JP2003526916A - ウェーハ処理システムのレシピ・カスケーディング - Google Patents

ウェーハ処理システムのレシピ・カスケーディング

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、クラスタツールの第1のレシピから第2のレシピへの切り換えを可能にし、同時に周期性を保って重要なポイントで何等の遅延も存在しないことを保証する。この手順は、レシピ・カスケーディングと呼ばれる。カスケーディングには、ウェーハの第1ロットをクラスタツールから出してそれを空にし、連続的及び同時に別のロットのウェーハをクラスタツールに入れることを伴う。この手順は、重要な処理段階で何等の遅延も被ることなく、搬入ロット及び搬出ロットのレシピ及び処理量要件によって求められるもの以外は追加のロボット及び処理モジュールを何も使用しないで実行される。搬入ロットはまた、搬出ロットとは異なるレシピ及び処理量要件を有してもよい。コンピュータ上にあるプログラムは、レシピ・カスケーディングを可能にするクラスタツールに対するスケジュールを判断する。このプログラムには、スケジュールを判断するために遺伝子アルゴリズム又は他の任意の最適化技術を使用してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、ウェーハ処理の分野に関する。特に、本発明は、ウェーハ・クラス
タツールのスケジューリング技術に関する。
【0002】 (背景技術) 集積回路などの半導体装置を製造する工程において、装置を形成するために多
数の微細製造段階が実施される。これらの段階は、個々のモジュールで個々の製
造品目に対して連続的に実行され、製造品目は、ロボットなどの運搬機構により
モジュール間で移送される。目標とする処理量、信頼性、及び、製造品質を達成
するには、幾つかの条件を満たす必要がある。 1)基板の処理モジュールへの供給及びそれからの除去は、モジュール間のウ
ェーハの運搬と同様に適時な方法で実行する必要がある。基板のこの適時な供給
及び除去は、基板の流れが周期的かつ同期的に維持されている時に達成される。
周期性と同期とが維持されない場合、処理結果は、基板ごとの一貫性を失うこと
になり、予定処理量が低減される場合がある。 2)基板を類似の処理流れ経路で運搬し、基板の処理履歴の変動による処理結
果の不一致を避けることが必要である。 3)重要な処理が実行されるモジュールにおいては、製造物品がいかなる前処
理又は後処理の時間にも遊ぶことがないことを確実にすることが必須である。こ
れらのモジュールでの前処理又は後処理時間の追加は、処理量ばかりでなく処理
結果を損なう。例えば、IC製造システムでは、フォトレジストフィルム層を熱
的に硬化するために基板がスピンコート・モジュールからベーク・モジュールに
直ちに移送されない場合、得られるフィルム厚が予想不可能となる。前処理及び
/又は後処理の時間を完全に排除するのが不可能な場合は、それらをできるだけ
短くするべきであり、これらの時間のいかなる変動も許容することはできない。
【0003】 上記の条件のいずれか又は全てを満足することができないのは、運搬上のコン
フリクトを解消できないことに由来する。コンフリクトとは、別々のモジュール
がロボットに対してロボットがそれらのモジュールに仕えるのに不十分な時間の
範囲内でロボットを要求する状況である。 上記に挙げた心配に対する1つの従来の解決策は、余分な処理モジュール及び
運搬手段の追加である。しかし、追跡システムの大きさの制限や形状の制約によ
り、追加の処理モジュールや運搬手段を加えることによって上記の困難を解消す
る可能性は制限される。
【0004】 隣接するモジュール間で基板を移送する専用移送アーム(以下、ベイ間移送ア
ーム又はIBTAと呼ぶ)の追加は、処理量を向上させて前処理及び/又は後処
理時間の一部を排除するのに用いられている別の方法である。しかし、IBTA
の追加にも重大な欠点がある。専用移送アームは、ツールを複雑にしてその費用
を増加し、モジュールの位置を制限してツールのどこでも使用することができる
わけではない。その結果、高い処理量及び品質の両方を維持しつつ追跡システム
の基板の流れを管理し、全ての運搬上のコンフリクトを解消するという仕事は、
手に余るものになる。
【0005】 別の従来の解決策は、基板運搬優先権規則セットを割り当てることである。ロ
ボットのいかなる動きの前にも、ソフトウエア・スケジューラとも呼ばれる制御
システムにより、異なるモジュールにある基板の状態を確認し、これらの規則に
基づいて移送優先権の決定をする。しかし、高い処理量を達成するために、スケ
ジューラは、重要モジュールにおいて有害で予測不可能で変動する前処理及び後
処理時間を発生させる場合があり、基板は、それらの処理サイクルを完了するた
めに異なる流れ経路を辿るように強いられる場合もある。 現在までのところ、上記で挙げたコンフリクト解消、同期化、品質、及び、経
路の一貫性に関する要件は完全には満足されていない。必要とされるのは、これ
らの要件の全てに同時に対処する解決策である。
【0006】 (発明の開示) 本発明の実施形態は、クラスタツールが第1のレシピから第2のレシピへ切り
換わることを可能にし、同時に周期性を保って重要なポイントで何等の遅延も存
在しないことを保証する。この手順は、レシピ・カスケーディングと呼ばれる。
カスケーディングは、ウェーハの第1ロットをクラスタツールから出してそれを
空にし、連続的及び同時に別のロットのウェーハをクラスタツールに入れること
を必要とする。この手順は、重要な処理段階で何等の遅延も被ることなく、搬入
ロット及び搬出ロットのレシピ及び処理量要件によって求められるもの以外は追
加のロボット及び処理モジュールを何も使用しないで実行される。搬入ロットは
また、搬出ロットとは異なるレシピ及び処理量要件を有してもよい。
【0007】 本発明の実施形態は、ウェーハを処理する方法を含み、該方法は、第1のレシ
ピに従って処理される第1の複数のウェーハを、第1の送り周期で区切られた間
隔でウェーハ・クラスタツールの中に個別に搭載する段階と、第2のレシピに従
って処理される第2の複数のウェーハを、第2の送り周期で区切られた間隔で該
クラスタツールの中に搭載する段階とを含む。本発明の実施形態においては、ク
ラスタツールは移行期間を有し、この移行期間中は、第1の複数のウェーハから
1つ又はそれ以上のウェーハを第1のレシピに従って処理し、第2の複数のウェ
ーハから1つ又はそれ以上のウェーハを第2のレシピに従って処理する。
【0008】 本発明の実施形態はまた、ウェーハ処理システムのスケジュールを組むための
コンピュータプログラムを含む。このコンピュータプログラムは、第1の複数の
ウェーハが第1のレシピに従って処理される第1の期間中にウェーハ処理システ
ムのスケジュールを組む手段と、第2の複数のウェーハが第2のレシピに従って
処理される第2の期間中にウェーハ処理システムのスケジュールを組む手段と、
第3の複数のウェーハのうちの1つ又はそれ以上のウェーハが第1のレシピに従
って処理され、かつ、第3の複数のウェーハのうちの1つ又はそれ以上のウェー
ハが第2のレシピに従って処理されるように第3の複数のウェーハが処理される
第3の期間中にウェーハ処理システムのスケジュールを組む手段とを含む。本発
明の実施形態においては、コンピュータプログラムは、ウェーハ処理システムに
結合されたサーバ上にある。また、本発明の実施形態において、コンピュータプ
ログラムは、ウェーハ処理システムのスケジュールを組むために遺伝子アルゴリ
ズムを使用する。幾つかの実施形態においては、コンピュータプログラムは、ウ
