JP2003525892A - 脂質担体 - Google Patents

脂質担体

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JP2003525892A
JP2003525892A JP2001564739A JP2001564739A JP2003525892A JP 2003525892 A JP2003525892 A JP 2003525892A JP 2001564739 A JP2001564739 A JP 2001564739A JP 2001564739 A JP2001564739 A JP 2001564739A JP 2003525892 A JP2003525892 A JP 2003525892A
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アンドレアース・フィシェール
クリスティーナ・アデ
ベングト・ヘーシュレフ
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リポコーア・ホールディング・アクチエボラーグ
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    • A61K9/48Preparations in capsules, e.g. of gelatin, of chocolate
    • A61K9/4841Filling excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/4858Organic compounds

Abstract

(57)【要約】 本発明は生物活性物質を制御放出させる脂質担体組成物に関する。本脂質担体組成物は、少なくとも1つのトリグリセリド油、ホスファチジルエタノールアミンおよびモノヘキソシルセラミドから成る群から選択される少なくとも1つの極性脂質、およびエタノールを含み、水性環境で保持される凝集構造を形成する能力をもつことを特徴とする。本発明はまた、前記脂質担体および前記担体中に溶解または分散された生物活性物質から成る医薬組成物、特に注射用組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、生物学的に活性な物質の投与、特に前記生物活性物質のin vivoで
の持続放出のための新規な脂質担体組成物に関する。
【0002】発明の背景 多くのタイプの薬剤にとって、例えば神経抑制薬(neuroleptic)、抗うつ剤
、抗精神病薬、抗生物質、抗菌剤、抗糖尿病薬および抗パーキンソン薬の場合に
は、in vivoデポ製剤の製造には問題がある。さらにまた、適当なデポ製剤がな
いことが問題となっている多くのホルモンおよびペプチド(例えば成長ホルモン
およびインスリン)が、細胞増殖抑制薬剤と同様に存在する。
【0003】 現在市場には、当業者に周知の制御放出、特に持続放出薬剤に適したいくつか
のデリバリー系がある。ポリマー系をベースにしたデポ系には多くの例がある。
これらの系では、活性化合物は、生物非分解性マトリックスから拡散により、ま
たはマトリックスの生物学的分解により、または水溶性ポリマーの場合には生物
液中でのポリマーの溶解により放出される。前記生物非分解性ポリマーは体内で
は顕著な変化を示さない。前記ポリマーはしばしば移植物に用いられるが、これ
らはしばしば外科的に除去する必要がある。さらに、生物分解性ポリマーは、移
植部位に炎症刺激を引き起こす危険性が潜在的に存在し、これはまた、水溶性ポ
リマーが体内で溶解する場合と同様である。ポリマー系における一般的な欠点は
、炎症刺激を惹起するということの他に、その取り込み能力とも関係があり、こ
の能力は多くの場合に低く、したがって極めて強力な医薬物質に限定される。実
際的な問題は、多くの異なる医薬物質を取り込み、取り込みレベルおよび放出基
準についてそれぞれの医薬物質の固有の要件を満たすためには多様なポリマーが
要求されるということである。
【0004】 脂質油系、例えばトリグリセリド油中の溶液または懸濁液(例えば固定油(US
P XXIII))もまた持続放出に用いられる。この系の欠点は、限られた数の化合物
のみ(脂肪族アシル基でエステル化されたプロドラッグを含む)が取り込み可能
であるということ、およびそのような化合物の放出速度に影響を与えることがで
きないということである。このことは、これらの系は非経口的デポ系としては価
値が限定されることを示唆している。他の非分散性脂質担体(すなわち油性ビヒ
クル)の医薬品における使用は極めて制限が多い。そのような系の経口デリバリ
ーでの使用は、脂質系自身の乳化特性および胃腸管での活性化合物の即時放出を
基本にしている。
【0005】 油および油性ビヒクル以外の他の脂質系は分散液(例えば脂質乳濁液およびリ
ポソーム)で、これらは、静脈内投与の後、取り込まれた医薬物質の限定的持続
放出を提供するだけである。持続放出デリバリー系として機能し得る筋肉内また
は皮下注射されたリポソームが文献に報告されたが、封入性能が低いことおよび
保存安定性が悪いことが問題として認識されている。
【0006】 分散液に関する欠点を回避するために、多数の熱力学的に安定な脂質系が開発
された。しかしながら、そのような系では、安定な液晶相を形成させるために水
と両親媒性脂質との相互作用をベースにしている。これまでに、そのような系で
は医薬としての利用に非常に制限が多いことが見いだされている。
【0007】従来技術 WO84/02076(Fluidcarbon International)では、水または水性系と接触した
とき、等軸液晶相を形成することができる両親媒性物質(例えばモノグリセリド
、卵黄ホスホリピドおよびガラクトリピド)から成る制御放出組成物が開示され
ている。 WO95/3428(GS Development AB)では、ジアシルグリセロール、ホスホリピド
および極性液体(これらは一緒になって限定的ミセルまたは液晶系を形成する)
をベースにした生物学的に活性な物質の徐放性組成物が開示されている。 WO92/05771(Kabi Pharmacia AB)では、生物活性物質のための担体として用
いることができるマトリックスを形成する脂質粒子が開示される。水性系と相互
作用したときに、前記マトリックスから脂質粒子が自発的に形成される。前記マ
トリックスは少なくとも2つの脂質成分から成り、その1つは極性を有し両親媒
性で、他方は極性をもたない。前記脂質成分の1つは二重層形成性でもなければ
ならない。ホスファチジルコリンが全ての例で極性脂質として用いられている。
この系は水で自己分散性を示し、したがって取り込まれた生物活性化合物のより
迅速な放出を提供する。
【0008】 US4,610,868(The Liposome Company, Inc,)は、in vivoおよびin vitroで生
物活性を有する薬剤の持続放出を提供する脂質マトリックス担体(LMC)につい
て記載している。前記LMCは、約500から約100000nmの範囲の直径を
もち、疎水性化合物と両親媒性化合物で構成された球形構造物として記載されて
いる。これらの球形構造物は、脂質混合物の有機溶媒への溶解、前記有機溶液の
