JP2003509067A - トリメチルアミンn−オキシドレダクターゼをコードする遺伝子に由来するヌクレオチド配列、および特に細菌検出のためのその使用 - Google Patents

トリメチルアミンn−オキシドレダクターゼをコードする遺伝子に由来するヌクレオチド配列、および特に細菌検出のためのその使用

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JP2003509067A JP2001523801A JP2001523801A JP2003509067A JP 2003509067 A JP2003509067 A JP 2003509067A JP 2001523801 A JP2001523801 A JP 2001523801A JP 2001523801 A JP2001523801 A JP 2001523801A JP 2003509067 A JP2003509067 A JP 2003509067A
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ジョルダーノ,ジェラール
ドス・サントス,ジャン−フィリップ
メジョン,ヴァンサン
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、細菌を有する疑いのある宿主における、水生動物の肉の腐敗プロセスに関与するすべての細菌の存在を検出する方法を実施するための、細菌中のトリメチルアミンN−オキシドレダクターゼ(TMAOレダクターゼ)系のタンパク質をコードする配列またはこの配列の断片もしくはこの配列に由来する配列を含む配列から選択されたヌクレオチド配列の使用に関する。本発明は、上記ヌクレオチド配列、上記検出方法及び上記方法を実施するためのキットにも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、トリメチルアミンN−オキシドレダクターゼ(TMAOレダクター
ゼ)をコードする遺伝子に由来するヌクレオチド配列と、水中動物、特に詳細に
は海洋動物の肉の損傷に関与する細菌を検出する方法を実施するために、特にプ
ライマーとして使用可能なヌクレオチド配列に関する。
【0002】 トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)は、海洋動物の低分子量の主要な
構成要素のひとつであり、乾燥重量でその最大1%に対応することがある。嫌気
性条件では、ある細菌はTMAOを呼吸のための外因性電子受容体として使用す
る。このときTMAOは、腐敗しかけている魚のひどい悪臭の原因の大半を占め
る揮発性の高い化合物、トリエチルアミン(TMA)に還元される。TMAOか
らTMAへの還元は、汽水中で分離された光合成細菌のシーワネラ( Shewanell
a)属、フォトバクテリウム(Photobacterium )属または ビブリオ(Vibrio)
属(1、2)、ロードバクター(Rhodobacter)属(3)などの海洋細菌で証明
されているが、エシェリシア・コリ(Escherichia coli)、サルモネラ・ティフ
ィムリウム(Salmonella typhimurium) または プロテウス・ブルガリス(Prot
eus vulgaris)(4)などの複数の腸内細菌でも証明されている。
【0003】 TMAOからTMAへの還元の原因である酵素は、トリメチルアミンN−オキ
シドレダクターゼ(TMAOレダクターゼ)であり、その特性は各種の生物で調
べられている。たとえば E. coliでは、TMAO還元の原因である2種類の別個
の酵素:TMAOレダクターゼおよびDMSOレダクターゼがある。TMAOレ
ダクターゼは、TMAO還元の90%以上の原因であり、モノマーまたはダイマ
ー形で生じる90kDaの周辺質モリブデン酵素である(5)。調査された各種の
細菌のTMAOレダクターゼはすべて、モノマー、ダイマーまたはテトラマーと
して生じる80〜100kDaのモリブデン酵素である。このタンパク質はすべて
TMAOの嫌気生活によって誘起できるが、DMSO(ジメチルスルホキシド)
によっても誘起できる。最後に、TMAOは P. vulgarisを除き、細菌の周辺質
にすべて局在している。
【0004】 TMAOレダクターゼ系は、腸内細菌 E. ColiおよびRhodobacter属において
遺伝子および分子レベルで調査されている。Rhodobacter属の細菌のTMAO/
DMSOレダクターゼおよびE. coliの誘導性TMAOレダクターゼは、その一
次配列のレベルで相同性を示す(6、7、8)。E. coliのTMAOレダクター
ゼの全体の構造は、ロードバクター・スファロイドス(Rhodobacter sphaeroide
s)またはロードバクター・カプスラトス(Rhodobacter capsulatus)について
述べられているものと同様である。E. coliにおいて、TMAOレダクターゼ系
の各種成分をコードする遺伝子は、オペロン:3種類のタンパク質TorC、T
orDおよびTorAをコードするtorCADオペロンとして構成される(6
)。Rhodobacterにおいて、TMAO/DMSOレダクターゼ系の各種成分をコ
ードする遺伝子もオペロン:E. coliのタンパク質TorC、TorDおよびT
orAとそれぞれ相同性を有する、3種類のタンパク質DorC、DorD(D
orBとも呼ばれる)およびDorAをコードするdorCDAオペロンとして
構成される(9、10)。
【0005】 マルセイユ湾で捕獲された魚より分離され、濾過した海水中で室温にて保存さ
れた細菌に対して、rDNA 16Sの配列決定による系統学的研究を実施した
。得られた結果は、かなりのTMAOレダクターゼ活性を持つこの細菌が、Shew
anella putrefaciens に近い、Shewanella属の新種に対応することを示している
。これは Shewanella massilia と名付けられている。TorEタンパク質は別
として、S. massilia のtorECADオペロンの遺伝子の生成物は、E. coli
おおび Rhodobacter属の細菌のTMAOレダクターゼ系に関与するタンパク質と
強い相同性を持つ(19)。さらに、S. massiliaのTMAOレダクターゼの全
体構造は、Rhodobacter属の細菌のTMAO/DMSOレダクターゼについてす
でに述べられた構造との相同性を示している(20)。
【0006】 魚肉の腐敗は大半の食品と同様に、実質的に、製品1グラム当たり最大108
細胞に相当する、ある細菌の代謝活性による。魚肉において死後最初に発生する
変化は、必ずしも細菌によるものではなく、自己分解のある反応による。しかし
、魚の筋肉組織が細菌増殖の基質となるため、微生物の成長が非常に迅速に腐敗
の主要な要素を構成するようになる。魚肉に固有の複数の要因によって、他の食
品と比べた場合の腐敗し易さを説明することができる:相当の水和作用、高い死
後pH(>6)、大半がTMAOである、高い含有量の非タンパク質窒素含有物
質、および低い含有量の構造性タンパク質(11、12)。これら各種の特徴は
、魚肉に特有の分解系微生物フローラの拡大に寄与する。興味深いことに、魚種
の多様性は、魚に最初に存在する細菌の性質または数に影響しないように思われ
る。これに対して、魚の細菌ミクロフローラは、それが展開する自然環境に直接
関係しているように見える。それゆえ、温度、塩分または溶存酸素濃度に実質的
に依存する水の汚染が、決定的な役割を果たすように思われる。魚肉に見られる
細菌は、生きている魚のミクロフローラから単に発生するわけではない:汚染性
細菌は特に冷凍手順(氷、魚用容器、処理工程など)から発生することがある。
魚肉に見られるすべての微生物フローラの中で、その一部のみが腐敗作用現象の
原因であった。細菌による汚染が必ずしも魚を消費に適さない状態にするわけで
はないが、ある細菌は組織、味または臭気の好ましくない変化を迅速に引き起こ
す(13)。
【0007】 それゆえ、海産物は非常に腐敗しやすい製品であり、水産業は貯蔵上の問題を
多く抱えている。この製品の鮮度管理は、漁業部門全体(生産者、加工業者、ま
たは流通業者)でますます重要な問題であり、数年にわたって同業界は、魚の鮮
度を非常に短時間で判定する新しい技術を発見しようと努めている。
【0008】 現在、海産物の鮮度の判定は実質的に、製品が新鮮であるか、適度に新鮮であ
るか、または消費に適さないか否かを判定するのに最善である、感覚(感覚受容
)評価(外観、臭気、味)に基づいている。しかしこの官能検査法は、製品全体
についてのみ適用可能であり、さらに信頼性の高い実験室分析が不可欠な場合が
多い。
【0009】 加工製品に適用可能な、細菌分析(全細菌フローラ)に基づく方法が魚の鮮度
を評価するためにますます使用されるようになっている。魚のサンプルで増殖可
能な細菌数の直接決定はなお、最も一般に使用される方法である:各種培地(た
とえばクエン酸鉄培地)で増殖させた後では、各細胞は、ペトリ皿に目で見える
コロニーを形成するため、計数可能である。この技術は使用しやすく、かなり感
受性であるが、増殖のための相当なインキュベーション時間(約3〜5日)が必
要である。その上、増殖培地の組成、またはこの試験で使用する温度(20〜3
0℃)によって、かならずしもすべての分解性細菌が検出できるようになるわけ
ではない。したがって、この試験を実施する温度を30℃に規定する既存の規則
(1979年の命令)によって、その温度で増殖しない Photobacterium phosph
oreum などのある分解性細菌の検出は不可能である。それゆえ、全微生物負荷の
非特異性測定が魚の衛生状態の良好な指標になるとはいえ、これはこの種の製品
の感覚受容品質の評価には使用できない。食品の顕微鏡検査は、細菌汚染レベル
を迅速に判定する方法である。アクリジンオレンジで染色した細胞は、蛍光顕微
鏡法によって可視化される;しかし、この方法の欠点は、感度が低い(104
105細胞の間)ことである。
【0010】 魚の細胞構成要素の分解により、細菌汚染の間接指標となりうる非常に多くの
物質が生成される。したがって上述の方法の代わりとして、魚肉分解の各種生成
物を監視するために化学的技術を用いることがある(14)。ほぼアンモニア(
NH3)およびトリメチルアミン(TMA)からなる、全揮発性塩基性窒素(T
VBN)の定量は、魚肉の分解程度を判定するために現在広く用いられている技
術である。TVBNの定量の利点は、簡単、迅速であり、非常に低コストなこと
である。TVBN中のTMAの割合を決定すると、TVBN基準に、さらに定性
的要素を加えることができる。この基準は実際に、TMAまたはTVBNの割合
に通常影響を与える変化(魚種、脂肪含有量など)にあまり依存しないように思
われる。TVBNに使用した同じ方法が、TMAの定量にも使用できる。他の比
色、酵素またはクロマトグラフィーによる技術も、TMAの定量的測定について
述べられている(15、16)。細菌によるTMAOからTMAへの還元反応の
間、分解する魚肉は各種の変化:酸化還元ポテンシャルの低下、pHおよび電気
伝導度の上昇を受ける。この各種指標も、TMA放出を間接的に監視する目的で
、複数の研究で使用されている。しかし、この研究のいずれも、放出TMAのレ
ベルと魚サンプルの鮮度の間に明確な相関をこれまでに確立していない。非常に
多くの他の分解生成物も、魚の腐敗程度を判定する目的で、化学的定量を用いて
試験されている:硫化水素、ヒポキサンチン、インドール、ヒスタミンおよびア
