JP2003511048A - 遺伝子導入された動物中において標的分子を産生する方法および該標的分子を精製する方法 - Google Patents

遺伝子導入された動物中において標的分子を産生する方法および該標的分子を精製する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、生物学的組織中に存在する標的分子を産生および精製する系および方法を提供する。本発明による系および方法は、そのような標的分子を精製するために、親和性培地として、多価結合ポリペプチドの遺伝子導入による発現を利用する。遺伝子導入による多価結合ポリペプチドは、標的分子、例えば標的分子の結合可能なエピトープ、およびマトリクスに結合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 治療および診断の目的のためのポリペプチドの産生および精製は、近年重要な
産業になっている。組換えポリペプチド発現における初期の試みでは、細菌中で
プラスミド発現ベクターが使用された。例えば、米国特許第4,816,397号には、
細菌中における免疫グロブリンの組換え発現が開示される。これらの方法は、細
菌のタンパク質および他の細菌の置換基の混合液の一部として存在する組換えポ
リペプチドを得るために、細菌を壊して開くまたは溶解する必要があることによ
り制限されていた。不適切なポリペプチドの折りたたみを生じ得る、細菌中の組
換えポリペプチドについての非天然酸化段階からさらなる制限が生ずる。
【0002】 これらの問題のいくつかは、哺乳動物細胞培養発酵系におけるポリペプチドの
組換え発現により小さくなった。米国特許第5,639,640号には、哺乳動物細胞培
養におけるヒト卵胞刺激ホルモン(FSH)の組換え発現が開示される。残念ながら
、そのような哺乳動物細胞培養発酵系は、実施に非常に費用がかかり、それによ
り産生されるポリペプチドは増殖培地中に存在するタンパク質の複合混合物の一
部である。
【0003】 これらの系に存在する問題を克服するための努力により、様々の遺伝子導入さ
れた動物系における組換えポリペプチドが遺伝子導入により発現された。この努
力により、ポリペプチドが高レベルで遺伝子導入により発現され、これにより組
換えポリペプチドの産生のための高価な哺乳動物細胞培養発酵系の必要がなくな
った。しかしながら、哺乳動物細胞培養系に実際に代替するために、動物の健康
を維持することが重要である。さらに、それにより産生されたタンパク質は乳タ
ンパク質の複合混合物の置換基を保有し、そのような混合物からのポリペプチド
を精製するための方法が必要である。
【0004】 発明の概要 本発明は、遺伝子導入された動物中で標的分子を産生する方法およびそのよう
な標的分子を精製する方法を特徴とする。標的分子は好ましくは、標的ポリペプ
チドである。本発明は、一部、標的ポリペプチドは活性形態で遺伝子導入された
動物の乳中に発現および分泌され、その後活性化されるという発見に基づく。こ
れにより、動物中で活性形態のタンパク質を産生することにより生じ得る複雑化
が避けられる。例えば、遺伝子導入された動物の乳中の、酵素、増殖因子、ホル
モンおよびサイトカインを含むあるタンパク質の産生により、動物に健康上の問
題が生ずることが分かっている。本発明の方法により、そのような問題を最小に
することができる。本発明はまた、乳のような生物学的組織に存在するこれらの
および他の標的分子を生成する系および方法を特徴とする。これらの系および方
法は、例えば、親和性リガンドのような多価結合ポリペプチドの遺伝子導入によ
る発現を利用し、そのような標的分子を精製することができる。好ましくは、遺
伝子導入による多価結合ポリペプチドは、標的分子および予め選択されたリガン
ド、例えば相分離可能なマトリクスの予め選択されたリガンド、の両方を結合す
ることができる。
【0005】 したがって、ある態様において本発明は、遺伝子導入された動物中で標的ポリ
ペプチドを産生する方法を特徴とする。この方法は、不活性状態のポリペプチド
を産生し;該不活性ポリペプチドを得;該ポリペプチドを活性化することにより
標的ポリペプチドを提供する、各工程を含む。
【0006】 好ましい実施の形態において、ポリペプチドは、組織または産物、例えば乳の
ような遺伝子導入された動物の体液中で不活性状態で産生される。好ましい実施
の形態において、不活性タンパク質を含有する組織または産物、例えば乳は、遺
伝子導入された動物から得られる。
【0007】 ある実施の形態において、標的ポリペプチドは、標的ポリペプチドと、該標的
ポリペプチドに結合し不活性化する結合ポリペプチドとの共発現により不活性化
される。好ましい実施の形態において、結合ポリペプチドおよび標的ポリペプチ
ドは、組織または産物、例えば体液、例えば乳中に複合体として存在する。
【0008】 好ましい実施の形態において、標的ポリペプチドおよび結合ポリペプチドは、
リガンドおよびカウンターリガンド(counterligand)であり、例えば結合ポリペ
プチドは、レセプターまたはリガンド、あるいはいずれかの断片である。べtる
の好ましい実施の形態において、結合ポリペプチドは、抗体またはその断片であ
る。
【0009】 好ましい実施の形態において、標的ポリペプチドをコードする核酸は、組織特
異的プロモーター、例えば哺乳動物上皮細胞中で発現を指示するプロモーターの
調節下にある。好ましい実施の形態において、結合ポリペプチドをコードする核
酸は、組織特異的プロモーター、例えば哺乳動物上皮細胞中で発現を指示するプ
ロモーターの調節下にある。好ましくは、標的ポリペプチドをコードする核酸お
よび結合ポリペプチドをコードする核酸の両方が、同じ種類のプロモーター、例
えば同じ種類の組織特異的プロモーターの調節下にある。例えば、両方が哺乳動
物上皮細胞中で発現を指示するプロモーターの調節下にあってもよく、例えば同
じまたは異なる乳特異的プロモーターの調節下にあってもよい。乳特異的プロモ
ーターは、例えばカゼイン、ラクトグロブリン、ラクトアルブミンまたは乳漿酸
性タンパク質(WAP)プロモーターでもよい。
【0010】 好ましい実施の形態において、結合ポリペプチドをコードする核酸は、該結合
ポリペプチドに外因性の少なくとも1つの核酸をコードする配列をコードする。
例えば、核酸はさらに、結合ポリペプチドの精製において有用なアミノ酸を含ん
でもよい。好ましい実施の形態において、結合ポリペプチドに外因性の少なくと
も1つのアミノ酸を加えてもよく、例えば付加アミノ酸または予め選択されたリ
ガンド、例えば結合ポリペプチドの精製に使用されるリガンド、例えば6X HISリ
ガンド、セルロース結合領域(CBD)リガンド、マルトース結合タンパク質(MBP)リ
ガンドに結合し得るアミノ酸でもよい。予め選択されたリガンドに結合し得るこ
のアミノ酸は、ここで、結合成分、例えば予め選択されたリガンドまたはマトリ
クスに結合し得る結合成分とも称される。
【0011】 好ましい実施の形態において、本発明の方法は、活性化の前に、組織または産
物、例えば乳のような体液から不活性のポリペプチドを分離する工程を含む。好
ましい実施の形態において、結合ポリペプチド/標的ポリペプチド複合体の結合
成分を、予め選択されたリガンド、例えば6X HISリガンド(例えば金属キレート
カラム)、CBDリガンド(例えばセルロース)またはMBPリガンド(例えばマルト
ース)に結合させることにより、不活性のポリペプチドは、体液、例えば乳から
分離される。
【0012】 さらに別の実施の形態において、標的ポリペプチドは、ポリペプチドを活性化
するために必要な部位の修飾、例えば開裂部位の修飾により活性化される。開裂
部位は、例えば、ポリペプチドの一部の除去を可能にする開裂部位、例えばポリ
ペプチドのpreおよび/またはpro領域の除去を可能にする部位でもよい。好まし
い実施の形態において、プロセシング酵素、例えば組織または産物中で天然に生
ずる内因性プロセシング酵素によりもはや認識されないように、開裂部位を修飾
する。
【0013】 好ましい実施の形態において、部位、例えば開裂部位の修飾により不活性化さ
れる標的ポリペプチドはさらに、活性化を可能にする、例えばポリペプチドのpr
eおよび/またはpro領域の開裂のような開裂を可能にする追加の部位を含んでも
よい。好ましい実施の形態において、タンパク質分解開裂についての内因性部位
を不活性化し新しい部位を供給してもよい。新しい部位は、内因性開裂部位を修
飾することによりおよび/または追加のアミノ酸を加えることにより供給しても
よい。好ましくは、新しい部位は、組織または産物中で天然に発生する任意の内
因性プロセシング酵素により開裂されない。例えば、遺伝子導入された動物の乳
中に存在するプロテアーゼにより開裂される部位を修飾し、外因性の化学物質ま
たは酵素と接触させることにより開裂される部位をポリペプチドに加えてもよい
。好ましい実施の形態において、外因性の化学物質は、酸、例えば臭化シアンで
ある。別の好ましい実施の形態において、外因性の酵素は、外因性のプロテアー
ゼ、例えばキモシンである。
【0014】 好ましい実施の形態において、標的ポリペプチドが外因性配列を含まないよう
に追加の部位を開裂される。別の好ましい実施の形態において、標的ポリペプチ
ドが20、10、5、4、3、2または1より少ない外因性アミノ酸残基を含むように部
位を開裂する。
【0015】 好ましい実施の形態において、標的ポリペプチドは、ヒトポリペプチドである
。好ましい実施の形態において、ポリペプチドは、ホルモン、増殖因子、サイト
カインである。好ましい実施の形態において、ポリペプチドは、骨マトリクスタ
ンパク質(BMP)、例えばBMP−2、エリスロポエチン、インシュリン、ヒト増殖因
子、トランスフォーミング増殖因子−βである。
【0016】 好ましい実施の形態において、遺伝子導入された動物は、哺乳動物、例えばヤ
ギ、ウシ、ヒツジ、ウサギ、ブタ、ウマ、ラクダ、ラマ、マウスまたはラットで
ある。
【0017】 別の態様において、本発明は、標的ポリペプチドを遺伝子導入により産生する
方法を特徴とする。この方法は、組織特異的プロモーター、例えば乳上皮細胞で
発現を指示するプロモーターの調節下で標的ポリペプチドをコードする核酸、お
よび組織特異的プロモーター、例えば乳上皮細胞で発現を指示するプロモーター
の調節下で標的ポリペプチドに結合するポリペプチドをコードする核酸を提供し
;該標的ポリペプチドおよび結合ポリペプチドを、遺伝子導入された動物の組織
または産物、例えば遺伝子導入された動物の乳中で発現させ;該標的ポリペプチ
ドを結合ポリペプチドから分離することにより標的ポリペプチドを提供する、各
工程を含む。
【0018】 好ましい実施の形態において、標的ポリペプチドおよび結合ポリペプチドは、
リガンドおよびカウンターリガンドであり、例えば結合ポリペプチドはレセプタ
ーまたはリガンド、またはいずれかの断片である。別の好ましい実施の形態にお
いて、結合ポリペプチドはそれらの断片の抗体である。
【0019】 好ましい実施の形態において、結合ポリペプチドをコードする核酸は、結合ポ
リペプチドに外因性の少なくとも1つのアミノ酸をコードする配列もコードする
。例えば、核酸はさらに、結合ポリペプチドの精製に有用なアミノ酸を含んでも
よい。好ましい実施の形態において、結合ポリペプチドに外因性の少なくとも1
つのアミノ酸を加えてもよく、例えば付加アミノ酸または予め選択されたリガン
ド、例えば結合ポリペプチドの精製に使用されるリガンド、例えば6X HISリガン
ド、セルロース結合領域(CBD)リガンド、マルトース結合タンパク質(MBP)リガン
ドに結合し得るアミノ酸でもよい。予め選択されたリガンドに結合し得るこのア
ミノ酸は、ここで、結合成分、例えば予め選択されたリガンドまたはマトリクス
に結合し得る結合成分とも称される。
【0020】 好ましい実施の形態において、結合ポリペプチドおよび標的ポリペプチドは、
組織、例えば遺伝子導入された動物の乳中で複合体として存在する。
【0021】 好ましい実施の形態において、本発明の方法は、活性化の前に、組織または産
