JP2003347012A - セラミックヒータおよびその製造方法 - Google Patents
セラミックヒータおよびその製造方法Info
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Abstract
ロウ材上に大きなガラス粒子があると、セラミックヒー
タ使用時の熱サイクルによってはロウ材の上に形成した
メッキ層に隙間が生成し、ロウ材が酸化して、リード部
材のロウ付け強度が低下するという問題があった。 【解決手段】表面に電極パッド4を形成したセラミック
体2中に、電極パッド4に接続した発熱抵抗体3を内蔵
し、電極パッド4に不純物としてSiを含有するロウ材
層6を介して金属製のリード部材7を接合するととも
に、ロウ材層6の表面にメッキ層5を形成して成るセラ
ミックヒータ1において、ロウ材層6の表面にSiを主
成分とする最大径が100μm以下のガラス粒子11が
析出していることを特徴とするセラミックヒータであ
る。
Description
検知センサ加熱用ヒータや気化器用ヒータ、半田ごて用
ヒータなどに使用するセラミックヒータ及びその製造方
法に関するものである。
の自動車用のヒータとして図3(a)に示すようなセラ
ミックヒータ21が多用されており、例えば、アルミナ
を主成分とするセラミック体22中に、W、Re、Mo
等の高融点金属からなる発熱抵抗体23を内蔵し、電極
パッド24を介してリード部材27が接合されている
(特開平5−34313号、特開平5−161955号
公報等参照)。
場合は、図3(b)に示すようにセラミック芯材20と
セラミックシート28を用意し、セラミックシート28
の一方面にW、Re、Mo等の高融点金属のペーストを
印刷して発熱抵抗体23と電極引出部23aを形成した
後、これらを形成した面が内側となるようにセラミック
シート28を上記セラミック芯材30の周囲に巻付け、
全体を焼成一体化することによりセラミックヒータ11
としていた。
23に電極引出部23aが接続され、該電極引出部23
aの末端にスルーホール(不図示、以下同じ)が形成さ
れ裏面の電極パッド24と該電極引出部23aが接続さ
れている。スルーホールには、必要に応じて導体ペース
トが注入される。
辺の部分断面図のように、セラミックヒータ21は側面
に露出した電極パッド24の表面にはNiからなるメッ
キ層25が形成され、該メッキ層25の表面にロウ材2
6を介してリード部材27が接合され、このリード部材
27から通電することにより発熱抵抗体23が発熱する
仕組みである。
するため、ロウ材26の表面にはNiからなるメッキ層
25が形成されており、メッキ層25を形成した後の熱
処理やリード部材27をロウ付けする際の熱処理は、ロ
ウ材26が酸化しないように還元雰囲気で熱処理してい
た。
合、水蒸気を含まないため熱処理後のセラミック体22
の表面に黒ずんだ汚れ等が付着し、この付着物は洗浄し
ても完全に除去することが難しいため、外観不良や、酸
素センサ内部に用いるセラミックヒータの場合には、使
用中にこの付着物が剥離し、酸素センサ内部に形成され
ているPt電極と反応してセンサ特性を劣化させる恐れ
があった。
た還元雰囲気中で熱処理を施すことによって、H2O−
H2の化学平衡における乖離酸素分圧によってセラミッ
クヒータ21に付着したカーボン残さを燃焼除去するこ
とができる。
を含有した還元雰囲気中で熱処理を施した場合、上記電
極パッド24の表面に形成するメッキ層25およびロウ
材26の表面にはガラス粒子が析出してくる。
びロウ材25、リード部材26に含まれる不純物である
Siがリード部材26から沁み出してきて酸化したも
の、即ち、ロウ材中の酸素と珪素の相互拡散において、
ロウ材中の珪素の拡散速度がロウ材中の酸素の拡散速度
より大きいため、ロウ材の表面に珪素の酸化物が析出す
るものと考えられます。また、ロウ材26に不純物とし
て含むSiがロウ付け処理の際に水蒸気を含有した還元
雰囲気中で熱処理を施すので、還元雰囲気中の平衡酸素
分圧によりSiが酸化して表面に析出してガラスが生成
