JP2003500580A - 中空体状の輪郭を有するハニカム構造体の形をした軽量建築要素 - Google Patents

中空体状の輪郭を有するハニカム構造体の形をした軽量建築要素

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、中空体状の輪郭を有するハニカム構造体の形をした軽量建築要素に関する。建築要素（１）は複数の単一層（２，３，４）からなっている。中間の単一層（３）は複数の付加的な単一層（２３，２４，２５）からなっている。単一層（２，４，２３，２４，２５）は互いに係合およびかみ合い固定され、それによって建築要素または建築要素を形成する単一層（２，４，２３，２４，２５）に作用するすべての力を受け止めて伝達することができる面を発生または形成する。前記建築要素または単一層は圧力または側方の力だけでなく、張力や横方向力を受け止めることができる。それによって軽量で同時に安定性の高い建築要素（１）を形成することができる。前記建築要素（１）は要求通りに成形または変形可能であり、あらゆる平面内でおよび方向で各々の状況に適合可能であるように、三次元的に延長可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、複数の単一層からなり、この単一層のうちの少なくとも１つがハニ
カム構造体を有する、建築要素に関する。
【０００２】 材料パネルの形をした建築要素が知られている。この場合、ハニカム構造体と
、紙または厚紙からなる両カバープレートが製作される。蜜蜂の巣のハニカム構
造体に似たハニカム構造体はそのほぼ垂直な中間壁がカバープレードに支持され
るので、大きな安定性を有する軽量のパネルが生じる。この材料パネルから例え
ばドアが製作される。ドアは室内の仕上げや見本市建設にも使用される（ドイツ
連邦共和国特許出願公開第１９７４８１９２．２号公報）。全体構造体が湿気に
よって悪影響を受けるという欠点がある。更に、適当なエッジ補強部によるエッ
ジ範囲の形成が問題である。というのは、このエッジ補強部をここで知られてい
る材料パネルの残りの部分に別個に連結しなければならないからである。ドイツ
連邦共和国特許出願公開第１９２２６９３．８号公報により、サンドイッチ構造
の建築要素と方法が知られている。金属製の両カバープレートと、間に挟まれた
セル壁または対応するハニカム構造体は、溶接またはろう付けによってカバープ
レートに連結される。この場合、特にろう付け材料により、セルコーナーでも固
着され、カバープレートがきわめて良好にハニカム構造体に連結される。その際
、セルコーナーの補強にもかかわらず、ほぼ垂直なセル壁が両カバープレートに
支持され、それによって受け止めるべき力を伝達することが重要である。これに
応じて、このような軽量ハニカム構造体の場合には、安定製がほとんど専らカバ
ー層に依存する。これに対して、サンドイッチ構造体の固有安定性は無視できる
ほど小さい。更に、製作のために比較的にコストがかかり、いろいろな材料が使
用され、例えば合成樹脂が使用できないという欠点がある。
【０００３】 そこで、本発明の根底をなす課題は、重量が最小限に抑えられ、所望な安定性
と絶縁性を有する建築要素を提供することである。
【０００４】 この課題は本発明に従い、単一層が非常に薄い壁厚を有するハニカム部分板ま
たはハニカム部分フィルムとして形成され、このハニカム部分板またはハニカム
部分フィルムが基礎構造体と、その上に突出する雄形およびまたは雌形の中空体
または部分中空体とを備え、かつ互いに嵌め込む際に互いに係合するようにおよ
びまたはかみ合い固定されるように形成され、そして型付けされた単一層がそれ
ぞれ隣接する単一層と共に平たく連結されてできるだけ１つの壁をなすように形
成および配置されていることにより、ハニカム部分板またはハニカム部分フィル
ムがそれに作用する力をすべてのハニカム要素に均一に分配するように形成され
ていることによって解決される。
【０００５】 技術水準と異なり、すべての要素が力の受け止めと力の分配のために同じよう
に関与するので、カバー層の特性または安定性はもはや重要ではない。それどこ
ろか、建築要素全体が同じ形状であるので、垂直な壁と水平な壁と斜めに延びる
壁および建築要素を製作および実現することができる。建築要素のその都度の配
置に関係なく、すべての単一層または単一層部分が力を受け止めるためおよび力
を伝達するために寄与し、全体としてきわめて軽量で高い安定性と更に最適な防
音作用および断熱作用をもたらす建築要素が供される。これは特に、個々の単一