ミノ酸。しかし、この各種の定量は、ある種の魚のみに、あるいは腐敗が非常に
進行した場合のみに有意義である。
【0011】 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、大量の標的DNA配列を描出するために
増幅する分子技術である。数年の間、PCR技術は、特に臨床細菌学または食品
安全性の分野で微生物の検出および同定でますます使用されるようになっている
(17、18)。現在、食品に適用されるPCR試験は主として、明確な病原性
細菌(Shigella、Salmonella、Listeria など)の検出を行う。
【0012】 本発明によって、発明者らによる証明から、TMAOレダクターゼ系のタンパ
ク質をコードするDNA配列が特に海洋生物の組織分解の原因となる各種の細菌
の中で、より詳しくは海洋細菌の中で、そのTMAOレダクターゼ活性による組
織分解の原因となるすべての細菌を検出する方法の適用を可能にする、十分な相
同性を持つことがわかり、該方法はどの水生動物、さらに詳細にはどの海洋動物
にも適用可能である。
【0013】 本発明の目的の1つは、迅速かつ安価であり、特異性および感受性の点で信頼
性が向上した、水産製品、さらに詳細には海産物の鮮度の試験を提供することで
ある。
【0014】 本発明の別の目的の1つは、海洋生物の組織の分解、特に魚肉の腐敗作用の原
因である1種類の細菌ではなく、すべての細菌、すなわち海洋細菌および腸内細
菌または汽水中で分離された細菌の両者を検出するための試験を提供することで
ある。
【0015】 本発明のもう1つの目的は、各種の地域からの各種の魚に適用可能な、海洋生
物の組織の分解の原因である細菌を検出するための試験を提供することである。
【0016】 本発明のもう1つの目的は、分解の初期段階を検出するために十分に感受性で
ある、海洋生物の組織の分解の原因である細菌を検出するための試験を提供する
ことである。
【0017】 本発明は、細菌中のトリメチルアミンN−オキシドレダクターゼ系(TMAO
レダクターゼ)のタンパク質をコードする配列を含むヌクレオチド配列から選択
されたヌクレオチド配列、または約15〜約25ヌクレオチドのプローブまたは
プライマーなどの、この配列の断片、またはTMAOレダクターゼ系のタンパク
質をコードするこの配列の1以上のヌクレオチドの付加、抑制、および/または
置換に由来する配列または後者の断片の使用に関し、該配列および該由来配列は
、この細菌の担体となりうる宿主において、水生動物の肉の分解プロセスに関与
するすべての細菌の存在を検出する方法を適用するために、特に以下で定義する
ハイブリダイゼーション条件において、TMAOレダクターゼ系のタンパク質を
コードする該配列とハイブリダイゼーション可能である。
【0018】 有利なことに、TMAOレダクターゼ系のタンパク質をコードする該ヌクレオ
チド配列は、細菌内のTMAOレダクターゼ系の、上述のtorCADオペロン
またはdorCDAオペロンに対応するヌクレオチド配列から選択される。
【0019】 好ましくは、上述のTMAOレダクターゼ系のタンパク質をコードする上述の
配列は、さらにTorAまたはDorAタンパク質と呼ばれる、細菌内のTMA
Oレダクターゼをコードする配列、またはさらにTorCまたはDorCタンパ
ク質と呼ばれる、細菌内のc型チトクロムをコードする配列から選択される。
【0020】 本発明の特に有利な態様により、TMAOレダクターゼをコードするヌクレオ
チド配列は以下の細菌のヌクレオチド配列から選択される: −該配列が特に以下から選択される、Shewanella、Photobacterium または Vi
brio 属などの海洋細菌: *図1に示す Shewanella massilia のTorAタンパク質をコードする配
列SEQ ID NO:1、 *図1に示す Shewanella putrefaciens のTorAタンパク質をコードす
る配列SEQ ID NO:2、 *図2に示すShewanella cのTorAタンパク質をコードする配列SEQ
ID NO:3、 *図3に示すPhotobacterium phosphoreumのTorAタンパク質をコードす
る部分配列SEQ ID NO:4、 *図14に示すShewanella massiliaのTorCタンパク質をコードする配
列SEQ ID NO:5、 −該配列が特に以下から選択される、RhodobacterまたはRoseobacter属などの
汽水から得られた細菌: *図4に示すRhodobacter spharoidesのDorAタンパク質をコードする配
列SEQ ID NO:6、 *図4に示すRhodobacter capsulatusのDorAタンパク質をコードする配
列SEQ ID NO:7、 *図14に示すRhodobacter spharoidesのDorCタンパク質をコードする
配列SEQ ID NO:8、 −該配列が特に以下から選択される、Escherichia または Salmonella属など
の腸内細菌: *図4に示す Escherichia coli のTorAタンパク質をコードする配列S
EQ ID NO:9、 *図5に示す Salmonella typhimurium のTorAタンパク質をコードする
部分配列SEQ ID NO:10、 *図14に示す Escherichia coli のTorCタンパク質をコードする配列
SEQ ID NO:11。
【0021】 本発明はさらに詳細には、上で定義した配列の断片から、またはこの断片に由
来する配列から選択したヌクレオチド配列の上述の使用に関し、該断片または由
来配列は約15〜25個のヌクレオチドより成り、PCR技術によって、水生動
物の肉の分解に関与する細菌のTMAOレダクターゼ系のタンパク質をコードす
る遺伝子の断片の増幅を可能にするプライマーの対を形成するために、対で使用
される。
【0022】 有利なことに、上述のヌクレオチド配列は、以下の3つの群のプライマーのい
ずれか1つから選択されるプライマー対の形で使用される: (1) 以下を含む、torA遺伝子のDNA断片を増幅するプライマー“D
DN”の群: ◆ヌクレオチド配列“DDN+”の以下の組成物:
【0023】
【表24】
【0024】 ◆ヌクレオチド配列“DDN−”の以下の組成物:
【0025】
【表25】
【0026】 (2) 以下を含む、torA遺伝子のDNA断片を増幅するプライマー“B
N”の群: ◆ヌクレオチド配列“BN+”の以下の組成物:
【0027】
【表26】
【0028】 ◆ヌクレオチド配列“BN−”の以下の組成物:
【0029】
【表27】
【0030】 (3) 以下を含む、torC遺伝子のDNA断片を増幅するプライマー“B
C”の群: ◆ヌクレオチド配列“BC+”の以下の組成物:
【0031】
【表28】
【0032】 ◆ヌクレオチド配列“BC−”の以下の組成物:
【0033】
【表29】
【0034】 ここで
【0035】
【表30】
【0036】 プライマー対は、対のプライマーの1つがヌクレオチド配列DDN+、BN+
またはBC+の上述の組成物:の1つに対応するが、これに対して他のプライマ
ーはそれぞれヌクレオチド配列DDN−、BN−またはBC−の上述の組成物:
の1つに該当し、前記プライマー対は以下の4つの対のいずれか1つから選択さ
れる: (a) 細菌中のサイズが約820塩基対(bp)のTorAタンパク質をコ
ードする遺伝子の断片の増幅、特に、図4に示すS. massilia のtorA遺伝子
の位置620〜1450に位置するヌクレオチドを境界とする821bp断片な
どの、Shewanella属の細菌中のTorAタンパク質をコードする遺伝子の821
bp断片の増幅を導く、対DDN1+/DDN5−、 (b) 細菌中のサイズが約710bpのTorAタンパク質をコードする遺
伝子の断片の増幅、特に、図4に示すS. massilia のtorA遺伝子の位置16
57〜2403に位置するヌクレオチドを境界とする727bp断片などの、Sh
ewanella属の細菌中のTorAタンパク質をコードする遺伝子の727bp断片
の増幅を導く、対BN6+/BN2−、 (c) 細菌中のサイズが約360bpのTorAタンパク質をコードする遺
伝子の断片の増幅、特に、図4に示すS. massilia のtorA遺伝子の位置16
57〜2023に位置するヌクレオチドを境界とする355bp断片などの、Sh
ewanella属の細菌中のTorAタンパク質をコードする遺伝子の355bp断片
の増幅を導く、対BN6+/BN4−、 (d) 細菌中のサイズが約170bpのTorCタンパク質をコードする遺
伝子の断片の増幅、特に、図14に示すS. massilia のTorCタンパク質の位
置114〜179に位置するアミノ酸を境界とするポリペプチド断片をコードす
る197bp断片などの、Shewanella属の細菌中のTorCタンパク質をコード
する遺伝子の197bp断片の増幅を導く、対BC1+/BC2−。
【0037】 上で述べたような、水生動物の肉の分解プロセスに関与する細菌の担体になり
うる宿主は、海洋生物、特に魚および甲殻類などの海洋生物、特に詳細には、淡
水または汽水のある動物と同様に、シタビラメおよびタラなどの大西洋の魚、ま
たはヒメジおよびタイなどの地中海の魚である。
【0038】 本発明はさらに詳細には、試験サンプルを得た水生動物の鮮度を評価する方法
の枠組み内で、後者が自然環境から取り出されたときの、水生動物の肉の分解に
関与するすべての細菌の存在を検出する方法を実施するための、上述のヌクレオ
チド配列の上述の使用に関する。
【0039】 本発明は、以下の配列の1つに対応するいずれかのヌクレオチド配列に関する
【0040】
【表31】
【0041】 ここで、
【0042】
【表32】 である。
【0043】 本発明は、以下の組成物:の1つに対応するヌクレオチド配列の混合物のいず
れかの組成物:にも関する: ◆ヌクレオチド配列“DDN+”の以下の組成物:
【0044】
【表33】
【0045】 ◆ヌクレオチド配列“DDN−”の以下の組成物:
【0046】
【表34】
【0047】 ◆ヌクレオチド配列“BN+”の以下の組成物:
【0048】
【表35】
【0049】 ◆ヌクレオチド配列“BN−”の以下の組成物:
【0050】
【表36】
【0051】 ◆ヌクレオチド配列“BC+”の以下の組成物:
【0052】
【表37】
【0053】 ◆ヌクレオチド配列“BC−”の以下の組成物:
【0054】
【表38】
【0055】 ここで
【0056】
【表39】 である。
【0057】 本発明は、以下のプライマーの群の1つから選択したプライマー対にも関する
: (1) 以下を含むプライマー“DDN”の群: ◆ヌクレオチド配列“DDN+”の以下の組成物:
【0058】
【表40】
【0059】 ◆ヌクレオチド配列“DDN−”の以下の組成物:
【0060】
【表41】
【0061】 (2) 以下を含むプライマー“BN”の群: ◆ヌクレオチド配列“BN+”の以下の組成物:
【0062】
【表42】
【0063】 ◆ヌクレオチド配列“BN−”の以下の組成物:
【0064】
【表43】
【0065】 (3) 以下を含むプライマー“BC”の群: ◆ヌクレオチド配列“BC+”の以下の組成物:
【0066】
【表44】
【0067】 ◆ヌクレオチド配列“BC−”の以下の組成物:
【0068】
【表45】
【0069】 ここで
【0070】
【表46】 である。
【0071】 プライマー対は、対のプライマーの1つがヌクレオチド配列DDN+、BN+
