JP4428730B2 - 2,5−ジヒドロフランの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬・農薬分野における重要中間体、特に農薬分野の殺虫剤分野における重要中間体(特開平7-173157、特開平7-179448等)である2,5−ジヒドロフランの新規な製造法ならびにその製造法において、シス−2−ブテン−1,4−ジオールを後から分割または滴下して加えるという操作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2,5−ジヒドロフランは既に公知化合物であり、そのシス−2−ブテン−1,4−ジオールからの製造法についても既にいくつかの方法が知られている。例えば、1,3−ブタジエンモノエポキシドを触媒存在下反応させることにより製造する方法(特開平3-77877) やシス−2−ブテン−1,4−ジオールに触媒量の硫酸を加え、加熱することにより製造する方法(J.Org.Chem.,1963,28,1147)またはシス−2−ブテン−1,4−ジオールに臭化水素を作用させることにより製造する方法(J.Org.Chem.,1953,18,801) やシス−2−ブテン−1,4−ジオールに触媒量のヨウ素を加え、加熱することにより製造する方法(J.Org.Chem.,1981,46,3361)などが報告されているが、いずれも低収率であり、また本発明者らも触媒として、鉱酸(リン酸等)やスルホン酸(トルエンスルホン酸等)、ルイス酸(三フッ化ホウ素等)等を用いて、シス−2−ブテン−1,4−ジオールから2,5−ジヒドロフランの合成を試みたが、いずれも20−40%と低収率で、工業的に実施する場合にも不利であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、シス−2−ブテン−1,4−ジオールから高収率で2,5−ジヒドロフランを製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、シス−2−ブテン−1,4−ジオールから2,5−ジヒドロフランを製造するに際して、シス−2−ブテン−1,4−ジオールを硫酸水素塩類の存在下もしくは硫酸および塩基の共存下に無溶媒または必要に応じて溶媒を用いて反応させると収率が向上すること、また、シス−2−ブテン−1,4−ジオールを硫酸水素塩類の存在下もしくは硫酸および塩基の共存下に無溶媒または必要に応じて溶媒を用いて反応させるに際して、予め硫酸水素塩類もしくは硫酸および塩基を溶媒に加えておき、次いでこれにシス−2−ブテン−1,4−ジオールを後から分割または滴下して加えることにより更に収率が向上することを見出し、本発明を完成させたものである。
【0005】
すなわち本発明は、シス−2−ブテン−1,4−ジオールを硫酸水素塩類の存在下もしくは硫酸および塩基の共存下、無溶媒または必要に応じて溶媒を用いて反応させることを特徴とする2,5−ジヒドロフランの製造法であり、また本発明は予め硫酸水素塩類もしくは硫酸および塩基を溶媒に加えておき、次いでこれにシス−2−ブテン−1,4−ジオールを分割または滴下して加え反応させることを特徴とする2,5−ジヒドロフランの製造法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる硫酸水素塩類としては、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウムが挙げられる。
2,5−ジヒドロフランを生成する反応に添加する硫酸水素塩類の添加量はシス−2−ブテン−1,4−ジオールに対してモル比で1000分の1〜100倍、好ましくは100分の1〜10倍、更に好ましくは10分の1〜2倍、一層好ましくは3分の2〜等量である。
【0007】
本発明においては硫酸水素塩類の代わりに硫酸および塩基を用いることができる。
その際、硫酸と塩基の量比はモル比で硫酸:塩基=10:1〜1:10、好ましくは0.9:1〜1:0.9、最も好ましくは1:1である。また、硫酸および塩基の添加量は硫酸および塩基の総量がシス−2−ブテン−1,4−ジオールに対してモル比で2000分の1〜200倍、好ましくは200分の1〜20倍、更に好ましくは20分の1〜4倍、一層好ましくは3分の4〜2倍である。
【0008】
塩基としては水酸化アルカリ金属類または炭酸アルカリ金属類を用いることができるが、水酸化アルカリ金属類としては水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウム、炭酸アルカリ金属類としては炭酸カリウムまたは炭酸セシウムを挙げることができる。
2,5−ジヒドロフランを生成する反応に塩基を使用するに際しては、上記アルカリ金属類または炭酸アルカリ金属類を単独で用いてよいが、それらを適宜混合して用いてもよい。
【0009】
本発明に原料、及び溶媒として用いられるシス−2−ブテン−1,4−ジオールは反応前に他の成分と同時に一括して添加してもよいが、反応を通じて分割して段階的に添加するか、連続的に滴下して添加することにより、最終的な2,5−ジヒドロフランの生成収率を向上させることができる。
【0010】
本発明の製造法においては、反応は必要に応じて溶媒を用いるかまたは無溶媒で行われる。無溶媒の場合はシス−2−ブテン−1,4−ジオールが溶媒を兼ねることになる。
【0011】
2,5−ジヒドロフランの生成反応において溶媒を用いる際の適当な溶媒としては、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等の非プロトン性極性溶媒等を挙げることができるが、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒が好ましい。使用に際してはこれらを単独でまたは任意の割合で混合して用いればよい。
【0012】