してきたとも考えられる。
てくるガラスが多くなると、ロウ材26の表面に形成す
るメッキ層25がロウ材26の表面全体を覆うことがで
きなくなり、使用中の熱サイクルによりガラスとメッキ
の間に隙間が生成し、この隙間から空気が拡散すること
によりロウ材26が酸化してロウ材26の接着強度が劣
化し、リード部材27のロウ付け強度を低下させるとい
う欠点を有していた。
Ag−Cu系のロウ材26の表面にガラス31がある
と、セラミックヒータ使用中の熱サイクルにより、ロウ
材26の中に存在するCuのような酸化しやすい成分が
酸化し始め、Cuの酸化物からなる針状の結晶26aが
表面に析出するような反応がおこり、これがロウ材26
の内部まで浸透し、そこが起点となってリード部材27
が剥離するという問題があった。
厳しくなり、空燃比制御用に使用する酸素センサの立ち
上がり速度を早くする必要が生じ、このためセラミック
ヒータの立ち上がり特性を早くすることが必要となっ
た。このため、セラミックヒータの使用温度が高くなっ
たため、このような問題が顕著になった。
タについては、高い信頼性が要求されるため、1000
本中1本でも上記のような不良が発生することは好まし
くない。
ものであり、本発明の目的は、セラミックヒータの電極
パッドから酸化するのを抑制するとともに、ロウ材の接
合強度を向上させることで耐久性が良好なセラミックヒ
ータを提供することにある。
タは、発熱抵抗体を内蔵して成るセラミック体の表面
に、前記発熱抵抗体に接続した電極パッドを形成し、前
記電極パッドに不純物としてSiを含有したロウ材層を
介して金属製のリード部材を接合するとともに、少なく
とも前記ロウ材層の表面にメッキ層を形成して成るセラ
ミックヒータにおいて、前記ロウ材層の表面にSiO2
を主成分とする最大径が100μm以下のガラス粒子が
析出していることを特徴とするセラミックヒータを提供
する。
ク体の表面に、前記発熱抵抗体に接続した電極パッドを
形成し、水蒸気を含有する還元雰囲気中で前記電極パッ
ドに不純物としてSiを含有したロウ材を介して金属製
のリード部材を接合した後、該ロウ材にメッキ層を形成
して成るセラミックヒータの製造方法において、前記メ
ッキ層を形成する前に前記ロウ材表面を弾性体により摺
擦する工程を備えたことを特徴とするセラミックヒータ
の製造方法を提供する。
ッドとリード部材とを接合する還元雰囲気中の水蒸気分
圧を660〜5360Paとしても良い。
ク体の表面に、前記発熱抵抗体に接続した電極パッドを
形成し、水蒸気を含有する還元雰囲気中で前記電極パッ
ドに不純物としてSiを含有したロウ材を介して金属製
のリード部材を接合した後、該ロウ材にメッキ層を形成
して成るセラミックヒータの製造方法において、前記電
極パッドとリード部材とを接合する還元雰囲気中の水蒸
気分圧を660〜5360Paとすることを特徴とする
セラミックヒータの製造方法であっても良い。
の実施形態を図面に基づいて説明する。
施形態を示すものであり、図1(a)はセラミックヒー
タ1の部分切り欠き斜視図であり、(b)は、そのセラ
ミック体2部分の展開図である。
(a)に示すようにセラミック体2中に発熱抵抗体3を
内蔵し、発熱抵抗体3に通電する電極パッド4をセラミ
ック体2の表面に備え、電極パッド4にメッキ層5を形
成するとともに、ロウ材層6を介してリード部材7が接
合されている。また、セラミック体2は、同図(b)に
示すようにセラミックシート8の表面に、発熱抵抗体3
と電極引出部3aが形成され、さらに、その裏面側に形
成される電極パッド4との間をスルーホール9で接合し
た構造となっている。こうして、セラミック体2は準備
されたセラミックシート8をセラミック芯材10に発熱
抵抗体3が内側になるように密着焼成することによって
発熱抵抗体3を内蔵することになる。
8は、アルミナ質セラミックス、窒化珪素質セラミック
ス、窒化アルミニウム質セラミックス、炭化珪素質セラ
ミックス等の各種セラミックスからなり、特に、アルミ
ナセラミックスからなることが好ましく、例えば、Al
2O3を88〜95重量%、SiO2を2〜7重量%、C
