JP2003509710A - 交通道路網におけるオブジェクトを符号化および復号化する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ここに記載されているのは、交通道路網におけるオブジェクトを符号化および復号化する方法であって、ここではこのオブジェクトについて情報を各送信機から受信機に伝送し、このオブジェクトの符号化および復号化のために送信機および受信機において別個のデータベース、例えば交通道路網のディジタル地図を利用することができる。ここではオブジェクトは、少なくとも１つずつの座標チェーンを備えており、この座標チェーンは、少なくとも部分的に、受信機のデータベースにも含まれている交通道路上にあり、かつこの交通道路網の部分の特徴的な特異性を含む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、交通道路網におけるオブジェクトを符号化する方法および復号化す
る方法に関し、ここでこのオブジェクトについて情報を各送信機から受信機に伝
送し、このオブジェクトの符号化および復号化のために送信機および受信機にお
いて別個のデータベース、例えば交通道路網のディジタル地図を利用可能である
。

【０００２】 ポイントに関連する情報、例えば交通情報を伝送するために種々の方法が公知
である。例えばＴＭＣ（traffic message channel）では、ポイントがポイント
コード（Ortcode）に基づいて伝送される。このポイントの地理上の位置、ひい
ては情報の位置的な対応付けもいわゆる受信機におけるポイントデータベースに
よってはじめて可能になる。ナビゲーションのためにはディジタル道路地図が使
用され、ここでは個々のポイントおよび別のオブジェクトが、その地理上の位置
により、また道路のつながり方によって特徴付けられる。したがって適切なデー
タベースを含む受信機に、ポイントに関連する任意の情報を伝送するために、符
号化（基準化とも称される）が地理上のコンテキストを用いて行われることがま
すます多くなって来ているのである。この基準化は、地理上のデータの提示にと
どまらない。それはこのようなデータは曖昧さを取り除けないできないからであ
る（例えば道路が橋の下にあるかまたは上にあるか）。さらにデータベース間の
偏差、例えば種々異なる作成者によるデータベース間の偏差がある可能性がある
。

【０００３】 ＤＥ１９８３５０５１．１からポイントを符号化および復号化する装置が公知
である。ここでは符号は、取り決め部分と、符号化されたポイント毎のすべての
座標部分とから構成され、この座標部分には複数の座標対が含まれる。座標対に
よって、符合化されたポイントの、送信側に記憶された座標が表され、また少な
くとも１つの別の座標対によって、少なくとも１つの補助点が表される。また取
り決め部分には、座標部分に含まれる座標対の少なくとも個数が含まれる。しか
しながらこの装置によって容易に行えないのは、受信側のデータベースにない、
または同じ形式でない、例えば座標が偏差するオブジェクトを符号化および復号
化することである。

【０００４】 本発明の課題は、受信機側のデータベースにないオブジェクトを符号化および
復号化することであり、および／または複数のデータベースの地理上のデータの
間に違いがある場合にオブジェクトを符号化および復号化することである。

【０００５】 この課題は、本発明の符号化方法によって解決され、ここではオブジェクトは
、少なくとも１つずつの座標チェーンを備えており、ここでこの座標チェーンは
、少なくとも部分的に、受信機のデータベースにも含まれている交通道路上にあ
り、かつ交通道路網の部分の特徴的な特異性を有している。ここでこの特徴的な
特異性は、この道路の特徴的な経過、例えば、カーブおよび交差点、分岐点およ
び／またはカーブからなる際立った列、またはオブジェクトとすることができ、
ここでこれらは、使用されるいずれのデータベースにおいても同様に基準化され
て格納されている。

【０００６】 本発明の方法は、例えば、受信機のデータベースにおいて存在が期待されない
オブジェクトについて情報を伝達するために使用可能である。このようなオブジ
ェクトは、例えば、新たに設けられたパーキングビル（すなわち点状のオブジェ
クト）とすることができ、またこれは進入路と共に座標チェーンを形成すること
ができる。例えば、新たに開通したバイパスも本発明の方法によって伝送して、
受信機のデータベースに挿入することができる。ここでこのオブジェクトに関連
する情報は例えば、絶対座標または相対座標および名称、例えばテキスト、画像
、サウンドデータ、ビデオデータまたはインターネットアドレスなどの別の情報
、または例えば走行方向（一方通行路）、本通り／枝道、交通制限などのナビゲ
ーションシステム属性であるポイントデータとすることができる。

【０００７】 本発明の方法による情報の伝送は、任意の媒体、例えば無線またはエアインタ
フェース（ＧＳＭ，Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ，ＷＡＰ）または光学式媒体を介して行
うことができる。情報は、データ担体を介して交換することも可能である。さら
に伝送は、種々のネットワーク（ＩＳＤＮ，インターネット）を介して行うこと
ができる。

