JP2003347113A - 複合磁性材料及びその製造方法 - Google Patents

複合磁性材料及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チョークコイル等の磁性素子の小型化及び大
電流、高周波領域で使用可能な優れた磁気特性を有する
複合軟磁性材料を提供することを目的とする。 【解決手段】 軟磁性合金粉末と絶縁材とガラス転移点
が0℃以下であるアクリル樹脂を結着剤として含み、加
圧成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子機器の主要な受
動部品であるインダクタ、チョークコイル、トランス及
びその他の磁性素子に用いられる高性能な複合磁性材料
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型/薄型化に伴い、これら
に用いられる受動部品や半導体デバイスも小型化、薄型
化することが強く求められている。一方、CPUなどの
LSIは高集積化してきており、特に高速なCPUに供
給される電源回路には数A〜数十Aの電流が供給される
ことがある。
【0003】従って、これらの電源供給回路に用いられ
るチョークコイル等の磁性素子においては小型/薄型化
要求とともに直流重畳によるインダクタンスの低下が少
ないことが必要とされている。さらに又、使用周波数領
域も高周波化しており、高周波領域においてコア損失の
低いことが求められている。すなわち大電流、高周波領
域で使用することが可能であり、かつ小型、薄型化した
磁性素子を供給することが求められている。
【0004】これらの要望に対して、チョークコイル、
トランス等の磁性素子に用いられる磁性材料としてはフ
ェライト軟磁性材料や金属磁性材料が挙げられる。しか
し、フェライト軟磁性材料は金属磁性材料に比べて飽和
磁束密度が低いために磁気飽和によるインダクタンスの
低下が大きく、直流重畳特性が劣るという課題を有して
いる。そのため、通常はコアの磁路を妨げる垂直方向に
ギャップを設けて、見掛けの透磁率を下げて使用するこ
とが行われている。しかしながら、このようなギャップ
の形成は振動によるノイズ音の発生源となったり、さら
に透磁率を下げても飽和磁束密度は低いままであるため
直流重畳特性は金属磁性材料より悪いといった問題点が
ある。
【0005】一方、金属磁性材料はフェライト材料に比
べて飽和磁束密度が著しく大きいという特性を有してい
るので直流重畳特性は優れている。しかしながら、構成
材料が金属であることから固有抵抗が低いために数百k
Hz〜MHzの高周波領域では渦電流損失が大きくな
り、そのままでは使用することができないという欠点が
ある。
【0006】そのために金属磁性材料を粉末化したもの
を用い、粉末粒子間の絶縁処理を施し、加圧成形して圧
粉磁芯として使用されている。この圧粉磁芯として良好
な磁気特性を得るためには絶縁処理された金属磁性粉末
の充填率を高める必要があり、数トン/cm2〜20ト
ン/cm2での高圧成形を行う必要がある。このとき、
高圧成形時に導入される加圧歪みにより磁気特性は著し
く低下する。この低下した磁気特性を改善する対策とし
て、焼鈍という熱処理を成形後にすることによって歪み
を開放する作業が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
金属磁性粉末と絶縁性結着剤から構成され加圧成形後熱
処理を施した複合磁性材料は、通常10トン/cm2
上の高圧成形した場合においても最終製品の成形密度は
理論密度に対しては未だに十分ではなく、高周波領域で
のコア損失、透磁率ともに小型、大電流に対応できる磁
性素子用の複合磁性材料としては充分満足できる特性を
得ることが困難であった。
【0008】特にFe−Si系軟磁性合金材料におい
て、Siの添加は磁気異方性、磁歪定数を小さくし、固
有抵抗を高めることから渦電流損失を低減させる効果が