水相中での激しい撹拌、および前記有機溶媒の蒸発を含む手間を要する方法で製
造される。 US5,912,271(Astra AB)は、1つまたは2つ以上の局所麻酔剤、極性脂質、
トリアシルグリセロールおよび場合によって水を含む局所投与用の新規な医薬調
製物について述べている。前記極性脂質は、好ましくはスフィンゴリピドまたは
ガラクトリピド(例えば牛乳または卵黄由来のスフィンゴリピド)であるが、こ
れらは例示として用いられている。
【0009】 WO95/20945(Karlshamns Lipidteknik AB)は、連続した脂質相を有し、非極
性脂質と組み合わされた極性脂質物質(少なくとも50%のジガラクトシル−ジ
アシルグリセロールから成るガラクトリピド)および場合によって極性溶媒を含
む親油性担体調製物に関する。 それでもなお、前記ポリマー系または水分含有脂質系のそれぞれの欠点をもた
ないが、異なる化学的物理的特性を有する多様な医薬物質の持続放出が可能で、
さらにそれら物質の取り込みに十分な能力を有する医薬担体系が現在必要とされ
ている。
【0010】発明の詳述 驚くべきことには、下記に述べる組成の脂質担体は、取り込まれた化合物との
凝集構造を水性環境中で維持する能力を有し、したがって取り込まれた生物学的
に活性な物質の制御放出、例えば持続放出のために使用できることが見いだされ
た。本発明の脂質担体の脂質は、ヒトの細胞または膜の通常成分であるか、また
はヒト食物に相当な量で存在する脂質成分をベースにしている。このことは、前
記脂質はヒトの組織に対し生体適合性を有し、対応する内因性脂質と同じ態様で
代謝されることを意味している。
【0011】 本発明は生物活性を有する物質の制御放出に適した脂質担体組成物に関する。
本組成物は、少なくとも1つのトリグリセリド油、およびホスファチジルエタノ
ールアミンおよびモノヘキソシルセラミドから成る群から選ばれる少なくとも1
つの極性脂質、およびエタノールを含み、水性環境中で維持される凝集構造を形
成する能力をもつことを特徴とする。 本発明の好ましい特徴にしたがえば、前記極性脂質のアシル基(これは同一で
も異なっていてもよい)は、好ましくは12〜28の炭素原子を有する不飽和ま
たは飽和脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸に由来する。
【0012】 前記ホスファチジルエタノールアミンは、全ての植物油のレシチン成分、例え
ばダイズレシチン、ナタネレシチン、ヒマワリレシチン、トウモロコシレシチン
、綿実レシチンから得られるが、また動物性供給源(例えば卵黄、牛乳(もしく
は他の乳製品))および動物の器官もしくは材料(脳、脾臓、肝臓、腎臓、赤血球
)、または当業者には周知の他の任意の供給源からも得ることができる。しかし
ながら、実際的な理由から、前記ホスファチジルエタノールアミンは、好ましく
はダイズレシチンおよび卵黄から得られる。ホスファチジルエタノールアミン(
PE)の化学構造は以下のように模式的に表すことができる:
【0013】
【化1】
【0014】 式中、R1およびR2はそれぞれ別個に場合によっては置換されている脂肪酸残
基を表す。 本発明の好ましい特徴にしたがえば、ホスファチジルエタノールアミンは卵の
PEまたはジオレイル−PEである。
【0015】 モノヘキソシルセラミド(CMH)(モノグリコシルセラミドまたはセレブロ
シドと称される場合もある)は合成されたものでも、または牛乳(もしくは他の
乳製品)、動物の器官もしくは材料(脳、脾臓、肝臓、腎臓、赤血球)および植
物由来でもよい。実際的理由から、前記モノヘキソシルセラミドは、好ましくは
牛乳または他の乳製品から得られる。乳漿濃縮物由来のCMHでは、アミドの窒
素と結合した脂肪アシル鎖の大半は組成が22:0、23:0および24:0で
ある。植物由来のCMHでは、アミドの窒素と結合した脂肪アシル鎖の大半は2
−ヒドロキシ脂肪酸である。モノヘキソシルセラミド(CMH)の化学構造は以
下のように模式的に表すことができる:
【0016】
【化2】 式中、R1およびR2はそれぞれ別個に場合によっては置換されている脂肪酸残
基を表す。
【0017】 本発明の脂質担体組成物中の非極性トリグリセリド油(また別の用語ではトリ
アシルグリセロール)は、好ましくは、アシル基が8〜22の炭素原子を有する
不飽和もしくは飽和脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸由来のトリグリセリド油であ
る。前記トリグリセリド油は、天然の植物油群、半合成油群(中鎖トリグリセリ
ド油(分別化ココナッツ油とも称される)、アセチル化モノグリセリド油から成
るが、ただしこれらに限定されない)、動物油群(バター油、魚油から成るが、
ただしこれらに限定されない)またはこれら3つの群のいずれかに由来するもの
の任意の混合物から選択することができる。前記天然の植物油群は、ダイズ油、
ゴマ油、ヤシ油(または分別ヤシ油)、サフラワー油、マツヨイグサ油、ヒマワ
リ油、ナタネ油、アマニ油、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、オリーブ油、
ヒマシ油(または分別ヒマシ油、例えばトリリシネオリン)から成るが、ただし
これらに限定されない。規制の面からみて、トリグリセリド油はダイズ油、ゴマ
油、中鎖トリグリセリド油、ヒマシ油またはこれらの混合物からなる群から選択
されるのが好ましい。
【0018】 本発明の脂質担体系の持続放出特性は脂質組成に依存し、さらに脂質成分の割
合を選択することにより制御することができる。前記割合はまた、固有の生物活
性物質の取り込みを最適にするために、または混合物の粘度を制御するために選
択することができる。皮下注射、筋肉内注射もしくは皮内注射、または経口投与
または眼、歯もしくは皮膚投与に適した脂質担体組成物を得るために、以下の割
合の脂質成分を選択できる:非極性脂質60〜98%、極性脂質0.1〜40%
およびエタノール0.1〜30%。注射用調製物を得るためには、トリグリセリ
ドは好ましくは周囲温度で液体でなければならない。
【0019】 本発明はしたがってまた、少なくとも1つの極性脂質(ホスファチジルエタノ
ールアミンおよびモノヘキソシルセラミドから成る群から選択される)0.1〜
40重量%と組み合わされたトリグリセリド60〜98重量%、およびエタノー
ル0.1〜30重量%から成る脂質担体に関する。
【0020】 脂質担体の所望される個々の特性に応じて、極性脂質の含有量を調節できる。
水性環境中での脂質担体の性能はまた、選択されたトリグリセリド、エタノール
含有量および可能な添加物の有無に左右される。エタノールの含有量が高い脂質
担体組成物では、水溶液中での担体の凝集性を維持するために極性脂質の含有量
もまた高くあってもよい。 本発明は特に、ホスファチジルエタノールアミン(PE)の含有量が全担体組
成物の5〜40重量%、好ましくは10〜25%の脂質担体に関する。
【0021】 したがって別の好ましい特徴にしたがえば、本発明は、モノヘキソシルセラミ
ド(CMH)の含有量が全担体組成物の0.1〜25重量%、好ましくは0.3〜