反応温度は50〜200℃で行うことができるが、100〜150℃で行うのが望ましい。80℃前後でも反応は進行するが、著しく収率が低下する。
【0013】
反応時間は広範囲に変化させることもできるが、一般的には0.01〜50時間、好ましくは0.1〜5時間である。
【0014】
反応圧力も特に限定はないが、好ましくは常圧である。
【0015】
2,5−ジヒドロフランの生成反応においては、反応により生成する2,5−ジヒドロフランが反応温度よりはるかに沸点が低いため、これを系中に存在させておくと反応温度が上がらない。それ故に生成した2,5−ジヒドロフランは系外に留出させることが望ましい。そのためには例えばDean−Starkチューブ等を用いて留出してくる2,5−ジヒドロフランは系外でトラップすればよい。
【0016】
反応系中に残った2,5−ジヒドロフランは蒸留などの適当な精製法により精製することができる。
【0017】
留出液等の分離した2,5−ジヒドロフランは水分も多く含まれている場合があるため、必要ならばトルエンやキシレン等の溶媒に溶解し、水を分離し、さらに必要ならばモレキュラーシーブスや硫酸マグネシウム等の乾燥剤により水分を除き、蒸留することにより、精製することができる。
【0018】
【実施例】
次に、実施例により本発明の内容を具体的に説明する。
実施例 1
シス−2−ブテン−1,4−ジオール17.6g(200mmol)および硫酸水素ナトリウム一水和物17.6g(127mmol)のDMSO 15mL溶液を130℃にて、Dean−Starkチューブを用いて生成した2,5−ジヒドロフランを留出させながら1時間攪拌することで、目的とする2,5−ジヒドロフランを合成した。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは6.57g、反応液中の2,5−ジヒドロフランは2.01gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は8.58gとなり生成収率は57%であった。
【0019】
実施例 2
DMSO 15mLの代わりに、DMSO 15mLとDMI 1.5mLの混合溶液(16.5mL)を用いる以外は実施例1と同様に反応を行った。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは6.14g、反応液中の2,5−ジヒドロフランは5.06gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は11.2gとなり生成収率は74%であった。
【0020】
実施例 3
DMSOの代わりにDMIを用いる外は実施例1と同様に反応を行った。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは5.35g、反応液中の2,5−ジヒドロフランは5.05gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は10.4gとなり生成収率は68%であった。
【0021】
実施例 4
DMIの使用量を5mLとする外は実施例3と同様に反応を行った。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップした2,5−ジヒドロフランは5.40g、反応液中の2,5−ジヒドロフランは1.03gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は6.43gとなり生成収率は39%であった。
【0022】
実施例 5
DMSOを添加しない以外は実施例1と同様に反応を行った。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは3.45gであり生成収率は15%であった。
【0023】
実施例 6
DMIの使用量を40mLとする以外は実施例3と同様に反応を行った。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは5.78gであり、反応液中の2,5−ジヒドロフランは6.62gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は12.4gとなり生成収率は83%であった。
【0024】
実施例 7
硫酸水素ナトリウム一水和物の使用量を27.6g(200mmol)、DMIの使用量を20mLとする以外は実施例3と同様に反応させた。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは6.71g、反応液中に存在する2,5−ジヒドロフランは3.59gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は10.3gとなり生成収率は70%であった。
【0025】
実施例 8
硫酸水素ナトリウム一水和物の使用量を2.76g(20mmol)、DMIの使用量を50mLとする以外は実施例3と同様に反応させた。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは1.10g、反応液中の2,5−ジヒドロフランは11.3gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は12.4gとなり生成収率は89%であった。
【0026】
実施例 9
シス−2−ブテン−1,4−ジオール35.2g(400mmol)および硫酸水素ナトリウム一水和物35.2g(255mmol)のDMI 100mL溶液を130℃にて、反応液に窒素を吹き込みながらDean−Starkチューブを用いながら1時間攪拌することで、目的とする2,5−ジヒドロフランを合成した。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは18.6g、反応液中に存在する2,5−ジヒドロフランは0.39gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は19.0gとなり生成収率は68%であった。