あるので磁気特性の向上には有効である。この軟磁性合
金材料を軟磁性合金粉末として用いて加圧成形する時、
Siの添加は材料の硬度を高めてしまうことになり塑性
変形性を低下させる。
【0009】その結果として成形体の高密度化が困難と
なり、優れた磁気特性を有する圧粉磁芯を実現すること
が困難であった。
【0010】又、Fe−Si−Al系軟磁性合金材料に
おいてもSi,Alを添加することにより軟磁気特性を
改善するものであるが、前記Fe−Si系軟磁性合金材
料より硬度がさらに高くなり、圧粉磁芯の高密度化がよ
り困難となっている。
【0011】次にFe−Ni系軟磁性合金材料において
はFe−Si−Al系、Fe−Si系と比較して硬度は
低いものの、被成形物中における合金粉末の充填率とし
ては満足のいくものではなかった。
【0012】本発明は上記従来の技術における課題を解
決し、高周波領域においても低いコア損失で良好な直流
重畳特性を有する複合磁性材料を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は以下の構成を有するものである。
【0014】本発明の請求項1に記載の発明は、軟磁性
合金粉末と絶縁材とガラス転移点が0℃以下であるアク
リル樹脂を結着剤として含み、加圧成形した複合磁性材
料であり、これにより複合磁性材料において粉末粒子間
絶縁及び高密度化が可能となり、高周波領域においても
低いコア損失、優れた直流重畳特性を実現することがで
きる。
【0015】本発明の請求項2に記載の発明は、軟磁性
合金粉末がFe−Si系、Fe−Ni系、Fe−Si−
Al系の少なくとも1種から選ばれる請求項1に記載の
複合磁性材料であり、これにより良好な軟磁気特性を実
現することができる。
【0016】本発明の請求項3に記載の発明は、被成形
物中における軟磁性合金粉末の充填率が体積換算で85
%以上である請求項1に記載の複合磁性材料であり、こ
れにより低損失、良好な透磁率を実現することができ
る。
【0017】本発明の請求項4に記載の発明は、軟磁性
合金粉末の平均粒径が1〜100μmである請求項1に
記載の複合磁性材料であり、これにより高周波数でも低
いコア損失、良好な透磁率を実現することができる。
【0018】なお、本発明における平均粒径とは、粒径
が小さなものからカウントしていき、積算が全体の50
%となったときの粒子径を意味する。
【0019】本発明の請求項5に記載の発明は、軟磁性
合金粉末の酸素含有量が4500ppm以下である請求
項1に記載の複合磁性材料であり、これにより優れた軟
磁気特性を実現することができる。
【0020】本発明の請求項6に記載の発明は、絶縁材
が絶縁性の酸化物からなる請求項1に記載の複合磁性材
料であり、高周波領域でのコア損失が小さい磁性素子を
実現することができる。
【0021】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
1に記載の被成形物を非酸化性雰囲気中で700〜10
00℃の温度で熱処理する複合磁性材料の製造方法であ
り、軟磁気特性に優れた磁性素子の製造方法を実現する
ことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明の複合磁性材料及びそ
の製造方法に関する実施の形態について説明する。
【0023】(実施の形態1)以下、実施の形態1を用
いて本発明の請求項1〜3、5、6の発明について説明
する。
【0024】本発明における複合磁性材料は軟磁性合金
粉末に絶縁材とガラス転移点が0℃以下であるアクリル
樹脂を結着剤として混合して加圧成形したものであり、
その被成形物を非酸化性雰囲気中にて700〜1000
℃で熱処理したものである。
【0025】本発明における熱処理とは、加圧成形時に
軟磁性合金粉末に導入される加工歪みによる磁気特性の
低下を防ぐものであり、加工歪みの開放が目的である。
この加工歪みを開放するための熱処理温度としてはより
高温とする方が好ましい。しかしながらあまり温度を上
