JPH0482144B2 - - Google Patents

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JPH0482144B2
JPH0482144B2 JP26498885A JP26498885A JPH0482144B2 JP H0482144 B2 JPH0482144 B2 JP H0482144B2 JP 26498885 A JP26498885 A JP 26498885A JP 26498885 A JP26498885 A JP 26498885A JP H0482144 B2 JPH0482144 B2 JP H0482144B2
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mercaptobenzonitrile
hydrogen sulfide
tetrafluoro
pentafluorobenzonitrile
reaction
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JP26498885A
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Ryuichi Ishikawa
Osamu Kaieda
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、下記一般式()で示される2,
3,5,6−テトラフルオロ−4−メルカプトベ
ンゾニトリルおよびその製造方法に関する。
本発明の2,3,5,6−テトラフルオロ−4
−メルカプトベンゾニトリルは文献未載の新規化
合物であり、種々の医薬、農薬の原料とすること
ができ、又高分子材料、液晶材料としても有用な
化合物である。
従来の技術 本発明の2,3,5,6−テトラフルオロ−4
−メルカプトベンゾニトリルと類似化合物であ
る、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メルカ
プトベンゾニトリルを合成する方法は、例えば
G.Beck等.ユストウス リービツヒス アナー
レンデア ヒエミー(Justus Liebigs Annalen
der Chemie)1968年716巻、第47頁に記載されて
いる。この方法によると2,3,5,6−テトラ
クロロ−4−メルカプトベンゾニトリルの合成は
ペンタクロロベンゾニトリルを溶解したピリジン
媒体中にトリエチルアミンの存在下、硫化水素を
吹き込むことによつて行なわれている。しかなが
ら、本発明者等の知見によると、ペンタフルオロ
ベンゾニトリルを出発原料として同方法を適用し
た場合、この反応は非常に激しい発熱を伴い、え
られる生成物は黒褐色のポリマー性物質であり目
的物質である2,3,5,6−テトラフルオロ−
4−メルカプトベンゾニトリルはえられない。
また、電子吸引基をもつ芳香族ハロゲン化合物
と硫化水素アルカリ金属とを反応させてチオール
誘導体を合成する方法が、例えばSaul Patai編
ザ ケミストリー オブ ザ チオール グルー
プ(The Chemistry of the thiol group)第4
章(出版社John Wiley & Sons 1974年)に
記載されており、さらにチオール化剤として硫化
ナトリウム(Na2S)を使用する例が例えば
Thomas L.Evansらザ ジヤーナル オブ オ
ーガニツク ケミストリー(The Journal of
Organic Chemistry)、1983年48巻第2496頁に記
載されている。しかしながら、本発明の2,3,
5,6−テトラフルオロ−4−メルカプトベンゾ
ニトリルは全く開示されていない。
従つて、本発明の目的は新規な2,3,5,6
−テトラフルオロ−4−メルカプトベンゾニトリ
ルおよびその製造方法を提供することにある。
発明の構成 本発明の2,3,5,6−テトラフルオロ−4
−メルカプトベンゾニトリルはペンタフルオロベ
ンゾニトリルにチオール化剤を反応させ、ついで
えられる反応生成物を酸析することによつて製造
される。
以下、本発明の具体的態様を説明する。
本発明では、前段反応として、まず、有機溶媒
中でペンタフルオロベンゾニトリルとチオール化
剤とを反応させテトラフルオロメルカプトベンゾ
ニトリルのアルカリ金属チオレートを形成する。
チオール化剤としては硫化水素アルカリ金属、硫
化ナトリウム等のアルカリ金属硫化物等の公知の
チオール化剤はいずれも使用することができる。
しかし目的物を収率よく製造するには硫化水素ア
ルカリ金属の使用が好ましい。硫化水素アルカリ
金属(本明細書においてMSHということもあ
る。)としては、例えば、硫化水素ナトリウム、
硫化水素カリウムおよび硫化水素リチウムからな
る群から選ばれる少なくとも1種であり、好まし
くは硫化水素ナトリウムおよび/または硫化水素
カリウムである。硫化水素アルカリ金属は、水和
