JP2003518532A - 改良された特性を有する押出し等級のabs重合体及びその製造方法 - Google Patents

改良された特性を有する押出し等級のabs重合体及びその製造方法

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JP2003518532A JP2001548581A JP2001548581A JP2003518532A JP 2003518532 A JP2003518532 A JP 2003518532A JP 2001548581 A JP2001548581 A JP 2001548581A JP 2001548581 A JP2001548581 A JP 2001548581A JP 2003518532 A JP2003518532 A JP 2003518532A
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Abstract

(57)【要約】 優れた特性を有するABS重合体材料、とりわけ冷蔵庫の内張りを作るのに適するABS重合体材料を開示する。この材料は、少なくとも65,000g/モルの数平均分子量を有するSANマトリックス、及び約10〜16重量%の分散したゴム粒子及び0.2重量%未満の残留オリゴマーを含有している。せいぜい−85℃のガラス転移点を有し、0.3〜0.7ミクロンの平均粒子直径を有する粒子の形態にあると共に、せいぜい2.2の粒子寸法分布を有するゴムをSANでグラフト化する。この材料の優れた特性として、1600Pa−s未満の(246℃,100sec-1での)ずり粘性、少なくとも2.2GPaの引張弾性率、40%を越える破断時までの伸び(ETF)、25kJ/m2 を越える衝撃強さ(アイゾット)、高い溶融物歪み硬化、及び不安定性開始までの高い歪みが挙げられる。本発明材料の製造方法も開示される。追加の実施態様は、不飽和トリグリセリドの有利な混合及びABS重合体中にポリジアルキルシロキサンの混合に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、ABS樹脂組成物、当該組成物の製造方法、より詳しくは改良され
た特性を有する冷却装置構成要素を製造するのに適する押出等級のABS重合体
に関する。
【0002】 発明の概要 冷凍装置の内張り(liners)の製造に特に適合した優れた特性を有する
ABS重合体材料が開示される。この材料は、少なくとも65,000g/モル
の数平均分子量を有するSANマトリックス、約10〜16重量%の分散ゴム粒
子及び0.2重量%未満の残留オリゴマーを含む。せいぜい−85℃のガラス転
移温度を有し、0.3〜0.7ミクロンの平均粒子直径を持つ粒子の形態で、せ
いぜい2.2の粒径分布を有するゴムをSANでグラフト化する。この材料の優
れた特性としては、246℃、100sec-1で1600Pa−s未満のずり粘
性、少なくとも2.2GPaの引張弾性率(tensile modulus)
、40%を越える破断までの伸び(ETF)、衝撃強さ、アイゾット(Izod
)、25kJ/m2 以上、高い溶融歪み硬化(melt strain har
dening)、不安定性開始に至るまでの高い歪みが挙げられる。本発明材料
の製造方法も開示される。
【0003】 発明の背景 ABS重合体材料は多種多様な用途において長い間役立って来ている。ABS
重合体を単独で含むか、又は他の樹脂成分と一緒にABS重合体を含む熱可塑性
組成物、最も注目に値する押し出し等級の組成物は世界中で入手可能な工業用製
品である。冷却装置構成要素、最も注目に値する冷却装置用内張り(liner
s)は、ABS重合体が可成り容認される産業の一部分である。
【0004】 連続的な改良研究において、冷却工業は特性について特に望ましい釣り合いの
取れた材料系を捜し求めてきた;一つの特性だけでは材料系は要求の多すぎる使
用に適合しない。前述の望ましい特性を有する材料は高水準の機械的特性と良好
な加工特性が特徴になるであろう。前述の望ましい材料は、ずり粘性、引っ張り
係数、破断までの伸び、耐衝撃性、溶融歪み硬化及び目に見えるネッキング(く
びれ)開始時の溶融歪みについて一定の値を満足するであろう。溶融歪み硬化(
応力成長)及び目に見えるネッキング開始時の溶融歪みは高い歪み下にある溶融
物の安定性を示す特性であると共に高い絞り比(draw ratio)で加熱
成形される部分の厚みに関する均一性の前兆となる。現在入手できる材料は、望
ましい特性の幾つかを満足するけれども、その他の特性に関しては不十分である
【0005】 本発明のABS重合体は、好ましくは大規模の連続式重合によって製造する。
大規模の連続式重合はABS重合体を製造するための周知の方法である。この方
法は、とりわけ米国特許3,243,481、3,337,650、3,511
,895、及び4,417,030に開示されている。これらの明細書を参考資
料として本明細書に組み入れる。ジエン−ゴム−ニトリル共重合体と不飽和トリ
グリセリドとの混合物が開示されている米国特許3,438,971が直接関連
するものである。
【0006】 発明の詳細な記述 本発明との関連において、用語“ABS重合体”は(i)グラフト化相がモノ
アルケニル芳香族単量体(“スチレン”で例示され、時には後段で“スチレン”
