JP2003502436A - 活性物質ジアモルフィンからなる医薬生成物およびオピエート嗜癖の処置方法におけるその使用 - Google Patents
活性物質ジアモルフィンからなる医薬生成物およびオピエート嗜癖の処置方法におけるその使用Info
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Abstract
Description
置する方法において使用するための医薬生成物に関する。使用される活性物質は
好ましくはジアモルフィン(ヘロイン、ジアセチルモルフィン)および/または
その医薬的に許容される酸付加塩である。
にはアヘン、モルフィン、コデインおよびヘロインが包含される。さらに粗製の
アヘンの成分にはナルコチン、パパベリン、ナルセイン、テバイン、ラウダノシ
ン、キサンタリンおよびノスカピンがある。しかしながら、麻薬性および鎮痛性
を示すのはモルフィンアルカロイドのみである。
身体的習慣性を伴う精神的習慣性を生じる(たとえば日々の現実からの逃避)。
消費されたオピエートを差しひかえると、典型的な離脱現象が起こりこれにはと
くに著しい離脱痛が含まれる。したがって、オピエート依存またはオピエート嗜
癖は、もはや嗜癖の初期段階に使用者が望んだ多幸感または知覚の変化に寄与す
るものではなくてその代わりにとくに適当なオピエートの供給を欠く場合に生じ
る著しい離脱痛を回避するためのものとして働いてしまう。オピエートの新たな
供給は離脱痛を短時間消失させるが、オピエートの長期使用は身体的荒廃(蒼白
な容貌、些細な理由による発汗、胃腸障害、皮膚の発疹、狭心症発作、月経困難
および無月経を含む生殖関連障害、性交能力の低下、生殖腺の損傷等)のみでな
く、精神的障害(易刺激性、不機嫌、うつ状態等)ならびに知能的行動不全(記
憶障害、集中力の喪失、精神病的強迫等)をも伴う。これは、耽溺、以前の知人
達のサークルからの孤立、および長期的には社会的退廃、さらに少なからぬ犯罪
行為を招来する。
よって処置されたことがある。しかしながらメサドンは、1994年以来スイス
で進行中のヘロインの状態制御投薬において科学的に評価された実験によって示
されたように、静脈内投与しても、ヘロインに比べて治療的に劣っている。この
実験には、臨床歴にすでに何回もの治療が無効であった経験がありヘロイン嗜癖
からの直接的または二次的に生じる重大な健康上の問題を有する969例の選ば
れたヘロイン嗜癖患者にヘロインを静脈内投与またはシガレットを用いて肺に取
り込ませた。初期の上昇ののち(きわめて低い初期濃度での送達により)投与用
量を6月目から一定に保持することが可能で、一部の症例ではわずかながら減量
することもできた。ヘロイン嗜癖患者の健康状態には、ヘロインの状態制御投与
によって著しく改善が得られる。さらに、ヘロイン嗜癖による薬物に関連する犯
罪の有意な減少が観察される。すなわち、スイスにおける薬物関連犯罪の減少に
よる国民経済に対する利益は1日1人あたり96フランに達した。
したがって、注射直後における血漿中のヘロイン濃度は離脱現象を抑制するのに
必要な最低レベルを大きく超え、毒性範囲に入り重篤な副作用および錯乱を招く
ことがある。バイオトランスフォーメーションの結果として血漿レベルはわずか
数時間後に作用閾値以下の濃度に再び低下し、望ましくない離脱現象が起こる。
ことがない。これは、ブプレノルフィンがきわめて高価であること、また、たと
えば、誘発される呼吸抑制が通常用いられるアンタゴニストの投与によって処置
できないことから、過量投与の可能性がある症例において部分オピエートアゴニ
ストとして大きな問題を生じることによると考えられる。その上、ブプレノルフ
ィンの長期使用では、長期メサドン療法の場合よりもさらに依存の強化が認めら
れている。
ているが、現在までに市販製品およびある程度の治療的成功が導かれたのはニコ
チン依存の症例についてのみである。とくに、オピエート依存およびオピエート
誤用とくにヘロインの誤用の場合、ロベリンまたはメサドンにかける信頼はこれ
まで報いられていない。
るために、アセチルメサドン、ナルトレキソン、コデイン、ジヒドロコデインお
よびモルフィンの使用が提案されている。ブプレノルフィンを除いて後に挙げた
活性物質のいずれもヘロインの鎮痛活性を越えないので、これらの物質は多分、
