JP7096220B2 - 圧粉成形体及び圧粉成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
絶縁被膜形成工程は、軟磁性粉末の粒子表面に絶縁被膜を形成する工程である。本実施形態の絶縁被膜形成工程においては、具体的に、軟磁性粉末に、シランカップリング剤及びシリコーンレジンを添加し混合させ、乾燥させることで、軟磁性粉末の粒子表面にシランカップリング及びシリコーンレジンの混合物から成る絶縁被膜が形成される。乾燥温度としては、100℃以上300℃以下であることが好ましい。また、乾燥時間は、乾燥温度によっても異なるが、例えば、2時間程度である。なお、シランカップリング剤とシリコーンレジンの添加方法は、シランカップリング剤とシリコーンレジンを混合した上で軟磁性粉末に添加して混合させてもよいし、まず軟磁性粉末にシランカップリング剤を添加し、その後シリコーンレジンを添加して混合させてもよい。
保形被膜形成工程は、絶縁被膜の表面にアクリル樹脂を被覆させる工程である。絶縁被膜を形成した軟磁性粉末にアクリル樹脂を混合し、乾燥させることで絶縁被膜の表面にアクリル樹脂から成る保形被膜が形成される。乾燥温度としては、25℃以上150℃以下、望ましくは60℃以上150℃以下であることが好ましい。乾燥時間は、乾燥温度によっても異なるが、例えば、2時間程度である。アクリル樹脂から成る保形被膜で被覆することで、粉末間の結着力が向上し、保形性が向上する。
潤滑剤混合工程では、アクリル樹脂で被覆された軟磁性粉末に対し、潤滑剤を添加し、混合する工程である。潤滑剤として、ステアリン酸及びその金属塩並びにエチレンビスステアルアミド、エチレンビスステアラマイド、エチレンビスステアレートアミドなどのワックスが使用できる。潤滑剤の添加量は、軟磁性粉末に対して、0.1wt%~0.6wt%程度であることが好ましい。潤滑剤を添加することで、軟磁性粉末間の滑りをよくすることができるので、成形密度を向上させることができる。なお、さらに好ましくは、潤滑剤の添加量は、軟磁性粉末に対して、0.2wt%~0.5wt%程度である。この範囲にすることで、軟磁性粉末間の滑りをより向上させることができる。
プレス成形工程では、絶縁被膜及び保形被膜が形成された軟磁性粉末を加圧成形することにより、成形体を形成する。成形時の圧力は10~20ton/cm2であり、平均で12~15ton/cm2程度が好ましい。本工程を経ることで、圧粉成形体が作製される。
熱処理工程では、成形工程を経た圧粉成形体に対して、N2ガス中、N2+H2ガス非酸化性雰囲気中又は大気中にて、600℃以上且つ軟磁性粉末に被覆した絶縁被膜が破壊される温度(例えば、900℃とする)以下で、熱処理を行う。この熱処理工程を経ることで圧粉磁心が作製される。
(アクリル樹脂のガラス転移点Tgによる比較)
第1の実施例について、説明する。第1の実施例では、保形被膜となるアクリル樹脂の種類を変えて、試料となる圧粉成形体を作製した。この圧粉成形体は下記のように作製した。
平均粒子径(メジアン径(D50))が25μmのFeSiAl合金粉末に対して、シランカップリング剤を0.5wt%、シリコーンレジンを1.5wt%、混合した。その後、乾燥温度150℃で2時間乾燥させ、凝集を解消する目的で目開き250μmの篩に通した。
絶縁被膜形成工程によりシランカップリング剤及びシリコーンレジンで被覆されたFeSiAl合金粉末に、表1に示す5種類のアクリル樹脂A~Eを0.50wt%混合した。その後、乾燥温度110℃で2時間乾燥させ、凝集を解消する目的で目開き250μmの篩に通した。
保形被膜形成工程によりアクリル樹脂で更に被覆されたFeSiAl合金粉末に、粉末状の潤滑剤(Acrawax(登録商標))を0.4wt%添加、混合した。
潤滑剤混合工程を経たFeSiAl合金粉末を、金型を用いて、室温において加圧成形を行い、外径16.5mm、内径11.0mm、高さ5.0mmの各圧粉成形体を得た。加圧成形の圧力は、15ton/cm2で行った。
(アクリル樹脂の添加量による比較)
第2の実施例について説明する。第2の実施例は、保形被膜として表1に示すアクリル樹脂Aのみを用いて、アクリル樹脂Aの添加量を変えて圧粉成形体を作製した。アクリル樹脂の添加量は、表3に示すように0.00wt%~2.00wt%とした。圧粉成形体の作製方法は、第1の実施例と同様である。そして、第1の実施例と同様の方法で、圧粉成形体の重量及び粉砕量を測定した。
(アクリル樹脂の添加量と鉄損の比較)
第3の実施例は、保形被膜として表1に示すアクリル樹脂Cを用いて圧粉成形体を作製した。アクリル樹脂の添加量は、表4に示すように0.00wt%~3.00wt%とした。また、第3の実施例で使用した軟磁性粉末は、平均粒子径(メジアン径(D50))が19μmのFeSiAl合金粉末を使用した。試料となる圧粉成形体の作製方法は、第1の実施例と同様である。
Ph =Kh×f・・(2)
Pe =Ke×f2・・(3)
Pcv:鉄損
Kh :ヒステリシス損失係数
Ke :渦電流損失係数
f :周波数
Ph :ヒステリシス損失
Pe :渦電流損失
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
Claims (6)
- 軟磁性粉末と、
前記軟磁性粉末の粒子表面を覆う絶縁被膜と、
前記絶縁被膜の表面を被覆し、アクリル樹脂から成る保形被膜と、
を備え、
前記アクリル樹脂の添加量は、前記軟磁性粉末に対して0.5wt%以上0.75wt%以下であり、
前記アクリル樹脂のガラス転移点は、15度以上45度以下であること、
を特徴とする圧粉成形体。 - 前記アクリル樹脂のガラス転移点は、33度以下であること、
を特徴とする請求項1に記載に圧粉成形体。 - プレス成形された際に、プレスされる端面であるプレス面を備え、
前記プレス面は、段差を有すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の圧粉成形体。 - 前記軟磁性粉末は、非晶質軟磁性粉末、FeSiAl合金又はナノ結晶合金であること、
を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の圧粉成形体。 - 目開き850μmの篩の上に圧粉成形体を載せて、30秒間振動を与えた場合に、前記圧粉成形体が粉砕した重量の割合が、当該圧粉成形体の重量に対して6.7%以下であること、
を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の圧粉成形体。 - 軟磁性粉末の粒子表面に絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
前記絶縁被膜形成工程によって絶縁被膜が形成された軟磁性粉末にアクリル樹脂を添加し、前記絶縁被膜の表面を前記アクリル樹脂で被覆する保形被膜形成工程と、
前記保形被膜形成工程を経た前記軟磁性粉末を加圧成形する成形工程と、
を備え、
前記保形被膜形成工程において、
前記アクリル樹脂の添加量は、前記軟磁性粉末に対して0.5wt%以上0.75wt%以下であり、
前記アクリル樹脂のガラス転移点は、15度以上45度以下であること、
を特徴とする圧粉成形体の製造方法。
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