JP2003500368A - 溶解度が不十分な薬剤のためのエマルジョンビヒクル - Google Patents

溶解度が不十分な薬剤のためのエマルジョンビヒクル

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JP2003500368A JP2000619464A JP2000619464A JP2003500368A JP 2003500368 A JP2003500368 A JP 2003500368A JP 2000619464 A JP2000619464 A JP 2000619464A JP 2000619464 A JP2000619464 A JP 2000619464A JP 2003500368 A JP2003500368 A JP 2003500368A
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ラムバート、カレル・ジェイ
コンスタンティニーデス、パナイオティス・ピー
クァイ、スティーブン・シー
タスティアン、アレクサンダー・ケー
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ソーナス ファーマシューティカルス,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 1種以上のトコール、補助溶剤を組み込んでおり、治療薬のビヒクルまたは担体としての生体適合性界面活性剤により安定化され、実質的にエタノールを含まず、動物またはヒトに種々の経路で投与できるエマルジョンが開示されている。エマルジョンにはポリエチレングリコール化ビタミンEも含まれる。ポリエチレングリコール化α-トコフェロールは琥珀酸ジエステルによりビタミンEの環ヒドロキシルで結合したポリエチレングリコールサブユニットを含み、トコールエマルジョンにおいて主界面活性剤、安定剤および第2溶媒として利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は医薬の分野にある。特に、本発明は1種以上のトコールを主要溶剤と
して用いる医薬に関する。
【0002】 発明の背景 数百という医学的に有用な化合物が年を追って発見されているが、これらの薬
剤の臨床使用はこれらをヒト身体中のこれらの治療標的に運ぶ薬剤送達ビヒクル
が開発される場合にのみ可能である。この問題は、特に、それらの治療標的に到
達するために静脈注射を必要とするが水に不溶性であるかもしくは水への溶解度
が不十分である薬剤または用量に関して、重大である。かかる疎水性化合物につ
いては、直接注射は不可能であるか、または極めて危険である場合があり、赤血
球溶血、静脈炎、過敏症、器官の機能不全および/または死をもたらし得る。か
かる化合物は薬学者から「親油性」、「疎水性」またはそれらの最も困難な形態
では「両疎媒性(amphiphobic)」と呼ばれている。
【0003】 これらの分類の治療物質のいくつかの例としては、イブプロフェン、ジアゼパ
ム、グリセオフルビン、シクロスポリン、コルチゾン、プロロイキン、エトポシ
ドおよびパクリタキセルがある。Kagkadis, KAら (1996) PDA J Pharm Sci Tech
50(5):317-323;Dardel. O. 1976. Anaesth Scand 20:221-24, Sweetana, S an
d MJU Akers. (1996) PDA J Pharm Sci Tech 50(5):330-342。
【0004】 水溶液として処方できない薬剤については、典型的にはエマルジョンが最も費
用効率が高く、かつ、投与するのに穏やかであるが、静脈注射により投与できる
ように滅菌し、かつ、内毒素を含まないようにすることに関して重大な問題があ
る。典型的には、医薬エマルジョンに用いる油としてはトリグリセリドファミリ
ーに由来する鹸化可能な油、例えば、ダイズ油、ゴマ油、綿実油、ベニバナ油な
どが含まれる。Hansrani. PKら, (1983) J. Parenter Sci. Technol 37:145-150
。1種以上の界面活性剤を用いてエマルジョンを安定化させ、賦形剤を加えてエ
マルジョンをより生体適合性で、安定で、かつ、毒性の低いものにする。卵黄ま
たはダイズ由来のレシチンが通常用いられる界面活性剤である。すべての構成要
素の製造前の完全な滅菌とそれに続く製造のすべての段階における完全無菌技術
により滅菌製造が達成できる。しかしながら、衛生的な製造後の加熱または濾過
のいずれかによる最終滅菌により製造の容易性は向上し、かつ、無菌状態が保証
される。残念なことに、すべてのエマルジョンが加熱または濾過処理に好適であ
るわけではない。
【0005】 安定性はエマルジョンの粒径および均質性の影響を受けることが示されている
。好ましいエマルジョンは平均滴径が200ナノメーター以下であるサブミクロン
の懸濁液からなる。この粒径範囲の安定な分散は容易には達成されないが、血流
中により長く循環すると予測されるという利点を有する。さらに、この粒径範囲
の安定な分散のうち細網内皮系により非特異的に貪食されるものは少ない。結果
として、薬剤はその治療標的におそらくより到達し易いこととなる。従って、好
ましい薬剤エマルジョンは標的細胞または器官により活発に取り込まれるよう設
計され、かつ、RESからは標的とされない。
【0006】 エマルジョンにおけるビタミンEの使用は公知である。少量の(例えば、1%未
満の、Lyons, R. T., Pharm Res 13(9):S-226,(1996)「Formulation developmen
t of an injectable oil-in-water emulsion containing the lipophilic antio
xidants α-tocopherol and β-carotene」)ビタミンEがエマルジョン中に酸
化防止剤として用いられている数百の例とは別に、最初の原始的な注射可能なビ
タミンEエマルジョン自体はHidiroglouによりヒツジの食餌添加物として、また
ビタミンEおよびその誘導体の薬物動力学に関する研究のために作製された。Hid
iroglou M.およびKarpinski K. (1998) Brit J Nutrit 59:509-518。
【0007】 マウス用には、注射可能形態のビタミンEがKatoおよび共同研究者により製造
された。Kato Y.ら(1993) Chem Pharm Bull 41(3):599-604。Tween 80、Brij58
およびHCO-60を用いてミセル溶液が処方された。イソプロパノールを補助溶剤と
して用い、次いで、真空蒸発により除去し、次いで、残った油状ガラス質物質を
水にとりボルテックスにかけてミセル懸濁液とした。また、エマルジョンもビタ
ミンEをダイズホスファチジルコリン(レシチン)およびダイズ油を用いて溶解
することで製造した。水を加えて超音波処理によりエマルジョンを製造した。
【0008】 1983年に、ビタミンEエマルジョン、E-フェロールが新生児におけるビタミンE
補足および治療に取り入れられた。Alade S.L.ら(1986) Pediatrics 77(4):593-
597。この製剤を受けた結果として30人を超える乳児が2、3ヶ月内に死亡し、
この製剤はFDA命令により直ちに回収された。25mg/mLのビタミンEを乳化するた
めにE-フェロールに用いた界面活性剤混合物は9%のTween80と1%のTween20からな
っていた。結局、用いられたレベルのこれらの界面活性剤が不幸な死を引き起こ
したと考えられる。この経験は製剤の改良が必要であること、ならびに好適な生
体適合性界面活性剤の選択の重要性および非経口エマルジョンにおけるそれらの
レベルを注意深くモニタリングする必要があることを示している。
【0009】 水への溶解度が不十分な化合物を可溶化する別法には非水性環境、例えば、ア
ルコール(エタノールなど)ジメチルスルホキシドまたはトリアセチンへの直接
可溶化がある。PCT出願WO95/11039中の実施例では、ビタミンEおよびビタミンE
誘導体TPGSのエタノールおよび免疫抑制分子シクロスポリンとの併用を記載して
いる。米国特許第5,689,846号はパクリタキセルの種々のアルコール溶液を開示
している。米国特許第5,573,781号はエタノール、ブタノールおよびヘキサノー
ルへのパクリタキセルの溶解およびエタノールと比較してブタノールおよびヘキ
サノール中で送達されるパクリタキセルの抗腫瘍活性の増加を開示している。ア
ルコール含有溶液は注意深く投与することができるが、典型的にはこれらの溶液
のボーラス注射に伴う苦痛、血管炎症および毒性を避けるために点滴により与え
る。
【0010】 米国特許第4,439,432号はトコフェロール中のプロゲステロンの高濃度溶液の
製造を開示している。これらの溶液から、全身性プロゲステロン欠損症の皮膚治
療として用いるための、乾癬などの局所的皮膚症状を治療するための、または膣
適用のためのエマルジョンを製造できる。この溶液はまた経口投与のためにカプ
セルに封入してもよい。
【0011】 EP出願第001,851号(Akzo N. V.)は、常温で液体であるトコールおよびトコー
ル誘導体を含むオエストラン、アンドロスタンおよび(19-ノル-)プレグナンシリ
ーズのステロイドの高濃度溶液を開示している。
【0012】 PCT公開WO95/21217(Dumex Ltd)はトコフェロールを、特に局所製剤の製造のた
めに、実質的に水に不溶性である薬剤の溶媒および/または乳化剤として使用で
きると開示している。高レベルのα-トコフェロールを含有する製剤におけるビ
タミンE-TPGSの乳化剤としての使用が明細書に記載されている(7-8および12頁
)。実施例1ないし5では脂質相(α-トコフェロール)、薬剤およびビタミンE-T
PGSを製剤の25重量%未満の量で乳化剤として含んでなる局所投与用製剤を開示し
た。
【0013】 PCT公開WO97/03651(Danbiosyst UK Ltd.)は少なくとも5種の成分:治療薬、ビ
タミンE、薬剤およびビタミンEが溶解される油、安定剤(リン脂質、レシチンま
たはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体であるポロキサマーの
いずれか)および水を含む脂質薬剤送達組成物を開示している。開示される治療
薬はイトラコナゾールおよびパクリタキセルである。「治療用エマルジョン」組
成物は治療薬が存在する分散相に2種の油、ビタミンEともう1つの油、典型的に
はダイズ油などのトリグリセリドを必要とする。パクリタキセルを用いる唯一の
実用的な実施例、実施例16もビタミンEおよびダイズ油の双方を含んでいる。
【0014】 WP97/03651はまたビタミンE活性を有するトコール誘導体およびトコトリエノ
ールがその公開で用いられる「ビタミンE」の定義の範囲内にあると考えられる
ことも併せて開示している。
【0015】 PCT公開WO97/22358(Sherman)はトコール、トコフェロール、トコトリエノール
およびそれらの誘導体から選択される親水性成分を含み得る溶媒系に溶解したシ
クロスポリンのマイクロエマルジョンプレコンセントレートを開示している。α
-トコフェロールに加え、この公開はまたβ-、δ-およびγ-トコフェロールなら
びにα-、β-、δおよびγ-トコトリエノールまたはそれらの混合物も記載して
いる。これらの組成物はまた親水性溶媒、好ましくは炭酸プロピレンまたは平均
分子量が1000未満であるポリエチレングリコールを含む。Shermanの第2のPCT公
開(WO98/30204)は溶媒系が2種の疎水性溶媒(その一方がトコール、トコフェ
ロール、トコトリエノールおよびそれらの誘導体から選択される)を含み得るシ
クロスポリンのマイクロエマルジョンプレコンセントレートを開示している。
【0016】 商標名ファルマソルブ(登録商標)で知られる、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)
、を用いて医薬製剤中の溶解度が不十分な薬剤の溶解度を改良することができ、
獣医薬における使用に関する最近の文献にも見られ、ヒトにおける適用にも近づ
きつつある。さらに、水性注射可能基剤の1ないし5パーセント(w/v)の濃度の、
商標名ポビドン(登録商標)で知られる、分子量が2,500と10,000の間であるポ
リビニルピロリドン(PVP)をNMPとともに補助可溶化剤として用いることができる
。米国特許第5,726,181号はNMPおよび高度に親油性であるカンプトテシン誘導体
を含んでなる抗腫瘍組成物および懸濁液を開示している。
【0017】 ポリエチレングリコール(PEG)およびPVPはパクリタキセルをはじめとする薬剤
の溶解性を改変するために用いられることの多い、水溶性ポリマーの2つの例で
ある。両溶媒中のパクリタキセルの溶解性は比較的高いが、非経口投与に好適で
ある希釈水溶液では薬剤の溶解性は低く、薬剤が希釈の際に沈殿する可能性が高
い。PEG-400と50-100%のPEG-400を含有する水との添加で、パクリタキセルの溶
解性はそれぞれ0.2から175mg/mlへ変化する。従って、パクリタキセル溶解性は
多量の水が用いられる場合には極めて低く、例えば、水中の35%PEG400および30%
PVPではそれぞれ0.03mg/mlおよび≦0.3mg/mlである。「ポリエチレングリコール
400/水混合物中のパクリタキセルの溶解性」(Straubinger, R. M. Biophrmacui
tics of paclitaxel (Taxol); Formulation, activity and pharmacokinetics,
Taxol, Science and Applications中の244頁,(M. Suffness編),CRC Press, Ne
w York, 1995)。PEG-400の使用はパクリタキセルに限定されるものではなく、ポ
リエチレングリコール中で十分な溶解性を示すその他の治療薬(例えば、エトポ
シド)にも適用できる。ポリエチレングリコール誘導体をはじめとするパクリタ
キセル誘導体の形態は米国特許第5,614,549号に記載されている。
【0018】 溶解性が不十分であることおよび薬剤が沈殿する可能性に加え、アルコール(
エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコールなど)と界面活性剤などの
非水性溶媒中の医薬製剤に関するもう一つの問題は、これらの溶媒が、その容器
から毒性物質、例えば、可塑剤を抽出する能力である。抗癌薬パクリタキセルの
現在の市販製剤は、例えば、ヒドロキシル化ヒマシ油とエタノールの混合物から
なり、通常用いられる静脈内注射チューブおよびバッグからジ-(2-エチルヘキシ
ル)-フタレートなどの可塑剤を迅速に抽出する。呼吸困難などの可塑剤の副作用
が報告されており、余分の費用および時間での特別の注入系の使用を必要とする
。Waughら(1991) Am J. Hosp. Pharmacists 48:1520。
【0019】 これらの問題を考慮して、理想のエマルジョンビヒクルは安価で、非刺激性ま
たは栄養的でさえあり、かつそれ自身で苦痛を緩和し、加熱または濾過のいずれ
かにより最終滅菌可能であり、制御された保存条件下で少なくとも1年間安定で
あり、多種多様の水に不溶性および溶解性が不十分な薬剤に適応し、かつ、実質