ェーハ処理システムのスケジュールを組むために別の最適化技術を使用する。
【0009】 (発明を実施するための最良の形態) 同期化されたコンフリクト解消スケジューラ 本発明の態様は、システム手段に関するコンフリクトを排除する周期的かつ予
測可能な方式でシステムの事象のスケジュールを組むことにより製造システムの
処理量及び品質を最大限にする方法を含む。そのような製造システムの例は、個
々の製造ユニットに対して連続的に実行される一連の処理段階1、...、Nを
含む。システムの個々の処理段階は、「モジュール」単位又は「処理チャンバ」
単位で行われ、一連の段階は、「レシピ」に列記されている。製造システムはま
た、製造ユニットを連続するモジュール間で運搬する手段を含み、これらの手段
は、ロボットを含むことができる。
【0010】 別々のモジュールが、ロボットがこれらのモジュールに仕えるのに不十分な時
間の範囲内で要求する時、システムの処理間でコンフリクトが生じる場合がある
。それに加えて、システムの事象が同期化されて周期的かつ予測可能な間隔で発
生するように、周期性を示す方法でシステムのスケジュールを組むことが必要で
ある。本発明の実施形態は、そのような全てのコンフリクトを排除するほか、シ
ステムの処理量又は品質を損なうことなく周期性を強いるために、製造工程の様
々な段階における遅延を選択的にスケジュールに組む技術を含む。
【0011】 コンフリクト解消同期化の例:ウェーハ・クラスタツール 上記の種類の製造システムの例には、ウェーハ・クラスタツールがある。ウェ
ーハ・クラスタツールでは、モジュールは、ウェーハに一連の処理段階を実行す
るようにウェーハ運搬手段又はロボットのグループの周りに構成された処理チャ
ンバを含む。ウェーハは、搭載ポートと呼ばれるバッファを通してツールに出入
りする。一旦ロボットが搭載ポートからウェーハを取り出すと、ウェーハは、レ
シピで指定された一連のモジュールを連続的に通って運搬される。ウェーハのモ
ジュールへの進入及びウェーハのモジュールからの退出により定義される時間は
、モジュール処理時間と呼ばれる。この処理時間には、モジュールでウェーハを
処理するのに実際に使用される時間のほか、処理及びピックアップのためにウェ
ーハを準備するのに必要なオーバーヘッド・タイムが含まれる。(ウェーハ・ク
ラスタツールは、モジュール間で個々のウェーハを移送すると上記で説明したが
、本発明はウェーハの離散的なセットがモジュール間で移送されるウェーハ・ク
ラスタツールに等しく適用できることが当業者には明かであることに留意された
い。)
【0012】 クラスタツールのいくつかのモジュールでは、処理ウェーハのピックアップ時
の遅延が作動時ウェーハの結果に悪影響を及ぼす場合があり、そのようなモジュ
ールは、遅延を許容することができないので「重要処理モジュール」として識別
される。処理時間がクラスタツールの全モジュールの中で最長のモジュールは、
「ゲートモジュール」として識別され、このモジュールでの処理時間がクラスタ
ツールの処理量を決める。ゲートモジュールがクラスタツールの処理量を決める
ので、ゲートモジュールもまた遅滞を許容することができない。ウェーハ・クラ
スタツールのレシピは、モジュールをそれぞれの処理時間の横に順番に列記して
いる。2つのモジュール間でウェーハを運搬するのにロボットが必要とする時間
は、その運搬時間と呼ばれる。
【0013】 クラスタツールにおけるウェーハの流れの管理 ウェーハの流れ管理、すなわち、クラスタツールでのウェーハ処理及びウェー
ハ運搬の編成は、システムにより提供される処理量及び作動時ウェーハの結果の
両方を決める。効果的なウェーハの流れ管理は、以下の2つの条件を同時に満足
する必要がある。すなわち、送りモジュールで処理されたばかりで現在移動する
準備ができているウェーハは、(1)ウェーハが次に処理されることになる受け
モジュールが空である時、かつ、(2)それらのモジュール間でウェーハを運搬
するように割り当てられたロボットが利用可能である時、そのようにする必要が
ある。従来技術では、条件(1)は、追加の余分なモジュールを準備することに
よって充足された。しかし、そのような解決策では、2つの点で状態(2)を損
なうことになる。すなわち、(a)ロボットが仕えるモジュールが多すぎて不適
切なロボット台数をもたらすか、又は、(b)ロボットのサービスに対して2つ
又はそれ以上のモジュールが同時に競合する場合がある。
【0014】 上記に挙げた2つの条件が損なわれた時、ウェーハピックアップにおける遅滞
が生じる。そのような遅滞が重要処理モジュールにおいて発生した場合、作動時
ウェーハの結果に悪影響を与える。更に、そのような遅滞がゲートモジュールに
発生した場合、処理量を減速させてしまう。従って、上記に挙げた運搬条件が重
要処理モジュール及びゲートモジュールに関して保証されることが必須である。
ロボットが提供し得るよりも多い処理が必要とされるケース(a)では、更に多
くのロボットを追加することによりこの状況を緩和することができる。しかし、
ケース(b)では、問題はロボットサービス要求のタイミングにある。より多く
のロボットの追加もケース(b)を軽減することができるが、これは不適当な解
決策である。
【0015】 クラスタツールに規定されたレシピがロボットサービス要求のタイミングを決
めるので、2つの条件を解決する根本的な解決策は、ウェーハ運搬と同期するよ
うにウェーハレシピを変更することによって生じる可能性がある。本明細書で説
明するスケジューリングアルゴリズムにより、そのような同期化が実行される。 本明細書で説明するこのスケジューラは、コンピュータにより実行されるソフ
トウエアにコード化することができ、そのコンピュータは、そのソフトウエアを
記憶するメモリ及びソフトウエアを実行するCPUを含む。本発明の実施形態で
は、スケジューラを製造システムからオフラインで使用し、システム用の所定の
スケジュールを作成してもよい。代替的に、スケジューラがリアルタイムでシス
テムの作動を更新できるように、コンピュータを製造システムに連結してもよい
【0016】 クラスタツールでのウェーハの流れの同期化 本発明の実施形態では、ウェーハの流れは、クラスタツールを通って一定速度
で個々のウェーハを送ることにより同期される。ツールの「送り速度」と呼ばれ
るこの速度は、ウェーハ数/時間で表され、(3600/送り速度)秒に等しい
周期性でウェーハの流れを整調する。クラスタツールの送り周期と呼ばれるこの
周期は、システムの鼓動である。個々のウェーハユニットは、1送り周期の間を
おいてシステムに導入される。更に、クラスタツールを同期させるために、全て
の処理及び運搬時間は、送り周期という単位で測定される。更に、後続の周期で
確実に同じタスクを繰り返すことができるように、クラスタツールのロボットは
、1つの送り周期内で以下に「タスク」と呼ぶ全てのサービス提供要求を達成す
るようにスケジュールされる。従って、クラスタツールの同期化には、1)送り
周期内に実行されるタスクの総数、及び、2)これらのタスクが発生する送り周
期内の正確な瞬間の判断が必要である。これらの瞬間は、以下でそれぞれのタス
クの「タイミング」と呼ぶものとする。
【0017】 送り周期及び同期化の概念を図1に示す。時間線100は、1番目のウェーハ
がクラスタツールに搭載される時の瞬間を示す原点102を有する。時間線10
0は、1送り周期110という単位で区別される。各区分104、106、及び
、108は、それぞれ、2番目、3番目、及び、4番目ウェーハがクラスタツー
ル内に搭載される時間を示す。 同期化の主要な特徴は周期性であり、本発明は、各タスクi、i=1、...
