JP2003512365A - ベンゾフラン化合物あるいはベンゾチオフェン化合物を調製する方法 - Google Patents

ベンゾフラン化合物あるいはベンゾチオフェン化合物を調製する方法

Info

Publication number
JP2003512365A
JP2003512365A JP2001531819A JP2001531819A JP2003512365A JP 2003512365 A JP2003512365 A JP 2003512365A JP 2001531819 A JP2001531819 A JP 2001531819A JP 2001531819 A JP2001531819 A JP 2001531819A JP 2003512365 A JP2003512365 A JP 2003512365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
formula
compound
aromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001531819A
Other languages
English (en)
Inventor
シヤラマ,テイエリー
Original Assignee
ロデイア・シミ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from FR9913251A external-priority patent/FR2800064B1/fr
Priority claimed from FR0006629A external-priority patent/FR2809397B1/fr
Application filed by ロデイア・シミ filed Critical ロデイア・シミ
Publication of JP2003512365A publication Critical patent/JP2003512365A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/77Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D307/78Benzo [b] furans; Hydrogenated benzo [b] furans
    • C07D307/79Benzo [b] furans; Hydrogenated benzo [b] furans with only hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached to carbon atoms of the hetero ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B37/00Reactions without formation or introduction of functional groups containing hetero atoms, involving either the formation of a carbon-to-carbon bond between two carbon atoms not directly linked already or the disconnection of two directly linked carbon atoms
    • C07B37/10Cyclisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D333/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom
    • C07D333/50Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D333/52Benzo[b]thiophenes; Hydrogenated benzo[b]thiophenes
    • C07D333/54Benzo[b]thiophenes; Hydrogenated benzo[b]thiophenes with only hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached to carbon atoms of the hetero ring