的にエタノールを含まないであろうということがわかる。親油性で、かつ、油に
溶解する薬剤 に加え、脂質へのおよび水への溶解性が不十分である薬剤をエマ
ルジョンの形態で安定化し、かつ保持するビヒクルも必要とされる。
【0020】 発明の概要 これらの必要性を満たすために、本発明は水相を含むまたは含まない1種以上
のトコール、補助溶剤と治療薬を取り込む界面活性剤または界面活性剤の混合物
を含有する医薬組成物に向けられる。本発明の組成物はエマルジョン、ミセル溶
液または自己乳化性薬剤送達系の形態であり得る。トコール(またはトコフェロ
ール)分子は好ましくはα-トコフェロールである。通常、本発明の組成物はい
ずれの一価アルコールも実質的に含まない。
【0021】 補助溶剤としては水溶性ポリマー、好ましくはN-メチル-2-ピロリドンを含む
または含まないポリエチレングリコールまたはポリビニルピロリドンを含んでよ
い。分子量が100ないし10,000の間であるポリエチレングリコール(PEG)が最も好
ましい補助溶剤である。最も好ましくは製剤の1重量%よりの多い量のPEF-400で
ある。
【0022】 医薬組成物は陰イオン性、非イオン性、陽イオン性および両イオン性界面活性
剤を含む種々の両親媒性分子を添加することで安定化できる。好ましくは、これ
らの分子はポリエチレングリコール化界面活性剤であり、ポリエチレングリコー
ル化α-トコフェロールが最適である。
【0023】 両親媒性分子はアスコルビル-6パルミテート;ステアリルアミン;スクロース
脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール化リン脂質、種々のトコール誘導体お
よびポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレングリコール非イオン性ブロック
共重合体などの界面活性剤をさらに含む。有用な界面活性剤としてはまた、ポロ
キサマー、テトロニクス、TPGS、グルタミルステアレート、ポリエチレングリコ
ール化モノおよびジグリセリド、プロピレングリコールモノ-/ジエステル、ポ
リグリセリルエステル、ソルトールHS-15、リン脂質、レシチン、ポリエチレン
グリコール化リン脂質、ポリエチレングリコール化ステロール、ポリエチレング
リコール化コレステロールおよびその他のトコールエステル、スクロースエステ
ル、脂肪酸、胆汁酸および抱合胆汁酸、非イオン性および陰イオン性界面活性剤
を含む。
【0024】 治療薬は化学療法薬、抗生物質(抗ウイルス、抗菌、抗寄生虫、抗プラスモジ
ウム、または抗真菌)、鎮痛剤、抗鬱薬、抗精神病薬、ホルモン、ステロイド、
血管強壮剤、血管形成阻害薬、サイトメジンまたはサイトカインであり得る。
【0025】 本発明における使用に好適である薬剤の種類の、より包括的であるが限定され
るものではない一覧がPCT公開WO98/30205に含まれている。
【0026】 トコールを基剤とするエマルジョンは心血管または癌治療薬を送達するために
用いる場合に相乗的な生物学的および治療学的作用を有し、特に有利である。
【0027】 化学療法薬を送達するための粒子エマルジョンの副次的利点はエマルジョンに
用いられる界面活性剤のP-糖タンパク質、膜結合型薬剤トランスポーターを阻害
することにより多剤耐性を克服するという広く知られる特性である。
【0028】 本発明のエマルジョンはエマルジョンまたはミセル溶液の形態にある場合に水
性媒質を含み得る。この媒質はエマルジョンを安定化するのに、または製剤に生
体適合性を付与するのに役立つ種々の添加剤を含み得る。
【0029】 1つの形態では、本発明はα-トコフェロール、タキソイド、タキシンおよびタ
キサンから選択される化学療法薬、水およびD-α-トコフェロールポリエチレン
グリコール1000スクシネートを含んでなる医薬組成物に向けられる。もう1つの
形態では、本発明は、エマルジョンまたはミセル溶液の形態にあり、溶液がいず
れの一価アルコールも実質的に含まない、α-トコフェロール、補助溶剤、1種以
上の界面活性剤、水相および治療薬を含む医薬組成物に向けられる。
【0030】 好ましい構成では、補助溶剤はポリエチレングリコール、N-メチル-2-ピロリ
ドン、ポリビニル-ピロリドンまたはそれらの混合物であり得る。
【0031】 好ましい構成では、界面活性剤はα-トコフェロール誘導体および分子量が100
ないし10,000、最も好ましくは約200ないし約1000であるポリエチレングリコー
ルである。
【0032】 好ましい構成では、治療薬はタキソイド、タキシンおよびタキサンから選択さ
れる化学療法薬である。
【0033】 本発明の医薬組成物は典型的には治療薬を補助溶剤に溶解させて治療薬溶液を
形成し、次いで1種以上のトコールを1種以上の界面活性剤とともに治療薬溶液
に加えて親水性補助溶剤中の治療薬の油状溶液を形成することにより形成する。
次いで油状溶液を水相と混合してプレエマルジョンを形成する。IV送達のために
、プレエマルジョンをさらにホモジナイズして細かいエマルジョン(微エマルジ
ョン)を形成する。経口送達用には、典型的には補助溶剤と界面活性剤中の治療
薬の油状溶液をゼラチンカプセルに封入する。
【0034】 本発明の方法の好ましい形態では、治療薬をポリエチレングリコールまたはト
コール油に直接溶解し、これにより一価アルコールを溶媒として使用するのを避
けることができる。
【0035】 発明の詳細な説明 本発明の完全な理解を確実にするために以下の説明を提供する: トコフェロール:トコフェロールは一般名トコールまたはビタミンEでも知ら
れる天然および合成化合物のファミリーである。α-トコフェロールはこのクラ
スの化合物のうちで最も豊富にあり、かつ、活性な形態であり、以下の化学構造
(スキームI):
【化1】
【0036】 を有する。
【0037】 この分子は3つの構造要素、フェノールアルコールを有するクロマンヘッドお
よびフィチルテールを含む。すべてのトコフェロール異性体が3個のメチル基を
クロマンヘッドに有するものではない。最も単純な異性体はメチル基をクロマン
環に含まず(6-ヒドロキシ-2-メチル-2-フィチルクロマン)、簡単に「トコール」
と呼ばれることもあるが、本発明者らは「トコール」をより広範なクラスの化合
物を表すよう以下に定義されるように用いる。このクラスのその他のメンバーと
してはα-、β-、γ-およびδ-トコフェロールならびにトコフェロールアセテー
ト、ホスフェート、スクシネート、ニコチネートおよびリノレートなどのα-ト
コフェロール誘導体を含む。主要溶剤としてのこれらの使用に加え、トコフェロ
ールおよびその誘導体は治療薬としても有用である。
【0038】 トコトリエノールはトコフェロールに関連のある構造を有するが、3,7,11トリ
エン「テール」を有する。d-アルファ-トコトリエノールの構造がスキームIIに
示されている。
【化2】
【0039】 再度言及するが、トコフェロールの場合のように、すべてのトコトリエノール
異性体が3個のメチル基をクロマンヘッドに有するものではない。4種の主要なト
コトリエノール、α-、β-、γ-およびδ-トコトリエノールがある。デスメチル
トコトリエノールおよびジデスメチルトコトリエノールなどのより少ないメチル
基を有する類似化合物もトコトリエノールの定義内に含まれる。
【0040】 トコフェロールクラスのメンバーはさらなる利点を提供し、特別な生物学的機
能を果たし得る。
【0041】 さらに、これらのトコフェロールの使用により、粘度が低く、従って、製造お
よび/または加工がより容易であるエマルジョンが得られる。
【0042】 この群の好ましいメンバーとしては、限定されるものではないが、d-γ-およ
びd-δ-トコフェロール、d-β-、d-δ-およびd-γ-トコトリエノールが含まれる
【0043】 トコール:すべてのトコフェロールおよびトコトリエノールは根本的には最も
単純なトコフェロール、6-ヒドロキシ-2-メチル-2-フィチルクロマン(「トコー
ル」と呼ばれる場合もある)の誘導体であるので、「トコール」は本明細書では
広義に用い、トコフェロールおよびトコトリエノールのファミリーおよびその誘
導体を示す。トコールはまたクロマン環の6-ヒドロキシでエステル化されたそれ
らの一般的な誘導体を含むトコフェロールまたはトコトリエノール誘導体を含む
【0044】 界面活性剤:両親媒性分子の界面活性クラスは化学的プロセスにより製造され
るかまたは天然の供給源もしくはプロセスから精製される。これらは陰イオン性
、陽イオン性、非イオン性および両性イオンであり得る。エマルジョンにおける
典型的な界面活性剤は記載されている:Theory and Practice, Paul Becher, Ro
bert E. Krieget Publishing, Malabar, Florida, 1965; Pharmaceutical Dosag
e Forms: Dispersed Systems 1巻,Martin M. Rigear, Surfactants および本発
明の指定代理人、Sonus Pharmaceuticalsに譲渡されている米国特許第5,595,723
号。これらの参照文献はすべて引用することにより本明細書の一部とされる。
【0045】 TPGS:TPGSまたはポリエチレングリコール化ビタミンEはポリエチレングリコ
ールサブユニットが琥珀酸ジエステルによりビタミンE分子の環ヒドロキシルで
結合しているビタミンE誘導体である。TPGSはD-α-トコフェロールポリエチレン
グリコール1000スクシネート(MW=1513)を表す。TPGSはスキームIII:
【化3】
【0046】 の構造を有する非イオン性界面活性剤(HLB=16-18)である 種々の化学的部分のエステルおよびエーテル結合を含むビタミンE TPGSの種々
の化学誘導体もビタミンE TPGSの定義内に含まれる。
【0047】 ポリエチレングリコール:ポリエチレングリコール(PEG)は親水性の、エチレ
ングリコールの重合型であり、化学構造−(CH−CH−O−)−の反復単
位からなる。ポリエチレングリコールの一般式はHOCH(CHOCH CHOHまたはH(OCHCHOHである。分子量は200ないし10,
000にわたる。かかる種々の形態はPEG-200、PEG-400などとして記載される。
【0048】 N-メチル-2-ピロリドン:N-メチル-2-ピロリドン(NMP)は以下の化学構造:
【化4】
【0049】 を有する有機分子である。
【0050】 この化合物のGMP等級はファルマソルブ(登録商標)という名称で入手でき、
医薬製剤において溶解度が不十分な薬剤の溶解度を向上させるために用いる。特
定の薬剤の溶解度が高められるのは分子の窒素とカルボニル反応中心との錯生成
作用の結果であると考えられる。
【0051】 ポリビニルピロリドン:ポリビニルピロリドン(PVP)またはポビドンは水溶性
ポリマーであり、化学構造:
【化5】
【0052】 の反復単位からなる。
【0053】 平均MWは2500と3×106の間で変化し、発熱物質を含まない特別な等級のポビ
ドンは非経口投与に利用できる。5%までの濃度を溶解度が不十分な薬剤のための
補助溶剤として用いることができる。
【0054】 ポロキサマーまたはプルロニックは一般構造: OH(OCH2CH2)a(OCH2CH2CH2)b(OCH2CH2)aH を有するエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの合成ブロック共重合体で
ある。
【0055】 aおよびbの値に基づく以下の変種はBASF Performance Chemicals(Parsippany,
New Jersey) から商標名プルロニックで市販されており、これはポロキサマー1
08、188、217、237、238、288、338、407、101、105、122、123、124、181、182
、183、184、212、231、282、331、401、402、185、215、234、235、284、333、
334、335および403のCTFA名で呼ばれる界面活性剤群からなる。最も用いられる
ことの多いポリキサマー124、188、237、338および407の、aおよびbの値はそれ
ぞれ12/20、79/28、64/37、141/44および101/56である。
【0056】 ソルトールHS-15はBASF(Parsippny, NJ)により製造されるポリエチレングリコ
ール660ヒドロキシステアレートである。ポリエチレングリコールおよびそのモ
ノエステルの他に、ジエステルも検出できる。製造業者によれば、典型的なロッ
トのソルトールHS-15は約30%の遊離ポリエチレングリコールと70%のポリエチレ
ングリコールエステルとを含む。
【0057】 その他の界面活性剤:本発明において有用なその他の界面活性剤としてはアス
コルビル-6-パルミテート(Roche Vitamins, Nutley NJ)、ステアリルアミン、お
よびスクロース脂肪酸エステル(Mitsubishi Chemicals)が含まれる。オーダーメ
イドの界面活性剤としては環ヒドロキシルに結合したペプチド結合ポリグルタメ
ートおよびポリエチレングリコール化フィトステロールを含むビタミンE誘導体
などの極性のある、水を好むヘッドおよび疎水性テールを有する化合物が含まれ
る。その他のペプチドが同様にビタミンEに結合していてもよい。また、ポリエ
チレングリコール化リン脂質も有用な界面活性剤である。ポリエチレングリコー
ル化リン脂質の例としては、脂肪アシル鎖が、飽和、不飽和、その混合物であり
得るC−C24脂肪酸を含む、ホスファチジルエタノールアミンのPEG2000ま
たはPEG5000類似体が含まれる。
【0058】 親水性−親油性バランス:指標界面活性剤に用いる実験式。その値は1-45、非
イオン性界面活性剤の場合には約1-20で変化する。一般に、親油性界面活性剤に
ついてはHLBは10未満であり、親水性のものについてはHLBは10より大きい。
【0059】 生体適合性の:生体内または生体上で、過度の毒性または生理学的もしくは薬
理作用をともなわない許容される方法で機能を発揮できる。
【0060】 いずれの一価アルコールも実質的に含まない:一価アルコール濃度が約0.1%(w
/v)一価アルコール未満である組成物。本明細書において「一価」アルコールと
は、これらに限定されるものではないが、エタノール、ブタノール、イソプロパ
ノールなどの1個のヒドロキシル基を含むアルコールである。「多価」アルコー
ルまたは「ポリオール」とは、これらに限定されるものではないが、エチレング
リコール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール(PEG)などの2個
以上のヒドロキシル基を含むアルコールである。PEGはまた重合単位としてエチ
レングリコールを含む「ポリグリコール」とも呼ばれる。本明細書で用いるため
のその他の好適な多価アルコールとしては、これらに限定されるものではないが
、エチレングリコール(2-OH基)、グリセロール(3-OH基)、ソルビトール(6-
OH基)およびマンニトール(6-OH基)が含まれる。
【0061】 エマルジョン:液滴の形態にある、2種の不混和液のコロイド分散系であり、
その径は一般に0.1と3.0ミクロンの間であり、典型的には分散相と分散媒の屈折
率が一致しない限りは光学的に不透明である。かかる系は、一般には適用または
関連基準系により規定される限定された安定性を有するが、これは両親媒性分子
