JP2003500066A - 分子相互作用の研究用検出システムおよびその製造および使用 - Google Patents

分子相互作用の研究用検出システムおよびその製造および使用

Info

Publication number
JP2003500066A
JP2003500066A JP2000620126A JP2000620126A JP2003500066A JP 2003500066 A JP2003500066 A JP 2003500066A JP 2000620126 A JP2000620126 A JP 2000620126A JP 2000620126 A JP2000620126 A JP 2000620126A JP 2003500066 A JP2003500066 A JP 2003500066A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
region
detection system
protein
nucleic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000620126A
Other languages
English (en)
Inventor
ベーケンカンプ,ディルク
ホッペ,ハンス−ウルリヒ
ブルクシュタラー,ペトラ
コンツ,ディルク
ヴェルク,ウーヴェ
ピグノート,マルク
ヴァーグナー,ペーター
Original Assignee
イクツィリオン・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イクツィリオン・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー filed Critical イクツィリオン・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー
Publication of JP2003500066A publication Critical patent/JP2003500066A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6834Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase
    • C12Q1/6837Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase using probe arrays or probe chips

Abstract

(57)【要約】 本発明は、(a)支持体(成分(a))および(b)その支持体に結合した少なくとも一つの検出ユニット(成分(b))、好ましくは、核酸であって、定常構造を有する領域(A)および領域(A)に隣接し且つ可変構造を有する領域(B)を含む該検出ユニット(成分(b))を含む検出システム、試料中の個々の成分を分別する方法であって、少なくとも一つの試料成分を、適当な条件下において、支持体に結合した少なくとも一つの検出ユニット(成分(b))に結合させる該方法、並びに試料の核酸および/またはタンパク質を発見するおよび/または識別するまたは特性決定するための、または細胞性または人工の結合パートナーを発見するおよび/または識別するための、本発明の検出システムおよび本発明の方法の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、支持体(support)(成分(component)(a))
、およびその支持体に結合していて且つ定常領域(constant regi
on)(A)および隣接する可変領域(variable region)(B
)を含む検出ユニット成分(b)、および領域(A)および(B)に相補的な領
域および適宜、適当なリンカーによってそれに結合したエフェクターユニット(
effector unit)を含む成分(c)を含む検出システム(図1)に
関し、本発明は、更に、このような検出システムを製造する方法、およびそれら
検出システムを用いることによって分子相互作用を研究する方法に関する。
【0002】 ヒト細胞において、概して、細胞の存在状態を特性決定する最大約30000
までの遺伝子は活性である。細胞の状態は、例えば、癌細胞の場合は増加した細
胞分裂、または概して、疾患状態の場合は変更された代謝活性を示すことがあり
うる。遺伝子の活性は、mRNAによって転写産物としてまたは該当するタンパ
ク質によって翻訳産物として決定することができる。したがって、細胞のmRN
Aまたはタンパク質のプロフィールは、その存在状態を反映している。
【0003】 ごく最近、健康なまたは不健全な(diseased)細胞のタンパク質プロ
フィールに基づく特性決定は、疾患を研究し且つ薬理学的活性化合物を発見する
のに極めて重要になってきている。細胞のタンパク質プロフィールを特性決定す
ることを可能にするいろいろな方法は、既に開発されている。
【0004】 細胞中のタンパク質プロフィールを直接的に特性決定するためには、細胞タン
パク質を分別する必要がある。有効な方法は、例えば、二次元ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(2DE)である。この場合、タンパク質を、それらの等電点(
isoelectric point:IP)によって一次元でおよびそれらの
分子量によって二次元で分別する。次に、それらタンパク質を、典型的な2Dゲ
ル中にスポットして染色される約1000〜2000種類のタンパク質を染色す
ることによって2Dゲル中で可視化する。その結果は、それぞれの細胞に有意で
あり且つ細胞の具体的な状態をタンパク質レベルで反映するタンパク質パターン
またはプロフィールである。細胞のタンパク質はそれぞれ、2Dゲル上にそのタ
ンパク質に特異的な位置を有するので、細胞に関して、結果的には、微生物全体
に関して“プロテオームマップ”を作成することは可能である。例えば、疾患経
過中の細胞の変更の分子的原因を決定するためには、健康なおよび不健全な細胞
のタンパク質プロフィールを、可能性のある相違を検出するために比較する。こ
の比較は、例えば、適当な計算機によって自動的に行うことができる(例えば、
Wilkins,M.R. et al.(eds) Proteome Research: New Frontiers in Functional
Genomics. Springer Verlag, Heidelberg (1997) または Humphrey-Smith,I. et
al.(1997) Electrophoresis 18,1216-1242 を参照されたい)。しかしながら、
この方法は、検出されるタンパク質の追加の分析のために、それらタンパク質を
タンパク質レベルで配列決定することが必要であるという実質的な欠点を有し、
しかもこの手順は、今なお時間がかかり且つ高価である。
【0005】 細胞のタンパク質プロフィールにおいて可能性のある相違を決定するもう一つ
の方法は、“アレイ(arrays)”、すなわち、マトリックスシステム(m
atrix systems)を用いる。アレイは、分析法および診断法におけ
る分析物の同時決定に重要な役割を果たす固定された検出種の配列である。例は
、核酸アレイ(例えば、Southern et al. Genomics (1992) 13,1008; 米国特許
第5,632,957号、WO97/27317号またはEP−A1−0543
550号を参照されたい)またはペプチドアレイ(Fodor et al., Nature 1993,
364,555)である。例えば、WO96/01836号は、異なった配列のDNA
分子のアレイを記載しているが、これは、遺伝子部分を検出するのに役立つので
、例えば、病原性細菌の診断をもたらす。特許公報U.S.5,605,662
号、WO96/01836号、U.S.5,632,957号およびWO97/
12030号は、アレイの形の特定のアドレス可能な部位への、核酸またはタン
パク質のような生体化合物の特異的結合反応を電子制御可能な方法で行うのに用
いることができる半導体チップおよび方法を記載している。例えば、試料中の核
酸を、半導体チップ上の核酸アレイに電界(electric field)に
よってハイブリッド形成させた後、結合していないまたは特異的に結合していな
い核酸を、電界の極性を単純に逆にすることによって除去する。ここで、単一塩
基対の誤対合(mismatch)を電界強さの正確な調整によって検出するこ
とが可能である。
【0006】 本発明の目的は、対合システム−エフェクター融合分子(pairing s
ystem−effector fusion molecules)の集団か
ら組み立てられていて且つその集団を識別し且つ特性決定するのを助けることが
できる検出システムを提供することであった。本発明のもう一つの目的は、エフ
ェクター結合パートナー相互作用を研究する方法である。
【0007】 驚くべきことに、現在、それぞれの場合に、定常配列(constant s
equence)を有する領域(A)および領域(A)に隣接し且つ可変配列(
variable sequence)を有する領域(B)を含む検出ユニット
の適当な集合は、対合システム−エフェクター融合分子への特異的ハイブリダイ
