JP2003514388A - 処理システム用の材料およびガス化学剤 - Google Patents

処理システム用の材料およびガス化学剤

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シェップ・アラン・エム.
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 基板を処理するためのプラズマ処理システムを開示する。このプラズマ処理システムは、内部において処理のためのプラズマの発生と維持とを両方とも行う、実質的に軸対称の、単一のプラズマ処理チャンバを備える。このプラズマ処理チャンバは、プラズマ生成用のチャンバを別途有さない。このプラズマ処理チャンバは、上端および下端を有する。このプラズマ処理チャンバは、供給される反応ガス化学剤と実質的に反応しない材料を含む。また、このプラズマ処理チャンバに注入する反応ガスも開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
本発明は、ICの製造に使用される半導体基板またはフラットパネルディスプ
レイに使用されるパネル(例えばガラスやプラスチック等など)などの基板を処
理するための装置および方法に関する。本発明は、特に、基板の表面全体を高い
均一性で処理することができる改良プラズマ処理システムに関する。
【0002】 プラズマ処理システムが出回るようになってしばらくたつ。誘導結合プラズマ
ソース、電子サイクロトロン共鳴(ECR)ソース、キャパシティソース(capa
citive sources)等などを利用したプラズマ処理システムは、長年に渡って、半
導体基板および表示パネルを処理する目的で、様々な度合いで導入され利用され
てきた。
【0003】 代表的なプラズマ処理の適用例では、先ず、チャンバの中に処理用のソースガ
ス(エッチャントガスまたはデポジションソースガス)を導入する。次いで、エ
ネルギを供給し、処理用のソースガスからプラズマを発生させる。発生されたプ
ラズマは、例えば静電結合、誘導結合、マイクロ波を通した結合等の様々な周知
の形でプラズマに結合し得る追加のエネルギによって維持される。そして、例え
ば基板を選択的にエッチングする、あるいは基板上に薄膜を選択的に堆積させる
などの処理において、プラズマを利用する。プラズマ処理システムは、当該分野
において一般に周知であり、参考文献には、様々な市販のシステムに関する詳細
が記載されている。このため、簡潔を期するために、本明細書では、プラズマ処
理の一般原則に関する詳細な説明を省くものとする。
【0004】 基板を処理するにあたってプロセスエンジニアらが改善しようと務めている重
要なパラメータの1つに、処理の均一性がある。例えばエッチングの環境下では
、エッチングの均一性が、歩留まりに対して重要な決定力を有する。すなわち、
エッチングの均一性が高いと、欠陥のない処理済み基板を得られる確率が増し、
メーカにおけるコスト削減に繋がる。ここで言うエッチング均一性とは、基板の
表面に対して実施されるエッチング処理全体の均一性を指しており、エッチング
速度、マイクロローディング、マスクの選択性、下層の選択性、微小寸法の制御
、および側壁の角度や粗度等のプロフィル特性が含まれる。例えば、エッチング
均一性が高い場合は、基板のエッチング速度がどの地点においても実質的に等し
いと考えられる。この場合は、基板の1領域が過度にオーバエッチングされる一
方で他の領域のエッチングが不十分になるような事態を生じにくい。ところが、
このような厳格な必要条件は、基板処理の段階ごとに異なる場合が多い。これは
、必要条件が大幅に異なるプラズマ処理によって処理しなければならない、何層
もの薄膜が存在するためである。例えば、所望の処理特性を達成するためには、
1枚の基板を処理するあいだに、ガス圧力、プラズマ密度、および化学剤を大幅
に変化させる必要がある。
【0005】 処理の均一性以外にも、プロセスエンジニアを懸念させる事項が存在する。メ
ーカにとっての大きな関心事の1つは、処理ツールの所有コストである。所有コ
ストには、例えば、システムを入手および維持するためのコスト、処理性能を許
容可能なレベルに維持するために必要とされるチャンバの洗浄頻度、ならびにシ
ステムコンポーネントの寿命等などが含まれる。このため、望ましいエッチング
処理とは、種々の所有コストとプロセスパラメータとの間でバランスを取り、よ
り低コストでより高品質の処理を達成できる処理を意味する場合が多い。さらに
、基板上の構造が小型化し、処理に対する要求が増大する(例えば、微小寸法を
小さくする、アスペクト比を高める、スループットを高める等など)のにともな
って、より低コストでより高品質の処理を達成できる新しい方法および装置が、
プロセスエンジニアによって常に模索されつづけている。
【0006】
【発明の概要】
本発明の1実施形態は、内部において、処理のためのプラズマの発生と維持と
を行う、実質的に軸対称の単一のプラズマ処理チャンバを備えた、基板を処理す
るためのプラズマ処理システムに関する。このプラズマ処理チャンバは、プラズ
マ生成用のチャンバを別途有さない。このプラズマ処理チャンバは、上端および
下端を有する。このプラズマ処理チャンバは、内部に供給される反応性ガス化学
剤と実質的に反応しない材料を含有する。また、このプラズマ処理チャンバに流
れ込む反応ガスも開示される。
【0007】 このプラズマ処理システムは、プラズマ処理チャンバの上端に設けられた結合
窓と、基板が処理のためにプラズマ処理チャンバの中に配された場合に基板によ
って規定される平面の、上方に設けられた高周波アンテナ構成と、を備える。こ
のプラズマ処理システムは、また、基板によって規定される平面の上方に設けら
れた電磁石構成を備える。この電磁石構成は、少なくとも一の直流電流が供給さ
れた場合に、結合窓およびアンテナに近い領域において、プラズマ処理チャンバ
の中の制御可能な磁場の半径方向の変化を生じるように構成される。この半径方
向の変化は、基板に対する処理の均一性に効果的に作用することができる。
【0008】 このプラズマ処理システムは、また、電磁石構成に結合された直流電源を備え
る。この直流電源は、少なくとも一の直流電流の大きさを変動させることによっ
て、アンテナに近い領域において、プラズマ処理チャンバの中の制御可能な磁場
の半径方向の変化を変更し、基板に対する処理の均一性を向上させるコントロー
ラを有する。
【0009】 本発明の別の1実施形態は、プラズマ処理を使用して基板を処理するとともに
その処理の均一性を制御するための方法に関する。この方法は、基板を処理する
際に、内部においてプラズマの発生と維持とを行う、実質的に軸対称の構成を有
した単一のチャンバを有したプラズマ処理チャンバであって、プラズマ生成用の
チャンバを別途有することのないプラズマ処理チャンバを用意する工程を含む。
このプラズマ処理チャンバは、供給される反応性ガス化学剤と実質的に反応しな
い材料を含有する。また、このプラズマ処理チャンバに流れ込む反応ガスも開示
される。
【0010】 この方法は、また、プラズマ処理チャンバの上端に設けられた結合窓を用意す
る工程と、基板が処理のためにプラズマ処理チャンバの中に配された際に基板に
よって規定される平面の上方に設けられた高周波アンテナ構成を用意する工程と
、を含む。この方法は、また、基板によって規定される平面の、上方に設けられ
た電磁石構成を用意する工程を含む。この電磁石構成は、少なくとも一の直流電
流が供給された場合に、結合窓およびアンテナに近い領域において、プラズマ処
理チャンバの中の制御可能な磁場の半径方向の変化を生じるように構成される。
この半径方向の変化は、基板に対する処理の均一性に効果的に作用することがで
きる。
【0011】 また、電磁石構成に結合された直流電源を用意する工程と、基板をプラズマ処
理チャンバの中に配置する工程と、反応ガスをプラズマ処理チャンバの中に流し
込む工程と、反応ガスからプラズマを発生させる工程と、アンテナに近い領域に
おいて、プラズマ処理チャンバの中の制御可能な磁場の半径方向の変化を変更し
、基板に対する処理の均一性を向上させる工程と、が含まれる。
【0012】 本発明のさらに別の1実施形態は、内部において、処理のためのプラズマの発
生と維持とを行う、実質的に軸対称な単一のプラズマ処理チャンバを備えた、基
板を処理するためのプラズマ処理システムに関する。このプラズマ処理チャンバ
は、プラズマ生成用のチャンバを別途有さない。このプラズマ処理チャンバは、
上端および下端を有する。
【0013】 このプラズマ処理システムは、プラズマ処理チャンバの上端に設けられた結合
窓と、基板が処理のためにプラズマ処理チャンバの中に配された際に基板によっ
て規定される平面の、上方に設けられた高周波アンテナ構成と、を備える。
【0014】 さらにまた、高周波アンテナに結合された第1の高周波(RF)電源と、基板
によって規定される平面の上方に設けられた第1の磁石構成と、が備わっている
。この磁石構成は、自身から発散される磁力線によって、プラズマ処理チャンバ
の中の制御可能な磁場のうち、結合窓およびアンテナに近い領域において半径方
向の変化を生じるように構成される。この半径方向の変化は、基板に対する処理
の均一性に効果的に作用することができる。
【0015】 また、処理の際にプラズマ処理チャンバの中で基板をサポートするように構成
された基板サポート構成と、この基板サポート構成に結合された第2の高周波(
RF)電源と、が備わっている。第2の高周波電源は、第1の高周波電源から独
立して制御することができる。さらには、アンテナに近い領域において、プラズ
マ処理チャンバの中の制御可能な磁場の半径方向の変化を変更し、基板に対する
処理の均一性を向上させるための手段も、備わっている。
【0016】 添付図面との関連で行う以下の本発明の詳細な説明から、本発明の上述したお
よびその他の特徴が、さらに詳しく示される。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面に例示された幾つかの好ましい実施形態に関連させて、本発明
の詳しい説明を行う。以下の説明では、本発明が完全に理解されるように、多く
の項目を特定している。しかしながら、当業者には明らかなように、本発明は、
これらの項目の一部または全てを特定しなくても実施することが可能である。そ
のほか、本発明が不必要に不明瞭となるのを避けるため、周知の処理工程および
/または構造に関する詳細な説明は省略した。
【0018】 本発明の1実施形態は、処理の均一性を高度に制御することができる改良プラ
ズマ処理システムに関する。代表的な改良プラズマ処理システムは、処理のため
のプラズマを発生させるのと収容するのとを両方とも行う、実質的に軸対称な、
すなわちウエハの平面に平行な各断面がほぼ円形であるような、単一のプラズマ
処理チャンバを備える。この改良プラズマ処理システムは、さらに、処理中の基
板平面の上方に設けられた上部磁石構成と高周波(RF)アンテナ構成とを備え
る。
【0019】 高周波アンテナ構成および上部磁石構成は、プラズマ処理チャンバの中の基板
から十分に遠ざかった上方において、制御可能な磁場の強さおよびトポロジー(
形状)に、適切な量の半径方向の変化が生じるように構成される。その結果、制
御された半径方向の変化は、基板における磁場の強さを小さく抑えるとともに、