、n、について、そのタスクを受けるどのウェーハのピックアップ時間も同一で
あることを確実にする。すなわち、クラスタツールの各タスクiは、Tiで示す
相対ピックアップ時間と関連付けることができ、ここで、Tiは、送り周期とい
う単位で正規化される。図2は、周期性のこの特徴を示す。ウェーハ1(208
)、ウェーハ2(210)、及び、ウェーハ3(212)である3つのウェーハ
は、垂直軸202で示されている。水平線は、「時間」軸200を示す。この軸
201の原点は、ウェーハ1がクラスタツール内に搭載される時間を示す。タス
クi(200)における相対ピックアップ時間Tiは、各ウェーハで全く同じで
ある。ウェーハ自体が1送り周期の間をおいて導入されるので、実際のピックア
ップ時間は、1送り周期の単位によって分離される。
【0018】 図2は、相対ピックアップ時間と「実際」ピックアップ時間又は「絶対」ピッ
クアップ時間との間の区別も示す。処理iの相対ピックアップ時間は、Ti20
4で示されている。相対ピックアップ時間はウェーハがウェーハ・クラスタツー
ル内に導入された時間から測定されることから、相対ピックアップ時間は、ウェ
ーハ1(208)、ウェーハ2(210)、及び、ウェーハ3(212)である
各ウェーハに対して全く同じである。絶対ピックアップ時間214は、1番目の
ウェーハがクラスタツール201内に搭載された瞬間から測定される。ウェーハ
が1送り周期の間をおいて導入されることから、任意のウェーハ番号wに対して
モジュールiにおけるウェーハwの絶対ピックアップ時間は以下の通りであるこ
とになる。 (w−l)+Ti この周期(w−l)は、番号216で示されている。
【0019】 同期化において非常に重要である別のパラメータは、記号τiによって示され
ている。INT(Ti)がTiを最も近い整数に丸める関数を表すとすると、端数
τi=Ti−INT(Ti)は、現在の送り周期の始めから経過したTiの端数であ
る。これらのパラメータ206もまた図2に示されている。Ti値は各ウェーハ
について同一であることから、また、ウェーハが1送り周期の間をおいて挿入さ
れることから、τi206の値は、各ウェーハについて全く同じである。これら
端数τi、i=1、2、3,...,Nは、ロボットが送り周期内で達成しなけ
ればならないタスクのタイミングを構成する。
【0020】 タスクの数N及びこれらのタスクのタイミングは、運搬の負荷を構成する。T i は、処理時間Pj、j=l、2、3,...,iと、ロボット運搬回数tj、j
=1、2、3,...,i−1とのi番目モジュールまでの累積であることから
、任意のウェーハについて、モジュールiの相対ピックアップ時間は以下の通り
であることになる。
【0021】
【数1】 また、タスクのタイミングτi=1、2、3,...,Nも以下の通りである
ことになる。
【0022】
【数2】 運搬時間tiは、与えられたクラスタツールについては一定であることから、
ロボットタスクのタイミングτiは、レシピにより規定された処理時間pjのみに
左右されることが式(1)から明かである。
【0023】 周期性及びウェーハの識別 周期性という性質はまた、クラスタツールのウェーハの識別を可能にする。洗
練されたインフラストラクチャとして、同期化されたスケジューラは、1)ウェ
ーハが1送り周期の間隔をおいて順番にクラスタツール内に搭載されること、及
び、2)クラスタツール内に搭載された各ウェーハがそれらの搭載された瞬間に
対して測られた同じ時間に同一の事象を経験することを保証する。これら2つの
条件による結果として、当初に搭載された順序で1送り周期の間隔をおいてクラ
スタツールの各モジュールに入って各モジュールから出る。従って、モジュール
の各ウェーハは、そのモジュールに入るか、又は、そのモジュールから出た順序
を単に追跡することにより識別することができる。同期化スケジューラのこの機
能は、ウェーハ識別又はウェーハ「タグ付け」と呼ばれる。
【0024】 タグ付け及びモジュール経路 本発明の実施形態では、クラスタツール内に搭載された各ウェーハは、特定の
「モジュール経路」、すなわち、クラスタツールの処理に対応する特定のモジュ
ールセットを追っていく。本発明のこの特徴を図4に示す。この実施形態では、
クラスタツールの各処理は、各処理に付随し、ウェーハが処理される1つ又はそ
れ以上のモジュールを有する。各処理のモジュールは、ウェーハがその処理に到
達した時に順番に対応するモジュールに置かれるように、順番が付けられる(例
えば、処理が2つの対応するモジュールを有する場合、システムの1番目ウェー
ハが1番目モジュールに行き、2番目ウェーハが2番目モジュールに行き、3番
目ウェーハが1番目モジュールに入り、4番目ウェーハが2番目モジュールに入
る、など)。その結果、ウェーハが追従し得るモジュール経路の総数は、各処理
に対応するモジュールの数の最小公倍数に制限される。
【0025】 上記で説明した実施形態は、図4に例示的に示されている。図4は、一連の処
理段階であるVP400、VPC402、CT404、SB406、SBC40
8、PEB410、PEBC412、DEV414、HB416、HBC418
を示す。処理段階の記号は、その処理段階に対応するモジュールの各々に対して
表示される。例えば、処理CT404は、3つのモジュールを有し、それに対応
してCTという記号は、404と3回表示される。各処理段階の上にあるのは、
その処理段階420のモジュール数である。 この例では、モジュール数の最小公倍数は、LCM(2、2、3、3、3、3
、3、4、2、2)=12である。
【0026】 従って、クラスタツールのレシピは、12個のモジュール経路を規定し、経路
は422と記載されている。表422の各コラムは、それぞれのモジュール経路
におけるその処理段階に対するモジュール番号を列記する。12個の可能な経路
があるので、全ての12番目のウェーハは、同じモジュール経路を追従する。従
って、ウェーハ及びそれがツール内に搭載された順序を識別することにより、本
発明は、ウェーハが辿ったモジュール経路の特定を可能にする。
【0027】 運搬手段に対するコンフリクトを排除する待ち行列の追加 レシピが特定のロボットに対して同時の競合するサービス提供要求を発生させ
る場合、より多くのロボットを追加することによらず、むしろ、レシピ自体を変
更することによりコンフリクトを解消することが必要であろう。レシピを変更す
る1つの便利な方法は、ツールにより提供される処理量又は作動中ウェーハの結
果を損なうことなくコンフリクトを解消するタイミングを達成するために、余り
重要ではない処理段階に故意の遅延(以下、待ち行列qjと呼ぶ)を導入するこ
とである。そのような方法は、式(1)と関連して使用されるが、「同期化アル
ゴリズム」の基本である。要約すると、最初に規定されたレシピは、重要処理及
びゲート段階において遅延をもたらす競合するサービス提供要求を導入し、その
結果、単一ウェーハ・クラスタツールのウェーハ品質及び処理量を損なう場合が
ある。「同期化アルゴリズム」の目的は、重要処理段階又はゲート段階において
遅延が発生しない事を確実にし、それにより、処理量及びウェーハ品質の保証を
確実にするために、非重要処理段階において故意の遅延を挿入することである。
【0028】 待ち行列の解法 ここで、遅延又はqjの求め方を以下に示すことにする。τiを式(1)により
規定されたレシピで指示されたロボットタスクのタイミングとする。レシピを変
更するために、待ち行列qjを処理時間pjに加えることにより、新しいタイミン
グτi*が以下によって得られる。
【0029】
【数3】
【0030】 この目的は、モジュールk及びモジュールmが同じロボットによりピックアッ
プされたそれらのウェーハを有するように割り当てられた任意の2つのモジュー
ルk及びm、k=1、2、3、...、N、及び、m=k、k+1,...,N
、の間の時間間隔がロボットの運搬時間よりも大きくなるように非重要処理段階
で挿入される待ち行列qjのセットを見出すことである。これは、ロボットが全
てのモジュールに仕えるのに十分な時間間隔を準備し、その結果、与えられた時
間に1つより多いモジュールに仕える必要を回避するであろう。しかし、このよ
うにして得られた待ち行列もまた、モジュールの過度の休止を避けるために十分
に小さくなければならない。更に、重要処理モジュール又はゲートモジュールに
おいては、待ち行列があってはならない。
【0031】 待ち行列のセットが式(2)を使用して以下に求められる。これは、連立一次
方程式 をもたらし、ここで、aijは、i<jに対してaij=0、及び、i≧jに対して
ij=1である下方三角行列である。
【0032】