ゼーションによって、エフェクタープロフィールを特性決定後、エフェクター結
合パートナー相互作用を識別するのに適しているということが判明している。
【0008】 本発明は、検出システム(図1)であって、 (i)支持体(成分(a))および (ii)その支持体に結合した少なくとも一つの検出ユニット(成分(b))、
好ましくは、対合システムであって、定常配列を有する領域(A)および領域(
A)に隣接し且つ可変配列を有する領域(B)を含む検出ユニット、および (iii)それに結合し且つ検出ユニット(成分(b))に相補的な配列を含む
対合システム−エフェクター融合分子(成分(c)) を含む検出システムに関する。
【0009】 好ましくは、複数の検出ユニット(成分(b))は、支持体(成分(a))上
に、それぞれのアレイ位置が成分(b)の規定の可変領域Bに割り当てられうる
アレイを形成する。そのアレイ表面上の異なった検出ユニットから開始して、特
定位置特異的検出システム(成分(a)〜(c))を組み立てることができる。
【0010】 検出ユニット(成分(b))という用語は、本発明によれば、特に、ペントー
ス、好ましくは、ペントピラノースまたはペントフラノースを含有する核酸また
はそれらの類似体(analogs)を意味する。概して、ペントースは、リボ
ース、アラビノース、リキソースまたはキシロースより選択される。適当な核酸
またはそれらの類似体の例は、DNA、RNA、特に、mRNAまたはp−RN
A(ピラノシルRNA,例えば、WO99/15539号を参照されたい)、ア
ミノシクロヘキシル核酸(CNA,例えば、WO99/15509号を参照され
たい)、ペプチド核酸(PNA,例えば、WO92/20702号 または Scie
nce (254),1999,1497-1500 を参照されたい)、または例えば、WO98/25
943号に記載のような非らせん超分子ナノシステムである。
【0011】 これに関連して、検出ユニット(成分(b))は、その領域AおよびBに相補
的である成分(c)の領域と特異的にハイブリッド形成する。成分(c)の例は
、特に、核酸−タンパク質受容体誘導体、好ましくは、核酸−ピューロマイシン
誘導体、または核酸−タンパク質融合分子のようなフサジーン(fusagen
e)、特に、核酸−ピューロマイシン−タンパク質融合分子である。具体的には
、核酸RNAおよびDNAから作られる、好ましくは、ピューロマイシン(pu
romycin)およびタンパク質に融合した融合分子が好ましい。本発明によ
るタンパク質という用語は、例えば、グリコシル化、リン酸化、ハロゲン化、脂
質エステル化されたアミノ酸等のような翻訳後修飾または化学修飾されたアミノ
酸、更には、より短いペプチドアミノ酸配列から合成されるタンパク質またはタ
ンパク質構造を包含する。
【0012】 “定常配列”(領域A)という用語は、本発明によれば、全ての検出ユニット
(成分(b))において一致する配列、好ましくは、RNA、DNAまたはcD
NA基準の核酸配列、さもなければ、例えば、p−RNA、CNAまたはPNA
配列のような核酸類似体の配列を意味する。
【0013】 “可変配列”(領域B)という用語は、本発明によれば、配列、好ましくは、
核酸配列を意味し、具体的な領域B中のその配列は、異なるが知られている。核
酸の可変配列は、例えば、個々のヌクレオチドのランダム変化(random
events)または並べ換え(permutation)によって形成される
その核酸配列である。
【0014】 領域(A)および/または領域(B)の長さは、好ましくは、互いに独立して
、領域(A)については約5〜約80ヌクレオチド、好ましくは、約5〜約30
ヌクレオチド、そして特に、約10〜約30ヌクレオチド、そして領域(B)に
ついては、特に、7〜8ヌクレオチドであり、特に好ましい態様におけるヌクレ
オチドは、デオキシリボヌクレオチド(d)、リボヌクレオチド(r)または2
−ヒドロキシメチルリボヌクレオチド(hmr)である。下の態様において、核
酸配列は、それらの具体的な主鎖を含むことなく述べられている。したがって、
述べられる核酸配列は、いずれの場合にも、(d)、(r)および(hmr)の
態様を含む。更に、本発明によるRNAは、リボヌクレオチドからのみならず、
2−ヒドロキシメチルリボヌクレオチドからも合成されてよい。
【0015】 タンパク質集団、例えば、細胞のタンパク質集団のタンパク質プロフィールは
、例えば、適当な核酸−タンパク質融合によってタンパク質を選択することによ
り、うまく特性決定される。例えば、WO98/31700号は、タンパク質受
容体、例えば、ピューロマイシンが、核酸、好ましくは、mRNAに適当なリン
カーによって結合しているシステムを記載している。これは、該当するタンパク
質へのmRNA翻訳が終了する直前に、合成されるタンパク質をそのエンコーデ
ィングmRNAに共有結合させ、したがって、それをより詳細に特性決定するこ
とを可能にする。配列が知られているリンカーは、本発明の核酸の領域(A)へ
の結合領域として特に好都合に適している。例えば、ポリT15鎖を、例えば、配
列A27CCを有する核酸−タンパク質融合のリンカーへの結合のための領域(A
)として用いることは可能である。核酸−タンパク質融合を生じさせるためには
、そのリンカーは、タンパク質受容体、例えば、特に適しているピューロマイシ
ンのようなtRNAアミノ酸類似体を含有してよい。本発明に用いることができ
る同じようなシステムの例は、DE19646372C1号、WO98/166
36号、WO91/05058号、U.S.5,843,701号、WO93/
03172号またはWO94/13623号に記載されている。
【0016】 例えば、核酸融合、特に、核酸−ピューロマイシン−タンパク質融合(フサジ
ーン)のような対合システム−エフェクター融合分子の集団のいろいろな成分を
全て包含することができるためには、検出ユニット(成分(b))の領域(B)
の可変配列は、可能な並べ換えを全て含有すべきである。可変領域(領域B)の
好ましく用いられる長さは、この場合、経験から分かるように、原核細胞で比較
的低く、真核細胞で比較的高い集団のコンプレキシティーに依る。ヒト細胞の場
合、例えば、約30000の遺伝子が活性であるので、対合システム−エフェク
ター融合分子を全て含有するアレイの場合、並べ換えられた配列中の7〜8ヌク
レオチドの長さを有する領域B核酸配列は、ヒト細胞の活性遺伝子を全て包含す
るのに充分である。nマー(n−mer)オリゴヌクレオチドに可能な並べ換え
の数は、知られているように4nであり、ここにおいて、nはオリゴヌクレオチ
ドのヌクレオチド数である。したがって、ヒト細胞の全ての活性遺伝子の識別に
関して、支持体に結合する核酸が好ましく、それは、次の式: 3’−(X)7-8−領域(A)−5’ (式中、Xは、アデノシン、グアノシン、シトシン、チミジンまたはウラシルよ
り選択される任意のヌクレオチドである) を有する。
【0017】 “支持体”という用語は、本発明によれば、材料、特に、固体、さもなければ
ゲル様状態で存在する半導体から成るチップ材料を意味する。適当な支持体材料
の例は、セラミック、金属、特に、半導体、貴金属、ガラス、プラスチック、結
晶性材料または支持体、特に、それら材料の薄層(crystalline m
aterials or thin layers of the suppo
rt, in particular of said materials)
、またはセルロースのような(生体)分子フィラメントおよび構造タンパク質で
ある。EP−A1−0543550号またはWO99/15893号、そして特
に、U.S.5,605,662号、WO96/01836号、U.S.5,6
32,957号またはWO97/12030号に記載の支持体システムが好まし
いが、それは、これらが、アレイの形の特定のアドレス可能な部位への、核酸の
特異的結合反応を電子制御可能な方法で行う場合に用いることができる半導体チ
ップを製造するのに用いることができるためである。これは、特異的に分別され
るべき試料の核酸集団を、特に好都合な方法で、半導体チップ上の本発明の核酸
を含む核酸アレイに電界によってハイブリッド形成させた後、結合していないま
たは特異的に結合していない核酸を、電界の極性を単純に逆にすることによって
除去することを可能にする。したがって、本発明の検出システムの特に好ましい
態様は、電子チップである。
【0018】 その支持体は、概して、共有結合によって、多かれ少なかれ、共有結合によっ
て、超分子によってまたは物理的に、更には、磁気によって(A.R.Shepard et a
l. (1997) Nucleic Acids Res., 25,3183-3185,No.15)、電界中でまたはモレキ
ュラーシーブによって、好ましくは、U.S.5,605,662号、WO96
/01836号、U.S.5,632,957号、WO97/12030号また
はWO99/15893号に記載の方法によって装填されている。
【0019】 本発明は、更に、対合システム−エフェクター融合分子アレイ、例えば、フサ
ジーンアレイを製造する方法であって、次の処理工程 (i)定常配列を有する領域(A)および領域(A)に隣接し且つ可変配列を
有する領域(B)を含む検出ユニット(成分(b))を支持体(成分(a))に