【０００８】 オブジェクトを伝送するフォーマットは、例えばつぎのようにすることができ
る。すなわち、オブジェクトの名前、第１の点の座標、第２の座標等、またはオ
ブジェクトの名前、第１の点の座標、第２の点に対する座標の差分、第３の点に
対する座標の差分等とすることができる。このようなフォーマットの枠内では、
あらかじめ定めたカーブ区間も伝送可能である。

【０００９】 本発明の方法を実施する際には座標として、通例は平面内の座標（地理的な座
標、ｘ／ｙ）で十分である。しかしながら本発明の枠内では、高さ（ｚ）を伝送
および別の処理に組み入れることも可能である。

【００１０】 すでに挙げた適用、すなわち受信機のデータベースに含まれていないかまたは
同じ形式でないオブジェクトを伝送するための適用の他に、別の適用もある。例
えばつぎにようなものについての情報を伝送することができる。すなわち、例え
ば渋滞のためにポイントを回避すべきこと、またはポイントの属性が変更される
こと、例えば、渋滞した区間において走行速度をルート計算の前に設定すること
についての情報を伝送することができる。さらに受信機のデータベースにおいて
付加的な区間、いわゆる要求による迂回（Bedarfsumleitung）をディジタル地図
に入力することができる。また属性をディジタル地図に追加するかまたは変更す
ることも可能であり、これは、例えば道路名称、給油所の営業時間および観光用
または他の関心のあるオブジェクト（ＰＯＩ＝point of interest）である。

【００１１】 本発明の方法をつぎのようなことに利用することも可能である。すなわち別個
の２つのディジタル地図が、比較に有利な共通のオブジェクトを有する場合に、
これらを相互に結びつけるために利用することができる。この際に送信機と受信
機とは互いに別である必要はない。本発明の意味での送信機として、例えば、交
換可能なデータ担体に比較的大まかなディジタル地図を有するナビゲーション装
置を使用することができ、これに対して受信機は、例えば詳細化されたディジタ
ル地図を有する同じナビゲーション装置である。

【００１２】 ナビゲーション装置のユーザが、例えば大都市に向かって走行し、その際には
この大都市のうちの最も重要な横断道路だけが含まれているディジタル地図を有
するＣＤ−ＲＯＭが利用される。目的地に向かって枝道に案内するため、ユーザ
は、このＣＤ−ＲＯＭを詳細化された地図のＣＤ−ＲＯＭに取り替えることがで
きる。この操作の際に現在地がこの地図に示されていなければ、横断道路の一部
を有する、現在位置を含む座標チェーンが形成され、これにより現在位置と、詳
細化された地図の領域までの経路とがこれに付加的に入力される。

【００１３】 この交通道路網の該当する部分の構成に応じて、一義性を得るために受信機に
おいて必要な座標チェーンを種々に構成することができる。できる限り最適な特
徴、例えばできる限り少ない座標対を得るため、本発明の方法の発展形態におい
て提案されるのは、求めた座標チェーンを、送信機のデータベースの交通道路と
比較しかつ曖昧さが生じた際には変更し、および／または別の座標対分、延長す
ることである。

【００１４】 いずれにせよ受信機側のデータベースに設けられていない座標チェーンの部分
を不要に検索することを回避するため、別の発展形態では、少なくとも１つの座
標チェーンの複数の部分、すなわちこれらの部分のうちで受信機のデータベース
の相応するものがあると期待される部分を特別に際立たせる。

【００１５】 本発明の方法にしたがって符号化されているオブジェクトの復号化の有利な方
法では、オブジェクトと共に受信された座標チェーンと、受信機のデータベース
とを比較して、類似性が存在する際には少なくとも１つの座標チェーンを、交通
道路網の類似部分に対応付け、この対応付けられた部分の幾何学的な位置に相応
して、この少なくとも１つの座標チェーンの対応付けられていない部分と、受信
機のデータベースの交通道路とを結びつける。

【００１６】 これによりこの受信機は、そのデータベースにないポイントについての情報も
復号化することができ、かつ有利な形態で、例えばディスプレイに出力したり、
または音声出力することができる。

【００１７】 復号化された情報の別の利用においては、伝送されたオブジェクトと、このオ
ブジェクトにつながっている、少なくとも１つの座標チェーンの部分とを受信機
のデータベースまたは別のデータベースに入力することができ、ここでこの部分
は、受信機のデータベースに記憶された交通道路網上にはない部分である。

【００１８】 座標チェーンと、受信機側のデータべースに記憶されている交通道路との比較
を実現するために有利には、比較のためにパターン認識（マップマッチング）の
手法を適用する。