物、例えば乳のような体液から不活性のポリペプチドを分離する工程を含む。好
ましい実施の形態において、結合ポリペプチド/標的ポリペプチド複合体の結合
成分を、予め選択されたリガンド、例えば6X HISリガンド(例えば金属キレート
カラム)、CBDリガンド(例えばセルロース)またはMBPリガンド(例えばマルト
ース)に結合させることにより、不活性のポリペプチドは、体液、例えば乳から
分離される。
【0022】 好ましい実施の形態において、乳上皮細胞中で発現を指示するプロモーターは
、カゼインプロモーター、例えばベータカゼインプロモーター;ラクトグロブリ
ンプロモーター、例えばベータラクトグロブリンプロモーター;乳漿酸性プロモ
ーター;ラクトアルブミンプロモーターである。
【0023】 好ましい実施の形態において、結合ポリペプチドおよび標的ポリペプチドは、
同じ種類の組織特異的プロモーターの調節下にあってもよい、例えば、両方が乳
上皮細胞中で発現を指示するプロモーターの調節下にあってもよく、例えば同じ
または異なる乳特異的プロモーターの調節下にあってもよい。
【0024】 好ましい実施の形態において、遺伝子導入された動物は、ヒト以外の哺乳動物
である。好ましい実施の形態において、哺乳動物は、ヤギ、ウシ、ヒツジ、ウサ
ギ、ブタ、ウマ、ラマ、ラクダ、マウス、ラットである。
【0025】 別の実施の態様において、本発明は、標的ポリペプチドを得る、例えば精製す
るための遺伝子導入系を特徴とする。この系は、遺伝子導入による多価結合ポリ
ペプチドを発現する動物、例えば哺乳動物を含む。多価結合ポリペプチドは、標
的ポリペプチドに結合する第1の結合成分および予め選択されたリガンド、例え
ばマトリクスの予め選択されたリガンドに結合する第2の結合成分を含む。
【0026】 好ましい実施の形態において、遺伝子導入された哺乳動物は、組織特異的態様
で遺伝子導入による多価結合ポリペプチドを発現する、例えば、遺伝子導入され
た哺乳動物は、組織または産物、例えば体液(例えば乳、尿または血液)中で多
価結合ポリペプチドを発現する。好ましい実施の形態において、哺乳動物は乳中
で遺伝子導入による多価ポリペプチドを発現し、多価結合ポリペプチドをコード
する核酸は乳上皮細胞中で発現を指示するプロモーター、例えばカゼイン、ラク
トグロブリン、ラクトアルブミンまたは乳漿タンパク質(WAP)プロモーターの調
節下にある。
【0027】 好ましい実施の形態において、トラスジェニック哺乳動物は、ヤギ、ウシ、ヒ
ツジ、ウサギ、ブタ、ウマ、ラクダ、ラマ、マウスまたはラットである。
【0028】 好ましい実施の形態において、多価結合ポリペプチドは、産物、例えば体液中
で高レベルで、少なくとも0.1、1、5、10mg/mlで発現される。
【0029】 好ましい実施の形態において、本発明の系はさらに、多価結合ポリペプチドの
第2の結合成分が結合し得るマトリクスを含む。
【0030】 好ましい実施の形態において、標的ポリペプチドは、結合可能なエピトープ、
例えば多価結合ポリペプチドの第1の結合成分により結合されるエピトープを含
む。好ましい実施の形態において、結合可能なエピトープは除去可能である、例
えば、結合可能なエピトープは、標的ポリペプチドの残りの部分から除去、例え
ば開裂できる。好ましい実施の形態において、結合可能なエピトープは、触媒成
分により除去できる。好ましくは、触媒成分は、第2の多価結合ポリペプチド、
例えば第2の遺伝子導入により産生された多価結合ポリペプチドの一部である。
好ましい実施の形態において、第2の多価結合ポリペプチド、例えば第2の遺伝子
導入により産生された多価結合ポリペプチドは、第1の触媒領域および予め選択
されたリガンド、例えば第1の遺伝子導入による多価結合ポリペプチドの第2の結
合成分により特異的に結合されるマトリクスと異なるマトリクスのようなマトリ
クスの予め選択されたリガンドに特異的に結合する第2の結合成分を含む。
【0031】 好ましい実施の形態において、標的ポリペプチドおよび多価結合ポリペプチド
は、遺伝子導入により乳中に発現される。標的ポリペプチドおよび多価ポリペプ
チドは、別の動物または同じ動物により発現されてもよい。別の好ましい実施の
形態において、標的ポリペプチドおよび第1および第2の多価ポリペプチドは、遺
伝子導入により乳中で発現される。これらのポリペプチドはすべて、異なる動物
により発現されてもよく、2つ以上が同じ動物により産生されてもよい。
【0032】 以下の系には、多価結合ポリペプチドをマトリクスにおよびその後標的に接触
させる工程が記載されているが、すべての実施の形態について反対の順序は同じ
く適切である。
【0033】 別の態様において、本発明は、生物学的組織から標的ポリペプチドを得る、例
えば精製する方法を特徴とする。好ましくは、標的ポリペプチドは、結合可能な
エピトープを含む。この方法は、生物学的組織からの標的ポリペプチドを含む組
成物を遺伝子導入により発現される多価結合ポリペプチドに接触させて反応混合
物を形成し、それにより生物学的組織から標的ポリペプチドを得る工程が含まれ
る。好ましくは、多価結合ポリペプチドは、標的分子に結合する、例えば標的分
子のエピトープに結合する第1の結合成分、およびマトリクスに結合する第2の結
合成分を含む。
【0034】 好ましい実施の形態において、本発明の方法はさらに、組成物および多価結合
ポリペプチドの混合物を、多価結合ポリペプチドの第1の結合成分が標的ポリペ
プチド、例えば標的ポリペプチドの結合可能なエピトープに結合し得るように維
持する工程が含まれる。好ましい実施の形態において、本発明の方法はさらに、
混合物を多価結合ポリペプチドの第2の結合成分が結合し得るマトリクスと接触
させ、多価結合ポリペプチドの第2の結合成分を該マトリクスに結合させる、各
工程を含む。好ましい実施の形態において、本発明の方法はさらに、混合物の任
意の結合していない成分を除去し、混合物から標的ポリペプチドを得る、例えば
溶出する、各工程を含む。
【0035】 好ましい実施の形態において、標的ポリペプチドは、結合可能なエピトープ、
例えば多価結合ポリペプチドの第1の結合成分により結合されるエピトープを含
む。好ましい実施の形態において、結合可能なエピトープは除去可能である、例
えば結合可能なエピトープは標的ポリペプチドの残りの部分から除去、例えば開
裂できる。好ましい実施の形態において、結合可能なエピトープは、触媒成分に
より除去できる。好ましくは、触媒成分は、第2の多価結合ポリペプチド、例え
ば第2の遺伝子導入により産生された多価結合ポリペプチドの一部である。好ま
しい実施の形態において、第2の多価結合ポリペプチド、例えば第2の遺伝子導入
により産生された多価結合ポリペプチドは、第1の触媒領域およびマトリクス、
例えば第1の遺伝子導入による多価結合ポリペプチドの第2の結合成分により特異
的に結合されるマトリクスと異なるマトリクスに特異的に結合する第2の結合成
分を含む。
【0036】 好ましい実施の形態において、生物学的組織からの組成物は、遺伝子導入され
た動物、例えば遺伝子導入された哺乳動物から得られる産物でもよい。例えば、
産物は、体液、例えば乳、尿または血液でもよい。
【0037】 好ましい実施の形態において、生物学的組織からの組成物を、遺伝子導入によ
る多価結合ポリペプチドを含有するサンプル、例えば乳、尿または血液のような
体液と接触させる。
【0038】 好ましくは、乳は高レベル、例えば少なくとも0.1、1、5、10mg/ml、の遺伝子
導入による多価結合ポリペプチドを含有する。
【0039】 好ましい実施の形態において、標的ポリペプチドおよび多価結合ポリペプチド
は、遺伝子導入により乳中に発現される。標的ポリペプチドおよび多価ポリペプ
チドは、別の動物または同じ動物により発現されてもよい。別の好ましい実施の
形態において、標的ポリペプチドおよび第1および第2の多価結合ポリペプチドは
、遺伝子導入により乳中で発現される。これらのポリペプチドはすべて、異なる
動物により発現されてもよく、2つ以上が同じ動物により産生されてもよい。
【0040】 以下の方法には、多価結合ポリペプチドをマトリクスに、その後標的に接触さ
せる工程が記載されているが、すべての実施の形態について反対の順序は同じく
適切である。
【0041】 別の態様において、本発明は、標的ポリペプチド、例えば結合可能なエピトー
プを含む標的ポリペプチドを発現および/または得る、例えば精製するために使
用できる多様な動物の遺伝子導入系を特徴とする。
【0042】 本発明の系は、標的ポリペプチドを結合する、例えば標的ポリペプチドの結合
可能なエピトープに結合する第1の結合成分およびマトリクスに結合する第2の結
合成分を含む、遺伝子導入による多価結合ポリペプチドを発現する第1の遺伝子
導入された動物、例えば遺伝子導入された哺乳動物を含む。好ましくは、第1の
遺伝子導入された動物は、多価結合ポリペプチドを産物、例えば乳、血液、尿の
ような体液に発現する。好ましい実施の形態において、多価結合ポリペプチドは
、高レベルで、少なくとも0.1、1、5、10mg/mlのレベルで第1の遺伝子導入され
た動物の乳中に存在する。
【0043】 好ましい実施の形態において、第1の遺伝子導入された動物は、遺伝子導入さ
れた哺乳動物である。好ましくは、遺伝子導入された哺乳動物は、組織特異的態
様で遺伝子導入による多価結合ポリペプチドを発現する、例えば、遺伝子導入さ
れた哺乳動物は、体液、例えば乳、尿または血液中で多価結合ポリペプチドを発
現する。好ましい実施の形態において、哺乳動物は、乳中で遺伝子導入による多
価ポリペプチドを発現し、多価結合ポリペプチドをコードするDNA配列は、乳上
皮細胞で発現を指示するプロモーター、例えばカゼイン、ラクトグロブリン、ラ
クトアルブミンまたは乳漿酸性タンパク質(WAP)プロモーターの調節下にある。
【0044】 本発明の系はさらに、標的ポリペプチド、例えば結合可能なエピトープを含む
標的ポリペプチドを発現する第2の遺伝子導入された動物、例えば遺伝子導入さ
れた哺乳動物を含む。好ましくは、第2の遺伝子導入された動物は、標的ポリペ
プチドをサンプル、例えば乳、血液、尿のような体液に発現する。好ましい実施
の形態において、標的ポリペプチドは、高レベルで、少なくとも0.1、1、5、10m
g/mlのレベルで第2の動物の乳中に存在する。
【0045】 好ましい実施の形態において、第2の遺伝子導入された動物は、遺伝子導入さ
れた哺乳動物である。好ましくは、第2の遺伝子導入された哺乳動物は、組織特
異的態様で標的ポリペプチドを発現する、例えば遺伝子導入された哺乳動物は、
体液、例えば乳、尿または血液中で標的ポリペプチドを発現する。好ましい実施
の形態において、哺乳動物は、乳中で標的ポリペプチドを発現し、標的ポリペプ
チドをコードするDNA配列は、乳上皮細胞中で発現を指示するプロモーター、例
えばカゼイン、ラクトグロブリン、ラクトアルブミンまたは乳漿酸性タンパク質
(WAP)プロモーターの調節下にある。
【0046】 好ましい実施の形態において、本発明の系はさらに、多価結合ポリペプチドの
第2の結合成分が結合し得るマトリクスを含む。
【0047】 好ましい実施の形態において、結合可能なエピトープは除去可能である、例え
ば結合可能なエピトープは、標的ポリペプチドの残りの部分から除去、例えば開
裂できる。好ましい実施の形態において、結合可能なエピトープは、触媒成分に
より除去できる。好ましくは、触媒成分は、第2の多価結合ポリペプチド、例え
ば第2の遺伝子導入により産生される多価結合ポリペプチドの一部である。好ま
しい実施の形態において、第2の多価結合ポリペプチド、例えば第2の遺伝子導入
により産生される多価結合ポリペプチドは、第1の触媒領域およびマトリクス、
例えば第1の遺伝子導入による多価結合ポリペプチドの第2の結合成分により特異
的に結合されるマトリクスとは異なるマトリクスに特異的に結合する第2の結合
成分を含む。第2の多価結合ポリペプチドは、第1の多価結合ポリペプチドを発現
する同じ遺伝子導入された動物;標的ポリペプチドを産生する遺伝子導入された
動物;または第1の多価結合ポリペプチドまたは標的ポリペプチドを産生する動