結合することによるアレイの製造であって、ここにおいて、それぞれのアレイ位
置は、特定の領域Bを有する検出ユニットに割り当てることができる、および (ii)その検出ユニット(成分(b))と、その検出ユニット(成分(b))
に相補的な配列を含む対合システム−エフェクター融合分子(成分(c))との
ハイブリダイゼーション を含む方法に関する。
【0020】 例えば、フサジーンライブラリー(成分(c))の作成のような、成分(c)
の製造は、WO98/31700号または Roberts and Szostak(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA, 1997)にしたがって行うことができる。
【0021】 本発明の方法において、アレイは、例えば、別々の細胞中において、空間的に
隔てられた成分(b)および成分(c)を含む二つ以上の検出システムを支持体
(成分(a))に結合することによって製造される。これに関連して、検出ユニ
ット(成分(b))は、支持体表面に直接的に、例えば、吸着によってまたは当
業者に知られているスペーサーによって適用することができる。具体的な製造方
法は、例えば、EP−A1−0543550号またはWO99/15893号、
そして特に、U.S.5,605,662号、WO96/01836号、U.S
.5,632,957号またはEP−B1−0373203号、WO97/12
030号またはWO98/31700号に、より詳細に記載されている。
【0022】 検出ユニット(成分(b))の領域B中の可能な並べ換えを全て含むアレイが
好ましい。 本発明の方法の好ましい態様は、既に本明細書中の前により詳細に記載された
検出システムを含む。本発明の特に好ましい方法において、検出システムは、電
子チップ上に組み立てられていて、試料成分、例えば、核酸融合は、支持体に結
合した検出ユニット(成分(b))、例えば、相補的配列を含む成分(c)の核
酸領域に、電界によって好都合に結合している。この種類の電子チップおよびそ
の適用についての詳細な説明は、例えば、EP−A1−0543550号または
WO99/15893号、そして特に、U.S.5,605,662号、WO9
6/01836号、U.S.5,632,957号またはWO97/12030
号に記載されている。
【0023】 好ましい態様において、例えば、適当な核酸リンカー、例えば、A27CCを、
第一工程で、試料のmRNA集団に、好ましくは、化学的にまたは適当なリガー
ゼ、例えば、T4 DNAリガーゼによって融合させ、そのmRNA−リンカー
融合を、第二工程で、典型的な式3’−(X)7-8−(T15)−5’を有する検
出ユニット(成分(b))の核酸に、好ましくは、電界によって結合する。ここ
において、Xは、アデノシン、チミジン、ウラシル、グアノシンまたはシトシン
より選択される任意のヌクレオチドである。適宜、追加の工程において、結合し
ていないまたは特異的に結合していない核酸を、好ましくは、逆の極性を有し且
つ第一工程の場合より低い電界強さを有する電界によって除去する。
【0024】 本発明は、更に、対合システム−エフェクター融合分子を、好ましくは、複合
体混合物(図2)から分別し且つ識別する方法であって、次の処理工程、 (i)対合システム−エフェクター融合分子ライブラリー(成分(c)ライブ
ラリー)、好ましくは、フサジーンライブラリーの作成、 (ii)(成分(a))および領域(B)が可能な並べ換えを全て含む成分(b
)を含むアレイ上の対合システム−エフェクター融合分子(成分(c))のハイ
ブリダイゼーションであって、それぞれの並べ換えは一つのアレイ位置に具体的
に割り当てられているハイブリダイゼーション、 (iii)成分(b)および成分(c)の複合体が形成されているアレイ位置の
識別、 (iv)(iii)で識別される成分(b)および成分(c)の複合体の特性決定
を含む方法に関する。
【0025】 例えば、フサジーンライブラリー(成分(c))の作成のような成分(c)の
製造は、WO98/31700号または Roberts and Szostak(Proc.Natl.Acad
.Sci.USA, 1997)にしたがって行うことができる。
【0026】 この方法の具体的な利点は、検出ユニット(成分(b))の具体的な構築が、
成分(c)に相補的な領域が知られていない対合システム−エフェクター融合分
子、特に、フサジーンを識別することも可能にするということである。これは、
一方では、ストリンジェントハイブリダイゼーションを可能にする対合システム
の長さによって、そしてもう一方では、ハイブリダイゼーション特異性(成分(
c)の分別と等価である)を調整することができる領域Bの長さによって行われ
る。
【0027】 検出ユニット(成分(b))および具体的な成分(c)のハイブリダイゼーシ
ョン中に形成される複合体は、成分(c)の標識付によって検出することができ
る。更に、例えば、電子チップ(成分(a))を用いる場合、それら複合体は、
電極またはその付近での酸化還元過程によってまたはインピーダンスおよび直流
の測定値のような物理的パラメーターによって、または金チップの場合、例えば
、表面プラスモン共鳴測定値(surface plasmon resona
nce measurement)によって識別することができる。
【0028】 概して、対合システム−エフェクター融合分子(成分(c))は、個々の識別
される複合体から、例えば、温度を上昇させること、局所塩濃度を変化させるこ
と、または好ましくは、電子結合パラメーターを調節することによる成分(b)
へのハイブリダイゼーションの中断を用いて、逐次的に溶離される。次に、これ
らフサジーンを、例えば、RT−PCRおよび引き続きのDNA配列決定のよう
な当業者に知られている分子生物学的方法によって特性決定する。
【0029】 その方法は、フサジーンライブラリーを分析するのに好ましく用いられる。例
えば、この方法で決定される核酸および/またはタンパク質プロフィールによっ
て、いろいろな細胞または組織試料の状態を分析しおよび/または比較すること
が可能である。更に、特定の核酸または特定のタンパク質が集団中に存在するか
どうか検出することが可能である。いろいろな細胞の可能な発現状態を識別する
こともできる。
【0030】 本発明は、更に、成分(c)の特定のエフェクターユニット(図3)に親和性
を有する一つまたはそれ以上の結合パートナー(成分(d))の相互作用を識別
する方法に関する。
【0031】 本発明による“親和性”とは、試料成分が、成分(c)のエフェクターユニッ
トと特異的に相互作用することを意味する。このような相互作用は、具体的には
、特異的タンパク質−タンパク質および/またはタンパク質−核酸結合、そして
更には、化学的活性物質とタンパク質エフェクターとの特異的結合であってよい
【0032】 その方法は、次の処理工程、 (i)対合システム−エフェクター融合分子アレイと、少なくとも一つの成分
(d)を含む分析される物質混合物とのインキュベーション、 (ii)成分(b)、成分(c)および成分(d)の複合体が形成されているア
レイ位置の識別、 (iii)(ii)で識別される成分(b)、成分(c)および成分(d)の複合
体の特性決定 を含む。
【0033】 概して、形成される複合体は、標識[空隙(lacuna)]成分(d)によ
って検出される。更に、例えば、電子チップ(成分(a))を用いる場合、それ
ら複合体は、電極またはその付近での酸化還元過程によってまたはインピーダン
スおよび直流の測定値のような物理的パラメーターによって、または金チップ(
gold chip)の場合、例えば、表面プラスモン共鳴測定値によって識別
することができる。
【0034】 概して、成分(c)および成分(d)の部分複合体(subcomplexe
s)は、個々の識別される複合体から、例えば、温度を上昇させること、局所塩
濃度を変化させること、または好ましくは、電子結合パラメーターを調節するこ
とによる成分(b)へのハイブリダイゼーションの中断を用いて、逐次的に溶離
される。次に、成分(d)を、当業者に知られている分析法によって特性決定す
る。
【0035】 核酸、タンパク質および/または化学的活性物質を標識する方法の例は、化学
的および/または物理化学的、酵素、タンパク質、放射性同位体、非放射性同位
体、毒素(toxin)、化学発光および/または蛍光の標識である。
【0036】 本発明による化学的標識に適する、当業者に知られている化学物質の例は、ビ
オチン、フルオレセインイソチオソアネート(FITC)またはストレプトアビ
ジン(streptavidin)である。
【0037】 当業者に知られている本発明の化学修飾の例は、メチル基、アセチル基、リン
酸基および/または単糖基の転移である。 本発明による、例えば、ELISAの形の酵素標識に適する、当業者に知られ
ている酵素の例は、リンゴ酸ヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、Δ−5
−ステロイドイソメラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、α−グリセロールリ
ン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ペルオキシダーゼ、ア