aOを0.5〜3重量%、MgOを0.5〜3重量%、
ZrO2を1〜3重量%からなるアルミナセラミックス
を用いることが好ましい。Al2O3含有量は88重量%
未満となると、ガラス質が多くなるため通電時のマイグ
レーションが大きくなる恐れがある。一方、Al2O3含
有量を95重量%を超えると、セラミック体2中に内蔵
された発熱抵抗体4の金属層内に拡散するガラス量が減
少し、セラミックヒータ1の耐久性が劣化する恐れがあ
る。
外径が2〜20mm、長さが40〜200mm程度の円
柱状で、自動車の空燃比センサ加熱用に用いる場合に
は、外径が2〜4mm、長さが40〜65mmとするこ
とが好ましい。
高融点金属を主成分とするものであり、図1(c)に示
すように発熱抵抗体3のパターンに欠陥bが生じた場
合、その欠陥部分の幅tがパターン幅Tの1/2以下と
することが好ましい。これは、上記欠陥の幅tがパター
ン幅Tの1/2を越えると、この部分で局部発熱し、発
熱抵抗体3の抵抗値が大きくなり耐久性が劣化するため
である。
抗体3をプリント形成する時に、プリント製版にゴミが
付着したためパターンが欠けてしまったり、異物が混入
し焼成時に焼失したりすることにより発生するものと思
われる。プリントや密着工程で、生のセラミックグリー
ンシート3を取り扱う工程があるが、この工程の清浄度
を向上させるとともに、万一の欠陥の発生に関して、上
記寸法以上の欠陥を取り除くための検査工程の整備が重
要である。
には、上記発熱抵抗体3の発熱長さが3〜15mmとな
るようにすることが好ましい。この発熱長さが3mmよ
り短くなると、通電時の昇温を早くすることができる
が、セラミックヒータ1の耐久性を低下させる。一方、
15mmより長くすると昇温速度が遅くなり、昇温速度
を早くしようとするとセラミックヒータ1の消費電力が
大きくなる。なお、上記発熱長さとは、図1(b)で示
す発熱抵抗体3における往復パターンの部分の長さfを
示す。この発熱長さfは、用途により種々選択されるも
のである。
極引出部3aが形成されており、図2の部分拡大図のよ
うに、発熱抵抗体3の端部に形成された電極引出部3a
にはスルーホール9を介して発熱抵抗体3に通電するた
めの上記電極パッド4に接続されている。
ク体2上に形成し、その材質は、W、Mo、Re等の高
融点金属を主成分とするメタライズ層からなり、その表
面にメッキ層5を形成しても良い。電極パッド4にメッ
キ層5を形成することにより、ロウ材層6の流れを良く
し、ロウ付け強度を向上させる作用をなす。メッキ層5
の材質としては、Ni、Cr、もしくはこれらを主成分
とする複合材料等からなり、1〜5μmの厚みで形成さ
れる。
て説明する。(a)は、本発明のセラミックヒータ1の
ロウ付構造を示す斜視図であり、(b)は、そのロウ材
層6の表面部分を拡大した部分拡大図であり、(c)は
ガラス粒子11がロウ材層6の表面に付着した状態を示
す断面図である。
u、Au−Cu、Ag、Cu、Au等を主成分とし、必
要に応じてバインダとなる樹脂や活性金属であるTi、
Mo、V等の金属を含有するロウ材が用いられ、水蒸気
を含有する還元雰囲気中で硬化させて形成されている。
ロウ材層6の表面に析出するガラス粒子11の最大径h
が100μm以下であることが重要である。
るように、製造工程においてリード部材7を電極パッド
4に水蒸気を含有する還元雰囲気中でロウ付けする。本
発明では、このロウ付けの際に、ロウ材層6中に不純物
として含有されるSiやSiを主成分とするその他の金
属酸化物等がロウ材層6の表面に析出してくる。これら
を本発明でいうガラス粒子11と呼ぶ。このガラス粒子
11は、主としてSiO2からなり透明で非晶質であ
り、ロウ材11の色々な部分の表面に楕円状若しくは略
ドーム状の形状で析出してくる。
m以下にすることにより、ロウ材層6の表面にガラス粒
子11が析出してもロウ材層6の上に形成するメッキ層
5に生成する欠陥の発生を抑制し、これにより使用中の
熱サイクルによるロウ材層6の酸化を防止することを鋭
意検討の結果、本願発明者が見い出したものである。こ