物以外の遺伝子導入された動物のいずれかにより産生できる。
【0048】 以下の系には、多価結合ポリペプチドをマトリクスにおよびその後標的に接触
させる工程が記載されているが、すべての実施の形態について反対の順序は同じ
く適切である。
【0049】 別の実施の態様において、本発明は、標的ポリペプチド、例えば結合可能なエ
ピトープを含む標的ポリペプチドを、産物、例えば乳、血液、尿のような体液か
ら発現させるおよび/または得る方法を提供する。本発明の方法は、遺伝子導入
された動物から標的ポリペプチドを含む産物、例えば乳のような体液を得;標的
ポリペプチドを含む産物、例えば乳のような体液を、遺伝子導入による多価結合
ペプチドと接触させて反応混合物を形成する、各工程を含む。好ましくは、多価
結合ポリペプチドは、標的ポリペプチドに結合し得る第1の結合成分および予め
選択されたリガンドに結合し得る第2の結合成分を含む。好ましい実施の形態に
おいて、本発明の方法はさらに、標的ポリペプチドと多価ポリペプチドとの混合
物を維持し、多価結合ポリペプチドの第1の成分を標的ポリペプチド、例えば標
的ポリペプチドの結合可能なエピトープに結合させる工程を含む。好ましい実施
の形態において、本発明の方法はさらに、混合物を、第2の結合成分が結合する
マトリクスと接触させ、多価結合ポリペプチドの第2の結合成分をマトリクスに
結合させる、各工程を含む。本発明の方法はさらに、混合物の任意の結合してい
ない成分を除去し、混合物から標的ポリペプチドを選択的に除去、例えば溶出す
る、各工程を含んでもよい。
【0050】 好ましい実施の形態において、多価結合ポリペプチドは、遺伝子導入された動
物の乳中で発現される。好ましい実施の形態において、多価ポリペプチドは、標
的ポリペプチドを発現する同じ遺伝子導入された動物の乳中で発現される、また
は異なる遺伝子導入された動物の乳中で発現される。好ましい実施の形態におい
て、遺伝子導入による多価結合ポリペプチドは、高いレベルで、例えば少なくと
も0.1、1、5、10mg/mlで動物からの乳中に存在する。
【0051】 以下の方法には、多価結合ポリペプチドをマトリクスにおよびその後標的に接
触させる工程が記載されているが、すべての実施の形態について反対の順序は同
じく適切である。
【0052】 別の態様において、本発明は、標的ポリペプチド、例えば結合可能なエピトー
プを含む標的ポリペプチドを発現させるおよび/または得る、例えば精製するた
めに使用される遺伝子導入された動物系を特徴とする。本発明の系は、乳組織中
で遺伝子導入による多価結合ポリペプチドを発現する遺伝子導入された動物を含
む。好ましくは、多価結合ポリペプチドは、標的ポリペプチドに特異的に結合す
る、例えば標的ポリペプチドの結合可能なエピトープに結合する第1の結合成分
、およびマトリクスに結合する第2の結合成分を含む。さらに、遺伝子導入され
た動物は、乳組織中で標的ポリペプチド、例えば結合可能なエピトープを含む標
的ポリペプチドを発現する。
【0053】 好ましい実施の形態において、哺乳動物は、乳中で遺伝子導入による多価結合
ポリペプチドを発現し、多価結合ポリペプチドをコードするDNA配列は、乳上皮
細胞中で発現を指示するプロモーター、例えばカゼイン、ラクトグロブリン、ラ
クトアルブミンまたは乳漿酸性タンパク質(WAP)プロモーターの調節下にある。
好ましい実施の形態において、哺乳動物は、乳中で標的ポリペプチドを発現し、
標的ポリペプチドをコードするDNA配列は、乳上皮細胞中で発現を指示するプロ
モーター、例えばカゼイン、ラクトグロブリン、ラクトアルブミンまたは乳漿酸
性タンパク質(WAP)プロモーターの調節下にある。
【0054】 好ましい実施の形態において、多価結合ポリペプチドは、高レベルで、例えば
少なくとも0.1、1、5、10mg/mlで遺伝子導入された動物の乳中に存在する。別の
好ましい実施の形態において、標的ポリペプチドは、高レベルで、例えば少なく
とも0.1、1、5、10mg/mlで遺伝子導入された動物の乳中に存在する。好ましくは
、多価結合ポリペプチドおよび標的分子はいずれも、高レベルで、例えば少なく
とも0.1、1、5、10mg/mlで遺伝子導入された動物の乳中に存在する。
【0055】 好ましい実施の形態において、本発明の系はさらに、標的ポリペプチドの結合
可能なエピトープは除去可能である、例えば、結合可能なエピトープは、標的ポ
リペプチドの残りの部分から除去、例えば開裂できる。好ましい実施の形態にお
いて、結合可能なエピトープは、触媒成分により除去できる。好ましくは、触媒
成分は、第2の多価結合ポリペプチド、例えば遺伝子導入により産生される多価
結合ポリペプチドの一部である。好ましい実施の形態において、第2の多価結合
ポリペプチド、例えば遺伝子導入により産生される多価結合ポリペプチドは、第
1の触媒領域およびマトリクス、例えば第1の遺伝子導入による多価結合ポリペプ
チドの第2の結合成分により特異的に結合されるマトリクスと異なるマトリクス
に特異的に結合する第2の結合成分を含む。第2の多価結合ポリペプチドは、第1
の多価結合ポリペプチドおよび/または標的ポリペプチドを発現した同じ遺伝子
導入された動物により発現されてもよい;第1の多価結合ポリペプチドおよび/
または標的ポリペプチドを発現する遺伝子導入された動物以外の遺伝子導入され
た動物により発現されてもよい。
【0056】 以下の系には、多価結合ポリペプチドをマトリクスにおよびその後標的に接触
させる工程が記載されているが、すべての実施の形態について反対の順序は同じ
く適切である。
【0057】 別の態様において、本発明は、標的ポリペプチド、例えば結合可能なエピトー
プを含む標的ポリペプチドを発現するおよび/または得る、例えば精製する方法
を特徴とする。本発明の方法は、遺伝子導入による多価結合ポリペプチドと標的
ポリペプチド、例えば結合可能なエピトープを含む標的ポリペプチドとの混合物
を含む遺伝子導入された動物から乳を得る工程を含む。好ましくは、多価結合ポ
リペプチドは、標的ポリペプチド、例えば標的ポリペプチドの結合可能なエピト
ープに結合できる第1の結合成分、およびマトリクスに結合できる第2の結合成分
を含む。本発明の方法はさらに、多価結合ポリペプチドの第1の結合成分を標的
ポリペプチド、例えば標的ポリペプチドの結合可能なエピトープに結合させる工
程を含む。好ましい実施の形態において、本発明の方法はさらに、そのような混
合物を第2の結合成分が特異的に結合するマトリクスに接触させ、多価結合ペプ
チドの第2の結合成分をマトリクスに結合させる、各工程を含んでもよい。好ま
しい実施の形態において、本発明の方法はさらに、混合物の任意の結合していな
い成分を除去し、混合物から標的ポリペプチドを選択的に除去、例えば溶出する
、各工程を含む。
【0058】 好ましい実施の形態において、多価結合ポリペプチドは、高レベルで、例えば
少なくとも0.1、1、5、10mg/mlのレベルで遺伝子導入された動物の乳中に存在す
る。別の好ましい実施の形態において、標的ポリペプチドは、高レベルで、例え
ば少なくとも0.1、1、5、10mg/mlのレベルで遺伝子導入された動物の乳中に存在
する。好ましくは、多価結合ポリペプチドおよび標的分子は、高レベルで存在す
る、例えばそれぞれが少なくとも0.1、1、5、10mg/mlのレベルで存在する。
【0059】 以下の方法には、多価結合ポリペプチドをマトリクスにおよびその後標的に接
触させる工程が記載されているが、すべての実施の形態について反対の順序は同
じく適切である。
【0060】 これらの系および方法は、従来存在する系を超える多くの利点を提供し得る。
特に、本発明による系および方法により、親和性リガンドを別々に分離しそれら
を機能化された親和性マトリクスに結合する必要性が事前に除去させるので、そ
のような生物分子を精製する時間および費用が大きく減少される。
【0061】 本発明の目的のために、以下の用語は、他に明らかに記載されていない限り、
この部分に示される意味を有する。「エピトープ」、または「結合可能なエピト
ープ」とは、結合成分により特異的に結合される三次元の分子形状である。「結
合成分」とは、エピトープに特異的に結合する遺伝子導入による多価結合ポリペ
プチドのポリペプチド部分である。
【0062】 「ポリペプチド」、「タンパク質」および「ペプチド」とは、ここで相互に交
換して使用される。ポリペプチドは、糖化されてもよいまたは糖化されなくても
よい。そのようなポリペプチドは、約3、4、5、6またはより多くのアミノ酸を含
み、さらに二次、三次または四次構造、並びに他のペプチドまたは他の非ペプチ
ド分子との分子間結合を含んでもよい。そのような分子間結合は、制限なく、共
有結合(例えばジスルフィド結合)によってもよい、またはキレート化、静電相
互作用、疎水性相互作用、水素結合、イオン双極子相互作用、双極子間相互作用
、または上述の任意の組合せによってもよい。「ポリペプチド部分」とは、約3
から約100までの隣接するおよび/または隣接しないアミノ酸からなり、糖化さ
れてもよいまたは糖化されなくてもよい。
【0063】 「ペプチド含有エピトープ」とは、少なくとも一部、ペプチドのアミノ酸残基
からの免疫抗原決定基からなるエピトープである。「炭水化物含有エピトープ」
とは、少なくとも一部、分子の炭水化物からの免疫抗原決定基からなるエピトー
プである。「脂肪含有エピトープ」とは、少なくとも一部、分子の脂肪部分から
の免疫抗原決定基からなるエピトープである。「免疫抗原決定基」とは、エピト
ープの全体の三次元形状の一因である三次元形状である。
【0064】 「アミノ酸残基からの免疫抗原決定基」とは、アミノ酸残基の側鎖および/ま
たはアルファ−炭素および/またはいずれかまたは両方の結合および/またはア
ミノおよび/またはカルボキシ末端の全部または一部が三次元形状の一因である
免疫抗原決定基である。
【0065】 「遺伝子導入による多価結合ポリペプチド」とは、生物組織中に存在する標的
分子の結合可能なエピトープに結合する第1の結合成分、およびマトリクスに結
合する第2の結合成分を含む遺伝子導入により産生されるポリペプチドである。
【0066】 「標的分子」とは、精製される任意の分子である。「標的ポリペプチド」とい
う用語が系および方法の上述の記載に亘って使用されるが、ここに記載される他
の標的分子を任意の実施の形態で使用してもよい。
【0067】 「生物組織」とは、インビトロの細胞または組織抽出物、真核または原核細胞
培養、組織培養、器官培養、生きている植物および動物、および生きている植物
または動物の抽出物を含む。
【0068】 「マトリクス」とは、生物組織から相分離できる物質である。
【0069】 「特異的に結合する」とは、少なくとも104M−1、より好ましくは106M−1、最
も好ましくは少なくとも109M−1の親和性で、加工結合条件、例えば乳中に存在
する条件に特異的に含む条件である、pH4−9およびイオン強度50mMから1Mまでの
条件下で、共有または非共有結合を形成することを意味する。
【0070】 「除去可能なエピトープ」とは、好ましくは化学物質または酵素開裂により、
分子から物理的に分離できるエピトープである。
【0071】 「高レベル」の発現とは、少なくとも約0.1mg/ml、好ましくは約0.5mg/ml、お
よび最も好ましくは少なくとも約1mg/mlを意味する。
【0072】 「選択的に溶出する」とは、好ましくはマトリクスから遺伝子導入による多価
結合ポリペプチドを解離することなく、遺伝子導入による多価結合ポリペプチド
から標的分子を解離することを称する。
【0073】 ここで用いたように、「遺伝子導入された動物」とは、ヒト以外の動物であっ
て、該動物の1つ以上、および好ましくは実質的にすべての細胞が、ヒトの介入
により、例えば当該技術において既知の遺伝子導入技術により導入される異種核
酸を含有する動物である。トランスジーンは、故意の遺伝子操作により、例えば
マイクロインジェクションまたは組換えウィルスによる感染により、直接または
間接に細胞中に導入できる。
【0074】 哺乳動物とはここで、乳腺を有し乳を産生する、ヒトを除くすべての動物とし