ヘロインに対するきわめて重篤な依存の処置には限界があるものと考えられる。
フィンを選択することは自明のように思われるが、ヘロイン嗜癖によるきわめて
重篤な依存に伴う離脱症状の処置のためにジアモルフィンの連続かつ制御された
放出の経皮治療システムは驚くべきことにこれまで知られていない。これは活性
物質のジアモルフィンが比較的容易に加水分解され、したがってこの活性物質を
長期間にわたって放出させることが意図され、それに先立つ保存時にも全く分解
を受けない医薬製品の製造が可能であることは、まだ証明されていない事実によ
るものであろう。
が皮膚を通る経路によりおよび浸透面積のサイズの適当な選択により制御された
様式で達成されるので、一定の血漿レベルのために有利である。しかしながら、
副作用および重篤な離脱現象を伴う供給不足の原因になるピークのない一定の血
漿レベルは、1994年以来のスイスにおけるヘロインの国によって管理された投薬
による大規模な科学的に評価されたフィールド試験(I.Weber, “Verschreibunn
g von Heroin fuer Drogenabhaengige" [薬物依存者へのヘロインの処方]、Deut
sche Apotheker Zeitung, 138: 57, 1998)で明瞭に示されてきたように社会復
帰の見地から治療の成功の前提条件である。
症状、とくにヘロイン嗜癖に特異的な症例を処置するためのデバイスおよび方法
を提供することにある。薬物依存者(=嗜癖者=患者)を無制御なオピエートの
供給から隔離し、離脱症状を回避または減弱させ、最終的には薬物依存者を恒常
的なオピエートの消費から解放する。
として構築し、デバイスの保存時に活性物質が分解しないことまたは他にその活
性を失わないことを保証することにある。
である活性物質の連続的かつ制御された放出が可能なデバイスによって達成され
る。このデバイスは吸収過程を包含する皮膚または粘膜への適用および非経口的
投与に適している。好ましいデバイスは、経皮治療システム(TTS)である。
この種の経皮治療システムの構築は本技術分野の熟練者には既知である。TTS
の特徴的な性質は、少なくとも1つの活性物質層およびTTSを皮膚に固定する
手段、一般的には圧力感受性の接着性フィルムである。別法として、デバイスは
経口投与可能な形態、たとえば錠剤、カプセルまたはウエファースとすることが
できる。
モルフィンおよび/またはジアモルフィンの医薬的に適合性のある酸付加塩は、
医薬的に適合性のある非プロトン性溶媒および/または低いタンパク分解[sic
]活性を有する医薬的に適合性のある溶媒中に存在させる。このような医薬的に
適合性のある非プロトン性溶媒および低いタンパク分解活性を有する溶媒には、
とくにN-メチル-ピロリドン、R−(+)−リモネン、ニコチン酸ベンジルエステ
ル、オレイン酸、ジメチルイソソルビド、レモン油、Tween 80およびビタミン
Eが包含される。
E誘導体は、この種類の非プロトン性溶媒として用いられるかまたは非プロトン
性溶媒もしくは低いタンパク分解[sic]活性を有する溶媒に対して少なくとも
5重量%の割合で添加される。ビタミンEとさらに医薬的に適合性のある非プロ
トン性溶媒および/または低いタンパク分解[sic]活性を有する溶媒の組み合
わせは驚くべきことにジアモルフィンの加水分解的な分解速度に正の安定化作用
を有することが見いだされた。これらの研究の結果は表1に見ることができる。
この作用はデバイスの長期安定性にとくに重要である。
または低いタンパク分解活性を有する医薬的に適合性のある溶媒を、活性物質の
溶媒またはビヒクルとして用いることはさらに有利である。 経口投与形態においては用いられる非プロトン性溶媒および/または低いタン
パク分解活性を有する溶媒は融点35℃以下の溶媒であることが好ましい。
は医薬用純度である。これは、活性物質の総量に対して99%の純度が達成され
ることを意味する。同定されていない異種物質の総量は、活性物質に基づいて1
%未満、とくに好ましくは0.1%未満である。
である。これは患者のためだけでなく医師および/または看護スタッフにとって
時間的な負担の意味で、治療に大きな利点となる。
活性物質を連続的かつ制御された様式で供給され、投与される用量は、最初上記
患者の1日の要求に適合される。この方法では、まず第一にオピエートの不適当