ルカリ性ホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガ
ラクトシダーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲ
ナーゼ、グルコアミラーゼ、ルシフェラーゼまたはアセチルコリンエステラーゼ
である。
【0038】 本発明のタンパク質標識に適する、当業者に知られているタンパク質またはタ
ンパク質フラグメントの例は、N−またはC末端(HIS)6、myc、FLA
G、Eタグ(Etag)、Strepタグ(Strep tag)、ヘマグルチ
ニン(hemagglutinin)、グルタチオントランスフェラーゼ(GS
T)、キチン含有インテイン、マルトース結合タンパク質(MBP)、または抗
体または抗体の抗原結合部、例えば、Fvフラグメントである。
【0039】 本発明の放射性同位体標識に適する、当業者に知られている同位体の例は、3
H、125I、131I、32P、33P、35S、14C、51Cr、57To、58Co、59Fe
75Se、152Eu、90Y、67Cu、217Ci、211At、212Pb、47Scまたは 109 Pbである。
【0040】 本発明の非放射性同位体標識に適する、当業者に知られている同位体の例は、 2 Hまたは13Cである。 本発明の毒素標識に適する、当業者に知られている毒素(toxin)の例は
、ジフテリア毒素、リシン(ricin)またはコレラ毒素である。
【0041】 本発明の化学発光標識に適する、当業者に知られている化学発光物質の例は、
ルミノール標識、イソルミノール標識、芳香族アクリジニウムエステル標識、シ
ュウ酸エステル標識、ルシフェリン標識、アクリジニウム塩標識、イミダソール
標識またはエクオリン標識である。
【0042】 本発明の蛍光標識に適する、当業者に知られている蛍光物質の例は、152EU
、フルオレセイン、イソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィ
コシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド、Cy3、Cy5、グ
リーン蛍光タンパク質(GFP)およびその変異体(YFP,RFP)またはフ
ルオレスカミン(fluorescamine)である。
【0043】 結合した核酸は、EST(expressed sequence tags
:発現される配列標識)データベース、本発明の検出システムでのノーザンブロ
ットによって、または検出時または特異的放出後、好ましくは、PCR、RT−
PCRまたはクローニングによる先行増幅後に配列決定することによって識別す
ることもまたは更に特性決定することもできる。
【0044】 当業者は、本発明によって標識するのに用いることができる、例えば、質量分
析法、NMR分光法、熱量測定法または電位差測定法のような本明細書中に挙げ
られていない追加の標識法または分析法に精通している。
【0045】 本発明により、特に好都合な方法で、細胞の生理学的状態および細胞の生物学
的過程を識別し、特性決定し、そして監視することが可能である。 したがって、本発明は、更に、少なくとも一つの試料成分(成分(d))、特
に、試料の核酸および/またはタンパク質を発見するおよび/または識別するお
よび/または特性決定するための、または細胞性または人工の結合パートナー、
好ましくは、タンパク質、ペプチド、核酸、化学的活性物質、好ましくは、有機
化合物、薬理学的活性化合物、生産物保護物質(crop protectio
n agents)、毒素、特に、毒物(poisons)、発癌性および/ま
たは催奇形性物質、除草剤、抗真菌剤または殺虫剤を発見するおよび/または識
別するための、定常構造を有する領域(A)および領域(A)に隣接し且つ可変
構造を有する領域(B)を含む、本発明の検出システム、本発明の方法または本
発明の検出ユニットの使用に関する。
【0046】 これに関連して、転写因子、リプレッサーまたはエンハンサーの相互作用を研
究すること、または例えば、キナーゼ、ホスファターゼ、GTPアーゼ、エステ
ラーゼ、グリコシラーゼ、リパーゼ、オキシダーゼ、レダクターゼ、ヒドロラー
ゼ、イソメラーゼまたはリガーゼのような酵素と、それらの基質または調節物質
、例えば、誘導物質、cAMPまたはcGMPのような二次メッセンジャーとの
相互作用を研究することは、極めて興味深い。更に別の研究対象は、受容体およ
びそれらの結合パートナー、例えば、ホルモンおよびサイトカインなどである。
【0047】 例えば、一つの細胞種類で発現される遺伝子の全集団が、本発明の検出システ
ムアレイ上に、それらのフサジーンによって(成分(c)として)示される場合
、個々のタンパク質の結合パートナー(成分(d))は、直接標識、例えば、35 S同位体標識によって、アレイ上のスポットとして識別することができる。
【0048】 更に、成分(d)の結合パートナー、好ましくは、タンパク質を、サンドイッ
チ検定の形の標識成分(d)抗体によって識別することが可能である。この方法
に具体的な利点は、それによって、相互作用性物質のプールからの、例えば、細
胞抽出物中の成分(d)の特異的相互作用を特異的に識別することが可能である
ということである。
【0049】 更に、エフェクターおよび成分(d)の相互作用への補因子、活性化物質およ
び阻害物質の作用を、個々の因子の継続的な添加によって研究することも可能で
ある。
【0050】 検出システムアレイの適用のもう一つ重要な分野は、酵素活性パターンの分析
である。したがって、例えば、AT32Pをリン酸ドナーとして利用するキナーゼ
の基質を、アレイによって簡単な方法で識別することが可能である。
【0051】 アレイが、例えば、グリコーゲンシンターゼおよび/またはホスホリラーゼキ
ナーゼをエフェクターとして含むフサジーンを含有する場合、アレイ上の in vi
tro 検定で、例えば、グリコーゲン代謝において重要な役割を生じるプロテイン
キナーゼに関して、基質としてのエフェクターの作用を研究することは可能であ
る。このような in vitro 検定によって、例えば、プロテインキナーゼが、二つ
のエフェクターのリン酸化に関して、cAMPの添加によって活性化されること
を示すことは可能である。更に、例えば、プロテインホスファターゼ1を加える
ことによる、個々のエフェクター上の該当するリン酸基の除去を研究することが
可能である。
【0052】 本発明は、更に、成分(a)〜(c)を含む検出システム、少なくとも一つの
成分(d)、および適宜、成分(d)と相互作用する物質のような追加の物質、
好ましくは、成分(d)抗体を含む結合体(conjugate)に関する。
【0053】 フサジーンを成分(c)として含有する結合体が好ましい。 成分(d)として含有される結合体は、好ましくは、タンパク質、ペプチド、
特に、転写因子、受容体、酵素および/または化学的活性物質、好ましくは、有
機化合物、薬理学的活性化合物、ホルモン、生産物保護物質、毒素、特に、毒物
、発癌性および/または催奇形性物質、除草剤、抗真菌剤および/または殺虫剤
である。
【0054】 次の実施例は、本発明を制限することなく、より詳細に記載するものである。 実施例1:典型的なFLAG、MYC、STREP融合ガラスチップの生成 ガラスチップ表面を、最初に、超音波浴中のアセトン中で標準的なスライドガ
ラスを5分間脱脂することによってシラン化する(補足:微生物学用の染色槽)
。自然乾燥後、それらスライドを、超音波浴中で0.1M NaOH溶液を用い
て5分間処理する。
【0055】 この後、超音波浴中で蒸留水を用いて更に5分間洗浄する。最後に残るNaO
H残留物を、蒸留水を用いた洗浄操作を繰り返すことによって除去する。この後
、シラン化工程を行う。この目的には、95%濃度水性エタノール(エタノール
:水;95.5v:v)中の2〜3%濃度(3−グリシジルオキシプロピル)ト
リメトキシシラン溶液を調製する。そのエタノール性シラン溶液を、濃酢酸を用
いてpH4.9〜5.2に調整する。添加および10分間の加水分解後、その調
製されたシラン化溶液を超音波浴中で用いて、ガラス表面を2分間処理する。
【0056】 超音波浴中で100%エタノール溶液を用いた洗浄および自然乾燥の後、シラ
ン化されたスライドガラスを、80℃で20分間乾燥させる。次に、そのシラン
化ガラス表面上に、アミノ修飾された検出ユニット(成分b)を固定することが
できる。
【0057】 このようにしてチップ上に固定される検出ユニット(成分b)を、標準法によ
って合成する(下を参照されたい)。FLAG、MYCおよびSTREPエピト
ープをコードするRNAを、次のように、Roberts and Szostak(Proc.Natl.Aca
d.Sci USA, 1997)にしたがって製造する。DNA鋳型配列(配列番号:1)を
、Taqポリメラーゼ(Promega, Cat.No.: M166F)を用いたPCR反応に
おいて二つのプライマー(配列番号:2/3)を用いて増幅させる。
【0058】
【化1】
【0059】 得られた二本鎖DNA産物を、in vitro 転写(Promega, Cat.No.: P130
0)によって該当するRNA配列(配列番号:4)に転写する。
【0060】
【化2】
【0061】 更に、5’末端にリン酸基および3’末端にピューロマイシン残基(Pu)を