て定義される。
【0075】 ここで用いたように、「酪農動物(dairy animal)」とは、乳を産生する動物を
称する。好ましい実施の形態において、酪農動物は、大量の乳を産生し、長い泌
乳期間を有する、例えばウシまたはヤギである。
【0076】 ここで用いたように、「植物」という用語は、植物全体、植物の一部、植物の
細胞、または一群の植物細胞を称する。本発明の方法に使用できる植物の種類は
、概して単子葉および双子葉植物を含む、形質転換技術に従う高等植物の種類と
同程度の広さである。倍数体、二倍体および半数体を含む、様々の倍数性レベル
の植物が含まれる。
【0077】 ここで用いたように、「精製された」標的ポリペプチドとは、標的ポリペプチ
ドを発現する細胞により産生される場合に細胞性物質を実質的に有しないポリペ
プチドを称する。「細胞性物質を実質的に有しない」という用語は、ポリペプチ
ドが、それが産生される細胞の細胞性成分から分離される標的ポリペプチドの製
剤を含む。ある実施の形態において、「細胞性物質を実質的に有しない」という
用語は、約30%(乾燥重量で)未満の非標的ポリペプチド(ここで「タンパク質
不純物」または「汚濁タンパク質」とも称される)、より好ましくは約20%未満
の非標的ポリペプチド、さらに好ましくは約10%未満の非標的ポリペプチド、お
よび最も好ましくは約5%未満の非標的ポリペプチドを有する標的ポリペプチド
の製剤を含む。
【0078】 本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から
明らかとなるであろう。
【0079】 図面の簡単な説明 図1は、標的分子および多価結合ポリペプチドが異なる供給源に由来する実施
の形態を示す。
【0080】 図2は、標的分子および多価結合ポリペプチドが同じ供給源に由来する実施の
形態を示す。
【0081】 図3は、標的分子の除去可能なエピトープが、マトリクスも結合する第2の多
価結合ポリペプチドの触媒成分により除去される実施の形態を示す。異なるマト
リクスが、標的分子/第1の多価結合ポリペプチドよりも第2の多価結合ポリペプ
チドにより結合される。
【0082】 発明の詳細な説明 本発明は、生物組織からのポリペプチドの遺伝子導入による発現および精製に
関する。より詳細には、本発明は、ポリペプチドを発現および精製する遺伝子導
入系、およびそのような系を使用する方法を特徴とする。ここに記載される特許
および刊行物は、当業者に有用な知識を表し、ここに完全に引用される。
【0083】 本発明は、生物組織中に存在する標的分子を精製する系および方法を提供する
。本発明による系および方法は、そのような標的分子を精製するために、親和性
培地として、多価結合ポリペプチド、例えば遺伝子導入により産生される多価結
合ポリペプチドの存在を使用する。好ましくは、多価結合ポリペプチドは、標的
分子およびマトリクス、例えば相分離マトリクスを結合する。これらの系および
方法は、従来存在する系を越える多くの利点を提供する。本発明による系および
方法により、別々に親和性リガンドを精製し親和性マトリクスを機能化する必要
が事前に除去されるので、そのような標的分子を精製する時間および費用が著し
く減少される。これらの実施の形態において、本発明は、標的分子を発現および
精製し、それによりさらに産生工程を単純化し費用を減少する系および方法を提
供する。標的ポリペプチドおよび多価結合ポリペプチドは、異なる動物または同
じ動物中で、例えば動物の乳中に遺伝子導入により発現されてもよい。以下の方
法および系は概して多価結合ポリペプチドをマトリクスにおよびその後標的に接
触させる工程に関するが、すべての実施の形態について反対の順序は同じく適切
である。
【0084】 本発明は、結合可能なエピトープを含む標的分子を精製する遺伝子導入系を提
供する。この系は、例えば乳組織中で、遺伝子導入による多価結合ポリペプチド
を発現する遺伝子導入された動物を含んでもよい。多価結合ポリペプチドは、標
的ポリペプチドに結合する、例えば標的ポリペプチドの結合可能なエピトープに
結合する第1の結合成分、およびマトリクスに結合する第2の結合成分を含む。好
ましくは、本発明の系はさらに、多価結合ポリペプチドの第2の結合成分が特異
的に結合するマトリクスを含む。
【0085】 遺伝子導入された動物は、組織特異的態様で多価結合ポリペプチドを発現し得
る。そのような組織特異的発現は、組織特異的プロモーター、例えば乳上皮細胞
中で発現を指示するプロモーターの調節下で標的タンパク質をコードする配列を
有することにより得ることができる。乳特異的プロモーターは、カゼインプロモ
ーター(例えばα−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼインまたはλ−カゼイン
プロモーター);WAPプロモーター;β−ラクトグロブリン;およびラクトアル
ブミンを含んでもよい。
【0086】 標的分子は、核酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、炭水化物、脂質、ホルモン
、増殖因子、酵素補因子、他の天然発生リガンド、およびポリペプチドを含んで
もよい。標的分子の結合可能なエピトープは、炭水化物含有エピトープ、脂質含
有エピトープおよびペプチド含有エピトープ、並びにこれらの任意の組合せを含
むエピトープを含んでもよい。
【0087】 本発明はまた、標的ポリペプチド、例えば結合可能なエピトープを有する標的
ポリペプチドを発現および/または精製するための多くの動物遺伝子導入系を含
んでもよい。本発明の系は、例えば乳組織中で遺伝子導入による多価結合ポリペ
プチドを発現する第1の遺伝子導入された動物を含んでもよい。遺伝子導入によ
る多価結合ポリペプチドは、標的ポリペプチド、例えば標的ポリペプチドの結合
可能なエピトープに特異的に結合する第1の結合成分、およびマトリクスに特異
的に結合する第2の結合成分を含んでもよい。本発明の系はさらに、例えば乳組
織中で結合可能なエピトープを有する標的ポリペプチドを発現する第2の動物を
含んでもよい。本発明の系はさらに、第2の結合成分が特異的に結合するマトリ
クスを含んでもよい。
【0088】 第2の動物は、標的ポリペプチドを発現する遺伝子導入された動物でもよい。
例えば、第2の動物は、組織特異的態様で標的ポリペプチドを発現する、例えば
乳組織中で標的ポリペプチドを発現する遺伝子導入された動物でもよい。標的分
子の結合可能なエピトープは、除去可能なエピトープでもよい。例えば、エピト
ープは、第2の多価結合ポリペプチド、例えば第2の遺伝子導入により産生される
多価ポリペプチドの触媒成分により除去されてもよい。第2の遺伝子導入多価結
合ポリペプチドは、第1の触媒領域およびマトリクスに特異的に結合する第2の結
合成分を含んでもよい。好ましくは、第2の遺伝子導入による多価結合ポリペプ
チドの第2の結合成分により特異的に結合されるマトリクスは、第1の遺伝子導入
による多価結合ポリペプチドの第2の結合成分により特異的に結合されるマトリ
クスと異なる。第2の多価結合ポリペプチドの触媒領域は、除去可能なエピトー
プからの結合可能なエピトープの開裂を触媒し得る。例えば、触媒領域はアミダ
ーゼ活性を有する。
【0089】 本発明はまた、標的ポリペプチド、例えば結合可能なエピトープを含む標的ポ
リペプチドを発現および/または精製する単一の動物の遺伝子導入系を特徴とす
る。本発明の系は、例えば乳組織で、遺伝子導入による多価結合ポリペプチドを
発現し、例えば乳組織で標的ポリペプチドを発現する遺伝子導入された動物を含
む。多価結合ポリペプチドは、標的ポリペプチドの結合可能なエピトープに結合
する第1の結合成分およびマトリクスに結合する第2の結合成分を含んでもよい。
【0090】 多価結合ポリペプチドおよび標的ポリペプチドは、同じまたは異なる組織中で
発現されてもよい。例えば、配列をコードする標的ポリペプチドが通常のプロモ
ーターの調節下にあり、配列をコードする多価結合ポリペプチドは組織特異的プ
ロモーターの調節下にあってもよい、または逆でもよい;配列をコードする標的
ポリペプチドが組織特異的プロモーターの調節下にあり、配列をコードする多価
ポリペプチドが異なる組織の種類についての組織特異的プロモーターの調節下に
あってもよい、例えば配列をコードする標的ポリペプチドが尿特異的プロモータ
ーの調節下にあり、配列をコードする多価結合ポリペプチドが乳特異的プロモー
ターの調節下にあってもよい;配列をコードする多価結合ポリペプチドおよび配
列をコードする標的ポリペプチドの両方が、同じ組織の種類についての組織特異
的プロモーターの調節下にあってもよい、例えば、配列をコードする多価結合ポ
リペプチドが乳特異的プロモーターの調節下にあり、配列をコードする標的ポリ
ペプチドが別のまたは同じ乳特異的プロモーターの調節下にあってもよい。
【0091】 好ましくは、多価結合ポリペプチドおよび標的ポリペプチドは、遺伝子導入さ
れた動物の乳中で発現される。遺伝子導入による多価結合ポリペプチドは、好ま
しくは、乳中で結合に十分なレベル、標的分子の少なくとも5%、10%、15%、20%
、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、98%、99%またはすべてで存
在する。例えば、多価結合ポリペプチドは、遺伝子導入された動物の乳中で高レ
ベル、例えば少なくとも0.1、1、5、10mg/mlで存在してもよい。さらに、標的ポ
リペプチドは、好ましくは、同じ遺伝子導入された動物の乳中で高レベル、例え
ば少なくとも0.1、1、5、10mg/mlで存在してもよい。
【0092】 本発明の系はさらに、多価結合ポリペプチドの第2の結合成分が特異的に結合
するマトリクスを含んでもよい。
【0093】 標的分子の結合可能なエピトープは、除去可能なエピトープでもよい。例えば
、エピトープは、第2の多価結合ポリペプチド、例えば第2の遺伝子導入により産
生される多価ポリペプチドの触媒成分により除去されてもよい。第2の遺伝子導
入による多価結合ポリペプチドは、第1の触媒領域およびマトリクスに特異的に
結合する第2の結合成分を含んでもよい。好ましくは、第2の遺伝子導入による多
価結合ポリペプチドの第2の結合成分により特異的に結合されるマトリクスは、
第1の遺伝子導入による多価結合ポリペプチドの第2の結合成分により特異的に結
合されるマトリクスを異なる。第2の多価結合ポリペプチドの触媒領域は、除去
可能なエピトープからの結合可能なエピトープの開裂を触媒し得る。例えば、触
媒領域は、アミダーゼ活性を有してもよい。
【0094】 標的ポリペプチドは、動物の乳組織中で不活性形態で発現されてもよい。この
態様は、標的ポリペプチドに乳組織中で生物学的機能を行わせることが所望でな
い場合に特に有用である。例えば、多価結合ポリペプチドの第1の結合成分は、
選択的に溶出されるまで生物学的機能を行うことを妨げる態様で標的ポリペプチ
ドに結合してもよい、または結合可能なエピトープは、エピトープが除去される
まで標的ポリペプチドが生物学的に活性でない除去可能なエピトープでもよい。
ある実施の形態において、結合成分は除去可能なエピトープを除去し得る。
【0095】 本発明はまた、生物組織から、結合可能なエピトープを含む標的分子を得る、
例えば精製する方法を特徴とする。この方法は、上述の任意の系を利用してもよ
い。本発明の方法は、多価結合ポリペプチド、例えばここに記載される任意の多
価結合ポリペプチドを、生物組織からの物質の組成物と接触させ、反応混合物を
形成する工程を含んでもよい。物質の組成物は、結合可能なエピトープを有する
標的分子を含んでもよい。混合物の中では、多価結合ポリペプチドの第1の結合
成分は、標的分子の結合可能なエピトープに結合してもよい。好ましくは、反応
混合物は、多価結合ポリペプチドの第1の結合成分が標的分子の結合可能なエピ
トープに結合するように維持されてもよい。混合物はさらに、第2の結合成分が
結合するマトリクスと接触させてもよい。マトリクスの存在下で、多価結合ポリ
ペプチドの第2の結合成分はマトリクスに結合してもよく、混合物の任意の結合