と指称する。)と、エチレン性不飽和ニトリル単量体(“アクリロニトリル”で
例示され、時には後段で“アクリロニトリル”と指称する。)とから成る共重合
生成物を含むグラフト化ジエンゴム、及び(ii)モノアルケニル芳香族単量体
とエチレン性不飽和ニトリル単量体とから成る共重合生成物を含むマトリックス
(以下において“SAN”で例示すると共に“SAN”と指称する。)を必要と
する種類を指称する。
【0007】 モノアルケニル芳香族単量体は
【0008】
【化1】
【0009】 [該式中、Arはフェニル、ハロフェニル、アルキルフェニル及びアルキルハロ
フェニル並びにそれらの混合物から成る群から選択され、そして、Xは水素、メ
チル基及びエチル基から成る群から選択される。] として表すことができる。
【0010】 本発明において使用し得るモノアルケニル芳香族単量体の適例は、スチレン及
び置換スチレン類、例えばo−、m−及びp−メチルスチレン類、2,4−ジメ
チルスチレン、対応するエチルスチレン類、p−tert−ブチルスチレン、ア
ルファ−メチルスチレン、アルファエチルスチレン、アルファエチル−p−メチ
ルスチレン;ビニルナフタレン、アル−ハロモノアルケニル芳香族単量体、例え
ばo−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモ
スチレン及び2,4−ジブロモスチレン;並びに環がアルキルで置換され、環が
ハロで置換されたスチレン類、例えば2−メチル−4−クロロスチレン及び2,
6−ジクロロ−4−メチルスチレンである。モノアルケニル芳香族単量体の混合
物も用いることができる。
【0011】 用いてもよい不飽和ニトリル類もしくはアルケニルニトリル単量体の適例はア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル及びそれらの混合物
である。
【0012】 場合によっては追加的な単量体をモノアルケニル芳香族単量体及び不飽和ニト
リル単量体と一緒に重合することができる。これらのものとして、アルファ−も
しくはベータ−不飽和一塩基酸及びそれらの誘導体、例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸及び対応するそれらのエステル類、例えばメタクリル酸メチ
ル、アクリルアミド及びメタクリルアミド;ハロゲン化ビニル類、例えば塩化ビ
ニル、臭化ビニル及び塩化ビニリデン、臭化ビニリデン;ビニルエステル類、例
えば酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル;マレイン酸ジアルキルもしくはフマル
酸ジアルキル、例えばマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジ
ブチル;及び無水マレイン酸が挙げられる。
【0013】 本発明方法において用いる単量体混合物は、少なくとも40重量%、好ましく
は少なくとも50重量%のモノアルケニル芳香族単量体を含む。この混合物は、
また、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%の不飽和ニトリル
混合物を含む。実際上は、単量体混合物は40〜95重量%、そして好ましくは
60〜85重量%のアルケニル芳香族炭化水素と、60〜5重量%そして好まし
くは60〜15重量%、そして最も好ましくは60〜25重量%の不飽和ニトリ
ルを含むのが望ましい。
【0014】 本発明における適切なゴムは、ASTMテストD−746−52Tで測定した
時にせいぜい−85℃のガラス転移温度を有する、少なくとも1種の共役ジエン
ゴムである。その場合、共役ジエン類は1,3−ジエン類、例えばブタジエン、
イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエ
ン、ピペリレン等の中から選択される。共役1,3−ジエン類と、等しい重量の
1種以上の共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体とから成る共重合体及びブ
ロック共重合体も適切である。この共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体と
しては次のものが挙げられる:モノアルケニル芳香族炭化水素類、例えばスチレ
ン、及びアラルキルスチレン類等の置換スチレン類(この置換スチレン類にはo
−、m−及びp−メチルスチレン類、2,4−ジメチルスチレン、対応するアル
−エチルスチレン類(ar−ethylstyrenes)、p−tert−ブ
チルスチレン等;アルファメチルスチレン、アルファエチル−スチレン;アルフ
ァメチル−p−メチルスチレンが含まれる。);ビニルナフタレン;アルハロモ
ノ−アルケニル芳香族炭化水素類、例えばo−、m−及びp−クロロスチレン、
2,4−ジブロモスチレン及び2−メチル−4−クロロスチレン;アクリロニト
リル、メタクリロニトリル;エタクリロニトリル;アルファもしくはベータ−不
飽和一塩基酸及びその誘導体、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸及
びそれに対応するエステル類、例えばメタクリル酸メチル、アクリルアミド及び
メタクリルアミド;ハロゲン化ビニル、例えば塩化ビニル、臭化ビニリデン;ビ