またはBC+の上述の組成物:の1つに対応するが、これに対して他のプライマ
ーはそれぞれヌクレオチド配列DDN−、BN−またはBC−の上述の組成物:
の1つに該当し、前記プライマー対は以下の4つの対のいずれか1つから選択さ
れる: (a) 細菌中のサイズが約820塩基対(bp)のTorAタンパク質をコ
ードする遺伝子の断片の増幅、特に、図4に示すS. massiliaのtorA遺伝子
の位置620〜1450に位置するヌクレオチドを境界とする821bp断片な
どの、Shewanella属の細菌中のTorAタンパク質をコードする遺伝子の821
bp断片の増幅を導く、対DDN1+/DDN5−、 (b) 細菌中のサイズが約710bpのTorAタンパク質をコードする遺
伝子の断片の増幅、特に、図4に示すS. massilia のtorA遺伝子の位置16
57〜2403に位置するヌクレオチドを境界とする727bp断片などの、Sh
ewanella属の細菌中のTorAタンパク質をコードする遺伝子の727bp断片
の増幅を導く、対BN6+/BN2−、 (c) 細菌中のサイズが約360bpのTorAタンパク質をコードする遺
伝子の断片の増幅、特に、図4に示すS. massilia のtorA遺伝子の位置16
57〜2023に位置するヌクレオチドを境界とする355bp断片などの、Sh
ewanella属の細菌中のTorAタンパク質をコードする遺伝子の355bp断片
の増幅を導く、対BN6+/BN4−、 (d) 細菌中のサイズが約170bpのTorCタンパク質をコードする遺
伝子の断片の増幅、特に、図14に示すS. massiliaのTorCタンパク質の位
置114〜179に位置するアミノ酸を境界とするポリペプチド断片をコードす
る197bp断片などの、Shewanella属の細菌中のTorCタンパク質をコード
する遺伝子の197bp断片の増幅を導く、対BC1+/BC2−。
【0072】 本発明は、宿主から採取した生物学的サンプルから出発して行う、細菌の担体
になることが可能である宿主内での水生動物の肉の分解に関与するすべての細菌
を検出する方法であって、該生物学的サンプルは特に問題の水生動物の肉の皮下
断片に相当し、該宿主から採取した生物学的サンプル中に存在することが可能で
ある水生動物の肉の分解に関与する細菌のTMAOレダクターゼ系のタンパク質
をコードする遺伝子の断片を用いて、上のいずれか一項で定義したような少なく
とも1個のヌクレオチド配列のハイブリダイゼーション工程、続いて、必要に応
じ、コピー数が増幅されている、TMAOレダクターゼ系のタンパク質をコード
する遺伝子またはこの遺伝子の断片の該サンプル中の存在の可能性を、特に電気
泳動によって検出する工程を含むことを特徴とする方法にも関する。
【0073】 本発明はさらに詳細には、以下の工程を含むことを特徴とする、上で定義した
検出方法に関する: −本宿主から全DNAを抽出し、この細菌のゲノムを上で定義したヌクレオチ
ド配列またはプライマーに接近することができるようにするための、本宿主から
採取した生物学的サンプルの処理であって、核酸のシリカビーズへの固定に基づ
く迅速DNA抽出技術を特に使用して行われる処理、 −本サンプルに存在可能である水生動物の肉の分解に関与するTMAOレダク
ターゼ系のタンパク質をコードする遺伝子、またはこの遺伝子の断片の、上述の
ヌクレオチド配列またはプライマーによるコピー数の増幅、 −上述の細菌のTMAOレダクターゼ系のタンパク質をコードする遺伝子、ま
たはこの遺伝子の断片の複製の増幅数のありうる存在の検出、ひいては調査する
生物学的サンプル中の該細菌の存在の検出。
【0074】 有利なことに、以下の工程を含む、本発明による検出方法はTMAOレダクタ
ーゼ系のタンパク質をコードする遺伝子数の増幅を特徴とする: −好ましくは10mM Tris−HCl pH8.3、50mM KCl、1.
5mM MgCl2、0.01%ゼラチンと、DNAを構成するそれぞれ濃度10
0μMの4種類のデオキシヌクレオチド(dCTP、dATP、dGTP、dT
TP)、および上述したプライマー対からなるバッファー中において、約90℃
−約100℃の間、有利には94℃において約1.5分間加熱することによる、
宿主の全2本鎖DNAの1本鎖DNAへの予備変性、 −たとえばTaqポリメラーゼなどのDNAポリメラーゼを前の工程で得られ
た培地に添加することによる実際の増幅、 ◆実際の変性工程に対応する、約94℃における約30秒間の加熱、 ◆次に、調査した生物学的サンプル中に存在することのできる、細菌のTM
AOレダクターゼ系のタンパク質をコードする遺伝子、またはこの遺伝子の断片
とプライマーのハイブリダイゼーション工程に対応する、約35℃〜約60℃の
間、特に約45℃または55℃での約30秒間の加熱、 ◆最後に、前の工程で互いに対してハイブリダイズしたプライマーの伸長工
程に対応する、72℃での約45秒間の加熱、これによる細菌のTMAOレダク
ターゼ系のタンパク質をコードする遺伝子の断片の相補性ヌクレオチド配列の作
成、この後者の配列の上述のプライマーへのハイブリダイズしたヌクレオチドに
よる結合、 −約15〜約35回、有利には約30回、前の増幅工程を反復。
【0075】 本発明は、以下を含むことを特徴とする、上述の検出方法を実施するためのキ
ットにも関する: −上で定義した1以上のヌクレオチド配列またはプライマー、 −DNAポリメラーゼ、 −好ましくは10mM Tris−HCl pH8.3、50mM KCl、1.
5mM MgCl2、0.01%ゼラチン、DNAを構成するそれぞれ濃度100
μMの4種類のデオキシヌクレオチド(dCTP、dATP、dGTP、dTT
P)からなる反応培地。
【0076】 本発明は、以下のいずれかを含むヌクレオチド配列にも関する: −図2に示す、海洋細菌Shewanella CのTorAタンパク質をコードするto
rA遺伝子の配列、 −または、ペプチド配列を図6に示す、遺伝子コードの変性により上述の配列
に由来する、およびShewanella CのTorAタンパク質をコードする任意の配列
、 −または、特に1以上のヌクレオチドの置換、抑制または添加による上述のヌ
クレオチド配列に由来する任意の配列であって、図2に示す上述のヌクレオチド
配列と好ましくは約35%〜100%の相同性を有する配列、 −または、上述のヌクレオチド配列、または上で定義した後者に由来する配列
のいずれかの断片であって、好ましくは少なくとも15個のヌクレオチドからな
る断片。
【0077】 本発明は、図2に示す上述のヌクレオチド配列によってコードされ、以下を含
むいずれかのペプチド配列にも関する: −図6に示す、Shewanella cのTorAタンパク質のアミノ酸配列、 −または、特に1以上のアミノ酸の置換、抑制または添加による上述のペプチ
ド配列に由来する配列であって、図6に示す上述のペプチド配列と好ましくは約
35%〜100%の相同性を有する配列、 −または、上述のペプチド配列、または上で定義した後者に由来する配列のい
ずれかの断片であって、好ましくは少なくとも5個のアミノ酸からなる断片。
【0078】 本発明は、以下を含むいずれかのヌクレオチド配列にも関する: −図3に示す、海洋細菌Photobacterium phosphoreumのTorAタンパク質を
コードする遺伝子の部分配列、 −または、ペプチド配列を図7に示す、遺伝子コードの変性により上述の配列
に由来する、およびPhotobacterium phosphoreumのTorAタンパク質をコード
する任意の配列、 −または、特に1以上のヌクレオチドの置換、抑制または添加による上述のヌ
クレオチド配列に由来する任意の配列であって、図3に示す上述のヌクレオチド
配列と好ましくは約35%〜100%の相同性を有する配列、 −または、上述のヌクレオチド配列、または上で定義した後者に由来する配列
のいずれかの断片であって、好ましくは少なくとも15個のヌクレオチドからな
る断片。
【0079】 本発明は、図3に示す上述のヌクレオチド配列によってコードされ、以下を含
むいずれかのペプチド配列にも関する: −図7に示す、Photobacterium phosphoreumのTorAタンパク質の部分アミ
ノ酸配列、 −または、特に1以上のアミノ酸の置換、抑制または添加による上述のペプチ
ド配列に由来する配列であって、図7に示す上述のペプチド配列と好ましくは約
35%〜100%の相同性を有する配列、 −または、上述のペプチド配列、または上で定義した後者に由来する配列のい
ずれかの断片であって、好ましくは少なくとも5個のアミノ酸からなる断片。
【0080】 本発明は、以下を含むいずれかのヌクレオチド配列にも関する: −図5に示す、海洋細菌Salmonella typhimuriumのTorAタンパク質をコー
ドする遺伝子の部分配列、 −または、ペプチド配列を図8に示す、遺伝子コードの変性により上述の配列
に由来する、およびSalmonella typhimuriumのTorAタンパク質をコードする
任意の配列、 −または、特に1以上のヌクレオチドの置換、抑制または添加による上述のヌ
クレオチド配列に由来する任意の配列であって、図5に示す上述のヌクレオチド
配列と好ましくは約35%〜100%の相同性を有する配列、 −または、上述のヌクレオチド配列、または上で定義した後者に由来する配列
のいずれかの断片であって、好ましくは少なくとも15個のヌクレオチドからな
る断片。
【0081】 本発明は、図5に示す上述のヌクレオチド配列によってコードされ、以下を含
むいずれかのペプチド配列にも関する: −図8に示す、Salmonella typhimuriumのTorAタンパク質のアミノ酸配列
、 −または、特に1以上のアミノ酸の置換、抑制または添加による上述のペプチ
ド配列に由来する配列であって、図8に示す上述のペプチド配列と好ましくは約
35%〜100%の相同性を有する配列、 −または、上述のペプチド配列、または上で定義した後者に由来する配列のい
ずれかの断片であって、好ましくは少なくとも5個のアミノ酸からなる断片。
【0082】 本発明は、本発明のプライマーの作成、および本発明による検出方法を実施す
るためのその使用についての、以下の詳細な説明でさらに説明される。
【0083】 A)検査方法
【0084】 酵素TMAOレダクターゼをコードする遺伝子から開始する特異性プライマー
:“DDN”、“BN”および“BC”分子プローブの調製。
【0085】 以下に述べる検査の第1工程は、PCR反応に使用可能な分子プライマー(ま
たはプローブ)の調製、および魚肉の腐敗に関与する各種細菌へのその特異性の
検査に関する。第2工程は、PCR技術の魚肉への応用に関する。
【0086】 I) PCRで使用する分子プライマーの調製および確認。
【0087】 ヌクレオチドプライマーの選択は、PCR試験を成功させるための重要な工程
である。このプライマーは、魚肉分解に原因であるすべての細菌においてTMA
Oレダクターゼをコードする遺伝子の、高度に保存された領域から出発して調製
する必要がある。このプライマーの調製には、複数の方法が使用されている。
【0088】 (1) Shewanella属の細菌および E. coli中に保存されたtorA遺伝子の
領域から開始する、調製された分子プライマー:“DDN”プライマー。
【0089】 保存タンパク質領域から開始し、変性をほとんど含まないプライマーの作成は
、遺伝子コードの変性により非常に困難である。
【0090】 “DDN”と呼ばれる分子プライマーは、Shewanella属の各種細菌および E.