層が中空体または部分中空体を備えているかまたは中空体と部分中空体を形成し
ていることによって達成される。この場合、中空体内に含まれる空気は温度や音
に対する最適な絶縁体として作用する。このような建築要素は垂直荷重を受け止
めることができるだけでなく、壁厚またはその他の手段を増大することなく、ス
ラスト力または通常と異なるその他の荷重を受け止めることができる。適当な中
空体または部分中空体は、ガス、液体または不活性材料を収容し、それによって
例えば難燃性を生じる。この難燃性は極端な状況でも使用を可能にする。個々の
建築要素は互いに係合する個々の単一層から製作される。この場合それによって
、平たい形状に基づいておよび対応する形状付与に基づいて、実質的に任意の厚
さの壁を製作する構造体または互いに接触する中空体を備えた構造体を提供する
ことができる。この中空体は前述の他の利点をもたらす。特に、このような建築
要素の軽量と高い安定性が魅力的である。この高い安定性は特に平面状の連結と
安定した壁の形成によって達成される。
【０００６】 このような建築要素の適切な構造は特に、単一層に付設された中空体または部
分中空体が、互いに対応する面を有する、中央の単一層をなす他の単一層の中空
体または部分中空体によって形成されていることによって達成される。対応する
部分中空体または中空体は、対応する単一層が前述のように互いに嵌め込まれる
かまたは互いに組み込まれるときに、対応する中空体または閉じた中空体となる
。分離製作された単一層（その特別な構造については後述する）は、それぞれ上
記の部分中空体または中空体を予め定め、互いに付設する際に適切に形成するよ
うに互いに調和している。単一層または部分中空体および中空体は非常に薄い壁
厚を有する。この場合、上述のように、例えばハニカム部分フィルムとして形成
可能である。この個々の薄壁状のハニカム部分フィルムは、互いに組み合わせま
たは嵌込みの際に補うことによって互いに組み立てられて補われる。従って、個
々の部分中空体または中空体の面を互いに接触させることにより、力の所望な伝
達が生じ、かつ建築要素全体の付加的な安定化が生じる。
【０００７】 単一層に付設された中空体または部分中空体が、他の単一層の中空体または部
分中空体と共に、互いに嵌め込むときに、ピラミッドまたは対称二重ピラミッド
を生じるように形成されていると特に合目的であることが判った。このピラミッ
ドは、４つ以上の面を有し、隣接するピラミッドまたは中空体または部分中空体
が、力を面で伝達するためにこの面に接触および適合し得るという利点がある。
ピラミッドは立てて、寝かせてまたはその他の方法で形成可能であり、建築要素
全体の安定性を低下させることを心配せずに、単一層を組み立てるときに初めて
生じる。
【０００８】 互いに嵌め込むときに形成される隣接するピラミッドまたは対称二重ピラミッ
ドが面で接触するように、部分中空体または中空体からなる単一層によって形成
されたピラミッドが配置および形成され、この場合単一層の面状の連結によって
、すべての側からの力を受け止めるように形成された静的な交叉壁部が生じると
合目的である。ここで補足的に説明すると、ピラミッド形状は特に、個々のピラ
ミッド部分を面で“結合する”ために特に適している。個々のピラミッドの面は
それぞれ、同じ単一層または異なる単一層の隣接するピラミッドを接触させる役
目を果たすので、上記のように、それによって最適化された構造形成物が得られ
る。この構造形成物は前述の軽量化特性と、高い安定性をもたらす。すべての側
からの力を受け止めることができる有利な交叉壁部が生じる。
【０００９】 通常の場合のために、５個の単一層が１つの組み合わせ要素を生じるように組
立てられ、この場合雄形または雌形の部分中空体を有する単一層が中央層として
の役目を果たし、この中央層の両側にそれぞれ、１つのの中間層と、片側に部分
中空体を備えた単一層が付設されていると有利である。単一層は上記から推察で
きるように組立てられるかまたは組み合わせられるので、全体として安定化され
た建築要素が生じ、特にピラミッド面によって、発生する力の所望な伝達または
伝達導出が保証される。従来の一般的なサンドイッチ部品と異なり、或る観点か
らカバープレートと呼ばれる外側の単一層は同様に、その下側に中空体または部
分中空体を備え、この中空体または部分中空体が中間単一層と中央単一層の中空
体または部分中空体と共に、所望な安定性を保証する構造を生じることにより、
一体化されて安定した構造となる。“カバー層”に付設された中空体または部分
中空体に基づいて、剪断力またはその他の普通でない力を問題なく受け止めるこ