処理が均一となるようなものとなる。好ましい1実施形態では、制御可能な磁場
の強さおよびトポロジーの半径方向の変化は、主に、高周波アンテナ/真空イン
ターフェイスに近いパワー結合(power coupling)領域の近くにおいて生じる。
制御可能な磁場の強さおよびトポロジーの半径方向の変化は、処理の均一性に大
きく作用する。処理の均一性に作用することができる、制御可能な磁場の強さお
よびトポロジーの半径方向の変化のパターンを生成できるように、プラズマ処理
システムを目的にそって構成し、さらに、その半径方向の変化を変更する手段を
用意することによって、プロセスエンジニアらが処理を調整して均一性を向上さ
せることを可能にする、均一性のダイヤルが得られる。
【0020】 1実施例では、高周波アンテナ構成と上部磁石構成とを非同一平面上に設ける
ことによって、上述した制御可能な磁場の強さおよびトポロジーに、半径方向の
変化を生じさせる。代わりにあるいは加えて、同一平面上または非同一平面上の
2つまたはそれ以上の電磁コイルを有した上部磁石構成を用意することによって
、制御可能な磁場の強さおよびトポロジーに、半径方向の変化を生じさせても良
い。すなわち、複数の電磁コイルに反対方向の直流電流を供給し(ただし必ずし
も必須ではない)、上述した制御可能な磁場の強さおよびトポロジーに、半径方
向の変化を生じさせて良い。
【0021】 製造を容易にして動作を単純化するためには、プラズマ処理チャンバを、実質
的に軸対称な単一のプラズマ処理チャンバになるように構成することが好ましい
(ただし限定はされない)。つまり、本発明によるプラズマ処理チャンバは、基
板を処理するためのプラズマを発生させるのと収容するのとを両方とも行う単一
のチャンバからなり(このため、プラズマ生成用のチャンバを別途必要としない
)、かつ均一性を高める実質的に軸対称の構成を有することが好ましい。例とし
て、円筒形またはドーム状の単一のチャンバを仮定して良いが、これに限定され
ない。
【0022】 好ましい1実施形態では、処理のためのプラズマを発生させるのと収容するの
とを両方とも行うことができる、円筒状の単一のチャンバを仮定する。このチャ
ンバによれば、プラズマ生成用およびプラズマ処理用のチャンバをそれぞれ個別
に使用する必要がない。
【0023】 代表的なある改良プラズマ処理システムは、さらに、相当数のプラズマ密度勾
配が基板から遠くで生じるように構成された磁気バケット構成を備える。好まし
い1実施形態では、プラズマ処理チャンバの外周付近にこの磁気バケット構成を
設ける。この磁気バケット構成は、プラズマ処理チャンバの壁の内側または外側
の外周付近に、軸方向に方向付けられた複数の永久磁石を含むことが好ましいが
、これは必ずしも必要な要件ではない。具体的な実装例の如何を問わず、磁気バ
ケット構成は、プラズマの密度勾配を基板から遠ざけてチャンバの壁付近に集中
させるように構成される。こうして、基板を横切るプラズマ密度勾配の変化が最
低限に抑えられ、または実質的に低減されるので、処理の均一性はさらに向上す
る。これを、上述した制御可能な磁場の強さおよびトポロジーの半径方向の変化
と組み合わせれば、改良プラズマ処理システムにおける処理の均一性を、多くの
既存のプラズマ処理システムにおいて可能な均一性と比べて、大きく向上させる
ことができる。
【0024】 磁気バケットは、壁が原因で生じるプラズマのロスを低減させる傾向があるの
で、上記した代表的な改良プラズマ処理システムにおいて、ソースから発生した
プラズマをより効果的に使用することが可能になる。したがって、代表的な処理
システムを使用した場合と比べて、所定のソース出力から一般的に得られる密度
が高くなるので、より幅広の処理ウィンドウを得ることができる。所望の処理密
度は容易に達成できる場合が多いが、この代表的な改良システムにおいては、よ
り低いソース出力によって所望の密度を生成することができる。当業者なら理解
できるように、ソース出力を低く設定すると、ウエハを損傷させる可能性がある
反応(メカニズム)が低減され、さらに幅広な処理ウィンドウが得られる。
【0025】 リアクタのプラズマ分析(例えば、壁へのボームロス(Bohm losses)によっ
てバランスされる体積電離(volume ionization)に基づいた分析など)による
と、プラズマのロス領域の減少は、所定パワーの堆積に必要な電子温度を減少さ
せると予想される。これは、1実施形態では、磁気バケットを組み込むことによ
って達成される。このような電子温度の減少は、一般に、処理中の電子回路を損
傷させる可能性があるウエハの面上の電位を低下させる。このようなプラズマに
よる損傷要因を排除すると、ツールの操作ウィンドウを大幅に大きくできる。
【0026】 また、ある種の堆積用のプラズマ化学剤を使用した場合には、壁に付着される
ポリマーの全体量がバケットの場によって低減されることが、観測されている。
その結果、より大型のウエハに適したチャンバに必要とされる表面積の増大から
予想される、チャンバの洗浄頻度を、減少させることができる。
【0027】 また、ウエハにおける平均密度も、得られる処理効果の決定に大きく作用する
。磁気バケットを使用して壁へのプラズマのロスを低減させると、ここで開示し
た均一性制御のメカニズムは、平均密度から実質的に独立になる。
【0028】 また、ここで開示する均一性制御の発明は、ウエハにおける磁場を非常に小さ
く抑えることによって促進される。これは、強い磁場をウエハから離れた領域に
維持することによって達成されることが好ましい。このため、ソースから発生さ
れた密度を効果的に使用するために、磁気バケットを使用することは、非常に有
効である。
【0029】 図を参照にしながら行う以下の説明によって、本発明の特徴および利点をさら
に明らかにする。図1は、代表的な高周波アンテナ構成102と代表的な上部磁
石構成104とを備えたプラズマ処理システム100を、本発明の1実施形態に
したがって示した図である。図1の例では、高周波アンテナ構成102と上部磁
石構成104とが、プラズマ処理チャンバ106の上方に設けられた状態で示さ
れている。以下で述べるように、高周波アンテナ構成と上部磁石構成104は、
他の位置に設けることも可能である。
【0030】 高周波アンテナ構成102は、高周波(RF)電源112に結合された状態で
示されている。高周波電源112は、約0.4MHz〜約50MHzの周波数を
有したRFエネルギを高周波アンテナ構成102に供給することができる。周波
数の範囲は、約1MHz〜約30MHzであることがより好ましい。好ましいエ
ッチングの1実施形態では、高周波アンテナ構成102に供給されるRF周波数
は約4MHzであることが好ましい。
【0031】 図1の実施形態の上部磁石構成104は、互いに反対方向の直流電流を流す2
つの同心の磁気コイルを備える。上部磁石構成104は、可変の直流電源114
に結合された状態で示されている。可変の直流電源114は、上部磁石構成10
4の電磁コイルに供給される直流電流の大きさおよび/または方向を変化させる
ように構成される。直流電流の大きさおよび/または方向の変化によって、制御
可能な磁場の強さおよびトポロジーの半径方向の変化が、領域110において変
わり、所定の処理における基板表面に対する処理の均一性が、所望のレベルにな
る。
【0032】 基板122は、基板サポート構成124の上方に設けられた状態で示されてい
る。基板サポート構成124は、バイアス高周波(RF)電源システム128に
結合され、ウエハに衝突する荷電粒子のエネルギを独立して制御する。バイアス
高周波電源128は、周期的だが必ずしも正弦波ではない約0.3MHz〜約5
0MHzの周波数を有したRFエネルギを供給することができる。周波数は、よ
り好ましくは約2MHz〜約30MHzの範囲であり、好ましくは約13.5M
Hzである。基板122は、処理したい加工物である。この加工物は、例えば、
エッチング、デポジット、若しくはその他の処理を施したい半導体基板、または
、フラットパネルディスプレイ用に処理したい表示パネルである。磁気バケット
を利用した1実施形態では、磁気バケットの最下部分よりも十分に内側の位置に
基板をサポートすることが好ましい。ただし、これは絶対に必要な要件ではない
。これにより、プラズマ処理用混合物の、軸方向のあらゆる勾配を回避すること
ができる。プラズマ処理用混合物の軸方向の勾配は、磁気バケット部分から非磁
気部分への遷移部において生じる、制限のレベル変化の近傍において生じる。磁
気バケットの実際の範囲および処理中の基板の相対位置は、製造およびコストの
要素によって決定される。
【0033】 図1において、プラズマ処理チャンバ106は、簡単な円筒状で示されている
。いいかえれば、プラズマ処理チャンバ106のうち、基板を処理するためにプ
ラズマの発生と維持とを行うために利用される部分は、単一のチャンバからなる
ことが好ましい。しかし、これらの技術は、マルチチャンバリアクタの形で実装
することも可能である。この態様の利点として、プラズマ生成用のチャンバを別
途必要としないことがある。プラズマ生成用のチャンバを別途必要とする態様は
、チャンバの製造性を複雑化させ、プラズマの移送に関する問題を持ち込む(例
えば、プラズマ生成用のチャンバで生成されたプラズマを基板処理用のチャンバ
に適切に移送するためのメカニズムを必要とするなど)。また、基板の上方にお
けるチャンバの側壁が実質的に垂直な、単純な円筒形を呈することから、チャン
バの壁の製造を容易にし、微粒子材料が剥がれ落ちて基板を汚染する可能性を下
げ、チャンバの洗浄に関する問題を簡単にすることができる。壁を何らかの形で
カーブさせるとリアクタの設計が複雑になるが、チャンバの洗浄および取り扱い
に関してそれ以上の利点をもたらすことができると考えられる。上述した実質的
に軸対称なプラズマ処理チャンバの具体的な設計および形状は、コストと、整備
の容易さと、特定のメーカにおける製造性と、のバランスに依存して決定される
【0034】 図1において、高周波アンテナ構成102および上部磁石構成104は、同一
平面上に設けられていない。すなわち、これらをプラズマ処理チャンバの軸10
8に沿って空間的にオフセットさせることによって、プラズマ処理チャンバのう
ち高周波アンテナに近い領域110において、制御可能な磁場の強さおよびトポ
ロジーに半径方向の変化を生じさせ、窓/真空のインターフェイス構成102に
結合させている。図2Aは、図1のプラズマ処理チャンバ106の中において、
制御可能な磁場の強さおよびトポロジーの半径方向の変化を生じさせるために作
成される、代表的な磁力線を示した図である。
【0035】 こうして、制御可能な磁場の強さおよびトポロジーに、重要な半径方向の変化
が生じる。この変化は、基板表面に対する処理の均一性に大きく作用できるよう
に、改良プラズマ処理システムの中に意図的に形成される。例えば、図2Aの磁
力線140は、磁場が強い環状の領域から、チャンバ146の半径144の約半
分の半径で、発散していることが示されている。そして、制御可能な磁場の強さ
およびトポロジーの意図的に形成された半径方向の変化を変更するメカニズムに
よれば、基板の表面に対する処理の均一性を、従来技術によるプラズマ処理シス
テムで可能なレベルよりも高く調節することが可能になる。
【0036】 Bコイルから発散されるB場(B field)の範囲は、窓/真空のインターフェ