coliのtorA遺伝子の核酸配列のアラインメントに基づいて定義された(図9
)。実際に、この細菌中のtorA遺伝子の複数のDNA領域は、誤対合のほと
んどない、高度の配列同一性を有する。
【0091】 DDN分子プライマーは、上で定義したDDN1+、DDN2−、DDN3−
、DDN4−、DDN5−およびDDN5+である。
【0092】 増幅をより特異性にするために、すべてのPCR反応において、対合温度は5
5℃に調整し、したがって、狹雑するDNAバンドの出現が制限される。これは
新たに合成されたプライマーをわずかに変性させることによって可能になる。P
CR増幅は、30サイクルの連続反応を用いる。各サイクルは、94℃にて30
秒間の変性工程、45℃にて30秒間のハイブリダイゼーション工程、72℃に
て45秒間の伸長工程が含まれる。
【0093】 a) Shewanella属の細菌のTMAOレダクターゼ系の検出へのDDN分子プ
ライマーの使用。
【0094】 プライマー対DDN1+/DDN5−、DDN5+/DDN2−、DDN5+
/DDN3−、DDN5+/DDN4−を用いた、最初の一連の試験は、菌株Sh
ewanella massilia(S. massilia)による染色体DNAに対して行った。プライ
マー対DDN1+/DDN2−、DDN1+/DDN3−およびDDN1+/D
DN4−は、torA遺伝子上のその位置が遠いために、意図的に廃棄した。
【0095】 図10にまとめた結果(レーン1〜4)によって、使用した分子プライマー対
の大多数で、予想サイズに対して特異性である独自のDNA断片の増幅が明らか
になる。プライマー対DDN5+/DDN2−に対しては、約300塩基対の非
特異性DNA断片がさらに増幅されるが(レーン2)、DDN分子プライマーは
、S. massiliaのTMAOレダクターゼ系に対して特異性であることがわかる。
【0096】 DDNプライマー対は次に、Shewanella属に属する他の細菌に対して試験した
。菌株Shewanella c および S. putrefaciens MR−1の染色体DNAを基質
として用い、同様の一連の試験を実施した。すべてのプライマー対は、これら2
種類の細菌についての予想サイズに対して特異性のDNA断片を増幅することが
できた(図10)。
【0097】 したがって、各種DDNプライマー対によって、試験を行ったすべての Shewa
nella細菌を検出することができる。
【0098】 b) 海洋細菌 Photobacterium phosphreum におけるTMAOレダクターゼ
系をコードする遺伝子の検出への、および該遺伝子の配列決定の実施へのDDN
分子プライマーの使用。
【0099】 Photobacterium phosphreum(P. phosphreum)は、S. putrefacinesと同様に
、いくつかの場合で、海産魚の肉の腐敗の原因となる細菌である。これはVibrio
naceae族に属し、その最適成長温度は15℃である。ほとんど研究が行われてい
ない細菌であり、その推定上のTMAOレダクターゼ系は現時点で完全に未知で
ある。
【0100】 魚肉を汚染するおそれのあるShewanellaグループの個々の細菌に対する、本発
明による分子プライマーの特異性を検証するために、収集菌株 P. phosphoreum
をATCC(American Type Culture Collection No. 11040)により入手した。
この細菌に対して、海洋培地(Difco)で15℃にて行った最初の増殖試験
によって、TMAOを培地に添加すると、その増殖速度が著しく向上することが
示された。24時間の増殖後の光学密度(OD600)は、TMAOなしで増殖さ
せた菌株では0.28であり、TMAOの存在下で増殖させた菌株では0.47
である。この結果は、P. phosphoreum中の呼吸性TMAOレダクターゼの存在と
一致する。すべてのDDN分子プライマー対を用いて、(海洋培地中の10mlの
培養物から調製した)この細菌の染色体DNAから開始する遺伝子増幅を行った
【0101】 図11に示す結果は、DDNプライマーにより、すべての場合で特異性DNA
断片の増幅が可能となる。DNA断片の各種サイズは、Shewanella属の細菌の染
色体に対して行った増幅で得られたサイズと一致する。
【0102】 P. phosphreum中で増幅されるDNA断片がP. phosphreumのTMAOレダクタ
ーゼをコードする遺伝子の一部に一致することを確認するために、該断片の配列
決定を行った。そのため分子プライマー対DDN1+/DDN5−から増幅開始
された約600ヌクレオチドの断片を配列決定した。GenClean(Bio 101)によ
って直接精製したPCR生成物は、DDN1+分子プライマーを用いて連鎖停止
技術(22)によって配列決定した。この核酸配列から推定したタンパク質配列
は、各種のTMAOレダクターゼの配列とアラインメントした(図7)。このタ
ンパク質配列は、S. massiliaのTMAOレダクターゼの領域と約60%の同一
性を示す。確認された相同性は、配列決定したDNA断片がP. phosphreumのT
MAOレダクターゼをコードする遺伝子の一部と一致するということを結論付け
るのに十分な高さである。
【0103】 本発明による検出方法によって系統学的に比較的遠い腐敗細菌におけるTMA
Oレダクターゼ系を検出できるため、この結果は、細菌P. phosphreum中にTM
AOレダクターゼ系が存在することを証明し、本発明によるPCR試験により検
出方法を実証する。
【0104】 c) 腸内細菌のTMAOレダクターゼをコードする遺伝子の検出への、およ
び該遺伝子の配列決定の実施へのDDN分子プライマーの使用。
【0105】 E. coliなどの腸内細菌またはSalmonella typhimuriumなどのある病原性細菌
の検出に有効であることを確認するために、E. coli および S. typhimuriumの
染色体DNAを基質DNAとして用いて、上述と同一のPCR試験を行った。
【0106】 S. typhimuriumにおいて、PCR手法を用いてTMAOレダクターゼ系の促進
領域が証明されている(23)。
【0107】 得られた結果を図12に示す。4種類の分子プライマー対、DDN1+/DD
N5−、DDN5+/DDN2−、DDN5+/DDN3−およびDDN5+/
DDN4−によって、E. coli内の特異性DNA断片の増幅が可能となる(レー
ン2、6、10および16)。S. typhimuriumの場合、プライマー対DDN1+
/DDN5−も、TMAOレダクターゼ系の特異性断片と適合性のある、820
塩基対のDNA断片の増幅を可能にする(レーン3)。
【0108】 S. typhimurium中で増幅されたDNA断片が、S. typhimuriumのTMAOレダ
クターゼをコードする遺伝子の一部によく一致することを確認するために、該断
片の配列決定を実施した。このDNA断片の一部(477ヌクレオチド)より推
定されたタンパク質配列は、各種TMAOレダクターゼのタンパク質配列との重
要な相同性を有する(図8)。加えて、E. coliのTMAOレダクターゼの配列
とは88%を超える同一性、S. massilia中の酵素の配列とは45%を超える同
一性を有する。したがって、DDN1+/DDN5−を用いて増幅したDNA断
片は、S. typhimuriumのTMAOレダクターゼをコードする遺伝子の一部におそ
らく一致する。
【0109】 d) 結論
【0110】 前に述べたように、プライマー対DDN1+/DDN5−によって、海洋細菌
(Shewanella および P. phsphoreum)のtorA遺伝子の検出が可能であるが
、腸内細菌(E. coli および S. typhimurium)のtorA遺伝子も検出できる
【0111】 魚肉におそらく見られるであろう、汽水(Rhodobacter)から分離した細菌に
対して、同じPCR試験を実施した。この試験を行うために、細菌 R. sphaeroi
des による染色体DNAのサンプルを基質として使用した。
【0112】 細菌 R. sphaeroidesは、E. coliで述べたものに似た、DMSO/TMAOレ
ダクターゼ系を有する(9,10)。この細菌の末端酵素はTMAOとDMSO
の両方を還元できるが、E. coliまたは S. massiliaのTMAOレダクターゼと
、タンパク配列との相同性を多数有する(それぞれ47.5%および45%の同
一性)。
【0113】 しかし、DDN分子プローブを用いて行ったPCR試験によって、この細菌の
TMAOレダクターゼの遺伝子に一致するDNA断片の増幅は行えなかった。
【0114】 (2) 調査したすべての細菌中に保存されたtorA遺伝子の領域から開始
する、調製された分子プライマー:“BN”プライマー。
【0115】 PCR試験の分子プライマーの検出のスペクトルをさらに広げるために、Shew
anella属の細菌および E. coliのtorA遺伝子の配列から開始するアラインメ
ントに、Rhodobacter属(R. sphaeroides および R. capsulatus)の細菌のTM
AO/DMSOレダクターゼの遺伝子の核酸配列を統合した。
【0116】 “BN”と呼ばれる一連の新規プライマーをこの方法で調製した(図13)。
【0117】 すべての試験で、PCR増幅は55℃のハイブリダイゼーション温度で実施し
た。この温度では、混合物中に存在するプライマーのごく一部のみが、基質DN
Aに特異的にハイブリダイズ可能となる。このため、大量の分子プライマーが反
応混合物中に加えられる(最終50μl中、約100pmol)。
【0118】 得られたBNプライマーは上で定義したように、プライマーBN1+、BN2
−、BN3+、BN4−、BN5−、BN6+である。
【0119】 以下の表1は、各種の細菌からのDNAにBN分子プライマーを適用した場合
に得られた結果を示す。
【0120】 5ngの細菌染色体DNAから開始する増幅を実施する。PCR反応は30サイ
クルの連続反応を使用した。 +:予想サイズに特異的なDNA断片が増幅される。 −:増幅なし
【0121】
【表47】
【0122】 2種類のプライマー対:BN6+/BN2−およびBN6+/BN4−によっ
て、試験を行ったすべての細菌、特に R. sphaeroidesにおいて、特性DNA断
片の増幅が可能である。
【0123】 したがってBNプライマーは、TMAOレダクターゼ系を有し、魚肉を汚染す
るおそれのある細菌の検出に完璧に適していることがわかる。
【0124】 加えて、PCR中に高いハイブリダイゼーション温度(55℃)を使用するこ
とと、大量の変性分子プライマーにより、増幅の特異性が著しく改善した。
【0125】 (3) TMAOレダクターゼ系のtorCチトクロムをコードする遺伝子か
ら開始する、調製された分子プライマー:“BC”プライマー。
【0126】 各種細菌のTMAOレダクターゼ系の検査によって、TorA末端酵素までの
電子伝達鎖が、c型の5ヘムチトクロム、すなわちTorC(またはDorC)
チトクロムを常に含むことが証明されている(6、9、10、19)。
【0127】 腐敗細菌中のTMAOレダクターゼ系を検出するために、このチトクロムをコ
ードする遺伝子に対して誘導される核プライマーを調製した。
【0128】 図14に示すタンパク質配列のマルチアラインメントにより、各種の細菌:S.