有するリンカー(配列番号:5)を、エピトープをコードしているRNA(配列
番号:4)の3’末端に連結するが、その連結反応は、T4DNAリガーゼ(M
BI, Cat.No.: EL0333)を用い且つ80:20%の比率で反応中に混合
される二つのスプリント(splint)分子(配列番号:6/7)を用いて行われる
【0062】
【化3】
【0063】 更に、フルオレセイン誘導体(NF,Interactiva)を、標準的なDNA固相
合成によってリンカー中に包含させるが、その誘導体は、相補性成分(b)との
特異的ハイブリダイゼーションの場合、生じる蛍光によって結合結果を読み取る
ことを可能にする。
【0064】 次に、RNA(配列番号:4)およびリンカー(配列番号:5)を含む連結反
応生成物を、変性6%濃度TBE尿素ゲルによって、非連結RNAから精製する
【0065】 RNA(配列番号:4)、エピトープエンコーディングペプチド(配列番号:
4)およびリンカー(配列番号:5)を含むフサジーンを、Roberts and Szosta
k(Proc.Natl.Acad.Sci USA, 1997)にしたがって、in vitro 翻訳(Promega, C
at.No.: L4960)後、MgCl2(150mM)およびKCl(530mM
)を含む翻訳混合物(translation mixture)のインキュベ
ーションを行って合成する。
【0066】
【化4】
【0067】 次に、このように合成されるフサジーンを、オリゴ−d(T)セルロース(Am
ersham Pharmacia Biotech. Cat.No: 27−5543−02)によって、続いて
Strep-Tactin Sepharose(IBA,CAt.No: 2−1202−005)によって
、均一になるまで精製する。
【0068】 用いられる検出ユニット(成分(b))は、それぞれに、配列5’−T15−3
’を有する定常領域(領域A)および8個のヌクレオチドから成る可変領域(領
域B)を含む。成分(b)には、次の配列(配列番号:8/9)を選択した。
【0069】
【化5】
【0070】 ここで、成分(b)−1は、その可変領域B内に、RNA(配列番号:4)お
よびリンカー(配列番号:5)を含む分子に相補的なヌクレオチド配列を有する
が、成分(b)−2には、可変領域Bに関して、その分子の標的配列への特異性
がない。成分(b)は、標準的な固相DNA合成によって製造された。3’末端
による固定化には、3’−アミノ修飾C3CPG支持体(Glen Research, Cat.N
o.:20−2950−10)を用い、そしてガラス 表面への5’末端結合には、
5’−アミノ修飾因子C6ホスホルアミダイト(Glen Research, Cat.No.: 10
−1906−90)を用いた。固定化には、成分(b)−1/2の50μM(0
.1M NaOH中)溶液として、シラン化ガラス表面の位置1および2にそれ
ぞれ適用する。少なくとも2時間インキュベーション後、ガラス表面を、温水を
用いて約5分間洗浄する。この後、5xSSC緩衝液を用いてチップを10分間
洗浄する。
【0071】 ポリA領域中のフルオレセインを用いて蛍光標識されたフサジーンは、5xS
SC緩衝液中のフサジーンを取り、それをチップに移し、カバーガラスでそれを
覆い、4℃で5分間インキュベートすることによって、成分(b)−1の相補性
標的配列とハイブリッド形成する(位置1で)。次に、そのチップを、5xSS
C緩衝液を用いて室温で3回洗浄し、フルオレセイン蛍光を読み取る。最後に、
0.5xSSC緩衝液を用いた洗浄を繰り返し、蛍光強度を再度読み取る。成分
(b)−1との完全なハイブリダイゼーションの場合のみ、蛍光シグナルを検出
することが可能であったということおよび成分(b)−2の非特異的配列を含む
フサジーンの相互作用はいずれにせよ起こらなかったということが示された。
【0072】 実施例2:タンパク質−タンパク質相互作用を検出するための典型的なFLA
G、MYC、STREP融合ガラスチップの生成(蛍光標識された特異的抗FL
AG抗体を用いたFLAGエピトープの検出) ガラスチップ表面を、最初に、超音波浴中のアセトン中で標準的なスライドガ
ラスを5分間脱脂することによってシラン化する(補足:微生物学用の染色槽)
。自然乾燥後、それらスライドを、超音波浴中で0.1M NaOH溶液を用い
て5分間処理する。
【0073】 この後、超音波浴中で蒸留水を用いて更に5分間洗浄する。最後に残るNaO
H残留物を、蒸留水を用いた洗浄操作を繰り返すことによって除去する。この後
、シラン化工程を行う。この目的には、95%濃度水性エタノール(エタノール
:水;95.5v:v)中の2〜3%濃度(グリシジルオキシプロピルトリメト
キシシラン溶液を調製する。そのエタノール性シラン溶液を、濃酢酸を用いてp
H4.9〜5.2に調整する。添加および10分間の加水分解後、その調製され
たシラン化溶液を超音波浴中で用いて、ガラス表面を2分間処理する。
【0074】 超音波浴中で100%エタノール溶液を用いた洗浄および自然乾燥の後、シラ
ン化されたスライドガラスを、80℃で20分間乾燥させる。次に、そのシラン
化ガラス表面上に、アミノ修飾された検出ユニット(成分b)を固定することが
できる。
【0075】 チップ上に固定された成分(b)は、標準法によって合成した(下を参照され
たい)。FLAG、MYCおよびSTREPエピトープをコードするRNAを、
次のように、Roberts and Szostak(Proc.Natl.Acad.Sci USA, 1997)にしたが
って製造する。DNA鋳型配列(配列番号:1)を、Taqポリメラーゼ(Prom
ega, Cat.No.: M166F)を用いたPCR反応において二つのプライマー(配
列番号:2/3)を用いて増幅させる。
【0076】 得られた二本鎖DNA産物を、in vitro 転写(Promega, Cat.No.: P130
0)によって該当するRNA配列(配列番号:4)に転写する。 更に、5’末端にリン酸基および3’末端にピューロマイシン残基(Pu)を
有するリンカー(配列番号:10)を、エピトープをコードしているRNA(配
列番号:4)の3’末端に連結するが、その連結反応は、好ましくは、T4DN
Aリガーゼ(MBI, Cat.No.: EL0333)を用い且つ80:20%の比率
で反応中に混合される二つのスプリント分子(配列番号:6/7)を用いて行わ
れる。
【0077】
【化6】
【0078】 次に、RNA(配列番号:4)およびリンカー(配列番号:5)を含む連結反
応生成物を、変性6%濃度TBE尿素ゲルによって、非連結RNAから精製する
【0079】 RNA(配列番号:4)、エピトープエンコーディングペプチド(配列番号:
4)およびリンカー(配列番号:10)を含むフサジーンを、Roberts and Szos
tak(Proc.Natl.Acad.Sci USA, 1997)にしたがって、in vitro 翻訳(Promega,
Cat.No.: L4960)後、MgCl2(150mM)およびKCl(530m
M)を含む翻訳混合物のインキュベーションを行って合成する。
【0080】 次に、このように合成されるフサジーンを、オリゴ−d(T)セルロース(Am
ersham Pharmacia Biotech. Cat.No: 27−5543−02)によって、続いて
Strep-Tactin Sepharose(IBA,CAt.No: 2−1202−005)によって
、均一になるまで精製する。
【0081】 用いられる検出ユニット(成分(b))は、それぞれに、配列5’−T15−3
’を有する定常領域(領域A)および8個のヌクレオチドから成る可変領域(領
域B)を含む。成分(b)には、次の配列(配列番号:8/9)を選択した。
【0082】
【化7】
【0083】 ここで、成分(b)−1は、その可変領域B内に、RNA(配列番号:4)お
よびリンカー(配列番号:10)を含む分子に相補的なヌクレオチド配列を有す
るが、成分(b)−2には、可変領域Bに関して、その分子の標的配列への特異
性がない。成分(b)は、標準的な固相DNA合成によって製造された。3’末
端による固定化の場合、3’−アミノ修飾C3CPG支持体(Glen Research, C
at.No.:20−2950−10)を用いたが、ガラス 表面への5’末端結合には
、5’−アミノ修飾因子C6ホスホルアミダイト(phosphoramidi
te)(Glen Research, Cat.No.: 10−1906−90)を用いた。固定化に
は、成分(b)−1/2の50μM(0.1M NaOH中)溶液として、シラ
ン化ガラス表面の位置1および2にそれぞれ適用する。少なくとも2時間インキ
ュベーション後、ガラス表面を、温水を用いて約5分間洗浄する。この後、5x
SSC緩衝液を用いてチップを10分間洗浄する。
【0084】 フサジーンは、5xSSC緩衝液中の融合タンパク質を取り、それを個々のチ
ップに移し、カバーガラスを用いてそれを覆い、4℃で5分間インキュベートす
ることによって、相補性成分(b)−1とハイブリッド形成する(位置1)。次
に、そのチップを、5xSSC緩衝液を用いて室温で3回洗浄し、そして予め蛍
光標識された(Cy5Ab Labelling Kit, Amersham Pharmacia Biotech. Cat.