10%の脂質担体に関する。PEと比較してCMHの含有量が一般的に低いのは
、水溶液中で脂質担体にその凝集性構造を付与するCMHの能力がより高いこと
によるものである。
【0022】 1つまたは2つ以上の添加物、例えばグリセロール、ポリエチレングリコール
、プロピレングリコール、脂肪アルコール、ステロール、モノグリセリド、テト
ラグリコール、プロピレンカーボネート、並びにポリエチレンオキシドおよびプ
ロピレンオキシドのコポリマーまたはそれらの混合物を、全担体組成物の約30
重量%までの量で担体中に取り込ませてもよい。前記添加物は可溶性を改善する
能力および担体の物理的特性を変化させる能力を備えているものでもよい。物理
的特性、例えば極性および粘度を変化させることによって、放出プロフィールを
変更させることができる。本担体に取り込ませることが可能で、本担体の活性物
質またはその放出に悪影響を与えない他のいずれの添加物も使用できる。
【0023】 本発明の種々の脂質組成物の共通の特色は、種々の水性媒体と接触させたとき
の本担体組成物の凝集性の様相である。これは、多様な多くの水性相(例えば蒸
留水、0.1MHCl(pH1)、0.1MNaOH(pH13)、ヒトの血液お
よび細胞間質液の塩濃度およびpHと類似する緩衝溶液(20mMHepes、1
50mMNaCl、0.01%(w/w)NaN3、(pH7.4))、ヒトの胃液の塩
濃度、pHおよびペプシン濃度と類似する溶液(2.0gNaCl、3.2gペプ
シン、80mLの1MHCl、蒸留水で1000mLにする)および酸性生理食塩水
(70mMNaCl、pH1.0)で観察された。本発明の担体組成物が、上記に
記載したような多様な水性相に注入または静置されたとき、その凝集性(しばし
ばゲル様外観または構造)を維持するという事実は、本担体組成物を多くの多様
な制御放出用担体組成物に使用することを可能にする。
【0024】 本発明は、in vivoで生物活性物質を制御放出させる注射用デポ製剤の製造で
述べるように脂質担体を使用することに関する。好ましい投与態様は皮下、筋肉
内または皮内注射である。非経口用デポ剤への応用に本発明を使用できることは
自明であるが、その他の使用も当業者には明らかであろう。例えば、本担体は医
薬物質の経口デリバリーのために用いることができる。ヒトの胃液に類似する水
溶液中でのその凝集の様相のために、本担体が胃のような環境中で医薬物質を保
護する利用法を考えることはさらに容易である。本発明の脂質担体の他の可能な
用途は経口用製品中の薬剤の味を隠蔽するものである。したがって本発明の特徴
は特に、in vivoで生物活性物質を制御放出する経口製剤の製造のために本発明
の脂質担体を使用することである。
【0025】 眼科用および歯科用の徐放性製剤、 および他の局所用製剤(例えば皮膚用ゲル
および軟膏)、および粘膜に局所的に投与される製剤もまた、医薬組成物中で油
が使用される他の適用例(これらは当業者には自明である)と同様に想定される
用途である。本発明はまた、in vivoで生物活性物質を制御放出する眼科、歯科
または皮膚用製剤の製造について記載するように脂質担体を使用することに関す
る。
【0026】 デポ製剤は製薬工業にとって一般に重要である。本発明はまた、生物活性物質
を制御放出する医薬組成物に関する。前記組成物は、a)少なくとも1つのトリ
グリセリド油とホスファチジルエタノールアミンおよびモノヘキソシルセラミド
から成る群から選択される少なくとも1つの極性脂質との組み合わせおよびエタ
ノールを含む脂質担体であって、前記担体が水性環境中で保持される凝集構造を
形成する能力を有する脂質担体、およびb)前記担体中に溶解または分散された
生物活性物質から成る。
【0027】 本発明の医薬組成物は特に、前記脂質担体が、生物活性物質の他に、担体の総
重量を基準にして、トリグリセリド60〜98重量%とホスファチジルエタノー
ルアミンおよびモノヘキソシルセラミドの少なくとも1つの0.1〜40重量%
との組み合わせ、およびエタノール0.1〜30重量%から成ることを特徴とす
る。
【0028】 本発明の医薬組成物は、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、脂肪アルコール、ステロール、モノグリセリド、テトラグリコール
、プロピレンカーボネート、並びにポリエチレンオキシドおよびポリプロピレン
オキシドのコポリマー、並びにそれらの混合物から成る群から選択される1つま
たは2つ以上の添加物をさらに含むことができる。
【0029】 本発明の担体の使用は、担体の生物活性物質溶解能力に全く制限されない。本
担体のその得られた半固体の稠度のために、固体結晶および非晶質構造を均一に
担体中に分散および懸濁することが可能で、保存中に沈殿するのを防止すること
ができる。
【0030】 前記生物活性物質は生物学的に活性な物質と定義できる。これら物質は、医学
または獣医学分野、化粧品、食品および農業分野で用いることができる。 本発明は特に、その生物活性物質が神経抑制薬、抗うつ剤、抗精神病薬、抗生
物質、抗菌剤、抗ガン剤、抗パーキンソン薬、ホルモン、ミネラルおよびビタミ
ンから成る群から選択される医薬組成物に関する。
【0031】 組成物の実施例 以下の実施例では、脂質担体組成物中の種々のホスファチジルエタノールアミ
ンおよびスフィンゴリピド成分の使用可能性を説明するとともに、凝集構造を得
るために担体にエタノールを含有させる必要性を説明する。医薬組成物も説明す
る。本実施例では以下の材料を用いた: エタノール、99.5%(Kemetyl AB, Sweden); 緩衝溶液、pH7.4(20mMHepes、150mMNaCl、0.01%(w
/w)NaN3から成る) MCT油(中鎖トリグリセリド油)(Croda Oleochemicals, England)を本担
体組成物実施例で用いた。
【0032】ホスファチジルエタノールアミンを含む担体組成物の実施例 担体成分(MCT油/PE/エタノール)の相対比率(RP)は各成分につい
て%(w/w)で示される。以下のPE化合物を実施例で用いた: ジパルミトイル−PE(CHEMI S.p.A., Italy); ジステアロイル−PE(CHEMI S.p.A., Italy); ジオレオイル−PE(CHEMI S.p.A., Italy); 卵のPEは卵黄からクロマトグラフィー分画により純度95%で調製した(Sc
otia LipidTeknik AB, Sweden)。
【0033】実施例1.ジパルミトイル−PE(比較例) 1.7372gのMCT油を0.1990gのDPPEおよび0.0620gの
エタノールと密封した10mLのガラスバイアル中で混合した。この混合物を80
℃で10分撹拌し均一にならなかった。室温に戻したとき、眼に見えるDPPE
の凝集物を含む不均一な乳状の油相が形成された。RP:86.9/10.0/3
.1。実施例2.ジステアロイル−PE(比較例) 1.6357gのMCT油を0.2944gのDSPEおよび00418gのエ
タノールと密封した10mLのガラスバイアル中で混合した。この混合物を80℃
で10分撹拌し均一にならなかった。室温に戻したとき、眼に見えるDSPEの
凝集物を含む不均一な乳状の油相が形成された。RP:83.0/14.9/2.