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも2個の炭素原子を含む側鎖を有し、該炭素原子の1個が酸素原子あるいは硫黄原子を介してベンゼン環に結合してあり、他の炭素原子がカルボキシル体を構成してあって、前記側鎖に対してオルト位にホルミル基がある芳香族化合物を環化することによりベンゾフラン化合物あるいはベンゾチオフェン化合物を調製する新規な方法に関する。本発明方法は、カルボン酸無水物および任意に有機溶媒を含む媒体中炭酸塩基の効果的な量の存在下、後者を環化することから成ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、第1に、少なくとも2個の炭素原子を含む側鎖を担持し、該炭素原
子の1個が酸素原子あるいは硫黄原子を介してベンゼン環に結合してあり、他の
炭素原子がカルボキシル体を構成してあって、第2に、前記側鎖に関してオルト
位にホルミル基を担持する芳香族化合物を環化することによりベンゾフラン型あ
るいはベンゾチオフェン型化合物を調製する新規な方法に関する。
【0002】 本発明は、特に2−n−ブチル−5−ニトロベンゾフランの調製に関する。
【0003】 ベンゾフランあるいはベンゾチオフェン型構造は、医薬品分野において用いら
れている多くの分子に存在する。特にヨーロッパ特許第EP−A−047160
9号には、ピリジン存在下、臭化2−ヒドロキシ−5−ニトロ−ベンジルトリフ
ェニルホスホニウムを塩化ペンタノイルと反応させることから成る、n−ブチル
−2−ニトロ−5−ベンゾフランを調製する方法を記載しており:臭化2−ヒド
ロキシ−5−ニトロ−ベンジルトリフェニルホスホニウムは、臭化2−ヒドロキ
シ−5−ニトロ−ベンジルとトリフェニルホスフィンとから得られる。
【0004】 本発明の目的は、5−ニトロベンゾフランを好収率で生産できる液相調製の別
方法を提供することである。
【0005】 我々はここに本発明の課題を構成する、第1に、少なくとも2個の炭素原子を
含む側鎖、該炭素原子の1個が酸素原子あるいは硫黄原子を介して芳香環に結合
してあり、他の炭素原子がカルボキシル体を構成してあって、第2に、前記側鎖
のオルト位にホルミル基を担持する芳香族化合物からベンゾフラン型あるいはベ
ンゾチオフェン型化合物を調製する方法であって、カルボン酸無水物を含む媒体
中、炭酸金属または炭酸アンモニウムおよび/または重炭酸金属または重炭酸ア
ンモニウムから選ばれる塩基存在下、後者を環化することから成ることを特徴と
する方法を発見した。
【0006】 本発明の方法の好ましい変形形態は、第1に、少なくとも2個の炭素原子を含
む側鎖を担持し、該炭素原子の1個が酸素原子あるいは硫黄原子を介して芳香環
に結合してあり、他の炭素原子がカルボキシル体を構成してあって、および第2
に、前記側鎖のオルト位にホルミル基を担持する芳香族化合物から、カルボン酸
無水物を含む媒体中、有機溶媒および上記に定義された塩基の効果的な量の存在
下、後者を環化することによりベンゾフラン型あるいはベンゾチオフェン型化合
物を調製することから成る。
【0007】 我々は、ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒を用いることが、使用されたカ
ルボン酸無水物の量を減じて環化生成物の回収を容易にすることを見い出した。
【0008】 本発明の方法において出発反応物は、側鎖および側鎖に対してオルト位にホル
ミル基を担持する芳香族化合物、好ましくはベンゼン化合物である。
【0009】 側鎖には: ・ベンゼン環の側鎖に結合する酸素原子あるいは硫黄原子; ・ベンゼン環の2個の炭素原子をも含む5原子環に含まれる一緒に結合した2
個の原子; ・酸素原子あるいは硫黄原子のβ位にカルボキシル基あるいはチオカルボキシ
ル基、 の3つの特徴を有する。
【0010】 出発試薬は、以下のように表すことができる:
【0011】
【化6】 式中: ・Rは、水素原子、1〜12個の炭素原子を含有する直線状あるいは分枝状
アルキル基、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基により置換されていても
よいフェニル基、あるいはハロゲン化フェニル基を表し; ・Zは、酸素原子あるいは硫黄原子を表し; ・Rは、水素原子あるいは置換基を表し; ・nは、0、1、2あるいは3、好ましくは0に等しい数であり; ・nが1より大きい場合、2個のR基およびベンゼン環の連続する2個の原子
は一緒になって、5〜7個の炭素原子を含有する飽和環、不飽和環あるいは芳香
族環を形成できる。
【0012】 式(I)において、ベンゼン環は置換基を担持することができる。
【0013】 本発明の範囲として、本発明の条件下で反応しないという条件で、任意のタイ
プの置換基がベンゼン環上に存在することを除外しないものとする。
【0014】 R基のさらに具体的な例としては以下のものが挙げられる: ・ニトロ基; ・水酸基; ・メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチルなどの1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭
素原子を含有する直線状あるいは分枝状アルキル基; ・1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルコキシ
基; ・1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するエステル
基; ・1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルキルア
ミド基; ・カルボキサミド基; ・ハロゲン原子; ・トリフルオロメチル基。
【0015】 nが1より大きい場合、2個のR基とベンゼン環の連続する2個の原子は、5
〜7個の炭素原子、好ましくは6個の炭素原子を含有する飽和環、不飽和環ある
いは芳香族環を一緒に形成できる。2個のR基がベンゼン環を形成するのが有利
である。
【0016】 Rは、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基であるのが有利である。
【0017】 本発明は、Rが、シクロアルキル、フェニルあるいはアリールアルキルなど
のさらなる基を表すことを除外しないが、R基が除去されることから、できる
だけ簡単な、例えば低級アルキル基、すなわち1〜4個の炭素原子を含有すべき
であることが経済的な観点から重要である。Rはまた、カルボン酸基の存在に
対応する水素原子を表すことができる。
【0018】 本発明の方法の使用に好ましい基質は、式(I)を有し、式中Rは、水素原子
、ニトロ基、メチル基あるいはエチル基、あるいはメトキシ基あるいはエトキシ
基を表す。
【0019】 式(I)において、Zは酸素原子を表すことが好ましい。
【0020】 式(I)において、Rは、ニトロ基を表すことができ、好ましくはホルミル基
に対しメタ位にある。
【0021】 本発明の方法によれば、好ましくは式(I)を有する芳香族化合物を、炭酸金
属あるいは炭酸アンモニウムおよび/または重炭酸あるいは重炭酸アンモニウム
から選ばれる塩基存在下環化する。
【0022】 説明できる好適な塩基は、特にアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の炭酸
塩および重炭酸塩である。炭酸セシウムは使用できるが、しかし好ましくは炭酸
ナトリウムあるいは炭酸カリウムが使用される。
【0023】 本発明の方法によれば、好ましくは式(I)の芳香族化合物は、カルボン酸無
水物中で環化される。
【0024】 より具体的には、後者は以下の式を有する:
【0025】
【化7】 式(VI)中: ・同一あるいは異なってもよいRおよびRは、置換していてもしていなく
てもよい一価の炭化水素基を表し、それは直線状あるいは分枝状、飽和あるいは
不飽和非環式脂肪族基;あるいは単環式飽和、不飽和あるいは芳香族炭素環式基
であり得; ・RおよびRは、二価の直線状あるいは分枝状、少なくとも2個の炭素原
子を含む飽和あるいは不飽和脂肪族基を一緒に形成できる。
【0026】 好ましくは、R基およびR基は、該無水物が反応条件下、液体であるよう
に選択される。
【0027】 使用される無水物は、環式であってもなくてもよい。
【0028】 より正確には、環に5〜10個の炭素原子を含有する環式無水物を使用でき、
それは二重結合を含んでも含んでなくてもよく;原子の1つは、酸素原子により
置き換えることができる。
【0029】 好ましくは、環式無水物は飽和であるか、あるいは環に二重結合および5〜6
個の原子を含む。
【0030】 環には1個あるいは複数の置換基を含むことができる。より具体的な置換基の
例としては、以下のものが挙げられる:メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基
などの1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する直線状
あるいは分枝状アルキル基、あるいはハロゲン原子あるいはトリハロゲノメチル
基である。
【0031】 より具体的には、式(VI)の非環式無水物を用いる場合、同一あるいは異な
ってもよいR基およびR基は: ・飽和であっても、あるいはその鎖上に1つあるいは複数の不飽和結合、単純
な二重結合であってもよい一般に1〜3つの不飽和結合を含んでもよく:炭化水
素鎖は、以下の基:−O−;−CO−の1つにより介在されてもよく;および/
または1個あるいは複数の置換基、特に:−X;−CXを担持してもよい、好
ましくは1〜24個の炭素原子、より好ましくは1〜12個の炭素原子を含有す
る直線状あるいは分枝状の非環式脂肪族基; ・1個あるいは複数のハロゲン原子、好ましくは塩素あるいは臭素を任意に担
持して3〜8個の炭素原子、好ましくは6個の炭素原子を含む飽和、不飽和ある
いは芳香族炭素環式基、 を表す。
【0032】 上記定義の基の中で、RおよびRは、好ましくは: ・1個あるいは複数のハロゲン原子を任意に担持して1〜12個の炭素原子を
含有する直線状あるいは分枝状のアルキル基; ・1個あるいは複数のハロゲン原子、あるいはトリハロゲノメチル基を任意に