な無制御の供給に代えて制御されたオピエートの供給が行われる。
の量は注意深く減量される。この方法では患者の血中モルフィンレベルに緩徐な
制御された低下が達成される(用量減量処置として知られている)。所望により
複数回すなわち少なくとも2段階に分けて行われるこの第2相の末には、最善の
場合、活性物質の更なる供給を完全に放棄させることが可能である。
結果として誘発される離脱現象すなわち身体的および精神的離脱現象(たとえば
離脱痛)は、この方法によって防止または減弱される。同様に、長期間にわたる
オピエートの誤用で起こる現象すなわち身体的消耗、精神的障害および知的行動
不全の強度の緩和が生じる。
感受性のある投与であり、これにより特定の時間にわたって、治療的に感受性の
ある狭い濃度範囲内における活性物質またはその主要な代謝物モルフィンの一定
の血漿濃度の達成が可能になる。
る。すなわちモルフィン自体はイソキノリンの誘導体とみなすことができるし、
またフェナントレン骨格をモルフィンアルカロイドの実際の母体環システムとみ
なすこともできる。モルフィン[(−)−モルフィン=C18H21NO3]の基本構
造を変えることにより、すなわち分子のある部位で標的誘導体化を行うことによ
って、異なる作用特徴をそれぞれの場合に強調させることができる。オピエート
の長期使用の場合には、常習化作用はきわめて短時間後に始まり、したがって、
効果を取得し続けるためには用量を上昇させなければならない。
がって、それはオピエートのグループ中に同様に包含される。それは、モルフィ
ンのフェノール性およびアルコール性ヒドロキシ基のジアセチル化によって製造
される。アセチル基を含む物質は加水分解をきわめて受けやすい。したがって、
ビオトランスフォーメーション経路により同様に、ジアモルフィンはモノアセチ
ルモルフィンを経由して再びモルフィンに分解される。主要代謝物としてのモル
フィンは、したがってジアモルフィンの現実の活性型である。ジアモルフィンの
モルフィンへの加水分解はプロトン性溶媒中ほど劇的ではないが、非プロトン性
溶媒中でも起こる。
ジアモルフィン(ヘロイン、ジアセチルモルフィン)は部分的に合成されたモル
フィン誘導体のグループに属する。それはオピエートの基本的な作用様式を有し
、主として、生体の反射反応の崩壊的影響への低下を包含する。したがって、こ
のクラスの物質は高度な鎮痛、鎮咳、抗不安および鎮吐作用を有する。しかしな
がら同時に、モルフィン類は、便秘および空腹感の抑制も誘発する。 以下の定義は本発明の理解を補助するものである。
オピエートに依存しているヒトを意味する。「嗜癖」、「依存」および「誤用」
等の語は、技術サークルによって定義の異なることも多いが、本記載の目的では
同義語とみなされる。本発明において処置が意図される薬物誤用の性質はしかし
ながら、オピエート型の薬物依存である。オピエート依存(たとえば、ヘロイン
依存)は患者が薬物嗜癖の処置を受けることを決定した限りにおいてその患者で
ある。
モルフィンアルカロイドたとえばヘロイン、モルフィン、オピウムまたはコカイ
ンおよびこれらの物質の相互のまたは他の中毒性物質もしくは麻薬(たとえばア
ルコール、ニコチン、アンフェタミン、カンナビス、バルビタール等)との組み
合わせにより依存を生じる。
中断は身体的および精神的の両者を包含する離脱現象を伴う。これらの現象には
「クレービング」と呼ばれる特定のオピエートに対する熱望、抑うつおよび沈ん
だ気分、易刺激性、迫力の喪失、モチベーションの欠乏、食欲減退および食物の
嗜好の変化、吐き気、身震い、不安、精神運動活動性の変化および不規則な睡眠
挙動が包含される。
キノリンの誘導体および/またはフェナントレンの誘導体からなる。これはとく
にモルフィンアルカロイド、すなわち (−)−モルフィンの誘導体および/また
はモルフィン誘導体の医薬的に適合性の酸付加塩を意味する。好ましい活性物質
はジアモルフィンであり、ジアモルフィン塩基および/またはジアモルフィンの
医薬的に適合性の酸付加塩の形態で提供される。別法として、活性物質は少なく
とも1種の (−)−モルフィン誘導体と非誘導体化すなわち化学的に変化してい
ない(−)−モルフィンの組み合わせとすることもできる。最後に、活性物質はま
た、たとえばシクロデキストリン中に包接化合物の形態でおよび/またはイオン