イスの近くで測定した状態で約0〜約1,500ガウスである。より好ましい範
囲は約0〜約200ガウスであり、さらに最適な範囲は約0〜約50ガウスであ
る。図2Bは、図1の電磁コイル104を流れる直流電流が操作された場合に半
径方向に発散される磁場の、別の代表的なトポロジーを示した図である。図1の
例と異なり、図2Bの例では、軸上の強磁場領域から磁力線が発散していること
がわかる。閉じたおよび開いた力線の具体的なトポロジーは、図1のコイル10
4を使用して制御することができる。また、このような力線の角度の変化および
絶対的な大きさは、磁気コイルの具体的な設計によって決定される。例えば、磁
石を非同一平面上に設けることによって、図1に示した例よりも軸よりの力線を
形成しても良い。Bコイルとして最適な設計は、チャンバの直径と、磁気バケッ
トの存在の有無および強さと、アンテナと、リアクタの設計が想定しているプラ
ズマ処理の形態と、に相互に依存する。この設計は、本発明の原則にしたがって
決定することができる。図2Cに、半径方向の変化の代表的なトポグラフィ(to
pographies)を示した。1000で示した場合のB場の強さは、軸上に対応した
単一の極大点を有し、1002で示した場合のB場の強さは、有限半径に対応し
た対称的な2つの極大点と、やはり軸上に対応した1つの極大点とを有する。本
発明では、このようなトポグラフィのばらつきを、電磁石アセンブリを使用して
制御することができる。
【0037】 図1には、磁気バケット構成132も示されている。この磁気バケット構成1
32は、プラズマ処理チャンバの外周付近において軸方向に方向付けられた、複
数の永久磁石を備える。上述したように、磁気バケット構成132は、ウエハ付
近における磁場を非常に弱く抑えるとともに、プラズマの密度勾配を基板から離
れた領域に維持するように構成される。図1に示した代表的な1実施形態におい
て、磁気バケット構成132は、チャンバの周方向に沿って交互に入れ替わる(
例えばN,S,N,S等など)放射状の磁化要素(magnetization factors)を
有する32個の永久磁石カスプ(cusps)を備える。ただし、1チャンバあたり
の実際のカスプ数は、プラズマ処理システムの具体的な設計に応じて変動して良
い。
【0038】 強いプラズマ密度勾配を基板から離れた領域に維持するためには、一般に、カ
スプの数を十分に多くする必要がある。しかしながら、カスプにおけるロスは、
チャンババケットの他の部分と比べて最も大きいので、カスプの数が多すぎると
、密度の増大が低下してしまう。例えば、いくつかの処理では、真空と壁とのイ
ンターフェイス面における磁場の強さとして、約15〜1,500ガウスが適し
ている。真空と壁とのインターフェイス面における磁場の強さは、より好ましく
は、約100〜約1,000ガウスである。そして、真空と壁とのインターフェ
イス面における磁場の強さは、約800ガウスであることがさらに好ましい。磁
気バケット構成102の使用は、ウエハの表面に対するプラズマの均一性を向上
させるものなので、すべての処理に必要とされるわけではない。ただし、高レベ
ルの均一性が重要である場合は、磁気バケット構成の組み込みはかなり有益であ
る。
【0039】 好ましい実施形態では、RF結合窓の上方に高周波アンテナ構成を設けること
によって、チャンバおよび/またはRF結合窓および/または磁気バケット構成
の、設計および構成を、有利に簡略化することが好ましい。しかしながら、チャ
ンバ上の他の位置に高周波アンテナ構成を配置しても、磁場の強さおよびトポロ
ジーの半径方向の変化を所望の制御状態にすることができると考えられる。例え
ば、図3Aは、本発明の原理にしたがって設計されたプラズマ処理システムであ
って、高周波アンテナ構成102が結合窓120の周囲に配置されたシステムを
示している。高周波アンテナ構成は、しかしながら、処理したい基板をプラズマ
処理チャンバの中に配した際にその基板によって形成される平面の上方に配置さ
れることが好ましい。さらに、B場の強さおよびトポロジーの制御可能な半径方
向の変化に基づいて定められる領域であって、より強いB場を有した領域の近く
において、プラズマの形成を促進させるためには、高周波アンテナを上部磁石構
成に十分に近づける必要がある。
【0040】 図1に示した代表的な実施形態では、軸対称の結合を促進するために、三次元
の積層構成を有した高周波アンテナを利用している。軸対称の結合は、基板に対
する処理の均一性に高いレベルが望まれる際に重要である。ただし、この三次元
の積層構成は、当然ながら必ずしも全ての場合に必要なわけではない。このよう
なアンテナの固有の軸対称の結合特性は、多くの場合は不要である(例えば、固
有の軸対称の結合特性を具備していない、平面状の螺旋アンテナのようなアンテ
ナによって、許容レベルの均一性がすでに実現可能であるような場合)。高周波
アンテナ構成として利用することが可能な他の例を、図3B(平面状の螺旋コイ
ル)、図3C(それぞれ厚さが異なる複数のループを有した高周波アンテナコイ
ル)、図3D(垂直方向に配置された複数のループを有した高周波アンテナコイ
ル)、図3E(個々に駆動される複数のアンテナを備えたRF結合ソース)、図
3F(図に示すような単一のコイルからなるドーム状のアンテナ、または、複数
の独立電源によって個々に駆動されるもしくは一度に駆動される複数のコイルか
らなるドーム状のアンテナ)に示した。さらに、高周波アンテナ構成は、例えば
D状の複数のアンテナ等のように、様々な非軸包囲型(non-axis encircling)
の構成を有しても良い。
【0041】 利用されるRF周波数の一般的な指針としては、例えば、13MHz未満の低
いRF周波数を、これらのツールの代表的な誘電率および物理的寸法とともに使
用すると、アンテナの非軸対称の結合特性が、あまり現れなくなることが挙げら
れる。したがって、RF周波数が低い場合には、幅広の配列を呈したアンテナ構
成を利用して良い。例えば、RF周波数が4MHzのように低い場合は、改良プ
ラズマ処理チャンバにおいて高品質のエッチングを実現するために、平面状の螺
旋アンテナを利用して良い。例えば13MHz以上の高いRF周波数を利用する
場合は、アンテナの非軸対称の固有の結合特性が明瞭に現れて、処理の均一性に
悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、結合特性が本質的に非軸対称のアン
テナ(例えば単純な螺旋アンテナ)は、処理の均一性として高いレベルが必要な
処理には適さない。このような場合は、本質的に軸対称の結合特性を有したアン
テナの使用が求められる。
【0042】 好ましい実施形態において、高周波アンテナ構成は、電磁コイル、プラズマ処
理チャンバ、基板のいずれとも同軸であることが好ましい。ただし、これは絶対
的な要件ではない。同軸の高周波アンテナ構成による高レベルの処理均一性を必
要としない処理、または、非対称のポンピングを利用したチャンバでは、高周波
アンテナ構成を同軸の構成からオフセットすることによって、チャンバ設計の非
対称性に対処して良い。しかしながら、制御可能な磁場の強さおよびトポロジー
の半径方向の制御可能な変化と、この変化を制御する機能とを意図的に導入して
、基板表面に対する処理の均一性を微調整することは、依然として望ましい。
【0043】 高周波アンテナ設計のサイズに関しては、チャンバの断面よりも小さくするこ
とによって、プラズマを基板の上方の領域に集中させ、プラズマがチャンバの壁
に過度に拡散することを阻止することが好ましい(ただし、これは絶対に必要な
要件ではない)。プラズマがチャンバの壁に過度に拡散すると、プラズマ処理シ
ステムの作動電力を大きくする必要が生じ、壁の侵食がさらに増大する。磁気バ
ケット構成がチャンバの外側に設けられている図1の代表的な改良プラズマ処理
システムでは、チャンバの壁へのプラズマの拡散を低減させるために、高周波ア
ンテナ構成の設置面積(footprint)を、磁気バケット構成によって規定される
領域の内側に維持することが好ましい。磁気バケット構成をチャンバの内側に設
けた場合は(プラズマの密度勾配がチャンバの壁に向かって集中するように、内
壁の近くに設けられた複数の磁石構造の形態または基板の軸近くに設けられた磁
気構造の形態をとる)、高周波アンテナ構成の設置面積を、チャンバの壁に近い
高プラズマ密度勾配の領域の内側に、維持することが好ましい。
【0044】 図1には、平面状のRF結合窓が示されている。ただし、RF結合窓は、窓材
が下方に伸びてキャップを構成した図3Aの結合窓や、図3Gのドーム状の窓な
どの、他の形状を有しても良いと考えられる。図3Hは、ドーム状のアンテナと
ドーム状の窓とを組み合わせた場合を示した図である。ただし、RF結合窓の半
径とプラズマ処理チャンバの半径とが等しい必要はない。
【0045】 RF周波数が低い(例えば約13MHz未満である)場合は、アンテナとプラ
ズマとの容量結合が低減されるので、結合窓130への衝撃も低減される。衝撃
が低減されると、半導体窓またはファラデーシールドを使用する必要がなくなる
。実際の結合窓130は、SiCまたはAlxyまたはSixyなどの誘電材料
から有利に形成されると考えられる。また、これらの材料をさらにSiCで接合
させることによって、結合窓を、チャンバの中のプラズマ環境により良く適合さ
せても良い。
【0046】 図1には、同軸の2つの電磁コイルを備えた上部磁石構成も示されている。た
だし、優れたレベルの均一性制御が望まれる場合は、特に、2つを超える数の電
磁コイルを提供しても良い。このような複数コイルの構成は、電磁コイル構成お
よび高周波アンテナ構成が同一平面上にある場合であっても、制御可能な磁場の
強さおよびトポロジーに関して所望の半径方向の変化を形成できる、という点で
有益であるが、これは絶対に必要な要件ではない。上述したように、このような
制御可能な磁場の強さおよびトポロジーの半径方向の変化は、電磁コイル構成と
高周波アンテナ構成とがチャンバの軸に沿って同一平面上にない場合であっても
、含まれるコイルの数にかかわらず、生じさせることができる。
【0047】 一般に、半径方向に発散された磁場のトポロジーは、電磁コイルに供給される
直流の大きさおよび/または方向を変化させることによって変動させて良い。図
1に示した例のように、複数の電磁コイルが含まれる場合は、複数の電磁コイル
に供給される1つまたはそれ以上の直流の大きさおよび/または方向を操作する
ことによって、基板表面において所望の均一性を得ても良い。制御可能な磁場の
強さおよびトポロジーの半径方向の変化は、他の方法によって操作することも当
然可能である。例えば、軸108とは異なる軸を中心に回転させる、チャンバの
軸に沿って移動させる、同一平面内で移動させる、および/または傾斜させるこ
とによって、上部磁石構成を物理的に移動させ、半径方向に変化する磁場のトポ
ロジーを変動させて良い。さらに別の例として、磁気コイルの周囲に磁束板部材
(magnetic flux plate material)を導入し、それを移動させることによって、
磁場のトポロジーを調整しても良い。
【0048】 均一性の制御は、高周波アンテナ構成102に近い領域110の近くに主に形
成される、磁場の強さおよびトポロジーの半径方向の変化を操作することによっ