担持するシクロヘキシル基あるいはフェニル基、 を表す。
【0033】 挙げることができる無水物の例としては: ・無水酢酸; ・無水プロパン酸; ・無水イソ酪酸; ・無水トリクロロ酢酸; ・無水トリフルオロ酢酸; ・無水安息香酸; ・無水モノクロロ酢酸; ・無水ジクロロ酢酸; ・無水ピバル酸、 がある。
【0034】 上記リストの無水物で好ましいのは無水酢酸である。
【0035】 本発明は、媒体中にカルボン酸からカルボン酸無水物を生成することを除外し
ない。
【0036】 上記のように、本発明の方法の好ましい変形形態において有機溶媒が用いられ
る。
【0037】 いくつかの基準により有機溶媒の選択を決定する。
【0038】 有機溶媒の第1の基準は、反応媒体中で安定なことである。
【0039】 第2の基準は、溶媒が高沸点、好ましくは50℃以上を有することである。
【0040】 挙げることができる本発明に用いるのに好適な溶媒の例としては、ハロゲン化
されてもされてなくてもよい芳香族炭化水素、および脂肪族、脂環式あるいは芳
香族エーテル−オキシド類がある。
【0041】 脂肪族系炭化水素の例としては、以下のものが挙げられる:芳香族系炭化水素
、より具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、特にソルベッソ(
Solvesso)型カットでアルキルベンゼン類の混合物により構成される石
油カットなどの芳香族系炭化水素である。
【0042】 脂肪族あるいは芳香族ハロゲン化炭化水素に関しては、ジクロロメタン、1,
2−ジクロロエタンおよびモノクロロあるいはジクロロベンゼンを特に挙げられ
る。
【0043】 有機溶媒はまた、脂肪族、脂環式あるいは芳香族エーテル−オキシド、より具
体的には、ジプロピルオキシド、ジイソプロピルオキシド、ジブチルオキシド、
メチルtert−イソブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(
すなわちグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);
フェニルオキシド;ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)であり得る
【0044】 本発明の方法においても使用できる、より極性の非プロトン性有機溶媒の例と
しては、以下のものが挙げられる:N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)
、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチル
ホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)などの直線状あるいは
環式カルボキサミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO);ヘキサメチルホス
ホトリアミド(HMPT);テトラメチルウレア;ニトロメタン、ニトロエタン
、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパンあるいはその混合物、ニトロベンゼ
ンなどのニトロ化合物;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブタンニトリル、
イソブタンニトリル、ベンゾニトリル、ベンジルシアニドなどの脂肪族あるいは
芳香族ニトリル類;テトラメチレンスルホン(スルホラン)。
【0045】 溶媒の混合物も使用可能である。
【0046】 本発明の方法によれば、出発基質は、塩基およびカルボン酸無水物の存在下で
環化する。
【0047】 より正確には、塩基のモル数と好ましくは式(I)の出発基質のモル数との比
として表される塩基量は、0.05〜1.0の範囲、好ましくは0.1〜0.2
の範囲である。
【0048】 使用されるカルボン酸無水物の量は、カルボン酸無水物/式(I)の化合物の
モル比が、好ましくは2〜10の範囲にあるようにする。
【0049】 有機溶媒を用いることから成る本発明の方法の好ましい変形形態において、使
用されるカルボン酸無水物の量は、カルボン酸無水物/式(I)の化合物のモル
比が、好ましくは1〜3の範囲、より好ましくは1〜2の範囲にあるようにする
【0050】 使用される有機溶媒量に関しては、選ばれた有機溶媒の性質に応じて決定され
る。
【0051】 有機溶媒中の基質濃度が、好ましくは1〜10モル/リットルの範囲、より好
ましくは2〜3モル/リットルの範囲にあるように決定される。
【0052】 出発基質の環化反応は、50℃〜160℃の範囲が有利であり、好ましくは1
00℃〜140℃の範囲の温度で行われる。
【0053】 この環化反応は、一般に大気圧で実施されるが、好ましくは、制御された不活
性ガス雰囲気で実施される。希ガス雰囲気、好ましくはアルゴンで確立できるが
、しかし窒素を使用することが安価である。
【0054】 実用的観点から、該反応は実施するのが簡便である。
【0055】 反応物を使用する順序は重要ではない。好ましい変形形態としては、もし用い
られるならば、まず、有機溶媒を充填し、そこに基質、カルボン酸無水物を充填
し、次いで塩基を充填して、所望の温度に加熱することから成る。
【0056】 反応が完了すると、好ましくは下記の式(V)を有する環化生成物が得られる
【0057】
【化8】 式(V)中、R、R、Yおよびnは、上記に挙げた意味を有する。
【0058】 ベンゾフラン型あるいはベンゾチオフェン型化合物は、従来の技術を用いて、
特に蒸留および/または抽出により回収される。
【0059】 例として、もし存在するならば、まず有機溶媒を蒸留し、次いでカルボン酸無
水物および生成したカルボン酸を蒸留することができる。
【0060】 次に環化化合物を抽出するための溶媒を導入することができる。より具体的に
説明できる例としては、ハロゲン化されていてもされていなくてもよい脂肪族あ
るいは芳香族炭化水素を挙げることができる。特別に挙げることができる例は、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、メチルシクロヘキサンおよび石油エーテルで
ある。
【0061】 使用量は、先に示した有機溶媒の使用量と同程度(オーダー)の量である。
【0062】 水相および有機相は分離され、後者は塩基水溶液、好ましくはpHが6〜8の
範囲になるように水酸化ナトリウムの希釈水溶液(5%〜10%)で処理する。
【0063】 1回あるいは複数回の洗浄(例えば3回)が実施され、一般に水洗で終る。
【0064】 環化生成物は、有機抽出溶媒の除去後回収される。
【0065】 本発明の方法は、文献に記載された公知基質および下記に記述されている次式
(I’)を有する新規基質の双方に適用できる:
【0066】
【化9】 式中: ・Rは、1〜12個の炭素原子を含有する直線状あるいは分枝状アルキル基
、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基により置換され得るフェニル基ある
いはハロゲン化フェニル基を表し; ・Rは、水素原子、直線状あるいは分枝状アルキル基であり得る1〜12個
の炭素原子を含有する炭化水素基、シクロアルキル基、フェニル基あるいはフェ
ニルアルキル基を表し; ・Zは、酸素原子あるいは硫黄原子を表し; ・Rは、水素原子あるいは置換基を表し; ・nは、0、1、2あるいは3、好ましくは0に等しい数であり; ・nが1より大きい場合、2個のR基およびベンゼン環の連続する2個の原子
は一緒になって、5〜7個の炭素原子を含有する飽和環、不飽和環あるいは芳香
族環を形成できる。
【0067】 ・式(I’)において、ベンゼン環は置換基を担持することができる。
【0068】 R基のさらに具体的な例としては以下のものが挙げられる: ・水酸基; ・メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチルなどの1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭
素原子を含有する直線状あるいは分枝状アルキル基; ・1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルコキシ
基; ・1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するエステル
基; ・1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルキルア
ミド基; ・カルボキサミド基; ・ハロゲン原子; ・トリフルオロメチル基。
【0069】 本発明の方法の好ましい化合物は、Rが水素原子、メチル基あるいはエチル基
、あるいはメトキシ基あるいはエトキシ基を表す式(I’)を有する。
【0070】 nが1より大きい場合、2個のR基とベンゼン環の連続する2個の原子は、5
〜7個の炭素原子、好ましくは6個の炭素原子を含有する飽和環、不飽和環ある
いは芳香族環を一緒に形成できる。この場合、2個のR基がベンゼン環を形成す
るのが有利である。
【0071】 R基は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基であるのが有利である。
【0072】 本発明は、Rが、シクロアルキル、フェニルあるいはアリールアルキルなど
のさらなる基を表すことを除外しないが、R基が除去されることから、できる
だけ簡単な、例えば低級アルキル基、すなわち1〜4個の炭素原子を含有すべき
であることが経済的な観点から重要である。Rはまた、カルボン酸基の存在に
対応する水素原子を表すことができる。
【0073】 式(I’)のニトロ芳香族化合物は、式(II’)を有する芳香族化合物の4
位を選択的にニトロ化することから成る方法により得ることができる:
【0074】
【化10】 式(II’)中、R、R、R、Zおよびnは上記に挙げた意味を有する。
【0075】 式(II’)の芳香族化合物は: ・式(III’)において、R、Zおよびnが上記の意味を有する式(III
’):
【0076】