形態、MSH・2H2Oまたは無水形態のいずれの
形態であつてもよい。硫化水素アルカリ金属の使
用量は、ペンタフルオロベンゾニトリルに対して
モル比で少なくとも2倍量が好ましく、さらに好
ましくは2〜4倍量である。2倍モル量より少な
い使用の場合は、下記の反応式(A)で示すような副
反応が進行し、高価なペンタフルオロベンゾニト
リルが消費されるとともに生成物の純度低下にも
つながり好ましくない。
また、4倍量を越えての使用は、反応にとつて
特に有利な効果もたらすものでなく、経済的に不
利なだけである。
本発明において使用される有機溶媒として、例
えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルアセトアミドなどの双極性中性溶媒
も使用出来るが、この場合製品純度が悪く、さら
に精製する必要を生じる。
よつて、本発明において使用される有機溶媒と
してはメタノール、エタノール、t−ブタノール
などの低級アルコールで例示されるアルコール性
溶媒が好ましく、特に溶媒の回収が容易であり、
経済的にも有利であるメタノールの使用が好まし
い。アルコール性溶媒を使用することによつて
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メルカプ
トベンゾニトリルを高収率で製造することがで
き、しかも溶媒の回収や目的物の精製操作におい
ても有利である。
本発明において反応温度は0℃〜70℃の範囲が
好ましく、さらに好ましくは5℃〜60℃である。
反応温度が低いと硫化水素アルカリ金属の溶解
性が悪く、反応速度が著しく低下する。反応温度
が高いと反応式(A)に示した副反応をはじめ2,
3,5,6−テトラフルオロ−4−メルカプトベ
ンゾニトリルのアルカリ金属チオレートの異性体
などの副生物が少なからず生じるとともに、特に
アルコール性溶媒を用いた場合、ペンタフルオロ
ベンゾニトリル分子中の一部のフツ素原子がアル
コキシ基と置換した生成物も生じるので好ましく
はない。
反応時間は、反応温度によつて異なるが、約1
時間から10時間が適当である。
反応様式として有機溶媒中に所定量のペンタフ
ルオロベンゾニトリルと所定量の硫化水素アルカ
リ金属を同時に存在させて反応を行なうことも出
来るが反応を制御する観点からは、硫化水素アル
カリ金属を含む反応混合物物上にペンタフルオロ
ベンゾニトリルまたは使用溶媒のペンタフルオロ
ベンゾニトリル溶液を滴下する方法が好ましい。
また、ペンタフルオロベンゾニトリルまたはペ
ンタフルオロベンゾニトリルを含む反応混合物上
に、硫化水素アルカリ金属または硫化水素アルカ
リ金属と使用溶媒の混合物を滴下する方法もとる
ことは可能であるが、反応操作上の煩雑さや反応
式(A)に示した副反応も起こりやすくなるので注意
が必要である。
以上前段反応により生成したテトラフルオロメ
ルカプトベンゾニトリルのアルカリ金属チオレー
トを含有する反応混合物と酸性水溶液好ましくは
PH2〜6の酸性水溶液と接触させる、いわゆる酸
析を行ない2,3,5,6−テトラフルオロ−4
−メルカプトベンゾニトリルを生成させる。
反応混合物と酸性水溶液と接触させる方法は、
反応混合物を酸性水溶液に加えてもよいし、その
逆の操作を行なつてもよい。この際に使用する酸
性水溶液を調製するための酸としては、上記アル
カリ金属チオレートを中和できるものならばあら
ゆるものが使用できる。その中でも一般的に酸析
に使用される硫酸あるいは塩酸水溶液が適当であ
る。
酸析後えられた2,3,5,6−テトラフルオ
ロ−4−メルカプトベンゾニトリルを含有する混
合物から2,3,5,6−テトラフルオロ−4−
メルカプトベンゾニトリルを分離する操作は通常
の方法を採用することができる。一方法を例示す
れば抽出溶媒、例えば、エーテル、塩化メチレ
ン、ベンゼン、トルエン等を使つて2,3,5,
6−テトラフルオロ−4−メルカプトベンゾニト
リルを有機層に抽出し、分液後蒸発乾固して製品
をえる。このようにして、えられた2,3,5,
6−テトラフルオロ−4−メルカプトベンゾニト
リルは淡茶色の純度の高い製品である。
したがつて、この2,3,5,6−テトラフル
オロ−4−メルカプトベンゾニトリルは、このま
までも製品になりえるが、さらに再結晶等の方法
によつて精製して、より高純度の製品としてえる
ことを出来る。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明は、これらに限定されるもので
はない。
実施例 1 撹拌機、温度計、ジムロート型冷却器および滴
下漏斗を備えた300ml4つ口フラスコに窒素雰囲
気下で硫化水素ナトリウム12.4gr(NaSH70%
含有、0.155モル)メタノール100mlを加えて撹拌
した。次いで、25℃から30℃の温度を維持しなが
ら50mlのメタノールにペンタフルオロベンゾニト
リル9.68gr(0.050モル)を溶解した溶液を1時
間に渡つて滴下した。滴下終了後、更に1時間反