ニルエステル類、例えば酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル、マレイン酸ジアル
キル類もしくはフマル酸ジアルキル類、例えばマレイン酸ジメチル、マレイン酸
ジエチル、マレイン酸ジブチル;及び無水マレイン酸。
【0015】 有用なゴムのグループは1,3−ブタジエンの重合で形成される立体特異性ポ
リ−ブタジエンゴム類である。これらのゴム類は、約30〜98%のシス−異性
体含有量及び約70〜2%のトランス−異性体含有量を示す。好ましいゴムのグ
ループは、75〜100重量%のブタジエン及び/又はイソプレンと、モノビニ
リデン芳香族炭化水素(例えばスチレン)及び不飽和ニトリル類(例えばアクリ
ロニトリル)もしくはそれらの混合物から成る群から選択された単量体の25重
量%までとから本質的に成るものである。ジエンゴムはゴムの単量体もしくは単
量体類の重量を基準にして約2%までの量で架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤
は、ジエンゴムを架橋するのに慣例的に用いられる薬剤、例えばジビニルベンゼ
ン、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、アクリル酸
アリル、メタクリル酸アリル、ジアクリレート類及びジメタクリレート類もしく
は多価アルコール類、例えばエチレングリコールジメタクリレート等のいずれか
であり得る。
【0016】 本発明ABS重合体のゴム含有量はABS重合体の重量の約10〜16%、好
ましくは12〜15%である。
【0017】 多数の反応器を必要とする、大規模な連続法で重合を行う場合、主にモノアル
ケニル芳香族単量体とエチレン性不飽和ニトリル単量体を含む単量体混合物は、
分散したゴム相の存在下で難なく重合してマトリックス相の共重合体を形成する
。場合によっては、少量の別の単量体が共重合体中に含まれていてもよい。部分
的に重合した混合物中の共重合体は、自由相もしくはマトリックス相の重合体と
して、またジエンゴム粒子上でグラフト化した重合体として形成される。これら
のマトリックス相及びグラフト共重合体は、所与の処方のためにほぼ同じ組成を
示すであろう。
【0018】 本発明の第1の反応器に供給される溶液のゴム含有量は33重量%まで、好ま
しくは30重量%までの正の量であり得る。
【0019】 大規模な連続法で重合を行う場合、グラフト化を促進すると共に意図する反応
温度で活性化される任意の遊離基発生開始剤によって第1の反応器内で重合を開
始させることができる。適切な開始剤としては、ペルエステル類及びペルオキシ
炭酸エステル類、例えばペル安息香酸tert−ブチル、炭酸tert−ブチル
ペルオキシイソプロピル、ペルオクト酸tert−ブチル(tert−buty
l peroctoate)、ペルオキシイソノノ酸tert−ブチル(ter
t−butyl peroxy isononoate)、モノペルオキシ炭酸
tert−ブチル2−エチルヘキシル、ペルオキシネオデカノ酸tert−ブチ
ル、及びそれらの混合物が挙げられる。通常、重合可能な物質の重量に対して0
.001〜3.0%、好ましくは0.005〜1.0%の量で開始剤を含ませる
。大規模な連続重合によって本発明ABS重合体を製造する工程においては、後
続の反応器には化学的開始剤を含ませない。
【0020】 第1の反応器中の部分的に重合した混合物が、装入した全単量体を基準にして
約15〜60重量%のアクリロニトリルを含むような量でアクリロニトリル単量
体を反応器に装入する。これはABS重合体中のアクリロニトリル含有量を比較
的高くし、このアクリロニトリル含有量を約25〜40重量%の好ましい範囲に
する。
【0021】 周知のように、分子量調整剤、例えばメルカプタン類、ハロゲン化物及びテル
ペン類を比較的少量、すなわち重合可能な物質の約0.001〜1.0重量%の
量を混合するのが望ましいことがよくある。さらに、比較的少量の酸化防止剤も
しくは安定剤、例えば通常のアルキル化フェノール類を含ませるのが望ましいで
あろう。代案として、重合中もしくは重合後にこれらのものを加えることもでき
よう。処方には、他の添加剤、例えば安定剤、可塑剤、潤滑剤、着色剤、及びそ
れらに適切であるか又はそれらの中に分散し得る、前もって形成された非反応性
重合物質が含まれていてもよい。
【0022】 大規模な連続式重合方法で本発明ABS重合体を製造する場合、連続的、且つ
組をなして作動する少なくとも2個の反応器を用いるのが好ましい。この方法で
は、本方法が(i)脂肪族のケトン及び芳香族炭化水素を含む溶媒混合物を重合
媒質として用いること、(ii)第1の反応器に続く全ての反応器を110〜1
55℃の範囲内の温度で作動させること、(iii)第1の反応器に続く全ての
反応器から化学的開始剤を除外すること、そして(iv)揮発成分を除去する前
に反応混合物に追加的量の不飽和トリグリセリドを導入することを伴うのが重要
である。
【0023】 従って、ゴム分散相が0.3〜0.7ミクロンの重量平均粒子直径(Dw)を
有する最初の反応混合物を形成するように、重合を促進させる条件下で、単量体
混合物溶液中のゴムを溶媒混合物と一緒に最初の反応器中に連続的に供給する。
【0024】 次に最初の反応混合物を追加の単量体混合物と一緒に後続の少なくとも1個の
反応器に移し、後続の少なくとも1個の反応器は生成物を形成させるために15