【化11】 の2−ヒドロキシ−あるいは2−チオベンズアルデヒド型の化合物;および 式(IV)において、 ・Yが、脱離基、好ましくはハロゲン原子、あるいはR’が炭化水素基である
式−OSO−R’を有するスルホン酸エステル基を表し; ・R、Rが、上記の意味を有する脱離基を含む、式(IV):
【0077】
【化12】 のカルボン酸あるいは誘導体を反応させることから成る方法で得られる。
【0078】 スルホン酸エステル基の式中、R’は任意の性質の炭化水素基である。しかし
ながら、Yが脱離基を示す場合、経済的観点からR’は単純な性質である必要が
あり、より具体的には、1〜4個の炭素原子を含有する直線状あるいは分枝状ア
ルキル基を表し、好ましくはメチル基あるいはエチル基を表すことが重要である
が;例えば、それはまた、フェニル基あるいはトリル基あるいはトリフルオロメ
チル基を表すことができる。Y基は、トリフルオロメチル基を表すR’基に相当
するトリフレート基であることが好ましい。
【0079】 選択できる好ましい脱離基は、ハロゲン原子、すなわち臭素、塩素あるいはヨ
ウ素、好ましくは臭素原子あるいは塩素原子である。
【0080】 本発明の方法によれば、我々は式(I’)の新規製造中間体を用いて出発する
【0081】 それは、式(II’)を有するO−あるいはS−アルキル化化合物の4位に、
硫酸存在下、NO 源を反応させることによる選択的ニトロ化反応を用いて得
ることができる:該反応を有機溶媒中で実施してもしなくてもよい。
【0082】 このために、前記化合物をNO 源と反応させる。
【0083】 二酸化窒素NO、三酸化二窒素N、四酸化二窒素N、硝酸、二
酸化窒素、酸素などの酸化剤と会合する酸化窒素NOを用いて始めることができ
る。反応物が、反応条件下ガス状の場合、媒体中に通気する。
【0084】 亜硝酸、ニトロースあるいは硫酸ニトロシルあるいは亜硝酸塩、好ましくはア
ルカリ金属塩、さらにより好ましくは、酸化剤好ましくは硝酸と会合するナトリ
ウムを使用することもできる。
【0085】 酸化剤、より具体的には式(VII): R−ONO (VII) のものと会合する亜硝酸アルキルを使用することもでき、式(VII)中、R は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する直線状あ
るいは分枝状アルキル基を表す。
【0086】 NO 源の量は、少なくともO−あるいはS−アルキル化芳香族化合物の化
学量論量に等しい。NO 源のモル数とO−あるいはS−アルキル化芳香族化
合物のモル数との間の比率は、1.0〜1.2の範囲が有利である。
【0087】 好ましくは、濃硝酸溶液は、70%〜99%の範囲の好ましい濃度で用いられ
る。
【0088】 上記のように、NO 源は硫酸と会合する。
【0089】 変形形態において本発明の方法は、ニトロ化混合物(硝酸の50重量%〜98
重量%を含む硝酸と硫酸混合物)を用いることから成る。
【0090】 O−あるいはS−アルキル化芳香族化合物/硝酸のモル比として表される硝酸
の量は、一般に0.9〜1.1の範囲で、好ましくは0.95〜1.05の範囲
である。
【0091】 O−あるいはS−アルキル化芳香族化合物/硫酸のモル比として表される硫酸
量は、一般に0.9〜1.1の範囲で、好ましくは0.95〜1.05の範囲で
ある。
【0092】 硫酸の濃度は、50%〜98%の範囲が有利である。
【0093】 このために、硝酸あるいは四酸化二窒素などの硝酸の前駆体が使用される。
【0094】 ニトロ化反応は、反応条件下で不活性な有機溶媒中で任意に実施できる。
【0095】 挙げることができる有機溶媒のより具体的な例としては、脂肪族ハロゲン化炭
化水素、より具体的にはテトラクロロメタン、ヘキサクロロエタンなどの過塩素
化炭化水素;ジクロロメタン、1,2−ジクロロメタンなどの部分塩素化炭化水
素である。
【0096】 ジクロロメタンが好ましい溶媒である。
【0097】 O−あるいはS−アルキル化芳香族化合物の反応媒体中における濃度に関して
、0.2〜3モル/lの範囲が好ましく、0.3〜1.5モル/lの範囲がより
好ましい。
【0098】 これは一般に液体形態で導入される。
【0099】 この反応は、−5℃〜10℃の範囲で不活性ガス雰囲気中で実施することが有
利である。
【0100】 本発明の方法は、一般に大気圧で実施する。
【0101】 本発明の方法の好ましい変形形態において、制御した不活性ガス雰囲気中でニ
トロ化ステップを実施する。希ガス雰囲気を、好ましくはアルゴンで確立できる
が、しかし窒素を用いる方が安価である。
【0102】 いくつかの実施態様を想定できる。
【0103】 第1の変形形態として、硫酸液を最初に充填し、次いでO−あるいはS−アル
キル化芳香族化合物および硝酸を同時に充填する。
【0104】 さらなる変形形態として、硫酸および硝酸溶液を導入し、次にO−あるいはS
−アルキル化芳香族化合物を好ましくは部分的に加えるか、あるいは連続的に注
入する。
【0105】 さらなる変形形態として、O−あるいはS−アルキル化芳香族化合物を、一方
で貯蔵塩基に、および他方で硫酸および硝酸に導入する。
【0106】 この反応は、3〜10時間継続すると有利である。
【0107】 反応が終了すると、式(I’)の所望の生成物が得られる。
【0108】 生成物は、この分野で使用される従来法を用いて回収される。
【0109】 特に例えば、加水分解は、好ましくは式(I’)の化合物の100重量%〜1
50重量%の量の氷を用いて実施できる。
【0110】 固体は、従来の固体/液体の分離法を用いて、好ましくはろ過により分離して
得られる。
【0111】 すると所望の生成物を生成する。
【0112】 式(I’)の化合物の調製に関与する式(II’)の化合物は、式(III’
)の2−ヒドロキシあるいは2−チオベンズアルデヒド型化合物と式(IV)の
カルボン酸あるいは誘導体とのO−あるいはS−アルキル化反応を用いて得るこ
とができる。
【0113】 1つの実施は、式(III’)の芳香族化合物と式(IV)のカルボン酸ある
いは誘導体との反応から成り:該反応を塩基存在下、好ましくは有機溶媒中実施
する。
【0114】 式(III’)の化合物の中で、サリチルアルデヒドが好ましい。
【0115】 式(IV)の化合物に関しては、2−ブロモヘキサン酸メチルあるいはエチル
を使用するのが好ましい。
【0116】 式(III’)の化合物と式(IV)の化合物とのモル比は、1〜1.2の間
が有利である。
【0117】 本発明の方法によれば、式(III’)の2−ヒドロキシあるいは2−チオベ
ンズアルデヒド型化合物を、上記定義の有機溶媒中、式(IV)のカルボン酸の
塩あるいは誘導体の形で反応させる。
【0118】 即席に調製された2−ヒドロキシあるいは2−チオベンズアルデヒド型化合物
の塩の形を使用できるが、しかし2−ヒドロキシあるいは2−チオベンズアルデ
ヒド型化合物と塩基を反応させてin situでも調製できる。
【0119】 無機あるいは有機であり得る塩基が、このように本発明の方法に使用される。
【0120】 本発明の方法の実施に用いる特に好適な塩基は、アルカリ金属あるいはアルカ
リ土類金属塩などの無機塩基、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムあ
るいは水酸化カルシウムであってもよい水酸化アルカリあるいは水酸化アルカリ
土類金属;あるいは炭酸アルカリ金属あるいは重炭酸アルカリ金属、好ましくは
炭酸ナトリウムである。
【0121】 水酸化四級アンモニウムやアミンなどの有機塩基もまた使用できる。
【0122】 使用できる好ましい水酸化四級アンモニウムの例は、水酸化テトラアルキルア
ンモニウムあるいは水酸化トリアルキルベンジルアンモニウムであって、その中
で、同一であってもあるいは異なってもよいアルキル基は、1〜12個の炭素原
子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含有する直線状あるいは分枝状アルキル鎖
を表す。
【0123】 好ましくは、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニ
ウムあるいは水酸化テトラブチルアンモニウムが用いられる。
【0124】 水酸化トリアルキルベンジルアンモニウム、特に水酸化トリメチルベンジルア
ンモニウムもまた使用できる。
【0125】 言及できるアミンの例としては三級アミンが挙げられる。
【0126】 挙げることができる好適な塩基は、三級アミン類、より具体的には一般式(V
III): N−(R (VIII) のものであり、 式中: ・同一であってもあるいは異なってもよいR基は、アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基あるいは複素環基などの1〜20個の炭素原子を含有する炭
化水素残基を表し; ・窒素原子と一緒になって2個のR基は、4〜6個の原子を含む複素環を形
成する。
【0127】 より具体的には: ・記号Rは、1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有
するアルキル基、あるいはシクロペンチル基あるいはシクロヘキシル基あるいは
ピリジン基を表し; ・2個のR基は、窒素原子と一緒になってピペリジン環あるいはピロリジン
環を形成する。
【0128】 例証できるこのようなアミン類の例としては、トリエチルアミン、トリ−n−
プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジシ
クロヘキシルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N,N−ジエチルシクロヘ
キシルアミン、ジメチルアミノ−4−ピリジン、N−メチルピペリジン、N−エ
チルピペリジン、N−n−ブチルピペリジン、1,2−ジメチルピペリジン、N
−メチルピロリジン、および1,2−ジメチルピロリジンである。
【0129】 経済的な理由から、炭酸ナトリウムあるいは炭酸カリウムが好ましい。
【0130】 該塩基は、固体の形で用いられるが、溶液中の塩基を用いることもできる。出
発塩基溶液の濃度は重要ではない。水酸化アルカリ金属溶液は、一般に10重量
%〜50重量%の範囲の濃度で使用される。
