピリミジニル}アセチルアミノ]酢酸(13)
化合物(12)(1.43g;2mmole)を10mlのジオキサン中に溶解させる。この溶液を、0℃まで冷却し、1Mの水性NaOH(8.66ml)を2.5時間に渡って、5つのアリコートで滴状添加する。更に室温中で2時間後、溶液を2M HKSO4の滴状添加によってpH5に調節する。析出塩を濾過し、ジオキサンで洗浄し、これらの合体した濾液を真空蒸発させる。残渣(13)を、エタノールとメタノール/CH2Cl2とで同時蒸発させ、次に、シリカゲルクロマトグラフィによって精製し、(20)を得る。
【0111】
例6: PPG−含有オリゴヌクレオチドの自己会合の減少
この例において、2〜9のG残基を含有する、13量体及び14量体の接合体を、非変性ゲル電気泳動によって分析し、すべてのG残基がPPGによって置換された以外は同じ配列のオリゴヌクレオチドと比較した。これらオリゴヌクレオチドの長さと配列を表1に示す。電気泳動は、1X TBE緩衝液中の8%ポリアクリルアミドゲルのランで45分間、40℃で行われた。ゲルを、Daiichi 2D Silver Stein II(登録商標)によって染色し、染色されたオリゴヌクレオチドバンドのRf値を、二つの対照オリゴヌクレオチドを標準として使用して測定した。対照オリゴヌクレオチドAは、配列5´−ACCTGTATTCCTTGCC−3´(配列識別番号22)を有し、オリゴヌクレオチドBは、配列5´−ZTACAZCAAATZZAA−3´(配列識別番号23)を有していた。ここでZはPPGを表わす。
【0112】
【表1】
Figure 2003527579
【0113】
前記分析の結果を表2に示す。Rf値は、G含有オリゴヌクレオチドとPPG含有オリゴヌクレオチドとについて、別々に、対照オリゴヌクレオチドA及びBに対して、それぞれ測定された。しかしながら、対照オリゴヌクレオチドA及びBによって移動された距離は実質的に同一であった。三つ以上のG残基を有するオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド1−6)は、2つ以下のG残基を有するサイズの類似するオリゴヌクレオチド(例えば、オリゴヌクレオチド7及び8及び対照オリゴヌクレオチドA)と比較して、Rfの低下を示し、これは、Gリッチオリゴヌクレオチドの凝集を示している。これに対して、2〜9のPPG残基を含有するオリゴヌクレオチドは、互いに対して、そして二つのPPG残基を含有する対照オリゴヌクレオチドに対して類似のRfを有している。又、G含有オリゴヌクレオチドは、電気泳動時に拡散バンド(これらのオリゴヌクレオチドのRf値は、バンドの中心からの測定によって測定された)を示すことも銘記された。更に、G含有オリゴヌクレオチドと、GがPPGによって置換されてはいるがそれと同じサイズと配列のオリゴヌクレオチドとの比較は、3つ以上のG残基を含有するオリゴヌクレオチドの低下したRf特性が、PPG含有オリゴヌクレオチドにおいては観察されないことを示しており、これは、9以下の連続PPG残基を含有するオリゴヌクレオチドの凝集がほとんど無いか、全く無いということを示唆している。
【0114】
【表2】
Figure 2003527579
【0115】
例7:GをPPGに置換した場合における蛍光標識ヌクレオチドの蛍光消光の減少
フルオレセインをGMPとPPGMP(即ち、G及びPPGのモノホスフェイト誘導体)に結合させ、これらの接合体の200mM溶液の蛍光発光を測定した。励起は494nmで行い、蛍光放出は522nmで測定した。GMP結合物の蛍光放出は15,447単位であったのに対して、PPGMP結合物の蛍光放出は32,767単位であった。従って、PPGでグアニンを置換した時に、グアニンによるフルオロホアの消光は軽減され、G結合物と比較して、PPGMP結合物の蛍光収量は2倍以上増加した。
【0116】
例8:GをPPGに置換した場合における蛍光標識ヌクレオチドプローブの蛍光消光の減少