5℃未満の温度で作動させる。次の段階で生成物中の揮発成分を除去する。
【0025】 適切な芳香族炭化水素としては、ベンゼン、エチルベンゼン及びトルエンが挙
げられる。適切な脂肪族ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン及び
メチルプロピルケトンが挙げられる。
【0026】 混合物中の芳香族炭化水素と脂肪族ケトンとの間の重量比は80/20〜20
/80、好ましくは60/40〜40/60の範囲内にある。
【0027】 本方法の実施中に導入すべき不飽和のトリグリセリドは、好ましくはC6-24
肪酸の不飽和トリグリセリドである。比較的好ましい不飽和トリグリセリドは植
物油であり、最も好ましくはとうもろこし油である。従って、不飽和トリグリセ
リドは、揮発成分を除去する前に、最終生成物の重量に対して0.5〜5%、好
ましくは1〜2%の量で導入する。
【0028】 本発明に関して追加される態様は、概して、ABS重合体を製造するための大
規模な連続式重合工程において不飽和トリグリセリド類を用いて得られる利益に
関する。本態様に注目を集める発見は、揮発成分を除去するのに先立ってABS
重合体の重量に対して0.5〜5%、好ましくは1〜2%の量で前述のトリグリ
セリドを加えると、ゴムのガラス転移点が低下し、改善された衝撃強靭性が得ら
れるということである。従って、この有利な効果は、混合溶媒、後続の反応器に
化学的開始剤が存在しないこと、及びゴムの粒子寸法と無関係である。 本発明
に関するさらに追加の実施態様は、ABS重合体、好ましくは大規模な連続式重
合で製造されたABS重合体中にシリコーン油を混合した時に生じる有利な空洞
現象にかかわる。当業者に周知のように、空洞現象は、引っ張り応力にさらされ
た際にゴム粒子中に空所が形成される過程である。空洞現象は、ゴムを流体静力
学的張力から解放すると共に、ゴムが低い引っ張り応力で周囲のマトリックスに
ひびを入れることを可能にするので、このように空洞を作るABSの能力が望ま
しい。言い替えれば、空洞現象は強靭性とETF(破断までの伸び)の同時的増
加によって張力降伏応力を減少させる。空洞現象は材料の弾性率を減少させない
【0029】 本発明による空洞現象を起こし得るゴムの製造は、ABS重合体に対してAB
S重合体重量の約0.05〜0.4%の量でシリコーン油を加えることを含んで
いる。適切なシリコーン油はシロキサン重合体である。このシロキサン重合体と
しては、ポリシロキサンブロック、例えばポリエーテル−ポリシロキサンを含む
と共にポリジアルキルシロキサン、好ましくは、約100〜1,000,000
センチストークス(cs)の粘度を有するポリジメチルシロキサンを含むブロッ
ク共重合体が挙げられる。本発明による空洞現象の効果は、ゴム粒子の直径(重
量平均直径)が通常0.7ミクロン以下のABS重合体の場合に最も著しい。
【0030】 ABS重合体にシリコーン油を添加する時点は重要ではなく、重合の進行中に
行っても、また、揮発成分除去の前もしくは後に行ってもよい。
【0031】 本発明のこの実施態様、すなわちABS重合体を空洞形成可能にすることは、
上で特に言及した工程のパラメータに無関係である、言い替えると、この実施態
様は混合溶媒、後続の反応器内の化学的開始剤の欠如、注目した工程温度及びト
リグリセリドの使用を必要としない。
【0032】 好ましい大規模の連続式重合方法では、反応は2個の反応器で行い、第1の反
応器Aは至る所で実質的に均一な組成を有する反応混合物を生じるように撹拌す
ると共に20〜30%の重合体固体含有量で作動する、そして第2の反応器Bは
50〜70%の重合体固体含有量で作動する大規模な連続式反応器である。次に
、この好ましい方法をより詳細に述べる。
【0033】 (1)80,000〜250,000の分子量(Mw)を有するジエンゴム約
7〜15重量%を溶解した、スチレン単量体、アクリロニトリル単量体、溶媒混
合物、化学的開始剤及び場合によりその他の添加剤を含む溶液を同時且つ連続的
に反応器Aに装入して、この反応器中で最初に部分的に重合した混合物を形成す
る。加えた際にゴムが約0.3〜0.7ミクロンの重量平均粒子直径を有するゴ
ム粒子としてすぐに分散されるように、単量体の約20〜30%が重合体に転化
する(20〜30%重合体固体含有量)定常状態でこの反応器を作動させる。本
発明ABS重合体の重要なパラメータである、ゴム相の分布(すなわち、数平均
粒子直径(Dn)に対する重量平均粒子直径(Dw)の比)は好ましくはせいぜ
い2.2である。
【0034】 単量体は約75〜85℃の温度及び1〜10気圧の操作圧力で重合し、重合し
た単量体の少なくとも一部分はジエンゴム上の上層共重合体分子としてグラフト
化する。
【0035】 最初の反応器中で行われる反応が完結すると、ゴム粒子が形成され、分散され
、そしてグラフト化されている。いくらかの単量体/重合体相はゴム粒子中に吸
蔵されていることが多い。このように吸蔵された単量体−重合体相の量は、定常
状態の重合によって一定の水準に保持される。ゴム粒子内の吸蔵の容積が多くな
るほど、重合体を強靭にする際にこのゴム相がより一層有効に用いられることが
見出だされた。吸蔵がゴム1部当たり約0.25〜2.5重量部のレベルに制御
されると、ゴム粒子は純粋なゴム粒子と殆ど同じように振る舞う。吸蔵された単