massilia、E. coli、R. sphaeroidesのTMAOレダクターゼ系のチトクロムの
間に保存されている多数のタンパク質領域が明らかになる。この保存領域の一部
は、c型のヘム(CxxCHモチーフ)の固定部位に相当し、他の呼吸器系に含
まれる非常に多くのクラスNapC/NirTの4ヘムチトクロム中にたいへん
よく見られる(24)。それにもかかわらず、TorCチトクロムは、5番目の
ヘムを固定する追加のカルボキシ末端ドメインを含むという、特殊な性質を備え
ている(6、19)。
【0129】 BC分子プライマーは、上で定義したプライマーBC1+、BC2+、BC2
−およびBC3−である。該プライマーを調製するために、クラスNapC/N
irTのチトクローム(プローブBC2+およびBC2−)すべての間で保存タ
ンパク質領域を探したが、TorCチトクロム(プローブBC1+およびBC3
−)の間も独自に探した。4個の変性分子プライマーBCの位置および向きは図
14に示す。
【0130】 BC分子プライマーは、TMAOレダクターゼ系のTorCチトクロムをコー
ドする遺伝子にハイブリダイズすることができる。
【0131】 PCR反応は、BN分子プライマーで用いたのと同一の条件で実施する。30
サイクルの連続反応を使用する。各サイクルは、94℃での30秒間の変性工程
、55℃での30秒間のハイブリダイゼーション工程および45秒間の伸長工程
からなる。
【0132】 約100pmolの各分子プライマーを反応混合物に加える(最終体積50μl)
。試験を行った3種類の分子プライマー対(BC1+/BC2−、BC1+/B
C3−およびBC2+/BC3−)の中で、対BC1+/BC2−は、前に試験
を行ったすべての細菌について、DNA断片を予測サイズ(177塩基対)に増
幅することができた(図15;レーン1〜5)。この結果によって、我々は、P
CR試験での分子プライマーBC1+/BC2−の使用を想定することができる
【0133】 同時に、TMAOレダクターゼ系を欠いている植物病原性腸内細菌である、細
菌 Erwinia chrysanthemi の染色体から開始するプライマー対BC1+/BC2
−を用いて、同じPCR試験を実施した(4)。この場合、torC遺伝子から
開始する増幅で予想されたサイズと適合するサイズのDNA断片は見られない(
図15、レーン6)。
【0134】 したがって、プライマー対BC1+/BC2−はTMAOレダクターゼ系のT
orCチトクロムを特異的に認識するように思われる。
【0135】 (4) PCR技術の全細胞への適用
【0136】 魚サンプルから直接出発して使用されるPCR試験を実施する場合、細菌の染
色体DNAの調製工程をなくすことが重要である。このため、S.massiliaの全細
菌から開始するDDN、BNおよびBCプライマー対を用いるPCR試験が再現
された。皿内で分離した細菌コロニーを200μlの滅菌蒸留水中で再懸濁させ
る(OD600 0.1〜0.5)。次に、(50μlの最終体積中で)2.5μl
の細胞懸濁液を基質として、上述の条件でPCR反応を行った。(DDN、BN
およびBCプライマーで)実施したすべてのPCR反応で、得られた結果は、精
製染色体DNAで見られた結果と同等である。したがって細菌は、94℃にて1
.5分間の、サンプルのインキュベーションに対応する、PCRの第1工程中で
よく溶解されている。この陽性結果に基づいて、魚肉から直接開始するPCR試
験の使用を想定できる。
【0137】 II) PCR−TMAO試験の魚肉への応用
【0138】 海産物の腐敗の原因である細菌に対する、本発明による分子プライマーの特異
性を確認したため、次の工程は、PCR試験を魚肉に直接応用することからなる
【0139】 以前に試験を行った大多数の細菌で特異性DNA断片の増幅が可能であるため
、この試験を行うために、4種類のプライマー対、DDN1+/DDN5−、B
N6+/BN4−、BN6+/BN2−およびBC1+/BC2−を選択した。
【0140】 (1) 細菌のTMAOレダクターゼの遺伝子の増幅中の魚染色体DNAの影
響。
【0141】 魚肉のサンプルのPCR試験を使用するために、魚染色体DNAが分子プライ
マーのハイブリダイゼーション中に細菌DNAと競合しないことを、最初に確認
する必要がある。
【0142】 魚染色体DNAの、本発明による分子プライマーの特異性に対する影響を試験
するために、各種濃度のニシン精子の精製染色体DNAを、2.5μlの細菌 S.
massiliaの細胞懸濁液を含む、または含まないPCR反応混合物に加えた。
【0143】 プライマー対DDN1+/DDN5−によって得られた図16は、反応混合物
に加えた細菌が不在の場合には、魚染色体DNAの濃度とは無関係に、DNA断
片が増幅されないことを示している(レーン1〜3)。細菌 S. massilia を反
応混合物に加える場合(レーン4〜6)、特異性DNA断片が増幅される。プラ
イマー対BN6+/BN2−、BN6+/BN4−またはBC1+/BC2−に
ついても同じ結果が得られたため、PCR反応混合物中に異質DNAが存在して
も、本発明による分子プライマーの特異性を阻害しないと結論付けられる。
【0144】 したがって、この重要な結果に基づいて、魚染色体DNAによる非特異性増幅
の発生を除外することができる。
【0145】 (2) 魚肉からの全DNAの抽出およびPCR技術の検証。
【0146】 従来、食品の微生物検査中に微生物を検出するための検査には、選択性培地で
細菌を予備濃縮する第1工程が必要である。
【0147】 迅速な鮮度試験を行うために、PCR技術を直接、魚サンプルに応用した。そ
こで、腐敗しかけている魚肉から全DNA(細菌DNA+魚DNA)を抽出する
各種の条件を試験した。
【0148】 最初に、魚サンプルをNaOH/SDSによって処理し、細胞からDNAを迅
速に抽出する技術を試験した(25)。この技術は細胞溶解を可能にし、それに
より全染色体DNAの抽出が可能である。サンプルは、12時間室温で保存した
魚(ヒメジ)から採取した約25mgの肉より調製した。95℃にて10分間イン
キュベーションした後、5μlの均質化した魚肉混合物をPCR反応混合物中で
直接使用した。
【0149】 しかし、全DNAの抽出にこの迅速な技術を使用すると、各種の分子プライマ
ーを用いて行うPCR反応の全範囲によって、特異性DNA断片の増幅が行えな
かった。魚肉に含まれる複数のPCR阻害物質の存在によって、この結果が説明
されることがある。実際に、ある食品に大量に存在する化合物(脂質、タンパク
質など)は、PCRの有効性に影響を及ぼす場合がある(26)。この仮定を検
証するために、魚肉サンプルにS. massilia による5ngの染色体DNAを加えて
、同じPCR試験を実施した。しかし前と同様に、どの分子プライマーを使用し
たかにかかわらず、PCRによってDNA断片は増幅されなかった。
【0150】 この結果から、PCR反応は、魚肉に含まれるある化合物によって阻害される
と結論付けることができる。
【0151】 したがって、本発明により使用された、魚肉から全染色体DNAを精製する技
術は、PCR阻害化合物すべてを除去可能でなければならない。
【0152】 それゆえ、シリカビーズへの核酸の固定に基づく、迅速なDNA抽出キット(
約1時間)を試験した(ベーリンガーマンハイム/ロシュによる“High Pure PC
R Template Preparation Kit”として市販されているキット)。DNAの固定後
、この技術によって実際に、塩、タンパク質および他の細胞不純物を1工程の洗
浄によって除去することができる。
【0153】 分解を受けている(室温で12時間保管)4種類の異なる魚に対して、全DN
A(細菌DNA+魚DNA)の抽出を行った:地中海より2種(ヒメジおよびタ
イ)、大西洋より2種(シタビラメおよびタラ)。この魚による約50mgの肉(
皮の下より採取)を用いて開始し、この方法で1〜4μgの全染色体DNAを精
製した。約25ngのこのDNAを次に、PCR反応混合物に加えた(最終体積5
0μl)。すべてのPCR反応で、ハイブリダイゼーション温度を55℃に調整
し、100pmolの各分子プライマーを反応混合物に加えた。
【0154】 図17に、プライマー対DDN1+/DDN5−、BN6+/BN2−、BN
6+/BN4−を用いて得られた結果をまとめる。試験を行ったすべての魚種で
、各プライマー対の使用によって、独自のDNA断片が増幅される。
【0155】 増幅されたDNA断片のサイズは、torA遺伝子から開始する増幅の予想サ
イズに一致する。この結果は、魚肉に存在する細菌のtorA遺伝子から開始す
る各種DNA断片が実際に増幅されたことを示す。
【0156】 さらに、腐敗しかけている(溶けている氷の上で7日間)別の2種、サバ(フ
ァットフィッシュ)および whiting(欧州産のタラ)に対して試験を実施すると
、腐敗細菌のtorA遺伝子が検出された。
【0157】 それゆえ、分子プライマー対DDN1+/DDN5−、BN6+/BN2−お
よびBN6+/BN4−の使用は、PCR試験の魚肉への応用に想定できる。
【0158】 さらに、シリカビーズフィルタの使用は、魚肉に含まれる全DNAの精製に適
した方法である。この技術は非常に迅速(約1時間)であり、魚肉に含まれるタ
ンパク質を除去するために複数の工程を必要とするイソアミルアルコール/クロ
ロホルム抽出に比べて、非常に簡単に行える(28)。
【0159】 プライマー対BC1+/BC2−での同じ条件で行った増幅によっても、腐敗
しかけているヒメジの肉からの全DNAについて、有望な結果が得られた(図1
8)。実際に、相当のバックグラウンドノイズにかかわらず、PCR生成物のア
ガロースゲル電気泳動によって、177bp断片の存在が明らかになる。
【0160】 タラの腐敗を監視する技術の応用によって、この技術は、長期間保存中の魚肉
の鮮度品質と直接相関があることが証明された。
【0161】 III) 結論
【0162】 したがって、本発明による分子プライマー対により、海洋細菌中はもちろんの
こと、系統的に比較的遠い細菌、すなわち腸内細菌および汽水による細菌中のt
orA遺伝子を検出することができる。
【0163】 PCR試験を魚肉に応用すると、本発明による分子プライマーによって腐敗し
かけている魚に存在する細菌のtorA遺伝子の検出が行えるため、有望な結果
が得られる。PCR増幅は、魚肉サンプルには直接応用できないため、該肉から
の全DNAの抽出が最初に必要である。
【0164】 さらに、この技術は魚肉の鮮度に直接関係しており、TVBNなどの古典的な
技術よりもさらに感受性である。
【0165】 B) 物質と方法
【0166】 1) 細菌株の分離;増殖培地および条件
【0167】 Shewanella cおよびShewanella missiliaを分離するために用いた魚は、マル
セイユ沖の地中海で捕獲されたヒメジ(Mullus surmuletus)に相当し、海水を
含む滅菌試験管中で48時間室温で保持した。海水はミリポアフィルタ(0.4
5μM)によって事前に滅菌されていた。
【0168】 Shewanella菌株はLB培地(“ルリア培養液”:酵母抽出物10g/l、バクト
ペプトン5g/lおよびNaCl 5g/l)中で30℃にて、嫌気性または好気性条
件で培養する。細菌 E. coliおよびSalmonella typhimuriumは、LB培地上で3
7℃にて培養した。菌株 Photobacterium phosphoreum は、ATCC(No. 1104
0)によって得られ、LB培地などの従来の培地で増殖しない。海洋培地(海洋
培養液;Difco)上で15℃にて培養される。
【0169】 2) PCR技術
【0170】 a) 標準PCR
【0171】 標準PCR増幅は参考文献(6)で述べられている条件で実施する。反応混合
物(50μl)は、10ngの染色体DNA、0.2μgの各オリゴヌクレオチドプ
ローブ、100μMの4種類の各デオキシリボヌクレオチド3リン酸(dXTP
)、10mMのTris/HCl(pH8.3)、1.5mMのMgCl 2、50m
MのKCl、0.01%のゼラチン、1単位のDNAポリメラーゼ(Taqポリ
メラーゼ、ベーリンガーマンハイム/ロシュ)を含む。PCRプロセス中の蒸発
を防ぐため、反応混合物は最後に、50μlの鉱油で覆われた。
【0172】 サーモサイクラー(MJ Research)で行う増幅は、30サイクルの反応を使用
し、1サイクルは94℃での30秒間の変性工程、55℃での30秒間のハイブ
リダイゼーション工程、約72℃での45秒間(1kb/分)の伸長工程を含む。
DNAは、第1サイクルの開始前に、94℃にて1.5分間事前に変性させる。
次に10μlの各増幅生成物は、アガロースゲル電気泳動によって分析した。
【0173】 b) 本発明による変性分子プライマーを用いたPCR条件
【0174】 本発明による分子プライマー、特に“DDN”、“BN”または“BC”と呼
ばれるプライマーは上で定義したとおりである。
【0175】 反応混合物(50μl)は、細菌からの10ngの染色体DNAか、5μlの細胞
懸濁液(OD600=0.5−1)または25ngの魚から抽出された全DNA、1
00μMの4種類の各デオキシリボヌクレオチド3リン酸(dXTP)、0.8
μgの本発明によるプライマーの各混合物、10mMのTris−HCl(pH8
.3)、1.5mMのMgCl2、50mMのKCl、0.01%のゼラチン、1単
位のTaqポリメラーゼを含む。
【0176】 PCR反応は、94℃での30秒間の変性工程、それに続く55℃または45
℃での30秒間のハイブリダイゼーション工程、その後の72℃での45秒間の
伸長工程からなる、30サイクルの連続反応を使用する。DNAは、第1サイク
ルの開始前に、94℃にて1.5分間事前に変性させる。
【0177】 3) 細菌からの染色体DNAの調製
【0178】 細菌からの染色体DNAは、10mlの培養物(OD600>1)から出発して
調製した。細胞を10000rpmで10分間遠心分離にかけた後、残留物を1ml
の10mM EDTA(pH8)中で再懸濁させる。SDSを加えて(最終0.5
%)、細胞溶解を行う。この溶液は、等体積のイソアミルアルコール/クロロホ
ルム(1:24)と混合する。7000rpmで20分間遠心分離にかけた後、上
相を回収した。残留タンパク質のほとんどを除去するために、この操作を複数回
繰り返す。最後に、DNAはNaCl(0.3M最終)およびエタノール(2.