No: PA35000)抗FLAG抗体(Sigma Immunochemicals, Cat.No.: F3
040)の溶液を適用し、その蛍光を読み取る。最後に、0.5xSSC緩衝液
を用いた洗浄を繰り返し、蛍光強度を再度読み取る。成分(b)−1との完全な
ハイブリダイゼーションの場合のみ、蛍光シグナルを検出することが可能であっ
たということおよび成分(b)−2の非特異的配列を含むフサジーンまたは蛍光
標識された抗体の相互作用はいずれにせよ起こらなかったということが示された
【0085】 実施例3:電子的にアドレス可能なチップ(electronically
addressable chip)上に二つの異なったフサジーンを含む典型
的なフサジーンアレイの生成 互いに明瞭に区別され且つアドレス可能な電子チップ上のハイブリダイゼーシ
ョン実験において特性決定されうる二つのフサジーン(成分(c))を合成した
。この目的には、実施例2からのフサジーン(成分(c)−1)の他に、別の、
RNA(配列番号:15)、エピトープエンコーディングペプチド(配列番号:
15)およびリンカー(配列番号:10)を含む異なったフサジーン(成分(c
)−2)を、鋳型DNA(配列番号:11)、二つのプライマー(配列番号:1
2/13)およびスプリント(配列番号:14)を用いて合成する。
【0086】
【化8】
【0087】 電子チップ上に固定された成分(b)は、標準的なDNA合成によって得られ
たビオチン標識成分(b)(配列番号:16〜28)である。これに関連して、
固定化は、3’末端へかまたは5’末端へのそれぞれの場合において行うことが
できる。挙げられる例では、成分(b)を、3’末端上のビオチン修飾によって
チップ表面に結合させる。このためには、ビオチンTEG CPG支持体(Glen
Research, Cat.No.:20−2955−10)を、化学的DNA合成において用
い、そして適当なビオチン修飾を有し且つ更に、15ヌクレオチド長さチミジン
領域(領域A)および8ヌクレオチドの可変領域(領域B)を含む次の成分(b
)を合成する。
【0088】
【化9】
【0089】 成分(b)−3および成分(b)−4は、それらの具体的な可変領域Bに関し
て、適切な成分(c)−1および成分(c)−2それぞれに相補的である。成分
(c)−5には、いずれにせよ、可変領域Bに関して、成分(c)−1および成
分(c)−2それぞれの相補性標的配列に特異性がない。
【0090】 成分(b)−3〜5は、50mMヒスチジン緩衝液中の具体的な成分(b)の
1μM溶液を調製し、それぞれの場合に50μlの適当な成分(b)を、3x3
の位置を有する半導体材料から成るチップに適用することによって固定される。
固定化は、室温で行われた。チップ上の位置(列、行)を次のように占有するこ
とが選択された。
【0091】 1,1:成分(b)−3;1,2:成分(b)−4;2,1:成分(b)−3
;2,2:成分(b)−4;3,1:成分(b)−5;3,2:成分(b)−5
;1,3:成分(b)−3;2,3:成分(b)−4;3,3:成分(b)−5
【0092】 配列番号:4+10(成分(c)−3)および配列番号:15+10(成分(
c)−4)を含む連結された核酸またはフサジーン(成分(c)−1および成分
(c)−2)を、50mMヒスチジン緩衝液中にそれらを取り、適当なチップ位
置(列、行)において室温で具体的なハイブリダイゼーション実験を行うことに
よってハイブリッド形成させる。
【0093】 1,1:成分(c)−1;1,2:成分(c)−2;2,1:成分(c)−1
;2,2:成分(c)−2;3,1:成分(c)−1;3,2:成分(c)−2
;1,3:成分(c)−3;2,3:成分(c)−4;3,3:成分(c)なし
【0094】 次に、チップ上で生じたハイブリダイゼーション結果を、FLAGエピトープ
を特異的に認識し、しかも予め蛍光標識されている(Cy5Ab Labelling Kit
, Amersham Pharmacia Biotech. Cat.No: PA35000)抗FLAG抗体(Si
gma Immunochemicals, Cat.No.: F3040)を、位置1,1および1,2に適
用することによって特性決定する。E−Tagエピトープを認識し、しかも予め
蛍光標識されている(Cy5Ab 標識キット(Labelling Kit), Amersham Pha
rmacia Biotech. Cat.No: PA35000)E−Tag抗体(Amersham Pharmac
ia Biotech. Cat.No: 279412−01)を、位置2,1および2,2に適用
する。蛍光抗FLAG抗体または抗E−Tag抗体を、抗体の可能な非特異的結
合結果を検出するために、チップ位置3,1;3,2;1,3;2,3および3
,3に適用する。
【0095】 いずれの場合も、蛍光強度を読み取ったが、蛍光標識された抗FLAG抗体を
蛍光プローブとして用いて、相補性成分(c)−1/2と成分(b)の完全なハ
イブリダイゼーションの場合、特異的に正の結合結果が、チップ位置1,1およ
び1,2で生じたということが示された。抗E−tag抗体(位置2,1および
2,2上)の相互作用の場合、蛍光強度の増加は、E−tagエピトープを装填
される成分(c)−2を有する位置2,2でのみ検出可能であった。これら実験
は、最初に、成分(c)−1および−2が、適切な抗体によって特異的に認識さ
れたことを明示している。対照実験は、最初に、二つの融合する遺伝子が、いず
れにせよ、可変領域(領域B)内に成分(c)(位置3,1および3,2)への
相補性のない成分(b)と非特異的に相互作用することができたかどうかの可能
性を研究した。抗FLAG抗体を加えた後、検出しうる蛍光はなかったので、成
分(c)の非特異的ハイブリダイゼーションは生じなかったということが考えら
れうる。更に、もう一つの対照実験は、抗FLAG抗体が、二本鎖核酸と相互作
用する可能性を排除した。この目的には、ペプチドエピトープを含まない適切な
成分(c)−3/4を、位置1,3および2,3に適用したが、抗FLAGまた
は抗E−Tag抗体の添加は、蛍光変化が生じなかったことを示した。最後に、
蛍光抗FLAGまたは抗E−Tag抗体には、いずれにせよ、一本鎖成分(b)
(位置3,3での実験)への親和性がないということを示すことも可能であった
。要約として、それら結果を次の表に示す。
【0096】
【表1】
【0097】 次の図面は、本発明を制限することなく、より詳細に記載するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、支持体((1)成分(a))、およびその支持体に結合した検出ユニ
ット成分であって、支持体表面にスペーサー(3)によって結合することができ
、そして更に、定常領域(A)(4)および隣接する可変領域(B)(5)を含
有する検出ユニット成分(b)(2)、および領域(A)(4)および(B)(
5)に相補的であり且つ適当なリンカー、例えば、ピューロマイシン(7)含有
核酸リンカー(8)の一部分と、リンカーに結合した核酸、ここではRNA(9
)の一部分とから形成されている領域を含む成分(c)(6)を含む本発明の検
出システムを図式的に記載する。エフェクターユニット(10)は、核酸−ピュ
ーロマイシンリンカー(7,8)に結合している。
【図2】 図2は、成分(a)〜(c)を含む複合体の、成分(c)中に含有される標識
(11)による識別を図式的に記載する。
【図3】 図3は、成分(a)〜(d)を含む複合体の、ここではエフェクター抗体の例
によって示される、例えば、成分(d)中に含有される標識(12)による識別
を図式的に記載する。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年7月16日(2001.7.16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/58 G01N 37/00 102 37/00 102 C12N 15/00 ZNAF (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C R,CU,CZ,DM,DZ,EE,GD,GE,HR ,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LT,LV,MA,M D,MG,MN,MX,MZ,NO,NZ,PL,RO ,RU,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,TZ,UA,US,UZ,VN,YU,ZA (72)発明者 ブルクシュタラー,ペトラ ドイツ連邦共和国デー−12205 ベルリン, バーゼラー・シュトラーセ 142 (72)発明者 コンツ,ディルク ドイツ連邦共和国デー−65719 ホフハイ ム,ジントリンガー・シュトラーセ 46 (72)発明者 ヴェルク,ウーヴェ ドイツ連邦共和国デー−35039 マールブ ルク,カペッラーシュトラーセ 51 (72)発明者 ピグノート,マルク ドイツ連邦共和国デー−65812 バート・ ゾーデン,フライヘル−フォン−シュタイ ン・シュトラーセ 4 (72)発明者 ヴァーグナー,ペーター ドイツ連邦共和国デー−65510 イドシュ タイン,イム・アルテンホフ 4 Fターム(参考) 2G045 AA35 BB14 BB50 BB51 DA13 FB01 FB02 FB07 FB12 4B024 AA11 AA19 AA20 CA09 CA20 HA14 HA20 4B029 AA07 AA23 AA27 BB15 BB20 CC01 CC03 CC08 FA12 FA15 4B063 QA01 QA05 QQ21 QQ42 QQ52 QQ79 QR32 QR35 QR38 QR55 QR84 QS34 QS36 QS39 QX02 QX04

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出システムであって、 (i)支持体(成分(a))および (ii)該支持体に結合した少なくとも一つの検出ユニット(成分(b))であ
    って、定常配列を有する領域(A)および領域(A)に隣接し且つ可変配列を有
    する領域(B)を含む対合システムを包括的に含む上記検出ユニット、および (iii)それに結合し且つ該検出ユニット(成分(b))に相補的な配列を含
    む対合システム−エフェクター融合分子(成分(c)) を含む検出システム。
  2. 【請求項2】 領域(A)が、長さ5〜約80ヌクレオチドまたはヌクレオ
    チド類似体、好ましくは、5〜約30ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体、
    そして特に、10〜約30ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体である請求項
    1に記載の検出システム。
  3. 【請求項3】 領域(B)が、長さ5〜30、特に、5〜10、好ましくは