こで、ガラス粒子11の最大径とは、形状が楕円状であ
る場合には長径をいい、略ドーム状である場合は、ガラ
ス粒子11を真上から見た場合の投影図における長径を
いう。
越えると図2(c)に示すようにメッキ層5からガラス
粒子11が突出し、使用中の熱サイクルによりガラス粒
子11のメッキ層5の間に隙間が発生し、この隙間から
空気が拡散してロウ材層6が酸化し、リード部材7の引
張強度を低下させてしまうので好ましくない。さらに好
ましくは、ガラス粒子11の最大径hを30μm以下、
特に10μm以下にすることが好ましくリード部材7の
引張強度の耐久性を向上させることができる。
としては、金属顕微鏡、メジャースコープ、電子顕微鏡
等の装置を使用して、任意のエリアを観察することによ
り測定することができる。なお、精度を高めるために
も、測定エリアを複数増やすことが好ましい。
u−Cu、Au−Ni、Ag、Ag−Cu系のロウ材に
より形成され、Au−CuロウはAu含有量が25〜9
5重量%、Au−NiロウとしてはAu含有量が50〜
95重量%とすると、ロウ付け温度を1000℃程度に
設定でき、ロウ付け後の残留応力を低減することができ
る。これにより、熱サイクルにおいてロウ材層6とセラ
ミック体2の熱膨張差に起因する疲労が生じてもロウ付
け強度の低下を抑制することができる。
5はロウ材層6の酸化を防止するために用いられる。な
お、本発明ではロウ材層6にメッキ層5を形成すること
を記載しているが、このメッキ層5の形成とともに、リ
ード部材7を露出させている場合にはリード部材7全体
もメッキ処理させることはいうまでもない。
Fe−Ni系合金等の金属製の部材を使用することが好
ましい。これにより、発熱抵抗体3からの熱伝達によ
り、使用中にリード部材7の温度が上昇し、劣化するの
を有効に防止することができる。また、リード部材7の
材質としてNiやFe−Ni合金を使用する場合、その
平均結晶粒径を400μm以下とすることが好ましい。
上記平均粒径が400μmを越えると、使用時の振動お
よび熱サイクルにより、ロウ付け部近傍のリード部材7
が疲労し、クラックが発生しやすい。他の材質について
も、例えばリード部材7を形成する材質の結晶粒径がリ
ード部材7の厚みより大きくなると、ロウ材層6とリー
ド部材7の境界付近の粒界に応力が集中してクラックが
発生しやすい。
処理は、試料間のバラツキを小さくするためにロウ材層
6の融点より十分余裕をとった高めの温度で熱処理する
必要があるが、リード部材7の平均結晶粒径を400μ
m以下と小さくするためには、ロウ付けの際の温度をで
きるだけ下げ、処理時間を短くすればよい。
について説明する。
してSiO2、CaO、MgO、ZrO2を合計量で4
〜12重量%含有するセラミックスラリーを成形したセ
ラミックシート8を準備する。
抗体3および電極引出部3aをプリントもしくは転写等
の手法を用いて形成し、電極引出部3aの裏面にあたる
セラミックシート8の他方の主面に電極パッド4を同じ
くプリントもしくは転写等の手法により形成する。
間にスルーホール9を形成し、該スル−ホール9にW、
Mo、Reの少なくとも1種類を主成分とする導電材料
を充填するか、もしくはスルーホール9の内側面に塗布
することにより、電極引出部3aと電極パッド6が電気
的に接続できるようにする。
aの上にセラミックシート8とほぼ同等の組成からなる
コート層を形成した後、セラミックシート8をセラミッ
ク芯材10の周囲に周回密着して筒状の生成形体を成形
する。こうして得られた生成形体を1500〜1650
℃の還元雰囲気中で焼成してセラミク体2とする。
法や無電界メッキ法によりNi、Cr等の金属からなる
メッキ層を形成する 次に、Ag−Cuを主成分とするロウ材を用い、電極パ
ッド4とリード部材7とを水蒸気を含有した還元雰囲気
中で接合する。その際、本発明の特徴であるロウ材層6
の表面に最大径100μm以上のガラス11が析出す
る。このガラス粒子11は、ロウ材の表面に物理的に付
着しているだけであるために、ガラス粒子11を摩擦部
材によりロウ材層6表面に当接させて除去することがで