て促進されるので、基板と上部磁石構成との距離が、パラメータとして重要であ
る。これは、磁場のトポロジーの半径方向成分の変化が、軸方向成分にも影響を
及ぼすためである。基板を処理する際の磁場の強さは、基板表面においてはかな
り弱く(例えば約15ガウス未満)、高周波アンテナ構成に近い軸線上の位置に
おいては強い(例えば真空と窓との境界面の近くにおいては約15〜約200ガ
ウス)ことが好ましい。磁場が過度に弱い領域が、ウエハに隣接した広い領域に
及ぶと、プラズマの拡散プロフィルが、均一性制御のメカニズムを実施しない場
合に得られるプロフィルに近づく。このような拡散プロフィルは、リアクタ内に
設計された処理ウィンドウの一部においては十分に均一であるが、磁場の強さお
よびトポロジーに関して制御可能な半径方向の変化を有することによる利点は、
実質的に弱まる。
【0049】 以上のことを考慮すると、半径方向に変化する磁場の強さおよびトポロジーを
変更された際に、処理の均一性を操作できるようにするためには、上述した距離
を、十分に短くとる必要があることがわかる。しかし、処理中のウエハに流れる
電流の変化または処理中のウエハ上にエッチングされた構造の帯電が原因で、基
板が損傷されることのないようにするためには、上述した距離をあまり短くとり
過ぎない必要もある。ウエハの電流の変化や帯電は、処理の際にウエハの位置に
過度の磁場が存在することによって生じ、または増大する。また、ソースからウ
エハまでの距離を短くとり過ぎると、今度は、軸方向の拡散によって処理の均一
性が左右されるようになる。すると、均一性の制御に必要とされる半径方向の変
化の長さ(scale length)が、制御するべき非均一性の大きさに近づく。これは
、磁場の強さおよびトポロジーの局所的な半径方向の変化の数を増大させ、その
制御に必要な精度を高めるので、磁気設計としての最適性が低下する。つまり、
チャンバがあまりに小さいと、その物理的境界が、処理の均一性を大きく左右す
るようになる。そして、本発明による原理を適用した場合に(依然として適用可
能ではあるものの)、設計が不当に複雑化したり、上述したような所望の均一性
制御と他の実際的な検討事項との間のバランス、すなわちコストや信頼度などの
適性が低下したりする結果となる。
【0050】 好ましい実施形態では、制御可能な磁場のトポロジーのうち半径方向に発散さ
れた成分および軸方向の成分の強さと、処理の均一性を調整する目的で電磁コイ
ル構成に電流が供給された際に基板が不当に損傷されるのを回避する必要性と、
を考慮し、基板と上部磁石構成との間の距離を経験的に決定して良い場合がある
。代表的な1実施形態では、直径が約470mm未満の半導体基板を処理できる
ように設計された基板処理チャンバに対し、20cmの距離が適している。
【0051】 図1の実施形態では、RF結合窓の上方に上部磁石構成が設けられている。た
だし、これは絶対的な要件ではない。図4Aは、少なくとも1つのコイル104
aがチャンバ106の周囲に設けられた実装例を示した図である。図4Aの実装
例には、互いに同一平面上にない2つのコイルの使用も示されている。いずれの
要件も(コイルが複数存在することおよび互いに同一平面上にないこと)、この
実装例を適切に利用するにあたって絶対的に必要な要件ではない。ただし、図4
Aでは、希望に応じて窓130の上方または下方にコイルを設けることもできる
。しかしながら、基板平面の上方で且つ高周波アンテナの近くにコイルを設け、
形成された磁場の強さおよびトポロジーの半径方向の変化に、意味のある影響を
及ぼすことが好ましい。
【0052】 好ましい実施形態では、アンテナ、チャンバ、および基板と同軸に上部磁石構
成を設けることによって、基板に対するプラズマ雲(plasma cloud)の位置合わ
せを簡略化する。しかしながら、例えば、非対称ポンピングを利用したプラズマ
処理チャンバ、または、より複雑な磁場トポロジーを必要とするプラズマ処理チ
ャンバでは、チャンバの軸および/または基板の軸から上部磁石構成をオフセッ
トさせて、処理の効果を向上させることが有利である。このような実装例の1つ
が図4Bに示されており、図中、少なくとも1つのコイル104a,104bが
、チャンバの軸からオフセットされた状態で設けられている。また、図中の磁気
コイルは平面状を呈しているが、これは絶対的な要件ではなく、図4Cに示した
ように、ドーム状のコイルまたは他の三次元状のコイルを使用して、チャンバ内
の磁場トポロジーをさらに形作っても良い。
【0053】 また、コイルは、必ずしもアンテナの真上に設ける必要はない。例えば、図4
Dの実施形態では高周波アンテナ402の上に電磁コイル104bが設けられて
いる。しかしながら、図4Eの実装例ではそうではない。
【0054】 さらにまた、上部磁石構成として好ましい実装例は電磁コイルであるが、例え
ばNdFeBまたはSmCoなどの磁気材料から形成された、十分に強力な永久
磁石構成を利用して、上述した磁場トポロジーの半径方向の開きを、意図的に形
成しても良い。永久磁石を利用した実装例では、上部磁石構成の構成要素を物理
的に移動させることによって、および/または、例えば高透磁率の構造を上部磁
石構成および結合窓の有効磁気回路の一部として挿入するなど、適切な構造要素
または磁気回路要素を提供して磁力線を変動させることによって、磁場トポロジ
ーの半径方向の開きを変動させられると考えられる。同様に、強磁性体の要素と
電磁石とを組み合わせて使用することもできる。
【0055】 図4Fの実施形態では、基板によって形成される平面の下方であって、チャン
バの外側またはチャンバの内側のいずれかに、磁場生成用の構成104Cを追加
で設けることによって、基板表面における磁場の強さを弱めたり、基板表面に残
留している磁場トポロジーおよび/または強さの変化を相殺したりしても良い。
この場合は、上部磁石構成が原因で生じる強い磁場の軸方向成分によって基板が
損傷される可能性を下げることができる。
【0056】 好ましい実施形態では、簡潔性および対称性が明示されているが、断面が円状
でない(例えば六角形、四角形、または他の幾何学形状など)あるいは軸がシス
テムの主軸に平行でない磁気コイルによっても、同様に均一性を制御する磁場の
変化を実現できると考えられる。
【0057】 図1の代表的なプラズマ処理システムでは、プラズマ処理チャンバの真空チャ
ンバ、ガスポンピング、バケット磁場、アンテナ、および電磁コイルが、チャン
バ自身、高周波アンテナ構成、および基板の軸と、同軸であることが好ましい。
この実装例は、代表的な基板処理および拡散特性の対称性を最大限に活用すると
いう点で、特に有利であるが、真空チャンバおよび磁気的設計をチャンバ、高周
波アンテナ構成、および/または基板の軸と同軸にしない方が、適している場合
もある。例えば、非対称ポンピングを実装したプラズマ処理システムも存在する
。このような場合は、チャンバを通って流れるガスの非対称性を修正するために
、真空チャンバおよび/または磁気的設計を一定の非対称性でもって設計するこ
とによって、均一性を向上させて良い。
【0058】 さらにまた、高周波アンテナの設置面積は、必ずしも上部磁気構成のそれより
大きい必要はない。つまり、上部磁気構成の断面積が、高周波アンテナのそれよ
り小さくなければならない必要はない。高周波アンテナおよび上部磁気構成の相
対的な大きさは、プラズマ処理チャンバの中の磁場の強さおよびトポロジーの半
径方向の変化を、プラズマと窓との境界面の近くにおいて制御できる限り、好き
なように採寸することが可能である。
【0059】 好ましい実施形態において、何らかの重要な処理の均一性を向上させる目的で
磁気バケット構成を設けた場合は、磁気バケットの設計も重要になる。一般に、
磁気バケット構成は、大部分のプラズマ密度勾配が基板から遠ざかってチャンバ
の壁の近くに集中するように、十分に強い磁場を生成する必要がある。プラズマ
処理チャンバのうち真空と壁との境界面における磁場の強さは、例えば15〜1
,500ガウスなど、比較的強い範囲にある必要があり、より好ましくは約10
0〜約1,000ガウスであり、1実施形態では約800ガウスである。一方で
、基板の中心における磁場の強さは、例えば約15ガウス未満のように、弱く維
持する必要があり、より好ましくは約5ガウス未満である。
【0060】 図1には、プラズマ処理チャンバの高さとほぼ同じ長さに及ぶ磁石を含んだ磁
気バケット構成を示してあるが、これは必ずしも必要な要件ではない。例えば、
図5Aは、磁石132がチャンバの上から下まで達していない磁気バケット構成
を示している。一般に、永久磁石のサイズは、磁気バケット構成によって生成さ
れた磁場の軸方向の勾配が、基板の表面において低く維持されるように、採寸す
ることが好ましい。1実施形態では、磁気バケット構成の磁気部分を、基板の上
方(例えばチャンバの最上部近く)から基板平面の下方の1位置(例えば1.5
インチ下)に及ぶように設けることによって、磁気バケット構成によって生成さ
れる磁力線の軸方向の勾配を、最低限に抑えているまたは実質的に低減させてい
る。
【0061】 この実装例は非常に有利で好ましいが、処理の種類によっては、基板平面の一
方の側にのみチャンバ磁石(すなわち磁気バケット構成の磁石)を設けられたプ
ラズマ処理システムを利用することも、可能であると考えられる。例えば、処理
の均一性に対する要求が、磁気バケット構成によって生成される磁力線の軸方向
の勾配の存在を許容できる程度である場合は、基板の平面を跨ぐようにチャンバ
磁石を設ける必要はない。別の例としては、基板平面を挟んで両側に1対ずつ合
計2対のチャンバ磁石を設け(図5Bに示した磁石対132および180のよう
に)、磁気バケット構成によって生成される磁力線の軸方向の勾配を基板の表面
において低く維持するとともに、大部分のプラズマ密度勾配を基板から遠ざけて
チャンバ側壁の近くに集中させることが可能である。さらに、図1の実施形態で
は、磁気バケット構成のカスプが真空領域の外側に設けられているが、これは絶
対的な要件ではない。例えば、図5Bの第2の磁石対(参照番号180)は、真
空領域の中に設けられている。
【0062】 さらに、好ましい実施形態では、永久磁石を利用して磁気バケット構成を実装
しているが、電磁石を使用して磁気バケット構成を実装することも可能である。
【0063】 上述したように、本発明の重要な特徴の1つは、プラズマ生成用のチャンバを
排除できるという点にあるが、処理用のプラズマを励起し、発生させ、収容する
のに同じチャンバを使用できるならば、その同じチャンバの中に基板を保持して
おく絶対的な必要もないことがわかる。図5Bに示すように、チャンバ106b
を追加で設けることによって、基板を保持するサポートを収容し、基板の移送を
容易にしても良い。処理用のプラズマを生成して維持する単一のチャンバ106
aを利用することによって、プラズマおよび化学剤の移送ならびにチャンバの壁
による吸収に関する多くの問題が解決されるので、それと同じチャンバの中にチ
ャック構成および排気経路を設けることは、絶対的に必要な要件ではない。つま
り、処理を施したい基板の表面を、処理のためにプラズマを生成させるのと維持
するのとの両方を行うために利用される単一のチャンバの中で、プラズマに対し
て露出させ、さらに、磁場トポロジーの半径方向の開きを微調整するために、均
一性制御用のつまみを設ける限りは、非常に有利な処理効果を達成することがで