1。
【0034】実施例3.ジオレオイル−PE 1.6180gのMCT油を0.1862gのDOPEおよび00545gのエ
タノールと密封した10mLのガラスバイアル中で混合した。この混合物を80℃
で10分撹拌し均一な油相が形成された。室温に戻したとき、最終的に半固体の
稠度をもつ肉眼的に均一な不透明の油相が形成された。緩衝溶液中に静置したと
き、前記油相は凝集したままであった。RP:87.1/10.0/2.9。実施例4.卵のPE 2.5633gのMCT油を0.4632gの卵のPEおよび00656gのエ
タノールと密封した10mLのガラスバイアル中で混合した。この混合物を80℃
で5分撹拌し均一で透明な油相が形成された。室温に戻したとき、最終的に半固
体の稠度をもつ肉眼的に均一な不透明の油相が形成された。緩衝溶液中に静置し
たとき、前記油相は凝集したままであった。RP:82.9/15.0/2.1。
【0035】実施例5.エタノールを用いない場合の卵のPE(比較例) 2.6177gのMCT油を0.4620gの卵のPEと密封した10mLのガラ
スバイアル中で混合した。この混合物を80℃で5分撹拌し均一な油相が形成さ
れた。室温に戻したとき、二相系が形成された。1つは半固体の稠度をもつ相お
よび1つは液状の油相である。RP:85.0/15.0/0。 この担体の肉眼的に(すなわち裸眼で)均一な外観および水溶液中に入れたと
きの凝集挙動は、驚くべきことに、検査した全てのホスファチジルエタノールア
ミン(PE)成分で認められたわけではない。前記の現象は、これまでのところ
、卵のPEおよび合成ジオレオイル−PEを含む混合物でのみ観察されている。
【0036】スフィンゴリピド成分を含む担体組成物の実施例 以下の実施例では、担体に混入させた場合、他のスフィンゴリピド成分と比較
して、非常に独特なモノヘキソシルセラミド(CMH)の特徴を説明する。 担体成分(MCT油/スフィンゴリピド/エタノール)の相対比率(RP)は
各成分について%(w/w)で示される。以下のスフィンゴリピド化合物を実施
例で用いた: CMH(モノヘキソシルセラミド)、乳漿濃縮物からクロマトグラフィーによ
る分画によって98%を越える純度で調製(Scotia LipidTeknik AB); CDH(ジヘキソシルセラミド)、乳漿濃縮物からクロマトグラフィーによる
分画によって98%を越える純度で調製(Scotia LipidTeknik AB); m−SL、約70%のスフィンゴミエリン、10%のCMHおよび10%のC
DHを含む牛乳のスフィンゴリピド、乳漿濃縮物からクロマトグラフィーによる
分画によって調製(Scotia LipidTeknik AB); スフィンゴミエリン、乳漿濃縮物からクロマトグラフィーによる分画によって
99%を越える純度で調製(Scotia LipidTeknik AB);
【0037】実施例6.CMH 1.8496gのMCT油を0.0600gのCMHおよび0.1045gのエ
タノールと密封した10mLのガラスバイアル中で混合した。この混合物を80℃
で10分撹拌し均一な油相が形成された。室温に戻したとき、半固体の稠度をも
つ肉眼的に均一な不透明の油相が最終的に形成された。緩衝溶液中に静置したと
き、前記油相は凝集したままであった。RP:91.8/3.0/5.2。実施例7.エタノールを用いない場合のCMH(比較例) 1.9579gのMCT油を0.0604gのCMHと密封した10mLのガラス
バイアル中で混合した。この混合物を80℃で10分撹拌し均一な油相が形成さ
れた。室温に戻したとき、二相系が形成された。1つは半固体の稠度をもつ相お
よび1つは液状の油の相である。RP:97.0/3.0/0。
【0038】実施例8.CDH(比較例) 1.8025gのMCT油を0.0589gのCDHおよび0.0985gのエ
タノールと密封した10mLのガラスバイアル中で混合した。この混合物を80℃
で10分撹拌し均一な油相が形成された。室温に戻したとき、二相系が形成され
た。1つは半固体の稠度をもつ相および1つは液状の油の相である。RP:92
.0/3.0/5.0。実施例9.m−SL(比較例) 2.0280gのMCT油を0.0662gの牛乳スフィンゴリピドおよび0.
1185gのエタノールと密封した10mLのガラスバイアル中で混合した。この
混合物を80℃で10分撹拌し、均一で透明な油相が形成された。室温に戻した
とき、MCT油中に牛乳のスフィンゴリピドの沈殿をもつ不均一な油相が形成さ
れた。RP:91.7/3.0/5.4。
【0039】実施例10−スフィンゴミエリン(比較例) 2.0606gのMCT油を0.0671gのスフィンゴミエリンおよび0.1
098gのエタノールと密封した10mLのガラスバイアル中で混合した。この混
合物を80℃で10分撹拌し、均一で透明な油相が形成された。室温に戻したと
き、MCT油中にスフィンゴミエリンの沈殿をもつ乳状の不均一な油相が形成さ
れた。RP:92.1/3.0/4.9。
【0040】モノヘキソシルセラミドおよび種々の添加物を含む担体組成物の実施例 以下の実施例では、本発明の担体に添加物を取り込む能力を述べる。種々のト
リグリセリド油、CMHおよびエタノールの混合物に種々の添加物を10mLのガ
ラスバイアル中で加えた。CMHは実施例6と同じものであった。担体成分(ト
リグリセリド油/CMH/エタノール/添加物)の相対比率(RP)は各成分に
ついて%(w/w)で示される。以下の油および添加物を下記実施例で用いた: ヒマシ油(Apoteksbolaget, Sweden); ヒマシ油(抽出物)(トリリシネオリン)、RRRはScotia LipidTeknik AB
によってヒマシ油(Karlshamns AB, Sweden)から調製された; ゴマ油(Croda Oleochemicals, England); グリセロール、99.8%(Apoteksbolaget, Sweden); ポリエチレングリコール400、合成用(Kebo Lab AB, Sweden); ポリエチレングリコール1000、合成用(Kebo Lab AB, Sweden); ポリエチレングリコール3000、合成用(Kebo Lab AB, Sweden); ポリエチレングリコール、>99.5%(Kebo Lab AB, Sweden); ステアリルアルコール、>96%(Kebo Lab AB, Sweden); コレステロール(Genzyme, England); モノグリセリド(分別Akoline MCM)は、Akoline MCM(Karlshamns AB,
Sweden)からScotia LipidTeknik ABによって調製された; テトラグリコール(Sigma-Aldrich Sweden AB); プロピレンカーボネート、99%(Sigma-Aldrich Sweden AB); Lutrol F68(Poloxamer 188)(BASF, Germany)。
【0041】実施例11.グリセロール 1.8907gのMCT油を0.0735gのCMH、0.1274gのエタノ
ールおよび0.3931gのグリセロールと混合した。RP:76.1/3.0/
5.1/15.8。実施例12.グリセロール 1.7984gのトリリシネオリンを0.0697gのCMH、0.1254g
のエタノールおよび0.4413gのグリセロールと混合した。RP:73.9/
2.9/5.2/18.1。実施例13.PEG400 2.3051gのトリリシネオリンを0.0893gのCMH、0.2979g
のエタノールおよび0.2981gのポリエチレングリコール400と混合した
。RP:77.1/3.0/10.0/10.0。実施例14.PEG1000 1.5480gのトリリシネオリンを0.0599gのCMH、0.1992g
のエタノールおよび0.1957gのポリエチレングリコール1000と混合し
た。RP:77.1/3.0/10.0/10.0。実施例15.PEG3000 1.4735gのトリリシネオリンを0.0534gのCMH、0.0955g
のエタノールおよび0.1834gのポリエチレングリコール3000と混合し
た。RP:81.6/3.0/5.3/10.2。
【0042】実施例16.プロピレングリコール 1.5014gのトリリシネオリンを0.0542gのCMH、0.0906g
のエタノールおよび0.1756gのプロピレンと混合した。RP:82.4/3
.0/5.0/9.6。実施例17.ステアリルアルコール 1.6449gのトリリシネオリンを0.0593gのCMH、0.1068g
のエタノールおよび0.1965gのステアリルアルコールと混合した。RP:
81.9/3.0/5.3/9.8。実施例18.ステアリルアルコール 1.6752gのゴマ油を0.0613gのCMH、0.0995gのエタノー
ルおよび0.2038gのステアリルアルコールと混合した。RP:82.1/3
.0/4.9/10.0。実施例19.コレステロール 2.6898gのMCT油を0.1194gのCMH、0.1467gのエタノ
ールおよび0.0309gのコレステロールと混合した。RP:90.1/4.0
/4.9/1.0。実施例20.コレステロール 2.4572gのMCT油を0.2315gのCMH、0.1480gのエタノ
ールおよび0.0587gのコレステロールと混合した。RP:84.9/8.0
/5.1/2.0。
【0043】実施例21.モノグリセリド 1.7013gのトリリシネオリンを0.0615gのCMH、0.2067g
のエタノールおよび0.1076gのモノグリセリドと混合した。RP:81.9
/3.0/10.0/5.2。実施例22.テトラグリコール 1.5517gのトリリシネオリンを0.0600gのCMH、0.1948g
のエタノールおよび0.1988gのテトラグリコールと混合した。RP:77.