交換樹脂上に吸着させて提供することもできる。
性中心を適当な酸と反応させた場合に形成される塩が包含される。適当な酸には
塩酸、硫酸、臭化水素酸、乳酸、ギ酸、プロピオン酸、酢酸、オレイン酸、リン
酸、クエン酸、アスコルビン酸および酒石酸が包含される。この場合に形成され
る医薬的に適合性のある酸付加塩は塩酸塩、硫酸塩および一水素硫酸塩、臭化水
素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、オレイン
酸塩、リン酸塩および一水素リン酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩ならびに
酒石酸塩である。ジアモルフィンの好ましい医薬的に適合性のある酸付加塩は、
ジアモルフィン塩酸塩、ジアモルフィン一水素硫酸塩、ジアモルフィン酒石酸塩
、ジアモルフィンクエン酸塩、ジアモルフィン酢酸塩、ジアモルフィン乳酸塩お
よびジアモルフィン臭化水素酸塩である。
プレイン、錠剤、粉末、コーチング錠、スプレーまたはエアゾルの形態とするこ
とができる。デバイスの好ましい形態は経皮治療システムである。
、経粘膜、バッカル、リンガル、サブリンガル、経腸(=経口)、腸内、経鼻、
経直腸および吸入である。デバイスが溶液または移植体である場合は、投与はま
た患者生体の内部に非経口的に行うことができる。この投与様式は、しかしなが
ら吸収過程を含むたとえば皮内、皮下、筋肉内または腹腔内にもっぱら行われる
。
物質が投与部位において長期間にわたり放出されることを意味する。適当な投与
部位には傷害されていない皮膚、経口、リンガル、経鼻、胃内、腸内および直腸
粘膜、ならびに気管支および肺胞上皮が包含される。適当な吸収過程を包含する
非経口投与の場合には、皮膚、皮下組織、筋肉および腹腔が適当な部位である。
いずれの場合も、活性物質は制御されて、すなわち時間的に遅延した様式で放出
される。
少なくとも約6、12または16時間である。しかしながら、長期間は好ましく
は約24、48または72時間である。移植体の場合には、長期にわたる時間は
少なくとも約3〜7日まで、好ましくは少なくとも約14日〜約3カ月まで延長
される。デバイスが経皮治療システムである場合には、好ましい長期間は約16
、24、48または72時間である。
適合性のある非プロトン性溶媒および/または医薬的適合性のある低タンパク分
解活性[原文のまま]の溶媒にはN−メチルピロリドン、ニコチン酸ベンジル、
R−(+)−リモネン、レモン油、オレイン酸、ウンデセン酸、ジメチルイソソル
ビッド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン
トリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(これらはま
た、商品名Tween 20、40、60、80または85としても知られる)が包含される。
α−トコフェロール、DL−α−トコフェロールおよびビタミンEの誘導体たと
えばビタミンEアセテートおよびビタミンEスクシネートである。
することができる。この方法の持続期間はオピエート嗜癖の重症度に依存する。
上記離脱症状が嗜癖の原因である薬物の最後の投与からわずか数時間後に起こる
場合もあることから、活性物質の「休みなし」の供給はとくに有利である。
活性物質を供給され、1日に投与される用量は最初上記患者の実際の1日の要求
量に適合させる。同時に不適切なすなわち制御されないオピエートの供給は完全
に回避する。この方法の第1相の期間は数日から数週になる。
供給される活性物質の量は注意深く減量する。これは、1日に投与される用量が
患者のこれまでの要求量よりもわずかに低いことを意味する。このような用量が
第1の段階で数日または数週にわたって投与される。以後の段階では順次、1日
に投与される用量を各場合、直前の段階で1日に投与されたレベル以下に減量す
る。この方法で、活性物質の用量は段階毎に減量され、各段階は数日ないし数週
にわたりうる。しかしながら、これらの段階で各日に投与される用量の的確な指
示を含めた正確な治療計画は、患者のオピエート依存の重症度に応じて各患者個
々について医師によってのみ立案することができる。
る(用量低下療法として知られる)。この第2相の終わりには活性物質の更なる