    、7〜8ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体である請求項1および2のどち
    らかに記載の検出システム。
  4. 【請求項4】 ヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチド(d)、リボヌ
    クレオチド(r)または2−ヒドロキシメチルリボヌクレオチド(hmr)であ
    る請求項1〜3に記載の検出システム。
  5. 【請求項5】 ヌクレオチド類似体が、p−RNA、CNAまたはPNAモ
    ノマーである請求項2に記載の検出システム。
  6. 【請求項6】 領域(A)が、ポリT鎖、好ましくは、T7-15鎖を含む請求
    項1〜4のいずれかに記載の検出システム。
  7. 【請求項7】 成分(c)が、核酸−タンパク質受容体融合分子および/ま
    たは核酸−タンパク質融合分子、特に、核酸−ピューロマイシン誘導体および/
    または核酸−ピューロマイシン−タンパク質融合分子より選択される請求項1〜
    6のいずれかに記載の検出システム。
  8. 【請求項8】 支持体が、セラミック、金属、特に、半導体、貴金属、ガラ
    ス、プラスチック、結晶性材料、または支持体、特に、該材料の薄層、若しくは
    セルロースのような(生体)分子フィラメント、構造タンパク質、または上記材
    料の組合せから構成されている請求項1〜7のいずれかに記載の検出システム。
  9. 【請求項9】 検出システムが、電子チップ上に組み立てられている請求項
    1〜8のいずれかに記載の検出システム。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の検出システムを製造する
    方法であって、 (i)定常配列を有する領域(A)および領域(A)に隣接し且つ可変配列を
    有する領域(B)を含む検出ユニット(成分(b))を支持体(成分(a))に
    結合することによるアレイの製造であって、ここにおいて、それぞれのアレイ位
    置は、特定の領域Bを有する検出ユニットに割り当てることができる、および (ii)該検出ユニット(成分(b))と、該検出ユニット(成分(b))に相
    補的な配列を含む対合システム−エフェクター融合分子(成分(c))とのハイ
    ブリダイゼーション を含む上記方法。
  11. 【請求項11】 対合システム−エフェクター融合分子を含む溶液中の個々
    の成分を分別し且つ識別する方法であって、 (i)対合システム−エフェクター融合分子ライブラリー(成分(c)ライブ
    ラリー)、好ましくは、フサジーン(fusagene)ライブラリーの作成、 (ii)成分(a)および領域(B)が可能な並べ換えを全て含む成分(b)を
    含むアレイ上の対合システム−エフェクター融合分子(成分(c))のハイブリ
    ダイゼーションであって、個々の成分(b)それぞれを一つのアレイ位置に具体
    的に割り当てることを可能にするハイブリダイゼーション、 (iii)成分(b)および成分(c)の複合体が形成されているアレイ位置の
    識別、 (iv)(iii)で識別される成分(b)および成分(c)の複合体の特性決定
    を含む上記方法。
  12. 【請求項12】 長さ5〜80ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体、好
    ましくは、5〜30ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体、そして特に、10
    〜30ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体の領域(A)を有する成分(b)
    を用いる請求項10および11のどちらかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 長さ5〜30、好ましくは、7〜8ヌクレオチドの領域(
    B)を有する成分(b)を用いる請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 ポリT鎖、好ましくは、T7-15鎖、またはリボソーム結合
    部位に相補的な鎖から構成される領域(A)を用いる請求項10〜13のいずれ
    かに記載の方法。
  15. 【請求項15】 支持体が、セラミック、金属、特に、半導体、貴金属、ガ
    ラス、プラスチック、結晶性材料、または支持体、特に、該材料の薄層、若しく
    はセルロースのような(生体)分子フィラメント、構造タンパク質、または上記
    材料の組合せから構成されている請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記方法を電子チップ上で行う請求項10〜15のいずれ
    かに記載の方法。
  17. 【請求項17】 試料成分を、支持体に結合した検出ユニットに、電界によ
    って成分(b)としてまたは成分(c)として結合する請求項10〜16のいず
    れかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 用いられる成分(c)が、核酸および/またはその類似体
    、好ましくは、DNA、RNA、特に、mRNA、RNA−ピューロマイシン誘
    導体およびタンパク質から構成される対合システム−エフェクター融合分子であ
    る請求項10〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 [空隙(lacuna)]中において、試料の少なくとも
    一つのRNA−タンパク質融合分子を、支持体に結合し且つ式3’−(X)7-8
    −(T7-15)−5’(式中、Xは、アデノシン、チミジン、ウラシル、グアノシ
    ンまたはシトシンより選択される任意のヌクレオチドである)を有する少なくと
    も一つの核酸に、好ましくは、電界によって結合し、そして適宜、追加の工程に
    おいて、結合していないまたは特異的に結合していない核酸を、好ましくは、逆
    の極性を有し且つ第一工程の場合より低い電界強さを有する電界によって除去す
    る請求項10〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 第一工程において、適当な核酸リンカー、好ましくは、d
    27dCdCリンカーを、試料のRNA集団に、化学的にまたは適当なリガーゼ
    、好ましくは、T4 DNAリガーゼによって融合した後、翻訳し、続いてRN
    A−リンカー−タンパク質融合の形成を引き起こし、第二工程において、RNA
    −リンカー−タンパク質融合分子を、好ましくは、式3’−(X)7-8−(T27
    GG)−5’(式中、Xは、アデノシン、チミジン、ウラシル、グアノシンまた
    はシトシンより選択される任意のヌクレオチドである)を有する本発明の検出シ
    ステムの核酸に、好ましくは、電界によって結合し、そして適宜、追加の工程に
    おいて、結合していないまたは特異的に結合していない核酸を、好ましくは、逆
    の極性を有し且つ第二工程の場合より低い電界強さを有する電界によって除去す
    る請求項10〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 【請求項21】 成分(c)の特定のエフェクターユニットに親和性を有す
    る一つまたはそれ以上の結合パートナー(成分(d))の相互作用を識別する方
    法であって、 (i)対合システム−エフェクター融合分子アレイと、少なくとも一つの成分
    (d)を含む分析されるべき物質混合物とのインキュベーション、 (ii)成分(b)、成分(c)および成分(d)の複合体が形成されているア
    レイ位置の識別、 (iii)(ii)で識別される成分(b)、成分(c)および成分(d)の複合
    体の特性決定 を含む上記方法。
  22. 【請求項22】 少なくとも一つの試料成分、特に、試料の核酸および/ま
    たはタンパク質を発見するおよび/または識別するおよび/または特性決定する
    ための、または細胞性または人工の結合パートナー、好ましくは、タンパク質、
    ペプチド、核酸、化学的活性物質、好ましくは、有機化合物、薬理学的活性化合
    物、生産物保護物質、毒素、特に、毒物、発癌性および/または催奇形性物質、
    除草剤、抗真菌剤または殺虫剤を発見するおよび/または識別するための請求項
    21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 少なくとも一つの成分(d)を直接的に標識する請求項2
    1および22のどちらかに記載の方法。
  24. 【請求項24】 少なくとも一つのエフェクター結合成分(d)を、例えば
    、抗体のような標識された特異的結合パートナーを用いて検出する請求項21〜
    23のいずれかに記載の方法。
  25. 【請求項25】 工程(ii)によるエフェクターと成分(d)との間の相互
    作用を、例えば、補因子、補酵素、活性化物質または阻害物質のような、相互作
    用に影響を与える追加の物質を加えることによって変更する請求項21〜24の
    いずれかに記載の方法。
  26. 【請求項26】 酵素活性パターンを決定する請求項21〜25のいずれか
    に記載の方法。
  27. 【請求項27】 検出システム(成分(a)〜(c))および成分(d)を
    含む結合体。
  28. 【請求項28】 成分(d)がフサジーンである請求項27に記載の結合体
  29. 【請求項29】 成分(d)が、タンパク質、ペプチド、特に、転写因子、
    受容体、または例えば、キナーゼ、ホスファターゼ、GTPアーゼ、エステラー
    ゼ、グリコシラーゼ、リパーゼ、オキシダーゼ、レダクターゼ、ヒドロラーゼ、
    イソメラーゼまたはリガーゼのような酵素であって、それらの基質または調節物
    質と一緒のものである請求項27および28のどちらかに記載の結合体。例えば
    、誘導物質、cAMPまたはcGMPのような二次メッセンジャー、および/ま
    たは化学的活性物質、好ましくは、有機化合物、薬理学的活性化合物、ホルモン
    、生産物保護物質、毒素、特に、毒物、発癌性および/または催奇形性物質、除
    草剤、抗真菌剤および/または殺虫剤など。
JP2000620126A 1999-05-25 2000-05-25 分子相互作用の研究用検出システムおよびその製造および使用 Pending JP2003500066A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19923966A DE19923966C2 (de) 1999-05-25 1999-05-25 Erkennungssystem zur Auftrennung von Probenbestandteilen, seine Herstellung und Verwendung