4/3.0/9.7/9.9実施例23.プロピレンカーボネート 1.5410gのトリリシネオリンを0.0591gのCMH、0.2003g
のエタノールおよび0.2067gのプロピレンカーボネートと混合した。RP
:76.8/2.9/10.0/10.3実施例24.Lutrol F68 1.6665gのヒマシ油を0.0552gのCMH、0.0920gのエタノ
ールおよび0.1246gのLutrol F68と混合した。RP:86.0/2.8/
4.7/6.4
【0044】 混合物を75〜85℃で10分撹拌し均一な油相が形成された。混合物を室温
に戻したとき、半固体の稠度をもつ肉眼的に均一な不透明の油相が各事例で形成
された。緩衝溶液中に入れたとき、全ての油相が凝集したままであった。CMH
、トリグリセリド油、エタノールおよび場合によって添加物を含むこの担体の肉
眼的に均一な外観および水溶液に入れたときのそれら担体の凝集挙動は、検査し
た他のスフィンゴリピド成分では認められなかった。
【0045】医薬組成物の実施例 下記の医薬組成物の実施例では、先に述べたものの他に下記の材料を用いた: ダイズ油(Karlshamns AB, Sweden); MCT油(中鎖トリグリセリド油)(Karlshamns AB,Sweden); ヒマシ油(Karlshamns AB, Sweden); ベータメタゾンジプロピオネート,USP XXIII;供給元:Jucker Pharma, Swed
en; シクロスポリンA,USP XXIII;供給元:Medial AG, Switzerland; 酢酸メドロキシプロゲステロン、バッチACL 973131 PL5(Apoteket Draken, S
tockholm, Sweden); バクテリオクロリン,SQN 400, バッチ番号CAR/99/00086(Scotia Pharmaceut
icals, Stirling, Scotland); ウシインスリン(Sigma-Aldrich Sweden AB); ビタミンB12,99%(Sigma-Aldrich Sweden AB)。
【0046】実施例25.ベータメタゾン CMH/ダイズ油/エタノール/ベータメタゾンジプロピオネート、相対比率
3.0/81.7/10.1/5.2%(w/w)。 1.7164gのダイズ油を0.0625gのCMH、0.1088gのベータ
メタゾンジプロピオネートおよび0.2133gのエタノールと密封した10mL
のガラスバイアル中で混合した。この混合物を80℃で15分撹拌し、均一で透
明な油相が形成された。この製剤を室温に戻したとき、ベータメタゾンジプロピ
オネートは沈殿しなかった。実施例26.シクロスポリン CMH/ダイズ油/エタノール/シクロスポリン、相対比率3.0/81.6/
10.3/5.2%(w/w)。 1.6014gのダイズ油を0.0582gのCMH、0.1012gのシクロ
スポリンおよび0.2013gのエタノールと密封した10mLのガラスバイアル
中で混合した。この混合物を80℃で15分撹拌し、均一で透明な油相が形成さ
れた。この製剤を室温に戻したとき、シクロスポリンは沈殿しなかった。
【0047】実施例27.メドロキシプロゲステロン CMH/MCT油/エタノール/酢酸メドロキシプロゲステロン、相対比率3
.0/82.4/10.4/4.2%(w/w)。 1.7644gのMCT油を0.0645gのCMH、0.0900gの酢酸メ
ドロキシプロゲステロンおよび0.2227gのエタノールと密封した10mLの
ガラスバイアル中で混合した。この混合物を80℃で15分撹拌し、均一で透明
な油相が形成された。この製剤を室温に戻したとき、酢酸メドロキシプロゲステ
ロンは沈殿しなかった。実施例28.SQN400 MCT油/SQN400/卵のPE/エタノール、相対比率51.1/6.0/
28.7/14.2%(w/w)。 0.1058gのSQN400を0.900gのMCT油と70℃で15分混合
した。0.5045gの卵のPEを0.250gのエタノールと室温で混合した。
この2つの混合物を密閉した10mLのガラスのバイアル中で一緒に混合した。こ
の混合物を80℃で15分撹拌し、均一で透明な油相が形成された。この製剤を
室温に戻したとき、SQN400は沈殿しなかった。
【0048】実施例29.結晶インスリン トリリシネオリン/CMH/エタノール/インスリン、相対比率82.8/3.
