JP2003512560A - 燃料高圧アキュムレータ及び燃料高圧アキュムレータを製造する方法 - Google Patents

燃料高圧アキュムレータ及び燃料高圧アキュムレータを製造する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、内燃機関のコモンレール燃料噴射系用の燃料高圧アキュムレータであって、中空のベース体（１）が設けられていて、該ベース体（１）に複数の接続開口（４）が設けられている形式のものに関する。高圧に対する耐性を高めるために、ベース体（１）の内室が接続開口（４）の領域において平らに形成されている。本発明はまた、このような燃料高圧アキュムレータを製造する方法にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 従来の技術 本発明は、内燃機関のコモンレール燃料噴射系用の燃料高圧アキュムレータで
あって、中空のベース体が設けられていて、該ベース体に複数の接続開口が設け
られている形式のもの関する。本発明はまた、このような燃料高圧アキュムレー
タを製造する方法にも関する。
【０００２】 コモンレール噴射系においては、高圧ポンプが、場合によっては前吐出ポンプ
の助けを借りて、噴射される燃料をタンクから、コモンレールと呼ばれる中央の
燃料高圧アキュムレータに圧送する。レールからは複数の燃料導管が個々のイン
ジェクタに延びており、これらのインジェクタはそれぞれ内燃機関のシリンダに
配属されている。インジェクタは、内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するために、
内燃機関の運転パラメータに関連して個々に機関電子装置によって制御される。
燃料高圧アキュムレータによって圧力形成と噴射とは互いに切り離されている。
【０００３】 汎用の燃料高圧アキュムレータが例えばドイツ連邦共和国特許第１９５４８６
１１号明細書に記載されている。この汎用の燃料高圧アキュムレータは、約１１
００バールまでの圧力に耐えられる。
【０００４】 本発明の課題は、公知の燃料高圧アキュムレータの高圧に対する耐性を簡単な
手段で高めることである。
【０００５】 この課題を解決するために本発明では、内燃機関のコモンレール燃料噴射系用
の燃料高圧アキュムレータであって、中空のベース体が設けられていて、該ベー
ス体に複数の接続開口が設けられている形式のものにおいて、ベース体の内室が
接続開口の領域において平らに形成されている。本発明の枠内において次のこと
、すなわち燃料高圧アキュムレータの高圧耐性がまず第１に接続開口とベース体
との間の交差によって制限される、ということが判明した。交差領域においては
運転中に、ベース体における亀裂形成を惹起し得るような応力ピークが発生する
。本発明による解決策によって、燃料高圧アキュムレータの高圧耐性は、燃料高
圧アキュムレータの構造容積をほとんど増大させることなしに、高められる。ベ
ース体の内室は例えば円筒形又は球形のジオメトリを有することができる。
【０００６】 本発明による燃料高圧アキュムレータの特別な構造形式では、ベース体に、接
続孔を備えた接続管片が形成されており、接続孔の中心線が、接続開口の領域に
おける平らな面に対して垂直に配置されている。このように構成されていると、
交差領域における応力ピークは最小になる。
【０００７】 前記課題を解決する別の構成では、内燃機関のコモンレール燃料噴射系用の燃
料高圧アキュムレータであって、管状のベース体が設けられていて、該ベース体
に複数の接続開口が設けられている形式のものにおいて、管状のベース体の内径
が接続開口の領域において拡大されている。ベース体の内径と接続開口の内径と
の間の比が可能な限り大きく選択されると、燃料高圧アキュムレータの圧力耐性
が増大する。ベース体内径の局部的な拡大によって、内径の比が接続開口の臨界
領域において高められ、しかもこの際に、本発明による燃料高圧アキュムレータ
の外寸が増大することはない。
【０００８】 前記課題を解決するさらに別の構成では、内燃機関のコモンレール燃料噴射系
用の燃料高圧アキュムレータであって、管状のベース体が設けられていて、該ベ
ース体に複数の接続開口が設けられている形式のものにおいて、管状のベース体
の内室が接続開口の領域において平らに形成されている。すなわち、接続開口の
領域における管状のベース体の内径は、いわば「無限」の値を有している。この