量体も重合し、ゴム粒子の内部で単量体/重合体成分を形成し始める。
【0036】 ゴム粒子は、外部でグラフト化され、単量体−重合体相での寸法及びゴム粒子
の分散性に従ってゴム粒子の構造を安定化する。最初の反応器は、単量体−重合
体相から成る、最初に部分的に重合された混合物を形成する。この単量体−重合
体相はその中に分散した上述のゴム相を有している。
【0037】 第2の、もしくは後続の反応器は、好ましくは第1の反応器として用いられる
タイプの連続撹拌式反応器であり、転化を望ましいレベルまで確実にするのに用
いる。このレベルは通常単量体から重合体まで50〜90%、好ましくは60〜
80%、また反応混合物中では75%の重合体固体分までである。
【0038】 この反応器(反応器B)は化学的開始剤なしで110℃から高くとも155℃
の温度、及び5〜10気圧の操作圧力で作動させる。重合反応は発熱を伴うが、
反応している材料から単量体の一部分が蒸発することによって冷却が与えられて
もよい。しかしながら、目標の組成がS/ANの共沸混合物以上であれば、単量
体を適切な濃度で別個に送給して望ましい単量体の割合を反応器B内に維持する
ことが必要であろう。追加的にもしくは代案として、反応器ジャケットで冷却を
与えることができる。凝縮した再循環用単量体を反応器Bに供給して冷却を行う
こともできる。効率のよい撹拌設備のある連続式流通反応器を反応器Bとして用
いることも適切であろう。上で論議した冷却機構は前述の反応器にとって有効で
ある。原料が前述の反応器を通って進行するとき、重合体の量は連続的に増加し
、単量体の量は(重合と蒸発損失によって)減少し、温度は入口段階から出口段
階まで次第に上昇する。
【0039】 最終の反応器を出る、部分的に重合した混合物は、残留している未反応単量体
及び溶媒を除去するために1個以上の揮発成分の除去段階にかけられる。前述の
揮発成分の除去(devolatilization)は、ワイプドフィルム
(wiped film)、もしくはフォーリングストランド(falling
strand)、もしくは押出機(extruder)型等の所望の揮発成分
除去装置で公知の方法で行う。揮発成分の除去処理は、通常約200〜280℃
の温度、0.01〜700mmHg(絶対)の減圧、好ましくは約220〜25
0℃の温度及び2〜200mmHg(絶対)の圧力下で行う。揮発成分の除去段
階の生成物は、約0.2重量%未満にまで減少したレベルの残留単量体及びオリ
ゴマーを伴う重合体組成物である。
【0040】 揮発成分の除去段階から、通常溶融物の形態の、揮発成分を除去された重合体
を取り出し、ストランドダイ(strand die)もしくはその他の通常の
手段を用いて、取り出した重合体をストランドもしくはその他の形状に形成し、
その後に冷却し、そして所望の最終の寸法で切断もしくは小球状にし、貯蔵する
か又は出荷用に包装する。最後の操作は公知の装置及びデバイスを用いて通例の
方法で行う。
【0041】 本発明のABS重合体は、下記の特色が特徴になっている: (i)ゴム粒子の直径(重量平均)は0.3〜0.7ミクロンであり、 (ii)ゴムの、重量平均粒子直径(Dw)と数平均粒子直径(Dn)との 間の比はせいぜい2.2であり、 (iii)ゴムのガラス転移温度はせいぜい−85℃であり、 (iv)ゴムの含有量はABS重合体の重量に対して約10〜16%であり 、 (v)SANマトリックスの分子量(数平均分子量)は65,000より大 きく、好ましくは70,000g/モルより大きく、 (vi)残留オリゴマー類の含有量は0.2%未満であること。
【0042】 本発明ABS重合体を規定する材料パラメータの絶対的な重要性は、下記一群
の独特な特性にある: (i)1600Pa−s未満の(246℃、100sec-1での)ずり粘性 、 (ii)少なくとも2.2GPaの引張弾性率、 (iii)40%を越える破断までの伸び(ETF)、 (iv)25kJ/m2 より大きい衝撃強さ(アイゾット)、 (v)100kPaを越える(歪み2における)RMEスロープ、 (vi)3.0を越える、くびれ開始時のRMEスロープ。
【0043】 ゴムの粒子直径は沈降−光散乱法(sedimentation−light
scattering technique)で測定することができよう。ゴ
ムのガラス転移温度(Tg)は引張り方式の動機械的分析(dynamic m
echanical analysis)によって測定することができよう。ゴ
ム含有量は、適切なブタジェン共重合体含有量に対して校正したFTIRによっ
て測定することができよう。マトリックスの分子量は適切なAN含有量に対して
校正したゲル浸透クロマトグラフィーで測定する。残留オリゴマー(二量体及び
三量体)の含有量は質量分析計と連結したガスクロマトグラフィーで測定するこ
とができよう。
【0044】 本発明との関連においては、ずり粘性は標準の毛細管流動計で測定する。引張
弾性率の値及び破断までの伸びの値は、機械と交差する方向に押し出した細片か
ら切断した試験片について測定する。これらの細片は、厚さ5ミルであり、機械
方向について10〜25%の残留配向(オーブン収縮で測定)を生じる条件下で
押し出される。引張り特性は、試験片の測定部分が0.05×0.50×1.0
0インチであること以外はASTMD648に従って測定した。衝撃強さ(アイ
ゾット)はISO 180−1993(E)による4mmISO成型試験片につ