とができる。なぜなら、この力が“カバー層”から中間層または中間単一層に伝
達され、確実な伝達排出または更なる伝達が可能であるからである。“カバー層
”が安定性を高めるという役目または少なくとも特別にまたは単独で安定性を高
めるという役目を有していないので、組み合わせ要素全体を弧状にまたはその他
の方法で曲げて形成することができる。なぜなら、エッジ側の単一層が中間に挿
入された単一層と同じ薄壁状の材料から作られているからである。
【００１０】 三次元的に拡張可能なハニカム構造体、特に中空体構造体は、１個または両中
間層にアダプタ単一層またはそれに続く中央層が付設され、その際アダプタ単一
層の両側に三次元構造によって任意の高さおよびまたは幅の構造体を生じるよう
に付設されていることによって実現可能である。アダプタ単一層は、あたかも中
央層上に形成されるように適当な構造体を形成することができる。それによって
、建築要素を的確にかつ適切に三次元的に拡張することができる。この場合にも
、均一な力伝達が保証されるので、同じ個所で力が作用し、この力がすべての要
素に均一に分配される。この場合、この組み合わせによって、任意の全体壁厚を
形成することができる。
【００１１】 建築要素の三次元的な拡張は更に、アダプタ単一層が雄形の部分中空体または
中空体と凹部を交互に備えていることによって可能である。それによって、例え
ば中央層は両側に配置されたアダプタ単一層と共に、両側およびエッジ側の単一
層に作用する“単一層”として形成または適当に構成可能である。従って、三次
元的な追加構造が達成される。
【００１２】 建築要素構造体の強度は本発明に従い、材料の選択によって変更可能である。
この場合本発明では、単一層が液状合成樹脂を含浸させた紙、アルミニウム、鋼
または合成樹脂によって作られたフィルムからなっている。その際、然るべき単
一層は前述のように、μ範囲の壁厚を有する。これは本発明の場合用語“フィル
ム”によって明確にされている。使用目的に応じて、建築要素は使用目的を満足
するように形成可能である。これにより、価格と安定性の点から、その都度最適
な建築要素を供することができる。その際、単一層は織成されたフィルム、特に
合成樹脂糸または繊維複合材料で織成されたフィルムからなっている。それによ
って、強度特性ひいては安定性を使用条件に適切に適合させることができる。
【００１３】 中空体または部分中空体は本発明に従って互いに最適に面で支持し合う。この
場合、後述するようなピラミッドの間の中間層がそのために寄与する。この安定
した単一層は本発明に従い、その都度の形に曲げられるかまたは傾斜させられる
。というのは本発明に従い、ピラミッドの尖端部の方へ上昇する稜がミシン目お
よびまたはスリットを有するように形成されているからである。適当な荷重を受
けるときに、このミシン目またはスリットは問題がない。なぜなら、それにもか
かわらず、面が互いに接触し、力の伝達または受け止めを保証するからである。
ミシン目またはスリットは、ピラミッドまたは中空体を変形しないで、個々のピ
ラミッドの範囲内でも曲げることを可能にする。
【００１４】 他の合目的な実施形では、ハニカム構造体を生じる中空体が、斜めの面を有し
かつ特に稜が傾斜するように配置されている。面をこのように斜めに配置するこ
とは最適である。というのは、異なるように負荷または負荷解除される中空体の
部分範囲を生じることなく、中空体全体を力線に含めることができるからである
。中空体の斜めの面は互いに接触し、発生する力を伝達するかまたは最適に分配
し、それによってハニカム構造体、ひいては建築要素の最適な負荷を生じる。
【００１５】 エッジ側の単一層は本発明による建築要素の場合には、もはやカバー層として
作用しないかまたは働かない。それどころか、このエッジ側の単一層はその中空
体または部分中空体によって全体の建築要素に一体化されている。それでもなお
、外側の滑らかな形成は、エッジ側の単一層が内側に中空体または部分中空体を
備え、外側に平らなカバーを備えていることによって可能である。平らなカバー
は建築要素の積み重ねを可能にする。この場合勿論、建築要素の相互の係合が省
略される。このように形成された建築要素は特に例えば隔壁等を製作するために
有利である。
【００１６】 エッジ側の単一層はその他の単一層と同じ壁厚を有する同じ材料からなってい
るので、エッジ側の単一層はそのための単一層の運動または形状に良好に完全に
関与する。これは更に、上側と下側の単一層が可撓性材料または可撓性にするこ
とができる材料から製作されていることによって補助される。ここで例えば、エ