2体積)を加えて沈殿させる。
【0179】 4) PCRのための、腐敗しかけている魚肉からの全染色体DNAの調製
【0180】 a) シリカビーズへのDNA固定に基づくキットを用いた迅速調製(高純度
PCRテンプレート調製キット、ベーリンガーマンハイム/ロシュ)
【0181】 25mgの魚肉を、40μlのプロテイナーゼK(0.8mg)の存在下で、20
0μlの溶解バッファー(4M尿素、200mM Tris、20mM NaCl、
200mM EDTA、pH7.4)中で、55℃にて45分間インキュベートす
る。細胞溶解を促進するために、サンプルを最初にメスを用いて切り刻む。20
0μlの固定バッファー(6Mグアニジン−HCl、10mM尿素、10mM Tr
is−HCl、20% v/v Triton、pH4.4)をサンプルに加え、次に72
℃で10分間インキュベートする。この溶液を100μlのイソプロパノールと
混合し、次に8000rpmで1分間遠心分離にかけ、シリカビーズに基づくフィ
ルターで濾過する(管高純度フィルタ+収集管)。残留不純物は2回の洗浄工程
で除去する(洗浄バッファー:20mM NaCl、2mM Tris−HCl、8
0% v/v エタノール、pH7.5)。次にDNAを溶出バッファー(10mM
Tris、pH8.5)で溶出させる。
【0182】 b) NaOH/SDSを用いた処理による、細胞からのDNAの抽出
【0183】 腐敗しかけている魚(室温に維持した滅菌管中で16時間インキュベーション
した後)から25mgの魚肉を採取し、50μlの0.05M NaOHおよび0
.25%SDSの溶液に置く。細胞をすりつぶした後、サンプルを95℃にて1
5分間インキュベートする。450μlの滅菌水を混合物に加え、次に、800
0gで2分間の遠心分離工程で細胞砕片を除去する。得られた5μlの上澄は、
PCR試験に直接使用する。
【0184】 c) イソアミルアルコール/クロロホルム抽出
【0185】 細菌DNAについて上述したように、25mgの汚染魚肉から出発して、イソア
ミルアルコール/クロロホルム抽出による全染色体DNAの調製を行う。しかし
、魚肉サンプルに含まれる大量の不純物を除去できるように、抽出工程数を増加
させる。
【表48】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 Shewanella massilia(torA/S. m.)、Shewanella c(to
rA/S. c.)および Shewanella(torA/S. p.)のtorA遺伝子のヌク
レオチド配列のアラインメントを示す。
【図2】 Shewanella c のTMAOレダクターゼをコードするtorA遺
伝子の完全ヌクレオチド配列を示す。
【図3】 Photobacterium phosphreumのTMAOレダクターゼをコードす
るtorA遺伝子の完全ヌクレオチド配列を示す。
【図4】 Shewanella massilia(torA/S. m.)、E. coli(torA
/E. c.)、Rhodobacter sphaeroides(TorA/R. s)および Rhodobacter c
apsulatus(TorA/R. c.)のtorA遺伝子のヌクレオチド配列のアライン
メントを示す。矢印は、細菌Shewanella massilia のtorA遺伝子上で生成さ
れた、保存領域から開始する各種プライマーの位置を示す。さらに詳細には、S.
massilia のtorA遺伝子上の各種プライマー“DDN”および“BN”の位
置は以下のとおりである:
【表49】
【図5】 Salmonella typhimuriumのTMAOレダクターゼをコードするt
orA遺伝子の部分ヌクレオチド配列を示す。
【図6】 Shewanella cのTMAOレダクターゼの完全ペプチド配列を示す
【図7】 Shewanella massilia(TorA/S. m.)、E. coli(TorA
/E. c.)、Rhodobacter sphaeroides(TorA/R. s)のTorAタンパク質
の対応するタンパク質領域を使用して、DDN1+/DDN5−分子プライマー
を用いて P.phosphoreum 内で増幅されたDNA断片から推定した、Photobacter
ium phosphreum(TorA/P. p.)のTorAタンパク質の断片のペプチド配
列のアラインメントを示す。
【図8】 E. coli(TorA/E. c.)のTorAタンパク質、Rhodobacte
r sphaeroides(TorA/R. s)のDorAタンパク質およびShewanella mass
ilia(TorA/S. m.)のTorAタンパク質の対応するタンパク質領域を使
用して、DDN1+/DDN5−分子プライマーを用いて S. typhimurium 内で
増幅されたDNA断片から推定した、Salmonella typhimurium(TorA/S. t
.)のTorAタンパク質の断片のペプチド配列のアラインメントを示す。
【図9】 本発明による“DDN”分子プライマーの1つを生成するために
使用する、Shewanella属の細菌および E. coliのTMAOレダクターゼをコード
する遺伝子の、高度に保存された領域の核酸配列のアラインメントを示す。 (a)Shewanella属の各種細菌および E. coliのTMAOレダクターゼをコ
ードするtorA遺伝子上の各種DDNプライマーのおおよその位置および向き
、 (b)DDNプライマーの1つ(DDN1+)を生成するための方法の例;
枠内の区域は、Shewanella属〔Shewanella massilia(torA/S. massilia)
、Shewanella putrefaciens(torA/S. putrefaciens)、Shewanella c(t
orA/S. c.)〕および E. Coliの細菌のTMAOレダクターゼをコードする
遺伝子の高度に保存された核領域に対応する。
【図10】 DDN1+/DDN5−分子プライマー(レーン1、5および
9;予想サイズ:820bp)、DDN5+/DDN2−(レーン2、6および
10;予想サイズ:234bp)、DDN5+/DDN3−(レーン3、7およ
び11;予想サイズ:740bp)およびDDN5+/DDN3−(レーン4、
8および12;予想サイズ:866bp)を用いて、Shewanella massilia(レ
ーン1、2、3および4)、Shewanella c(レーン5、6、7および8)および
Shewanella putrefaciens MR−1(レーン9、10、11および12)の染
色体DNAから開始する増幅を行った場合の、PCRによる生成物のアガロース
ゲル電気泳動を示す。レーンM:サイズマーカー。
【図11】 プライマー対DDN1+/DDN5−(レーン1;予想サイズ
:820bp)、DDN5+/DDN2−(レーン2;予想サイズ:234bp
)、DDN5+/DDN3−(レーン3;予想サイズ:740bp)およびDD
N5+/DDN4−(レーン4;予想サイズ:866bp)を用いて、Photobac
terium phosphoreumの染色体DNAから開始する増幅を行った場合の、PCRに
よる生成物のアガロースゲル電気泳動を示す。レーンM:サイズマーカー。
【図12】 分子プライマー対DDN1+/DDN5−(レーン1〜3;予
想サイズ:820bp)、DDN5+/DDN2−(レーン4〜6;予想サイズ
:234bp)、DDN5+/DDN3−(レーン7〜9;予想サイズ:740
bp)、DDN5+/DDN4(レーン10および11;予想サイズ:866b
p)を用いて、S. massilia(レーン1、4、7および10)、E. coli(レーン
2、5、8および11)およびS. typhimurium(レーン3、6および9)の染色
体DNAから開始する増幅を行った場合の、PCRによる生成物のアガロースゲ
ル電気泳動を示す。レーンM:サイズマーカー。
【図13】 本発明による“BN”分子プライマーの1つを生成するために
使用する、Shewanella属、Rhodobacter属および E. coliのTMAOレダクター
ゼをコードする遺伝子の、高度に保存された領域の核酸配列のアラインメントを
示す。 (a)Shewanella属、Rhodobacter属の各種細菌および E. coliのTMAO
レダクターゼをコードするtorA遺伝子上の各種BNプライマーのおおよその
位置および向き、 (b)BNプライマーの1つ(BN3+)を生成するための方法の例;枠内
の区域は、細菌Shewanella massilia(torA/S. massilia)、E. coli、Rho
dobacter sphaeroides(dorA/R. sphaeroides)および Rhodobacter capsu
latus(dorA/R. capsulatus)のTMAOレダクターゼをコードする遺伝子
の高度に保存された核領域に対応する。
【図14】 S. massilia(TorC/S. m.)、E. coli(TorC/E. c
.)のTorCチトクロムの、および R. sphaeroides(DorC/R. s)のDo
rCチトクロムのタンパク質配列のアラインメントを示す。矢印は、細菌Shewan
ella massiliaのtorC遺伝子上で生成された、保存領域から開始する各種プ
ライマーの位置を示す。たとえば、対BC1+/BC2−は、S. massilia中の
TorCタンパク質をコードする遺伝子の197bp断片の増幅を引き起こし、
アミノ酸66個のポリペプチドをコードする該断片は、S. massilia のTorC
のペプチド配列の位置114および179に位置するアミノ酸によって結合され
る。対BC1+/BC3−は、S. massilia中のTorCタンパク質をコードす
る遺伝子の719bp断片の増幅を引き起こし、アミノ酸240個のポリペプチ
ドをコードする該断片は、S. massiliaのTorCのペプチド配列の位置114
および353に位置するアミノ酸によって結合される。対BC2+/BC3−は
、S. massilia中のTorCタンパク質をコードする遺伝子の542bp断片の
増幅を引き起こし、アミノ酸181個のポリペプチドをコードする該断片は、S.