供給は完全に停止する。全治療は数週ないし数カ月にわたりうる。
すなわち活性物質の24時間にわたる連続的かつ制御された放出が可能なデバイス
を1日に1回この種の新たなデバイスと交換する。この治療に関して2または3
日投与が意図されたデバイスを使用する場合には、このデバイスはそれぞれ2日
または3日毎にのみ新たなデバイスに交換する必要がある。
本発明のデバイスが使用される。使用するデバイスが、活性物質からなり、上記
活性物質を制御された様式で16時間にわたり放出する経皮治療システムである
場合には、たとえば上記デバイスは、朝、傷害のない皮膚に適用し、日中約16時
間着用を続け、患者の就寝前に除去する。翌朝、次の16−時間TTSを適用す
る。活性物質からなり、上記活性物質が制御された様式で24時間にわたり放出さ
れる経皮治療システムを使用する場合には、上記デバイスはたとえば朝、傷害の
ない皮膚に適用し、日中および続く夜間に着用を続けて、翌朝次の24−時間T
TSに交換する。この方法の第2相において1日に供給される活性物質の用量の
段階的低下の目的に従い、活性物質のより少量を放出する本発明のデバイスをそ
れぞれの新たな段階の始めに使用する。
明のデバイスが使用される場合には、上記デバイスは新たなデバイスと適当な間
隔で置き換えられる。或る特定の実施態様における第2相の新たな段階の始めに
おいて、投与される1日の用量はさき立った段階に投与された1日の用量より減
少され、活性物質の減少した放出を伴う新しいデバイスによる投与と符号するも
のである。
一定の血漿レベルを達成する。この方法により、この方法の期間を通して患者の
血中モルフィンの制御された濃度が保証されることになる。
薬、ビタミン、トランキライザー等を加えて実施してもよい。この治療法を支持
するために精神病薬を付加するのも同様に有利である。
半透過性膜のカプセル内に封入される。ドリルまたはレーザーを用いてカプセル
材料に小さな開口部を穿孔する。処置される患者の体内においてデバイスの摂取
後、水がカプセル材料を通して吸収される。活性物質はついで、浸透圧によって
所望の連続的かつ制御された様式で小開口部を通じて外部に放出される。この種
類のシステムはたとえばUS 3,760,805およびUS 3,987,790に記載されている。こ
れらのシステムにおいては、医薬活性物質は固体またはイオン交換樹脂に吸着さ
れた形態で存在させることができる。
生物接着性、生物適合性、水溶性および/または少なくとも水膨潤性のポリマー
マトリックス中に導入される。この種類のポリマーマトリックスはたとえばポリ
アクリル酸カルボキシメチルセルロース[原文のまま]からなり、さらに「水膨
潤性ポリマー」はEP 421 454 Aにより公知てある。粘膜接着性デバイスの構築は
、活性物質の放出が二方向に、すなわち粘膜の方向および逆方向(すなわち、体
腔たとえば胃、腸等内に)の両方向に起こることを除いて、経皮システムの場合
に類似している。様々な粘膜接着性システムの構築はAhuja, Khar, Ali in Drug
Development and Industrial Pharmacy, 23(5): 489-515, 1997に記載されてい
る。
(単数または複数)に非透過性の裏打ち層、および活性物質(単数または複数)
からなる圧感受性接着層によって構成される。貯蔵部からの活性物質の放出が半
透過性または微孔性の膜によって制御されるTTS型もある。基本的なTTS型
はY.W.Chienにより “Developmental Concepts and Practice in Transdermal T
herapeutic Systems" in Y.W.Chien, Transdermal Controlled Systemic Medica
tions, Marcel Dekker Inc., New York, 1982, 2章、25-81頁に記載されている
。反復を避けるため、上記の章に関する内容は参照により本発明の開示の部分と
して本明細書に加入する。
メタクリレート、ポリイソブチレン、シリコン、スチレン/ブタジエンコポリマ
ーまたはスチレン/イソプレンコポリマーをベースとした水不溶性の感圧性接着
物質からなり、とくに好ましい接着性マトリックスはアクリレートおよび/また