応した後、反応混合物を約10℃まで冷却しこの温
度を維持しながら反応混合物のPHが4になるよう
に4N塩酸水溶液を滴下して中和し、2,3,5,
6−テトラフルオロ−4−メルカプトベンゾニト
リルをえた。えられた2,3,5,6−テトラフ
ルオロ−4−メルカプトベンゾニトリルを含む混
合物に200mlのジエチルエーテルを加え、有機層
に2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メルカ
プトベンゾニトリルを抽出した。この抽出操作を
2回繰り返し、えられたエーテル層を水洗した
後、分液して、エーテル層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後蒸発乾固して純度98%の淡茶色の
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メルカプ
トベンゾニトリル10.1gr(対ペンタフルオロベ
ンゾニトリル収率95.3モル%)をえた。
さらに、このものをクロロホルムより再結晶す
ることによつて精製した2,3,5,6−テトラ
フルオロ−4−メルカプトベンゾニトリルについ
て次の物性値をえた。
●融点 51.4〜52.2℃ ●元素分析 C(%) N(%) F(%) 理論値 40.59 6.76 36.69 分析値 40.41 6.52 36.71 S(%) H(%) 理論値 15.48 0.49 分析値 15.75 0.61 ●赤外吸収スペクトル(KBr板) 2540cm-1(SH伸縮振動) 2240cm-1(CN伸縮振動) 尚、この物質の赤外吸収スペクトルを第1図に
示した。
●質量分析 m/e M+ 207 ●13Cnmr 内部基準:TMS 溶媒:d7−DMF 単位ppm C1 85.2 CN 109.6 C4 134.8 C2,6 146.4 C3,5 148.0 ●19Fnmr 外部標準:CF3COOH 溶媒:d7−DMF 単位ppm −60.4(S,2F) −63.0(S,2F) 実施例 2 硫化水素ナトリウム(NaSH70%含有)の使用
量を43.2gr(0.540モル)、ペンタフルオロベン
ゾニトリルの使用量を29.0gr(0.150モル)反応
温度を45〜48℃とした以外は実施例1と同様に操
作したところ2,3,5,6−テトラフルオロ−
4−メルカプトベンゾニトリルが原料のペンタフ
ルオロベンゾニトリルに対して93.5モル%の収率
でえられた。
実施例 3 硫化水素ナトリウム(NaSH70%含有)の使用
量を8.9gr(0.11モル)、ペンタフルオロベンゾ
ニトリルの使用量を9.67gr(0.05モル)、反応温
度を6〜8℃にした以外は実施例1と同様に操作
したところ2,3,5,6−テトラフルオロ−4
−メルカプトベンゾニトリルが原料ペンタフルオ
ロベンゾニトリルに対して96.3モル%の収率でえ
られた。
実施例 4 メタノール溶媒をジメチルホルムアミド溶媒に
変更し、かつ反応温度を2〜3℃に変更した以外
は、実施例1と同様に操作したところ、2,3,
5,6−テトラフルオロ−4−メルカプトベンゾ
ニトリルが原料ペンタフルオロベンゾニトリルに
対して68モル%の収率でえられた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1でえられた物質の赤外吸収ス
ペクトル図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メル
    カプトベンゾニトリル。 2 ペンタフルオロベンゾニトリルにチオール化
    剤を反応させ、ついでえられる反応生成物を酸析
    することを特徴とする2,3,5,6−テトラフ
    ルオロ−4−メルカプトベンゾニトリルの製造方
    法。 3 反応が有機溶媒中で行なわれることを特徴と
    する特許請求の範囲2項記載の方法。 4 有機溶媒がアルコール性溶媒であることを特
    徴とする特許請求の範囲3項記載の方法。 5 反応が0〜70℃の温度で行なわれることを特
    徴とする特許請求の範囲2項記載の方法。 6 チオール化剤の使用量がペンタフルオロベン
    ゾニトリルに対してモル比で少なくとも2倍量で
    ある特許請求の範囲2項記載の方法。 7 チオール化剤が硫化水素アルカリ金属である
    ことを特徴とする特許請求の範囲2項記載の方
    法。 8 硫化水素アルカリ金属が硫化水素ナトリウム
    および/または硫化水素アルカリであることを特
    徴とする特許請求の範囲7項記載の方法。
JP26498885A 1985-11-27 1985-11-27 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メルカプトベンゾニトリルおよびその製造方法 Granted JPS62126162A (ja)

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