ッジ側の単一層のために、その他の単一層よりも軟らかい合成樹脂を使用するこ
とが考えられる。
【００１７】 それぞれの建築要素が所定の形もたらされると、個々の単一層を互いに連結す
ることが合目的である。この場合これは特に、中空体およびまたは部分中空体が
、ハニカム構造体を生じるように、材料特性を考慮して互いに永久的に連結され
るかまたは取外し可能に連結され、特に互いに溶接、接着、ねじ止めまたは摩擦
的に連結されていることによって達成される。この形状付与から推察されるよう
に、その都度の形状はこの連結によって作ることができ、その際いつも同じよう
に作ることができる。
【００１８】 個々の中空体または部分中空体のための合目的なピラミッド形状について既に
説明した。補足すると、本発明では、単一層の部分中空体または中空体はピラミ
ッド状に形成され、ハニカム構造体を生じる中空体は二重ピラミッド状に形成さ
れているかまたは対称二重ピラミッドを生じるように形成されている。この二重
ピラミッドまたは対称二重ピラミッドは、下側のエッジを介して互いに支持され
、安定した三次元形成物を形成する。この三次元形成物は上述の要求される課題
を最適に満足する。ここでは、ピラミッドまたは二重ピラミッドを効果的に互い
に連結し、互いに結合するために、接着またはねじ止め等が可能である。
【００１９】 このような建築要素の高い安定性はハニカム構造体に寄与する要素の面状の支
持によって保証される。この場合更に、稜または互いに当接する基礎構造体の構
成部分を一緒に関与させることができる。これは、ピラミッド状の部分中空体ま
たは中空体が基礎構造体上でスペーサ帯状部を形成するように離隔され、二重ピ
ラミッド状の中空体のセグメントが中心軸線に対して平行に延びるエッジ帯状部
によって互いに連結されていることによって達成される。それによって、この範
囲でも、以前一般的であった線状の支持の代わりに、面状の支持が保証される。
【００２０】 建築要素全体の安定性は適切に更に高められる。二重ピラミッド状の中空体ま
たはハニカム状部分フィルムの個々のセグメントの嵌め合わせと、確実な面状の
支持は、二重ピラミッド状の中空体または部分中空体のセグメントの尖端部が平
坦に形成されていることによって所望となる。それによって、ハニカム部分フィ
ルムの相互挿入が良好となり、嵌め合わせが容易になる。
【００２１】 、ピラミッド尖端部の正確な支持は、本発明に従い、互いに協働するピラミッ
ドまたは対称二重ピラミッドの接触する面に追加して、ピラミッドまたは対称二
重ピラミッドの尖端部の平坦部が、スペーサ帯状部およびまたはエッジ帯状部に
一致し、かつ面状の支持を保証するように形成されていることによって達成され
る。平坦化が前述のように適切に行われること、すなわちピラミッドまたは対称
二重ピラミッドがスペーサ帯状部またはエッジ帯状部に正確に嵌まり得ることに
より、尖端部は面状の支持構造体に含められる。
【００２２】 中空体または単一層の面が弾性物質によって一緒に壁を形成するように連結さ
れていると、有利な力平衡または可撓性の建築要素が生じる。弾性物質の厚さや
種類に応じて、単一層または中空体は安定性を損なわずに“動く”ことができる
。この形状は特に少ない単一層によって形成された中空体輪郭ハニカムの場合に
有利である。衝撃も受け止めることができ、石の当接でさえも弾性的に緩衝され
る。
【００２３】 絶縁、防火および他の理由のために、中空体が連結の後で、ガス状または液状
の媒体をその全部にまたは一部に充填されていると合目的である。この場合、個
々の中空体の間の交換は壁内の凹部を経て達成される。“充填物”の種類は使用
目的に依存する。
【００２４】 更に、単一層が壁およびまたはスペーサ帯状部内に凹部を有し、この凹部が嵌
め込んで連結した後で流通または循環するガス案内または液体案内のための役目
を果たすと有利である。
【００２５】 本発明は特に、このようなハニカム構造体を構成するために関与するすべての
要素が建築要素に作用する力を受け取るために関与するという特徴がある。これ
は、力が外側の平面によって受け止められ、次の要素、すなわち単一層とその個
々の部分に伝達されることを意味する。それによって、このような建築要素の個
々の要素は建築要素全体の安定性のために重要である。カバー層またはエッジ側
の単一層はもはや特別に安定するように形成する必要はなく、その他の単一層と
同じ壁厚を有することができ、通常は同じ材料からなっている。カバー層または
エッジ側の単一層は構造を簡単にするだけでなく、建築要素全体の形状付与を妨
害しない。というのは、このカバー層またはエッジ側の単一層が中間単一層と共