または粘度増加剤の添加により増大されてもよい。
【0062】 マイクロエマルジョン:界面活性剤分子の界面膜により安定化された、油と水
などの2種の不混和液の熱力学的に安定で等方向的に透明な分散系。マイクロエ
マルジョンの平均滴径は200nm未満であり、一般には10-50nmの間である。水の不
在下では、油と非イオン性界面活性剤の混合物は自己乳化性薬剤送達系(SEDDS)
として知られる、透明で、かつ、等方性の溶液を形成し、これを用いて親油性薬
剤溶解および経口吸収を改良するために上首尾で使用されている。
【0063】 ポリエチレングリコール化:ポリエチレングリコール化した、またはエトキシ
ル化したとは、化学結合を介して所定の化合物に結合したポリエチレングリコー
ルサブユニットを意味する。
【0064】 水性媒質:酸性化剤、アルカリ化剤、緩衝剤、キレート剤、錯化剤および可溶
化剤、酸化防止剤および抗菌性保存料、湿潤剤、沈殿防止剤および/または粘度
調整剤、張性および湿潤またはその他の生体適合性物質などの医薬上許容される
添加剤を含み得る、水を含有する液体。
【0065】 治療薬:生物学的活性を有し、油相に可溶性であり、かつ、治療薬が水相より
も油相に優先的に溶解されることを確実にするためにオクタノールバッファー分
配係数(Log P)が少なくとも2である、天然または合成のいずれかの化合物。こ
れにはペプチド、非ペプチドおよびヌクレオチドが含まれる。脂肪酸などの水溶
性分子の疎水性誘導体および脂質共役体/プロドラッグも治療薬の範囲内にある
【0066】 化学療法薬:1種以上の形態の癌に有効である、いずれかの天然または合成分
子であり、特に、わずかにもしくは完全に親油性であるか、または親油性に改変
できる分子。この定義はその作用機構により細胞傷害性である分子(抗癌剤)、
免疫系を刺激する分子(免疫刺激剤)および血管形成のモジュレーターを含む。
いずれの場合においても、その成果は癌細胞増殖の減速である。
【0067】 化学療法薬としてはパクリタキセルおよび集合的にタキソイド、タキシンまた
はタキサンと呼ばれる関連分子が挙げられる。パクリタキセルの構造が以下の図
(スキームVI)に示されている。
【化6】
【0068】 「タキソイド」の定義内には癌細胞増殖を減少させるのに有効であり、かつ、
油(脂質相)に分配すると示され得るような基本環構造(タキソイド核)への種
々の修飾および結合が含まれ、これらは当業者に公知の有機化学技術により構築
され得る。これらは、これらに限定されるものではないが、2-デベンゾイル-2-
アロイルおよびC-2-アセトキシ-C-4-ベンゾエートパクリタキセルなどのパクリ
タキセルのベンゾエート誘導体、7-デオキシタキソール、C-4アジリジンパクリ
タキセル、特に、BMS-188797としても知られるパクリタキセルのメチルカーボネ
ート誘導体、ならびに天然および合成ポリマーとの、特に脂肪酸、リン脂質およ
びグリセリドおよび1,2-ジアシルオキシプロパン-3-アミンとの種々のパクリタ
キセル共役体が含まれる。ドセタキセル(タキソテール)も好ましいタキソンで
ある。タキソイド核の構造はスキームVIIに示されている。
【化7】
【0069】 本発明の範囲内にはパクリタキセルと構造類似性を共有する、すなわち、微小
管安定剤のために示される共通ファルマコフォアを組み込んでいる、天然産物も
含まれる。これらの化合物としては、これらに限定するものではないが、エポチ
ロンAおよびB、ジスコデルモリド、ノナタキセルおよびエレウテロビンが挙げら
れる(Chem. Eng. News 1999, 77(17):35-36)。
【0070】 化学療法薬としてはポドフィロトキシンおよびその誘導体および類似体が含ま
れる。これらの分子の中心環構造が以下の図(スキームVIII)に示されている。
【化8】
【0071】 本発明において有用な、もう1つの重要なクラスの化学療法薬はカンプトテシ
ンであり、その共通環構造が以下の図に示されており、以下に示される分子(ス
キームIX)の効力を保持し、かつ、親油性を保つ、この基本構造からの誘導体お
よび修飾物のいずれをも含む。
【化9】
【0072】 本発明において有用な、もう1つの好ましいクラスの化学療法薬は親油性アン
トラシクリンであり、その基本環構造が以下の図(スキームX):
【化10】
【0073】 に示されている。
【0074】 スキームXの好適な親油性修飾は環ヒドロキシル基または糖アミノ基での置換
基を含む。
【0075】 もう1つの重要なクラスの化学療法薬は親油性であるか、または当業者に周知
の分子化学合成修飾により、例えば、コンビナトリアルケミストリーによりおよ
び分子モデリングにより親油性にでき得る、かつ、以下の一覧から選択される:
タキソテール、アモナフィド、イルジンS、6-ヒドロキシメチルアシルフルベン
ブリオスタチン1、26-スクシニルブリオスタチン1、パルミトイルリゾキシン、D
UP941、マイトマイシンB、マイトマイシンC、ペンクロメジン、インターフェロ
ンα2b、血管形成阻害剤化合物、2-ヒドラジノ-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール
と塩化プラチナおよび5-ヒドラジノ-3,4-ジヒドロ-2H-ピロールと塩化プラチナ
などのシスプラチン疎水性複合体、ビタミンA、ビタミンE、ならびにその誘導体
、特にトコフェロールスクシネート。 本発明において有用なその他の化合物としては、1,3-ビス(2-クロロエチル)-1
-ニトロスレア(「カルムスチン」または「BCNU」)、5-フルオロウラシル、ド
キソルビシン(「アドリアマイシン」)、エピルビシン、アクラルビシン、ビス
アントレン(ビス(2-イミダゾレン-2-イルヒドラゾン)-9,10-アントラセンジカ
ルボキシアルデヒド)、ミトキサントロン、メトトレキサート、エダトレキサー
ト、ムラミルトリペプチド、ムラミルジペプチド、リポ多糖、9-b-d-アラビノフ
ラノシルアデニン(「ビダラビン」)およびその2-フルオロ誘導体、レスベラト
ロール、レチノイン酸およびレチノール、カロテノイド類およびタモキシフェン
が含まれる。
【0076】 本発明の適用に有用なその他の化合物としては、デカルバジン、ロニダミン、
ピロキサントロン、アントラピラゾール、エトポシド、カンプトテシン、9-アミ
ノカンプトテシン、9-ニトロカンプトテシン、カンプトテシン-11(「イリノテ
カン」)、トポテカン、ブレオマイシン、ビンカアルカロイドおよびその類似体
[ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ビントリポール、ビンキサルチ
ン、アンシタビン]、6-アミノクリセンおよびナベルビンが含まれる。
【0077】 本発明の適用に有用なその他の化合物にはタキソールの疑似体、エレウテロビ
ン、サルコジクチン、ジスコデルモリドおよびエポチオロンがある。本発明にお
いて有用なその他の化合物には微小管標的剤がある。微小管標的剤はチューブリ
ンと呼ばれるタンパク質と結合し、それによって微小管重合を妨げる。代表的な
微小管結合剤としてはエポチロン、エルテロビンおよびジスコデルモリドが含ま
れる。
【0078】 また、バルプロ酸、タクロリムス、ラパマイシン、クラリスロマイシン、エリ
スロマイシン、ネオマイシン、バシトラシン、チロトロピン、ソマトスタチン、
テストステロン、プロゲステロン、コルチゾン、クラスとしてのポリケチド、ク
ラスとしてのキノロン、シプロフロキサシン、クラスとしてのベンゾジアゼピン
、ジアゼパム、カルシトリオール、クロザピン、アンドロセフィンも有用である
【0079】 これらの定義を考慮して、本発明はエタノール溶媒を実質的含まない、エマル
ジョン、ミセル溶液または自己乳化性薬剤送達系の形態の医薬組成物に向けられ
る。
【0080】 本発明の組成物の治療薬はまず補助溶剤に可溶化してもよい。エタノールを油
相調製の際の処理溶媒として用いる場合には、エタノールを除去して実質的にエ
タノールを含まない組成物を形成する。エタノール濃度は1%(w/v)未満、好まし
くは0.5%未満、最も好ましくは0.3%未満である。治療薬はまたメタノール、プロ
パノール、クロロホルム、イソプロパノール、ブタノールおよびペンタノールに
可溶化してもよい。これらの溶媒も使用前に除去される。
【0081】 好ましい実施形態では、本発明の組成物の治療薬はまずベンジルアルコール、
ベンジルベンゾエート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアミド(DMA)、
プロピレングリコール(PG)、ポリエチレングリコール(PEG)、N-メチル-2-ピロリ
ドン(NMP)およびポリビニルピロリドン(PVP)などの非揮発性の補助溶剤に可溶化
できる。NMPまたはPEGもしくはPVPなどの水溶性ポリマー(表1)が特に好まし
い。
【0082】 治療薬を可溶化するのにエタノールなどのアルコールではなくPEG-400を用い
ることの主な利点/改良点は、治療薬投与に先立って揮発性溶媒を除去または希
釈しなくてもよいということである。エマルジョン中の最終ポリエチレングリコ
ールレベルは1-50%、好ましくは1-25%、より好ましくは1-10重量%で異なり得る
。好適なポリエチレングリコール溶媒は平均分子量が200と600の間、好ましくは
300と400の間であるもの(表1)である。経口投与のための自己乳化性系の場合
には、高分子量PEG(1,000-10,000)もハードゼラチンカプセルに充填できる半固
体製剤を形成する可溶化剤として含めることができる。
【表1】
【0083】 本発明の治療薬のポリエチレングリコールまたはその他の非揮発性補助溶剤(
PVP、NMP)への可溶化により本発明の治療薬のエタノールまたはその他の揮発性
溶媒などの一価アルコールへの可溶化の必要が回避される。ポリエチレングリコ
ールまたはN-メチル-2-ピロリドンの使用によりエマルジョンを治療上使用する
前に溶媒を除去する必要がなくなる。
【0084】 エマルジョン中の最終ポリエチレングリコールレベルは1-50%で、好ましくは1
-25%で、より好ましくは1-10重量%で異なり得る。
【0085】 本発明の組成物はトコフェロール(好ましくはα-トコフェロール)を治療薬
の担体として含み、これは動物またはヒトに血管内、経口、筋内、経皮および皮
下経路で投与され得る。詳しくは、エマルジョンはいずれかの以下の経路、中で
も、腹腔内、動脈内、関節内、関節包内、頸部内、頭蓋内、腺管内、硬膜内、病
変内、小室内、腰椎内、壁内、眼内、手術中、頭頂内、腹膜内、胸腔内、肺内、
髄腔内、胸郭内、気管内、鼓膜内、子宮内、および心室内に、または経皮的に与
えることができる。本発明のエマルジョンは親油性化合物の肺到達のために当業
者に公知の好適なエアゾール噴射剤を用いて噴霧してもよい。
【0086】 第1の態様では、本発明は水に不溶性、水への溶解度が不十分である治療薬、
あまり水溶性でないように修飾されている水溶性のものまたはその混合物を含有
するエマルジョンの疎水性分散相としてのトコフェロールの使用に向けられる。
好ましい実施形態では、α-トコフェロールが用いられる。「ビタミンE」とも呼
ばれるα-トコフェロールは典型的な脂質油ではない。ほとんどの脂質油、特に
トリグリセリドよりも高い極性を有し、鹸化不可能である。実質的に水に不溶で
ある。
【0087】 第2の態様では、本発明は自己乳化性系の形態のトコフェロールエマルジョン
であり、この系は所望の水に不溶な薬剤(または水への溶解度が不十分であるか
、またはあまり水溶性でないよう改変された水溶性薬剤またはその混合物)の経
口投与に用いられる。この実施形態では、界面活性剤および薬剤または薬剤混合
物を含む油相をソフトまたはハードゼラチンカプセルに封入する。高分子量ポリ
エチレングリコール(MW>1000)および商標名ゲルシア(Gelucire, Gattefose Co
rp. Saint Priest, France)で入手できるもののようなグリセリドなどの融点が4
0ないし60℃の範囲にある好適な凝固剤を加えて、高温で製剤をハードゼラチン
カプセルに充填することができる。室温平衡の際に半固体製剤が形成される。胃
および十二指腸においてゼラチンが溶解する際に、油が放出されて平均滴径が2-
5ミクロンの間の微エマルジョンが自然発生的に形成される。次いで、エマルジ
ョンは腸の微絨毛によって取り込まれ血流中に放出される。
【0088】 第3の態様では、本発明は1種以上のトコール、好ましくはα-トコフェロール
を含有するマイクロエマルジョンを含んでなる。マイクロエマルジョンとはエマ
ルジョン懸濁液が実質的に透明で、そこに極めて小さい粒径の油/薬剤微小集合
体が分散していることによって永久に安定である、エマルジョンのサブクラスを
指す。
【0089】 本発明の第4の態様では、ポリエチレングリコール化ビタミンE(TPGS)をビタミ
ンEのエマルジョンにおいて主界面活性剤として用いる。ポリエチレングリコー
ル化ビタミンEはビタミンEのエマルジョンにおいて主界面活性剤、安定剤および
補助溶剤としても利用される。ポリエチレングリコール(PEG)はまた本発明のエ
マルジョンにおいて補助溶剤としても有用である。特に、ポリエチレングリコー
ル200、300、400またはその混合物が用いられる。
【0090】 本発明のエマルジョン中のα-トコフェロールおよび/またはその他のトコー
ルの濃度は約1ないし約20重量%で形成され得る。TPGSが組成物中に存在する場合
には、トコフェロールとTPGSの割合は最適には約1:1ないし約20:1である。
【0091】 本発明のエマルジョンはアスコルビル-6-パルミテート、ステアリルアミン、
ポリエチレングリコール化リン脂質、スクロース脂肪酸エステル、種々のトコー
ル誘導体およびポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレングリコール非イオン
性ブロック共重合体のような非イオン性合成界面活性剤混合物などの界面活性剤
をさらに含み得る。
【0092】 本発明のエマルジョンは水性媒質を含み得る。一般に、水相のオスモル濃度は
約300mOsmであり、塩化ナトリウム、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコールアルブミン、ポリペプおよびその混合物を
含み得る。この媒質はまたエマルジョンを安定化するのにまたは製剤に生体適合
性を付与するのに役立つ種々の添加剤を含み得る。許容される添加剤としては酸
性化剤、アルカリ化剤、抗菌性保存料、抗酸化剤、緩衝剤、キレート剤、沈殿防
止剤および/または粘度増化剤および張性剤が挙げられる。pH、張性を制御する
、および粘度を高める薬剤が含まれることが好ましい。最適には、ソルビトール
またはスクロースなどの粘度も高める薬剤を用いて少なくとも250mOsmの張性を
達成する。
【0093】 静脈注射用の本発明のエマルジョンの粒径(平均滴径)は10ないし500nm、好
ましくは、10ないし200nm、最も好ましくは、10ないし100nmである。静脈注射用
エマルジョンについては、脾臓および肝臓が500nmより大きい径の粒子を排除す
るであろう。
【0094】 本発明の好ましい形態は子宮癌およびその他の癌種の治療に用いられる、パク
リタキセル、極めて水に不溶性である細胞毒素を含む。本発明のエマルジョン組
成物は20mg/mLまでの濃度のパクリタキセル(現在処方箋により利用できるもの