きる。摩擦部材としては、ロウ材層6の表面を1〜30
0μm程度の平均粒径の樹脂製ビーズやガラスビーズか
ら成るサンドブラストや、樹脂性の弾性体が用いられ
る。
ては、ポリブタジェンゴム、ブタジェンスチレンゴム、
ブタジェナクリロニトリルゴム、ポリクロロプレンゴ
ム、ポリイソプレンゴム、フッ素ゴムシリコンゴム等、
色々なものを使用することができる。また、これらのゴ
ムに、微粒のシリカやアルミナのようなセラミックスを
分散させたものを用いると、さらに、ガラス粒子11の
除去が容易になる。
をフッ酸水溶液中に浸漬してガラスを除去することも可
能である。
の表面にNi、Cr等の金属から成るメッキ層5を形成
する。その後、水蒸気を含有した還元雰囲気中で熱処理
することでセラミックヒータが完成する。
にロウ材層6の表面をする工程を用いたがこれに限定さ
れず、ロウ材層6の形成する雰囲気を調整することでも
ロウ材層6表面に析出するガラス粒子の最大径が100
μm以下とすることができる。
パッド4を形成した後、670〜5360Paの水蒸気
を含む還元雰囲気中で、それぞれのロウ材層6に適した
温度でロウ付けすれば上記と同様の効果が得られる。な
お、ロウ付け温度は具体的には、Ag−Cuロウであれ
ば770〜870℃、Au−Cuロウであれば950〜
1050℃、Agロウであれば1000〜1100℃で
ロウ付け処理を行う。
面のガラス粒子11との濡れ性に影響を及ぼすため、熱
処理時の水蒸気分圧を670〜5360Paに調整する
ことによって、ロウ付けの熱処理中にセラミックヒータ
1の表面に付着物が生成することを防止するとともに、
ロウ付け強度が大きく耐久性の高いセラミックヒータ1
を得ることができる。
と、セラミック体2の表面に有機物と推察できる付着物
が熱処理後に残り、洗浄しても除去することができず外
観を損ねるとともに、セラミックヒータ1を酸素センサ
加熱用に用いる場合、付着物が使用中の振動や熱サイク
ルによりセラミックヒータ1の表面から剥離して、酸素
センサのPt電極と反応し、センサ特性を劣化させてし
まう恐れがある。一方、5360Paを越えると、ロウ
材層6上へ析出するガラス粒子11の最大径hが大きく
なり、ロウ材層6の上に形成するメッキ層5にガラス粒
子11上で欠陥が生成し、セラミックヒータ1使用中の
熱サイクルによりガラス粒子11とメッキ層5との間に
隙間が発生し、この隙間を空気が拡散してロウ材層6が
酸化し、セラミックヒータ1のロウ付け部の耐久性が劣
化しやすくなる。
0Pa以下、さらには670〜2400Paとすること
がより好ましい。
に還元性ガスに加湿することを行っていなかったが、本
発明のように水蒸気を含有する還元雰囲気中で行う熱処
理は、セラミックヒータ1の表面に有機物が残っていた
場合、ロウ付けの熱処理と併せて除去できるため有効で
ある。また、ロウ材層6の表面に析出するガラス粒子1
1の最大径hを100μm以下とすることにより、使用
中の熱サイクルによりロウ材層6が酸化してリード部材
7の引張強度が減少するような問題を防止することがで
きる。
囲気中で使用する場合、Au系、Cu系のロウ材層6を
用いることによってマイグレーションの発生を抑制する
ことができる。
析出を防止する手法として、ロウ材層6中の不純物であ
るSiの量を減らすことも可能である。
法、Si量を減少させる方法等の処理に、上述のような
ロウ材層6の表面を摺擦する処理を加えることで、更
に、析出するガラス粒子の最大径を小さくすることが可
能となる。
ド4の端部からロウ材層6の端部までの距離kが少なく
とも0.2mm以上とすることが好ましい。
極パッド4の端部がロウ材層6の収縮時に引っ張られて
剥離しやすくなり、ロウ付け強度が低下するので、好ま
しくない。
述の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱し
ない範囲内であれば種々の変更は可能である。
ックヒータ試料を得るため、セラミック体2としてAl
2O3を主成分とし、SiO2、CaO、MgO、ZrO2