はメタクリレート、とくにアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレート、ビ
ニルアセテート、アクリル酸およびグリシジルメタクリレートのコポリマーをベ
ースとしてなり、チタニウムキレートエステルを含有しまたは含有しないもので
ある。
,028に対応)に記載されている。このシステムは、非透過性の被覆層からなり、
ポリマーマトリックスからなる過飽和活性物質からとくに構築された貯蔵部が上
記被覆層に連結し、活性物質に透過性の感圧性接着層が貯蔵部に連結し、感圧性
接着層を覆い使用時には除去される保護層から構成される。また貯蔵部はその固
有の粘着性がきわめて強いので、同時に感圧性接着層を構成するシステムも可能
である。ドイツ特許DE 38 43 239(US 5,089,267に相当)にはこのようなシステ
ムが記載されている。
,934およびUS 4,031,894に記載されている。これらのTTS型は基本的に、一方
の表面を与える裏打ち層、活性物質に透過性で他方の表面を与える接着層および
最後に上記2層の間に表面を形成し、活性物質を含有する貯蔵部から構成される
。別法として、活性物質はまた、透過性の接着層に分布される多数のマイクロカ
プセル中にも含有させることができる。いずれの場合も、活性物質は貯蔵部また
はマイクロカプセルから連続的に、膜を通って、活性物質に透過性で患者の皮膚
または粘膜に接触している接着層に放出される。マイクロカプセルの場合は、カ
プセル材料が膜としても作用する。
ば、活性物質の含量はポリマーマトリックスの重量に対して0.1〜50%であ
る。活性物質の含量は10〜15重量%とすることがとくに好ましい。
えば、ジアモルフィンおよび/またはジアモルフィンの医薬的に許容される塩1
0〜20重量%の量がとくに好ましい。
さらに少なくとも1種の溶媒またはビヒクルを含有させることができる。
を含有させることができる。一つの好ましい実施態様においては、この量はポリ
マーマトリックスの総重量に基づいて5〜15重量%である。他の好ましい異な
る本発明の実施態様においては、ポリマーマトリックスのビタミンE含量はD−
α−トコフェロールの油溶液の形態で6.25重量%である。ビタミンEまたは
上記誘導体の添加はさらに、マトリックス材料中への活性物質の溶解度を低下さ
せる。これは一方、ポリマーマトリックス中で活性物質の熱力学活性が生じるの
でより大きな皮膚フラックスを促進することになる。
れたアッセンブリーの結果として変動させることができる。一つの好ましい実施
態様では、水蒸気不透過性であるフィルムはたとえば、厚さ約10〜100μm
のポリエステル、ポリプロピレンまたはコートされた紙で構成することができる
。一つの好ましい実施態様では、裏打ち層は厚さ10〜50μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)から構成され、このPETは透明なものでも半透明な
ものでもまたは印刷されたものであっても良い。所望により、TTSにはまた、
たとえば発汗が多い場合には、皮膚への付加的な固定を達成するために、いわゆ
るオーバーパッチまたは繊維性織物から作成した「カバーパッチ」を装着しても
よい。
ーズライナー)の特徴的性質をもっている。貯蔵層に接触し使用前にTTSから
除去されてはならない除去可能な保護層はたとえば裏打ち層の製造に用いたのと
同じ材料から構成される。再分離できる性質はたとえばフィルムの表面をシリコ
ンで処理することによってもたらされる。シリコン処理に加えて、保護層はたと
えば、アルミニウムの蒸気を沈着させることによって任意にメタル化してもよい
。保護層には、さらにTTSからの除去をより容易にすることができる手段によ
る適用補助を提供することができる。適用補助の最も簡単な形態は活性物質マト
リックスフォーマットに相応した保護層フォーマットのプロジェクションである
。他の考えられる適用補助は保護フィルムの異なる領域部分を通したパンチング
である。一つの好ましい実施態様においては、保護層は約100μmの層厚を有
するポリエチレンテレフタレート(PET)から構成され、この場合も、PET
は透明なものでも半透明なものでもよく、また印刷されたものであっても良い。
理由はデバイスの適用を行うために熟練したスタッフ(医師、看護婦)を必要と