【0131】 反応媒体に導入された塩基量は、2−ヒドロキシあるいは2−チオベンズアル
デヒド型化合物のヒドロキシ官能基あるいはチオール官能基を塩の形に変形形態
させるのに必要な量を考慮する。
【0132】 一般に、2−ヒドロキシあるいは2−チオベンズアルデヒド型化合物に関して
表される塩基量は、化学量論量の90%〜120%の範囲である。
【0133】 式(III’)の出発基質の水酸基あるいはチオール基は、場合により開始段
階において塩の形に変換される。このように、式(III’)の化合物は、塩基
を導入して次いで有利には0℃〜100℃の範囲で、好ましくは25℃〜50℃
の範囲で反応させることによるか、あるいは式(IV)の化合物と同時に塩基を
導入することによるかのいずれかで塩の形に変換できる。
【0134】 本発明によれば、O−あるいはS−アルキル化反応は、塩基存在下、式(II
I’)の化合物および式(IV)の化合物を含む液相で実施することが有利であ
る。
【0135】 出発反応物の1つは、反応溶媒として作用できるが、有機溶媒もまた使用でき
る。
【0136】 出発基質よりも不活性で、好ましくはそれを溶解する有機溶媒が選ばれる。
【0137】 本発明の使用に好適な溶媒例としては、以下のものが挙げられる:ハロゲン化
されていてもされていなくてもよい芳香族系炭化水素、および脂肪族、脂環式あ
るいは芳香族エーテル−オキシド類である。このような溶媒の例は上記した。
【0138】 また、本発明の方法でも用いることができるより極性の非プロトン性有機溶媒
の例としては、以下のものが挙げられる:アセトニトリル、プロピオニトリル、
あるいはベンゾニトリルなどの脂肪族あるいは芳香族ニトリル、N,N−ジメチ
ルアセトアミド(DMAC)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジエチルホル
ムアミドあるいは1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)などの直線状あるい
は環式カルボキサミド類である。
【0139】 好ましい溶媒は、DMACあるいはDMFである。
【0140】 有機溶媒の混合物を用いることも可能である。
【0141】 反応媒体における2−ヒドロキシあるいは2−チオベンズアルデヒド型化合物
の濃度に関して、好ましくは2重量%〜50重量%の範囲である。
【0142】 本発明の方法の変形形態において、ヨウ化物イオン類は反応を促進するのに添
加される。特にヨウ化アルカリ金属、好ましくはヨウ化カリウムあるいはヨウ化
テトラアルキルアンモニウム、好ましくはヨウ化テトラブチルアンモニウムを使
用できる。
【0143】 ヨウ素塩のモル数と式(III’)の化合物のモル数との比率で表される使用
ヨウ化物量は、0.05〜0.2の範囲内であり得る。
【0144】 式(III’)の芳香族化合物と式(IV)のカルボン酸あるいは誘導体との
反応温度は、0℃〜100℃の範囲、好ましくは25℃〜50℃の範囲で有利で
ある。
【0145】 一般に反応は大気圧で起こる。
【0146】 本発明方法の好ましい変形形態において、本発明方法は不活性ガスの制御雰囲
気で実施される。希ガス雰囲気を、好ましくはアルゴンで確立できるが、しかし
窒素を使用することが安価である。
【0147】 実用的な観点から、本法は実施するのが簡便である。
【0148】 本発明の一実施態様は、反応物、塩基、有機溶媒および任意にヨウ素イオンの
全てを充填することから成る。
【0149】 次に媒体は、選ばれた反応温度まで加熱される。
【0150】 上記のように、塩の形成は前記段階で実施でき、式(III’)の化合物、塩
基および有機溶媒を導入でき、媒体は選ばれた反応温度に加熱され、次いで式(
IV)の化合物は任意のヨウ素イオンと共に添加して加熱する。
【0151】 式(II’)の所望の生成物が得られる。
【0152】 得られた生成物は従来どおりに回収する。
【0153】 一例として、反応中に形成された塩は、好適な溶媒、例えばイソプロピルエー
テル中、水を添加し生成物を有機相に抽出することにより除去できる。
【0154】 該有機溶媒は、蒸発により従来どおり除去できる。
【0155】 式(I’)の化合物を、一般式(V’):
【0156】
【化13】 の複素環化合物を得るために本発明の方法を用いて環化するが、式(V’)中、
R、R、Zおよびnは上記に挙げた意味を有する。
【0157】 式(I’)の化合物が、カルボキシル官能基の替わりにCOOR基としてエ
ステル官能基を含む場合、けん化ステップは、環化前最初に実施する必要がある
。さらなる変法では、同一の様式でニトロ化操作前に、必要ならば式(II’)
の化合物のけん化を実施することが可能である。
【0158】 このために、式(I’)の化合物を、水性有機媒体中塩基と反応させる。
【0159】 好ましい塩基は水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムで、フレークあるい
は濃厚溶液の形態、例えば水酸化ナトリウムでは40%で用いられる。
【0160】 式(I’)の化合物のモル数と塩基のモル数との比率として表され使用される
塩基量は、好ましくは1〜5の間、より好ましくは1〜2の間である。
【0161】 この塩基を水性あるいは水性有機媒体に溶解する。
【0162】 好ましくは、極性有機溶媒が使用される。
【0163】 好適な有機溶媒のより具体的に挙げることができる例としては、エタノール、
プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコールなどの脂肪族ア
ルコール;脂環式アルコール、特にシクロヘキサノールおよびアリール脂肪族ア
ルコール、より具体的にはベンジルアルコールである。商品名Cellosol
ves(登録商標)として販売されるエチレングリコールのモノメチル、モノエ
チル、モノプロピル、モノブチルエーテル類を考慮することも可能である。
【0164】 反応媒体(水+有機溶媒)中の式(I’)の化合物の濃度は、5重量%〜50
重量%の間、好ましくは5重量%〜20重量%の範囲で変えることが有利である
【0165】 有機溶媒と水との容量比は、例えば0.1〜0.9の間、好ましくは0.1〜
0.2の範囲であり得る。
【0166】 有機溶媒と水/有機溶媒比の選択は、得られた溶液が均一となるように決定す
る。
【0167】 けん化反応は、周囲温度から反応混合物の還流温度の範囲で、好ましくは50
℃近辺の温度で実施する。用語の「周囲温度」とは、通常15℃〜25℃の範囲
の温度を意味する。
【0168】 本発明の実用的一実施態様において、式(I’)の化合物を、水性あるいは水
性有機媒体に導入し、次いで塩基を加えて反応混合物を選ばれた温度に加熱する
【0169】 反応終結の時点で、過剰の塩基を、酸性溶液、好ましくは塩酸あるいは塩化ア
ンモニウムなどの無機酸あるいは無機塩溶液で中和する。
【0170】 次いで沈殿して得られた生成物を、従来の固体/液体分離技術を用いて、好ま
しくはろ過により分離する。
【0171】 次に本発明の環化を実施する。
【0172】 式(V’)を有する5位にニトロ化されたベンゾフラン型あるいはベンゾチオ
フェン型誘導体が得られる。
【0173】 本発明の方法は、特に2−n−ブチル−5−ニトロベンゾフランを調製するの
に好適である。
【0174】 ここで本発明の実施例を示す。実施例は例示のために提供するが、実質的に限
定しない。
【0175】 実施例1 5−ニトロ−2−ブチルベンゾフランの調製 23.4gの2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)ヘキサン酸およ
び2.3gの炭酸カリウムを、80gの無水酢酸を含む200mlの反応容器に
充填した。
【0176】 反応混合物を窒素雰囲気下130℃付近の温度で5時間加熱還流した。
【0177】 25℃付近の温度に冷却後、媒体を50mlの石油エーテル(40〜65℃)
で15回抽出した。
【0178】 合わせた有機相を300mlの重炭酸ナトリウム水溶液(10%)で洗浄し硫
酸マグネシウムで乾燥した。
【0179】 溶媒を減圧留去後、11.2g(重量収率=62%)の5−ニトロ−2−ブチ
ルベンゾフランを黄色オイルの形状で得た(NMR純度=95%)。
【0180】 それは、以下のNMRスペクトラムを有した。
【0181】
【化14】 生成物純度は、95モル%以上と評価された。
【0182】 実施例2 有機溶媒存在下での5−ニトロ−2−ブチルベンゾフランの調製 15.3g(0.15モル)の無水酢酸および2.63g(0.019モル)
の炭酸カリウムを、40.9gのジメチルホルムアミドおよび25.1g(0.
1モル)の2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)ヘキサン酸を含む2
00mlの反応容器に充填した。
【0183】 反応混合物を窒素雰囲気下135℃付近の温度で5時間加熱した。
【0184】 25℃付近の温度に冷却後、媒体を23ミリバール下漸次40℃〜120℃の
間に加熱してジメチルホルムアミド、酢酸および無水酢酸を留去した。
【0185】 濃厚だが攪拌可能な反応物が反応容器に残った。
【0186】 50mlのジクロロメタンをこの媒体に加えた。
【0187】 それを、25mlの5%水酸化ナトリウム水溶液で3回、次いで25mlの水
で連続して洗浄した。
【0188】 ジクロロメタンを大気圧で留去して、15.8g(重量収率=72.1%)の
5−ニトロ−2−ブチルベンゾフランを黄色オイルの形状で得た。
【0189】 NMRにより決定した純度は95%であり、ガスクロマトグラフィによる純度
は99.6%であった。
【0190】 それは、以下のNMRスペクトラムを有した。
【0191】
【化15】
【0192】 実施例3 2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)−ヘキサン酸の調製 2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)−ヘキサン酸は以下のように
調製できる: 29.5gの2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)−ヘキサン酸メ