【数4】
【0033】 重要モジュールにおいて遅延は発生してはならないという制約が、ここで式(
3)に適用される。例えば、モジュール#3及び#4が重要である場合、式(3
)は、以下に示すような一次方程式に変更されるべきである。
【0034】
【数5】
【0035】 上式(4)では、当初のレシピにより規定されたタイミングτiは既知である
。目標タイミングτi *は、先に説明したように、同じロボットを使用して全ての
モジュール間のコンフリクトを排除する値に設定される。すなわち、式(4)の
左辺は、既知の値である。次に、以下の式(5)に示すように、変更された制限
行列の逆行列を予め(τi *−τi)に掛けることにより、ベクトルqjを解く。対
応するモジュール処理時間pjにこのqiのセットを加えると、ウェーハ運搬がウ
ェーハ処理と同期されることになる。
【0036】
【数6】
【0037】 同期化アルゴリズムの適用 ここで、本発明の具体的な実施形態について、幾つかの詳細で重要な様々な特
徴を示すのに役立つであろう以下の非限定的な例により更に説明する。この例は
、本発明を実施し得る方法の理解を容易にし、更に、当業者が本発明を実施する
のを可能にすることを単に意図している。従って、この例は、本発明の範囲を限
定するものとして解釈されてはならない。 ここで、クラスタツールにおけるウェーハ運搬のウェーハ処理との同期が、ク
ラスタツールの具体的な例を使用して示される。図3は、ウェーハ処理装置の概
念的計画図の概略図である。レジスト被覆モジュール及び現像モジュールは、各
々、CT300及びDEV302として識別されている。図3には、異なるベー
ク・モジュール、つまり、ベーパープライム(VP)304、ソフトベーク(S
B)306、後露光ベーク(PEB)308、及び、ハードベーク(HB)31
0のほか、それらの対応する冷却モジュールも示されている。隣接するベーク・
モジュール及び冷却モジュールを結ぶ矢印は、これらのモジュール間で基板を移
送するベイ間移送アームであるIBTA312を表す。その結果、これらのベー
ク・モジュールの位置により、それらの対応する冷却プレートの位置が制限され
る。図示のカセットエンドステーション(CES)ロボット314は、カセット
エンドステーションから及びカセットエンドステーションに基板を移送する。ス
テッパ・インタフェース(SI)ロボット316は、ステッパ・インタフェース
から及びステッパ・インタフェースに基板を移送する。I/Oモジュール318
は、ステッパ・インタフェースに基板が必要となった時及び場合に、そこに運搬
される基板のための緩衝地帯である。主ロボット320は、ベーパープライム冷
却(VPC)からレジスト被覆(CT)までのような全ての他のモジュール間で
基板を運搬する手段である。
【0038】 図4は、ウェーハ処理流れの概略図である。概略図からわかるように、運搬手
段がIBTAの時、基板は、流れ図で1つのオプションのみを有することになる
。これは、基板がベーパ・プライムベーク400からベーパ・プライム冷却40
2へ運搬される場合である。しかし、運搬手段が主ロボットの時、基板は、幾つ
かのオプションを有することができるであろう。例えば、基板がレジスト被覆モ
ジュール404から取り除かれた時、基板は、図4に示すソフトベークモジュー
ル406のいずれにも運搬することができる。
【0039】 同期化アルゴリズム ここで、このクラスタツールへの同期化アルゴリズムの適用を一連の4つの段
階として以下に示す。 ・段階1−レシピ及び処理量要件の「入力」:ここで論じる内容は、図5に関
するものである。この段階は、レシピを表500に挿入することから始まる。最
初の2つのコラム502は、処理段階を順番に列挙する。「システム・タクト(
takt)時間」とも呼ばれる送り周期はまた、504で示されている。次に、
モジュール・タクト時間でも知られるサイクル時間は、「モジュールタイプ」コ
ラム502の各モジュールについて計算され、各モジュール・タクト時間がシス
テム・タクト時間よりも小さいことを確実にする。コラム506には、各処理段
階のモジュール・タクト時間が列挙されている。そうでない場合は、モジュール
・タクト時間を小さくするために余分なモジュールが追加される。当業者には明
らかであるように、各処理段階について以下が成り立つ。 必要なモジュール数=INT(モジュール・タクト時間/システム・タクト時
間) この例では、大部分のモジュールには、1つの余分な追加モジュールが必要で
ある。コラム508には、各処理段階について必要とされるモジュール数が示さ
れている。
【0040】 ・段階2−ウェーハ運搬の「負荷」の判断:先に定義したように、ロボットの
「負荷」は、ロボットが行うように予定された移動回数のほか、現在の送り周期
の始めから測ったロボットがこれらの移動を行うように割り当てられた時間を意
味する。ロボット負荷の判断を図6の表600に示す。この例のこのクラスタ装
置は、12の処理段階を有する。12の対応するロボット移動のタイミングは、
以下のように判断される。ウェーハが搭載ポート(カセット)から出た瞬間から
時間を計数して、各モジュールの処理時間と該当するモジュールまでの移動時間
とを積算する。例えば、VP602というコード名のモジュール(以下、全ての
モジュールはコード化される)では、それは(62+6)=68秒であり、モジ
ュールVPC604に関しては、それは(68+65+5)=138秒である。
「実際」606と付したコラムに、全てのロボット移動に関する秒で表された実
際のタイミングが列挙されている。相対ピックアップ時間Tiを判断するには、
実時間を実送り周期で割る。例えば、実際ピックアップ時間VP及びVPCを実
送り周期45秒で割ると、各々、正規化されたピックアップ時間1.511及び
3.067をもたらす。「Ti正規化」コラム608の下に12の処理段階の各
々に対する正規化ピックアップ時間が列挙されている。
【0041】 Ti値の整数部分を引くと、τi値、すなわち、送り周期の始めから測り、1送
り周期の単位で表された、それぞれのモジュールがロボットのサービスを受ける
必要がある利用可能時間をもたらす。図によれば、VP及びVPCのτi値は0
.511及び0.067であり、これは、VPは、1送り周期の0.511間隔
以内にサービスを受ける必要があり、VPCは、1送り時間の0.67間隔以内
にサービスを受ける必要があることを示す。コラム610に、正規化τi値の一
覧が示されている。図612は、12回の移動と送り周期以内にサービスを受け
る必要がある時間との合計である負荷を図的表示である。図7は、別の見方によ
る同じ情報を示す。ロボット運搬時間が大体5及び6秒であることから、1つの
ロボットが45秒の送り周期内で行うことができる移動回数は(45/6)〜7
であり、例えば内輪に見積もって6回の移動となる。従って、グラフ700では
6つの垂直線が引かれている。全てが1つの間隔710以内にあるSBC702
、DEV704、HB706、及び、カセット708など、モジュールがロボッ
トからサービスを受ける必要がある時間が1つの間隔以内にある時、それは、モ
ジュールが、与えられた時間においてロボットの同じ移動に関して争っているこ
とを意味する。詳しく言えば、1つのロボットを使用するタスクが2つ又はそれ
以上ある場合、及び、これらのタスクのτ値が6つの間隔の1つの中に該当する
場合、それは、ロボットが2つ又はそれ以上のタスクの各々に仕える時間が不十
分であることを意味する。 以下の段階で説明するように、ロボットの使用に関するタスク間のこれらの「
コンフリクト」は解決される。
【0042】 ・段階3−運搬負荷の「割り当て」:製造システムにおけるコンフリクトを解
消する第1の段階は、均衡の取れた運搬負荷を達成するためにロボット間で負荷
を均等に割り当てることである。コンフリクトはレシピに左右されるが、ロボッ
ト毎に負荷を小さくして割り当てると、それでもコンフリクト発生の機会が少な
くなる。しかし、負荷の均衡を取れる可能性は、ロボットに対するモジュールの
配置に左右される。まずい配置は、ロボットによるモジュールへのアクセス性を
制限し、均衡の取れた負荷は達成し難くなる。この例では、2つのロボットCE
S及びSIが各々2つのモジュールだけに仕えることができ、負荷の大部分を主
ロボットC−1とIBTA(ベイ間移送アーム)として知られる3つの専用ロボ
ットとに任すように配置がなっている。配置上の制約の下での運搬負荷の最良の
割り当ては、図7に示す通りである。主ロボットC−1には、6つのモジュール
、つまり、VPC712、CT714、SBC716、PEBC718、DEV
720、及び、HB722が割り当てられ、そのうちの3つであるSBC、DE