に、建築要素のその都度所望な形状を付与するために、一緒に曲げたり、変形す
ることができるからである。単一層は“内部構造”から、建築要素全体の適切な
形状付与が可能であるように前もって考慮される。個々の中空体または部分中空
体はピラミッド尖端に通じる稜にスリットが形成されるかまたはその他の方法で
弱体化されるので、この中空体または部分中空体は適当な形状付与を妨げない。
適当な単一層によって建築要素を任意の壁厚に製作可能であると特に有利である
。この場合勿論、きわめて軽量である。更に、このような建築要素の全体の壁厚
がその都度の状況に適合可能であるだけでなく、その延長も平面内で配置および
取付け可能である。というのは、実質的に移行部なしに大きな面積の建築要素を
実現することができるように、単一層がかみ合うからである。それによって、他
の建築要素では考えられない三次元構造が形成および可能である。更に、このよ
うな建築要素の場合、異なる課題設定に適合させることがっできるようにするた
めに、いろいろな材料を使用することができる。
【００２６】 本発明の対象の他の詳細および効果は、図の次の説明から明らかになる。図に
は、そのために必要な詳細および個々の部品と共に好ましい実施の形態が示して
ある。
【００２７】 図１は建築要素１の完成状態を示す。上側エッジ側の単一層２は、ハニカム構
造体３を見えるようにするために、一部が開放されている。このハニカム構造体
は上側エッジ側の単一層２と下側エッジ側の単一層４に支持されている。ハニカ
ム構造体はここでは簡略化して示してある。後述するように、単一層２，３，４
は一体的に形成されている。
【００２８】 建築要素１の側方エッジ５はエッジ側の単一層２と同様に、滑らかな平面を表
すように示されている。これは、更に後述の図に示したエッジ側の単一層２にカ
バー２９を取付けることによって達成される。
【００２９】 ハニカム構造体３は中空体７，８，９または部分中空体２６，２７を備えた多
数の単一層２３，２４，２５からなっている。この参照符号は後述の図に示して
ある。
【００３０】 エッジ側の単一層２とエッジ側の単一層４の双方と、その間に配置され単一層
２３，２４，２５を備えたハニカム構造体３は、小さな壁厚のハニカム部分板１
７からなっている。このハニカム部分板１７は一般的に、ハニカム部分フィルム
として形成され、μ範囲の壁厚を有する。
【００３１】 ハニカム構造体３または単一層２，４，２３，２４，２５は、図２，３による
中空体７，８，９または図６による部分中空体２６，２７によって形成されてい
る。その際、以下において簡単化するために、中空体７，８，９と部分中空体２
６，２７は明瞭に区別されていない。なぜなら、単一層２，４，２３，２４，２
５の組み合わせが中空体７，８，９や部分中空体２６，２７を形成するからであ
る。この中空体と部分中空体は全体としてハニカム構造体３または建築要素１と
なる。
【００３２】 図２，３に示す単一中空体７，８，９は通常はピラミッド１４，１４′または
対称二重ピラミッド１９を形成する。この場合、単一セグメント２０，２１はハ
ニカム構造体の単一要素を互いに全体の面で支持しかつ保持する役目を果たす。
図２，３と他の図から判るように、ピラミッド１４または対称二重ピラミッド１
９は単一要素をこのように面で支持するために特に適している。なぜなら、建築
要素１に作用する力を確実に受け止めかつ更に伝達し得るような大きさの、適当
に互いにずれた面１０，１１が供されるからである。
【００３３】 対称二重ピラミッド１８は連結ウェブ２２を介して互いに連結された両ピラミ
ッド１４，１４′からなっている。中心軸線３０が両要素を分離しているかまた
はこの中心軸線に沿って両要素が互いに連結されている。
【００３４】 単一ピラミッド１４，１４′の尖端部１２には平坦部１３が設けられている。
この平坦部は、エッジ帯状部３１またはスペーサ帯状部１８または基礎構造体１
６に対して単一部分または単一要素を付加的に有利に支持することを可能にする
。
【００３５】 図２の“分離線”が両ピラミッド１４，１４′を１つの対称二重ピラミッド１
９に組み合わせるのに対して、図３では中心軸線３０が同時に、平坦化された尖
端部１２を通って案内される分離線である。エッジ１５，１５′は図示していな
い方法で、ミシン目形成可能であるかまたは薄く切断形成可能である。それによ
って、大きな力を加えずに、対応する単一層および建築要素１全体を折り曲げる
かまたは曲げることができる。
【００３６】 図４はエッジ側の単一層２または４を示している。この単一層は内側２８に、