ようにすることによって、最小の構造容積において、本発明による燃料高圧アキ
ュムレータの高圧耐性を最大にすることができる。接続開口は通常接続孔によっ
て形成され、これらの接続孔の中心線はそれぞれ、接続開口の領域における平ら
な面に対して垂直に配置されている。
【０００９】 前記課題を解決するために、上に記載の燃料高圧アキュムレータを製造する本
発明による方法では、管状のベース体を接続開口の領域において内方に向かって
変形させて、内方に向かって突出させ、次いで内方に向かって突出している領域
を、該領域における材料を研摩除去して加工し、これによって管状のベース体の
内径を接続開口の領域において拡大させるようにした。これによって簡単な形式
で、ベース体の内径を接続開口の領域においてだけ局部的に拡大することができ
る。
【００１０】 本発明による方法の別の形態では、管状のベース体の内室を接続開口の領域に
おいて、電気化学的研摩法（ＥＣＭ，Electro-Chemical Machining）を用いて加
工するようにした。この方法の使用は実地において特に有利であることが分かっ
ている。
【００１１】 次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【００１２】 図１は、本発明による燃料高圧アキュムレータの第１実施例を示す横断面図で
あり、 図２は、本発明による燃料高圧アキュムレータの第２実施例を部分的に示す横
断面図であり、 図３は、本発明による燃料高圧アキュムレータの第３実施例を示す縦断面図で
あり、 図４は、本発明による燃料高圧アキュムレータを、導入された加工工具と共に
示す縦断面図である。
【００１３】 図１に横断面で示された燃料高圧アキュムレータは、管状のベース体１を有し
ている。この管状のベース体１内においては長手方向孔２が、アキュムレータ容
積室を形成している。管状のベース体１には接続管片３が形成されており、この
接続管片３内においては接続孔４が、管状のベース体１の長手方向軸線に対して
横方向に延びている。接続孔４は長手方向孔２に開口している。
【００１４】 管状のベース体１の領域５は、材料を切削する加工法によって材料除去されて
いる。このようにして接続孔４の開口領域には平らな面６が形成されている。平
らな面６は接続孔４の中心線に対して垂直に延びている。管状のベース体１の円
筒形の内室の輪郭は、図１に破線で示されている。
【００１５】 図２には、本発明による燃料高圧アキュムレータの第２実施例が部分的に横断
面図で示されている。管状のベース体１内には、図１に示された実施例における
ように、長手方向孔２が配置されている。この長手方向孔２内には接続孔４が開
口している。接続孔４が長手方向孔２に開口している領域には、方形の直方体形
状の切欠き５が管状のベース体１内に設けられている。これによってベース体１
の内室には平らな面６が形成され、この平らな面６は接続孔４の中心線に対して
垂直に延びている。
【００１６】 図３には、本発明による燃料高圧アキュムレータの第３実施例が縦断面図で示
されている。図３に示された燃料高圧アキュムレータは管状のベース体１を有し
ている。この管状のベース体１内には長手方向孔２が配置されている。この長手
方向孔２には半径方向の接続孔４が開口している。
【００１７】 管状のベース体１の外周面の、接続孔４を取り囲む領域８は、管状のベース体
１の全周にわたって、適当な工具を用いて押し込まれている。管状のベース体１
の外周面の変形によって、図３に破線で示されているように、管状のベース体１
の内部にはリング状の領域９が突出させられる。この突出した領域９は接続孔４
の開口領域において切除され、これによって平らな面６が形成される。
【００１８】 図４には、本発明による燃料高圧アキュムレータの第４実施例が縦断面図で示
されている。この図４に示された燃料高圧アキュムレータは、管状のベース体１
を有している。この管状のベース体１内には長手方向孔２が切り欠かれている。
長手方向孔２内には半径方向の接続孔４が開口している。
【００１９】 ベース体１の内部における領域５を除去するために、ＥＣＭ電極が長手方向孔
２内に導入されている。このＥＣＭ電極１０を用いて、領域５における管状のベ
ース体１の材料が除去される。これによって接続孔４の開口領域において平らな
面６が形成されている。
【００２０】 ＥＣＭ（Electro-Chemical Machining：電気化学的研摩）という英語は、ドイ