V、及び、HBは、上記の通り、ロボットの1つの移動に対して競合する。これ
らのコンフリクトは、次の段階で示すような待ち行列作成により解決されること
になる。
【0043】 ・段階4−同期化のための「待ち行列作成」:図8の表800の内容は、段階
3からの負荷割り当てのまとめである。待ち行列作成に関しては、主ロボットC
−1からサービスを受ける6つのモジュールのみ、すなわち、VPC802、C
T804、SBC806、PEBC808、DEV810、及び、HB812を
考慮する必要がある。残りのモジュールは、各々がそれらに仕える専用ロボット
であるIBTAを有するのでコンフリクトを経験するはずがない。目標コラム8
14において、6つのモジュールに対して目標タイミング概略値が設定されてい
る。表に示したモジュールの各々については、τ*をロボットに対するタスク間
のコンフリクトを排除するτの更新値とすると、τ*に関して対応する値が設定
されている。これらの6つのモジュールのうちの3つであるSBC806、DE
V810、及び、HB812のみが争っていることから、DEV及びHBである
2つのみがレシピにより規定されたτの当初の値と異なるタイミング目標を有す
る必要がある。タイミング目標は、コラム814に示されており、この6つのモ
ジュールの任意の対の間のタイミング間隔がロボット運搬時間(=6/45〜0
.1333)よりも大きくなるように設定されている。目標と当初に規定された
タイミング概略値との差はギャップと呼ばれ、コラム816に計算されている。
これらが、表に隣接するグラフ818で図的に示されている。「同期化アルゴリ
ズム」の別の目的は、重要処理段階に遅延が導入されないことを確実することで
ある。この例では、重要処理段階は、段階3(804)、段階4(806)、及
び、段階7(809)である。これらの段階に対応するモジュールには、一切の
待ち行列は追加されてはならず、すなわち、これらのモジュールの目標タイミン
グは、規定された値と同じであるべきである。ここで、「ギャップ」コラム81
6で計算されたギャップを式(3)に代入し、これらのギャップを閉じることに
なる待ち行列を求めることができる。しかし、重要処理モジュールにおける遅延
を確実にゼロにするには、ギャップと待ち行列とを関係付ける行列818を式(
4)に従って変更し、変更行列820を作成する必要がある。「ギャップ」コラ
ム816からのギャップに変更行列822の逆行列を予め掛けることにより、ギ
ャップ824を閉じるのに必要とされる待ち行列が生み出される。待ち行列に対
する解は、「待ち行列コラム」826に移される。送り周期の単位を有する解は
、「実待ち行列コラム」828において実時間に変換される。 ・段階5−解の「検査」:ここで、段階4で決められた待ち行列は、当初のレ
シピのモジュール処理時間に加えられる。これは、コンフリクトが解消されたか
どうか確認するためである。図に示す通り、事実、この場合は解消されている。
【0044】 ロボットの割り当て スケジューリング問題の自動化と言うに値する別の態様は、モジュールへのロ
ボットの割り当てである。例えば、上記の段階3では、連続するモジュールの各
対の間に単一のロボットを割り当てるレシピが選択され、この割り当てが図7に
示すレシピに示されている。この割り当ては、多くの可能な割り当ての中から選
択されたものである。 一般的に、待ち行列の決定の前に最適のロボット割り当てを判断するアルゴリ
ズムの必要性がある。そのようなアルゴリズムの必要性は、以下の例で示される
。仮に、Mod1、Mod2、及び、Mod3と標記された3つのモジュールか
ら成る簡素化された追跡システムがあるとする。また、仮に、両方が3つのモジ
ュールの全てに仕えることができるRobot1及びRobot2という2つの
ロボットがあるとする。送り周期を変数SPで表すものとする。送り周期の単位
でτ1=0.0、τ2=0.6、及び、τ3=0.7と仮定し、ロボットは、SP
の単位で0.3だけ移動できると仮定する。可能なロボット割り当ては4つある
。 割り当て Mod1対Mod2 Mod2対Mod3 1. Robot1 Robot1 2. Robot2 Robot2 3. Robot1 Robot2 4. Robot2 Robot1
【0045】 調べてみると、割り当て3及び4のみが実行可能である。割り当て1及び2で
は、τ2=0.6とτ3=0.7との間の時間間隔は、0.1送り周期であり、こ
れは、ロボットが移動するのに必要とされる0.3送り周期よりも小さい。従っ
て、最適な割り当ては、この場合は割り当て#3及び#4であり、これらの数値
の間の時間間隔が十分な隔たりを有するので、このロボット割り当ては、遅延を
挿入する必要性を排除する。例えば負荷の均衡化や処理量の増加である他の判断
基準を同じく最適なロボット割り当ての判断の中に持ち込んでも良い。上記の簡
単な例よりも複雑な事例においては、最適なロボット割り当てを判断するような
アルゴリズムが必要である。
【0046】 そのような割り当てを実行する1つの方法は、全ての可能なロボット割り当て
を作成して各割り当ての有効性を判断する単に消耗的な技術であり、それは、す
なわち、ロボットに割り当てられた全てのモジュールがロボットをそれらに仕え
させるのに必要な十分に異なるτ値を有することを確実にする。このようにして
作成された割り当てはまた、負荷の均衡化などの追加の判断基準に対して選択さ
れてもよい。
【0047】 更新されたタイミング(τ*)に対する解 自動化と言うに値する同期化の別の特徴は、τ*として与えられる更新された
タイミングの誘導である。詳しく述べると、上記で概説したアルゴリズムの段階
4において、アルゴリズムには、ロボットを共有する任意の2つのモジュールに
対してそれぞれのτ*値がロボットのモジュール間の移動を可能にするのに十分
な時間だけ異なる、τ*の更新された値が与えられた。これらのτ*値を誘導する
自動的な方法の必要性が存在する。1つのそのような技術は、以下の通りである
【0048】 コンフリクトを有するロボットに対して、そのモジュールの各々に対するτ値
を取る。 これらのτ値の各々の組み合わせに対して、最低値から最高値までτ値を分類
する。τ値の分類されたリストの各々に対して以下を実行する。 ・最低値から最高値までτ値によって連続的に進行する。 ・与えられたτ値とその前のτ値との差を判断する。 ・その差がロボットが移動するのに割り当てられた時間よりも小さい場合、τ
値を十分に増分させる。 ・次のτ値に進む。 このアルゴリズムが、与えられたロボットに対してコンフリクトを排除する更
新されたτ値のセットを見つけた時、これらのτ値はτ*値となる。コンフリク
トのないτ*値のグループが存在する場合、上記で概説したアルゴリズムがそれ
を見出すことになるのを証明することができる。
【0049】 遺伝子アルゴリズム 同期化、ロボットの割り当て、及び、誘導に関する問題はまた、遺伝子アルゴ
リズム(GA)を使用することによって解決することができる。GAは、問題の
可能な状態を符号化する遺伝子の初期母集団を用いて始める反復処理である。こ
の母集団は、選択的増殖処理を通じて反復毎に系統的に改善される。選択的増殖
を行うために、GAは、a)種の特性を規定し、b)種の適合性を判断する必要
がある。
【0050】 種の特性:種は、n個の遺伝子により特徴づけられる。ここでの問題には、2
種類の遺伝子が用いられ、1つはロボット割り当てを表す遺伝子であり、もう1
つは待ち行列セグメントを表す遺伝子である。先のアルゴリズムの説明で用いた
例を検討することにする。ロボット割り当ては、1から4までの範囲に及ぶこと
になり、どのロボットが特定の1つのモジュールで働くことになるかを示す。待
ち行列セグメントはまた、ロボット割り当てのコンフリクトを回避するためにい
くつの「時間帯」、すなわち、ロボット移動時間がモジュールの到着時間に加え
られるべきかを示す整数でもある。先の例では、図6の612で示すように、モ
ジュールは、6つの異なる時間帯で到着する。1つの時間帯に例えば5つのモジ
ュールが到着する場合、コンフリクトが生じる。モジュールの1つに待ち行列セ
グメントが追加されると、到着時間を次の時間帯に押しやることになり、従って
コンフリクトが解消される。
【0051】 種の適合性:種の「悪さ」の逆数により適合性を測定することができる。逆に
、悪さは、コンフリクトの程度と追加待ち行列セグメントの数との加重和により
測定することができる。理想的な種は、追加セグメントを有さず、ロボット割り
当てにコンフリクトをもたらさない種である。 適合性関数を誘導するために、各時間帯が走査され、各ロボットについて余分
な割り当ての数が計数される。結果は、全てのロボット及び全ての時間帯につい