していない成分は除去してもよい。その後、物質の組成物から標的分子が得られ
る、例えば溶出される。
【0096】 本発明の方法はまた、標的分子を含むサンプル、例えば、乳、尿、血液のよう
な体液を提供する工程を含んでもよい。サンプルをここに記載される多価結合ポ
リペプチドと接触させて、標的分子を得てもよい。例えば、標的ポリペプチドを
含むサンプルは、動物、例えば遺伝子導入された動物から得られる。好ましくは
、サンプルは乳中で標的分子を発現する動物から得られる、例えばサンプルは泌
乳する動物から得られる。動物は、乳特異的プロモーターの調節下で標的ポリペ
プチドをコードするヌクレオチド配列を含む任意の遺伝子導入された動物でもよ
い。
【0097】 本発明はまた、標的分子、例えば結合可能なエピトープを有する標的分子を得
る、例えば精製する方法を特徴とする。本発明の方法は、標的分子、例えば標的
ポリペプチド、およびここに記載される多価結合ポリペプチドを含む体液、例え
ば乳を提供する工程を含んでもよい。例えば、乳のような体液は、標的ポリペプ
チドおよび多価結合ポリペプチドを体液、例えば乳中で発現する遺伝子導入され
た動物から得ることができる。本発明の方法はさらに、体液を第2の結合成分が
結合するマトリクスと接触させる工程を含む。マトリクスの存在下において、多
価結合ペプチドの第2の結合成分はマトリクスに結合してもよく、混合物の任意
の結合していない成分は除去してもよい。標的分子はその後、物質の組成物から
得られる、例えば溶出される。
【0098】 好ましくは、生物組織からの物質の組成物は、得るのに十分なレベル、物質の
組成物からの標的分子の少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、8
0%、85%、90%、95%、98%、99%またはすべての多価結合ポリペプチドを含有する
。例えば、乳は、乳組織中での発現および乳中への分泌により高レベルの遺伝子
導入による多価結合タンパク質を含有し得る。好ましくは、遺伝子導入による多
価結合ポリペプチドは、乳中で少なくとも0.1、1、5、10mg/mlのレベルで存在す
る。
【0099】 生物組織は例えば、植物、真菌、細菌および動物の産物を含む。生物組織から
の組成物は、調整培地、組織抽出物、器官および身体の液(例えば、血液、血漿
、血清、汗、唾液、尿、乳など)を含んでもよい。そのような植物、真菌、細菌
および動物の産物は、内因的にまたは外因的に供給される遺伝子から発現される
ポリペプチドを含んでもよい。
【0100】 本発明の任意の方法において、標的分子の結合可能なエピトープは、除去可能
なエピトープでもよい。例えば、エピトープは、第2の多価結合ポリペプチド、
例えば遺伝子導入により産生される多価結合ポリペプチドの触媒成分により除去
できる。第2の遺伝子導入による多価結合ポリペプチドは、第1の触媒領域および
マトリクスに特異的に結合する第2の結合成分を含んでもよい。好ましくは、第2
の遺伝子導入による多価結合ポリペプチドの第2の結合成分により特異的に結合
されるマトリクスは、第1の遺伝子導入による多価結合ポリペプチドの第2の結合
成分により特異的に結合されるマトリクスと異なる。第2の多価結合ポリペプチ
ドの触媒領域は、除去可能なエピトープからの結合可能なエピトープの開裂を触
媒し得る。例えば、触媒領域は、アミダーゼ活性を有してもよい。エピトープが
除去可能なエピトープである場合、標的ポリペプチドは、標的分子からエピトー
プを除去することにより混合物から得られる。
【0101】 標的ポリペプチドは、動物の乳組織中で不活性形態で発現されてもよい。この
態様は、標的ポリペプチドに乳組織中で生物学的機能を行わせることが所望でな
い場合に特に有用である。例えば、多価結合ポリペプチドの第1の結合成分は、
選択的に溶出されるまで生物学的機能を行うことを妨げる態様で標的ポリペプチ
ドに結合してもよい、または結合可能なエピトープは、エピトープが除去される
まで標的ポリペプチドが生物学的に活性でない除去可能なエピトープでもよい。
ある実施の形態において、結合成分は除去可能なエピトープを除去し得る。
【0102】標的分子を結合する多価結合ポリペプチドの結合成分 本発明の多価結合ポリペプチドは、標的分子、例えば標的分子の結合可能なエ
ピトープに結合し得る第1の結合成分を含んでもよい。好ましい第1の結合成分は
、標的分子の結合可能なエピトープに特異的に結合する抗体の相補性決定領域を
有する抗体、そのFabまたはF(ab)2断片、あるいはポリペプチド部分、標的分子
の結合可能なエピトープに結合するリガンドまたはレセプター、または標的分子
の結合可能なエピトープに特異的に結合する任意の他のポリペプチド部分、例え
ばファージ表示または2ハイブリッドアッセイにおける結合のために選択される
ポリペプチドを含んでもよい。
【0103】 抗体またはその断片 抗体および様々の抗体誘導体を作製する方法は当該技術においてよく知られて
いる。例えば、Jones et al., Nature 321:522-525(1986)には、ヒト抗体のCDR
をマウス抗体のものと置換する方法が開示されている。Marx, Science 229:455-
456(1985)には、マウス可変領域およびヒト定常領域を有するキメラ抗体が記載
されている。Rodwell, Nature 342:99-100(1989)には、抗体CDR上方に由来する
低分子量の認識要素が記載されている。Clackson, Br. J. Rheumatol. 3052:36-
39(1991)には、Fv断片誘導体、一本鎖抗体、融合タンパク質キメラ抗体およびヒ
ト化げっ歯類抗体を含む遺伝子工学的処理をされたモノクローナル抗体が記載さ
れる。Reichman et al., Nature 332:323-327(1988)には、ラット超可変領域が
融合されたヒト抗体が開示される。Verhoeyen, et al., Science 239:1534-1536
(1988)には、マウス抗原結合部位をヒト抗体上に融合する方法が記載される。
【0104】マトリクスを結合する多価結合ポリペプチドの結合成分 本発明の多価結合ポリペプチドはまた、マトリクスに結合する第2の結合成分
を含む。第2の結合成分は、例えば、抗体または抗体誘導体を含んでもよく、こ
の場合マトリクスは抗体により特異的に結合される抗原またはそのエピトープを
有する。そのような実施の形態において、抗体と抗原との間の相互作用は、標的
分子を溶出する条件下で溶解を避けるのに十分でなければならない。他の好まし
い第2の結合成分−マトリクス対は、無制限に、ポリヒスチジン−ニッケル金属
キレート(250mMより少ないイミダゾールまたは低いpHによる溶出)、ストレプ
タビジン−ビオチン(6Mの尿素による溶出、pH4.0)、FlagTMペプチド−特異的M
Ab(pH3.0または2−5mM EDTAによる溶出)、S−ペプチド−S−タンパク質リボヌ
クレアーゼ(自己開裂後溶出)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ−グル
タチオン(5−10mM還元グルタチオンによる溶出)、タンパク質Aまたはタンパク
質A−IgGの合成ZZ領域(低pHでの溶出)、IgG Fc領域−タンパク質A(低pHでの
溶出)、マルトース結合領域−架橋アミロース(10mMマルトースによる溶出)お
よびセルロース結合領域(CBD)−セルロースまたはキチン対(水または4Mより大
きいグアニジニウムまたは1M以上のNaOHによる溶出)を含む。セルロース結合領
域−セルロースまたはキチン対が、目下最も好ましい。抗体の精製について、最
も好ましい実施の形態は、プロテインLからの第1の結合成分およびCBDからの第2
の結合成分を有する。
【0105】標的分子 標的分子は、内因性分子、例えば内因性ポリペプチドまたは外因性分子、例え
ばポリペプチドでもよい。例えば、外因性ポリペプチドは、動物中で天然に発現
されるが特定の組織中では発現されないまたは発現される組織中では低レベルで
あるポリペプチドでもよい、あるいは外因性ポリペプチドは、動物、例えばヒト
ポリペプチドを発現するヒト以外の動物中で発現されないポリペプチドでもよい
。好ましくは、標的分子は結合可能なエピトープを含む。
【0106】 結合可能なエピトープは、除去可能なエピトープでもよい。除去可能なエピト
ープは、標的分子の選択的な溶出後に除去されてもよい。そのような除去可能な
エピトープは、自己スプライシングにより翻訳後に編集されるタンパク質、例え
ばいわゆる「インテイン」含有タンパク質のポリペプチド部分に由来してもよい
。あるいは、除去可能なエピトープは、標的分子中の他のそのような部位がプロ
テアーゼの影響を受けない場合、特定のプロテアーゼ認識および開裂部位により
標的分子の残りの部分に結合されてもよい。好ましくは、プロテアーゼはマトリ
クスに結合されてもよい。ある実施の形態において、遺伝子導入による多価結合
ポリペプチド自身は、第1の結合成分の一部として、または分離した柔軟に結合
した追加の結合成分としてプロテアーゼ活性を組み込むことができる。プロテア
ーゼ活性が第1の結合成分の一部である場合、一群の条件下で結合可能なエピト
ープに結合し、第2の異なる群の条件下で結合可能なエピトープを開裂する能力
を有することが好ましい。
【0107】遺伝子導入された哺乳動物 ヒト以外の遺伝子導入された哺乳動物を産生する方法は、当該技術において知
られている。そのような方法は、DNA構成体を哺乳動物の生殖系に導入し遺伝子
導入された哺乳動物を産生する工程を含んでもよい。例えば、標準の遺伝子導入
技術により構成体の1つまたはいくつかのコピーを哺乳動物の胚のゲノム中に導
入してもよい。
【0108】 ウシおよびヤギが好ましいが、他のヒト以外の哺乳動物を使用してもよい。好
ましいヒト以外の哺乳動物は、反芻動物、例えばウシ、ヒツジ、ラクダまたはヤ
ギである。好ましいヒト以外の動物のさらなる例には、オウシ、ラマ、ブタ、マ
ウスおよびラットが含まれる。核転移技術について、細胞、例えば遺伝子工学的
に処理される細胞の供給源として使用される哺乳動物は、得ようとする遺伝子導
入された哺乳動物に依存する。例として、ウシからのゲノムは、ウシ卵母細胞に
よる核転移から使用しなければならない。
【0109】 様々の遺伝子導入された哺乳動物を調製する方法が当該技術において知られて
いる。遺伝子導入されたヤギを産生するプロトコルが当該技術において知られて
いる。例えばEbert et al. (1994) Bio/Technology 12:699に記載されるように
マイクロインジェクションにより、または例えば国際特許出願公開第WO 98/3068
3号に記載されるように核転移技術によりヤギの生殖細胞系にトランスジーンを
導入してもよい。遺伝子導入されたブタを産生するプロトコルは、White and Ya
nnoutsos, Current Topics in Complement Research: 64th Forum in Immunolog
y, pp. 88-94;米国特許第5,523,226号;米国特許第5,573,933号;国際特許出願
公開第WO93/25071号;および国際特許出願公開第WO95/04744号に記載されている
。遺伝子導入されたラットを産生するプロトコルは、Bader and Ganten, Clinic
al and Experimental Pharmacology and Physiology, Supp. 3:S81-S87, 1996に
記載されている。遺伝子導入されたウシを産生するプロトコルは、米国特許第5,
741,957号、国際特許出願公開第WO98/30683号、およびTransgenic Animal Techn
ology, A Handbook, 1994, ed., Carl A. Pinkert, Academic Press, Incに記載
されている。遺伝子導入されたヒツジを産生するプロトコルは、国際特許出願公
開第WO97/07669号、およびTransgenic Animal Technology, A Handbook, 1994,