中空体７，８またはピラミッド１４を備えている。この単一ピラミッド１４はす
べて同じような寸法を有し、基礎構造体１６を介して互いに連結されている。こ
の基礎構造体１６は同時に、スペーサ帯状部１８を形成している。このスペーサ
帯状部により、単一ピラミッド１４はそれぞれ互いに同じ間隔をおいて配置され
、同時に単一層２，４，２３，２４，２５を押し込むときに生じる部分中空体２
６，２７または７，８，９の尖端部１２をこのスペーサ帯状部に支持することが
できる。それによって、建築要素の全体構造体の安定性が最適化される。
【００３７】 ピラミッド１４の間を延びるすべての基礎構造体１６のために同じ参照符号１
８を使用することにより、基礎構造体がすべて同じ寸法を有することが明らかに
なる。この寸法は１８′と１８″によって示してある。
【００３８】 図５は原理的には図４と一致している。しかし、ここでは斜視図で示してある
。同時に、対応する面１０，１０′，１１，１１′がすべて相互の支持のために
、ひいては発生する力を伝達するために寄与する。内面２８に形成されたピラミ
ッド１４は同じ形状を有し、それによって同じ面１０，１１を備えている。基礎
構造体１６またはスペーサ帯状部１８が単一ピラミッド１４の間を延びている。
【００３９】 図６は全部で５個の単一層２，４，２３，２４，２５からなる建築要素１を示
している。２と４によって、エッジ側の単一層が示してある。中間層または中央
の単一層２５は両側に突出するその部分中空体２６，２７が単一層２３，２４お
よびエッジ側の単一層２，４のための連結部材としての役目を果たす。図から判
るように、いわゆる中間層、すなわち中央の単一層１５は両側に突出するピラミ
ッド１４または１４′を備えている。それによって、対応形成された単一層２３
，２４との組み合わせまたは連結が可能となり、かつ良好となる。この場合更に
、追加の中空体７，８，９または部分中空体２６，２７が生じる。
【００４０】 図６に示す建築要素１は、組み立てる直前の状態が図７に示してある。これに
よって、エッジ側の単一層２，４と単一層２３，２４，２５が、安定性が高くか
つ軽量の平たい建築要素を生じるように、互いに組み合わせおよび嵌め込み可能
であることが視覚的に明瞭となる。
【００４１】 図８は図６と図７の建築要素の同様に組立て直前の斜視図である。この場合、
エッジ側の単一層２，４がカバーを備えていないことが判る。
【００４２】 図９は全部で１１個の単一層２，４，２３，２４，２４′，２５からなる建築
要素１を示している。この場合、単一層２３，２４，２４′はそれぞれ２個ずつ
設けられている。単一層２，４と単一層２３，２４，２５は前述の図に基づいて
既に説明した。この場合ここでは、２個のアダプタ単一層３３が付け加えられて
いる。このアダプタ単一層は中央の単一層２５の両側にエッジ側の単一層２また
は４を作る。というのは、アダプタ単一層がピラミッド１４と凹部３４を交互に
備え、それによって中央の単一層の両側に連結面を生じ、この連結面がエッジ側
の単一層２または４の内側２８の連結面を生じるからである。それによって、図
６，７，８の建築要素の三次元的な拡張が可能であるので、建築要素１は実質的
に任意の壁厚を生じることができる。
【００４３】 更に、個々の図から判るように、単一層２，４，２３，２４，２５，３３の特
別な形成は、個々の単一層２，４，２３，２４，２５，３３を適当にずらして配
置することにより、平面内での拡張を生じることができる。この拡張は、きめめ
て大きな面積の建築要素に建築要素１を拡張することができる。
【００４４】 上記のすべての特徴と、図面から推察可能な特徴は単独でも組み合わせにおい
ても本発明にとって重要であると見なされる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 内側に位置するハニカム構造体を備えた建築要素を示す図である。
【図２】 二重ピラミッドの形をした中空体の側面図である。
【図３】 二重ピラミッド状の中空体の平面図である。
【図４】 内側からエッジ側の単一層を見た平面図である。
【図５】 図４のエッジ側の単一層を内側から見た斜視図である。
【図６】 ５つの部分からなる建築要素の分解図である。
【図７】 単一層を押し込むかまたは組み合わせる直前の図６の建築要素を示す図である
。
【図８】 図７の斜視図である。
【図９】 単一層を連結するアダプタ単一層を備えた１１個の部分からなる建築要素の分