【0027】
実施例 10
シス−2−ブテン−1,4−ジオール17.6g(200mmol)および硫酸水素ナトリウム一水和物17.6g(127mmol)のDMI 40mL溶液を130℃にて、反応液から留出する2,5−ジヒドロフランはDean−Starkでトラップ(これを第1留分とする)しながら1時間攪拌した。
続いて反応液にシス−2−ブテン−1,4−ジオール8.80g(100mmol)を加え、130℃にて、反応液から留出する2,5−ジヒドロフランはDean−Starkでトラップ(これを第2留分とする)しながら1時間攪拌した。
続いて反応液にシス−2−ブテン−1,4−ジオール8.80g(100mmol)を加え、130℃にて、反応液から留出する2,5−ジヒドロフランはDean−Starkでトラップ(これを第3留分とする)しながら1時間攪拌した。
続いて反応液にシス−2−ブテン−1,4−ジオール8.80g(100mmol)を加え、130℃にて、反応液から留出する2,5−ジヒドロフランはDean−Starkでトラップ(これを第4留分とする)しながら1時間攪拌した。
以上の操作により目的とする2,5−ジヒドロフランを合成した。
第1留分の2,5−ジヒドロフランは7.11g、第2留分の2,5−ジヒドロフランは5.67g、第3留分の2,5−ジヒドロフランは5.62g、第4留分の2,5−ジヒドロフランは5.11g、反応液中の2,5−ジヒドロフランは5.95gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は29.5gとなり生成収率は85%であった。
【0028】
実施例 11
硫酸水素ナトリウム一水和物8.28g(60mmol)のDMI 30mL溶液に130℃にて、Dean−Starkチューブを用いながらシス−2−ブテン−1,4−ジオール52.8g(599mmol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を同温度にて1時間攪拌することで、目的とする2,5−ジヒドロフランを合成した。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップした2,5−ジヒドロフランは21.8g、反応液中に存在する2,5−ジヒドロフランは6.43gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は28.2gとなり生成収率は67%であった。
【0029】
実施例 12
硫酸水素ナトリウム一水和物に代えて硫酸水素カリウム17.6g(129mmol)を用い、DMIの使用量を15gとする外は実施例3と同様に反応させた。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップさせた2,5−ジヒドロフランは7.19g、反応液中に存在する2,5−ジヒドロフランは2.91gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は10.1gとなり生成収率は72%であった。
【0030】
実施例 13
DMIに代えてDMSO 15gを用いる外は実施例12と同様に反応させた。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは8.94g、反応液中の2,5−ジヒドロフランは1.76gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は10.7gとなり生成収率は77%であった。
【0031】
実施例 14
DMIの使用量を30.0gとする以外は実施例12と同様に反応させた。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは7.36g、反応液中の2,5−ジヒドロフランは3.84gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は11.2gとなり生成収率は80%であった。
【0032】
実施例 15
シス−2−ブテン−1,4−ジオール20.0g(227mmol)および硫酸水素カリウム1.00g(7.34mmol)のDMI 20.0g溶液を140℃にて、Dean−Starkチューブを用いながら2時間攪拌することで、目的とする2,5−ジヒドロフランを合成した。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは9.27g、反応液中に存在する2,5−ジヒドロフランは3.03gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は12.3gとなり生成収率は77%であった。
【0033】
実施例 16
シス−2−ブテン−1,4−ジオール5.00g(56.7mmol)および硫酸水素カリウム0.50g(3.67mmol)のDMI 10.0g溶液に150℃にて、Dean−Starkチューブを用いながら30分間攪拌した。反応液にシス−2−ブテン−1,4−ジオール5.00g(56.7mmol)を同温度にて加え、1時間攪拌した。続いて反応液にシス−2−ブテン−1,4−ジオール5.00g(56.7mmol)を同温度にて加え、1時間攪拌した。 さらに反応液にシス−2−ブテン−1,4−ジオール5.00g(56.7mmol)を同温度にて加え、1時間攪拌することで、目的とする2,5−ジヒドロフランを合成した。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップした2,5−ジヒドロフランは10.4g、反応液中に存在する2,5−ジヒドロフランは1.47gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は11.9gとなり生成収率は75%であった。