げすぎると軟磁性合金粉末の粒子間絶縁が不充分となり
渦電流損失が増大するという課題が大きくなる。そのた
めに軟磁性合金粉末の粒子間の焼結反応が起こらない温
度以下で熱処理することが重要である。
【0026】次に、軟磁性合金粉末を用いて圧粉磁芯を
作製する場合、セラミック材料などの製造プロセスとは
異なり、粉体成形物の焼成収縮等による緻密化の過程が
無く、成形体密度がほぼ最終製品の密度となるので圧粉
磁芯の高密度化には高圧成形により軟磁性合金粉末を十
分塑性変形させることが必要であった。
【0027】しかしながら本発明に用いられるFe−S
i系合金は軟磁気特性の改善を目的としてSiを添加し
たものであるが、このSiが添加された軟磁性合金粉末
の硬度は高くなってしまうことから塑性変形性があまり
良くないという課題を有している。
【0028】このために圧粉磁芯の高密度化を図ること
が難しく、優れた磁気特性を実現することが困難であっ
た。またFe−Si−Al系軟磁性合金、Fe−Ni系
軟磁性合金においても塑性変形性、軟磁性合金粉末の充
填性としては満足のいくものではなかった。
【0029】そこで磁気特性の改善を目的に鋭意検討を
行った結果、本発明では結着剤の可塑性を高めることに
より、硬く塑性変形しにくい軟磁性合金粉末においても
成型性を改善することによって高密度化が図れることを
見出した。すなわち、可塑性が良好なアクリル樹脂にお
いてさらにガラス転移点を0℃以下とすることにより最
も高密度化が図れることにより、被成形物に対する軟磁
性合金粉末の充填率を体積換算で85%以上とすること
が可能となった。また結着剤と絶縁材を複合添加するこ
とにより加圧成形後の歪み開放を目的とした熱処理後も
合金粉末間絶縁を十分保つことが可能である。
【0030】本発明に用いられる軟磁性合金粉末はFe
−Si系、Fe−Ni系、Fe−Si−Al系から選ば
れる少なくとも1種であるときに、コア損失の少ない直
流重畳特性に優れた複合磁性素子を実現することができ
る。
【0031】本発明に用いられるFe−Si系軟磁性合
金粉末はSiの含有量が1wt%以上8wt%以下であ
り、残部がFe及び不可避な不純物からなる軟磁性合金
粉末組成とするときに最も軟磁気特性の優れた圧粉磁芯
とすることができる。前記不可避な不純物としてはM
n,Cr,Ni,P,S,Cなどが減量中に混入してい
る。そして本発明におけるSiの役割は軟磁気特性を向
上させるものであり、磁気異方性、磁歪定数を小さく
し、また電気抵抗を高めることにより渦電流損失を低減
させる効果がある。Si添加量が1wt%より少ないと
軟磁気特性の改善効果に乏しく、8wt%より多いと飽
和磁束密度の低下が大きく直流重畳特性が低下する。
【0032】又、本発明に用いられるFe−Ni系軟磁
性合金粉末はNiの含有量が40wt%以上90wt%
以下であり、残部がFe及び不可避な不純物からなるも
のである。本発明におけるNiの役割は軟磁気特性を向
上させるものであり、Ni添加量が40wt%より少な
いと軟磁気特性の改善効果に乏しく、90wt%より多
いと飽和磁束密度の低下が大きくなり直流重畳特性が低
下する。
【0033】更に、本発明に用いられるFe−Si−A
l系軟磁性合金粉末はSiの含有量が8wt%以上12
wt%以下、Alの含有量が4wt%以上6wt%以下
であり、残部がFe及び不可避な不純物からなるもので
ある。本発明におけるSi,Alの役割は軟磁気特性を
向上させるものであり、上記組成範囲とすることが好ま
しい。Si,Alの添加量が上記組成範囲より少ないと
軟磁気特性の改善効果に乏しく、上記組成範囲より多い
と飽和磁束密度の低下が大きく直流重畳特性が低下す
る。
【0034】次に、本発明における絶縁材としては絶縁
性の酸化物を形成するものが好ましく、シラン系、チタ
ン系、クロム系等カップリング剤、シリコーン樹脂、又
SiO2,TiO2,Al23等金属酸化物粉末などが挙
げられるが、より好ましくは安価で分散性の良い、シラ