解図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，Ｃ Ｈ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ， ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，Ｋ Ｐ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ， ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，Ｓ Ｅ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ， ＺＷ

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 複数の単一層（２，３，４）からなり、この単一層のうちの
    少なくとも１つがハニカム構造を有する、建築要素において、 単一層（２，３，４）が非常に薄い壁厚を有するハニカム部分板（１７）また
    はハニカム部分フィルムとして形成され、このハニカム部分板またはハニカム部
    分フィルムが基礎構造体（１６）と、その上に突出する雄形およびまたは雌形の
    中空体（７，８，９）または部分中空体（２６，２７）とを備え、かつ互いに嵌
    め込む際に互いに係合するようにおよびまたはかみ合い固定されるように形成さ
    れ、そして型付けされた単一層（２，３，４）がそれぞれ隣接する単一層と共に
    平たく連結されてできるだけ１つの壁をなすように形成および配置されているこ
    とにより、ハニカム部分板またはハニカム部分フィルムがそれに作用する力をす
    べてのハニカム要素に均一に分配するように形成されていることを特徴とする建
    築要素。
  2. 【請求項２】 単一層（２，４）に付設された中空体（７，８，９）または
    部分中空体（２６，２７）が、互いに対応する面（１０，１１）を有する、中央
    の単一層（３）をなす他の単一層（２３，２４，２５）の中空体（７，８，９）
    または部分中空体（２６，２７）によって形成されていることを特徴とする請求
    項１記載の建築要素。
  3. 【請求項３】 単一層（２，４，２３，２４，２５）に付設された中空体（
    ７，８，９）または部分中空体（２６，２７）が、他の単一層（２，４，２３，
    ２４，２５）の中空体または部分中空体と共に、互いに嵌め込むときに、ピラミ
    ッド（１４）または対称二重ピラミッド（１９）を生じるように形成されている
    ことを特徴とする請求項１または２記載の建築要素。
  4. 【請求項４】 互いに嵌め込むときに形成される隣接するピラミッド（１４
    ′，１４″）または対称二重ピラミッド（１９）が面で接触するように、部分中
    空体（２６，２７）または中空体（７，８，９）からなる単一層（２，４，２３
    ，２４，２５）によって形成されたピラミッド（１４）が配置および形成され、
    この場合単一層（２，４，２３，２４，２５）の面状の連結によって、すべての
    側からの力を受け止めるように形成された静的な交叉壁部が生じることを特徴と
    する請求項１〜３のいずれか一つに記載の建築要素。
  5. 【請求項５】 ５個の単一層（２，４，２３，２４，２５）が１つの組み合
    わせ要素を生じるように組立てられ、この場合雄形または雌形の部分中空体（２
    ６，２７）を有する単一層が中央層（２５）としての役目を果たし、この中央層
    の両側にそれぞれ、１つの中間層（２３，２４）と、片側に部分中空体（２６）
    または（２７）を備えた単一層（２，４）が付設されていることを特徴とする請
    求項１〜４のいずれか一つに記載の建築要素。
  6. 【請求項６】 １個または両中間層（２３，２４）にアダプタ単一層（３３
    ）またはそれに続く中央層（２５）が付設され、その際アダプタ単一層（３３）
    の両側に三次元構造によって任意の高さおよびまたは幅の構造体を生じるように
    付設されていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか一つに記載の建築要素
    。
  7. 【請求項７】 アダプタ単一層（３３）が雄形の部分中空体（２６，２７
    ）または中空体と凹部（３４）を交互に備えていることを特徴とする請求項１〜
    ６のいずれか一つに記載の建築要素。
  8. 【請求項８】 単一層（２，４，２３，２４，２５，３３）が液状合成樹脂
    を含浸させた紙、アルミニウム、鋼または合成樹脂によって作られたフィルムか