て合計され、この合計をsと呼ぶ。更に進んで、追加待ち行列セグメント数が計
数され、その数をtと呼ぶ。そうすると、適合性関数は以下のようになる。 f(s,t)=1/(1+w1s+w2t) ここで、重みw1及びw2は、tに対するsの相対的な重要度に従って割り当て
られる。
【0052】 レシピのカスケーディング 本発明の実施形態は、クラスタツールが周期性を保ち重要なポイントで遅延が
ないことを確実にしながら、第1のレシピから第2のレシピに切り換わることを
可能にする。この手順は、レシピのカスケーディングと呼ばれる。カスケーディ
ングは、ウェーハの以下搬出ロットと呼ぶ第1のロットをクラスタツールから空
にして、同時にかつ連続して以下搬入ロットと呼ぶもう1つのロットでクラスタ
ツールの場所を占めさせる段階を伴う。この手順は、重要処理段階で遅延が発生
することなく、また、レシピと搬入及び搬出ロットの処理量要件とで必要とされ
るもの以外の追加のロボット及び処理モジュールもなく実行されることになる。
搬入ロットはまた、搬出ロットとは異なるレシピ及び処理量要件を有してもよい
【0053】 表記法 本明細書のレシピ・カスケーディングの検討においては、以下のパラメータが
採用される。 mex =処理段階数、上付き文字(en、ex)は、以下で搬入又は搬出ロットを示す
。 nex =クラスタツールを完全に空にする搬出ウェーハ数、又は、クラスタツールの場
所を完全に占める搬入ウェーハ数。 =(i-1)番目及びi番目ウェーハの送り出しの間の時間間隔であるi番目ウ
ェーハの送り周期。 =定常状態のウェーハの送り周期。 =搬出ロットのj番目処理モジュールでの切り換えに適応するための搬入ロット
の1番目ウェーハの送り出しの遅延。 COj =搬出ロットのj番目処理モジュールを新しい設定に切り換えるのに要する時間
=k番目ロボットにより運搬されたj番目モジュールにおけるi番目ウェーハの
到着時間。 =k番目ロボットにより運搬されたj番目モジュールからのi番目ウェーハの出
発時間。 =搬出ロットのj番目処理段階の処理時間。 =搬出ロットの(j-1)番目及びj番目処理段階の間の運搬時間。 =搬出ロットのj番目処理段階におけるi番目ウェーハに追加される待ち行列。
【0054】 レシピ・カスケーディングの性質 図9は、一般的なレシピ900を示す。それは、ウェーハがクラスタツールを
通過する時にウェーハに対して実行される処理及び運搬タスクと各タスクのタイ
ミングとを指定する。処理量要件を満たすには、図10に示すように、後続のウ
ェーハは、一定の送り周期でクラスタツールを通って送られる。この送り周期S
P1000は、以下で与えられる。 SP=3600/WPH ここで、WPHは、1時間当たりのウェーハで表される処理量要件である。
【0055】 n番目ウェーハにより、クラスタツールは、ウェーハで完全に占められること
になる。クラスタツールから出るどのウェーハに対しても、それを補充するため
に入るウェーハがある。ウェーハに対して実行される全ての処理及び運搬タスク
は周期的に起こり、その周期性は、送り周期で設定される。システムがこの段階
に達した時、定常状態にあるといわれる。クラスタツールを完全に占め、定常状
態まで迅速に達するのに必要とされるウェーハ数nは、次式で与えられる。 n=1+INT(π/SP) (A) ここで、πは、図9の902に示すように、ウェーハに対して実行される総処
理及び運搬時間である。記号INT(・)は、数字を最も近い整数に丸める関数
を示す。上記の式は、定常状態から外れクラスタツールを完全に空にするための
ロットのウェーハ数にも適用される。定常状態では、全てのウェーハは、同一の
時間間隔でウェーハに対して実行される同一の処理及び運搬タスクを有する。従
って、クラスタツール内部のウェーハの動きを追跡する必要はない。
【0056】 しかしながら、レシピ・カスケーディングの間、ウェーハは、図11に示すよ
うに搬出ロットの定常状態から搬入ロットの定常状態への移行期間にある。移行
期間の間は、搬出ロットに対して規定されたレシピ及び送り周期に従って処理及
び運搬されるウェーハもあれば、搬入ロットに対して規定されたレシピに従って
処理及び運搬されるウェーハもあることになる。周期性は、従って、維持するこ
とができない。「コンフリクト」が起こることになる。「コンフリクト」は、2
つの状況を意味する。処理コンフリクトと呼ばれる一方の状況では、2つのモジ
ュールは、同じ処理モジュールによってその段階の処理時間よりも短い間隔内で
連続的に処理される必要がある。運搬コンフリクトと呼ばれるもう一方の状況で
は、2つのウェーハは、同じロボットによってロボット運搬時間よりも短い間隔
内で連続的に運搬される必要がある。
【0057】 コンフリクトに対する1つの解決策は、より多くのモジュール及びロボットを
追加することである。この解決策は、経費が掛かり実用的ではない。別の解決策
は、優先権規則セットを装備し、「if-then」アルゴリズムを実行してコ
ンフリクトに対処することである。この解決策は、その組み合わせ的性質のため
に、最終的にカオス及び予測不可能性をもたらす、結果の非常に大きな組み合わ
せを発生する。根本的な解決策は、搬入ロットのウェーハを送り出す適切なタイ
ミングと搬出及び搬入ロットの両方の非重要処理段階での故意の遅延の挿入とを
通してコンフリクトを完全に排除することである。これが本明細書で説明するレ
シピ・カスケーディングの背後にある原理である。
【0058】 手順 段階1−移行中のウェーハ数の推定:移行期間中、搬入ロットがクラスタツー
ルを充足する一方で、搬出ロットは、それを空にしている。移行に関わるウェー
ハ数は、式(A)を使用して見積もることができる。見積用のアルゴリズムは、
以下の通りである。
【0059】
【数7】
【0060】 段階2−「遅延」の下限の推定:搬入ロットのウェーハを送り出すタイミング
は、コンフリクト発生の原因となる主要な変数である。従って、送り出しの適切
なタイミングが重要である。それに加えて、以下で「遅延」と呼ぶ1番目のウェ
ーハを送り出すタイミングは、それが処理モジュールを搬入ロットで要求される
新しい設定に切り換えるのに必要とされる時間を準備するようにすべきである。
その結果、搬入ロットの1番目ウェーハが到着する時には、切り換えが完了して
おり、処理モジュールは、それを受け取る準備が整っている。搬入ロットのレシ
ピで必要とされるモジュール切換回数と同じ位多くの「遅延」があることになる
。それらの最大値が遅延の下限である。コンフリクト解消のために考えられるい
かなる遅延量も、この下限よりも大きくなければならない。図12を参照すると
、この下限は、以下のように導くことができる。
【0061】
【数8】
【0062】 以下は、式(B)に従って遅延の下限を推定するアルゴリズムである。
【0063】
【数9】
【0064】 段階3−移行期間のウェーハの動きの追跡:移行期間のウェーハの動きを追跡
することができる。k番目ロボットにより運搬されたj番目モジュールにおける
i番目ウェーハの到着時間 は、以前の(j−1)番目処理モジュールからの出発時間 に(j−1)番目からj番目モジュールまでの運搬時間tjを加えたものである
【0065】
【数10】
【0066】 逆に、j番目モジュールからの出発時間は、到着時間に処理時間とコンフリク
ト解消のために故意に挿入された待ち行列とを加えたものである。
【0067】
【数11】
【0068】 上記の式(C)及び(D)の再帰公式により、移行期間のウェーハの動きを精
密に計画することができる。すなわち、搬出ロットの最終ウェーハが送り出され
て移行期間が始まった時からの時間を測ると、図11を参照されたいが、以下の
アルゴリズムに従って処理モジュールにおけるウェーハの到着及び出発を計算す
ることができる。移行期間以外の到着及び出発時間は考えられておらず、従って
、大きな負の値が標記される。図11を参照されたいが、搬出ロットのウェーハ
に対しては以下のようになる。
【0069】
【数12】
【0070】 搬入ロットのウェーハに対しては、以下のようになる。
【0071】
【数13】
【0072】 段階4−コンフリクトの識別:到着時間Tijk in、及び、出発時間Tijk out
決めたら、コンフリクトの有無を検査することができる。処理コンフリクトは、
j番目処理段階での処理モジュールが、m番目及びn番目の1対のウェーハを処
理時間よりも短い時間間隔以内に連続的に処理するために呼ばれた時に発生する
。換言すると、m番目ウェーハがモジュールから出発する前にn番目ウェーハが
到着するわけである。すなわち、以下が真の場合にコンフリクトが発生する。
【0073】
【数14】