ed., Carl A. Pinkert, Academic Press, Incに記載されている。
【0110】トランスフェクションされた細胞系 遺伝子工学的に処理された細胞は、関心のある核酸、例えばタンパク質をコー
ドする核酸が導入される細胞系から得てもよい。
【0111】 従来の形質転換またはトランスフェクション技術により、構成体を細胞中に導
入してもよい。ここで用いたように、「トランスフェクション」および「形質転
換」という用語は、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共同沈降、DEAE−デ
キストラン−媒介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロ
ポレーションを含む、遺伝子導入配列を宿主細胞中に導入する様々の技術を含む
。さらに、以下に記載されるように、生物学的なベクター、例えばウィルスベク
ターを使用してもよい。宿主細胞を形質転換またはトランスフェクションする適
切な方法は、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory, (Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s, Cold Spring Harbor, NY, 1989)および他の適切な実験マニュアルに見ること
ができる。
【0112】 2つの有用な方法は、エレクトロポレーションおよびリポフェクションである
。それぞれの簡単な実施例を以下に記載する。
【0113】 DNA構成体は、以下のプロトコルを使用するエレクトロポレーションにより供
与体細胞、例えば胚体細胞系のような胚細胞中に安定して導入することができる
:細胞を、約4×105細胞/mlでPBS中に再懸濁する。15マイクログラムの線状DNA
を0.5mlの細胞懸濁液に加え、懸濁液を0.4cmの電極ギャップキュベット(electro
de gap cuvette)(Biorad社)中に配置する。25mAで330ボルトのパルス、1000マイ
クロファラドおよび無限抵抗でBiorad社のGene Pulserエレクトロポレーターを
使用してエレクトロポレーションを行う。DNA構成体は、選択のためのネオマイ
シン耐性遺伝子を含有する場合、15日間350マイクログラム/mlのG418(GibcoBRL)
とともにインキュベートした後、ネオマイシン耐性クローンを選択する。
【0114】 以下のようなプロトコルを使用するリポフェクションにより、DNA構成体を供
与体細胞中に安定して導入することができる:約2×105細胞を3.5cmの直径のウ
ェル中に配置し、LipfectAMINETM(GibcoBRL社)を使用する2マイクログラムの線
状DNAでトランスフェクションする。トランスフェクションの48時間後、細胞を1
:1000および1:5000に分け、DNA構成体が選択のためのネオミオシン耐性遺伝子
を含有する場合には、G418を加えて最終濃度を0.35mg/mlにする。低温保存並び
に核移入のためにネオミオシン耐性クローンを分離し膨張させる。
【0115】 タンパク質の組織特異的発現 タンパク質、例えば異種タンパク質を、遺伝子導入動物の特定の組織または体
液、例えば乳、血液または尿で発現させることはしばしば所望である。異種タン
パク質は、発現される組織または体液から回収できる。例えば、乳中で異種タン
パク質を発現させることはしばしば所望である。乳特異的プロモーターの制御下
で、異種タンパク質を産生する方法が以下に記載される。さらに、他の組織特異
的プロモーター、並びに他の調節要素、例えばシグナル配列および非分泌タンパ
ク質の分泌を強める配列が以下に記載される。
【0116】 乳特異的プロモーター 有用な転写プロモーターは、哺乳動物上皮細胞中で好ましく活性化されるプロ
モーターであり、カゼイン、ベータラクトグロブリン(Clark et al., (1989) Bi
o/Technology 7:487-492)、乳漿酸性タンパク質(Gordon et al. (1987) Bio/Tec
hnology 5:1183-1187)、およびラクトアルブミン(Soulier et al., (1992) FEBE
S Letts. 297:13)のような乳タンパク質をコードする遺伝子を調節するプロモー
ターを含む。カゼインプロモーターは、任意の哺乳動物の種類のアルファ、ベー
タ、ガンマまたはカッパカゼイン遺伝子に由来してもよい;好ましいプロモータ
ーは、ヤギベータカゼイン遺伝子に由来する(DiTullio, (1992) Bio/Technology
10:74-77)。乳特異的プロモーターまたは哺乳動物組織中で特異的に活性化され
るプロモーターは、cDNAまたはゲノム配列に由来してもよい。好ましくは、原ゲ
ノム配列である。
【0117】 DNA配列情報は、少なくとも1つ、およびしばしば複数の生体において、上述さ
れる乳腺特異的遺伝子に有用である。例えば、Richards et al., J. Biol. Chem
. 256, 526-532(1981)(α−ラクトアルブミンラット);Campbell et al.、Nuc
leic Acids Res. 12, 8685-8697(1984)(ラットWAP); Jones et al., J. Biol.
Chem. 260, 7042-7050(1985)(ラットβ−カゼイン); Vu-Lee&Rosen, J. Biol
. Chem. 258, 10794-10804(1983)(ラットγ−カゼイン); Hall, Biochem. J.
242, 753-742(1987)(α−ラクトアルブミンヒト); Stewart, Nucleic Acids R
es. 12, 389(1984)(ウシαs1およびkカゼインcDNA); Gorodetsky et al., Gen
e 66, 87-96(1988)(ウシβカゼイン); Alexander et al., Eur. J. Biochem.
178, 395-401(1988)(ウシkカゼイン); Brignon et al., FEBS Lett. 188, 48-
55(1977)(ウシαS2カゼイン); Jamieson et al., Gene 61, 85-90(1987), Iva
nov et al., Biol. Chem. Hoppe- Seyler 369, 425-429(1988), Alexander et a
l., Nucleic Acids Res. 17, 6739(1989)(ウシpラクトグロブリン); Vilotte
et al., Biochimie 69, 609-620(1987)(ウシα−ラクトアルブミン)参照。様
々の乳タンパク質の構造および機能は、Mercier & Vilotte, J. Dairy Sci. 76,
3079-3098(1993)(すべての目的のために完全に引用される)に記載される。異
種タンパク質の発現の最適化においてさらなるフランキング配列が有用な場合、
プローブとして存在する配列を使用することによりそのような配列をクローン化
してもよい。様々の生体からの乳腺特異的調節配列を、既知のコグネートヌクレ
オチド配列、またはコグネートタンパク質に対する抗体をプローブとして使用し
てそのような生体からのライブラリをスクリーニングすることにより得てもよい
【0118】 シグナル配列 有用なシグナル配列は、真核生物または原核生物タンパク質を分泌する乳特異
的シグナル配列または他のシグナル配列である。好ましくは、シグナル配列は、
乳特異的シグナル配列から選択される、すなわち、乳中に分泌される産物をコー
ドする遺伝子に由来する。より好ましくは、乳特異的シグナル配列は、以下に記
載される構成体において使用される乳特異的プロモーターに関連する。シグナル
配列のサイズは、重要ではない。必要なことは、配列が、例えば乳組織において
所望の組換えタンパク質を分泌するのに十分な大きさであることである。例えば
、カゼイン、例えばアルファ、ベータ、ガンマまたはカッパカゼインをコードす
る遺伝子からのシグナル配列は、ベータラクトグロブリン、乳漿酸性タンパク質
、およびラクトアルブミンを使用できる。好ましいシグナル配列は、ヤギβ−カ
ゼインシグナル配列である。
【0119】 他の分泌タンパク質、例えば腎細胞、膵細胞または肝細胞により分泌されるタ
ンパク質からのシグナル配列を使用してもよい。好ましくは、シグナル配列は、
例えば尿または血液中にタンパク質を分泌する。
【0120】 他の組織特異的プロモーター 特定の組織において発現を提供する他の組織特異的プロモーターを使用しても
よい。組織特異的プロモーターは、他よりも特定の組織において強く発現される
プロモーターである。組織特異的プロモーターはしばしば、特定の組織において
実質的に限定して発現される。例えば、変容タンパク質は通常肝臓で発現され、
肝臓−特異的プロモーターが使用される。これは、サプレッサーtRNAを使用して
血清アルブミンを変容させる場合のケースである。この場合において、サプレッ
サーtRNAをコードする遺伝子導入された配列は、肝臓−特異的プロモーターの調
節下にあってもよい。
【0121】 使用できる組織特異的プロモーターには、神経特異的プロモーター、例えばネ
スチン(nestin)、Wnt-1、Pax-1、エングレイルド-1、エングレイルド-2、ソニッ
クヘッジホッグ;肝臓特異的プロモーター、例えばアルブミン、アルファ−1ア
ンチトリプシン;筋肉特異的プロモーター、例えばミオゲニン、アクチン、MyoD
、ミオシン;卵母細胞特異的プロモーター、例えばZP1、ZP2、ZP3;精巣特異的
プロモーター、例えばプロタミン、ファーチリン(fertilin)、シナプトネマルコ
ンプレックスタンパク質−1;血液特異的プロモーター、例えばグロブリン、GA
TA-1、ポルホビリノーゲンデアミナーゼ;肺特異的プロモーター、例えば界面活
性タンパク質C;皮膚または毛特異的プロモーター、例えばケラチン、エラスチ
ン;内皮特異的プロモーター、例えばTie-1、Tie-2;および骨特異的プロモータ
ー、例えばBMPが含まれてもよい。
【0122】 さらに、一般的なプロモーターを、複数の組織での発現に使用してもよい。一
般的なプロモーターの例には、β−アクチン、ROSA−21、PGK、FOS、c-myc、Jun
-AおよびJun-Bが含まれる。
【0123】 インシュレーター配列 遺伝子導入された動物を産生するために使用されるDNA構成体には、少なくと
も1つのインシュレーター配列が含まれる。「インシュレーター」、「インシュ
レーター配列」および「インシュレーター要素」という用語は、ここで相互に交
換して使用される。インシュレーター要素は、作用の範囲内に位置する遺伝子の
転写を防護するが、消極的にも積極的にも遺伝子発現を変化させない調節要素で
ある。好ましくは、インシュレーター配列は、転写されるDNA配列のいずれかの
側で挿入される。例えば、インシュレーターは、関心のある遺伝子の3’端にお
いて、プロモーターから約200bpから約1kbまで、およびプロモーターから少なく
とも約1kbから5kbまでに位置してもよい。関心のあある遺伝子のプロモーターお
よび3’端からのインシュレーター配列の距離は、構成体において使用される関
心のある遺伝子、プロモーターおよびエンハンサーの相対的なサイズに依存して
、当業者により測定できる。さらに、1つ以上のインシュレーター配列が、プロ
モーターから5’にまたはトランスジーンの3’端に位置してもよい。例えば、2
つ以上のインシュレーター配列が、プロモーターから5’に位置してもよい。ト
ランスジーンの3’におけるインシュレーターは、関心のある遺伝子の3’端に、
または3’調節配列、例えば3’非翻訳領域(UTR)または3’フランキング配列の3
’端に位置してもよい。
【0124】 好ましいインシュレーターは、チキンβ−グロビン位置の5’端を含み、ここ
に引用される国際特許出願第94/23046号に記載されるチキン5’構成性過敏性部
位に一致する。