チルおよび148mlの水を、テフロン(登録商標)製半月板型スターラー、温
度計、50mlの滴下漏斗、冷却用コイルおよび窒素導入口が備わった250m
lの四つ口反応器に連続して充填した。
【0193】 8.4gの50%水酸化ナトリウム水溶液を20分かけて加えた。
【0194】 25℃付近の温度で15分間攪拌後、反応媒体を約50℃で2時間加熱した。
【0195】 得られた透明の赤色媒体を、減圧下(20mmHg)、一部蒸発させ(50m
l)、生成したメタノールを除去して50mlの水で再度希釈した。
【0196】 攪拌により45℃付近の温度を維持しながら、10.8gの濃塩酸を徐々に加
えることにより反応媒体のpHを約1.8に調整した。
【0197】 1時間攪拌後、媒体の温度を20分間で55℃付近まで上げ、次いで周囲温度
で12時間放置した。
【0198】 固体生成物をn°3ガラスフリットを通してろ過することにより分離し、50
mlの水で2回洗浄し、55℃付近の温度で12時間オーブンで乾燥した。
【0199】 26.8gの2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)−ヘキサン酸を
、融点110〜111℃、電位差滴定アッセイによる力価が97.5%の淡黄色
固体の形態で得られた。
【0200】 これは以下のNMRスペクトラムを示した:
【0201】
【化16】
【0202】 実施例4 2−(2−ホルミル−4−フェノキシ)−ヘキサン酸の調製 2−(2−ホルミル−4−フェノキシ)−ヘキサン酸は以下のように調製でき
る: 29.5gの2−(2−ホルミル−4−フェノキシ)−ヘキサン酸メチルおよ
び148mlの水を、テフロン製半月板型スターラー、温度計、50mlの滴下
漏斗、冷却用コイルおよび窒素導入口が備わった250mlの四つ口反応器に連
続して充填した。
【0203】 10.4gの50%水酸化ナトリウム水溶液を20分間かけて加えた。
【0204】 25℃付近の温度で15分間攪拌後、反応媒体を約50℃で2時間加熱した。
【0205】 得られた透明の媒体を、減圧下(20mmHg)、一部蒸発させ(50ml)
、形成されたメタノールを除去して50mlの水で再度希釈した。
【0206】 攪拌により45℃付近の温度を維持しながら、10.8gの濃塩酸を徐々に加
えることにより反応媒体のpHを約1.8に調整した。
【0207】 1時間攪拌後、媒体の温度を20分間で55℃付近まで上げ、次いで周囲温度
で12時間放置した。
【0208】 固体生成物をn°3ガラスフリットを通してろ過することにより分離し、50
mlの水で2回洗浄し、55℃付近の温度で12時間オーブンで乾燥した。
【0209】 27.4gの2−(2−ホルミル−フェノキシ)−ヘキサン酸を、電位差滴定
アッセイにより98%の淡黄色固体の形態で得た。
【0210】 実施例5 2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)−ヘキサン酸メチルの調製 2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)−ヘキサン酸メチルは以下の
ように調製できる: 123gの96%濃硫酸を、テフロン製半月板型スターラー、温度計、50m
lの滴下漏斗、冷却用コイルおよび窒素導入口が備わった250mlの四つ口反
応器に充填した。
【0211】 反応媒体を5℃付近の温度に冷却し、次いで30g(0.12モル)の2−(
2−ホルミルフェノキシ)−ヘキサン酸メチルを同一の温度で加えた。
【0212】 15分間攪拌後、反応媒体を5℃付近に維持しながら、15.9g(0.12
6モル)のニトロ化混合物(50/50)を2時間かけて加え、次いで76.9
gの氷を30分間かけて加えて60%力価のHSOに導いた。
【0213】 10分間攪拌後、この反応混合物をn°3フリットを通してろ過した。
【0214】 得られた粗製生成物を100mlのジクロロメタンに溶解し、50mlの水で
2回洗浄した。
【0215】 デカントされた有機相を、20mmの水銀柱(2時間継続)のもと20℃〜7
0℃でロータリーエバポレーターで濃縮した。
【0216】 32.7gのベージュ黄色固体生成物が得られ、ガスクロマトグラフィによる
純度が96.7%の2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)−ヘキサン
酸メチルを92.4%の収率で得た。
【0217】 これは以下のNMRスペクトルを示した:
【0218】
【化17】
【0219】 実施例6 2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)−ヘキサン酸の調製 2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)−ヘキサン酸は以下のように
調製できる: 123gの96%濃硫酸を、テフロン製半月板型スターラー、温度計、50m
lの滴下漏斗、冷却用コイルおよび窒素導入口が備わった250mlの四つ口反
応器に充填した。
【0220】 反応媒体を5℃付近の温度に冷却し、次いで28.4g(0.12モル)の2
−(2−ホルミルフェノキシ)−ヘキサン酸を同一の温度で加えた。
【0221】 15分間攪拌後、反応媒体を5℃付近に維持しながら、15.9g(0.12
6モル)のニトロ化混合物(50/50)を2時間かけて加え、次いで76.9
gの氷を30分間かけて加えて60%力価のHSOに導いた。
【0222】 この反応混合物をn°3フリットを通してろ過した。
【0223】 得られた固形物を100mlのジクロロメタンに溶解し、50mlの水で2回
洗浄した。
【0224】 デカントされた有機相を、20mmの水銀柱(2時間継続)のもと20℃〜7
0℃でロータリーエバポレーターで濃縮した。
【0225】 32.1gのベージュ黄色固体生成物が得られ、ガスクロマトグラフィによる
純度が97.0%の2−(2−ホルミル−4−ニトロ−フェノキシ)−ヘキサン
酸メチルを95%の収率で得た。
【0226】 これは以下のNMRスペクトルを示した:
【0227】
【化18】
【0228】 実施例7 2−(2−ホルミルフェノキシ)−ヘキサン酸メチルの調製 2−(2−ホルミルフェノキシ)−ヘキサン酸メチルは以下のように調製でき
る: 87.1g(0.714モル)のサリチルアルデヒド、158.2g(0.7
56モル)の2−ブロモヘキサン酸メチル、103.5g(0.75モル)の炭
酸カリウムおよび5.9g(0.0355モル)のヨウ化カリウムを、半月板型
スターラー、温度計、冷却用コイルおよび500mlの滴下漏斗が備わった1リ
ットルの四つ口フラスコに連続して充填した。
【0229】 400gのジメチルホルムアミドを加えて、混合物を80℃付近の温度で攪拌
しながら4時間加熱した。
【0230】 25℃付近の温度に冷却後、反応混合物をn°3ガラスフリットを通してろ過
し、次いで50gのジメチルホルムアミドで洗浄した。
【0231】 濾液を、減圧下(25〜40ミリバール)蒸発により濃縮し、次いで100m
lの水で希釈し、100mlバッチのジクロロメタン、次いで50mlのジクロ
ロメタンで連続して抽出した。
【0232】 合わせた有機相を50mlの水で洗浄し、減圧下蒸発乾固まで濃縮した。
【0233】 176.1gの透明な黄色液体が、ガスクロマトグラフィによる純度が99.
6%の2−[2−(ホルミルフェノキシ)]−ヘキサン酸メチルを98.6%の
収率で得られた。
【0234】 実施例8 2−(2−ホルミルフェノキシ)−ヘキサン酸メチルの調製 2−(2−ホルミルフェノキシ)−ヘキサン酸メチルは以下のように調製でき
る: 130.6g(1.071モル)のサリチルアルデヒド、237.3g(1.
134モル)の2−ブロモヘキサン酸メチル、155.2g(1.125モル)
の炭酸カリウムを、半月板型スターラー、温度計、冷却用コイルおよび1000
mlの滴下漏斗が備わった2リットルの四つ口フラスコに連続して充填した。
【0235】 600gのジメチルホルムアミドを加えて、混合物を80℃付近の温度で攪拌
しながら4時間加熱した。
【0236】 25℃付近の温度に冷却後、反応混合物をn°3ガラスフリットを通してろ過
し、75gのジメチルホルムアミドで洗浄した。
【0237】 濾液を、減圧下(25〜40ミリバール)蒸発により濃縮し、次いで150m
lの水で希釈し、150mlバッチのジクロロメタン、次いで75mlのジクロ
ロメタンで連続して抽出した。
【0238】 合わせた有機相を75mlの水で洗浄し、減圧下蒸発乾固まで濃縮した。
【0239】 265gの透明な黄色液体が、ガスクロマトグラフィによる純度が99.6%
の2−[2−(ホルミルフェノキシ)]−ヘキサン酸メチルを98.9%の収率
で得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1に、少なくとも2個の炭素原子を含む側鎖を担持し、該
    炭素原子の1個が酸素原子あるいは硫黄原子を介してベンゼン環に結合してあり
    、他の炭素原子がカルボキシル体を構成してあって、第2に、前記側鎖のオルト
    位にホルミル基を担持する、芳香族化合物からベンゾフラン型あるいはベンゾチ
    オフェン型化合物を調製する方法であって、カルボン酸無水物を含む媒体中、炭
    酸金属または炭酸アンモニウムおよび/または重炭酸金属または重炭酸アンモニ
    ウムから選ばれる塩基存在下、側鎖を環化することから成ることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 芳香族出発化合物が下式を有し、 【化1】 (式(I)中、 Rは、水素原子、1〜12個の炭素原子を含有する直線状あるいは分枝状ア
    ルキル基、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基により置換されていてもよ
    いフェニル基、あるいはハロゲン化フェニル基を表し; Zは、酸素原子あるいは硫黄原子を表し; Rは、水素原子あるいは置換基を表し; nは、0、1、2あるいは3、好ましくは0に等しい数であり; nが1より大きい場合、2個のR基およびベンゼン環の連続する2個の原子は
    一緒になって、5〜7個の炭素原子を含有する飽和環、不飽和環あるいは芳香族