1/9.3/4.8%(w/w)。 0.8520gのトリリシネオリンを0.0318gのCMH、0.0962g
のエタノールおよび0.0493gのインスリンと密封した10mLのガラスバイ
アル中で混合した。この混合物を80℃で10分撹拌し、均一で透明な油相が形
成された。室温に戻したとき、半固体の稠度をもつ肉眼的に均一で不透明の油相
が形成された。このサンプルを光学顕微鏡(Olympus CHS)で調べたところ、イ
ンスリンの結晶は担体全体に均等に分布していることが判明した。 前記混合物をガラスバイアル中に室温で放置した。その後17週間以上経てか
ら前記混合物を調べたところ、油相の均一な不透明のゲル様外観が依然として観
察され、構成成分の沈殿または分配の兆しは認めらなかった。光学顕微鏡で調べ
たところ、以前に観察されたものと同じ均等な分布が認められた。
【0049】実施例30.硬質ゼラチンカプセルとの適合性 本実施例では、医薬組成物と硬質ゼラチンカプセルとの適合性を述べる。以前
に記載したものに加えて以下の材料を使用した: MCT油(中鎖トリグリセリド油)(Croda Oleochemicals, England); 硬質ゼラチンカプセル、Coni-Snap サイズ0、透明(Capsugel, Belgium)。 1.8495gのトリリシネオリンを0.1%(w/w)のビタミンB12を含
む0.1022gのCMHおよび0.1079gのエタノールと密封した10mLの
ガラスバイアル中で混合した。この混合物を80℃で10分撹拌し、均一な桃色
の油相が形成された。室温に戻したとき、半固体の稠度をもつ肉眼的に均一な桃
色の不透明な油相が形成された。続いてこの混合物を硬質のゼラチンカプセルに
充填し、蓋をし、密封したガラスのバイアル中で54%RHで静置した。カプセ
ルは室温に放置した。15週間以上経てからカプセルを調べたところ適合性に関
する問題は認められなかった。
【0050】 持続放出の実施例第一の実験 以下の実施例では、本発明の脂質系の持続放出特性が、マーカー物質としてメ
チレンブルーおよびブロモチモールブルーの取り込みおよび放出によりそれぞれ
記載される。非極性脂質はダイズ油(Karlshamns AB, Sweden)、MCT油(中
鎖トリグリセリド油、Karlshamns AB, Sweden)、またはヒマシ油(Karlshamns
AB, Sweden)のいずれかで、 極性脂質はCMH(乳漿濃縮物由来モノヘキソシル
セラミド、Scotia LipidTeknik AB, Sweden)またはPE(卵黄由来ホスファチ
ジルエタノールアミン、Scotia LipidTeknik AB, Sweden)のどちらかであった
。 以下のマーカー物質を用いた: メチレンブルー、“顕微鏡染色用”等級(KEBO Lab AB, Sweden); ブロモチモールブルー、“指示薬”等級(KEBO Lab AB, Sweden)。
【0051】実施例1(A) 1.9708gのダイズ油を0.0644gのCMHおよび0.1%(w/v)
のメチレンブルーを含む0.1029gのエタノールと密閉した10mLのガラス
のバイアル中で混合した。この混合物を80℃で10分撹拌し、均一な青色の油
相が形成された。実施例2(B) 1.5441gのダイズ油を0.4118gのPEおよび0.1%(w/v)の
メチレンブルーを含む0.1004gのエタノールと密閉した10mLのガラスの
バイアル中で混合した。この混合物を80℃で5分撹拌し、均一な青色の油相が
形成された。
【0052】実施例3(C) 2.1246gのダイズ油を0.1%(w/v)のメチレンブルーを含む0.1
124gのエタノールと密閉した10mLのガラスのバイアル中で混合した。この
混合物を80℃で5分撹拌し、均一な青色の油相が形成された。実施例4(D) 2.1846gのMCT油を0.1%(w/v)のメチレンブルーを含む0.1
138gのエタノールと密閉した10mLのガラスのバイアル中で混合した。この
混合物を室温で10分撹拌し、均一な青色の油相が形成された。
【0053】実施例5(E) 1.8601gの分別化ヒマシ油を0.0600gのCMHおよび0.1%(w
/v)のメチレンブルーを含む0.0966gのエタノールと密閉した10mLの
ガラスのバイアル中で混合した。この混合物を80℃で20分撹拌し、均一な灰
色の油相が形成された。実施例6(F) 1.8668gのMCT油を0.0607gのCMHおよび0.1%(w/v)
のメチレンブルーを含む0.1075gのエタノールと密閉した10mLのガラス
のバイアル中で混合した。この混合物を80℃で10分撹拌し、均一な青色の油
相が形成された。
【0054】実施例7(G) 2.8418gのダイズ油を0.0090gのCMHおよび0.1%(w/v)
のメチレンブルーを含む0.1445gのエタノールと密閉した10mLのガラス
のバイアル中で混合した。この混合物を80℃で10分撹拌し、均一な青色の油
相が形成された。実施例8(H;リファレンス溶液) 0.1%(w/v)のメチレンブルーを含む0.024gのエタノールを15mL
の緩衝溶液に溶解し、混合物AからGまでのメチレンブルーの放出と比較するリ
ファレンス溶液として用いた。
【0055】実施例9(I) 2.0302gのダイズ油を0.0661gのCMHおよび0.1%(w/v)
のブロモチモールブルーを含む0.1214gのエタノールと密閉した10mLの
ガラスのバイアル中で混合した。この混合物を80℃で10分撹拌し、均一な黄
色の油相が形成された。実施例10(J) 1.4468gのダイズ油を0.3835gのPEおよび0.1%(w/v)の
ブロモチモールブルーを含む0.0944gのエタノールと密閉した10mLのガ
ラスのバイアル中で混合した。この混合物を80℃で5分撹拌し、均一な黄色の
油相が形成された。
【0056】実施例11(K) 2.1227gのダイズ油を0.1%(w/v)のブロモチモールブルーを含む
0.1115gのエタノールと密閉した10mLのガラスのバイアル中で混合した
。この混合物を80℃で5分撹拌し、均一な黄色の油相が形成された。実施例12(L) 2.1242gのMCT油を0.1%(w/v)のブロモチモールブルーを含む
0.1107gのエタノールと密閉した10mLのガラスのバイアル中で混合した
。この混合物を80℃で5分撹拌し、均一な黄色の油相が形成された。
【0057】実施例13(M) 1.7859gの分別化ヒマシ油を0.0583gのCMHおよび0.1%(w
/v)のブロモチモールブルーを含む0.0990gのエタノールと密閉した1
0mLのガラスのバイアル中で混合した。この混合物を80℃で20分撹拌し、均
一な黄色の油相が形成された。実施例14(N) 2.0176gのMCT油を0.0611gのCMHおよび0.1%(w/v)
のブロモチモールブルーを含む0.1014gのエタノールと密閉した10mLの
ガラスのバイアル中で混合した。この混合物を80℃で10分撹拌し、均一な黄
色の油相が形成された。
【0058】実施例15(O) 2.7904gのダイズ油を0.0088gのCMHおよび0.1%(w/v)
のブロモチモールブルーを含む0.1544gのエタノールと密閉した10mLの
ガラスのバイアル中で混合した。この混合物を80℃で10分撹拌し、均一な黄
色の油相が形成された。実施例16(P;参照溶液) 0.1%(w/v)のブロモチモールブルーを含む0.028gのエタノールを
15mLの緩衝溶液に溶解し、混合物IからOまでのブロモチモールブルーの放出
と比較する参照溶液として用いた。
【0059】放出実験 混合物AからHのそれぞれ1mLおよび混合物IからOのそれぞれ1mLを、37
℃の温度の15mLの緩衝溶液を含む25mLのガラスのビーカーに加えた。放出時
間の間ずっと内容物を磁石で撹拌し、それぞれ664nm(A−H)および617
nm(I−P)での吸収測定のために、0.5、1、2、3、4および20時間後
に1mLのサンプルを採取した。各サンプル容積は直ちに同じ容積の緩衝溶液で置
き換えた。 これらの放出実験の結果は、それぞれ表1(マーカー物質としてメチレンブル
ー)および表2(マーカー物質としてブロモチモールブルー)に示されている。