【0125】 DNA構成体 異種タンパク質をコードするカセットを、プロモーター、例えば乳上皮細胞の
ような特定の組織に対するプロモーター、例えばカゼインプロモーター、例えば
ヤギベータカゼインプロモーター、乳特異的配列、例えばカゼインシグナル配列
、例えばβ−カゼインシグナル配列、および異種タンパク質をコードするDNAを
含む構成体として組み合わせてもよい。
【0126】 構成体には、非分泌タンパク質をコードするDNA配列の下流の3’非翻訳領域が
含まれる。そのような領域は、発現系のRNA転写物を安定化させ、したがって発
現系からの所望のタンパク質の収率を増加させる。本発明において使用するため
の構成体において有用な3’非翻訳領域は、ポリAシグナルを提供する配列である
。そのような配列は、例えばSV40の小さいt抗原、カゼイン3’非翻訳領域または
当該技術においてよく知られる他の3’非翻訳配列に由来してもよい。ある態様
において、3’非翻訳領域は、乳特異的タンパク質に由来する。3’非翻訳領域の
長さは重要ではないが、ポリA転写物の安定化効果は、発現配列のRNAを安定させ
ることにおいて重要であると考えられる。
【0127】 随意に、構成体は、プロモーターとシグナル配列をコードするDNA配列との間
の5’非翻訳領域を含んでもよい。そのような非翻訳領域は、プロモーターが得
られる同じ調節領域、または異なる遺伝子に由来してもよい、例えば他の合成、
半合成または天然供給源に由来してもよい。また、特定の長さは重要ではないが
、発現のレベルの改良において有用であると考えられる。
【0128】 構成体には、好ましくは乳上皮細胞において発現される遺伝子のN末端コード
領域の約10%、20%、30%またはそれ以上が含まれてもよい。例えば、N末端コード
領域は、使用されるプロモーター、例えばヤギβ−カゼインN末端コード領域に
一致してもよい。
【0129】 構成体は、当該技術において知られる方法を使用して調製できる。構成体は、
より大きいプラスミドの一部として調製してもよい。そのような調製により、有
効な方法で正しい構造のクローニングおよび選択が可能となる。構成体は、所望
の哺乳動物中に組み込むために残存するプラスミド配列から容易に分離できるよ
うに、プラスミド上の都合のよい制限部位の間に位置してもよい。
【0130】 異種標的タンパク質 異種標的タンパク質をコードする遺伝子導入配列を、ヒト以外の哺乳動物の生
殖細胞系に導入してもよい、または上述のようにある細胞系に形質導入してもよ
い。
【0131】 タンパク質は、複合体または多量体タンパク質、例えばホモ−またはへテロ−
多量体、例えばホモ−またはへテロ−多量体、例えばホモ−またはへテロ−二量
体、三量体または四量体として天然に成長するタンパク質でもよい。タンパク質
は、N末端、C末端または内部の断片の除去、例えば開裂により処理されるタンパ
ク質でもよい。複合体タンパク質でも、活性形態で発現できる。哺乳動物、例え
ばウシまたはヤギのゲノム中に導入できる配列をコードするタンパク質には、血
清タンパク質、乳タンパク質、糖タンパク質または非糖タンパク質が含まれる。
タンパク質は、ヒトまたはヒト以外を起源としてもよい。異種タンパク質は、例
えば以下のような、潜在的な治療薬または薬剤でもよいが、それに限定されない
:アルファ−1プロテイナーゼ抑制因子、アルファ−1アンチトリプシン、アルカ
リ性ホスファターゼ、アンジオジェニン、アンチトロンビンIII、VIII、IX、お
よびX因子を含む任意の血液凝固因子、骨基質タンパク質(例えばBMP1−15)、
キチナーゼ、エリスロポエチン、細胞外スーパーオキシドジスムターゼ、フィブ
リノーゲン、グルコセレブロシダーゼ、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、ヒト
増殖因子、ヒト血清アルブミン、免疫グロブリン、インシュリン、ミエリン塩基
性タンパク質、プロインシュリン、プロラクチン、可溶性CD4またはそれらの成
分あるいは複合体、ラクトフェリン、ラクトグロブリン、リゾチーム、ラクトア
ルブミン、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、例えばTGF−β、組織プラスミ
ノーゲン活性化因子またはそれらの変異体。
【0132】 ヌクレオチド配列情報は、少なくとも1つ、およびしばしば複数の生体におい
て、上述される異種タンパク質をコードする遺伝子のいくつかに有用である。例
えば、ここに引用される、Long et al.(1984) Biochem. 23(21):4828-4837(ア
ルファ−1アンチトリプシン); Mitchell et al.(1986) Prot. Natl. Acad. Sc
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【0133】 多価結合ポリペプチド 多価結合ポリペプチド融合タンパク質を、融合タンパク質をコードする核酸分
子を使用する標準の組換えDNA技術により調製してもよい。融合タンパク質をコ
ードするヌクレオチド配列を、標準のDNA合成方法により合成してもよい。
【0134】不活性タンパク質が分泌される場合の測定方法 組織培養アッセイの使用 哺乳動物の組織培養一過性発現系を使用して不活性タンパク質を発現するよう
に、構成体を処理してもよい。例えば、遺伝子構成体を、pcDNAII1またはpCEP4
のようなベクター中にライゲーションしてもよい。標準の技術を使用してトラン
スフェクションを行い、上澄および細胞ペレットの代表的なサンプルを得てもよ
い。組織培養系は比較的に早いので、不活性タンパク質の特徴はすぐに測定でき
る。
【0135】 インビボアッセイ 不活性タンパク質が分泌され、その後活性タンパク質、例えばBMPが例えば組
織培養系を使用して得られることが確立されると、不活性タンパク質を発現する
構成体をヤギベータカゼインを含むような乳腺発現系のクローニング部位中に配
置することができる。これらの構成体を使用して、遺伝子導入されたマウスを産
生することができる。これにより、タンパク質の乳中への発現をテストできる。
さらに、乳腺および動物の健康を観察できる。
【0136】 発現レベルを測定する方法 ウェスタンブロット分析 上述のアッセイを使用して、ウェスタンブロットを使用する発現レベルのテス
トに十分な材料を得る。ウェスタンは、分泌される野生型タンパク質についての
シグナルを検出するのに十分感度が高くなければならない。発現のレベルが、例
えば10mg/Lの場合、アッセイにおけるタンパク質のレベルは10ng/μlである。そ
れぞれのウェル上で10μlで行う場合、ブロット上で100ngが見られる。
【0137】 さらに、活性分子に特異的なモノクローナルを使用して、活性タンパク質の発
現レベルを測定できる。そのような抗体を使用して、分泌タンパク質の相対的な
折りたたみ有効性を観察できる。活性タンパク質に特異的なモノクローナルを有
することは、活性タンパク質が不活性タンパク質の酵素的処理の後に得られるか
否かを測定するのに有用である。
【0138】 タンパク質の生物活性を測定する方法 発現されたタンパク質の生物活性は、以下の方法により観察できる。タンパク
質は不活性でありその後活性化され、タンパク質の生物活性のテストを行うこと
ができる。生物活性は、細胞に基づくアッセイでまたはインビボのモデルで測定
できる。
【0139】部位を修飾することによる不活性タンパク質の産生 タンパク質は、タンパク質の活性化に必要な部位、例えば開裂部位を修飾する
ことにより不活性形態で遺伝子導入により産生することができる。例えば、いく
つかのタンパク質は、活性形態でタンパク質を得るためにタンパク質のpreおよ
び/またはpro領域の開裂を必要とする。そのようなタンパク質は、分泌中の開
裂により活性化される分子のTGF−βファミリーを含む。そのような分子の開裂
部位は、開裂が分泌中に起こらないように修飾してもよい。例えば、KKRK開裂部
位がキモシン10アミノ酸認識配列と置換されるTGF−βを産生した。タンパク質
は切断されずに分泌され、その後キモシン酵素により試験管中で処理されて活性
化タンパク質を産生する。同様の実験を、プロインシュリンで行った。好ましく
は、すでに折りたたまれた分子に作用することができ、タンパク質の活性に従う
ことができる酵素開裂を使用する。
【0140】 BMP−2の活性化部位を修飾して、BMP−2の分泌中に開裂が起こらず、pro形態
で分泌されるようにしてもよい。正常な開裂部位を別の認識配列(例えば内因性
プロテアーゼにより開裂されない認識配列)のアミノ酸で置換することにより、
精製後にpro形態を開裂してもよい。BMP−2の活性化部位は、以下の配列:RKRLK
を有する。この配列を修飾して、BMP−2の分泌中に開裂されないが、通常特定の
組織または産物中で発現されないタンパク分解酵素を使用して分泌の後に開裂で
きる、異なる開裂部位を提供することができる。
【0141】 いくつかの外因性タンパク分解部位を試験して、不活性タンパク質を得ること
ができる。これらには、酸、臭化シアン、X因子、またはキモシンによる開裂部
位が含まれる。タンパク質配列を分析することにより、潜在的な部位が作製され
る。新しい開裂部位を有するBMPのような様々のタンパク質が構成され、組織培
養系によりそれらを使用することができる。さらに、タンパク質をテストして、
不活性pro形態で分泌されるか否かを測定できる。培養上澄および細胞ペレット
を、タンパク質のレベルについてテストできる。pro形態をテストして、生物学
的活性を有しないことを示すこともできる。
【0142】 不活性タンパク質が乳腺で発現される場合、乳が低レベルで血清タンパク質を
有するために、追加の開裂部位が血清プロテアーゼにより開裂されないことが好
ましい。
【0143】 好ましくは、追加の部位を、20より少ない、10、5、4、3、2、1の外因性アミ
ノ酸残基を含むまたは全く含まないように開裂する。例えば、N末端上に特別の
アミノ酸を有する活性BMPタンパク質が所望の場合、BMP配列だけが開裂後に存在
するように部位を作製しなければならない。
【0144】 開裂工程の成功は、ウェスタン分析により観察できる。好ましくは、活性BMP
のような活性化タンパク質を認識できる抗体を使用する。タンパク質が開裂され
た後、アッセイを生物活性について行うことができる。不活性化が生じないこと
を保証するために、全体の系を通して、野生型活性タンパク質を使用することが
重要である。また、未処理のタンパク質を活性についてテストすることもできる
。さらに、タンパク質がその後活性化される不活性のpro形態で組織培養中に分
泌される場合、マウスの乳組織中で構成体をテストしてもよい。タンパク質の活
性化は、マウスおよびヤギの乳と混合したときにテストする。
【0145】 遺伝子導入されたマウスを使用して、pro形態のタンパク質を分泌する能力を
テストすることができる。例えば、修飾されたBMP−2 DNAは、ヤギベータカゼイ
ン発現ベクター中にライゲーションすることができる。DNAを使用して、乳中で
タンパク質を産生する遺伝子導入されたマウスを産生することができる。さらに
、野生型BMP−2を発現する対照マウスを使用してもよい。乳を代表的な系から得
て、ノザン分析について生検を行ってもよい。乳および組織サンプルを、ウェス
タン分析によりBMP−2タンパク質の発現についてテストしてもよい。特に、乳中
の活性タンパク質の産生を、適切な開裂酵素を使用してテストしてもよい。活性
化は、組織培養発現実験についてと同様に観察できる。
【0146】 活性形態の乳腺中のBMP−2の産生における初期の試みは、乳腺の成長を抑制す
ることになった。したがって、天然型並びに新しい形態のタンパク質を産生する
レベルおよび効果は、乳組織における効果について観察できる。
【0147】タンパク質および結合タンパク質の共発現による不活性タンパク質の産生 タンパク質を、該タンパク質に結合し不活性化する結合タンパク質と共発現す
ることにより、不活性形態で遺伝子導入により産生できる。例えば、タンパク質
および結合タンパク質は、レセプターおよびリガンド、またはいずれかの断片で