の4倍)およびエマルジョン微小液滴が0.2ミクロン未満であり、かつ、濾過によ
り最終滅菌可能であるよう生体適合性界面活性剤を含有するビタミンEの溶液を
含む。
【0095】 好ましい注射可能組成物は0.1-1.0%のパクリタキセル(1-10mg/ml);1-10%のPE
G400;1-20%のビタミンE;1-10%にTPGSおよび0.5-2.5%のポロキサマー407を含む
。もう1つの好ましい組成物は1.0%のパクリタキセル(10mg/ml);6%のPEG400;8%
のビタミンE;5%にTPGSおよび1%のプルロニックF127および80%の水溶液を含む。
【0096】 自己乳化性系のための好ましい製剤は以下のとおりである:0.1-20%のパクリ
タキセル、10-90%のビタミンE、10-90%のPEG400またはN-メチル-2-ピロリドン、
5-50%のTPGS、ポリソルベート(Tween80)、プルロニック(Pluronic F127)または
クレモフォアEL/RH40、ソルトールHS-15などの5-50%の第2の親水性界面活性剤。
油相(ビタミンE)は所望によりポリビニルピロリドン、グリセロールおよびモ
ノ-/ジ-/トリグリセリドなどのプロピレングリコールエステルおよびプロピレ
ングリコールのモノ-ジエステルを含んでもよい。さらに、半固体稠度の製剤を
提供するために、高分子量PEG(1,000-10,000MW)および高融点グリセロールエス
テルを含む場合もある。
【0097】 本発明のさらなる実施形態は、数週間の治療単位にわたる1日1回または2日毎
の静脈注射による、ポリエチレングリコール化ビタミンEを含むか含まないビタ
ミンEエマルジョン中のパクリタキセルのボーラス用量の非経口投与を含む癌種
を治療する方法である。かかる方法は乳癌、肺癌、皮膚癌および子宮癌などの癌
の治療に用いることができる。
【0098】 本発明の原則は、限定されるものではないが以下の実施例により、より十分に
理解されよう。
【0099】 実施例 実施例1 α-トコフェロール中でのパクリタキセルの溶解 α-トコフェロールは、フィトールから製造した純度95%の合成dl-α-トコフ
ェロールの形態でSigma Chemical Company (St Louis MO)より入手した。この油
は琥珀色で極めて粘性がある。パクリタキセルはHauser Chemical Research (Bo
ulder CO)より購入し、これはHPLCによって純度99.9%であった。パクリタキセ
ル200mgを無水エタノール(Spectrum Chemical Manufacturing Corp. Gardenia C
A)6mLに溶解し、1gmのα-トコフェロールに加えた。次いでエタノールを残渣が
一定重量になるまで42℃で真空除去した。別の研究結果によると、このエタノー
ル含量は0.3%(w/v)未満であった。
【0100】 得られた溶液は透明な琥珀色で極めて粘性が高く、見掛けの濃度はα-トコフ
ェロール中パクリタキセル200mg/gm(w/w)であった。パクリタキセルの濃度は、
高いほど(400mg/gm,w/wまで)α-トコフェロールへの溶解度を高めることがで
きる。
【0101】 実施例2 α-トコフェロールエマルジョンの製造に用いる陰イオン界面活性剤 実施例1に記載した通りに製造したα-トコフェロール10gm中のパクリタキセル
2gmを、以下の方法によりトリエタノールアミン塩としてのパルミチン酸アスコ
ルビルで乳化した。アスコルビン酸20mMからなる溶液を、遊離塩基としてのトリ
エタノールアミンでpH6.8に緩衝させて2倍バッファーを製造した。2倍バッファ
ー50mLをワーリングブレンダーに入れた。アスコルビル-6-パルミテート0.5gm(R
oche Vitamins and Fine Chemicals, Nutley NJ)、陰イオン界面活性剤を加え、
溶液をアルゴン下40℃で2分間高速で混合した。次いでパクリタキセルを含有す
るα-トコフェロールを界面活性剤およびバッファーとともにブレンダーに加え
た。アルゴン下で混合を続け、40℃で約1分後にきめの粗い乳状のプレエマルジ
ョンを得た。次いで注射水を加え、最終量を100mLとした。
【0102】 プレエマルジョンをマイクロフルイダイザー・モデル110Y (Microfluidics In
c, Newton MA)の供給槽へ移した。このユニットを浴中に浸漬してホモジナイズ
中処理温度を約60℃に保ち、使用前にアルゴンでフラッシした。準備の後、エマ
ルジョンをホモジナイザーに通し、相互作用面にかけて約18kpsiの圧力勾配で10
分間継続循環させた。流量は約300mL/分で、結果としてホモジナイザーを約25回
通過したことになる。
【0103】 α-トコフェロールビヒクル中得られたパクリタキセルエマルジョンをアルゴ
ン下で黄褐色のバイアルに充填し、冷蔵庫で7℃および25℃で保存した。それぞ
れの時間間隔で粒径分類および化学分析のためのサインプルを採取した。
【0104】 Nicompモデル370サブミクロン・パーティクルサイザー(Particle Sizing Syst
ems Inc. Santa Barbara CA)から得たデータによると、このエマルジョンの平均
粒径は280nmであった。
【0105】 実施例3 ポリエチレングリコール化したビタミンE(TPGS)の使用 三元相図はα-トコフェロール、ポリエチレングリコール化ビタミンE(TPGS、
ビタミンEポリオキシエチレングリコール-1000-スクシネート、Eastman Chemica
l Co., Kingsport TNから入手)および水について作成されたものである。TPGSは
まず42℃で融解し、重量に基づいてTPGS1〜100%の種々の割合で(なお、残部はα
-トコフェロール)α-トコフェロールと混合した。混合物はあらゆる濃度で混和
できた。次いで、最終の水濃度を0から97.5%まで段階的に増して水を各混合物に
加えた。各段階で、混合物の相の挙動を観察した。適当であれば、混合はボルテ
ックスおよび超音波処理によって行ない、加熱または遠心分離によって混合物の
相組成を評価した。
【0106】 非経口投与に適した二相系o/wエマルジョンは水の濃度80%を超える広い領域で
見出された。形成されたエマルジョンは乳白色の流動性のある液体で非イオン界
面活性剤によって安定化したα-トコフェロール微粒子分散系を含有する。この
領域にはまた、潜在的に薬剤担体として適するマイクロエマルジョンが、TPGS対
油の割合が約1:1において認められた。低い水含量では、透明ゲル(逆エマルジ
ョン)を含有する広い領域が注目される。2つの領域(水含量の高い領域と低い領
域)を分離すると、不透明な石鹸様の液晶からなる領域となる。
【0107】 界面活性剤を組み合わせたα-トコフェロール、例えば非イオン、陰イオンま
たは陽イオン補助界面活性剤(例えば、ステアリン酸グルタミル、パルミチン酸
アスコルビル、またはプルロニックF-68)とTPGSをともに用いたのもの、すなわ
ち薬剤の相図も同様の方法で製造できる。
【0108】 実施例4 パクリタキセルの静脈送達用のα-トコフェロールエマルジョン 以下の組成の製剤を製造した; パクリタキセル 1.0gm% α-トコフェロール 3.0gm% TPGS 2.0gm% アスコルビル-6-パルミテート 0.25gm% ソルビトール 5.0gm% トリエタノールアミン pH6.8まで 水 適量 100mLまで。
【0109】 製造法は以下の通り:合成α-トコフェロール(Roche Vitamins, Nutley NJ)、
パクリタキセル(Hauser, Boulder CO)、アスコルビル6-パルミテート(Aldrich C
hemical Co, Milwaukee WI)およびTPGSを無水非変性エタノール(Spectrum Quali
ty Products, Gardenia CA)10容量中に40〜45℃まで加熱しながら溶解した。次
いでエタノールを残りがわずか0.3重量%となるまで真空で排出した。
【0110】 予め温めた、生体適合性オスモライトを含有する水溶液およびバッファーを静
かに混ぜながら加えると直ちに白色の乳化物が生じた。この混合物を40〜45℃ま
で加熱しながらさらに10分間緩やかに回転させて改質した。およそpH7のこのプ
レミクスチャーを次いで以下に記載した方法でさらに乳化する。
【0111】 40〜45℃のプレミクスチャーをAvenstin C5ホモジナイザー(Avenstin, Ottawa
Canada)にて26Kpsi、44℃で12分間ホモジナイズした。得られた混合物は平均径
約200nmのα-トコフェロール微粒子を含有した。さらにアルカリ性のトリエタノ
ールアミン(Spectrum Quality Products)1M溶液でpH調整を行った。
【0112】 乳化の初期段階でのTPGSのゲル化を回避するために、すべて操作は40℃より高
い温度で行ない、混合物を含有するすべての容器を覆うことで、溶液が冷気に曝
されないように注意した。次ぎに、予備乳化の前に2%未満のTPGSを徐々にα-ト
コフェロール油中に溶解し、プレエマルジョンを準備する前にTPGSの残部を最初
に水性バッファー中に溶解した。この溶液は2%より高いTPGS濃度でゲル化した。
【0113】 次いで複数のバイアルを4℃および25℃の保存場所においてエマルジョンの物
理的安定性を試験した。数ヵ月にわたり、バイアルを定期的に回収して粒径を測
定した。平均粒径はNicomp モデル370 (Particle Sizing Systems, Santa Barba
ra CA)で測定し、図1に2つの保存温度について示している。粒径分布は2モード
であった。
【0114】 実施例5 α-トコフェロールエマルジョン中のパクリタキセルの化学安定性 乳化後、実施例4の製剤をPhenosphere CNカラム(5ミクロン、150×4.6mm)で
パクリタキセルに関して分析した。移動相はメタノール/水勾配からなり、流量
は1.0mL/分であった。230nmに設定したUV検出器をパクリタキセルの検出および
定量に用いた。単一ピークが検出され(図2)、保持時間および質量スペクトルがH
auser Chemical (Boulder CO)より入手した標準対照パクリタキセルと一致した
【0115】 実施例4のエマルジョンの化学的安定性を保存中にHPLCによって試験した。図
3のデータは、少なくとも3ヵ月の期間、保存温度によらずパクリタキセルがエマ
ルジョン中に安定して残っていることを証明している。総合して、図2および3の
データは少なくとも3ヵ月の期間4℃で保存した場合の薬効およびエマルジョン安
定性が首尾よく保持されることを証明するものである。
【0116】 実施例6 パクリタキセルエマルジョン製剤QWA 静脈内への薬剤送達用のパクリタキセル10mg/mlエマルジョンは次の組成を有
し、実施例4に記載の通りに製造した。 パクリタキセル 1.0gm% α-トコフェロール 3.0gm% TPGS 1.5gm% アスコルビル-6-パルミテート 0.25gm% ソルビトール 4.0gm% トリエタノールアミン pH6.8まで 水 適量 100mLまで。
【0117】 実施例7 パクリタキセルエマルジョン製剤QWB 静脈内への薬剤送達用の第2のパクリタキセル10mg/mlエマルジョンは次の組
成を有し、実施例4に記載の通りに製造した。 パクリタキセル 1.0gm% α-トコフェロール 3.0gm% TPGS 1.5gm% ソルトールHS-15 1.0gm% ソルビトール 4.0gm% トリエタノールアミン pH6.8まで 水 適量 100mLまで。 ソルトールHS-15はBASF Corp, Moun Olive NJの製品である。
【0118】 実施例8 10mg/mlパクリタキセルエマルジョン製剤QWC 第3のパクリタキセル10mg/mlエマルジョン製剤をポロキサマー407 (BASF Cor
p. Parsippany NJ)を補助界面活性剤として用いて以下の通りに製造した。 パクリタキセル 1.0gm% α-トコフェロール 6.0gm% TPGS 3.0gm% ポロキサマー407 1.0gm% ソルビトール 4.0gm% トリエタノールアミン pH6.8まで 注射用の水 適量 100mLまで。
【0119】 本実施例中、1.0gmポロキサマー407および1.0gmパクリタキセルをエタノール1
0容量とともに6.0gmα-トコフェロール中に溶解し、穏やかに加熱した。次いで
エタノールを真空除去した。3.0gmTPGSおよび4.0gmソルビトールを溶解して水性
バッファーを個別に製造し、最終量90mLの注射水溶液とした。油および水溶液
の両方を45℃まで温め超音波処理によって混合してプレエマルジョンを製造した
。ホモジナイズの前に、真空装置を用いてプレエマルジョンから過剰な空気を除
去した。
【0120】 ホモジナイズは前述の通りAvestin C5によって行なった。ホモジナイズバルブ
間の圧力差は25kpsiで、供給温度は42〜45℃であった。冷却器を用いてホモジナ
イザーから出てくる製品が50℃を超えないようにした。ホモジナイズ中の流量は
50ml/分であった。再循環モードで約20パス後、エマルジョンはより半透明とな
った。ホモジナイズを20分間続けた。前述の通りにサンプルを回収しバイアル内
に封管した。パクリタキセルの静脈注射用のα-トコフェロール微細エマルジョ
ンが得られた。このエマルジョンの平均粒径は77nmであった。0.22ミクロンのDu
raporeフィルター(Millipore Corp, Bedford MA)に通して濾過滅菌を行った後、
エマルジョンをバイアルに充填して静脈注射に使用するまで4℃で保存した。
【0121】 実施例9 5mg/mlパクリタキセルエマルジョン製剤QWC さらなるパクリタキセルのエマルジョンを、薬剤10mg/mlの代わりに5mg/mlを
配合すること以外は実施例8に記載の通りに製造した。このエマルジョンの組成
は次の通りである。 パクリタキセル 0.5gm% α-トコフェロール 6.0gm% TPGS 3.0gm% ポロキサマー407 1.0gm% ソルビトール 4.0gm% トリエタノールアミン pH6.8まで 注射水 適量 100mLまで。
【0122】 実施例8に記載の通りにホモジナイズを行なった後、平均粒径52nmのα-トコ
フェロールおよびパクリタキセルのいくぶん不透明なエマルジョンを得た。0.22
ミクロンDuraporeフィルター(Millipore Corp, Bedford MA)によって濾過滅菌し
た後、エマルジョンをバイアルに充填して静脈注射に使用するまで4℃で保存し
た。濾過による薬剤の損失は1%未満であった。
【0123】 実施例10 パクリタキセルエマルジョン製剤QWD パクリタキセルの静脈内投与のための第5のα-トコフェロールエマルジョン
は以下の通りに製造した。 パクリタキセル 0.5gm% α-トコフェロール 6.0gm% TPGS 3.0gm% ポロキサマー407 1.5gm% ポリエチレングリコール200 0.7gm% ソルビトール 4.0gm% トリエタノールアミン pH6.8まで 注射水 適量 100mLまで。
【0124】 Roche Vitamins (Nutley, NJ)より入手した合成α-トコフェロールUSP-FCCを
この製剤に使用した。ポリエチレングリコール200(PEG-200)はSigma Chemical C
O.より入手した。
【0125】 ホモジナイズの後、平均粒径60nmのいくぶん不透明なエマルジョンを得た。0.