GをPPGに置換置換することによる、フルオレセイン−オリゴヌクレオチド結合体の蛍光収量に対する影響を調べた。前記結合体のオリゴヌクレオチド部分は、5´末端G又はPPG残基を含み、そこにフルオレセイン分子が結合していた。これら結合体は、オプションとして、それらの3´末端にCDPI3を共有結合していた。配列は表3に示す。20mM トリス−HCl,pH7,40mM NaCl,5mM MgCl2中における、200nMの前記結合体の溶液の蛍光発光を、494nmでの励起で、522nmでの放出検出で、室温で測定した。その結果を表3に示す。
【0117】
【表3】
Figure 2003527579
【0118】
これらの結果は、PPGによるGの置換が、MGB結合オリゴヌクレオチドと、非MGB結合オリゴヌクレオチドとに対して、それぞれ、24%と38%、蛍光発光を増加させた(即ち、消光を減少させた)ということを示した。
【0119】
例9:GがPPGによって置換された場合の、加水分解可能プローブアッセイにおける複数連続G残基を含有するプローブの性能の改善
その配列を表1に示すオリゴヌクレオチド接合体を加水分解可能プローブアッセイにおける蛍光プローブとして使用した。米国特許第5,210,015号、リバック(Livak)等、(1995) PCR Meth App. 4:357-362;ウィットワー(Wittwer)等(1997a) Biotechniques 22: 130-138;及びウィットワー(Wittwer)等(1997b) Biotechniques 22: 176-181。G含有プローブの性能を、PPG含有プローブの性能と比較した。プローブは、共有PCT公報WO99/51775に記載されているように、そのプローブの3´末端に接合されたクエンチャーと小溝バインダと共に、それらの5´末端に接合フルオロホアを有していた。標的配列は、5´−CACCTCAGCCTCCCAAGTAACTTTTAACCCCCCCCCATTTGTTGTGCTGTTTTCATACCTGTAATCCTGGCACTTT−3´(配列識別番号17)であった。標的配列の下線部は、プライマ配列に対応する。
【0120】
増幅を、リアルタイム蛍光発光モニタで、Idaho Technologies LC-24 Light Cycler(登録商標)で行った。増幅反応物は、標的76量体(前述)の105のコピー/μl,100nMの各プライマ、10nMの蛍光プライマ(前述),20mM トリス−HCl,pH7,40mM NaCl,5mM MgCl2,0.05%ウシ血清アルブミン、0.5mM各dNTP,0.038単位/μlのTaqポリメラーゼ及び0.01単位/μlウラシル−N−グリコシラーゼを含有していた。サイクルのプログラムは、50℃で3分間を1サイクル、次に95℃で2分間、その後、95℃で2秒間、次に、60℃で30秒間を50サイクルであった。
【0121】
その結果を図1に示す。この方法において、増幅生成物の生成は、蛍光発光の経時的増大によって示され、これは、増幅生成物にハイブリダイズされたプローブの加水分解によるものである。ここに得られた結果は、3つ以上の連続するG残基を含有するプローブを使用した増幅生成物の検出は不十分であり、事実、5以上の連続するG残基を含有するプローブについては、生成物の検出は観察されなかった。これに対して、蛍光プローブにおいてGがPPGによって置換された場合には、9つ以下の連続PPG残基を含有するプローブが増幅生成物の極めて効率的なリアルタイム検出を提供した。
【0122】
以上の発明は理解の目的のために例示的に幾分詳細に記載されたものであるが、当業者には、本発明の精神から逸脱することなく、様々な改造及び改変を実行可能であることが明らかであろう。従って、上記説明及び例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべぎではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、2〜9のヌクレオチドのGランを含むプローブ(配列識別番号1−8)が蛍光プローブとして使用され、G残基がPPGによって置換されたプローブ(配列識別番号9−16)と比較した、一連の加水分解可能プローブアッセイのリアルタイム蛍光分析を図示している
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