DE19923966.5 1999-05-25
PCT/EP2000/004791 WO2000071749A2 (de) 1999-05-25 2000-05-25 Erkennungssystem zur untersuchung von molekülwechselwirkungen, seine herstellung und verwendung

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003500066A true JP2003500066A (ja) 2003-01-07

Family

ID=7909147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000620126A Pending JP2003500066A (ja) 1999-05-25 2000-05-25 分子相互作用の研究用検出システムおよびその製造および使用

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP1185704A2 (ja)
JP (1) JP2003500066A (ja)
CN (1) CN1413262A (ja)
AU (2) AU3659100A (ja)
CA (1) CA2374438A1 (ja)
CZ (1) CZ20014210A3 (ja)
DE (1) DE19923966C2 (ja)
EE (1) EE200100616A (ja)
IL (1) IL146371A0 (ja)
WO (2) WO2000071747A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005012902A1 (ja) * 2003-07-31 2005-02-10 Genefield, Inc. 有用タンパク質のスクリーニング方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1208224A2 (de) * 1999-03-22 2002-05-29 Paul Cullen Nukleinsäurekombination
US20040161741A1 (en) 2001-06-30 2004-08-19 Elazar Rabani Novel compositions and processes for analyte detection, quantification and amplification
JP2003299489A (ja) * 2002-02-08 2003-10-21 Mitsubishi Chemicals Corp 核酸構築物

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5700637A (en) * 1988-05-03 1997-12-23 Isis Innovation Limited Apparatus and method for analyzing polynucleotide sequences and method of generating oligonucleotide arrays
US5849486A (en) * 1993-11-01 1998-12-15 Nanogen, Inc. Methods for hybridization analysis utilizing electrically controlled hybridization
EP1382386A3 (en) * 1992-02-19 2004-12-01 The Public Health Research Institute Of The City Of New York, Inc. Novel oligonucleotide arrays and their use for sorting, isolating, sequencing, and manipulating nucleic acids
US5795714A (en) * 1992-11-06 1998-08-18 Trustees Of Boston University Method for replicating an array of nucleic acid probes
JP2002515738A (ja) * 1996-01-23 2002-05-28 アフィメトリックス,インコーポレイティド 核酸分析法
AU735440B2 (en) * 1996-02-09 2001-07-05 Cornell Research Foundation Inc. Detection of nucleic acid sequence differences using the ligase detection reaction with addressable arrays
DK0971946T3 (da) * 1997-01-21 2006-10-30 Gen Hospital Corp Selektion af proteiner ved anvendelse af RNA-protein-fusioner
DE19741716A1 (de) * 1997-09-22 1999-03-25 Hoechst Ag Adressierbares modulares Erkennungssystem, seine Herstellung und Verwendung
JP2001522047A (ja) * 1997-10-31 2001-11-13 サーノフ コーポレイション 蛍光を増強する方法
AU3463699A (en) * 1998-04-03 1999-10-25 Phylos, Inc. Addressable protein arrays
US6436665B1 (en) * 1999-08-27 2002-08-20 Phylos, Inc Methods for encoding and sorting in vitro translated proteins

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005012902A1 (ja) * 2003-07-31 2005-02-10 Genefield, Inc. 有用タンパク質のスクリーニング方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1185704A2 (de) 2002-03-13
DE19923966C2 (de) 2003-04-24
AU3659100A (en) 2000-12-12
IL146371A0 (en) 2002-07-25
WO2000071749A3 (de) 2001-09-07
DE19923966A1 (de) 2000-11-30
AU5676000A (en) 2000-12-12
CA2374438A1 (en) 2000-11-30
WO2000071747A2 (de) 2000-11-30
CZ20014210A3 (cs) 2002-06-12
WO2000071749A2 (de) 2000-11-30
WO2000071747A3 (de) 2001-06-14
EE200100616A (et) 2003-02-17
CN1413262A (zh) 2003-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1068356B1 (en) Addressable protein arrays
US6180348B1 (en) Method of isolating target specific oligonucleotide ligands
KR100574759B1 (ko) 생화학 반응 검출에 사용되는 분자 구조물 및 그 사용방법
AU779653B2 (en) Methods for encoding and sorting in vitro translated proteins
US20100240544A1 (en) Aptamer biochip for multiplexed detection of biomolecules
JP2003520050A (ja) タンパク質分析のための高感度多重化診断アッセイ法
JP4459436B2 (ja) アドレス化可能なモジュール式認識系、その調製および使用
CN107760686B (zh) Dkk-1蛋白的核酸适配体及其应用
US20040018530A1 (en) In vitro evolution of functional RNA and DNA using electrophoretic selection
US6316608B1 (en) Combined polynucleotide sequence as discrete assay endpoints
IE902390A1 (en) Hydrophobic nucleic acid probe
JPWO2006095550A1 (ja) Pcrプライマー、それを利用したpcr法及びpcr増幅産物、並びにpcr増幅産物を利用するデバイス及びdna−タンパク複合体
US20040197779A1 (en) Methods for analyzing mixtures of proteins
JP2003500066A (ja) 分子相互作用の研究用検出システムおよびその製造および使用
EP2164987A1 (en) Nucleic acid chip for obtaining bind profile of single strand nucleic acid and unknown biomolecule, manufacturing method thereof and analysis method of unknown biomolecule using nucleic acid chip
JP2004097213A (ja) 核酸および/またはタンパク質の選択方法
Casaregola et al. Cloning and analysis of the entire Escherichia coli ams gene
WO2023204045A1 (ja) 超高感度アナライト測定方法
EP4148143A1 (en) Polypurine reverse hoogsteen hairpins and parallel clamps and their use as biosensors
US20040121331A1 (en) Methods of amplifying signals in multiplexed protein analysis
JPH0646899A (ja) 核酸結合因子の検出のための迅速な検定
JP2006132980A (ja) タンパク質の固定化方法
WO2015137465A1 (ja) ポリヌクレオチド固定化体
AU2004200234A1 (en) Addressable protein arrays
JP2002330767A (ja) 核酸固定化アレイ