22ミクロンDuraporeフィルター(Millipore Corp, Bedford MA)を通した0.22μ滅
菌フィルターによる濾過滅菌した後、エマルジョンをバイアルに充填して静脈注
射に使用するまで4℃で保存した。濾過による薬剤の損失は1%未満であった。
【0126】 実施例11 TPGS中でのパクリタキセルの溶解およびミセル溶液の製造 発明者らはTPGS中のパクリタキセルについてTPGS1.0gmあたり薬剤約100mgで良
好な溶解度を認めた。パクリタキセルを含有するTPGSのミセル溶液は以下のよう
に製造した。TPGS中のパクリタキセルの保存溶液は、45℃でエタノールを用い、
TPGS1.0gm中に90mgのパクリタキセルを溶解して製造し、次いでエタノールを真
空下で除去した。次いでパクリタキセルの保存溶液をさらなるTPGSで希釈するこ
とにより一連の希釈溶液を製造してパクリタキセルをTPGS中に濃度0.1、1、5、1
0、25、50、75、および90mg/mLで得た。新しい試験管を用い、TPGS中のパクリタ
キセル溶液の各濃度について100mgを0.9mLの水に溶解した。すべての試験管を45
℃でボルテックスおよび超音波処理によって混合した。最終のパクリタキセル濃
度0.01、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、7.5、および9.0mg/mLに対応する透明な水中
ミセル溶液が得られた。
【0127】 Nicompモデル370レーザー粒度分析計(Particle Sizing Systems, Santa Barba
ra CA)を用いてこの溶液を調べた。粒径は10nmのオーダーであり、TPGSおよびパ
クリタキセルのミセルの存在と一致する。
【0128】 パクリタキセル含量が2.5mg/mLまでのTPGS中のパクリタキセルのミセル溶液が
少なくとも24時間は安定しているのに対し、5.0、7.5および9.0mg/mLの溶液は不
安定で迅速かつ不可逆的に薬剤結晶を生じる。これらの観察は、エマルジョン粒
子内にα-トコフェロール豊富なドメインが存在する場合にのみパクリタキセル
が可溶性であることを意味する。従って、高濃度のパクリタキセルを安定させ得
るエマルジョンを製造するためにはα-トコフェロールとTPGSとの最適比が必要
である。
【0129】 適切な張力およびpHに調整した場合、AUCは低いと予期されるが、ミセル溶液
は癌患者へのパクリタキセルの緩慢な静脈点滴に有用である。
【0130】 α-トコフェロールエマルジョン中のTPGSの有用性はいくつかの有望な特性の
相乗作用にある。第一に、パクリタキセルに対する親和性を有することである。
これはおそらくその分子構造の疎水性部分を形成するα-トコフェロールによる
ものであろう。第二には、水中でα-トコフェロールを有するTPGSの界面張力が
約10ダイン/cmであることである。これは流動するα-トコフェロールを乳化させ
るのに十分であり、特に補助界面活性剤を用いた場合に有効である。第三には、
TPGSなどのポリオキシエチル化界面活性剤は注射可能な粒子に対して十分に確立
された、「ステルス・コート」という優れた特性を有することである。当業者に
は公知のように、肝臓および脾臓において粒子のトラッピングを劇的に減少させ
るものである。しかしながら、α-トコフェロールエマルジョンの界面活性剤と
してのTPGSに関する予測できない、ユニークな知見は、3つの有望な特徴すべて
が一つの分子内に見られることにある。TPGSのさらなる利点は、油とプロピレン
グリコールおよびポリエチレングリコールなどの溶媒とを有する混合物内に安定
した自己乳化系を生じるということであり、薬剤の経口送達にα-トコフェロー
ルを用いた場合に相乗作用が見込める。
【0131】 ミセル溶液は適切な張力およびpHに調整した場合、AUCが低いと予期されるが
、癌患者へのパクリタキセルの緩慢な静脈点滴に有用である。
【0132】 実施例12 20mg/mLパクリタキセルエマルジョン製剤 α-トコフェロール中にパクリタキセル20mg/mLを含有する粗エマルジョンを5%
α-トコフェロールおよび5%TPGSとともに実施例4に記載の方法で、単に濃度を増
加させることによって得た。臨床上有効な静脈用エマルジョンにはこれ以上の濃
度の上昇は必要ないため、より高い濃度を試験することはしなかった。
【0133】 実施例13 α-トコフェロールエマルジョン中の別のPEG界面活性剤の使用 種々の別のポリエチレングリコール化された界面活性剤、例えばトリトンX-10
0、PEG25ステアリン酸プロピレングリコール、Brij 35 (Sigma Chemical Co)、M
yrj 45、52および100、Tween 80 (Spectrum Quality Products)、PEG 25トリオ
レイン酸グリセリル (Goldschmidt Chemical Corp, Hopewell VA)、などがα-ト
コフェロールの乳化に有効である。
【0134】 しかし、別のポリエチレングリコール化した界面活性剤に関する実験では、α
-トコフェロールエマルジョン中のパクリタキセルを満足のいくように安定させ
ることはできなかった。TPGSのこの独自の有効性を証明するために、3つのエマ
ルジョンを実施例9に記載のように製造したが、個々のエマルジョンでの主要界
面活性剤としてはTPGSの代わりにTween 80およびMyrj 52を用いた。Tween 80お
よびMyrj 52はTPGSと本質的に等しいHLB値を有し、適度に良好なα-トコフェロ
ールのエマルジョンを形成するのでこれらの2つの界面活性剤が選択された。し
かし、5mg/mLのパクリタキセルが製剤中に含まれる場合、プレエマルジョン製造
後に極めて急速な薬剤の結晶化が目に付き、しかもTween 80およびMyrj 52で製
造されたエマルジョンの特徴はきめが粗く、パクリタキセルの結晶に一致する、
長さ数ミクロンまでの棒状の粒子を含んでいた。0.22ミクロンのフィルターを容
易に通過し、薬剤の損失が1%未満であるTPGSエマルジョンとは異なり、Tweenお
よびMyrjのエマルジョンはこの結晶質の薬剤物質があるために濾過不能である。
【0135】 TPGSを有するα-トコフェロール・パクリタキセル・エマルジョンのこの予期
せぬ改善にはいくつかの説明が考えられる。この薬剤はTPGS中で約100mg/mLまで
と高い溶解度を有している。おそらくTPGS分子中にα-トコフェロールフェノー
ル環の平面構造を有するパクリタキセルのベンジル側鎖の親和性が強いことが薬
剤と担体の複合体が安定化されるのであろう。さらにα-トコフェロールとPEG末
尾との間のスクシネートリンカーが、試験した他のポリエチレングリコール化界
面活性剤とその構造を区別するこの分子の新規な特徴である。
【0136】 実施例14 ポロキサマーに基くα-トコフェロールエマルジョン α-トコフェロール 6.0gm% ポロキサマー407 2.5gm% パルミチン酸アスコルビル 0.3gm% ソルビトール 6.0gm% トリエタノールアミン pH7.4まで 水 適量 100mLまで。
【0137】 α-トコフェロールエマルジョンをポロキサマー407 (BASF)を主要界面活性剤
として用いて製造した。白色の乳状のプレミクスチャーを、C5ホモジナイザー(A
vestin, Ottawa Canada)で供給温度45℃および製品が出る冷却ループを15℃に設
定し、25Kpsiで10分間継続循環させてホモジナイズした。濾過滅菌可能なα-ト
コフェロール微粒子の微細エマルジョンが得られた。しかし、この製剤をパクリ
タキセルで作った場合、一晩冷蔵庫で保存した後のパクリタキセルの沈殿が目立
ったが、重ねて言うがこれは主要界面活性剤としてのTPGSの優れた有効性に基づ
く。
【0138】 実施例15 凍結乾燥エマルジョン製剤 Maltrin M100 (Grain Processing Corporation, Muscatine IA)を水中2倍保存
溶液として実施例14のエマルジョンに加えた。次いでアリコートをシェルフリ
ーザーで冷凍し、真空下で凍結乾燥させた。水で再構成すると微細エマルジョン
に戻った。
【0139】 凍結乾燥製剤は、その無期限の保存寿命が望ましい場合に有効である。マンニ
トール、アルブミン、またはSigma Chemicals. St. Louis, Mo. 製のPolyPepな
どの別の糖類を含有する凍結乾燥製剤も製造できる。
【0140】 実施例16 in vitroでのα-トコフェロールエマルジョンからのパクリタキセルの放出 薬剤送達ビヒクルに望まれる特性の一つは、配合された薬剤の持続的放出を得
ることであり、改善された体内薬物動態および効力と極めて頻繁に相互に関係す
る特徴である。特に、長期循環しているパクリタキセルのエマルジョンは体内の
癌部位への薬剤送達を改良することができる。驚くべきことに、本発明のエマル
ジョンは、現時点で唯一FDAに認可されたパクリタキセル製剤[タキソール(登録
商標)、 Bristol Myers Squibb (BMS), Princeton NJ]と比較した場合にパクリ
タキセルの持続的放出をし得ることを見出した。パクリタキセル濃度6mg/mL(QWA
)および7mg/mL(QWB)のエマルジョンを製造した。比較のため、タキソールはエタ
ノール:クレモホアEL 1:1(v/v)に溶解したパクリタキセル6mg/mLを含んだもの
とした。in vitroでのパクリタキセルの種々の製剤からのリン酸緩衝生理食塩水
(PBS)溶液への放出を37℃でパクリタキセルが自由に透過できる透析膜(10キロダ
ルトンのMWを遮断)を用いてモニタリングした。透析前後の薬剤サンプルの定量
はHPLCによって行った。経時的に放出されたパクリタキセルの放出パーセントお
よび濃度の両方に関する薬剤放出プロフィールを作成した。図4のデータから分
かるように、5%未満のパクリタキセルが24時間にわたってエマルジョンから透析
されたが、市販のBMS製剤からは約12%を透析バッグの外で回収された。これは
エマルジョンからの薬剤放出が市販の溶液と比較して有意に遅延していることを
意味する。
【0141】 実施例17 パクリタキセルを含有するα-トコフェロールエマルジョンの生体適合性 単独投与の急性毒性試験も行った。各20〜25gmのマウスを購入し、認可された
動物施設に順応させた。マウス群(n=3)には実施例6に記載のように製造したα-
トコフェロールエマルジョン中にパクリタキセルを30〜90mg/kg有する製剤を投
与した。注射はすべて尾静脈のボーラス注射によって静脈を通じて行った。
【0142】 すべての注射はボーラス静脈注射により投与したが、死亡または急性毒性はい
ずれの用量でも、90mg/kgでさえも観察されなかった。体重に関する結果は表2
に示されている。体重減は最も高い群で17%であるが、すべての群で90mg/kgでさ
えも、注射後10日を経過すると体重が回復または増加した。
【0143】 ビヒクルの毒性試験も行った。薬剤フリーのエマルジョンを与えた動物は急速
に生育し、生理食塩水を与えた動物または注射しなかった動物よりも若干体重増
が多かった。これは製剤中に含まれるビタミンおよびカロリーによるものであっ
た。
【0144】 発明者らはパクリタキセルの最大許容量(MTD)を90mg/kg以上であると観察した
が(表2)、有害な反応は見られなかった。これは報告された文献での最高値の2
倍以上で、文献ではもっと少ない用量で死亡が認められている。FDAに認可され
た製剤であるタキソール(登録商標)は10mg/kgのボーラス静脈投与でマウスを死
に至らしめる。この知見を発明者らも繰り返した。ラットにおいてタキソール(
登録商標)は我々が試験したすべての希釈度および投与方法において一様に致死
的であった。対照的に実施例6の組成はラットにおいて十分許容され、Rhone-Po
ulenc Rorerによって市販されている毒性の少ないパクリタキセルの類似体、タ
キソテール(Taxotere)と比較しても改善されている。
【0145】 この薬剤の許容性が高い説明の一つに、実施例16でのin vitroでの放出データ
が示唆するように当該エマルジョンが薬剤を遅延放出する貯蔵所として働くこと
が考えられる。
【0146】
【表2】
【0147】 実施例18 パクリタキセルエマルジョンの効力評価 実施例6のパクリタキセルエマルジョンをヌードマウス中に置いたB16メラノ
ーマ腫瘍に対する効力で評価し、データを表3に示した。市販品のタキソール(
登録商標)を再度、対照製剤として用いた。腫瘍細胞を皮下投与し、腫瘍投与4
日後に尾部の静脈注射により、示した投与計画で治療を開始した。効力を寿命延
長率パーセント(%ILS)として表した。
【0148】 表3のデータから以下の結論を得た:a)約10%の寿命延長率は10mg/kg Q2D×4
のタキソール(登録商標)の投与により得られた、b)%ILS値は30、40または50mg
/kg Q2D×4でのパクリタキセルのα-トコフェロールエマルジョンの投与により3
0〜50%に改善され、投与レベルは高いMTDによって可能となった。c)良好な投与
反応はエマルジョンを30、50および70mg/kg Q4D×3で投与した場合に認められ、
約80%のILSが70mg/kgで観察された。d)90mg/kgであっても4日目に1回投与する
だけで約36%のILSであった。これらのデータは本発明のエマルジョンがパクリタ
キセルの効力を実質上改善する能力があることを明確に説明するものである。
【0149】 実施例19 複数のパクリタキセルエマルジョンの効力評価 実施例6、7および8のエマルジョン(QWA、QWBおよびQWCを個別に)のマウス
中のB16メラノーマに対する効力を比較した;タキソール(登録商標)を再び対
照製剤として用いた。方法は実施例18と同一のものを用いた。この研究のデー
タを表3に要約する。効力は以下で表される;a)腫瘍増殖阻害率(%T/C、ここで
TおよびCは処理動物および対照動物をそれぞれ表す);b)腫瘍増殖遅延値(T-C)
、およびc)3.32×腫瘍二倍増殖時間に対するT-C値の割合で定義される死細胞の
対数。この特定の腫瘍モデルに対する後者のパラメーターは1.75日として計算し
た。表4の結果から分かるように、すべての効力測定:腫瘍増殖阻害率、腫瘍増
殖遅延値および死細胞対数は、タキソール(登録商標)と比較して、特にエマル
ジョンを4日ごとに70mg/kg投与した場合に、薬剤送達ビヒクルとしてのα-トコ
フェロールエマルジョンの優れた効力を証明している。実施例16に説明した通
り、この効力向上は薬剤の生体適合性および/または放出維持を改善した結果で
あろう。
【0150】
【表3】
【0151】
【表4】
【0152】 実施例20 α−トコフェロール/タガット(Tagat)TO混合物の自己乳化性 α−トコフェロール2.0gmおよびタガットTO(Goldschmidt Chemical Corp, Hop
ewell VA)800mgをともに溶解した。油80mgを試験管に移し、次いで水を加えた。
手で穏やかに混合すると直ちに濃い乳化エマルジョンが生じ、薬剤送達系として
提案する「自己乳化系」(ここにおいて、界面活性剤-油混合物が水性の媒体に
曝されると自発的にエマルジョンを生じる)に一致する。
【0153】 実施例21 パクリタキセルを含有する自己乳化製剤 パクリタキセル50mg/mlを実施例1に記載の方法でα−トコフェロール中に製
造した。タガットTO 20重量%を加えた。得られた混合物は透明で粘性があり、琥
珀色であった。100mg量の油状混合物を試験管に移した。ボルテックスで攪拌し
ながら水1mLを加えると微細エマルジョンが生じた。