massiliaのTorCのペプチド配列の位置173および353に位置するアミ
ノ酸によって結合される。
【図15】 分子プライマー対BC1+およびBC2−を用いて、E. coli
(レーン1)、S. typhimurium(レーン2)、P. phosphreum(レーン3)、S.
massilia(レーン4)、R. sphaeroides(レーン5)またはErwinia chrysanthe
mi(レーン6)の染色体DNAから開始する増幅を行った場合の、PCRによる
生成物のアガロースゲル(2%)による電気泳動を示す。DNA断片(117塩
基対)の予想サイズは矢印で示す。レーンM:サイズマーカー。
【図16】 本発明による分子プライマーの特異性に対する染色体DNAの
影響を示す。PCR増幅は、2.5μg(レーン1および4)、5μg(レーン2
および5)または10μg(レーン3および6)の精製したニシン染色体DNA
の存在下で、分子プライマーDDN1+およびDDN5−を用いて行う。レーン
4、5および6は、反応混合物にShewanella massiliaの細胞懸濁液2.5μl
を加えて行った試験に対応する。レーンM:サイズマーカー。
【図17】 BN6+/BN4−プライマー(レーン1、4、7および10
;予想サイズ:364bp)、BN6+/BN2−プライマー(レーン2、5、8
および11;予想サイズ:711bp)、DDN1+/DDN5−(レーン3、6
、9および12;予想サイズ:820bp)を用いて、腐敗しかけている魚肉(タ
ラ:レーン1〜3;シタビラメ:レーン4〜6;タイ:レーン7〜9およびヒメ
ジ:レーン10〜12)から抽出した全DNAから開始する増幅を行った場合の
、PCRによる生成物のアガロースゲル(2%)による電気泳動を示す。レーン
M:サイズ標準(スケール1KbのBRL)。
【図18】 BC1+/BC2−分子プライマーを用いて、腐敗しかけてい
るヒメジ(レーン1および2)による全DNAの2種類の異なる調製物に対して
増幅を行った場合の、PCRによる生成物のアガロースゲル(2%)による電気
泳動を示す。矢印は、177塩基対の増幅DNA断片を示す。
【図19】 Photobacterium phosphoreum(torA/P. p.)、Shewanell
a putrefaciens(torA/S. p.)、Shewanella massilia(torA/S. m.
)、Shewanella c(torA/S. c.)、および Salmonella typhimurium(to
rA/S. t.)のtorA遺伝子のヌクレオチド配列のアラインメントを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ドス・サントス,ジャン−フィリップ フランス国、エフ−13011 マルセイユ、 アヴニュー・ジャン・コンバール 16 (72)発明者 メジョン,ヴァンサン フランス国、エフ−13008 マルセイユ、 アヴニュー・ドゥ・アンブール 141 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA01 CA02 CA09 HA14 4B063 QA01 QA18 QQ06 QQ42 QR32 QR39 QR56 QR62 QS25 QS34

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水生動物の肉の分解プロセスに関与するすべての細菌の存在
    を、該細菌の担体となりうる宿主において検出する方法を実施するための、細菌
    中のトリメチルアミンN−オキシドレダクターゼ(TMAOレダクターゼ)系の
    タンパク質をコードする配列、または約15〜25ヌクレオチドのプローブもし
    くはプライマーなどのこの配列の断片、またはTMAOレダクターゼ系のタンパ
    ク質をコードするこの配列のか、もしくは後者の断片の1以上のヌクレオチドの
    添加、抑制および/または置換に由来する配列であって、該断片および該由来す
    る配列が、TMAOレダクターゼ系のタンパク質をコードする該配列とハイブリ
    ダイズ可能である配列を含むものから選択されるヌクレオチド配列の使用。
  2. 【請求項2】 TMAOレダクターゼ系のタンパク質をコードする配列が、
    細菌中の、TMAOレダクターゼ、さらに指定されたTorAまたはDorAタ
    ンパク質をコードする配列、またはc型チトクロム、さらに指定されたTorC
    またはDorCタンパク質をコードする配列から選択されることを特徴とする、
    請求項1記載の使用。
  3. 【請求項3】 TMAOレダクターゼ系のタンパク質をコードするヌクレオ
    チド配列が、以下の細菌: −シーワネラ(Shewanella)属、フォトバクテリウム(Photobacterium)属ま
    たはビブリオ(Vibrio)属などの海洋細菌であって、該配列が特に以下: *図1に示すシーワネラ・マシリア(Shewanella massilia)のTorAタ
    ンパク質をコードする配列、 *図1に示すシーワネラ・プトレファシエンス(Shewanella putrefaciens
    )のTorAタンパク質をコードする配列、 *図2に示すシーワネラ・シー(Shewanella c)のTorAタンパク質をコ
    ードする配列、 *図3に示すフォトバクテリウム・フォスフォレウム(Photobacterium pho
    sphoreum)のTorAタンパク質をコードする部分配列、 *図14に示すシーワネラ・マシリア(Shewanella massilia)のTorC
    タンパク質をコードする配列 から選択される細菌、 −ロードバクター(Rhodobacter)属またはロゼオバクター(Roseobacter)属
    などの汽水から得られた細菌であって、該配列が特に以下: *図4に示すロードバクター・スファロイドス(Rhodobacter sphaeroides
    )のDorAタンパク質をコードする配列、 *図4に示すロードバクター・カプスラトス(Rhodobacter capsulatus)の
    DorAタンパク質をコードする配列、 *図14に示すロードバクター・スファロイドス(Rhodobacter sphaeroide
    s)のDorCタンパク質をコードする配列 から選択される細菌、 −エシェリシア(Escherichia)属またはサルモネラ(Salmonella)属などの
    腸内細菌であって、該配列が、特に以下: *図4に示すエシェリシア・コリ(Escherichia coli)のTorAタンパク
    質をコードする配列、 *図5に示すサルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)の
    TorAタンパク質をコードする部分配列、 *図14に示すエシェリシア・コリ(Escherichia coli)のTorCタンパ
    ク質をコードする配列 から選択される細菌、 から選択されることを特徴とする、請求項1又は2記載の使用。
  4. 【請求項4】 ヌクレオチド配列が、以下の3つの群のプライマー: のものから選択されることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の使用。 (1) 以下: ◆以下: 【表1】 のヌクレオチド配列“DDN+”の組成物、 ◆以下: 【表2】 のヌクレオチド配列“DDN−”の組成物 を含むプライマー“DDN”の群、 (2) 以下: ◆以下: 【表3】 のヌクレオチド配列“BN+”の組成物、 ◆以下: 【表4】 のヌクレオチド配列“BN−”の組成物 を含むプライマー“BN”の群 (3) 以下: ◆以下: 【表5】 のヌクレオチド配列“BC+”の組成物、 ◆以下: 【表6】 のヌクレオチド配列“BC−”の組成物 を含むプライマー“BC”の群、 〔ここで 【表7】 であり、 プライマー対は、対のプライマーの1つがヌクレオチド配列DDN+、BN+
    またはBC+の上述の組成物の1つに対応するのに対して、他のプライマーがヌ
    クレオチド配列DDN−、BN−またはBC−の上述の組成物の1つにそれぞれ
    対応するような方法で選択され、 該プライマー対は、以下: (a) 約820塩基対(bp)のサイズの、細菌中のTorAタンパク質を
    コードする遺伝子の断片の増幅、特に、図4に示すエス・マシリア(S. massili
    a)のtorA遺伝子の位置620〜1450に位置するヌクレオチドを境界と
    する821bp断片などの、シーワネラ(Shewanella)属の細菌中のTorAタ
    ンパク質をコードする遺伝子の821bp断片の増幅を導く、DDN1+/DD
    N5−対、 (b) 約710bpのサイズを有する、細菌中のTorAタンパク質をコー
    ドする遺伝子の断片の増幅、特に、図4に示すエス・マシリア(S. massilia)
    のtorA遺伝子の位置1657〜2403に位置するヌクレオチドを境界とす
    る727bp断片などの、シーワネラ(Shewanella)属の細菌中のTorAタン
    パク質をコードする遺伝子の727bp断片の増幅を導く、BN6+/BN2−
    対、 (c) 約360bpのサイズを有する、細菌中のTorAタンパク質をコー
    ドする遺伝子の断片の増幅、特に、図4に示すエス・マシリア(S. massilia)
    のtorA遺伝子の位置1657〜2023に位置するヌクレオチドを境界とす
    る355bp断片などの、シーワネラ(Shewanella)属の細菌中のTorAタン
    パク質をコードする遺伝子の355bp断片の増幅を導く、BN6+/BN4−
    対、 (d) 約170bpのサイズを有する、細菌中のTorCタンパク質をコー
    ドする遺伝子の断片の増幅、特に、図14に示すエス・マシリア(S. massilia
    )のTorCタンパク質の位置114〜179に位置するアミノ酸を境界とする
    ポリペプチド断片をコードする197bp断片などの、Shewanella属の細菌中の
    TorCタンパク質をコードする遺伝子の197bp断片の増幅を導く、BC1
    +/BC2−対 の4つの対のいずれか1つから選択される〕 のいずれか1つの群より選択されるプライマー対の形で使用されることを特徴と
    する、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の、水生動物の肉の分解プロセスに関与する
    細菌の担体になりうる宿主が、水生生物、特に魚および甲殻類などの海洋生物、
    より詳細には、シタビラメおよびタラなどの大西洋の魚、またはヒメジおよびタ
    イなどの地中海の魚、または淡水または汽水からの一定の動物であることを特徴
    とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の使用。
  6. 【請求項6】 試験サンプルを得た水生動物の鮮度を評価する方法の枠組み
    内で、該動物が自然環境から取り出されたときの、水生動物の肉の分解に関与す
    るすべての細菌の存在を検出する方法を実施するための、請求項1〜5のいずれ
    か1項記載の使用。
  7. 【請求項7】 以下の配列: 【表8】 ここで 【表9】 の1つに対応するヌクレオチド配列。
  8. 【請求項8】 以下の組成物: ◆以下: 【表10】 のヌクレオチド配列“DDN+”の組成物、 ◆以下: 【表11】 のヌクレオチド配列“DDN−”の組成物、 ◆ヌクレオチド配列“BN+”の以下の組成物: 【表12】 ◆以下: 【表13】 のヌクレオチド配列“BN−”の組成物、 ◆以下: 【表14】 のヌクレオチド配列“BC+”の組成物、 ◆以下: 【表15】 のヌクレオチド配列“BC−”の組成物、 ここで、 【表16】 である、 の1つに対応する組成物と一緒に混合されたヌクレオチド配列の組成物。