もよい。結合タンパク質は、抗体でもよい。
【0148】 ある態様において、タンパク質は、結合タンパク質との融合タンパク質として
発現されてもよい。例えば、BMPタンパク質は、それ自身のレセプターとの融合
タンパク質として発現されてもよい。レセプターがBMPに結合すると、乳腺また
は動物中におけるレセプターとの相互作用が抑制されるということが仮定される
。レセプターは、開裂リンカーによりBMPに結合されてもよい。不活性の形態が
産生される場合、リンカーが開裂され、レセプターおよびBMPを解離することに
よりBMP分子が活性化される。ある態様において、開裂リンカーは、遺伝子導入
された動物からの組織または産物中で天然に発生する内因性プロセシング酵素に
より認識されないが、不活性ポリペプチドを投与された被験者中のプロセシング
酵素により認識される。したがって、被験者中に存在するプロセシング酵素が、
ポリペプチドから結合ポリペプチドを開裂し、それにより標的ポリペプチドを活
性化するように、不活性ポリペプチドを被験者、例えばヒトに投与してもよい。
【0149】 結合タンパク質/タンパク質融合を、例えばCOS細胞中で発現についてテスト
してもよい。発現は、タンパク質または結合タンパク質、例えばBMPまたはその
レセプターに指示されたモノクローナル抗体による分析によってテストできる。
融合タンパク質を活性についてテストしてもよい。
【0150】 さらに、活性BMPのような活性タンパク質を得るために、融合タンパク質を適
切な酵素により開裂し、開裂をウェスタンブロットにより観察してもよい。発現
は、プロテアーゼにより開裂されるまで融合タンパク質が不活性であるというも
のである。
【0151】 タンパク質および結合タンパク質を含む融合タンパク質を、乳中の発現につい
てテストしてもよい。融合構成体は、例えばベータカゼイン発現ベクター中にラ
イゲーションしてもよい。その後、ベクターを使用して遺伝子導入されたマウス
を産生する。これらのマウスを、タンパク質を発現する能力についてテストして
もよい。さらに、動物を乳腺におけるタンパク質の効果および一般の動物につい
てテストしてもよい。
【0152】 タンパク質に結合し不活性化することができる抗体とともにタンパク質を発現
することもできる。例えば、BMPおよびBMPに対する抗体を使用して、不活性BMP
を産生できる。関心のある抗体を、BMPのようなタンパク質とともにCOS細胞中で
発現してもよい。その後BMP活性における抗体の効果を観察する。
【0153】 例えばタンパク質/抗体複合体の抗体部分が選択的に結合するプロテインAを
使用する抗体による発現の後に、活性BMPのような活性タンパク質を得ることが
できる。
【0154】 結合タンパク質はさらに、結合タンパク質に外因性の少なくとも一つのアミノ
酸を含んでもよい。例えば、BMPレセプターはさらに、結合タンパク質および/
または結合タンパク質/タンパク質複合体の精製に有用な外因性アミノ酸配列を
含んでもよい。例えば、追加のアミノ酸配列を使用して、6X HISリガンド、セル
ロース結合領域リガンド、またはマルトース結合領域リガンドのような予め選択
されたリガンドに結合することができる。
【0155】 様々の結合タンパク質を、タンパク質に結合し抑制する能力についてテストし
てもよい。
【0156】 ここに引用されるすべての特許および参考文献は、完全に引用される。たの実
施の形態は特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 標的分子および多価結合ポリペプチドが異なる供給源に由来する実施の形態を
示す図
【図2】 標的分子および多価結合ポリペプチドが同じ供給源に由来する実施の形態を示
す図
【図3】 標的分子の除去可能なエピトープが、マトリクスも結合する第2の多価結合ポ
リペプチドの触媒成分により除去される実施の形態を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 フルトン,スコット ピー アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02451 ウォルサム プレンティス スト リート 72 (72)発明者 エシェラード,ヤン アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02131 ジャマイカ プレイン モス ヒ ル ロード 248 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 BA61 BA80 CA02 DA02 GA11 HA03 4H045 AA20 CA43 DA75 EA20 FA74 GA20

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合可能なエピトープを有する標的ポリペプチドを精製する
    遺伝子導入系において、 乳上皮細胞中で発現を指示するプロモーターの調節下で多価結合ポリペプチド
    をコードする核酸をゲノム中に有する遺伝子導入された動物であって、該多価結
    合ポリペプチドが、前記標的ポリペプチドの結合可能なエピトープに特異的に結
    合する第1の結合成分およびマトリクスに特異的に結合する第2の結合成分を有す
    ることにより、そのような遺伝子導入による多価結合ポリペプチドが遺伝子導入
    された動物の乳中で高レベルで発現される動物;および 前記多価結合ポリペプチドの第2の結合成分が特異的に結合するマトリクス、
    を含むことを特徴とする系。
  2. 【請求項2】 前記標的ポリペプチドの結合可能なエピトープが、除去可能
    であることを特徴とする請求項1記載の系。
  3. 【請求項3】 前記多価結合ポリペプチドの結合成分が、前記結合可能なエ
    ピトープを除去することを特徴とする請求項2記載の系。
  4. 【請求項4】 前記系がさらに、 第1の触媒領域およびマトリクスに特異的に結合する第2の結合成分を含む第2
    の遺伝子導入による多価結合ポリペプチドであって、該触媒領域が前記標的ポリ
    ペプチドの結合可能なエピトープを除去することができるポリペプチド;および 前記第2の遺伝子導入による多価結合ポリペプチドの第2の結合成分に特異的に
    結合する第2のマトリクスであって、前記第1の遺伝子導入による多価結合ポリペ
    プチドの第2の結合成分により特異的に結合されるマトリクスとは異なるマトリ
    クス、 を含むことを特徴とする請求項2記載の系。
  5. 【請求項5】 産物から結合可能なエピトープを有する標的ポリペプチドを
    得る方法において、 結合可能なエピトープを有する標的ポリペプチドを含む産物を遺伝子導入によ
    る多価結合ポリペプチドと接触させる工程;ここで、該多価結合ポリペプチドが
    、前記標的ポリペプチドの結合可能なエピトープに特異的に結合する第1の結合
    成分およびマトリクスに特異的に結合する第2の結合成分を有することにより反
    応混合物を提供する、 該反応混合物を、前記多価結合ポリペプチドの第2の結合成分に特異的に結合
    するマトリクスと接触させる工程、 前記マトリクスに結合しない反応混合物を除去することにより標的ポリペプチ
    ドを得る工程、 を含むことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 さらに前記標的ポリペプチドを前記マトリクスから溶出する
    工程を含むことを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記産物が乳であることを特徴とする請求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記標的ポリペプチドが抗体であることを特徴とする請求項
    5記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記遺伝子導入による多価結合ポリペプチドが、プロテイン
    Lまたはその断片であることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記遺伝子導入による多価結合ポリペプチドの第2の結合
    成分が、セルロース結合領域(CBD)またはその断片であることを特徴とする請求
    項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 結合可能なエピトープを有する標的ポリペプチド得るため
    の多様な動物の遺伝子導入系において、該系が、 乳上皮細胞中で発現を指示するプロモーターの調節下で多価結合ポリペプチド
    をコードする核酸をゲノム中に有する第1の遺伝子導入された動物であって、該
    多価結合ポリペプチドが、前記標的ポリペプチドの結合可能なエピトープに特異
    的に結合する第1の結合成分およびマトリクスに特異的に結合する第2の結合成分
    を有することにより、そのような遺伝子導入による多価結合ポリペプチドが遺伝
    子導入された動物の乳中で高レベルで発現される動物; 乳上皮細胞中で発現を指示するプロモーターの調節下で標的ポリペプチドをコ
    ードする核酸をゲノム中に有する第2の遺伝子導入された動物;および 前記多価結合ポリペプチドの第2の結合成分が特異的に結合するマトリクス、
    を含むことを特徴とする系。
  12. 【請求項12】 乳からの結合可能なエピトープを有する標的ポリペプチド
    を得る方法であって、 結合可能なエピトープを有する標的ポリペプチドを含む乳を遺伝子導入による
    多価結合ポリペプチドと接触させる工程;ここで、該多価結合ポリペプチドが、
    前記標的ポリペプチドの結合可能なエピトープに特異的に結合する第1の結合成
    分およびマトリクスに特異的に結合する第2の結合成分を有することにより反応
    混合物を提供する、 該反応混合物を前記多価結合ポリペプチドの第2の結合成分に特異的に結合す
    るマトリクスと接触させる工程、 前記マトリクスに結合しない反応混合物を除去することにより標的ポリペプチ
    ドを得る工程、 を含むことを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 さらに前記標的ポリペプチドを前記マトリクスから溶出す
    る工程を含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記標的ポリペプチドが、遺伝子導入により産生されたポ
    リペプチドであることを特徴とする請求項12記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記遺伝子導入による多価結合ポリペプチドが、別の遺伝
    子導入された動物からの乳中に存在することを特徴とする請求項12記載の方法
  16. 【請求項16】 乳上皮細胞中で発現を指示するプロモーターの調節下で結
    合可能なエピトープを有する標的ポリペプチドをコードする核酸、および乳上皮
    細胞中で発現を指示するプロモーターの調節下で多価結合ポリペプチドをコード
    する核酸をゲノム中に有する遺伝子導入された動物であって、前記多価結合ポリ
    ペプチドが、標的ポリペプチドの結合可能なエピトープに特異的に結合する第1
    の結合成分およびマトリクスに結合する第2の結合成分を含むことを特徴とする
    動物。
  17. 【請求項17】 結合可能なエピトープを有する標的ポリペプチドを得る方
    法であって、 請求項16記載の遺伝子導入された動物から乳を提供し、 該乳を前記多価結合ポリペプチドの第2の結合成分に特異的に結合するマトリ
    クスと接触させ、 該マトリクスに結合しない乳の任意の部分を除去することにより標的ポリペプ
    チドを得る、 各工程を含むことを特徴とする方法。
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