きる。さらに、生成されたプラズマの密度勾配を基板の表面から遠ざけて側に向
かって集中させる目的で、磁気バケット構成を利用した場合は、チャック構成お
よび基板の一部または全部を1つのチャンバの中に設け、処理したい基板の表面
を別のチャンバの中に発生および維持されたプラズマに露出させる形でも、均一
性の高い処理を実現することが可能である。
【0064】 さらに、バケットの磁石は、半径方向の磁化パターンがチャンバの周囲を交互
に取り囲むように、(例えばチャンバの軸に沿って)方位的に並べられているが
、磁化パターンは、交互でなくても良いと考えられる。例えば、1組の磁石を複
数の組に分け、各組が同数のまたは異なる数の磁石を有するようにしても良い。
これは、特定のチャンバにおいて生じるあらゆる非対称性の問題に対処するのに
適している。また、各磁石の軸を半径方向以外の方向に合わせても良い。繰り返
すが、この実装例は、特定のチャンバにおいて生じるあらゆる非対称性の問題に
対処するのに適している。
【0065】 特に有利な1実施形態では、磁化パターンを変化させる目的で、磁気バケット
の一部または全部の磁石を自身の軸を中心にして回転可能なように作成して良い
。このような実装例の1つを、図6Cに示した。代わりにまたは加えて、磁石を
物理的に移動させることによって、あるいは(例えば電磁石を設けた場合は)磁
石に流れる電流の大きさを変動させることによって、個々の磁石の強さを変化さ
せられるようにしても良い。
【0066】 さらに、図1に示した実施形態では、磁気バケット構成のカスプが軸方向に設
けられているが、これは絶対的な要件ではない。例えば、一部または全部のカス
プをチェック状のパターン(例えば図6A)または回転体形状のパターン(azit
hmuthal pattern)(例えば図6B)に形成して良く、この場合は、これらの磁
石を基板の平面に平行に設けて良い。プラズマ処理システムの詳細によっては、
これらの構成によってプラズマ密度勾配をより確実に基板から遠ざけられ、この
ためこれらの構成が適している場合もある。
【0067】 図7は、制御可能な磁場の強さおよび/またはトポロジーの半径方向の変化を
変動させて処理の均一性を制御する手続きに含まれる各工程を、本発明の1実施
形態にしたがって簡単に示したフローチャートである。先ず工程702において
、実質的に軸対称の単一のプラズマ処理チャンバを用意する。この単一のチャン
バは、処理用のプラズマを発生させるのと維持するのとの両方に利用することが
できるので、プラズマ生成用のチャンバと、それに付随したプラズマ移送用の要
素と、を設ける必要が排除される。
【0068】 上述したように、エッチング処理は、選択性、エッチング均一性、エッチング
速度、エッチングプロフィル等の所望のエッチング特性を実現できるように、厳
密に制御する必要がある。エッチング処理を厳密に制御する際の重要な検討事項
の1つは、例えば工程702で用意される単一のチャンバなどのプラズマ処理チ
ャンバに利用される材料の種類である。具体的に言うと、プラズマ処理チャンバ
の材料は、望ましくないことではあるが、エッチング処理に作用することが多い
。未制御のままだと望ましくない反応の例として、プラズマ処理チャンバの内部
表面が、プラズマ処理チャンバにおいて使用される反応ガスと作用しあうこと、
または、ポリマー等の材料が、ウエハごとに異なる形で若しくは1ウエハの処理
中に不利な形で処理チャンバの内部表面に付着すること、などが挙げられる。誘
電エッチング処理は、多くの用途において使用される。その多くは、ドープされ
たまたはドープされていない酸化物をエッチングすることによって、自己整合的
なコンタクト、高アスペクト比のコンタクト、無境界のコンタクト、ビア、トレ
ンチ等を形成する場合である。
【0069】 最近では、材料の誘電率を下げることを目的とした代替の誘電体が、数多く提
案されている。これらは、例えば、炭素若しくはフッ素をドープされた酸化物ま
たは有機をベースにした材料などであり、低k材料として広く業界で知られてい
る。誘電エッチングは、その性質上、加工されていくウエハの表面上、エッチン
グされた構造の表面上、およびチャンバの表面上における競争反応(competing
reactions)間の、非常に微妙なバランスに依存するものである。これらの反応
には、イオンおよび電子などのプラズマ種や、プラズマの励起によって分離され
たまたはチャンバ内における多数の物理的および化学的な処理によって形成され
フィードガスとして導入された中性ガスなどが含まれる。これらの反応の性質上
、プラズマに面した領域やウエハに近い領域におけるプラズマ処理チャンバの材
料は、特に重要である。また、材料自体が増大してゆく変化率で絶えず変化する
ため、必要な処理の性質を前もって具体的に知ることはできない。これは、ウエ
ハにエッチングされた限界寸法の均一性など、測定が難しい測定基準(difficul
t processing metrics)に対して特にあてはまる。このような基準は、チャンバ
設計の詳細だけでなく、システム全体の設計にも依存する場合が多い。したがっ
て、特に本発明に関しては、プラズマ処理チャンバの材料がエッチング処理と反
応する程度を最小限に抑え、あらゆるエッチング用途の要件を満足できる処理チ
ャンバを実現することが望ましい。
【0070】 プラズマ処理チャンバに利用される材料は、反応を最小限に抑えるだけでなく
、強い機械的性質ならびに中程度から高程度の熱伝導性および電気伝導性を有す
ることが望ましい。プラズマ処理チャンバの温度は、エッチング処理の様々な工
程において、摂氏数度以内に制御されることが望ましい。中程度から高程度の熱
伝導性を提供できる材料は、プラズマ処理チャンバにおける温度の制御を容易に
できるという点で有用である。中程度から高程度の電気伝導性を提供できる材料
は、チャンバの反復性に対して寄与できるという点で、やはり有用である。また
、プラズマに安定性および反復性を付与するのに十分なグランド(接地)領域を
提供するためにも有用である。さらに、チャンバの材料は過酷な環境条件(圧力
、温度、そして整備作業)に曝されるので、強い機械的性質を有した材料も有用
である。このような望ましい特性を有した材料の1つとして、炭化ケイ素(Si
C)が挙げられる。SiCは、比較的高い熱伝導性と中程度の電気伝導性とを有
した材料である。また、SiCは、チャンバの中を真空に維持するために必要な
強度等の、優れた機械的性質を提供することもできる。
【0071】 プラズマ処理チャンバをSiCで形成することによって、エッチング処理の厳
格な制御を容易にすることができる。当業者ならば理解できるように、プラズマ
処理チャンバは、その全体をSiCで形成しても良い。あるいは、以下で述べる
ようにSiCの被覆を使用するなどして、プラズマ処理チャンバの内部表面のみ
をSiCで形成することもできる。SiCは、様々な方法で形成することができ
る。SiCとしては、大量の金属要素が含まれないように、純粋なものを使用す
ることが望ましい。当該分野において知られるように、エッチング処理の際にプ
ラズマに曝される金属含有材料は、エッチング処理に悪影響を及ぼす金属汚染を
引き起こす可能性がある。エッチング処理におけるこのような汚染は、プラズマ
処理チャンバを洗浄すること、および/またはプラズマ処理チャンバの壁に付着
するポリマー等の付着率を均一に維持することを、困難にする。エッチング処理
を厳格に制御するためには、汚染を最小限に抑える必要がある。SiCは、エッ
チング処理に強く、かつ純粋な状態で形成することができるので、プラズマ処理
チャンバの材料として非常に適している。純粋なSiCは、いくつかの方法を使
用して製造することができる。例えば、化学気相蒸着(CVD)、鋳込み成形、
ホットプレスおよび焼結、等方圧加圧法ならびに焼結成形などを使用して、純粋
なSiCを製造することができる。
【0072】 本発明の好ましい1実施形態にしたがうと、プラズマ処理チャンバ(例えば工
程702による単一のチャンバ)は、CVDによって堆積されたSiCから形成
される。CVD技術が好ましいのは、「超高純度」のSiCを製造できるためで
ある。純粋なSiCは、エッチング処理を促進するために導入される、プラズマ
処理用の反応性ガス化学剤に対して、エッチング耐性でもある。適切な反応性ガ
ス化学剤に関して以下で述べる。CVDによるSiCの製造に関連して必要な費
用を考えると、一部のエッチング処理では、他のSiCを使用する方が、より高
いコスト有効度を得られる。そのようなエッチング処理は、例えば、非誘電エッ
チング、および/またはエッチングパラメータの厳格な制御の実現が重要な要素
ではないエッチング処理、などである。あるいは、別の材料の被覆としてSiC
を提供することもできる。例えば、フレーム溶射またはスパッタ堆積を使用して
他の材料(例えばアルミニウム)の上にSiCを提供してもよい。また、鋳込み
成形されたSiC、黒鉛、またはアルミニウムなどの他の適切な基材の上にCV
DによるSiCの被覆を設けたものでもよい。SiCまたは他の適切な材料は、
さらに、円筒状のチャンバの壁に着けられた支持部(サポート)に接合したり、
あるいは円筒状の支持部に直接接合したりして良い。この方法は、例えば、チャ
ンバの内部表面として望ましい材料に、すべての望ましい物理的性質が含まれて
はいない場合や、コスト有効度を高めたい場合などに、有用である。
【0073】 SiCは、より高い電気抵抗を有するように形成することもできる。上述した
ように、SiCは、中程度の電気伝導性を有する場合が多い。しかしながら、S
iCの電気伝導性を制御して、より高い電気抵抗を有したSiCを製造すること
もできる。プラズマ処理チャンバは、その一部分を、電気抵抗が高いSiC材料
で形成すると有利である。例えば、静電チャック(ESC)などの、高周波(R
F)によって動力供給されるウエハサポートメカニズムを利用したプラズマ処理
システムでは、高い電気抵抗を提供するウエハサポートメカニズムを有すること
が望ましい。そのような態様とすれば、自身からのRF結合を最低限に抑えられ
る。別の例としては、前で述べたように、SiC、Alxy、またはSixy
の誘電材料から結合窓130(図1に示した)を形成することも、有益であると
考えられる。したがって、高い電気抵抗を有するように形成されたSiCは、高
電気抵抗が望まれるESCまたは結合窓などの、プラズマ処理システムの他の部
分を形成するために使用することができる。
【0074】 プラズマ処理チャンバ(例えば工程702による単一のチャンバ)に特に適し
た材料として、SiCに関して述べてきたが、他の材料を使用することも可能で
ある。また、プラズマ処理チャンバの1つまたはそれ以上の構成要素(例えばE
SCまたは結合窓)を、SiC以外の他の材料を使用して作成することもできる
。プラズマ処理チャンバおよびその構成要素として適切な他の材料には、例えば
、石英、ケイ素、二酸化ケイ素、炭素、炭化ホウ素、窒化ホウ素などが含まれる
【0075】 いくつかの特定のエッチング処理に対しては、他の材料の方が適している場合
もある。純粋なSiCの製造に関連して必要となるコストは比較的高いので、エ
ッチングパラメータに対する厳格な制御の許容範囲が広いエッチング処理では、
例えば石英など、比較的製造が容易で安価な他の材料を代わりに使用する方がよ