【0034】
実施例 17
水酸化ナトリウム4.35g(101mmol)のDMI 40.0g溶液に、硫酸9.62g(96mmol)を滴下し、その後シス−2−ブテン−1,4−ジオール20.0g(227mmol)を加え、130℃にてDean−Starkチューブを用いながら1時間30分攪拌した。反応液にシス−2−ブテン−1,4−ジオール13.0g(148mmol)を同温度にて加え、1時間攪拌した。さらに反応液にシス−2−ブテン−1,4−ジオール7.00g(79.4mmol)を同温度にて加え、1時間攪拌することで、目的とする2,5−ジヒドロフランを合成した。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは21.8g、反応液中の2,5−ジヒドロフランは2.78gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は24.6gとなり生成収率は77%であった。
【0035】
実施例 18
水酸化ナトリウム4.35gに代えて炭酸ナトリウム5.25g(101mmol)を使用する以外は実施例17と同様に反応させた。
反応液から留出してDean−Starkチューブにてトラップされた2,5−ジヒドロフランは22.7g、反応液中の2,5−ジヒドロフランは2.79gであり、留出分および反応液中の2,5−ジヒドロフランの合計は25.5gとなり生成収率は80%であった。
【0036】
参考例 1
シス−2−ブテン−1,4−ジオール8.90g(101mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物30.0mg(0.176mmol)のキシレン30mL溶液を130℃にてDean−Starkチューブを用いながら2時間攪拌することで、目的とする2,5−ジヒドロフラン0.59g(8.42mmol,生成収率8.4%)を得た。
【0037】
参考例 2
シス−2−ブテン−1,4−ジオール5.00g(56.7mmol)およびヨウ素75mg(0.296mmol)を130℃にてDean−Starkチューブを用いながら4時間攪拌することで、目的とする2,5−ジヒドロフラン2.41g(34.4mmol,生成収率61%)を得た。
尚、実施例1〜18及び参考例1,2で生成した2,5−ジヒドロフランの物性値は以下の通りで、既知のデータと一致した。
1H NMR(CDCl3,ppm):4.65(4H,s),5.89(2H,s).
IR(neat,cm-1):2853,1717,1541,1522,1345,1079,1013,892.
沸点:66-68℃/760mmHg.
【0038】
【発明の効果】
本発明により2,5−ジヒドロフランの新規で効率のよい製造法が提供される。
本発明の方法は、シス−2−ブテン−1,4−ジオールを硫酸水素塩類の存在下もしくは硫酸および塩基の共存下、無溶媒または必要に応じて溶媒を用いて反応させることにより、2,5−ジヒドロフランを高収率で製造することができる。
特に本発明の方法では強いて溶媒を使用せずとも2,5−ジヒドロフランを製造することができることは驚くべきことである。
また、本発明の方法は、予め硫酸水素塩類もしくは硫酸および塩基を溶媒に加えておき、次いでこれにシス−2−ブテン−1,4−ジオールを分割または滴下して加え反応させることにより、2,5−ジヒドロフラン反応における溶媒量および硫酸水素塩類もしくは硫酸および塩基の使用量の削減が図れるだけでなく、反応系の容量をほぼ一定に保つことができ、工業的な2,5−ジヒドロフラン製造においても優れている。
Claims (8)
- シス−2−ブテン−1,4−ジオールを硫酸水素塩類の存在下もしくは硫酸および塩基の共存下、無溶媒または必要に応じて溶媒を用いて反応させることを特徴とする2,5−ジヒドロフランの製造法。
- 予め硫酸水素塩類もしくは硫酸および塩基を溶媒に加えておき、次いでこれにシス−2−ブテン−1,4−ジオールを分割または滴下して加え反応させることを特徴とする2,5−ジヒドロフランの製造法。
- 溶媒として極性溶媒を用いて反応させることを特徴とする請求項1記載の2,5−ジヒドロフランの製造法。
- 溶媒として極性溶媒を用いて反応させることを特徴とする請求項2記載の2,5−ジヒドロフランの製造法。
- 硫酸水素塩類が硫酸水素ナトリウムまたは硫酸水素カリウムであり、塩基が水酸化アルカリ金属類または炭酸アルカリ金属類であり、溶媒がジメチルスルホキシドまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであることを特徴とする請求項1または3記載の2,5−ジヒドロフランの製造法。
- 硫酸水素塩類が硫酸水素ナトリウムまたは硫酸水素カリウムであり、塩基が水酸化アルカリ金属類または炭酸アルカリ金属類であり、溶媒がジメチルスルホキシドまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであることを特徴とする請求項2または4記載の2,5−ジヒドロフランの製造法。
- 水酸化アルカリ金属類が水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムであり、炭酸アルカリ金属類が炭酸カリウムまたは炭酸セシウムであることを特徴とする請求項5記載の2,5−ジヒドロフランの製造法。
- 水酸化アルカリ金属類が水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムであり、炭酸アルカリ金属類が炭酸カリウムまたは炭酸セシウムであることを特徴とする請求項6記載の2,5−ジヒドロフランの製造法。
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