  9. 【請求項9】 以下: (1) 以下: ◆以下: 【表17】 のヌクレオチド配列“DDN+”の組成物、 ◆以下: 【表18】 のヌクレオチド配列“DDN−”の組成物 を含むプライマー“DDN”の群、 (2) 以下: ◆以下: 【表19】 のヌクレオチド配列“BN+”の組成物、 ◆以下: 【表20】 のヌクレオチド配列“BN−”の組成物 を含むプライマー“BN”の群、 (3) 以下を含むプライマー“BC”の群: ◆ヌクレオチド配列“BC+”の以下の組成物: 【表21】 ◆以下: 【表22】 のヌクレオチド配列“BC−”の組成物 〔ここで、 【表23】 であり、 プライマー対は、対のプライマーの1つがヌクレオチド配列DDN+、BN+
    またはBC+の上述の組成物の1つに対応するのに対して、他のプライマーがヌ
    クレオチド配列DDN−、BN−またはBC−の上述の組成物の1つにそれぞれ
    対応するような方法で選択され、 該プライマー対は、以下: (a) 約820塩基対(bp)のサイズの、細菌中のTorAタンパク質を
    コードする遺伝子の断片の増幅、特に、図4に示すエス・マシリア(S. massili
    a)のtorA遺伝子の位置620〜1450に位置するヌクレオチドを境界と
    する821bp断片などの、シーワネラ(Shewanella)属の細菌中のTorAタ
    ンパク質をコードする遺伝子の821bp断片の増幅を導く、DDN1+/DD
    N5−対、 (b) 約710bpのサイズを有する、細菌中のTorAタンパク質をコー
    ドする遺伝子の断片の増幅、特に、図4に示すエス・マシリア(S. massilia)
    のtorA遺伝子の位置1657〜2403に位置するヌクレオチドを境界とす
    る727bp断片などの、シーワネラ(Shewanella)属の細菌中のTorAタン
    パク質をコードする遺伝子の727bp断片の増幅を導く、BN6+/BN2−
    対、 (c) 約360bpのサイズを有する、細菌中のTorAタンパク質をコー
    ドする遺伝子の断片の増幅、特に、図4に示すエス・マシリア(S. massilia)
    のtorA遺伝子の位置1657〜2023に位置するヌクレオチドを境界とす
    る355bp断片などの、シーワネラ(Shewanella)属の細菌中のTorAタン
    パク質をコードする遺伝子の355bp断片の増幅を導く、BN6+/BN4−
    対、 (d) 約170bpのサイズを有する、細菌中のTorCタンパク質をコー
    ドする遺伝子の断片の増幅、特に、図14に示すエス・マシリア(S. massilia
    )のTorCタンパク質の位置114〜179に位置するアミノ酸を境界とする
    ポリペプチド断片をコードする197bp断片などの、Shewanella属の細菌中の
    TorCタンパク質をコードする遺伝子の197bp断片の増幅を導く、BC1
    +/BC2−対 の4つの対のいずれか1つから選択される〕 のプライマーの群の1つから選択されることを特徴とする、プライマー対。
  10. 【請求項10】 細菌の担体になることが可能である宿主内での水生動物の
    肉の分解に関与するすべての細菌を検出する方法であって、該方法は、該宿主か
    ら採取した生物学的サンプルから出発して行われ、該生物学的サンプルは、特に
    問題の水生動物の肉の皮下断片に対応し、そして、請求項1〜9のいずれか一項
    で定義したような少なくとも1個のヌクレオチド配列と該宿主から採取した生物
    学的サンプル中に存在することが可能である水生動物の肉の分解に関与する細菌
    のTMAOレダクターゼ系のタンパク質をコードする遺伝子の断片とのハイブリ
    ダイゼーションの工程を含み、次いで、必要に応じ、コピーの数が増幅されてい
    る、TMAOレダクターゼ系のタンパク質をコードする遺伝子またはこの遺伝子
    の断片の該サンプル中の存在の可能性を、特に電気泳動によって検出する工程を
    含むことを特徴とする、方法。
  11. 【請求項11】 以下の工程: − 宿主から全DNAを抽出し、この細菌のゲノムを請求項1〜9のいずれか
    1項で定義したヌクレオチド配列またはプライマーに接近することができるよう
    にするための、宿主から採取した生物学的サンプルの処理であって、核酸のシリ
    カビーズ上への固定に基づく迅速DNA抽出技術を特に使用して行う処理、 − 上述のヌクレオチド配列または上述の遺伝子もしくは上述の遺伝子の断片
    とハイブリタイズするプライマーを用いる、サンプル中に存在可能である水生動
    物の肉の分解に関与する細菌のTMAOレダクターゼ系のタンパク質をコードす
    る遺伝子またはこの遺伝子の断片のコピー数の増幅、 −上述の細菌のTMAOレダクターゼ系のタンパク質をコードする遺伝子、ま
    たはこの遺伝子の断片の複製の増幅された数のありうる存在の検出、したがって
    調査する生物学的サンプル中の該細菌の存在の検出 を含むことを特徴とする、請求項10記載の検出方法。
  12. 【請求項12】 以下の工程: − 好ましくは10mM Tris−HCl pH8.3、50mM KCl、1
    .5mM MgCl2、0.01%ゼラチン、それぞれ100μMの濃度のDNAの
    4種の構成要素のデオキシヌクレオチド(dCTP、dATP、dGTP、dT
    TP)、および請求項1〜9記載のプライマー対からなるバッファー中において
    、約90℃〜約100℃、有利には94℃において、約1.5分間加熱すること
    による、宿主の全2本鎖DNAの1本鎖DNAへの予備変性、 −前の工程で得られた媒体に、たとえばTaqポリメラーゼなどのDNAポリ
    メラーゼを添加することによる実際の増幅、 ◆実際の変性工程に対応する、約94℃における約30秒間の加熱、 ◆次いで、調査した生物学的サンプル中に存在することができる、細菌のT
    MAOレダクターゼ系のタンパク質をコードする遺伝子またはこの遺伝子の断片
    とプライマーとのハイブリダイゼーション工程に相当する、約35℃〜約60℃
    、特に約45℃または55℃での約30秒間の加熱、 ◆そして最後に、前の工程で互いに対してハイブリダイズしたプライマーの
    伸長工程に相当する、72℃での約45秒間の加熱、こうした細菌のTMAOレ
    ダクターゼ系のタンパク質をコードする遺伝子の断片の相補的ヌクレオチド配列
    の作成、この後者の配列は、上述のプライマーへとハイブリダイズするヌクレオ
    チドを境界とし、 − 約15〜約35回、有利には約30回の前の増幅工程の反復 を含むTMAOレダクターゼをコードする遺伝子数の増幅を特徴とする、請求項
    11記載の検出方法。
  13. 【請求項13】以下: − 請求項1〜9のいずれか1項記載の1以上のヌクレオチド配列またはプラ
    イマー、 − DNAポリメラーゼ、 −好ましくは10mM Tris−HCl pH8.3、50mM KCl、1.
    5mM MgCl2、0.01%ゼラチン、それぞれ100μMの濃度の、DNAの
    4種の構成要素であるデオキシヌクレオチド(dCTP、dATP、dGTP、
    dTTP)からなる反応媒体 を含むことを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項記載の検出方法を実
    施するためのキット。
  14. 【請求項14】 以下: − 図2に示す、海洋細菌シーワネラ・シー(Shewanella c )のTorAタ
    ンパク質をコードするtorA遺伝子の配列、 *または、ペプチド配列を図6に示す、遺伝子コードの変性により上述の配
    列に由来し、そしてシーワネラ・シー( Shewanella c) のTorAタンパク質
    をコードする任意の配列、 *または、特に1以上のヌクレオチドの置換、抑制または添加による上述の
    ヌクレオチド配列に由来する任意の配列であって、図2に示す上述のヌクレオチ
    ド配列と、好ましくは、約35%〜100%の相同性を有する配列、 *または、上述のヌクレオチド配列、または上で定義した後者に由来する配
    列の任意の断片であって、好ましくは、少なくとも15個のヌクレオチドからな
    る断片。 −図3に示す、海洋細菌フォトバクテリウム・フォスフォレウム( Photobact
    erium phosphoreum )のTorAタンパク質をコードする遺伝子の部分配列、 *または、ペプチド配列を図7に示す、遺伝子コードの変性により上述の配
    列に由来する、およびフォトバクテリウム・フォスフォレウム( Photobacteriu
    m phosphoreum )のTorAタンパク質をコードする任意の配列、 *または、特に1以上のヌクレオチドの置換、抑制または添加による上述の
    ヌクレオチド配列に由来する任意の配列であって、図3に示す上述のヌクレオチ
    ド配列と好ましくは約35%〜100%の相同性を有する配列、 *または、上述のヌクレオチド配列、または上で定義した後者に由来する配
    列の任意の断片であって、好ましくは少なくとも15個のヌクレオチドからなる
    断片、 − 図5に示す、海洋細菌サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhi
    murium のTorAタンパク質をコードする遺伝子の部分配列、 *または、図8に示すペプチド配列の、遺伝子コードの変性により上述の配
    列に由来する、およびサルモネラ・ティフィムリウム( Salmonella typhimuriu
    m )のTorAタンパク質をコードする任意の配列、 *または、特に1以上のヌクレオチドの置換、抑制または添加による上述の
    ヌクレオチド配列に由来する任意の配列であって、図5に示す上述のヌクレオチ
    ド配列と好ましくは約35%〜100%の相同性を有する配列、 *または、上述のヌクレオチド配列、または上で定義した後者に由来する配
    列のいずれかの断片であって、好ましくは少なくとも15個のヌクレオチドから
    なる断片 を含むヌクレオチド配列。
  15. 【請求項15】 請求項14記載のヌクレオチド配列によってコードされ、
    そして、以下: − シーワネラ・シー(Shewanella c )のTorAタンパク質の図6に示す
    アミノ酸配列、 *または、特に1以上のアミノ酸の置換、抑制または添加による上述のペプ
    チド配列に由来する配列であって、図6に示す上述のペプチド配列と好ましくは
    約35%〜100%の相同性を有する配列、 *または、上述のペプチド配列、または上で定義した後者に由来する配列の
    いずれかの断片であって、好ましくは少なくとも5個のアミノ酸からなる断片。 −図7に示す、フォトバクテリウム・フォスフォレウム(Photobacterium pho
    sphoreum )のTorAタンパク質の部分アミノ酸配列、 *または、特に1以上のアミノ酸の置換、抑制または添加による上述のペプ
    チド配列に由来する配列であって、図7に示す上述のペプチド配列と好ましくは
    約35%〜100%の相同性を有する配列、 *または、上述のペプチド配列、または上で定義した後者に由来する配列の
    いずれかの断片であって、好ましくは少なくとも5個のアミノ酸からなる断片。 −図8に示す、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium )
    のTorAタンパク質の部分アミノ酸配列、 *または、特に1以上のアミノ酸の置換、抑制または添加による上述のペプ
    チド配列に由来する配列であって、図8に示す上述のペプチド配列と好ましくは
    約35%〜100%の相同性を有する配列、 *または、上述のペプチド配列、または上で定義した後者に由来する配列の
    いずれかの断片であって、好ましくは少なくとも5個のアミノ酸からなる断片 を含むペプチド配列。
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