り適している。厳格な制御の許容範囲がさらに広い場合は、プラズマ処理チャン
バの材料として、アルミニウムや陽極酸化アルミを使用することも可能である。
さらにまた、当業者にとっては明らかなように、複数の材料の組み合わせは、プ
ラズマ処理システムの他の構成要素(例えばESCまたは結合窓)とプラズマ処
理チャンバとを作成するために使用しても良い。
【0076】 上述したように、工程702では、実質的に軸対称の単一のプラズマ処理チャ
ンバを用意する。図1に示した工程に続き、工程704では、高周波アンテナを
用意する。工程706では、上部磁石構成を用意および構成する。上部磁石構成
は、上部磁石構成と高周波アンテナとによって、制御可能な磁場の強さおよび/
またはトポロジーに、適切な半径方向の変化が起こされるように構成される。磁
場の強さおよび/またはトポロジーの適切な半径方向の変化は、ウエハにおける
処理の均一性の制御に影響を及ぼす、
【0077】 工程708では、プラズマ処理チャンバの中に処理したい基板を配置する。工
程710では、プラズマ処理チャンバの中に反応ガス(例えば、デポジションソ
ースガス、エッチャントソースガス、希釈ガス等など)を流し込み、それをもと
にしてプラズマを発生させる。プラズマ処理のために流し込む反応ガスとしては
、様々なガス化学剤が使用可能である。これらのガス化学剤は、エッチング処理
の詳細に応じて、および/または他のいくつかの要素を考慮したうえで、選択す
ることができる。他の要素の例としては、プラズマ処理チャンバの材料、エッチ
ング処理の種類、またはプラズマ処理システムの他の構成要素などが含まれる。
一般に、本発明の1実施形態にしたがうと、誘電エッチング処理においては、O 2 、N2、CO、CO2のうちの1つまたはそれ以上のガス、およびSF6、NF3
、NH3、Cl2、またはHBrのガスとともに、Cxyzw(x、y、z、w
は整数であり、このうちzおよび/若しくはwがゼロであって良く、またはyお
よび/若しくはwがゼロであって良い)で表されるガスの組み合わせを、使用す
ることができる。また、上述した化学剤に、He,Ne,Ar,Kr,Xeなど
の他のガスを添加して、希釈剤または堆積の前駆物質として機能させても良い。
【0078】 例えば、Cxyzwで表されるガスの組み合わせには、他のガス混合物と組
み合わされた炭化フッ素(Cxy)および/またはヒドロフルオロカーボン(C xyz)を含有することができる。次の表1には、反応性ガス化学剤として使
用することができる代表的なガスの組み合わせを示した。
【0079】
【表1】
【0080】 上で述べたように、O2、N2、CO、CO2、SF6のうちの1つまたはそれ以
上のガスを、反応性ガス化学剤に使用されるガスの組み合わせに含有することも
できる。このため、O2、N2、CO、CO2のうちの1つまたはそれ以上のガス
、およびSF6、NF3、NH3、Cl2、またはHBrのガスを、表1に列挙され
た反応性ガス化学剤に添加することができる。また、1つまたはそれ以上の他の
ガスを添加して、所望の反応性ガス化学剤を調製することもできる。例えば、H
e、Ne、Ar、Kr、Xeなどのガスを希釈剤として利用したり、あるいは、
堆積の前駆物質として他のガスを添加したりすることができる。他のガスを含ん
だ代表的なガスの組み合わせは、例えば、He、Ne、Ar、Kr、Xeのうち
1つまたはそれ以上のガスを、表1に列挙されたガス化学剤のうち任意のものと
組み合わせることによって、得ることができる。
【0081】 工程710において、反応ガスをプラズマ処理チャンバに移送し、プラズマを
発生させた後は、工程712において、高周波アンテナの近くにおける、制御可
能な磁場の強さおよび/またはトポロジーの半径方向の変化を、基板の表面に対
する処理の均一性を向上させる設定値に調整する。この設定は、処理に先立って
所定の設定値になるように行っても良いし、あるいは、処理の均一性を調整する
ために、プラズマ処理を実施している最中にリアルタイムで行っても良い。そし
て、リアルタイムの調整は、固定された設定に基づいて行ってもよいし、何らか
のプロセス有効変数へのフィードバックループによって行ってもよい。
【0082】 当業者ならば理解できるように、本発明は、処理の均一性を制御するために、
能動的かつ時間依存の方法で、容易に適用することができるので、均一性の制御
を行わない場合と比べて、より広い処理範囲にわたってウエハ処理を完全に制御
することが可能になる。例えば、本発明によるプラズマ処理システムにおいては
、より広い範囲のプラズマ密度を利用して良いと考えられる(例えば約109
約1013イオン/cm3)。これは、磁気バケットによって、プラズマの生成お
よび維持の際に非常に効率的にソースエネルギを利用することが可能になり、上
部磁気構成によって、全範囲のプラズマ密度にわたって処理の均一性を制御する
ことが可能になるためである。同様に、磁気バケットは、より低い圧力でプラズ
マを維持することも可能にするので、基板を処理する際には、より広い範囲の圧
力(例えば1mT未満から100mTまでの範囲)を利用して良いと考えられる
。このため、広い処理ウィンドウを有した単一のリアクタを利用して、様々な処
理を行うことが可能になり、プロセスエンジニアらは、従来技術によるプラズマ
処理システムでは得られなかった柔軟性を駆使できるようになる。
【0083】 さらには、適切なフィードバックメカニズムを利用して、基板上の処理の均一
性をリアルタイムで観察し、制御可能な磁場の強さおよびトポロジーの半径方向
の変化をやはりリアルタイムで変更しても良いと考えられる。そのような態様と
すれば、望ましい最適な処理の均一性を実現することができる。代わりにまたは
加えて、所定のエッチング処理の様々なエッチング工程において正しく均一性を
制御できるように、制御可能な磁場の強さおよびトポロジーの半径方向の変化を
、異なる設定値にダイヤル調整することにしても良い。これらの設定は、フィー
ドバックメカニズムを利用しても利用しなくも良く、1枚の膜をエッチングしな
がら行ってもよいし、または膜から膜へとエッチングが進行するにつれて行って
も良い。フィードバックメカニズムを利用しない場合は、エッチングに先立ち、
経験的に若しくは他の形で、工程ごとに、均一な処理を実現するための適切な設
定値を確認したうえで、それらの値をエッチングに利用して良い。
【0084】 以上では、本発明をいくつかの好ましい実施形態の形で説明したが、本発明の
範囲内で、種々の代替、置き換え、および等価物が可能である。例えば、上述し
た好ましい実施形態では、議論を容易にするためにエッチングを取り上げたが、
均一性の制御は、例えば堆積(デポジション)など任意の半導体処理工程に適用
できることがわかる。したがって、添付した特許請求の範囲は、このような代替
、置き換え、および等価物の全てを、本発明の真の趣旨および範囲内に含むもの
として、解釈される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 代表的な高周波アンテナ構成と代表的な上部磁石構成とを備えたプラズマ処理
システムを、本発明の1実施形態にしたがって示した図である。
【図2A】 図1のプラズマ処理チャンバの中において、制御可能な磁場の強さおよびトポ
ロジーに半径方向の変化を生じさせるために形成される、代表的な磁力線を示し
た図である。
【図2B】 図1のプラズマ処理システムの電磁コイルを流れる直流電流が操作された場合
に半径方向に発散される磁場の、別の代表的なトポロジーを示した図である。
【図2C】 制御可能な磁場の強さの半径方向の変化に関して代表的なトポロジーを示した
図である。
【図3A】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な高周波アンテナ
構成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図3B】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な高周波アンテナ
構成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図3C】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な高周波アンテナ
構成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図3D】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な高周波アンテナ
構成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図3E】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な高周波アンテナ
構成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図3F】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な高周波アンテナ
構成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図3G】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な高周波アンテナ
構成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図3H】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な高周波アンテナ
構成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図4A】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁場生成用の構
成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図4B】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁場生成用の構
成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図4C】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁場生成用の構
成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図4D】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁場生成用の構
成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図4E】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁場生成用の構
成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図4F】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁場生成用の構