【0154】 実施例22 パクリタキセルの自己乳化製剤 パクリタキセル50mg/mlを実施例1に記載の方法でα−トコフェロール中に製
造した。真空下でエタノールを除去した後、20%TPGSおよび10%ポリオキシエチレ
ングリコール200(Sigma Chemical Co)を重量により加えた。次いで脱イオン水20
mLを油状混合物100mgへ37℃で加え、この系の自己乳化能力を証明した。穏やか
に混合すると、微細なエマルジョン粒子からなる白色の薄いエマルジョンが生じ
、この粒子は平均径2ミクロンで、その累積分布の90%は10ミクロン未満であるこ
とがMalvern マスターサイザー (Malvern Instruments. Worcester MA)で証明さ
れた。
【0155】 実施例23 α−トコフェロール中のエトポシドエマルジョン製剤 エトポシド4mg(Sigma Chemical Co)を以下の界面活性剤-油混合物中に溶解し
た。 エトポシド 4mg α-トコフェロール 300gm% TPGS 50gm% ポロキサマー407 50gm%。
【0156】 エタノールと穏やかな加温を用いて、透明な琥珀色の油中薬剤溶液を製造した
。次いでエタノールを真空下で除去した。
【0157】 超音波処理しながら45℃でソルビトール4%およびTPGS100mgを含有する水4.5mL
を添加してプレエマルジョンを形成した。Emulsiflex 1000 (Avestin, Ottawa C
anada)で処理して粒径をさらに小さくした。Emulsiflex 1000の本体に1対の5mL
シリンジを取り付け、使用前にすべての器具を45℃まで加熱した。次いでエマル
ジョン5mLを約10回、手で通過させた。α−トコフェロールビヒクル中にエトポ
シドの流動性粒子エマルジョンを得た。
【0158】 α−トコフェロール中のエトポシドの安定形は、下記実施例の方法に合致させ
ることにより経口投与形としての使用が可能であることに発明者らは特に言及し
ておく。
【0159】 実施例24 α−トコフェロール中でのイブプロフェンまたはグリセオルフルビンの分布 イブプロフェンは鎮痛剤であり、薬剤が胃を刺激する危険がある場合に必要で
あれば注射投与することもできる。以下のα−トコフェロール中のイブプロフェ
ン溶液は静脈注射用に乳化させてもよい。
【0160】 イブプロフェン(Sigma Chemicals)12mg結晶体をα−トコフェロール120mg中に
溶媒を用いずに穏やかに加熱して溶解した。得られたビタミンE中のイブプロフ
ェン10%溶液は実施例4、6、7、8または22に記載の方法によって乳化され
得る。
【0161】 抗真菌化合物、グリセロフルビン12mgをまず3mLの無水エタノールに溶解し、
次いでα−トコフェロール180mgを加え、エタノールを真空下で穏やかに加熱し
て除去した。得られたα−トコフェロール中のグリセロフルビン溶液は透明で、
実施例4、6、7、8または22に記載の方法によって乳化されることができる
【0162】 実施例25 コハク酸ビタミンEエマルジョン製剤 コハク酸ビタミンEはリンパ腫および白血病の治療および癌の化学予防のため
の治療薬として提案されてきた。以下はα-トコフェロール中のコハク酸ビタミ
ンEの乳化のための組成および方法である。スクロースエステルS1170は三菱化学
フーズ株式会社(東京)の製品である。遊離酸のコハク酸ビタミンEはICN Biomedi
cals. Aurora, OHより白色の粉末として入手した。α-トコフェロールおよびコ
ハク酸α-トコフェロールの他、プルロニックなどの別の界面活性剤およびTPGS
を加えたエマルジョンは、治療薬を加えても加えなくても類似の方法で製造でき
る。
【0163】 α-トコフェロール8gmおよびコハク酸ビタミンE0.8gmをともに丸底フラスコ中
のエタノールに溶解した。溶媒を除去した後、100mLの水性バッファーを加えた
。このアルカリ性のバッファーは、2%グリセロール、10mMトリエタノールアミン
、および0.5gm%スクロースエステルS1170からなる。2分間混合した後、プレエマ
ルジョンをAvestin モデル C-5 ホモジナイザーへ移し、供給温度58℃で約12分
間ホモジナイズを継続した。相互作用面にかかる圧力差は25〜26kpsiであった。
ホモジナイズ中、pHを注意深くモニタリングし、必要とされるpH7.0に調整した
。処理中に酸素を排除するのには注意を要した。白色の微細エマルジョンを得た
【0164】 実施例26 エステル中のα-トコフェロールレベル 市販のエステル:酢酸-、コハク酸-、ニコチン酸-、リン酸-トコフェロール、
およびTPGS中のα-トコフェロールのレベルを業者から得るかまたはHPLCによっ
て測定した。これらの溶液中の遊離α-トコフェロール濃度は1.0%未満、一般的
には0.5%未満である。
【0165】 実施例27 Resveratrol(レスベラトロル)エマルジョン製剤 レスベラトロルは癌の化学予防物質で、ブドウの皮の抽出物から最初に発見さ
れた。今は健康補助食品として提案されている。
【0166】 レスベラトロルはSigma Chemical Coより入手した。これはエタノールにはあ
まり溶解しないが、レスベラトロル10mg、α-トコフェロール100mg、TPGS100mg
およびエタノールを添加すると、直ちに透明な溶液が生じた。エタノールを除去
すると透明な琥珀色の油が残った。
【0167】 このレスベラトロルの油状溶液は以下の実施例の種々の方法により、経口送達
用の自己乳化系として製剤が可能である。
【0168】 実施例28 ムラミルジペプチド製剤 ムラミルジペプチドはマイコバクテリアに由来し、ムラミルペプチド、ミコー
ル酸およびリポ多糖のクラスの典型的な強力な免疫刺激物質である。これらは例
えば癌治療の際に、特に抗癌ワクチンを伴って免疫系を刺激することによって癌
標的化して除去するのに用いられる。最近では、合成類似体であるムロクタシン
が細菌の内壁抽出物の非特異的な副作用を減少させると提案されている。
【0169】 N-アセチルムラミル-6-O-ステロイル-1-アラニル-d-イソグルタミンはSigma
Chemical Co. より購入し、10mgをα-トコフェロール100mgおよびTPGS 80mgに溶
解した。エタノールを補助溶媒として用いてジペプチドの溶解を助け、真空蒸発
によって除去すると、α-トコフェロールおよび界面活性剤中の透明な溶液が残
る。
【0170】 この薬剤の油状溶液は以下の実施例の種々の方法によって非経口投与用に乳化
できる。
【0171】 実施例29 アルコール含有エマルジョン PCT出願WO 95/11039の教示をパクリタキセルの経口投与に適合させるために、
次の製剤を製造した。 パクリタキセル 0.125gm α-トコフェロール 0.325gm TPGS 0.425gm エタノール 0.125gm。
【0172】 前項同様、パクリタキセルをエタノール中のα-トコフェロールおよびTPGSに
溶解し、次いで真空除去した。残留エタノールは乾燥重量で3mg(0.3重量%)未満
であった。次いで新しい無水エタノール0.125gmを製剤中に加え戻した。混合後
、製剤の経口投与の適合性を、ゼラチンカプセル中のものと同様に、以下の実験
によってシミュレーションした。流動性の油状のアリコート100mgを水20mLに37
℃で加え、ボルテックスミキサーを用いて穏やかに混合した。微細なエマルジョ
ンが生じた。しかし20分後、顕微鏡でパクリタキセルの沈殿の特徴である多数の
結晶がロゼット状に増大しているのが明らかになった。大量の薬剤が十二指腸の
入口で結晶形となり、その物理的形態から十二指腸での摂取が妨げられるため、
この製剤はパクリタキセルの経口投与には不適であると結論付けた。発明者らは
、α-トコフェロールに対して高い割合のTPGSと組み合わせた過剰なエタノール
が、この製剤から観察した薬剤の結晶化の原因であると推測する。
【0173】 実施例30 アルコール含有α-トコフェロールエマルジョン PCT出願WO 95/11039の教示をパクリタキセルの静脈投与に適合させるために、
次の製剤を製造した。 パクリタキセル 0.050gm α-トコフェロール 0.100gm レシチン 0.200gm エタノール 0.100gm ブタノール 0.500gm。
【0174】 前項同様、パクリタキセルをエタノール中のα-トコフェロールおよびTPGS中
に溶解し、次いで真空下で除去した。残留エタノールは乾燥重量で2mg(0.5重量%
)未満であった。次いで新しい無水エタノール0.100gmおよびn-ブタノール0.500g
mを製剤中に加え戻した。透明な油が生じた。注射液濃度の生体適合性について
、一般的な製薬上の慣例である生理食塩水との混合物を投与して試験した。約20
0mgの油を生理食塩水20mL中に入れて混合した。直ちに不溶性物質の大きなフレ
ークが生じ、大量の物質が試験管の内壁に厚く堆積した。この混合物はいかなる
経路によっても非経口投与には明らかに不適であり、発明者らはこれが製剤中に
含有する薬剤が何であっても起こるものと推測する。試行錯誤により、レシチン
はHLB値が低いため(4前後)α-トコフェロールの界面活性剤には不充分な選択
であることが分かった。非経口投与に適した微細エマルジョンに関する本明細書
に記載の他の成功例はすべてHLBの高い界面活性剤で製造した。これらの界面活
性剤にはTPGS(HLB 17前後)、ポロキサマー407(HLB 22前後)、およびタガットTO(
HLB約14.0)が挙げられる。一般に、α-トコフェロールの乳化は主たる界面活性
剤のHLBが10より高い、好ましくは12より高い場合に最も良く達せられる。レシ
チンは補助界面活性剤としては用いられるが、このクラスに属さない。これに対
し、典型的なトリグリセリドのo/wエマルジョンはHLBが7と12との間の界面活性
剤からなり、α-トコフェロールの極性および極度の疎水性(これはα-トコフェ
ロール中で親油性の薬剤および僅かに極性のある親油性の薬剤の溶解度を高める
要因でもある)によってα-トコフェロールエマルジョンがユニークなクラスで
あることを証明している。「エマルジョン:理論と実践」第2版248頁(1985)参照
されたい。
【0175】 実施例31 本発明において使用できる種々の製剤(表5)は以下の通りである。
【0176】
【表5】
【0177】 製剤A-分離した界面活性剤: 1)TPGS 1.25gおよびプルロニックF127 1.01gを注射用水79.00gに加熱および攪拌
して溶解した。 2)パクリタキセル0.533gをPEG400 6.354gに75℃で混合して(低剪断)溶解した。
3)TPGS 3.992gおよびビタミンE 8.490gを加え、TPGSが融解し、混合物が目視で
均質になるまで45℃で混合(低剪断)した。この油相は工程4での不完全な転移を
説明する目的で若干過剰となっている。 4)水相(工程1)を45℃まで加熱し、45℃の油相(工程2+3)を1分にわたり注入しな
がら中程度の剪断(実験室ミキサーモーター)で混合した。混合をさらに2分間続
けて粗エマルジョンを得た。 5)このエマルジョンをAvestin C5にてピーク圧力22Kpsiで継続再循環モードで1
時間ホモジナイズした。 6)表に示した実際量およびパーセンテージは、工程4中の油相について是正され
ている。
【0178】 分離した界面活性剤を利用するこの方法は、油相中の特定の界面活性剤の溶解
度が制限されるような場合に有効である。
【0179】 製剤B-油相中のすべての界面活性剤 1)パクリタキセル1.066gをPEG400 12.887gに75℃で混合して(低剪断)溶解した。
2)TPGS 10.739gおよびプルロニックF127 2.157gを加え、界面活性剤が両者とも
完全に溶融/溶解するまで50〜60℃で混合した(低剪断)。 3)ビタミンE 17.176gを加え、混合物が目視で均質になるまで45-50℃で混合(低
剪断)した。 4)工程1〜4で製造した油相21.8gを、1分にわたり中位の剪断(研究室の混合機)で
混合しながら水79.5gに加えた。混合を合計3分間継続して粗エマルジョンを得た
。 5)エマルジョンをAvestin C5にてピーク圧力22Kpsiで継続再循環モードで30分間
ホモジナイズした。
【0180】 加工処理の点からは、油相中のすべての界面活性剤に有利である。プレエマル
ジョンの分散、および続いて起こる均質化の両工程が容易になり、TPGSなどの融
点の高い界面活性剤がゲル化する可能性を回避できる。
【0181】 実施例32 エトポシドエマルジョン ビタミンEエマルジョン(6.0%ビタミンE、3.5% TPGS、6.0% PEG400、8%プルロ
ニックF-127)およびエトポシド2mg/mlを加えたものを以下の通り製造した: 1)エトポシド0.1044gをPEG 400 3.1435gに溶解した(65℃で5分)。 2)TPGS 2.0447gおよびビタミンE 3.1563gを加え、完全に溶解するまで混合した
。 3)油相を44℃でプルロニックF-127 0.5g(油相と混合する前に水相を沸騰させて
脱気した)を加えた注射水42.4gと混合し、短時間の超音波処理によってプレエマ
ルジョンを得た。 4)Avestin CSにて22〜24Kpsiでホモジナイズし、微細エマルジョンを得た。
【0182】 実施例33 エトポシドエマルジョン PEG300を含有するα-トコフェロールエマルジョンにエトポシド2mg/mlを加え
たものを以下の通り製造した。
【0183】 エトポシドをまずPEG-300中に溶解した(72℃で10分)。次いでTPGSおよびビタ
ミンEを薬剤溶液に加えた。水相(WFIを含有するポロキサマー407)を使用前に沸
騰させて脱気した。油相5gを水45gに45℃で加えてプレエマルジョンを製造した
。3分混合した後、プレエマルジョンを25Kpsiで30分間ホモジナイズし、微細エ
マルジョンを製造した。このエマルジョンの最終の組成を以下に示す: 成分 組成(重量%) エトポシド 0.2 ビタミン 3.0 TPGS 1.5 PEG-300 3.0 ポロキサマー407 1.0 WFI(注射水) 92.3 実施例34 さらなる注射用パクリタキセルエマルジョンを表6に示す。
【0184】
【表6】
【0185】 実施例35 本発明に有効な種々の自己乳化性エマルジョンの組成を表7に示す。
【0186】
【表7】
【0187】 表7に記載したエマルジョンは以下の通り合成した。
【0188】 SEFP-1 パクリタキセルおよびPEG400をともに60〜67℃で加熱し、薬剤がPEGに溶解す
るまで攪拌した(15分)。次いでTPGSおよびプルロニックF127を加え、70℃で10〜
15分攪拌して界面活性剤を溶解した。最後にビタミンE(α-トコフェロール)を
加え、混合物が透明かつ均質になるまで55℃で5〜10分混合した。水相で希釈す
ると微細エマルジョンが得られる。
【0189】 SEFP-2 パクリタキセルおよびPEG400をまず65〜75℃で45分間攪拌し、そこへTPGSを加
え、3つの成分が完全に溶解し、透明な溶液となるまでさらに30分攪拌を続けた
。最後にソルトールHS-15およびビタミンEを加え、55℃で約5分間混合して透
明で均質な液体を得た。水相で希釈すると微細エマルジョンが得られる。
【0190】 実施例36 パクリタキセルの自己乳化性エマルジョンのもう一つの組成を表8に示す。
【0191】
【表8】
【0192】 SEFP-3およびSEFP-4を、まず60〜70℃で低剪断の混合(30分未満)によってソル
トールHS-15+PEG400中にパクリタキセルを溶解して製造した。次いでTPGSおよ
びα-トコフェロールを加え、短時間混合して透明な溶液を得た。TPGSの凝固を