【0060】 表1.メチレンブルーの放出実験 時間(h) 0.5 1 2 3 4 20 参照H 混合物 A 0.000 0.000 0.000 0.000 0.001 0.016 0.441 B 0.020 0.013 0.014 0.020 0.025 0.038 0.441 C 0.057 0.059 0.076 0.079 0.080 0.150 0.441 D 0.071 0.077 0.088 0.096 0.103 0.157 0.441 E 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000 0.441 F 0.005 0.006 0.010 0.012 0.012 0.29 0.441 G 0.000 0.000 0.002 0.003 0.002 0.012 0.441 A:CMHダイズ油/0.1%メチレンブルー含有エタノール 3.0/92.2/4.8 (%w/w) B:PE/ダイズ油/0.1%メチレンブルー含有エタノール 20.0/75.1/4.9 (%w/w) C:ダイズ油/0.1%メチレンブルー含有エタノール 95.0/5.0 (%w/w) D:MCT油/0.1%メチレンブルー含有エタノール 95.0/5.0 (%w/w) E:CMH/ヒマシ油/0.1%メチレンブルー含有エタノール 3.0/92.2/4.8 (%w/w) F:CMH/MCT油/0.1%メチレンブルー含有エタノール 3.0/91.7/5.3 (%w/w) G:CMH/ダイズ油/0.1%メチレンブルー含有エタノール 0.30/94.88/4.82 (%w/w)
【0061】 表2.ブロモチモールブルーの放出実験 時間(h) 0.5 1 2 3 4 20 参照P 混合物 I 0.000 0.004 0.004 0.003 0.001 0.006 0.113 J 0.002 0.003 0.001 0.000 0.002 0.002 0.113 K 0.021 0.029 0.046 0.062 0.052 0.070 0.113 L 0.040 0.053 0.061 0.060 0.052 0.064 0.113 M 0.004 0.008 0.011 0.012 0.012 0.025 0.113 N 0.008 0.012 0.016 0.024 0.026 0.042 0.113 O 0.010 0.011 0.021 0.025 0.031 0.058 0.113 I:CMHダイズ油/0.1%ブロモチモールブルー含有エタノール 3.0/91.5/5.5 (%w/w) J:PE/ダイズ油/0.1%ブロモチモールブルー含有エタノール 19.9/75.1/4.9 (%w/w) K:ダイズ油/0.1%ブロモチモールブルー含有エタノール 95.0/5.0 (%w/w) L:MCT油/0.1%ブロモチモールブルー含有エタノール 95.0/5.0 (%w/w) M:CMH/ヒマシ油/0.1%ブロモチモールブルー含有エタノール 3.0/91.9/5.1 (%w/w) N:CMH/MCT油/0.1%ブロモチモールブルー含有エタノール 2.8/92.5/4.7 (%w/w) O:CMH/ダイズ油/0.1%ブロモチモールブルー含有エタノール 0.30/94.47/5.23 (%w/w)
【0062】 上記の実験から、驚くべきことにトリグリセリド油を極性脂質と混合すること
によって、マーカー物質の持続放出が強力に改善できることが判明した。表1の
Cおよび表2のKは極性脂質を含まず、これらの系の20時間後のマーカー物質
の放出を極性物質を含む担体と比較した。下記の表3は、それぞれCおよびKの
放出の百分率で算出した結果を要約したものである。
【0063】 表3.CおよびKの20時間後の放出に対して%で表した放出 A(C+3%CMH) B(C+20%PE) G(C+0.3%CMH) 100 11 25 8 I(K+3%CMH) J(K+20%PE) O(K+0.3%CMH) 100 9 3 83
【0064】追加実験 CMH系の潜在能力をさらに明瞭にするためにこの系で追加の実験を実施した
。トリグリセリド油、極性脂質の量さらに取り込んだマーカー物質のこの系に対
する影響を変更することによってこの系の作用をどのように制御することが可能
かを示すために、実験計画、要因計画を作成した。トリグリセリド油はゴマ油、
MCT油(中鎖トリグリセリド油)および抽出ヒマシ油であり、極性脂質は、異
なる3通りのレベル、0.5、1.6、5.0%(w/w)のCMH(モノヘキソ
シルセラミド)であった。各サンプル中のエタノール量は10%(w/w)で、
残余は油であった。マーカー物質は、ブロモチモールブルー(わずかに水溶性)
、およびサフラニン(水溶性)であった。実験数は18であった。
【0065】 以下の材料を用いた: ゴマ油(Croda Oleochemicals, England); MCT油(中鎖トリグリセリド油)(Croda Oleochemicals, England); 抽出ヒマシ油(トリリシネオリン)、RRR、はヒマシ油(Karlshamns AB, S
weden)からScotia LipidTeknik ABによって調製された; CMH(モノヘキソシルセラミド)は、Scotia LipidTeknik AB(Sweden)に
よってクロマトグラフィーを用いた分画により98%を越える純度で乳漿から調
製された; ブロモチモールブルー(BTB,“指示薬”等級)はKEBO Lab AB(Sweden)
から購入した; サフラニンO(SafO, Basic Red2(477-73-6))はLabora Chemicals(Sweden
)から購入した; 重り付きクロージャーをもつSpectra/Por(登録商標)メンブレンMWCO6
000−8000(KEBO Lab AB, Sweden)。
【0066】溶解装置 通常のUSP溶解バス(PTWS)をより少ない容積で用いることができるよ
うに改造した。本来の容器の蓋は、50mLの丸底フラスコをその中に静置できる
ように改造した。水が満たされている本来の容器にぶら下がっている元々のへら
板はこれらの新しい容器に適合するように小さくした。水浴の温度は38.5℃
に設定し、この温度は50mLの容器内の37.2〜37.3℃の温度に対応する。
【0067】製剤の調製 各製剤について、CMHおよび0.3%(w/w)ブロモチモールブルー(B
TB)含有エタノール、または0.1%(w/w)サフラニンO(SafO)含有エタ
ノールと油を密閉した10mLのガラスバイアルで混合した。この混合物を80℃
で10分撹拌し、均一な黄色(BTB)の油相、またはルビー様赤色(SafO)の
油相が形成された。前記油相を室温に戻す前に、これらを2mLの注射筒に移した
。放出実験の結果の節で考察する製剤の組成は表4に示す。
【0068】 表4.製剤の組成 製剤 CMH(%(W/W)) 油(%(W/W)) EtOH(%(W/W)) マーカー物質 Q 1.6 MCT, 88.4 10.0 BTB R 1.6 RRR, 88.4 10.0 BTB S 1.6 ゴマ油, 88.4 10.0 BTB T 5.0 ゴマ油, 85.0 10.0 BTB U 1.6 RRR, 88.4 10.0 SafO V 5.0 RRR, 85.0 10.0 SafO W 1.6 MCT, 88.4 10.0 SafO X 1.6 ゴマ油, 88.4 10.0 SafO
【0069】放出実験 25mLの溶解媒体を50mLの内部容器に加え、実験を開始する前に適切な温度
(約37.3℃)に到達させた。撹拌速度は80rpmであった。Spectra/Por(登
録商標)メンブレンは使用前に蒸留水に少なくとも30分浸けておくべきである
。約0.4gの脂質混合物をSpectra/Por(登録商標)メンブレン片中で計り分け
た。このメンブレンは重り付きクロージャーにより両端でしっかりと締め付けら
れている。このメンブレン中の製剤を前記媒体に静置した。サンプルをそれぞれ
の時間の経過後に採取した。前記溶解媒体はUV−分光光度計でのブランクとし
て用いた。サンプル採取には、UV−分光光度計のフローキュベットシステムに
装着したペリスタポンプを用いた。吸収は521nm(SafO)および617nm(BT
B)で測定した。フローキュベットをサンプルで満たし、吸収を測定し、その後
ポンプを逆方向に作動させてサンプルを内部容器に戻した。続いてこのキュベッ
ト系を溶解媒体(すなわち緩衝溶液)で完全に洗浄した。
【0070】放出実験の結果 表4に示した実験の溶解プロフィールは図1および図2に示す。選択された実
施例は、溶解プロフィールが油、CMHの量およびマーカー物質にしたがってど