【0074】 上記の論理ステートメントを使用して全ての処理段階に対する(m、n)対の
全ての可能な組み合わせを調べることにより、全ての処理コンフリクトを識別す
ることができる。 For j=1 to (mex+men) For m=1 to (nex+nen) For n=1 to m−1 以下が成り立てば「コンフリクト」である。
【0075】
【数15】
【0076】 next m next n
【0077】 同様に、運搬コンフリクトは、k番目ロボットであるロボットがm番目及びn
番目の2つのウェーハを運搬時間よりも短い時間間隔以内に連続的に運搬するた
めに呼ばれた時に発生する。換言すると、m番目ウェーハの到着とn番目ウェー
ハの出発との間の時間間隔が運搬時間よりも短いわけである。すなわち、以下が
真の場合に運搬コンフリクトが発生する。
【0078】
【数16】
【0079】 上記において、記号|・|は絶対値を示し、「g」は、ロボットが1回の運搬
移動を行うために割り当てられた時間である。時間「g」は、ロボットの運搬時
間より大きいか、又は、ロボットの運搬時間に等しい。上記の論理ステートメン
トを使用して全ての処理段階に対する(m、n)対の全ての可能な組み合わせを
調べることにより、全ての運搬コンフリクトを判断することができる。 For j=1 to (mex+men) For m=1 to (nex+nen) For n=1 to m−1 以下が成り立てば「コンフリクト」である。
【0080】
【数17】
【0081】 next m next n
【0082】 段階5−適切な待ち行列及び送り出しによるコンフリクトの解消:式(E)か
ら式(G)には、特定ロボットによる処理モジュールでのウェーハの到着及び出
発時間の計算に使用されるまだ未決定の3つの変数があることに留意されたい。
これらは、待ち行列qij ex及びqij enと呼ばれる故意の遅延と、搬入ロットのウ
ェーハを送り出すタイミングSPj enとである。コンフリクトがなく全待ち行列
が最小化されるようにこれら3つの変数の最良の組み合わせを見つけるため、最
適化法が使用される。遺伝子アルゴリズムは、そのような最適化法の1つである
。他の最適化法は、当業者には明らかであろう。 本発明の様々な実施形態の上記の説明は、例証及び説明を目的として提示した
ものである。本発明を開示したその正確な形態に限定することは意図していない
。多くの変更及び同等な構成は明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各点が1送り周期の間隔によって分離された、ウェーハがクラスタツール内に
搭載される点を示す時間線図である。
【図2】 ピックアップ時間が送り周期で正規化された、処理iにおける3つのウェーハ
の相対及び絶対ピックアップ時間のほかピックアップ時間の仮数を示す図である
【図3】 クラスタツールの様々なモジュール及び運搬モジュールを示す図である。
【図4】 クラスタツールのモジュール経路を示すグラフ及び対応する表である。
【図5】 クラスタツールのレシピを示す表である。
【図6】 1つの送り周期内で6つの可能なロボットの動きがあるために送り周期が6つ
の小間隔に分割されている、送り周期において生じるモジュールピックアップ時
間のグラフ及び対応する表である。
【図7】 ロボットに割り当てられた2つのモジュールが1つの周期内にピックアップ要
求を有する時のコンフリクトが示されている、ロボットへアクセスする処理の間
に起こるコンフリクトを示すグラフ及び対応する表である。
【図8】 ロボットへアクセスするモジュール間のコンフリクトを排除する待ち行列の挿
入を示す、グラフと付随する表及び行列とを示す図である。
【図9】 クラスタツールにおけるレシピとレシピ時間とを示す図である。
【図10】 クラスタツールで定常状態にあるウェーハの流れを示す図である。
【図11】 クラスタツールが搬入ロット及び出口側ロットを処理する移行期間を示す図で
ある。
【図12】 本発明の実施形態によるクラスタツールにおける搬入ロットの1番目のウェー
ハのタイミングを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW 【要約の続き】

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の処理段階シーケンスと前記第1の処理段階シーケンス
    の各処理段階に対応する処理時間を含む第1の複数の処理時間とを有する第1の
    レシピに従って各々が処理される第1の複数のウェーハを、第1の送り周期で区
    切られた間隔で前記第1の複数のウェーハが個別に搭載されるウェーハ・クラス
    タツールの中に搭載する段階と、 第2の処理段階シーケンスと前記第2の処理段階シーケンスの各処理段階に対
    応する処理時間を含む第2の複数の処理時間とを有する第2のレシピに従って各
    々が処理される第2の複数のウェーハを、第2の送り周期で区切られた間隔で前
    記第2の複数のウェーハが個別に搭載されるウェーハ・クラスタツールの中に搭
    載する段階と、 を含み、 前記クラスタツールは、前記クラスタツールが前記第1の複数のウェーハのう
    ちの1つ又はそれ以上のウェーハを前記第1のレシピに従って処理し、かつ、前
    記第2の複数のウェーハのうちの1つ又はそれ以上のウェーハを前記第2のレシ
    ピに従って処理する移行期間を有する、 ことを特徴とするウェーハ処理の方法。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の処理段階シーケンスが同一であることを
    特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の送り周期及び前記第2の送り周期が等しいことを
    特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の複数のウェーハは、ウェーハ・クラスタ
    ツールで処理されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ウェーハ・クラスタツールは、複数の処理チャンバを含
    むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の処理段階シーケンスの各処理段階は、前記複数の
    処理チャンバからの1つの処理チャンバで実行されることを特徴とする請求項5
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の複数のウェーハの各ウェーハは、第1の送り周期
    で区切られた間隔で前記ウェーハ・クラスタツールから放出されることを特徴と
    する請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の複数のウェーハの各ウェーハは、第2の送り周期
    で区切られた間隔で前記ウェーハ・クラスタツールから放出されることを特徴と
    する請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 第1のレシピに従って各々が処理される第1の複数のウェー
    ハが処理される第1の期間中にウェーハ処理システムのスケジュールを組む手段
    と、 第2のレシピに従って各々が処理される第2の複数のウェーハが処理される第
    2の期間中に前記ウェーハ処理システムのスケジュールを組む手段と、 第3の複数のウェーハが、前記第3の複数のウェーハのうちの1つ又はそれ以
    上のウェーハが前記第1のレシピに従って処理され、かつ、前記第3の複数のウ
    ェーハのうちの1つ又はそれ以上のウェーハが前記第2のレシピに従って処理さ
    れるように処理される第3の期間中に前記ウェーハ処理システムのスケジュール
    を組む手段と、 を含むことを特徴とする、ウェーハ処理システムのスケジュールを組むための
    コンピュータプログラム製品。
  10. 【請求項10】 前記コンピュータプログラム製品は、前記ウェーハ処理シ
    ステムに結合されたサーバ上にあることを特徴とする請求項9に記載のコンピュ
    ータプログラム製品。
  11. 【請求項11】 前記ウェーハ処理システムは、ウェーハ・クラスタツール
    を含むことを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
  12. 【請求項12】 前記ウェーハ・クラスタツールは、前記第1、第2、及び
    、第3の複数のウェーハを移送する複数のロボットを含むことを特徴とする請求