ツ語の「elektrochemisches Abtragen」に相当する。電解研摩（Elysieren）と
も呼ばれる電気化学的研摩は、電流と電解液（Elektrolytloesung）との作用下
で金属材料が陽極側において溶解（anodisch aufloesen）される研摩法である。
この場合電流は外部の電流源によって、しかしながらまたワークにおける局部エ
レメント形成（Lokalelementbildung）つまり内部電圧源（innere Spannungsque
lle）によっても、生ぜしめることができる。陽極側における金属溶解の作用原
理は、金属イオンが金属相から電解相又は反応製品相（Reakionsproduktphase）
に移行する電気化学的な反応に基づく。このような反応は、電荷交換動作（Ladu
ngsaustauschvorgang）によって実施され、電気的なエレメントの内部における
運動（innere Kinetik）に続く。
【００２１】 本発明によれば、長手方向孔２と接続孔４との間の交差部において生じる、管
状のベース体１の内径が、局部的に拡大され、つまり可能な限り大きくなり、し
かもこの際に、本発明による燃料高圧アキュムレータが極端に大きな外側寸法を
有することはない。そしてこれによって、最小化された構造容積において最大の
高圧強度が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による燃料高圧アキュムレータの第１実施例を示す横断面図である。
【図２】 本発明による燃料高圧アキュムレータの第２実施例を部分的に示す横断面図で
ある。
【図３】 本発明による燃料高圧アキュムレータの第３実施例を示す縦断面図である。
【図４】 本発明による燃料高圧アキュムレータを、導入された加工工具と共に示す縦断
面図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 内燃機関のコモンレール燃料噴射系用の燃料高圧アキュムレ
    ータであって、中空のベース体（１）が設けられていて、該ベース体（１）に複
    数の接続開口（４）が設けられている形式のものにおいて、ベース体（１）の内
    室が接続開口（４）の領域において平らに形成されていることを特徴とする燃料
    高圧アキュムレータ。
  2. 【請求項２】 ベース体（１）に、接続孔（４）を備えた接続管片（３）が
    形成されており、接続孔（４）の中心線が、接続開口（４）の領域における平ら
    な面（６）に対して垂直に配置されている、請求項１記載の燃料高圧アキュムレ
    ータ。
  3. 【請求項３】 内燃機関のコモンレール燃料噴射系用の燃料高圧アキュムレ
    ータであって、管状のベース体（１）が設けられていて、該ベース体（１）に複
    数の接続開口（４）が設けられている形式のものにおいて、管状のベース体（１
    ）の内径が接続開口（４）の領域において拡大されていることを特徴とする燃料
    高圧アキュムレータ。
  4. 【請求項４】 内燃機関のコモンレール燃料噴射系用の燃料高圧アキュムレ
    ータであって、管状のベース体（１）が設けられていて、該ベース体（１）に複
    数の接続開口（４）が設けられている形式のものにおいて、管状のベース体（１
    ）の内室が接続開口（４）の領域において平らに形成されていることを特徴とす
    る燃料高圧アキュムレータ。
  5. 【請求項５】 請求項３又は４記載の燃料高圧アキュムレータを製造する方
    法であって、管状のベース体（１）を接続開口（４）の領域において内方に向か
    って変形させて、内方に向かって突出させ、次いで内方に向かって突出している
    領域（９）を、該領域における材料を研摩除去して加工し、これによって管状の
    ベース体（１）の内径を接続開口（４）の領域において拡大させることを特徴と
    する、燃料高圧アキュムレータを製造する方法。
  6. 【請求項６】 請求項３又は４記載の燃料高圧アキュムレータを製造する方
    法であって、管状のベース体（１）の内室を接続開口（４）の領域において、電
    気化学的研摩法を用いて加工することを特徴とする、燃料高圧アキュムレータを
    製造する方法。
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