【００１９】 本発明の実施例を、図面の複数の図に基づいて示し、以下に詳しく説明する。
ここで、 図１は、道路地図の一部分を示しており、 図２は、受信機におけるディジタル道路地図の一部分を示しており、 図３は、本発明の符号化のために形成された座標チェーンを示しており、 図４は、本発明の符号化のために形成された別の座標チェーンを示しており、 図５は、図２のディジタル道路地図にマッピングされた、図３の座標チェーン
を示しており、 図６は、図２のディジタル道路地図にマッピングされた、図４の座標チェーン
を示しており、 図７は、本発明による方法の別の適用例を概略的に示しており、 図８は、本発明にしたがって情報を伝送する装置のブロック回路図を示してい
る。

【００２０】 図１に示した道路地図の一部分には、複数の通り１，２，３，４を有する実際
の状況が示されている。通り２からは、新たに設けられたパーキングビルの進入
路５が分岐している。

【００２１】 ポイントに関連する通報を復号化するために受信機に設けられた図２の道路地
図には、個々のポイントの間を結ぶ線の形態で通りが含まれており、ここでこの
ポイントは、その座標と、場合によっては名称またはコード番号とによって決定
され、またこれらのポイントは、例えば、単純な道路の点７、交差点８、分岐点
９または別のオブジェクト、例えば関心の対象である建造物などである。

【００２２】 送信機からパーキングビルディング６（図１）に関連するメッセージを伝送し
たい場合、図２のデータベースを備える受信機は、このメッセージを復号化する
ことができない。すなわちこのパーキングビルディングを空間的に対応付けるこ
とができない。これを本発明の方法によって可能にするため、送信機側において
、パーキングビルディング６まで導き入れる図３および４に示した座標チェーン
１０，１１を形成する。

【００２３】 伝送の後、この座標チェーンと、受信機のデータベースにある交通道路網とが
比較される（マップマッチング）。ここでは交通道路網全体、例えばドイツの交
通道路網全体との比較は不要であり、それは前提によって、このデータベースに
使用される座標データはほぼ一致するからである。このマップマッチングによっ
て、この座標チェーンに所属する点の座標がシフトされ、これにより受信機側の
交通道路網に相応するものを有する点が、この交通道路網上にあるようにされる
。座標チェーンの点１２は、受信機側の交通情報網上にない。しかしながらこれ
は補足することができ、これによってこれが例えばこのデータベースそれ自体ま
たは補足のために専用に設けられた別のデータベースにあるようにされる。

【００２４】 すでに述べたように本発明の発展形態では、交通道路（通り）上にあることが
期待される、座標チェーン１０，１１の点は、特別に際立たさせることができる
。これによって受信機側のデータベースにおける検索過程は簡単化ないしは加速
される。それは、場合によっては点１２が交通道路上にあるか否か、および場合
によってはこれが特徴的な特異性を有するか否かの検索がこの場合に不要だから
である。

【００２５】 図５および図６、すでに一致が行われれた座標チェーンを有する受信機側のデ
ータベースの関する部分を示している。したがって受信機側のデータベースには
、目的地案内に有利な情報、すなわちパーキングビルディング６への入口は、通
り１のどこから分岐しているか、およびパーキングビルディング６への進入路５
のどのように続いているかについての情報が存在する。例えば受信機側のデータ
ベースに通り４（図４）が存在しない場合、座標チェーンの相応する点１９の入
力は有利でないことが多い。したがって本発明の方法では有利には、オブジェク
ト６に接続されておりかつ受信機側のデータベースにない点１２だけがこのデー
タベースに入力されるようにする。

【００２６】 図７に示した実施例では渋滞通報が伝送されるべきであり、これは通り１４の
渋滞１３に関連しており、この渋滞は１５から１６まで延びている。受信機側の
データベースにポイント１５および１６は含まれていないが通り１４および別の
通り１７が含まれている場合、通り１４の一部と、通り１７の一部とにわたって
伸びる座標チェーンが送信側において形成される。道路網の考察に入れるべきこ
の区間には、このように相互に角度をなしかつ通り１４および１７とほぼ同じ地
理上の方向を有する道路区間は存在しない。したがって受信機によって、図７に
示したような座標チェーン１８が通り１４および１７の交差領域に対応付けられ
、これにより点１５および１６もそれぞれ渋滞開始および渋滞終了として決定さ
れ、これを復号化することができる。