を合計10重量%以内になるように調整したセラミック
シート8に、W−Reからなる発熱抵抗体3とWからな
る電極引出部3aをプリントした。また、セラミックシ
ート8の裏面には電極パッド4をプリントした。発熱抵
抗体3は、発熱長さ5mmで4往復のパターンとなるよ
うに作製した。
には、スルーホールを形成し、ここにペーストを注入す
ることにより電極パッド4と電極引出部3a間の導通を
とった。スルーホールの位置は、ロウ付けを実施した場
合にロウ付け部の内側に入るように形成した。
シート8と略同一の成分からなるコート層を形成して充
分乾燥した後、さらに上記セラミックシート8と略同一
の組成のセラミックスを分散させた密着液を塗布して、
こうして準備したセラミックシート8をセラミック芯材
10の周囲に密着し、1500〜1600℃で焼成し
た。
らなる厚み3μmのメッキ層5を形成し、2640Pa
の水蒸気分圧を有するH2−N2ガスからなる還元雰囲気
中700〜800℃で熱処理した後、Ag−Cuからな
るロウ材層6を用いて、Niからなる直径0.8mmの
リード部材7を還元雰囲気中830℃でロウ付けし、さ
らにその表面にNiからなる3μmのメッキ層5を端部
に形成して700℃で熱処理した。
−N2ガスを温度調整した水の中をくぐらせて、H2−N
2ガス中の水蒸気分圧を露点の調整により670Pa以
下(1℃:資料No.1)、1230Pa(12℃:資
料No.2)、2060Pa(18℃:資料No.
3)、2640Pa(21℃:資料No.4)、336
0Pa(26℃:資料No.5)、4000Pa(29
℃:資料No.6)、4760Pa(32℃:資料N
o.7)、5630Pa(35℃:資料No.8)と調
整することにより、H2−N2ガス中の水蒸気圧を調整し
た。
ヒータについて、ロウ付け後のガラス粒子11の大きさ
を1000倍の電子顕微鏡写真によって5mm2確認
し、各ガラス粒子11の最大径hを測定した後、その平
均値を算出した。
成した後、各試料を400℃の恒温槽に5分間入れて温
度が安定した後強制急冷し、さらに恒温槽に入れる熱サ
イクル試験を2000サイクル実施し、さらに、550
℃の恒温層に500時間放置するという耐久試験を実施
し、その後、ロウ材層6表面のメッキ層5の変化を観察
した。
物が析出した生成物が発生したものは×、メッキ層5に
一部に変色域がみられたものを△とし、酸化のような変
化の見られないものを○とした。
試験に相当する。
引張強度を測定した。リード部材7をセラミック体2の
表面から垂直に引っ張るモードで評価した。各ロット1
0本づつ測定し、その平均値をデータとした。
蒸気分圧、温度の条件によって析出するガラスの最大
径、量に違いがあり、析出したガラスの最大径hが10
0μmを超える試料(No.8)は、上記熱処理および
熱サイクル試験後に、メッキ層5の表面に酸化物が生成
した。また、耐久試験後のリード部材7の引張強度を測
定したところ、酸化の程度のひどいサンプルは10N以
下と張強度が大きく低下した。
100μm以下の試料(No.1〜7)は、耐久試験後
のリード部材の引張り強度が30N以上あり、耐久試験
後の外観検査でメッキ層5に酸化物の生成は確認できな
かった。ガラス粒子11の最大径hが50〜100μm
であるNo.7、8はガラス粒子11の周辺にメッキ層
5の変色がみられるものがあったが、引張強度への影響
はないものと判断した。
が残っているものがあり、別途外観に問題はあるもの
の、ロウ材表面にはCu析出物は見いだされず耐久性試
験も良好であった。
ウ材層6により電極パッド4にロウ付けした後、ロウ材
層6表面に析出したガラス粒子11を各手法で除去し、
その後にロウ材層6の表面にNiからなるメッキ層5を
形成し、実施例1と同様の方法でロウ付け部の熱サイク
ル試験および熱処理におけるロウ付け部の観察を実施し
た。
け後のロウ材層6の表面を平均粒径10μmのアクリル
ビーズ、平均粒径15μmのガラスビーズ、平均粒径
1.8μmのアルミナを用いてロウ材層6の表面をサン
ドブラストし、ロウ付け部を水中に漬けて超音波洗浄し
た後、ロウ材層6の表面に4μmのNiメッキを施した