成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図5A】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁気バケットの
構成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図5B】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁気バケットの
構成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図5C】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁気バケットの
構成の一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図6A】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁化パターンの
一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図6B】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁化パターンの
一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図6C】 本発明によるプラズマ処理システムにおいて利用される様々な磁化パターンの
一例を、本発明の実施形態にしたがって示した図である。
【図7】 制御可能な磁場の強さおよび/またはトポロジーの半径方向の変化を変更して
処理の均一性を制御する手続きに含まれる各工程を、本発明の1実施形態にした
がって簡単に示したフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 シェップ・アラン・エム. アメリカ合衆国 カリフォルニア州95005 ベン・ロモンド,ハイウェイ 9, 10010 (72)発明者 ヘンカー・デイビッド・ジェイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア州95127 サン・ホセ,エンチャント・ビスタ・ア ベニュー,11470 (72)発明者 ウィルコックスソン・マーク・エイチ. アメリカ合衆国 カリフォルニア州94611 ピードモント,ロナダ・アベニュー,85 Fターム(参考) 4K030 CA04 CA06 CA07 CA12 FA04 JA15 KA08 KA30 KA34 KA46 LA18 5F004 AA01 BA20 BB18 BC08 CA09 DA00 DA01 DA02 DA04 DA15 DA16 DA17 DA18 DA22 DA23 DA25 DA26 DB03

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を処理するためのプラズマ処理システムであって、 内部において、前記処理のためにプラズマの発生と維持とを行うプラズマ処理
    チャンバであって、上端と下端とを有し、内部に供給される反応性ガス化学剤と
    実質的に反応しない材料を含むプラズマ処理チャンバと、 前記プラズマ処理チャンバの上端に設けられた結合窓と、 前記基板が前記処理のために前記プラズマ処理チャンバの中に設けられた場合
    に前記基板によって規定される平面の上方に設けられた高周波アンテナ構成と、 前記基板によって規定される前記平面の上方に設けられた電磁石構成であって
    、少なくとも一の直流電流が供給された場合に、前記結合窓および前記アンテナ
    に近い領域において前記プラズマ処理チャンバの中の制御可能な磁場に半径方向
    の変化を生じさせるように構成された電磁石構成であって、前記半径方向の変化
    は前記基板に対する処理の均一性に効果的に作用するものである、電磁石構成と
    、 前記電磁石構成に結合された直流電源であって、前記少なくとも一の直流電流
    の大きさを変動させることによって、前記アンテナに近い前記領域において前記
    プラズマ処理チャンバの中の前記制御可能な磁場の前記半径方向の変化を変更し
    、前記基板に対する前記処理の均一性を向上させるコントローラを有した直流電
    源と を備えたプラズマ処理システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバは内部表面を有し、前記プラズマ処理チャンバのう
    ち少なくとも前記内部表面は、前記プラズマ処理チャンバに注入される反応性ガ
    ス化学剤と実質的に反応しない材料から形成されるプラズマ処理システム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバの前記材料は、炭化ケイ素、石英、ケイ素、二酸化
    ケイ素、炭素、炭化ホウ素、および窒化ホウ素からなる材料の群から選択される
    プラズマ処理システム。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバは、その全体が、前記単一のチャンバに供給される
    反応性ガス化学剤と実質的に反応しない材料から形成されるプラズマ処理システ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバの前記材料は、炭化ケイ素、石英、ケイ素、二酸化
    ケイ素、炭素、炭化ホウ素、および窒化ホウ素からなる材料の群から選択される
    プラズマ処理システム。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバの前記材料は炭化ケイ素であるプラズマ処理システ
    ム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバの前記炭化ケイ素は、化学気相蒸着(CVD)で形
    成された炭化ケイ素、鋳込み成形で形成された炭化ケイ素、ホットプレスおよび
    焼結で形成された炭化ケイ素、等方圧加圧法で形成された炭化ケイ素、ならびに
    焼結で形成された炭化ケイ素、からなる材料の群から選択されるプラズマ処理シ
    ステム。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバの前記炭化ケイ素は、化学気相蒸着(CVD)によ
    って堆積された炭化ケイ素であるプラズマ処理システム。
  9. 【請求項9】 請求項2に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバの前記材料は被覆する材料であるプラズマ処理シス
    テム。
  10. 【請求項10】 請求項2に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバの前記材料は炭化ケイ素の被覆であるプラズマ処理
    システム。
  11. 【請求項11】 請求項2に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバの前記内部表面を形成する材料は、前記チャンバの
    壁に接合された適切な材料からなる接合アセンブリによって提供されるプラズマ
    処理システム。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のプラズマ処理システムであって、 前記接合アセンブリは、電気伝導性または熱伝導性の接着剤で接合されるプラ
    ズマ処理システム。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載のプラズマ処理システムであって、 前記接合アセンブリは、前記プラズマのグランドのかなりの部分を確実に構成
    するように構成されるプラズマ処理システム。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載のプラズマ処理システムであって、 前記接合アセンブリは、前記チャンバの壁に接合された適切な材料から形成さ
    れた数個のセグメントまたはタイルを含むプラズマ処理システム。
  15. 【請求項15】 請求項11に記載のプラズマ処理であって、 前記適切な材料は炭化ケイ素であるプラズマ処理。
  16. 【請求項16】 請求項2に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバの前記内部表面を形成する材料は、前記チャンバの
    壁に取り付けられた支持部に接合された適切な材料からなる接合アセンブリによ
    って提供されるプラズマ処理システム。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載のプラズマ処理システムであって、 前記接合アセンブリは、電気伝導性または熱伝導性の接着剤で接合されるプラ
    ズマ処理システム。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載のプラズマ処理システムであって、 前記接合アセンブリは、プラズマのグランドのかなりの部分を確実に構成する
    ように構成されるプラズマ処理システム。
  19. 【請求項19】 請求項16に記載のプラズマ処理システムであって、 前記接合アセンブリは数個のセグメントまたはタイルを含むプラズマ処理シス
    テム。
  20. 【請求項20】 請求項16に記載のプラズマ処理システムであって、 前記適切な材料は炭化ケイ素であるプラズマ処理システム。
  21. 【請求項21】 請求項2に記載のプラズマ処理システムであって、さらに
    、 前記処理の際に前記基板をサポートするように構成された基板サポートであっ
    て、前記リアクタの前記内部表面の一部を構成し、前記プラズマ処理チャンバの
    前記材料よりも電気抵抗の高い材料から形成される基板サポートを備えるプラズ
    マ処理システム。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載のプラズマ処理システムであって、 前記基板サポートの前記材料は、炭化ケイ素、石英、ケイ素、二酸化ケイ素、
    炭素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、および陽極酸化アルミからなる材料の群から選
    択されるプラズマ処理システム。
  23. 【請求項23】 請求項21に記載のプラズマ処理システムであって、 前記基板サポートの前記材料は炭化ケイ素であるプラズマ処理システム。
  24. 【請求項24】 請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、 前記基板は半導体ウエハであるプラズマ処理システム。
  25. 【請求項25】 請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、 前記基板は、フラットパネルディスプレイの製造に使用されるガラスまたはプ
    ラスチックのパネルであるプラズマ処理システム。
  26. 【請求項26】 請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、 前記処理は前記基板をエッチングすることを含むプラズマ処理システム。