ン系、チタン系、クロム系等カップリング剤、シリコー
ン樹脂である。
【0035】本発明における複合磁性材料は被成形物中
の軟磁性合金粉末の充填率が体積換算で85%以上であ
り、より好ましくは87%以上である。
【0036】この充填率が85%より低いと磁気特性が
低く、コア損失が大きくなり、直流重畳特性が悪くな
る。
【0037】又、本発明に用いられる軟磁性合金粉末の
酸素含有量としては4500ppm以下が好ましい。酸
素含有量が4500ppmより多いと磁気特性の低下が
著しく、より好ましい酸素含有量は4000ppm以下
である。
【0038】以下に、本発明の内容を詳細に説明する。
【0039】平均粒径が21μmで、(表1)に示す組
成を有するFe−Si系軟磁性合金粉末を用意した。こ
のFe−Si系軟磁性合金粉末には通常2000〜40
00ppmの酸素が含まれている。そしてこの軟磁性合
金粉末に対して0.3重量部のシリコーン樹脂を絶縁材
として添加混合した後、(表1)に示すガラス転移点を
有するアクリル樹脂1.2重量部を結着剤として添加混
合したコンパウンドを作製した。
【0040】又、比較例としてシリコーン樹脂を無添加
のコンパウンドも作製した。このようにして得られたコ
ンパウンドを用い、室温にて成形圧力:12ton/c
2で加圧成形を行うことによってトロイダルコアを作
製し、その後窒素雰囲気中にて820℃で1hの熱処理
を行い、圧粉磁芯を作製した。得られた圧粉磁芯につい
て直流重畳特性、コア損失特性について測定評価を行っ
た。直流重畳特性については印加磁場:50Oe、周波
数:100kHzにおける透磁率をLCRメータにて測
定して評価した。コア損失特性は交流B−Hカーブ測定
機を用いて測定周波数:100kHz、測定磁束密度:
0.1Tで測定を行った。その評価結果を(表1)に示
す。
【0041】(表1)より、Siの含有量が1wt%以
上8wt%以下であり残部がFe及び不可避な不純物か
らなり、且つ酸素濃度が4500ppm以下であるFe
−Si系軟磁性合金粉末を用い、結着剤としてガラス転
移点が0℃以下のアクリル樹脂を絶縁材と複合添加する
ことにより、被成形物中のFe−Si系軟磁性合金粉末
の充填率を85%以上とすることが可能であり、かつ熱
処理後においても軟磁性合金粉末間絶縁が十分であり、
優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことが分か
る。
【0042】このFe−Si系軟磁性合金粉末を用いて
圧粉磁芯を作製することにより安価で量産性に優れた複
合磁性材料を実現することができる。
【0043】
【表1】
【0044】次に、平均粒径が14μmで、合金組成が
重量%で54.35Fe−45.50Ni−0.15O
のFe−Ni系軟磁性合金粉末を用意した。用意した軟
磁性合金粉末に対して、0.4重量部のシリコーン樹脂
を絶縁材として添加混合した後、(表2)に示すガラス
転移点を有するアクリル樹脂1.0重量部を結着剤とし
て添加混合し、コンパウンドを作製した。得られたコン
パウンドを用い成形圧力:8ton/cm2で加圧成形
を行うことによってトロイダルコアを作製し、その後窒
素雰囲気中にて780℃で1hの熱処理を行い、圧粉磁
芯を作製した。得られた圧粉磁芯について直流重畳特
性、コア損失特性について評価を行った。測定の条件は
上記Fe−Si系軟磁性合金粉末の時と同じ条件にて測
定評価した。
【0045】その結果を(表2)に示す。(表2)よ
り、Fe−Ni系軟磁性合金粉末を用いた場合において
も良好な直流重畳特性、低いコア損失を示すことが分か
る。
【0046】
【表2】
【0047】更に、平均粒径が37μmで、合金組成が
重量%で85.57Fe−9.50Si−4.80Al
−0.13OのFe−Si−Al系軟磁性合金粉末を用
意した。用意した軟磁性合金粉末に対して、0.2重量
部のシリコーン樹脂を絶縁材として添加混合した後、
(表2)に示すガラス転移点を有するアクリル樹脂1.