室温で観察したが、37℃では透明な液体のままであった。
【0193】 SEFP-3およびSEFP-4を希釈して得たエマルジョンの粒径を次のように測定した
:SEFP-3およびSEFP-4の0.2mlをリン酸緩衝生理食塩水100mlに攪拌棒を用いて37
℃で約5分の低剪断混合により希釈した。瞬時にエマルジョンが生じ、その粒径
をMalvernマスターサイザーによって測定した。SEFP-3およびSEFP-4の容量平均
径はそれぞれ2.49および1.55μmであった。
【0194】 有効な自己乳化系のためには得られたエマルジョンの平均滴径が10μm未満、
好ましくは5μm未満であるべきである。
【0195】 実施例37 ポリエチレングリコール化したリン脂質を配合したパクリタキセルエマルジョ
ン DMPE-PEG2000(ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン-ポリエチレン
グリコール2000)を配合したエマルジョンを製造した(表9)。パクリタキセルが
ある場合は、パクリタキセルをまず75℃の低剪断混合によってPEG400に溶解した
。その他の成分を加え、短時間混合して(TPGS融解後、およびDMPEG-2(P407)の場
合)透明な溶液を得た。真空装置を用いて乳化の前に油相を脱気し、油相を45℃
とした。水を15分間沸騰させて脱気し、次いでこれも45℃とした。この2つの相
を、45℃で低〜中剪断で混合してプレエマルジョンを得た。製剤DMPE-PEG-P2、D
MPE-PEG-P3およびDMPE-PEGP-4については、単に油相に湯を加え、超音波処理し
ながら手で旋回させることでこれを達成した。DMPE-PEG-P2のプレエマルジョン
を、研究室の混合機で攪拌しながら油相を水へ注入して製造した。プレエマルジ
ョンをAvestin C5ホモジナイザーにてピーク時圧力20〜22Kpsiにて直ちにホモジ
ナイズし、平均滴径および累積分布の99%が200nm未満の微細エマルジョンを製
造した。
【0196】
【表9】
【0197】 実施例37 効力データ 製剤D(表6)を、実施例18および19に記載の通りにマウス中のB16メラノー
マに対する効力を評価し、データを図5に要約した。比較用の効力データは表10
に表した。
【0198】
【表10】
【0199】 表4中のデータとの矛盾はなく、腫瘍増殖阻害、腫瘍増殖遅延値および死細胞
の対数による効力評価はタキソール(商標)と比較して製剤Dにあっては有意な改
善が示される。
【0200】 実施例38 物理的安定性データ 製剤Dの物理的安定性を保存時の起こり得る粒径変化によって評価し、データ
を表11に示す。
【0201】
【表11】
【0202】 Nicomp370サブミクロン粒度分析計を用いて粒径を測定した。表11中のデー
タから分かるように、平均滴径または粒子の累積分布の99%のいずれにも有意な
変化は観察されなかった。後者のパラメーターはしばしば粒子の凝集および増大
の指標として用いられる。さらに、保存中に沈殿や他の総体的変化は観察されな
かった。長期の安定性については検討中である。
【0203】 実施例39 化学的安定性 製剤Dの化学的安定性(表6)を実施例5の手順を用いてHPLCによってモニタ
リングし、そのデータを表12に示す。HPLCを用いてパクリタキセルおよび分解
物の濃度を定量した。表12中では薬剤濃度は薬剤効力と同等である。
【0204】
【表12】
【0205】 このデータから製剤D中の薬剤効力はこれらの保存条件下で変化しないことが
明らかである。
【0206】 さらに、この保存期間で薬剤の分解も認められなかった。
【0207】 実施例40 PEG300またはNMPを含有するエマルジョン PEG300またはNMP(N-メチル-2-ピロリドン)を含有し、かつ、パクリタキセル10
mg/mlを配合したα-トコフェロールエマルジョンが表13に示されている。
【0208】
【表13】
【0209】 両場合とも、低剪断攪拌しながらパクリタキセルをまず溶媒(PEG300またはNMP
)に溶解した。PEG300については60℃に加熱することで溶解を速め、一方、NMP製
剤では室温で数分で薬剤は十分溶解した。次ぎに残りの成分(水以外)を加え、低
剪断攪拌しながら混合物を60ないし65℃に加熱して固体界面活性剤を融解し、均
一で透明な溶液とした。これらの溶液を45℃にし、次いでそれらに45℃の湯を加
えた。得られた混合物に媒質剪断処理を施し、製剤D(表6)のプレエマルジョン
の外観に極めて類似した粘稠な白色の粗エマルジョンを得た。これらのエマルジ
ョンは高圧でさらにホモジナイズして微細なエマルジョンを形成することができ
る。
【0210】 実施例41 製剤Dの大スケール製造(QW8184) 上記実施例に記載のものと同様の手順を用い、製剤D(表6)を以下の組成を持
つ2×2Lサブロットで大スケールで製造した(影をつけた領域はエマルジョンに油
相と水相内容物を表している)。
【0211】
【表14】
【0212】 プレエマルジョンの製造については、サブロット1の油相416.8gおよびサブロ
ット2の油相413.2gを注射水1580gと混合した(46℃で5分間)。ホモジナイズする
と、平均滴径が約70、すなわち小スケールの製剤Dのもの(表11)に極めて類似
した微細なエマルジョンが得られた。このスケールの製剤をさらに0.2ミクロン
のフィルターで濾過することで滅菌した。
【0213】 実施例42 薬剤フリーエマルジョンの溶血活性評価 以下の組成を有する、パクリタキセルの不在下の大スケール(2.5L)の製剤Dを
、実施例41に記載のように製造した。
【0214】
【表15】
【0215】 プレエマルジョンの製造については、油相496.7gを注射水2000gと混合した(46
℃5分間)。ホモジナイズして濾過滅菌したとき、この製剤は以下の方法を用い
てヒト血液との総溶血反応を評価した。
【0216】 ボランティアの健康な血液をバクテナースティック(Vacutainer stick)により
ヘパリンを用いて採取した。血漿は最初淡黄色で、溶血に関しては陰性であった
。全血および薬剤フリーエマルジョンの液滴をカバーガラス下で合わせ、数分間
顕微鏡で観察した。接触中、赤血球(RBC)は正常な赤血球のままであった。エマ
ルジョン粒子の明白な凝集は見られなかった。血小板総量またはWBC形態に変化
は見られなかった。次ぎに試験管で、全血およびビヒクルを1:1および5:1v/v混
合した。対照として、全血を注射用生理食塩水と1:1混合した。すべての混合物
を37℃でインキュベートし、10および30分時点で調べた。3本の試験管の上清は
すべて淡黄色で透明であった。この研究から、エマルジョンビヒクルと血液の間
の即座の総溶血反応は見られないと結論付けることができる。このことは、界面
活性剤によって誘発される赤血球の溶血に関する文献におけるいくつかの報告と
は対照的に、赤血球膜の形態はエマルジョン中の界面活性剤の存在によって不安
定化しないことを示唆している。
【0217】 実施例43 物理安定性データ 表16は実施例41の大スケール製剤を4℃または25℃で9ヶ月保存した際の長
期安定性を示している。少なくともこの保存期間では平均滴径にも99%累積分布
にも、それぞれ約65および150nmのそれらの初期値から有意な変化がなく、エマ
ルジョンは仕様の範囲内に留まっていること明らかとなった。
【0218】
【表16】
【0219】 実施例44 化学安定性 実施例41のスケールアップ製剤の、パクリタキセル効力と既知の分解物レベ
ルの点についての9ヶ月の化学安定性データが表17および18に示されている
。これらの結果から分かるように、薬剤効力または既知の分解物レベルにいずれ
にも有意な変化はなく、どちらの温度でも薬剤効力は使用の範囲内に留まってい
た。
【0220】
【表17】
【0221】
【表18】
【0222】 実施例45 効力評価 実施例41の製剤は実施例18、19および37に記載のようにB16メラノー
マに対する効力に関して評価し、その結果を表18にまとめる。
【0223】
【表19】
【0224】 すべての最終時点の効力により、QW8184は含まれている用量でマウスにおいて
優れた抗腫瘍活性を示すか、あるいはタキソール(登録商標)のMTDを十分超えた
が、十分に許容されるものであった。かかる作用はこれまでの注射可能なパクリ
タキセルエマルジョンでは報告されていなかった。MTDとは、急性毒性試験から
求めた最大許容量である。
【0225】 実施例46 効力評価 対照製剤として市販品タキソール(登録商標)を用いる、ヒト卵巣癌異種移植片
IGROV-1に対するQW8184(実施例41)の抗腫瘍活性。ヌードマウス宿主で皮下増
殖した腫瘍から採取したIGROV-1ヒト卵巣癌腫片を、ヌードマウスに套管針で皮
下移植した。腫瘍が約5×5mmの大きさになったとき、動物を処理群と対照群の対
にし、各群辺り耳にタグをした腫瘍を担持した9個体を含むようにした。QW8184
はq3d×5、q4d×5およびqd×5の投与計画で20、40および60mg/kgを静脈投与した
。タキソール(登録商標)はその最大許容量20mg/kgを同じ投与計画で静脈注射し
た。マウスは2週間毎に体重を測定し、開始1日目にキャリパーで腫瘍を測定し、
腫瘍重mgに換算した。実験は対照腫瘍が約1grに達したときに終了し、腫瘍を切
除して秤量し、グループ毎に平均腫瘍重を算出した。データは表20にまとめら
れている。
【0226】
【表20】
【0227】 q3d×5またはq4d×5の投与計画で20、40および60mg/kgのQW8184を投与した結
果、すべての用量でそれぞれ2、8および7例で100%に近い腫瘍増殖阻害が認めら
れ、3、9および8例で完全に腫瘍応答した。これに対し、タキソール(登録商標)
は両投与計画とも3例の完全腫瘍応答を示した。Qd×5の投与計画では、QW8184お
よびタキソール(登録商標)の抗腫瘍活性は同等であった。しかしQW8184は毒性死
に良好な許容性を示し、一方、タキソール(登録商標)では6例の毒性死が認めら
れた。QW8184は投与計画に関わらず用量に依存して、IGROV-1ヒト卵巣異種移植
片モデルに対して高い活性を示し、かつ、タキソール(登録商標)よりも良好な許
容性を示した。
【0228】 実施例47 薬物動態試験 ラットにおいて10mg/kgの静脈投与を単回行ったときの実施例41(QW8184)の
製剤の薬物動態を、対照製剤としてタキソール(登録商標)を用いて調べた。雄ま
たは雌ラットに、3時間点滴(タキソール(登録商標))またはボーラス投与(QW8184
)のいずれかで薬剤を静脈投与した。投与後0〜72時間で血液サンプルを採取し、
遠心分離により血漿を調製し、LC/MS/MS検出を用いる高性能液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)法でパクリタキセル濃度を分析した。薬物動態分析は、モデルに応じ
た方法を用いて、平均複合血漿濃度-時間プロフィールで行った。得られた薬物
動態パラメーターは表21に示されている。これらの薬物動態パラメーターは以
下のようにして求めた。
【0229】 Tmax: 血漿レベルのピークに達するまでの時間(Cmax) Cmax: 薬剤の血漿ピーク濃度 AUC0−x: 0時間から血漿サンプル採取の終了時であるt時間までの血
漿濃度−時間曲線以下の非外挿領域 AUC0−∞: 0時間から無限までの血漿濃度−時間曲線の外挿領域 K: 除去速度定数 T1/2: 除去半減期 V: 分布量 CL: 血漿クリアランス Vss: 定常期の分布量。
【0230】
【表21】
【0231】 QW8184のボーラス静脈投与後のCmaxおよびAUC0→∞値はいずれ
も、タキソール(登録商標)の静脈点滴後の相当する値より有意に高かった。血
漿中のパクリタキセルの最終的なT1/2は2処理で同等であった。組織結合は
、定常期の分布量(Vss)の差から示されるようにQW8184よりもタキソ
ール(登録商標)で著しかった。雄と雌の間ではパクリタキセルの薬物動態パラ
メーターにおける有意な差は認められなかった。
【0232】 実施例48 静脈投与用パクリタキセル・トコトリエノールエマルジョン パクリタキセル5mg/mLを含み、マウスにおける静脈癌療法に適した以下のトコ
トリエノールエマルジョンを製造した。ゴールドTri-E(登録商標)トコトリエノ
ール濃縮物はGolden Jomaline Food Industries (Kuala Lumpur, Malaysia)から
入手した。赤褐色の油のHPLC分析から、4つの主要ピークが明らかとなった。発
明者らのこの油のαTE評価は〜0.3であり、これは大部分、約20%のd-α-トコフ
ェロール残留含量によるものである。これを2部のδ-トコフェロール(Sigma Ch
emicals)で希釈してαTEを0.1に調整した。薬剤油性溶液はまず熱および超音波
によりPEG-400にパクリタキセル溶解することにより製造した。次ぎにTPGSおよ
びトコトリエノール油を加えた。最後に、ポロキサマーを加え、72℃で融解して
均一で透明な琥珀色の油を得た。この混合物を回転蒸発装置で真空下で脱気し、
使用まで45℃で維持した。
【0233】
【表22】
【0234】 40mLの5mMクエン酸TEFバッファーpH6.8からなる水相を添加前に45℃にした。
添加時、得られた混合物を激しく混合してフラスコの壁面に付着した油を分散さ
せた。次ぎにこの懸濁液を供給槽に入れ、C5ホモジナイザー(Avestin, Ottawa C
A)で10分間継続循環させて処理した。処理条件は供給温度45℃、処理圧20kpsi、
流量120mL/分とした。熱交換器を22℃に設定して流出口に置き、ホモジナイザー
で発生した余分な熱を除去した。定常のホモジナイズ中の供給槽の温度は44℃と
測定された。
【0235】 処理後、生成物を回収し、室温まで冷却した。次いで最後にこのエマルジョン
を0.2μmのフィルターで濾過して滅菌し、Nicomp 370フォトン・コレレーション
分光光度計で測定したところ平均粒径は〜70nmであった。取り扱いを容易にする
ため、保存剤としてゲンタマイシン15μg/mLを加えた。
【0236】 その低粘度により、トコトリエノール豊富な画分(Gold Tri-E)の使用すること
で、このエマルジョンを、油相としてd-l-α-トコフェロール(Roche Vitamins)
で作製した比較エマルジョンよりも、実質的にエマルジョンの処理が容易になっ
た。
【0237】 実施例49 静脈投与用パクリタキセル・δ-トコフェロールエマルジョン 小スケール混合物は製剤の開発に有用である。本実施例では、〜0.0のαTE含
量を持つd-δ-トコフェロールを純度90%でSigma Chemicalsから入手した。以下
の表に従い、各混合物の薬剤溶液を製造した。
【0238】
【表23】
【0239】 まず薬剤結晶を溶解するために脱水エタノールを用いた。次ぎに質量測定して
すべてのエタノールが除去されるまでサンプルを回転蒸発装置の真空下に置いた
。すべてのサンプルを冷却して調べた。各サンプルはδ-トコフェロールの琥珀
色の重い油中のパクリタキセルの溶液からなり、光学的に透明であった。算出さ
れた油中パクリタキセルの濃度は以下に示されている。
【0240】
【表24】
【0241】 これらの油/薬剤混合物に、界面活性剤としてTPGS50mgおよびポロキサマー40
7の10mgを加えた。オスモライトしてPEG-400 60mgを加えた。これらの混合物を
加熱しながら溶解すると、金色の油が形成される。これらの油のαTE含量は、TP
GS界面活性剤を光学的に考慮した場合は0.08αTE単位であり、トコフェロール油