いて測定する。溶融物の応力−歪みは、Meisner型レオメータ(Rheo
metric Scientific,Inc.の製品)上で170℃における
一軸伸長及びHencky歪み速度0.1sec-1の条件で測定する:これらの
条件は、ABS材料の加熱成形について代表的なものである。Hencky歪み
2(絞り比2)における応力/歪み曲線のスロープを選択する。その理由は、こ
の歪みが深絞り部分において典型的であり、そして、溶融物の安定性は少なくと
もこの程度の歪みまで維持されるに違いないからである。試験片(specim
en)に目に見えるくびれ(necking)が生じる、溶融物のHencky
歪みは、材料の安定性の喪失及び多分材料が受けやすい最大の絞り比率の指標で
ある。
【0045】 本発明ABS重合体を特徴づける一群の特性(本明細書では“重要な特性”)
は、現在商業上入手できる、対応材料によって共有されない。増加したゴム含有
量は高い破断までの伸び、アイゾット(Izod)衝撃強さ及び溶融物応力成長
を生じるけれども、このことは典型的には、低下した弾性率及び溶融物の歪みの
限度並びにずり粘性の増加に結び付けて考えられる。グラフト相の分子量の増加
は、ETF(破断までの伸び)、アイゾット(Izod)衝撃強さ及び溶融物の
歪み硬化の比較的高い値を生じさせ、このことはずり粘性の増加も生じさせる。
ゴム粒子寸法の増大はETF値を比較的高くし、その上、アイゾット衝撃強さ、
引張弾性率及び溶融物の歪み硬化の値の減少を伴わせる。
【0046】 溶融物の歪み硬化、安定性を示すパラメーターはMeisner型レオメー
タ(RME)上での一軸伸長で測定する。温度は170℃に一定に保持され、歪
み速度は0.1sec-1で一定である。溶融物の安定の尺度としてHencky
歪み2における応力−歪み曲線のスロープ(RMEスロープ)、すなわち応力成
長から応力−歪み曲線を解析する。変形している試料が細くなるか、又は不均一
になる時の歪み(くびれ開始時のRME歪)は溶融物の安定性の尺度である。
【0047】 後段の表は、一般に主要な市販用製品であると考えられている数個の対応材料
の特性の輪郭を表す。太肉の数字で表した値は、目標の特性と比較した際の欠点
を表す。これらは本発明のABS重合体と比較して決められている。
【0048】 表において、Dwはゴム粒子の重量平均粒子直径を表し;Dnはゴム粒子の数
平均粒子直径を表し;比Dw/Dnは寸法の分布を表し;Tg はガラス転移温度
を℃で表す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】 周知の大規模な連続式重合方法による本発明ABSの製造はこの明細書中で言
及した方法への修正を必要とする。
【0052】 本発明を下記実施例によりさらに具体的に説明するけれども、本発明はこれら
の実施例に限定されない。そして、これらの実施例において、全ての部及び百分
率は、別のように指定されていない場合には、重量を単位とする。
【0053】 実施例 実施例1(比較) 以下に説明するように典型的な大規模連続式重合方法でABS重合体を製造し
た。生成物は0.74ミクロンの重量平均粒子直径(Dw)を有する、13.7
重量%のゴムを含んでいた。生成物は28重量%のアクリロニトリルを含み、残
りはポリスチレン−アクリロニトリルマトリックス中のスチレンであった。この
製造は、連続して配置された2個の撹拌式反応器から成るシステムを用いること
を必要とした。第1の1リットルの反応器に710g/時間の速度で連続的に導
入された供給材料の流れは下記の組成(重量%)を有していた: ポリブタジエンゴム 10% スチレン 40.6% アクリロニトリル 23.3% メチルエチルケトン 13% エチルベンゼン 13% ペルオキシネオデカン酸t−ブチル 0.038% 第1の反応器中の温度は80℃であった。
【0054】 次に、反応混合物は、27g/時間の供給材料速度で第2の2リットルの反応
器に同時的且つ連続的に供給される、別個の第2の供給材料の流れと一緒に前記
第2の2リットルの反応器に供給された。前記第2の供給材料の流れは下記のも
のを含んでいた(重量%)。
【0055】 スチレン 70% アクリロニトリル 4.0% メチルエチルケトン 12.25% エチルベンゼン 12.25% モノペルオキシ炭酸t−ブチルエチル ヘキシル(化学的開始剤) 0.18% t−ドデシルメルカプタン 0.12% 安定剤 1.2% 安定剤は、本発明との関係においては、重要性がないと考えられる。第2の反
応器の温度は145℃であった。第2の反応器内の反応混合物は反応した後、2
40℃で10mmHgの1段式の揮発成分除去装置に連続的に供給された。生じ
たABS材料の構造及び特性を以下に示す。
【0056】 表 1 %ゴム 12.8 Dw,ミクロン 0.74 Dw/Dn 2.00 ゴムのTg,℃ −81 %AN,PSAN 27.8 Mw,g/モル 149,000 Mn,g/モル 64,000 残留SANオリゴマー,% 0.1 ずり粘性,Pa−sec 1767 弾性率,GPa 2.02 破断までの伸び,% 127 衝撃強さ,アイゾット,kJ/m2 11.2 RMEスロープ(歪み=2における),kPa 127 RME歪み(くびれ開始時) 3.5 実施例2 本発明方法でABS重合体を製造した。生成物は0.40ミクロンの重量平均