    環を形成できる)ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 (Rが水素原子あるいは以下の基: ニトロ基; 水酸基; メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブ
    チル、tert−ブチルなどの1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素
    原子を含有する直線状あるいは分枝状アルキル基; 1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルコキシ基
    ; 1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するエステル基
    ; 1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルキルアミ
    ド基; カルボキサミド基; ハロゲン原子; トリフルオロメチル基、 の1つを表すことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 芳香族出発化合物が下式を有し、 【化2】 (式中、 Rは、1〜12個の炭素原子を含有する直線状あるいは分枝状アルキル基、
    1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基により置換されていてもよいフェニル
    基、あるいはハロゲン化フェニル基を表し; Rは、水素原子、直線状あるいは分枝状アルキル基であり得る1〜12個の
    炭素原子を含有する炭化水素基、シクロアルキル基、フェニル基あるいはフェニ
    ルアルキル基を表し; Zは、酸素原子あるいは硫黄原子を表し; Rは、水素原子または置換基を表し; nは、0、1、2あるいは3、好ましくは0に等しい数であり; nが1よりも大きい場合、2個のR基およびベンゼン環の連続する2個の原子
    が一緒になって、5〜7個の炭素原子を含有する飽和環、不飽和環あるいは芳香
    環を形成できる)ことを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 Rが水素原子、メチル基あるいはエチル基、あるいはメトキ
    シ基あるいはエトキシ基を表すことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 Rが1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を表すこと
    を特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 使用される塩基が、炭酸ナトリウムあるいは炭酸カリウムで
    あることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 カルボン酸無水物が、次式: 【化3】 を有し、 式(VI)中: 同一あるいは異なってもよいRおよびRは、置換していてもしていなくて
    もよい一価の炭化水素基を表し、それが直線状あるいは分枝状、飽和あるいは不
    飽和非環式脂肪族基;あるいは単環式飽和、不飽和あるいは芳香族炭素環式基で
    あり得て; RおよびRは一緒になって、二価の直線状あるいは分枝状、少なくとも2
    個の炭素原子を含む飽和あるいは不飽和脂肪族基を形成できること を特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 カルボン酸無水物が、二重結合を含んでいても含んでいなく
    てもよく、原子の1つは酸素原子により置き換えることができる環に、5〜10
    個の炭素原子を含有する環式無水物であることを特徴とする請求項8に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 カルボン酸無水物が、式(VI)の非環式無水物であって
    、式中、同一あるいは異なってもよいR基およびR基は: 飽和であっても、あるいはその鎖に1つあるいは複数の不飽和結合、単純な二
    重結合であってもよい、一般に1〜3個の不飽和結合を含んでもよく:炭化水素
    鎖は、以下の基:−O−;−CO−の1つにより介在されてもよく;および/ま
    たは1個あるいは複数の置換基、特に:−X;−CXを担持してもよい、好ま
    しくは1〜24個の炭素原子、より好ましくは1〜12個の炭素原子を含有する
    直線状あるいは分枝状の非環式脂肪族基であり; 1個あるいは複数のハロゲン原子、好ましくは塩素あるいは臭素を任意に担持
    する3〜8個の炭素原子、好ましくは6個の炭素原子を含む飽和、不飽和あるい
    は芳香族炭素環式基を表す ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 カルボン酸無水物が、無水酢酸であることを特徴とする請
    求項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】 塩基のモル数と好ましくは式(I)の出発基質のモル数と
    の比として表される塩基量が、0.05〜1.0の範囲、好ましくは0.1〜0
    .2の範囲であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 使用されるカルボン酸無水物の量が、カルボン酸無水物/
    式(I)の化合物のモル比を、2〜10の範囲であるようにすることを特徴とす
    る請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 方法が、有機溶媒の存在あるいは不在下で出発基質を環化
    することから成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 有機溶媒が、ハロゲン化されていてもされていなくてもよ
    い芳香族炭化水素、脂肪族、脂環式あるいは芳香族エーテルオキシド類、直線状
    あるいは環式カルボキサミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO);ヘキサメ
    チルホスホトリアミド(HMPT);テトラメチルウレア;ニトロ化合物;脂肪
    族あるいは芳香族ニトリル類;テトラメチレンスルホン(スルホラン);および
    異なる前記溶媒の混合液から選ばれることを特徴とする請求項14に記載の方法
  16. 【請求項16】 有機溶媒がジメチルホルムアミドであることを特徴とする
    請求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 使用されるカルボン酸無水物量が、カルボン酸無水物/式
    (I)の化合物のモル比が1〜3の範囲のようにすることを特徴とする請求項1
    4に記載の方法。
  18. 【請求項18】 使用される有機溶媒の量が、有機溶媒中の基質濃度を、好
    ましくは1〜5モル/リットルの範囲、より好ましくは2〜3モル/リットルの
    範囲であるように決定することを特徴とする請求項14に記載の方法。
  19. 【請求項19】 環化反応が、50℃〜160℃の範囲、好ましくは100
    ℃〜140℃の範囲の温度で行なわれることを特徴とする請求項1から18のい
    ずれか一項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 環化生成物が、有機相中で回収されることを特徴とする請
    求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 環化前に、カルボン酸官能基COOHの替わりにCOOR 基としてのエステル官能基を含む場合、式(I’)あるいは式(II’)の化
    合物をけん化することを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載の方
    法。
  22. 【請求項22】 環化生成物が、次式(V): 【化4】 を有し、 式(V)中、R、R、Zおよびnが、上記の請求項2から5のいずれか一項
    に記載の意味を有することを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載
    の方法。
  23. 【請求項23】 環化生成物が、次式(V’): 【化5】 を有し、 式(V’)中、R、R、Zおよびnが、上記の請求項2から5のいずれか一
    項に記載の意味を有することを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 環化生成物が2−n−ブチル−5−ニトロベンゾフランで
    あることを特徴とする請求項23に記載の方法。
JP2001531819A 1999-10-21 2000-10-23 ベンゾフラン化合物あるいはベンゾチオフェン化合物を調製する方法 Pending JP2003512365A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR9913251A FR2800064B1 (fr) 1999-10-21 1999-10-21 Procede de preparation d'un compose de type benzofurane ou benzothiophene
FR99/13251 1999-10-21
FR00/06629 2000-05-24
FR0006629A FR2809397B1 (fr) 2000-05-24 2000-05-24 Procede de preparation d'un compose de type benzofuranne ou benzothiophene
PCT/FR2000/002947 WO2001029019A1 (fr) 1999-10-21 2000-10-23 Procede de preparation d'un compose de type benzofurane ou benzothiophene