【００２７】 図８に示した装置は、送信機２１と、伝送システム２２と、受信機２３とから
なる。送信すべきオブジェクトは、符号化器２１１において本発明の方法により
符号化され、ここではオブジェクト２１それ自体も、座標チェーンの導出に必要
な、交通道路も共にデータベース２１２から取り出される。符号化器２１１によ
って、このオブジェクトと座標チェーンとが伝送システム２２に転送される。受
信機２３では復号化器２３１によって、このオブジェクトと座標チェーンとが受
け取られる。この復号化器によって、座標チェーンと、データベース２３２の交
通道路とが比較される。復号化器２３１によってデータベース２３２に、この座
標チェーンに極めて類似しているまたは同じ交通道路網の一部が見つかった場合
、このオブジェクトは復号化され、ないしは位置的に基準化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 道路地図の一部分を示す図である。

【図２】 受信機におけるディジタル道路地図の一部分を示す図である。

【図３】 本発明の符号化のために形成された座標チェーンを示す図である。

【図４】 本発明の符号化のために形成された別の座標チェーンを示す図である。

【図５】 図２のディジタル道路地図にマッピングされた、図３の座標チェーンを示す図
である。

【図６】 図２のディジタル道路地図にマッピングされた、図４の座標チェーンを示す図
である。

【図７】 本発明による方法の別の適用例を概略的に示す図である。

【図８】 本発明にしたがって情報を伝送する装置のブロック回路図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＪＰ，Ｕ Ｓ (72)発明者 ウルリヒ カースケン ドイツ連邦共和国 ディークホルツェン シュヴァルツェ ハイデ 13 Ｆターム(参考） 2C032 HB03 HB25 HC05 HC30 HC32 HD30 2F029 AA02 AC02 AC14 AC16 5H180 AA01 BB02 BB04 BB05 BB13 FF03 FF11 FF21

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 交通道路網におけるオブジェクトを符号化する方法であって
   、 該オブジェクトについて情報を各送信機から受信機に伝送し、当該オブジェク
   トの符号化および復号化のために送信機および受信機にて別個のデータベース、
   例えば交通道路網のディジタル地図を利用することができる形式の、交通道路網
   におけるオブジェクトと符号化する方法において、 前記オブジェクトは、少なくとも１つずつの座標チェーンを備えており、 該座標チェーンは、少なくとも部分的に、受信機のデータベースにも含まれて
   いる交通道路上にあり、かつ当該交通道路網の部分の特徴的な特異性を含むこと
   を特徴とする、 交通道路網におけるオブジェクトと符号化する方法。
2. 【請求項２】 前記の特徴的な特異性を特徴付ける、当該道路の経過、例え
   ば、カーブと、交差点、分岐点および／またはカーブからなる際立った列とであ
   る、 請求項１に記載の方法。
3. 【請求項３】 前記の特徴的な特異性はオブジェクトであり、 該オブジェクトは、使用されるどのデータベースでも同様に基準化されて格納
   されている、 請求項１に記載の方法。
4. 【請求項４】 求めた座標チェーンを、送信機のデータベースの交通道路と
   比較し、かつ曖昧さが生じた際には変更し、および／または別の座標対分、延長
   する、 請求項１から３までのいずれか１項に記載の方法。
5. 【請求項５】 少なくとも１つの座標チェーンの複数の部分のうちで受信機
   のデータベースの相応するものが期待される部分を殊に際立たせる、 請求項１から４までのいずれか１項に記載の方法。
6. 【請求項６】 オブジェクトを受信機にて復号化する方法において、 該オブジェクトと共に受信した座標チェーンと、受信機のデータベースとを比
   較し、 類似性が存在する際には少なくとも１つの座標チェーンを、交通道路網の類似
   部分に対応付け、 当該対応付けられた部分の幾何学的な位置に相応して、前記の少なくとも１つ
   の座標チェーンの対応付けられていない部分と、受信機のデータベースの交通道
   路とを結び付けることを特徴とする、 請求項１から５までのいずれか１項の方法にしたがって符号されているオブジ
   ェクトを受信機にて復号化する方法。
7. 【請求項７】 前記の伝送されたオブジェクトと、当該オブジェクトにつな
   がっている、少なくとも１つの座標チェーンの部分とを受信機のデータベースに
   入力し、ここで前記座標チェーンは、受信機のデータベースに記憶されている交
   通道路上にない、 請求項６に記載の方法。
8. 【請求項８】 前記の伝送されたオブジェクトと、当該オブジェクトにつな
   がっている、少なくとも１つの座標チェーンの部分とを受信機の別のデータベー
   スに入力し、ここで前記座標チェーンは、受信機のデータベースに記憶されてい
   る交通道路上にない、 請求項６または７に記載の方法。
9. 【請求項９】 前記の比較のためにパターン認識（マップマッチング）の手
   法を適用する、 請求項６から８までのいずれか１項に記載の方法。
10. 【請求項１０】 前記座標チェーンは、平面における座標以外に高さについ
    ての座標を有する、 請求項１から９までのいずれか１項に記載の方法。