しないことである。さらに、記載のデバイスは吸収のない非経口投与用の相当す
るデバイスすなわち輸液瓶および注射シリンジより製造が安価である。
注射の間の差である。一つには、長期の注射の結果である膿瘍や他の静脈の障害
または血栓の危険は排除され、他方では不適切な注射の場合に起こることがある
HIVや肝炎のような感染症の恐れがない。
関して安全であるという更なる利点がある。これまで使用されてきたジアモルフ
ィンの形態と異なり、本発明のデバイスでは、TTSから活性物質の抽出および
単離には専門的な知識と複雑な実験装置を必要とするので不適切な使用は実際上
不可能である。
モット)の比較を示す(クエン酸緩衝液pH=3.0+0.1%NaN3中にT=
30℃で放出)。ジアモルフィンはヘロイン+モルフィン代謝物の総量として定
量する。
モットのインビボ皮膚モデル中での制御下の放出におけるジアモルフィンの皮膚
通過がモルフィンおよびブプレノルフィンに比べて優れていることを示す。流量
平衡における皮膚フラックス(透過速度μg/cm2×h)は少なくともt=48h
まで拡大され、場合によりモルフィンおよびブプレノルフィンのそれよりも著し
く高い。これは、ヘロイン嗜癖の本発明における意味での処置のための活性物質
の顕著な連続的かつ制御された経皮投与を証明するものである。
質含量=10.0重量%)の皮膚透過性(ヒト完全皮膚、ID 446)の比較を
示す。
のTTS処方の透過挙動を示す。この目的には透過面積1.54cm2を有するTT
Sを製造し、完全ヒト皮膚(皮下脂肪組織を除く女性胸部整復からの美容手術材
料)の切断サンプルの表面に結合させ、修飾FRANZ細胞中のそれらの透過速
度をHPLCによって検討した(アクセプターメジウム中、時間の関数としての
透過活性物質の濃度の依存性)。アクセプターには0.1%のナトリウムアジド
を加えた0.9%濃度の食塩溶液を用いた。TTSは同じ基剤処方および活性物
質負荷とした。それらは溶媒および/または可塑剤の選択でのみ相違した。定常
状態(流量平衡)における皮膚フラックス(透過速度μg/cm2×h)は少なくと
もt=48hまで拡大されるので、皮膚を介する制御された経皮適用の前提条件
はヘロイン嗜癖の処置の目的に合致する。
取りN−メチルピロリドン0.3125g(6.25重量%に相当)を加えて溶解
させ、この溶液についで0.5g(10重量%に相当)のジアモルフィンを少量
ずつ撹拌しながら加えた。1mlの酢酸エチルを加えて撹拌を固体物質が完全に溶
解するまで続けた(約15分間、肉眼でモニター)。この溶液を次に、10.3
9gの自己架橋2−エチルヘキシルアクリレート、ビニルアセテート、アクリル
酸およびグリシジルメタクリレートのコポリマー(54:35:11酢酸エチル
:2−プロパノール:ヘキサン溶媒混合物中37.3重量%;DuoTak 1753 Natio
nal Starch, Neustadt/Weinstrasse, Germanyより)中に撹拌しながら少量ずつ
加えた。このバッチを次に室温で約30分間撹拌し、超音波浴中T=40℃で1
5分間後処理してこの組成物中の過剰の空気を除去した。次に、接着性溶液をシ
リコン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(Hostaphan RN 100 54B/
54B, Hoechst, Frankfurt, Germanyより)上に適当なコーティングバーを用いて
湿フィルム厚300μmに被覆した。50℃で30分間乾燥して溶媒を除去した
のち、接着フィルムを15μmのポリエステルフィルムでラミネーションするこ
とによりライニングした。適当な切断器具を用いて意図する領域を打ち抜き、縁
を格子剥離により除去した。
反復した。
例1を反復した。
を示す(クエン酸緩衝液pH=3.0+0.1%NaN3中にT=30℃で放出)
。ジアモルフィンはヘロイン+モルフィン代謝物の総量として定量する。
10.0重量%)の皮膚透過性(ヒト完全皮膚、ID 446)の比較を示す。
Claims (16)
- 【請求項1】 吸収過程を包含する皮膚もしくは粘膜への適用または非経口
投与のための少なくとも1種の活性物質を連続的かつ制御的に放出する医薬デバ
イスであって、上記活性物質は(−)−モルフィンの誘導体および/または(−