のように変動するかを示している。全実験の溶解曲線のMLR(Multiple Linea
r Regression)による評価によって、油、CMHの量およびマーカー物質の選択
はいずれも得られる溶解曲線にとって重要であることが判明した。
【0071】 実験の結論 ・ 本脂質担体の薬用物質取り込み性能は、実験25から30において明瞭に
開陳されている。これらの実験では、構造的に非常に異なる6つの薬用物質の約
4〜6重量%が取り込まれた。全ての事例で得られた組成物は注射可能である。 ・ これらの実験によって、非極性脂質が極性脂質と結合するとき、脂質担体
のマーカー物質の持続放出に対して劇的な改善作用が認められるという驚くべき
観察が確認された。 ・ 第一の実験はまた、脂質担体中の極性脂質および非極性脂質の組成は取り
込まれた個々の物質の放出速度に対する決定要因であることを明瞭に示した。表
3から、放出速度は脂質担体の組成にしたがって変動することが明瞭である。極
性脂質としてPEはCMHと異なる放出速度をもたらす。CMHの濃度の相違は
放出速度の相違をもたらす。このことは、放出速度は組成から予測できることを
示している。追加実験は、脂質担体の組成は取り込まれた個々の物質の放出プロ
フィールに対して決定要因であることを示して入る。 ・ 2つのマーカー物質が同じ脂質担体から異なる速度で放出されること、お
よびこれら2つのマーカー物質は2つの異なる脂質担体によってそれぞれもっと
も効果的に保持されることがまた実験から明らかである。追加実験で調べた前記
2つの系(BTBおよびSafO)の結果は、取り込み物質および系の所望の作用に適
合するように系の組成を改変できることを示している。
【0072】 上記に要約した実験、観察および結論から、本発明の特徴は、取り込まれた生
物活性化合物の持続放出のための医薬担体として特に適切であることが明瞭であ
る。担体中の脂質の組成および比率を調節して、多様な生物活性化合物の取り込
みを促進し、さらにそれら生物活性化合物の前記担体の放出を制御することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マーカーとしてブロモチモールブルーを含む本発明の担体系から得られた溶解
プロフィールを示す。
【図2】 マーカーとしてサフラニンOを含む本発明の担体系から得られた溶解プロフィ
ールを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/34 A61K 47/34 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ベングト・ヘーシュレフ スウェーデン国エス−114 21ストックホ ルム.ブルーンベーシュヴェーゲン2 Fターム(参考) 4C076 AA94 DD37 DD38 DD46 DD63 DD69 DD70 EE23 EE48 EE53

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのトリグリセリド油、並びにホスファチジル
    エタノールアミンおよびモノヘキソシルセラミドから成る群から選択される少な
    くとも1つの極性脂質、並びにエタノールを含む、生物活性物質を制御放出させ
    る脂質担体組成物であって、前記担体組成物が、水性環境中で保持される凝集構
    造を形成する能力を有することを特徴とする前記脂質担体組成物。
  2. 【請求項2】 極性脂質のアシル基(このアシル基は同じでも異なっていて
    もよい)が、12〜28の炭素原子を有する不飽和もしくは飽和脂肪酸またはヒ
    ドロキシ脂肪酸に由来することを特徴とする請求項1に記載の脂質担体。
  3. 【請求項3】 ホスファチジルエタノールアミンが卵のPEまたはジオレイ
    ル−PEであることを特徴とする請求項1または2に記載の脂質担体。
  4. 【請求項4】 モノヘキソシルセラミドが牛乳から得られることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の脂質担体。
  5. 【請求項5】 トリグリセリド油が、ダイズ油、ゴマ油、中鎖トリグリセリ
    ド油、ヒマシ油、またはそれらの混合物から成る群から選択されることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の脂質担体。
  6. 【請求項6】 トリグリセリド60〜98重量%とホスファチジルエタノー
    ルアミンおよびモノヘキソシルセラミドから成る群から選択される少なくとも1
    つの極性脂質0.1〜40重量%との組み合わせ、およびエタノール0.1〜30
    重量%を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の脂質担体。
  7. 【請求項7】 ホスファチジルエタノールアミンの含有量が全担体組成物の
    5〜40重量%、好ましくは10〜25重量%であることを特徴とする請求項6
    に記載の脂質担体。
  8. 【請求項8】 モノヘキソシルセラミドの含有量が全担体組成物の0.1〜
    25重量%、好ましくは0.3〜10重量%であることを特徴とする請求項6に
    記載の脂質担体。
  9. 【請求項9】 グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
    ール、脂肪アルコール、ステロール、モノグリセリド、テトラグリコール、プロ
    ピレンカーボネート、並びにポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシ
    ドのコポリマー、並びにそれらの混合物から成る群から選択される1つまたは2
    つ以上の添加物をさらに全担体組成物の30重量%までの量で含有する請求項1
    〜8のいずれかに記載の脂質担体。
  10. 【請求項10】 in vivoで生物活性物質を制御放出させる注射用デポ製剤
    を製造するために請求項1〜9のいずれかに記載の脂質担体を使用すること。
  11. 【請求項11】 in vivoで生物活性物質を制御放出させる経口製剤を製造
    するために請求項1〜9のいずれかに記載の脂質担体を使用すること。
  12. 【請求項12】 in vivoで生物活性物質を制御放出させる眼科、歯科また
    は皮膚用製剤を製造するために請求項1〜9のいずれかに記載の脂質担体を使用
    すること。
  13. 【請求項13】 a)少なくとも1つのトリグリセリド油とホスファチジル
    エタノールアミンおよびモノヘキソシルセラミドから成る群から選択される少な
    くとも1つの極性脂質との組み合わせ、およびエタノールを含み、水性環境中で
    保持される凝集構造を形成する能力を有する脂質担体、およびb)前記担体中に
    溶解または分散された生物活性物質を含む生物活性物質を制御放出させるための
    医薬組成物。
  14. 【請求項14】 脂質担体が、生物活性物質に加えて、担体の総重量を基準
    にしてトリグリセリド60〜98重量%とホスファチジルエタノールアミンおよ
    びモノヘキソシルセラミドの少なくとも1つの0.1〜40重量%との組み合わ
    せ、およびエタノール0.1〜30重量%を含有することを特徴とする請求項1
    3に記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
    コール、脂肪アルコール、ステロール、モノグリセリド、テトラグリコール、プ
    ロピレンカーボネート、並びにポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキ
    シドのコポリマー、並びにそれらの混合物から成る群から選択される1つまたは
    2つ以上の添加物をさらに含む請求項13または14に記載の医薬組成物。
  16. 【請求項16】 生物活性物質が、神経抑制薬、抗うつ剤、抗精神病薬、抗
    生物質、抗菌剤、抗ガン剤、および抗パーキンソン薬、ホルモン、ミネラルおよ
    びビタミンから成る群から選択されることを特徴とする請求項13〜15のいず
    れかに記載の医薬組成物。
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