    項11に記載のコンピュータプログラム製品。
  13. 【請求項13】 前記ウェーハ・クラスタツールは、前記第1、第2、及び
    、第3の複数のウェーハを処理するための複数の処理チャンバを含むことを特徴
    とする請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
  14. 【請求項14】 前記コンピュータプログラム製品は、前記複数のロボット
    の使用に関する前記複数の処理チャンバ間のコンフリクトを排除するように前記
    ウェーハ・クラスタツールのスケジュールを組むことを特徴とする請求項13に
    記載のコンピュータプログラム製品。
  15. 【請求項15】 前記コンピュータプログラム製品は、前記第1、第2、及
    び、第3の期間中に、リアルタイムでウェーハ処理システムのスケジュールを組
    むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。
  16. 【請求項16】 前記コンピュータプログラム製品は、前記ウェーハ処理シ
    ステムのスケジュールを組むために遺伝子アルゴリズムを使用することを特徴と
    する請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
  17. 【請求項17】 前記コンピュータプログラム製品は、前記ウェーハ処理シ
    ステムのスケジュールを組むために線形変換を使用することを特徴とする請求項
    10に記載のコンピュータプログラム製品。
  18. 【請求項18】 前記コンピュータプログラム製品は、前記第1の期間中に
    前記ウェーハ処理システムのスケジュールを組むために第1の線形変換を使用し
    、前記第2の期間中に前記ウェーハ処理システムのスケジュールを組むために第
    2の線形変換を使用し、前記第3の期間中に前記ウェーハ処理システムのスケジ
    ュールを組むために遺伝子アルゴリズムを使用することを特徴とする請求項10
    に記載のコンピュータプログラム製品。
  19. 【請求項19】 前記第1の複数のウェーハは、第1の一定速度で処理され
    ることを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
  20. 【請求項20】 前記第2の複数のウェーハは、第2の一定速度で処理され
    ることを特徴とする請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
  21. 【請求項21】 複数のウェーハを処理するための複数の処理チャンバを含
    むウェーハ・クラスタツールを作動させる方法であって、 均一な時間間隔を有する1送り周期の終了後に各々が搭載される複数のウェー
    ハをウェーハ・クラスタツールの中に搭載する段階と、 前記ウェーハ・クラスタツール内の処理チャンバに対する複数の処理時間を各
    々が含む複数のレシピに従って前記複数のウェーハが同時に処理される前記ウェ
    ーハ・クラスタツールにおいて前記複数のウェーハを処理する段階と、 を含むことを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 前記複数のウェーハは、前記複数のレシピの第1のレシピ
    に従って処理される2つ又はそれ以上のウェーハと、前記複数のレシピの第2の
    レシピに従って処理される2つ又はそれ以上のウェーハとを含むことを特徴とす
    る請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記ウェーハ・クラスタツールは、前記ウェーハ・クラス
    タツール内の前記複数の処理チャンバ間で前記ウェーハを移送する複数のロボッ
    トを含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記複数のロボットのロボット数は、前記複数の処理チャ
    ンバの処理チャンバ数よりも少ないことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記複数のウェーハを前記ウェーハ・クラスタツールから
    放出する段階を更に含み、 前記複数のウェーハの各ウェーハは、1送り周期の終わりに前記ウェーハ・ク
    ラスタツールから放出される、 ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 ウェーハ・クラスタツールのスケジュール組むためのコン
    ピュータシステムに結合されたウェーハ・クラスタツールのスケジュールを組む
    方法であって、 ウェーハ・クラスタツールに対する複数の処理時間を各々が含む複数のレシピ
    をコンピュータシステムに入力する段階と、 各々が均一な速度で処理される複数のウェーハを前記ウェーハ・クラスタツー
    ルが前記複数のレシピを用いて同時に処理することをスケジュールが可能にする
    ように、前記ウェーハ・クラスタツールに対するスケジュールを出力する段階と
    、 を含むことを特徴とする方法。
  27. 【請求項27】 前記スケジュールは、前記ウェーハ・クラスタツールの複
    数のロボットに対する複数のピックアップ時間を含むことを特徴とする請求項2
    6に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記複数のピックアップ時間は、複数のロボットに関する
    コンフリクトを排除することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記スケジュールは、前記複数のウェーハが処理されてい
    る間に前記コンピュータシステムによって計算されることを特徴とする請求項2
    6に記載の方法。
  30. 【請求項30】 遺伝子アルゴリズムが、前記スケジュールを判断するため
    に使用されることを特徴とする請求項28に記載の方法。
  31. 【請求項31】 線形変換が、前記スケジュールを判断するために使用され
    ることを特徴とする請求項28に記載の方法。
  32. 【請求項32】 線形変換及び遺伝子アルゴリズムが、前記スケジュールを
    判断するために使用されることを特徴とする請求項28に記載の方法。
  33. 【請求項33】 複数のウェーハからの1つのウェーハに対する複数の処理
    時間を各々が指定するような複数のレシピに従って処理される複数のウェーハを
    処理するための複数の処理チャンバと、 前記複数のウェーハを前記処理チャンバ間で運搬するための複数のウェーハ運
    搬装置と、 ウェーハ・クラスタツールに結合され、コンピュータシステム上で実行される
    コンピュータプログラムを含み、ウェーハ・クラスタツールが前記複数のウェー
    ハを同時に処理することを保証するスケジューラと、 を含むことを特徴とするウェーハ・クラスタツール。
  34. 【請求項34】 前記スケジューラは、前記コンピュータプログラムにコー
    ド化された遺伝子アルゴリズムを使用することにより、前記ウェーハ・クラスタ
    ツールに対するスケジュールを判断することを特徴とする請求項33に記載のウ
    ェーハ・クラスタツール。
  35. 【請求項35】 前記スケジューラは、前記コンピュータプログラムにコー
    ド化された線形変換を使用することにより、前記ウェーハ・クラスタツールに対
    するスケジュールを判断することを特徴とする請求項33に記載のウェーハ・ク
    ラスタツール。
  36. 【請求項36】 前記スケジューラは、前記複数のウェーハが前記ウェーハ
    ・クラスタツールにより処理される間に、リアルタイムで前記ウェーハ・クラス
    タツールに対するスケジュールを判断することを特徴とする請求項33に記載の
    ウェーハ・クラスタツール。
  37. 【請求項37】 前記ウェーハ・クラスタツールは、前記複数のウェーハの
    各ウェーハを均一な速度で処理することを特徴とする請求項33に記載のウェー
    ハ・クラスタツール。
  38. 【請求項38】 前記複数のウェーハ運搬装置からの少なくとも1つのウェ
    ーハ運搬装置は、前記複数の処理チャンバからの2つ又はそれ以上の処理チャン
    バ対によって使用されることを特徴とする請求項33に記載のウェーハ・クラス
    タツール。
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