)−モルフィン誘導体の医薬適合性酸付加塩である医薬デバイス。 - 【請求項2】 溶液、懸濁液、乳化液、フォーム、移植体、軟膏、ペースト
、坐剤、プレイン錠剤、粉末、コーチング錠、経皮治療システム、スプレーまた
はエアゾルの形態を有する請求項1記載のデバイス。 - 【請求項3】 活性物質はジアモルフィン塩基としてのジアモルフィンおよ
び/またはジアモルフィンの医薬適合性酸付加塩の形態である請求項1または2
記載のデバイス。 - 【請求項4】 上記活性物質はさらに、(−)−モルフィンおよび/または
(−)−モルフィンの医薬適合性酸付加塩からなる請求項1〜3のいずれかに記
載のデバイス。 - 【請求項5】 感圧性接着剤からなる層を有する多層に構築された経皮治療
システムの形態をもつ請求項1〜4のいずれかに記載のデバイス。 - 【請求項6】 感圧性接着剤はアクリレートおよび/またはメタクリレート
、シリコン、ポリイソブチレン、スチレン/ブタジエンコポリマー、スチレン/
イソプレンコポリマーに基づくポリマーから構成される群ならびに水素化ロジン
のエステルより選択されるポリマーからなる請求項5記載の経皮治療システム。 - 【請求項7】 感圧性接着剤中に存在するポリマーはアクリレートおよび/
またはメタクリレートに基づく自己架橋アクリレートポリマーである請求項6記
載のシステム。 - 【請求項8】 2−エチルヘキシルアクリレート、ビニルアセテートおよび
アクリル酸の自己架橋アクリレートポリマーのモノマー組成物からなる請求項7
記載のシステム。 - 【請求項9】 1つの層は0.1〜50重量%の活性物質および/または医
薬適合性酸付加塩からなる請求項5記載のシステム。 - 【請求項10】 さらにN−メチル−ピロリドン、ニコチン酸ベンジルエス
テル、R−(+)−リモネン、レモン油、オレイン酸、ウンデセン酸、ジメチルイ
ソソルビド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート
、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビ
タントリオレエートおよびポリオキシエチレンソルビタントリステアレートから
の群より選択される物質からなる請求項5記載のシステム。 - 【請求項11】 活性物質からなる層はさらに1〜15%のビタミンEおよ
び/またはビタミンE誘導体からなる請求項5記載のシステム。 - 【請求項12】 活性物質の溶媒またはビヒクルとして医薬適合性の非プロ
トン性溶媒および/または低いタンパク分解性の医薬適合性溶媒を使用すること
を含む、上記活性物質として(−)−モルフィンの誘導体および/または(−)
−モルフィンの誘導体の医薬適合性酸付加塩からなる医薬デバイスを製造する方
法。 - 【請求項13】 a) 活性物質をポリマービヒクルの溶液または熔融物中に
導入し、 b) 活性物質を含むこのポリマー溶液またはポリマー熔融物を担体ウエブ上に
コーティングし、 c) 活性物質を含むコーティングされたポリマー溶液またはポリマー熔融物を
、ポリマーを架橋するかまたは架橋することなく、溶媒の除去、冷却または放置
することによって固化させ、ついで d) 上記固化後に得られた活性物質を含むポリマー組成物から個々のパッチを
打ち抜く 工程からなる請求項5記載の医薬デバイスの製造方法。 - 【請求項14】 オピエートの誤用の突然の中止に伴う精神的および/また
は身体的離脱症状を処置する方法における、活性物質の連続的かつ制御的投与に
使用する医薬の製造のための(−)−モルフィンの誘導体および/または(−)
-モルフィンの誘導体の医薬適合性酸付加塩の使用。 - 【請求項15】 a) 患者の毎日のオピエートの要求に適合する活性物質の
用量を連続的かつ制御的様式で毎日投与する第1相、および b) 第1相において患者に投与した用量よりも低用量の活性物質を連続的かつ
制御的様式で毎日投与する少なくとも1段階からなる第2相 から構成される、オピエートの非制御供給に依存する患者の嗜癖を止めさせる方
法、 - 【請求項16】 第2相は前相において患者に投与した用量よりも低用量の
活性物質を連続的かつ制御的様式で毎日投与するさらに少なくとも1つの段階を
包含する請求項15記載の方法。
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