3重量部を結着剤として添加混合し、コンパウンドを作
製した。得られたコンパウンドを用いて成形圧力:15
ton/cm2で加圧成形を行うことによってトロイダ
ルコアを作製し、窒素雰囲気中にて750℃で1hの熱
処理を行い、圧粉磁芯を作製した。得られた圧粉磁芯に
ついて直流重畳特性、コア損失特性について上記と同じ
条件にて測定、評価を行った。その評価結果を(表3)
に示す。
【0048】(表3)より、Fe−Si−Al系軟磁性
合金粉末を用いた本発明においても良好な直流重畳特
性、低いコア損失を示すことが分かる。
【0049】
【表3】
【0050】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
より本発明の請求項4に記載の発明について説明する。
【0051】本発明に用いられるFe−Si系軟磁性合
金粉末の組成が重量%で95.16Fe−4.20Si
−0.32Oであり、(表4)に示す平均粒径のFe−
Si系軟磁性合金粉末を用い、粉末に対しシリコーン樹
脂を0.2重量部、ガラス転移点が−10℃のアクリル
樹脂を1.4重量部添加混合しコンパウンドを作製し
た。得られたコンパウンドを用いて12ton/cm2
の成形条件にて加圧成形を行ってトロイダルコアを作製
し、窒素ガス中にて750℃で1h熱処理し圧粉磁芯を
作製した。得られた圧粉磁芯の直流重畳特性、コア損失
特性について実施の形態1と同じ測定方法で評価を行っ
た。評価結果を(表4)に示す。
【0052】
【表4】
【0053】(表4)より、平均粒径が1〜100μm
において、低損失な軟磁気特性を示すことがわかる。
【0054】すなわち、平均粒径としては1.0μm以
上100μm以下が好ましい。それは平均粒径が1.0
μmより小さいと高い成形密度が得られないために透磁
率が低下することになり好ましくない。また平均粒径が
100μmより大きくなると高周波域において渦電流損
失が大きくなるので好ましくない。より好ましくは1〜
50μmにおいて優れた軟磁気特性の複合磁性材料を得
ることができる。
【0055】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
より本発明の請求項7に記載の発明について説明する。
【0056】本発明の熱処理は加圧成形後に発生する加
工歪みの開放を目的に行うものであり、非酸化性雰囲気
中にて700〜1000℃の温度範囲で行うことが好ま
しい。これは700℃より低いと歪みの開放が不充分と
なり良好な軟磁気特性が得られず、1000℃より高い
と軟磁性合金粉末間の絶縁を十分に保つことができず渦
電流損失の増大を引き起こすことになるからである。
【0057】合金組成が重量%で94.6Fe−5.2
Si−0.2Oの軟磁性合金粉末を用い、この軟磁性合
金粉末に対してシランカップリング剤0.4重量部を絶
縁材として添加し、ガラス転移点が−20℃のアクリル
樹脂1.0重量部を結着剤として添加混合してコンパウ
ンドを作製した。
【0058】得られたコンパウンドを用いて成形圧力:
12ton/cm2の成形条件にて加圧成形を行ってト
ロイダルコアを作製し、窒素中にて(表5)に示す温度
にて45分間の熱処理を行った。得られた圧粉磁芯の直
流重畳特性、コア損失特性について、実施の形態1と同
じ方法を用いて測定評価を行った。その評価結果を(表
5)に示す。
【0059】
【表5】
【0060】(表5)より、加圧成形後700〜100
0℃の温度範囲域にて熱処理することにより良好な直流
重畳特性、低いコア損失を有する複合磁性材料の製造方
法を実現することができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば直
流重畳特性、コア損失などの軟磁気特性に優れた複合磁
性材料及びその製造方法を提供することが可能となり、
小型で大電流及び高周波領域で使用可能な磁性素子を実
現することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 AA26 AA30 BA14 CA09 FA09 KA43 5E041 AA02 AA04 AA07 AC05 BC05 BC08 CA01 HB14 HB17 NN06 NN18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性合金粉末と絶縁材とガラス転移点
    が0℃以下であるアクリル樹脂を結着剤として含み、加
    圧成形した複合磁性材料。
  2. 【請求項2】 軟磁性合金粉末がFe−Si系、Fe−
    Ni系、Fe−Si−Al系の少なくとも1種から選ば
    れる請求項1に記載の複合磁性材料。
  3. 【請求項3】 被成形物中における軟磁性合金粉末の充
    填率が体積換算で85%以上である請求項1に記載の複
    合磁性材料。
  4. 【請求項4】 軟磁性合金粉末の平均粒径が1〜100
    μmである請求項1に記載の複合磁性材料。
  5. 【請求項5】 軟磁性合金粉末の酸素含有量が4500
    ppm以下である請求項1に記載の複合磁性材料。
  6. 【請求項6】 絶縁材が絶縁性の酸化物からなる請求項
    1に記載の複合磁性材料。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の被成形物を非酸化性雰
    囲気中で700〜1000℃の温度で熱処理する複合磁
    性材料の製造方法。
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