粒子寸法(Dw)を有する、14.3重量%のゴムを含んでいた。生成物は26
.2重量%のアクリロニトリルを含み、残余はポリスチレン−アクリロニトリル
マトリックス中のスチレンであった。製造には連続して配置された2個の撹拌式
反応器から成るシステムを用いることを必要とした。520g/時間の速度で第
1の1リットルの反応器に連続的に導入した供給材料の流れは下記の組成(重量
%)を示した: ポリブタジエンゴム 8.1% スチレン 48.6% アクリロニトリル 20.1% メチルエチルケトン 11.6% エチルベンゼン 11.6% ペルオキシネオデカン酸t−ブチル 0.023% 第1の反応器内の温度は80℃であった。
【0057】 次に反応混合物を、27g/時間の供給材料速度で第2の2リットルの反応器
に同時的且つ連続的に供給される、別個の第2の供給材料の流れと一緒に前記第
2の2リットルの反応器に供給した。第2の供給材料の流れは下記のものを含有
していた(重量%): スチレン 66.5% アクリロニトリル 13.1% とうもろこし油 12.0% 及び 安定剤 6.0% 安定剤は、本発明との関係においては、重要性がないと考えられる。第2の反
応器の温度は150℃であった。第2の反応器内の反応混合物は反応した後に、
240℃で10mmHgの圧力下の1段式の揮発成分除去装置に連続的に供給さ
れた。生じたABS材料の特性を後段に示す。
【0058】 表 2 %ゴム 14.3 Dw 0.40 Dw/Dn 2.00 ゴムのTg,℃ −92 %AN,PSAN 26.2 Mw,g/モル 181,000 Mn,g/モル 78,000 残留SANオリゴマー,% 0.1 ずり粘性,Pa−sec 1532 弾性率,GPa 2.25 破断までの伸び,% 45 衝撃強さ,アイゾット,kJ/m2 31.0 RMEスロープ(歪み=2における),KPa 245 RME歪み(くびれ開始時) 3.5 前文において説明の目的で本発明を詳述したけれども、前述の詳細な説明はも
っぱら発明の説明を目的とするものであり、発明が特許請求の範囲によって限定
される場合を除いて、発明の精神と範囲から逸脱することなしに、当業者によっ
て変形を行い得ることを諒解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA, ZW Fターム(参考) 4J011 AA05 BA04 DA04 DB11 DB26 PA30 PA47 PA54 PB23 PC02 4J026 AA67 AA68 AA69 AA71 AB44 AC10 AC11 AC12 BA04 BA05 BA31 DB02 DB29 EA02 GA01 GA02

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス相とその中に分散されたグラフト化ゴム粒子を
    含んでなるABS重合体において、 (i)前記ゴムは0.3乃至0.7ミクロンの重量平均直径を有する粒子の形態 で存在し、その場合Dw/Dn比はせいぜい2.2であり、 (ii)前記ゴムのガラス転移温度はせいぜい−85℃であり、 (iii)前記ゴムは前記ABS重合体重量に関して10乃至16%の量で存在 し、 (iv)前記マトリックスの数平均分子量は65000g/モルより大きく、 (v)前記ABS重合体中の残留オリゴマーの含有量は0.2%未満であり、か
    つ、マトリックスは、少なくとも1種のモノアルケニル芳香族単量体と少なくと
    も1種のエチレン性不飽和ニトリル単量体との共重合生成物を含んでなり、前記
    グラフト化ゴムはジエンゴムを含んでなり、グラフト化相は少なくとも1種のモ
    ノアルケニル芳香族単量体と少なくとも1種のエチレン性不飽和ニトリル単量体
    との共重合生成物を含んでなることを特徴とする前記ABS重合体。
  2. 【請求項2】 ゴムが前記ABS重合体の重量に関して12乃至15%の量
    で存在する請求項1のABS重合体。
  3. 【請求項3】 ABS重合体のずり粘性が(246℃及び100sec-1
    おいて)1600Pa−sより低く、ABS重合体の引張弾性率が少なくとも2
    .2Gpaであり、ABS重合体のETFが40%より高く、アイゾット衝撃強
    さは、25kJ/m2 より高く、RMEスロープ(RME slope)が(1
    70℃及び0.1sec-1において)100kPaより高く、ABS重合体のく
    びれ開始時におけるRME歪みが3.0より高いことを、さらに特徴とする請求
    項1のABS重合体。
  4. 【請求項4】 (i)単量体混合物と溶媒混合物との溶液中のジエンゴムを
    、重合を促進する条件下にある一連の反応器の中の最初の反応器に連続的に装入
    してゴム分散相が0.3〜0.7ミクロンの平均粒子直径を有する最初の反応混
    合物を形成させ、 (ii)前記一連の反応器の中の少なくとも1個の次の反応器であって、155
    ℃より低い温度で、化学的開始剤なしで作動する反応器に前記最初の反応混合物
    を、場合によっては追加の単量体混合物と一緒に移して生成物を形成させ、 (iii)(ii)において得られた生成物を揮発成分除去装置に移し、そして
    (iv)前記生成物から揮発成分を除去する ことを含んで成り、 前記単量体混合物はモノアルケニル芳香族単量体と、エチレン性不飽和ニトリル