    らなっていることを特徴とする請求項１〜７のいずれか一つに記載の建築要素。
  9. 【請求項９】 単一層（２，４，２３，２４，２５，３３）が織成されたフ
    ィルム、特に合成樹脂糸または繊維複合材料で織成されたフィルムからなってい
    ることを特徴とする請求項１〜８のいずれか一つに記載の建築要素。
  10. 【請求項１０】 ピラミッド（１４）の尖端部（１２）の方へ上昇する稜（
    １５）がミシン目およびまたはスリットを有するように形成されていることを特
    徴とする請求項１〜９のいずれか一つに記載の建築要素。
  11. 【請求項１１】 ハニカム構造体（３）を生じる中空体（７，８，９）が、
    斜めの面（１０，１１）を有しかつ特に稜（１５）が傾斜するように配置されて
    いることを特徴とする請求項１〜１０のいずれか一つに記載の建築要素。
  12. 【請求項１２】 エッジ側の単一層（２，４）が内側に中空体または部分中
    空体（２６，２７）を備え、外側に平らなカバー（２９）を備えていることを特
    徴とする請求項１〜１１のいずれか一つに記載の建築要素。
  13. 【請求項１３】 上側と下側の単一層（２，４）が可撓性材料または可撓性
    にすることができる材料から製作されていることを特徴とする請求項１〜１２の
    いずれか一つに記載の建築要素。
  14. 【請求項１４】 中空体（７，８，９）およびまたは部分中空体（２６，２
    ７）が、ハニカム構造体（３）を生じるように、材料特性を考慮して互いに永久
    的に連結されるかまたは取外し可能に連結され、特に互いに溶接、接着、ねじ止
    めまたは摩擦的に連結されていることを特徴とする請求項１〜１３のいずれか一
    つに記載の建築要素。
  15. 【請求項１５】 単一層（２，４）の部分中空体（２６，２７）または中空
    体（７，８，９）がピラミッド状に形成され、ハニカム構造体（３）を生じる中
    空体（７，８，９）が二重ピラミッド状に形成されているかまたは対称二重ピラ
    ミッド（１９）を生じるように形成されていることを特徴とする請求項１〜１４
    のいずれか一つに記載の建築要素。
  16. 【請求項１６】 ピラミッド状の部分中空体（２６，２７）または中空体（
    ７，８，９）が基礎構造体（１６）上でスペーサ帯状部（１８）を形成するよう
    に離隔され、二重ピラミッド状の中空体（７，８，９）のセグメント（２０，２
    １）が中心軸線（２９）に対して平行に延びるエッジ帯状部（１７）によって互
    いに連結されていることを特徴とする請求項１〜１５のいずれか一つに記載の建
    築要素。
  17. 【請求項１７】 二重ピラミッド状の中空体（７，８，９）または部分中空
    体（２６，２７）のセグメント（２０，２１）の尖端部（１２）が平坦に形成さ
    れていることを特徴とする請求項１〜１６のいずれか一つに記載の建築要素。
  18. 【請求項１８】 ピラミッド（１４）または対称二重ピラミッド（１９）の
    尖端部（１２）の平坦部（１３）が、スペーサ帯状部（１８）およびまたはエッ
    ジ帯状部（３１）に一致し、かつ面状の支持を保証するように形成されているこ
    とを特徴とする請求項１〜１７のいずれか一つに記載の建築要素。
  19. 【請求項１９】 中空体（７，８，９）または単一層（２，４，２３，２４
    ，２５，３３）の面が弾性物質によって一緒に壁を形成するように連結されてい
    ることを特徴とする請求項１〜１８のいずれか一つに記載の建築要素。
  20. 【請求項２０】 中空体（７，８，９）が連結の後で、ガス状または液状の
    媒体をその全部にまたは一部に充填されていることを特徴とする請求項１〜１９
    のいずれか一つに記載の建築要素。
  21. 【請求項２１】 単一層（２，４，２３，２４，２５，３３）が壁およびま
    たはスペーサ帯状部（１８）内に凹部を有し、この凹部が嵌め込んで連結した後
    で流通または循環するガス案内または液体案内のための役目を果たすことを特徴
    とする請求項１〜２０のいずれか一つに記載の建築要素。
  22. 【請求項２２】 いわゆる中立の繊維が次の中立の繊維に面状の連結部によ
    って連結され、中間層が中間室を生じ、この場合中間層の面が同様に連結部を備
    えていることを特徴とする請求項１〜２１のいずれか一つに記載の建築要素。
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