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003512365A true JP2003512365A (ja) 2003-04-02

Family

ID=26212419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001531819A Pending JP2003512365A (ja) 1999-10-21 2000-10-23 ベンゾフラン化合物あるいはベンゾチオフェン化合物を調製する方法

Country Status (13)

Country Link
US (1) US6555697B1 (ja)
EP (1) EP1222181B1 (ja)
JP (1) JP2003512365A (ja)
CN (1) CN1200935C (ja)
AT (1) ATE256118T1 (ja)
AU (1) AU1033101A (ja)
BR (1) BR0014810A (ja)
CA (1) CA2387724C (ja)
DE (1) DE60007164T2 (ja)
ES (1) ES2213050T3 (ja)
HU (1) HUP0203205A3 (ja)
PT (1) PT1222181E (ja)
WO (1) WO2001029019A1 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6921827B2 (en) * 2000-11-27 2005-07-26 Eli Lilly And Company Process for preparing 3-aryl-benzo{b} thiophenes
IL146389A0 (en) 2001-11-08 2002-07-25 Isp Finetech Ltd Process for the preparation of dronedarone
DE10237819A1 (de) * 2002-08-19 2004-03-04 Bayer Ag 5-Nitrobenzofurane
US6960669B2 (en) * 2003-09-10 2005-11-01 Crompton Co./Cie Utilization of phosphorus pentasulfide in thionylations using phase transfer catalysis
FR2914643B1 (fr) * 2007-04-06 2009-06-05 Finorga Soc Par Actions Simpli Procede de preparation du 2-(n-butyl)-5-nitrobenzofurane
FR2915482B1 (fr) * 2007-04-27 2009-11-27 Finorga Procede de preparation du 2-(n-butyl)-5-nitrobenzofurane.
UY32657A (es) * 2009-05-27 2010-12-31 Sanofi Aventis Procedimiento para la fabricación de productos intermedios de dronedarona
UY32656A (es) 2009-05-27 2010-12-31 Sanofi Aventis Procedimiento para producir benzofuranos
FR2958290B1 (fr) 2010-03-30 2012-10-19 Sanofi Aventis Procede de preparation de derives de sulfonamido-benzofurane
HUP1000330A2 (en) 2010-06-18 2011-12-28 Sanofi Sa Process for the preparation of dronedarone and the novel intermediates
WO2012032545A1 (en) 2010-09-08 2012-03-15 Cadila Healthcare Limited Processes for preparing dronedarone and its intermediates
WO2012120544A2 (en) 2011-03-10 2012-09-13 Sun Pharmaceutical Industries Ltd. PROCESS FOR N-[2-n-BUTYL-3-[4-[3-(DI-n-BUTYLAMINO) PROPOXY]ENZOYL]BENZOFURAN-5-YL]METHANESULFONAMIDE HYDROCHLORIDE
HUP1100167A2 (en) 2011-03-29 2012-11-28 Sanofi Sa Process for preparation of dronedarone by mesylation
HUP1100165A2 (en) 2011-03-29 2012-12-28 Sanofi Sa Process for preparation of dronedarone by n-butylation
FR2983198B1 (fr) 2011-11-29 2013-11-15 Sanofi Sa Procede de preparation de derives de 5-amino-benzoyl-benzofurane
EP2617718A1 (en) 2012-01-20 2013-07-24 Sanofi Process for preparation of dronedarone by the use of dibutylaminopropanol reagent
WO2013121235A2 (en) 2012-02-13 2013-08-22 Sanofi Process for preparation of dronedarone by removal of hydroxyl group
US9249119B2 (en) 2012-02-14 2016-02-02 Sanofi Process for the preparation of dronedarone by oxidation of a sulphenyl group
US9382223B2 (en) 2012-02-22 2016-07-05 Sanofi Process for preparation of dronedarone by oxidation of a hydroxyl group
US9238636B2 (en) 2012-05-31 2016-01-19 Sanofi Process for preparation of dronedarone by Grignard reaction
CN108675972B (zh) * 2018-08-01 2020-09-11 北京嘉林药业股份有限公司 一种盐酸胺碘酮中间体2-丁基苯并呋喃的制备方法
CN110483871A (zh) * 2019-08-15 2019-11-22 陈全明 一种抗压耐磨的hdpe双壁波纹管
CN114539193A (zh) * 2022-01-20 2022-05-27 海南普利制药股份有限公司 一种盐酸胺碘酮中间体的制备方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3031738A1 (de) * 1980-08-22 1982-04-01 Troponwerke GmbH & Co KG, 5000 Köln Verfahren zur herstellung von benzo (b) thiophen-derivaten und ihre verwendung als zwischenprodukte
JP2003512347A (ja) * 1999-10-21 2003-04-02 ロデイア・シミ 5位にニトロ化されたベンゾフランあるいはベンゾチオフェン型誘導体の製造中間体およびその用途

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3577441A (en) 1967-03-07 1971-05-04 Warner Lambert Pharmaceutical Nitro substituted benzofurans
FR2665444B1 (fr) 1990-08-06 1992-11-27 Sanofi Sa Derives d'amino-benzofuranne, benzothiophene ou indole, leur procede de preparation ainsi que les compositions les contenant.

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3031738A1 (de) * 1980-08-22 1982-04-01 Troponwerke GmbH & Co KG, 5000 Köln Verfahren zur herstellung von benzo (b) thiophen-derivaten und ihre verwendung als zwischenprodukte
JP2003512347A (ja) * 1999-10-21 2003-04-02 ロデイア・シミ 5位にニトロ化されたベンゾフランあるいはベンゾチオフェン型誘導体の製造中間体およびその用途

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN5002015822, T.SUZUKI, BULLETIN OF THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN, 198309, V56 N9, P2762−2767, JP *

Also Published As

Publication number Publication date
AU1033101A (en) 2001-04-30
US6555697B1 (en) 2003-04-29
EP1222181A1 (fr) 2002-07-17
DE60007164D1 (de) 2004-01-22
CN1200935C (zh) 2005-05-11
PT1222181E (pt) 2004-04-30
ATE256118T1 (de) 2003-12-15
HUP0203205A2 (hu) 2003-03-28
DE60007164T2 (de) 2004-09-16
BR0014810A (pt) 2002-06-11
WO2001029019A1 (fr) 2001-04-26
CN1382133A (zh) 2002-11-27
ES2213050T3 (es) 2004-08-16
CA2387724C (fr) 2011-09-20
CA2387724A1 (fr) 2001-04-26
EP1222181B1 (fr) 2003-12-10
HUP0203205A3 (en) 2003-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003512365A (ja) ベンゾフラン化合物あるいはベンゾチオフェン化合物を調製する方法
JP2003512347A (ja) 5位にニトロ化されたベンゾフランあるいはベンゾチオフェン型誘導体の製造中間体およびその用途
US20200385355A1 (en) Method for synthesis of roxadustat and intermediate compounds thereof
JP5102002B2 (ja) アセナピン合成中間体の製造方法
WO2006090783A1 (ja) 4-フルオロイソキノリン-5-スルホニルハライド又はその塩の製造方法
JP4528123B2 (ja) ナプロキセンのニトロオキシ誘導体の製造法
KR20230117260A (ko) 1-(3,5-디클로로페닐)-2,2,2-트리플루오로에타논 및그의 유도체의 제조 방법
US20060217565A1 (en) Process for producing chromone compound
JP6912143B2 (ja) 4−ペンタフルオロチオフェノール類化合物と調製方法及びペンタフルオロサルファー置換ベンゾピラン化合物の調製方法
US20050234123A1 (en) Process
JP2001335571A (ja) 無水フタル酸類の製造方法
KR100745449B1 (ko) 벤조푸라논 옥심의 제조방법
KR20040039430A (ko) (2-니트로페닐)아세토니트릴 유도체의 제조방법 및 그합성중간체
JP2003518088A (ja) ジフェニルエーテル化合物の製造方法
JP2002255954A (ja) 2−n−ブチル−5−ニトロベンゾフランの製造方法
US8975418B2 (en) Process for preparing 6-iodo-2-oxindole
JP2003522756A (ja) (s)−2−アセチルチオ−3−フェニルプロピオン酸の製造法
JP2002512210A (ja) 2−ヒドロキシアルキルハロフェノンの製造方法
JP3646223B2 (ja) 求電子反応による芳香族化合物の製造方法及び芳香族化合物
FR2809397A1 (fr) Procede de preparation d'un compose de type benzofuranne ou benzothiophene
JP4428730B2 (ja) 2,5−ジヒドロフランの製造法
JP2706554B2 (ja) 4―トリフルオロメチルアニリン誘導体及びその製造法
JP4214692B2 (ja) モノニトロ化芳香族エーテル類の製造法
JP3225361B2 (ja) 芳香族フッ素化合物の製造方法、及びその原料となる含フッ素ベンゼンスルフィン酸誘導体
FR2800064A1 (fr) Procede de preparation d'un compose de type benzofurane ou benzothiophene

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20100223

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100517

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100712

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110118