    単量体とを含み、前記溶媒混合物は少なくとも1種の芳香族炭化水素と、少なく
    とも1種の脂肪族ケトンとを80/20〜20/80の重量比で含んでおり、
    (ii)において得られる前記生成物はC6〜24脂肪酸の不飽和トリグリセリド
    約0.5〜5%を含有する、ABS重合体を製造するための、大規模な連続式重
    合方法。
  5. 【請求項5】 前記トリグリセリドが天然の植物油である請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 揮発成分除去に先立って最終の反応器に油を導入する請求項
    5の方法。
  7. 【請求項7】 トリグリセリドが90より大きいヨウ素価を有する請求項4
    の方法。
  8. 【請求項8】 トリグリセリドがとうもろこし油である請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 (ii)で得られる前記生成物が約1〜2%のC6-24脂肪酸
    のトリグリセリドを含む請求項4の方法。
  10. 【請求項10】 芳香族炭化水素がエチルベンゼンである請求項4の方法。
  11. 【請求項11】 ケトンがメチルエチルケトンである請求項4の方法。
  12. 【請求項12】 芳香族炭化水素がエチルベンゼンであり、ケトンがメチル
    エチルケトンである請求項4の方法。
  13. 【請求項13】 重合を促進する条件下にある一連の反応器中でABS重合
    体を製造するための大規模な連続式重合方法において、 (i)一連の反応器の中の最初の反応器に、少なくとも1種のモノアルケニル芳
    香族単量体と、少なくとも1種のエチレン性不飽和ニトリル単量体とを含む単量
    体混合物、及び、少なくとも1種の芳香族炭化水素と、少なくとも1種の脂肪族
    ケトンとを80/20〜20/80の重量比で含有する溶媒混合物から成る溶液
    中のジエンゴムを連続的に装入して、ゴム分散相が0.3〜0.7ミクロンの平
    均粒子直径を有する最初の反応混合物を形成させ、 (ii)前記最初の反応器に続く任意の反応器を155℃未満の温度で化学的開
    始剤なしで作動させて、グラフト化ゴムを生成させ、 (iii)前記ゴム中にC6-24脂肪酸の不飽和トリグリセリド約0.5〜5%を
    混合し、そして (iv)前記ゴムから揮発成分を除去する ことを含む改良重合方法。
  14. 【請求項14】 少なくとも1種の芳香族炭化水素と少なくとも1種の脂肪
    族ケトンとが60/40〜40/60の重量比で含まれている請求項4の方法。
  15. 【請求項15】 (i)単量体混合物と少なくとも1種の溶媒とから成る溶
    液中のジエンゴムを、重合を促進する条件下にある一連の反応器の中の最初の反
    応器に連続的に装入して、ゴムが分散相である最初の反応混合物を形成させ、 (ii)前記一連の反応器の中の次の少なくとも1個の反応器であって、生成物
    を形成するのに十分な温度で作動する当該次の反応器中に前記最初の反応混合物
    を、場合によっては追加的な単量体混合物と一緒に移し、 (iii)(ii)において得られた生成物を揮発成分除去装置に移し、 (iv)前記生成物から揮発成分を除去することを含んで成り、 前記単量体混合物は、モノアルケニル芳香族単量体と、エチレン性不飽和ニトリ
    ル単量体とを含み、(ii)において得られる前記生成物はC6-24脂肪酸の不飽
    和トリグリセリド約0.5〜5%を含む、ABS重合体を製造するための大規模
    な連続式重合方法。
  16. 【請求項16】 前記不飽和トリグリセリドが天然の植物油である、請求項
    15の方法。
  17. 【請求項17】 揮発成分除去に先立って、最後の反応器に油を導入する、
    請求項15の方法。
  18. 【請求項18】 トリグリセリドが90を越えるヨウ素価を有する、請求項
    15の方法。
  19. 【請求項19】 トリグリセリドがとうもろこし油である請求項15の方法
  20. 【請求項20】 (ii)において得られる前記生成物が、C6-24脂肪酸の
    不飽和トリグリセリド約1〜2%を含有する、請求項15の方法。
  21. 【請求項21】 請求項15の方法で製造されたABS重合体。
  22. 【請求項22】 マトリックス相、その中に分散されたグラフト化ゴム粒子
    、及びポリジアルキルシロキサンを含むABS重合体において、前記マトリック
    スは少なくとも1種のモノアルケニル芳香族単量体と、少なくとも1種のエチレ
    ン性不飽和ニトリル単量体とから成る共重合成生物を含み、前記グラフト化ゴム
    はジエンゴムと、少なくとも1種のモノアルケニル芳香族単量体及び少なくとも
    1種のエチレン性不飽和ニトリル単量体とから成る共重合生成物を含むグラフト
    化相とを包含しており、前記ゴムはせいぜい0.7ミクロンの重量平均直径を有
    する形態で存在し、前記ポリジアルキルシロキサンはABS重合体の重量に関し
    て約0.05〜0.4%の量で存在すると共に、約100〜1,000,000
    センチストークス(cs)の粘度を示すことを特徴とする、前記ABS重合体。
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