  27. 【請求項27】 基板を処理するためのプラズマ処理システムであって、 内部において、前記処理のためにプラズマの発生と維持とを行うプラズマ処理
    チャンバであって、上端と下端とを有し、前記プラズマ処理のうち少なくとも内
    部表面は、炭化ケイ素、石英、ケイ素、二酸化ケイ素、炭素、炭化ホウ素、およ
    び窒化ホウ素からなる材料の群から選択される材料から形成されるプラズマ処理
    チャンバと、 前記プラズマ処理チャンバの上端に設けられた結合窓と、 前記基板が前記処理のために前記プラズマ処理チャンバの中に設けられた場合
    に前記基板によって規定される平面の上方に設けられた高周波アンテナ構成と、 前記基板によって規定される前記平面の上方に設けられた電磁石構成であって
    、少なくとも一の直流電流が供給された場合に、前記結合窓および前記アンテナ
    に近い領域において前記プラズマ処理チャンバの中の制御可能な磁場に半径方向
    の変化を生じさせるように構成された電磁石構成であって、前記半径方向の変化
    は前記基板に対する処理の均一性に効果的に作用するものである、電磁石構成と
    、 前記電磁石構成に結合された直流電源であって、前記少なくとも一の直流電流
    の大きさを変動させることによって、前記アンテナに近い前記領域において前記
    プラズマ処理チャンバの中の前記制御可能な磁場の前記半径方向の変化を変更し
    、前記基板に対する前記処理の均一性を向上させるコントローラを有した直流電
    源と を備えたプラズマ処理システム。
  28. 【請求項28】 基板を処理するためのプラズマ処理システムであって、 内部において、前記処理のためにプラズマの発生と維持とを行うプラズマ処理
    チャンバであって、上端と下端とを有し、前記プラズマ処理のうち少なくとも内
    部表面は炭化ケイ素から形成されるプラズマ処理チャンバと、 前記プラズマ処理チャンバの上端に設けられた結合窓と、 前記基板が前記処理のために前記プラズマ処理チャンバの中に設けられた場合
    に前記基板によって規定される平面の上方に設けられた高周波アンテナ構成と、 前記基板によって規定される前記平面の上方に設けられた電磁石構成であって
    、少なくとも一の直流電流が供給された場合に、前記結合窓および前記アンテナ
    に近い領域において前記プラズマ処理チャンバの中の制御可能な磁場に半径方向
    の変化を生じさせるように構成された電磁石構成であって、前記半径方向の変化
    は前記基板に対する処理の均一性に効果的に作用するものである、電磁石構成と
    、 前記電磁石構成に結合された直流電源であって、前記少なくとも一の直流電流
    の大きさを変動させることによって、前記アンテナに近い前記領域において前記
    プラズマ処理チャンバの中の前記制御可能な磁場の前記半径方向の変化を変更し
    、前記基板に対する前記処理の均一性を向上させるコントローラを有した直流電
    源と を備えたプラズマ処理システム。
  29. 【請求項29】 請求項28に記載のプラズマ処理システムであって、 前記結合窓は、炭化ケイ素から形成された少なくとも1つの表面を有するプラ
    ズマ処理システム。
  30. 【請求項30】 請求項28に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバの前記炭化ケイ素は、化学気相蒸着(CVD)で形
    成された炭化ケイ素、鋳込み成形で形成された炭化ケイ素、ホットプレスで形成
    された炭化ケイ素、焼結で形成された炭化ケイ素、等方圧加圧法で形成された炭
    化ケイ素、および焼結で形成された炭化ケイ素、からなる材料の群から選択され
    るプラズマ処理システム。
  31. 【請求項31】 プラズマ処理を使用して基板を処理するとともに処理の均
    一性を制御するための方法であって、 前記基板を処理する際に、内部でプラズマの発生と維持とを行う、実質的に軸
    対称の構成を有した単一のチャンバを有したプラズマ処理チャンバであって、プ
    ラズマ生成用のチャンバを別途有することのないプラズマ処理チャンバを用意す
    る工程と、 前記プラズマ処理システムの上端に設けられた結合窓を用意する工程と、 前記基板が前記処理のために前記プラズマ処理チャンバの中に設けられた場合
    に前記基板によって規定される平面の上方に設けられた高周波アンテナ構成を用
    意する工程と、 前記基板によって規定される前記平面の上方に設けられた電磁石構成であって
    、少なくとも一の直流電流が供給された場合に、前記結合窓および前記アンテナ
    に近い領域において前記プラズマ処理チャンバの中の制御可能な磁場に半径方向
    の変化を生じさせるように構成された電磁石構成であって、前記半径方向の変化
    は前記基板に対する処理の均一性に効果的に作用するものである、電磁石構成を
    用意する工程と、 前記電磁石構成に結合された直流電源を用意する工程と、 前記基板を前記プラズマ処理チャンバの中に配置する工程と、 前記プラズマ処理チャンバの中に、ガスの組み合わせを含有した反応ガスを流
    し込む工程であって、前記反応ガスに含有される前記ガスの組み合わせのうち1
    つまたはそれ以上のガスは、x、y、z、wが正の整数であってz、w、yのう
    ちいずれがゼロをとっても良い場合に、Cxyzwで表されるガスである工程
    と、 前記反応ガスからプラズマを発生させる工程と、 前記アンテナに近い前記領域において、前記プラズマ処理チャンバの中の前記
    制御可能な磁場の前記半径方向の変化を変更し、前記基板に対する前記処理の均
    一性を向上させる工程と、を備える方法。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の方法であって、 前記反応ガスは、さらに、O2、N2、CO、CO2、SF6、NF3、NH3、C
    2、およびHBrからなるガスの群から選択される1つまたはそれ以上のガス
    を含有する方法。
  33. 【請求項33】 請求項22に記載の方法であって、 前記反応ガスは、さらに、He、Ne、Ar、Kr、およびXeからなるガス
    の群から選択される1つまたはそれ以上のガスを含有する方法。
  34. 【請求項34】 請求項21に記載の方法であって、 前記反応ガスは、さらに、He、Ne、Ar、Kr、およびXeからなるガス
    の群から選択される1つまたはそれ以上のガスを含有する方法。
  35. 【請求項35】 請求項21に記載の方法であって、 前記反応ガスは、C58、C48、C46、C36、C26、およびCF4
    らなるガスの群から選択されるガスを含有する方法。
  36. 【請求項36】 請求項21に記載の方法であって、 前記反応ガスは、C2HF8、C2HF5、CHF3、C222、C224、お
    よびCH22からなるガスの群から選択されるガスを含有する方法。
  37. 【請求項37】 請求項21に記載の方法であって、 前記反応ガスは、 C58 +CF4+CHF3+CH22、 C48 +CF4+CHF3+CH22、 C46 +CF4+CHF3+CH22、 C36 +CF4+CHF3+CH22、 C26 +CF4+CHF3+CH22、 C2 HF5 +CF4+CHF3+CH22、 C58 +CF4+CHF3+C224、 C48 +CF4+CHF3+C224、 C46 +CF4+CHF3+C224、 C36 +CF4+CHF3+C224、 C26 +CF4+CHF3+C224、 C2 HF5 +CF4+CHF3+C224、 C58 +CHF3+C2HF5+CH22、 C48 +CHF3+C2HF5+CH22、 C46 +CHF3+C2HF5+CH22、 C36 +CHF3+C2HF5+CH22、 C26 +CHF3+C2HF5+CH22、および CF4 +CHF3+C2HF5+CH22 からなるガスの群から選択されるガス
    を含有する方法。
  38. 【請求項38】 請求項37に記載の方法であって、 前記反応ガスは、さらに、O2、N2、CO、CO2、およびSF6からなるガス
    の群から選択される1つまたはそれ以上のガスを含有する方法。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載の方法であって、 前記反応ガスは、さらに、He、Ne、Ar、Kr、およびXeからなるガス
    の群から選択される1つまたはそれ以上のガスを含有する方法。
  40. 【請求項40】 請求項37に記載の方法であって、 前記反応ガスは、さらに、O2、N2、CO、CO2、NF3、NH3、Cl2また
    はHBr、およびSF6からなるガスの群から選択される1つまたはそれ以上の
    ガスを含有する方法。
  41. 【請求項41】 請求項37に記載の方法であって、 前記反応ガスは、さらに、He、Ne、Ar、Kr、およびXeからなるガス
    の群から選択される1つまたはそれ以上のガスを含有する方法。
  42. 【請求項42】 請求項31に記載の方法であって、 前記プラズマ処理チャンバは内部表面を有し、前記プラズマ処理チャンバのう
    ち少なくとも前記内部表面は、前記プラズマ処理チャンバに注入される反応性ガ
    ス化学剤と実質的に反応しない材料から形成される方法。
  43. 【請求項43】 請求項42に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバの前記材料は、炭化ケイ素、石英、ケイ素、二酸化
    ケイ素、炭素、炭化ホウ素、および窒化ホウ素からなる材料の群から選択される
    プラズマ処理システム。
  44. 【請求項44】 請求項31に記載の方法であって、 前記プラズマ処理チャンバは炭化ケイ素を含有する方法。
  45. 【請求項45】 請求項31に記載の方法であって、 前記プラズマ処理チャンバは完全に炭化ケイ素から形成される方法。
  46. 【請求項46】 請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、 前記プラズマ処理チャンバに流れ込む反応ガスはガスの組み合わせを含有し、
    前記反応ガスに含有される前記ガスの組み合わせのうち1つまたはそれ以上のガ
    スは、x、y、z、wが正の整数であって、zおよびwのうち少なくとも1つが
    ゼロで良い、またはyおよびwのうち少なくとも1つがゼロで良い場合に、Cx
    yzwで表されるガスであるプラズマ処理システム。
  47. 【請求項47】 請求項46に記載のプラズマ処理システムであって、 前記反応ガスは、さらに、O2、N2、CO、CO2、NF3、NH3、Cl2、H
    Br、およびSF6からなるガスの群から選択される1つまたはそれ以上のガス
    を含有するプラズマ処理システム。
  48. 【請求項48】 請求項46に記載の方法であって、 前記反応ガスは、さらに、He、Ne、Ar、Kr、およびXeからなるガス
    の群から選択される1つまたはそれ以上のガスを含有する方法。
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