サンプルを各100個準備した。
10%のフッ酸溶液に10分間浸漬し、水洗、超音波洗
浄した後、ロウ材層6の表面に4μmのNiメッキを施
したサンプルを100個準備した。
面を樹脂製の弾性体であるブタジェンスチレンゴムによ
り擦ることにより、ロウ材層6の表面に付着している最
大径100μm以下のガラス粒子11を除去し、ロウ付
け部を水中に漬けて超音波洗浄した後、ロウ材層6の表
面に4μmのNiメッキを施したサンプルを各100個
準備した。
で、熱サイクル、及び熱処理した後、ロウ付け部の外観
の変化を調べた。
層6の表面に、ロウ材層6にCuの酸化物が生成するよ
うなサンプルはなかった。
ロウ材層6表面に生成するガラス6を除去することによ
り、ロウ材層6の表面のメッキ5に欠陥が生成すること
を防止し、電極パッド部が400℃以上に加熱されるよ
うな厳しい条件でも、耐久性良好なセラミックヒータを
得ることができることが判った。
ば、ロウ材層の表面に形成するメッキ層に欠陥が生成す
ることを抑制できるため、使用中の熱サイクルにより、
電極パッドとリード部材とを接合するロウ材層が酸化す
ることを防止しでき、耐久性の高いセラミックヒータを
得ることができる。
法によれば、ロウ材の表面にメッキ層を形成する前に、
ロウ材表面をするために、その表面に析出するガラスを
除去できるために、欠陥のないメッキ層を形成すること
ができ、それにより、耐久性の高いセラミックヒータを
得ることができる。
方法によれば、上記電極パッドに670〜5360Pa
の水蒸気を含む還元雰囲気中でロウ付け処理をすること
から、ロウ材表面に生成するガラスが100μm以上に
なることを防止できるとともに、セラミックヒータの表
面に付着物が生成することを防止することができる。
図であり、(b)はその展開斜視図、(c)は同図
(b)の発熱抵抗体の欠陥を示す部分拡大図である。
る電極パッド周辺の斜視図であり、(b)はそのロウ材
表面の拡大図であり、(c)はその断面図である。
であり、(b)はその展開斜視図であり、(c)はその
電極パッド部分の断面図である。
材の酸化する様子を示す拡大図、(b)はその電極パッ
ド周辺の斜視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 発熱抵抗体を内蔵して成るセラミック体
の表面に、前記発熱抵抗体に接続した電極パッドを形成
し、前記電極パッドに不純物としてSiを含有したロウ
材層を介して金属製のリード部材を接合するとともに、
少なくとも前記ロウ材層の表面にメッキ層を形成して成
るセラミックヒータにおいて、 前記ロウ材層の表面にSiを主成分とする最大径が10
0μm以下のガラス粒子が析出していることを特徴とす
るセラミックヒータ。 - 【請求項2】 発熱抵抗体を内蔵して成るセラミック体
の表面に、前記発熱抵抗体に接続した電極パッドを形成
し、水蒸気を含有する還元雰囲気中で前記電極パッドに
不純物としてSiを含有したロウ材を介して金属製のリ
ード部材を接合した後、該ロウ材にメッキ層を形成して
成るセラミックヒータの製造方法において、 前記メッキ層を形成する前に前記ロウ材表面を摩擦部材
により摺擦する工程を備えたことを特徴とするセラミッ
クヒータの製造方法。 - 【請求項3】 前記電極パッドとリード部材とを接合す
る還元雰囲気中の水蒸気分圧を660〜5360Paと
することを特徴とする請求項2記載のセラミックヒータ
の製造方法。 - 【請求項4】 発熱抵抗体を内蔵して成るセラミック体
の表面に、前記発熱抵抗体に接続した電極パッドを形成
し、水蒸気を含有する還元雰囲気中で前記電極パッドに
不純物としてSiを含有したロウ材を介して金属製のリ
ード部材を接合した後、該ロウ材にメッキ層を形成して
成るセラミックヒータの製造方法において、 前記電極パッドとリード部材とを接合する還元雰囲気中
の水蒸気分圧を660〜5360Paとすることを特徴
とするセラミックヒータの製造方法。
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