相単独を測定に用いた場合は0.0αTE単位である。
【0242】 次ぎにこの油/薬剤濃縮物を45℃まで冷却し、湯850μLを加えた。マイクロチ
ップ超音波ホンを用い、粗いプレエマルジョンを調製した。顕微鏡観察の結果、
実質的に10μm未満の粒径の濃厚な溶液であることが明らかとなり、ホモジナイ
ザーでさらに処理し、pHと浸透圧を調整し、最後に濾過滅菌すると非経口注射に
適している。
【0243】 実施例50 静脈投与用パクリタキセルメチルカーボネート誘導体(BMS-188797)エマルジョ
ン製剤 BMS-188797をまずエタノールに溶解し、次ぎにα-トコフェロール、Myvacet 9
-45(必要であれば)、TPGS、ポロキサマー407、およびPEG-400を加え、高温(約60
℃)で混合した。次ぎにエタノールを真空、高温下で除去して、薬剤を配合した
透明な油相を得た。次いで45℃で注射水と混合してプレエマルジョンを得た。最
終のエマルジョンはプレエマルジョンをAvestin C5ホモジナイザーで10〜15分間
、19〜20Kpsiで、温度を35から45℃の間に維持しながらホモジナイズすることで
調製した。いくつかの代表的なエマルジョンの組成が以下の表に示されている。
これらのエマルジョンの平均滴径および99%累積分布はそれぞれ0.1および0.2μm
未満であることが測定された。これらのエマルジョンは濾過滅菌可能で、室温で
安定であり、動物に十分許容され、かつ、効力があった。
【0244】
【表25】
【0245】 実施例52 クラリトロマイシンエマルジョン製剤 マクロライド系抗生物質であるクラリトロマイシンはWockhardt (Delhi, Indi
a)から入手した。コハク酸ビタミンE(VESA)はEastman (Freeport TN)から入手し
た。Capmul MCMはAbitec (Janesvill WI)から、ポロキサマーF127はBASF (Par
sippany NJ)から、PEG-400はSpectrum Chemicals (Gardenia CA)から、またd-δ
-トコフェロールはSigma Chemicals (St Louis MO)から入手した。d-δ-トコフ
ェロールおよびCapmul MCMを含有する油相は2部のδ-トコフェロールを用いて
製造した。油相のαTEは0.0である。次ぎに以下の表に示されるように界面活性
剤およびクラリトロマイシンを加えた。70℃で成分を溶解させるには乾燥エタノ
ールを用い、次いでこのエタノールは真空下で除去した。
【0246】
【表26】
【0247】 40mLの5mMクエン酸TEFバッファー、pH6.8からなる水相を添加前に45℃にした
。添加時、得られた混合物を激しく混合してフラスコの壁面に付着した油を分散
させた。次ぎにこの懸濁液を供給槽に入れ、C5ホモジナイザー(Avestin, Ottawa
CA)で3分間継続循環させて処理した。処理条件は供給温度45℃、処理圧20kpsi
、流量120mL/分とした。熱交換器を22℃に設定して流出口に置き、ホモジナイザ
ーで発生した余分な熱を除去した。定常のホモジナイズ中の供給槽の温度は44℃
と測定された。
【0248】 処理後、生成物を回収し、室温まで冷却した。次いで最後にこのエマルジョン
を0.2μmのフィルターで濾過して滅菌し、Nicomp 370フォトン・コレレーション
分光光度計で測定したところ平均粒径は52nm未満であった。
【図面の簡単な説明】
本発明は図を参照することによりよく理解されるであろう:
【図1】 図1Aは7℃での経時的なパクリタキセルエマルジョン(QWA)の粒径を示す。図
1Bは25℃での経時的なパクリタキセルエマルジョン(QWA)の粒径を示す。
【図2】 図2は実施例5において記載されるエマルジョン中のパクリタキセルの完全性
を示すHPLCクロマトグラムである。
【図3】 図3Aは4℃での経時的なパクリタキセルエマルジョン(QWA)のパクリタキセル
濃度を示す。図3Bは25℃での経時的なパクリタキセルエマルジョン(QWA)のパク
リタキセル濃度を示す。
【図4】 図4は3種の異なるエマルジョンから経時的に放出されるパクリタキセルのパ
ーセンテージを示す。記号黒丸はブリストール・マイヤーズ・スクイブから市販
されているエマルジョンから経時的に放出されるパクリタキセルのパーセンテー
ジを表す。記号黒三角は実施例6に記載される6mg/mlのパクリタキセルを含有す
る本発明のエマルジョン(QWA)から経時的に放出されるパクリタキセルのパーセ
ンテージを表す。記号白菱形は実施例7に記載される7mg/mlのパクリタキセルを
含有する本発明のエマルジョン(QWB)から経時的に放出されるパクリタキセルの
パーセンテージを表す。
【図5】 図5はPEG-400/ビタミンE/パクリタキセルエマルジョンのマウスにおけるB1
6黒色腫に対する効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/10 A61K 47/10 47/14 47/14 47/16 47/16 47/20 47/20 47/32 47/32 47/34 47/34 (31)優先権主張番号 60/156,128 (32)優先日 平成11年9月27日(1999.9.27) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 コンスタンティニーデス、パナイオティ ス・ピー アメリカ合衆国、ワシントン州 98021 ボーセル、ナンバー202、サウス・イース ト、ツーハンドレッドアンドトゥエンティ エイス 1630 (72)発明者 クァイ、スティーブン・シー アメリカ合衆国、ワシントン州 98026 エドモンズ、ハイウェイ・99、スウィー ト・エフ−454、23632 (72)発明者 タスティアン、アレクサンダー・ケー アメリカ合衆国、ワシントン州 98021 ボーセル、ナンバー202、サウス・イース ト、ツーハンドレッドアンドフォーティサ ード・プレイス 3927 Fターム(参考) 4C076 AA13 AA17 AA29 AA55 CC01 CC27 CC32 DD08F DD09F DD37E DD38E DD41F DD45E DD46F DD50Z DD52E DD55E DD59E DD59F DD60E DD63F DD68F EE16E EE23E FF12 FF15 FF16 FF36 4C086 AA01 AA02 BA02 MA03 MA05 MA17 MA22 MA37 NA02 NA03 ZB26

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に不溶性であるかまたは水への溶解度が比較的低い1種以
    上の治療薬、1種以上のトコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルアミド、エ
    チレングリコール、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレング
    リコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコー
    ル、N-メチル-2-ピロリドンおよびポリビニルピロリドンから選択される1種以上
    の補助溶剤ならびに1種以上の界面活性剤を含む医薬組成物。
  2. 【請求項2】 水に不溶性であるかまたは水への溶解度が比較的低い1種以
    上の治療薬、1種以上のトコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルアミド、エ
    チレングリコール、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレング
    リコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、分子量が約1000ないし
    10,000の間であるポリエチレングリコール、N-メチル-2-ピロリドンおよびポリ
    ビニルピロリドンから選択される1種以上の補助溶剤、ならびに1種以上の界面活
    性剤を含む医薬組成物。
  3. 【請求項3】 水に不溶性であるかまたは水への溶解度が比較的低い1種以
    上の化学療法薬、デルタ-トコフェロール、ガンマ-トコフェロール、ベータ-ト
    コトリエノール、デルタ-トコトリエノール、ガンマ-トコトリエノール、デスメ
    チルトコトリエノールおよびジデスメチルトコトリエノールから選択される1種
    以上のトコール、1種以上の界面活性剤、ならびにジメチルスルホキシド、ジメ
    チルアミド、エチレングリコール、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート
    、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、ポリエ
    チレングリコール、N-メチル-2-ピロリドンおよびポリビニルピロリドンから選
    択される1種以上の補助溶剤を含む医薬組成物。
  4. 【請求項4】 水相をさらに含んでなり、かつ、エマルジョン、マイクロエ
    マルジョン、またはミセル溶液の形態にある、請求項1、2または3のいずれか
    1項に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2またはのいずれか1項に記載の自己乳化性医薬
    組成物。
  6. 【請求項6】 カプセルに封入されている、請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 治療薬が化学療法薬である、請求項2または4ないし6のい
    ずれか1項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 治療薬がタキサン、タキシンおよびタキソールから選択され
    る化学療法薬である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 化学療法薬がパクリタキセルおよびパクリタキセルの類似体
    から選択される、請求項8に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 化学療法薬がパクリタキセル、パクリタキセルのメチルカ
    ーボネート誘導体、2-デベンゾイル-2-アロイルおよびC-2-アセトキシ-C-4-ベン
    ゾエートパクリタキセル、7-デオキシタキソール、C-4アジリジンパクリタキセ
    ルおよび天然もしくは合成ポリマー、脂肪酸、リン脂質もしくは1,2-ジアシルオ
    キシプロパン-3-アミンとのパクリタキセル共役体から選択される、請求項8に
    記載の組成物。
  11. 【請求項11】 化学療法薬がパクリタキセルを含む、請求項8に記載の組
    成物。
  12. 【請求項12】 化学療法薬がドセタキセルおよびドセタキセルの類似体を
    含む、請求項8に記載の組成物。
  13. 【請求項13】 治療薬が微小管標的剤である、請求項1ないし7のいずれ
    か1項に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 化学療法薬がエポチロンAおよびB、ジスコデルモリド、ノ
    ナタキセルおよびエレウテロビンから選択される、請求項13に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 治療薬がクラリスロマイシン、エリスロマイシン、シプロ
    フロキサシン、カンプトテシン、ドキソルビシン、バルプロ酸およびその類似体
    から選択される、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 治療薬または化学療法薬のオクタノール/水分配係数が約
    2より大きい、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 界面活性剤が1種以上のトコフェロールの誘導体を含む、
    請求項1ないし16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 【請求項18】 界面活性剤が1種以上のトコフェロールのエステルおよび
    /またはエーテルを含む、請求項17に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 界面活性剤が1種以上のアルファ-トコフェロールのエス
    テルおよび/またはエーテルを含む、請求項18に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 界面活性剤がアルファ-トコフェロールポリエチレングリ
    コールスクシネートを含む、請求項1ないし19のいずれか1項に記載の組成物
  21. 【請求項21】 トコールとトコフェロール誘導体の割合が約1:1ないし約1
    :20w/wである、請求項18に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 界面活性剤が1種以上のポリエチレングリコール化界面活
    性剤を含む、請求項1ないし21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 ポリオキシプピレン-ポリオキシエチレン非イオン性ブロ
    ック共重合体、脂肪酸エステル、脂肪酸アミン、グリセロールおよびプロピレン
    グリコールエステル、ポリエチレングリコールエステル、スクロース脂肪酸エス
    テル、リン脂質およびポリエチレングリコール化リン脂質から選択される第2の
    界面活性剤をさらに含む、請求項1ないし21のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 【請求項24】 第2の界面活性剤がポロキサマー407、ポリエチレングリコ
    ール660ヒドロキシステアレート、レシチンおよびジミリストイルホスファチジ
    ルエタノールアミン-ポリエチレングリコールから選択される、請求項22に記
    載の組成物。
  25. 【請求項25】 実質的にすべての治療薬または化学療法薬または薬剤が油
    相にある、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の組成物。
  26. 【請求項26】 エマルジョンの形態にあるか、または粒径が約10ないし約
    500nmのエマルジョンを形成する、請求項1ないし25のいずれか1項に記載の組
    成物。
  27. 【請求項27】 エマルジョンの形態にあるか、または粒径が約10ないし約
    100nmのエマルジョンを形成する、請求項1ないし25のいずれか1項に記載の組
    成物。
  28. 【請求項28】 一価のアルコールを実質的に含まない、請求項1ないし2
    7のいずれか1項に記載の組成物。
  29. 【請求項29】 エタノールを実質的に含まない、請求項1ないし27のい
    ずれか1項に記載の組成物。
  30. 【請求項30】 1種以上のアセチル化グリセロールエステルをさらに含む
    、請求項1ないし29のいずれか1項に記載の組成物。
  31. 【請求項31】 アセチル化グリセロールエステルが蒸留アセチル化モノグ
    リセリドを含む、請求項30に記載の組成物。
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