JP2003317911A - セラミックヒータおよびその製造方法 - Google Patents

セラミックヒータおよびその製造方法

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JP2003317911A
JP2003317911A JP2002123948A JP2002123948A JP2003317911A JP 2003317911 A JP2003317911 A JP 2003317911A JP 2002123948 A JP2002123948 A JP 2002123948A JP 2002123948 A JP2002123948 A JP 2002123948A JP 2003317911 A JP2003317911 A JP 2003317911A
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ceramic
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ceramic sheet
sheet
ceramic core
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JP2002123948A
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Eiji Kurahara
英治 蔵原
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミック芯材の表面にセラミックシートを密
着する工程は一本一本の手加工であるため、セラミック
シート上に重ねるセラミック芯材の角度がずれることに
より、セラミックシートが斜めに巻きつき、そのためセ
ラミックヒータの良品歩留まりが低下するという問題が
あった。 【解決手段】セラミックシート上に発熱抵抗体と電極部
へ通じる引出部をスクリーン印刷し、該セラミックシー
トを上記発熱抵抗体と引出部を内側にしてセラミック芯
材に周回密着する際、該セラミック芯材の両端を該セラ
ミックシートより0.2〜3mm突出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用酸素セン
サ加熱用ヒータ、半田ごて、石油ファンヒータの気化器
用ヒータ、温水加熱ヒータ等の産業機器用、一般家庭
用、電子部品用、産業機器用等の各種加熱用ヒータに利
用されるセラミックヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、セラミックヒータとして、平
板・ロッド状及び管状などの様々な形状をしたものが各
用途に合わせて使用されている。中でも、自動車用の排
気ガスセンサに使用されているロッド状のヒータは、世
界的な地球環境保護の動きに連動して、使用量が増加す
る傾向にある。
【0003】図1(a)〜(c)に、従来使用されてい
るロッド状のセラミックヒータ1の概略図を示す。該セ
ラミックヒータは、発熱抵抗体4と該発熱抵抗体4を内
蔵したセラミック体6とからなり、該セラミック体6に
は、内部の発熱抵抗体4に電力を供給するための金属リ
ード7がろう付けされている。
【0004】また、上記セラミック体6は、セラミック
芯材2に発熱抵抗体4をスクリーン印刷したセラミック
シート3を周回密着して焼成一体化し電極パッド8との
電気的導通を取ための電極引出部5を接続してある。
【0005】上記電極パッド8は、引出部5との間のセ
ラミックシート3に導体を充填したスルーホール13を
設けることより、両者を電気的に接続する。
【0006】上記電極パッド8の構造を図1(c)に示
す。セラミック体6の表面に形成されたメタライズ9の
表面に電解Niめっき、無電解硼素系Niめっきおよび
無電解リン系NiめっきのいずれかによるNiめっき1
0を施し、リード線7をAu−Cu系、Ag系およびC
u系のロウ材でロウ付けすることにより固定している。
また、セラミックヒータ1の使用環境により、該電極パ
ッド8の温度・湿度などによる劣化を防ぐために、更に
電解Niめっき、無電解硼素系Niめっきおよび無電解
リン系NiめっきのいずれかによるNiめっき12を施
すものもある。なお、管状のセラミックヒータ1は、上
記棒状のセラミックヒータ1におけるセラミック芯材2
が中空になった構造である。
【0007】ここでのセラミック体6および発熱抵抗体
4の各組成を述べておくと、セラミック体6は、88〜
96重量%のAl23、3〜10重量%のSiO2
0.5〜2.5重量%のCaO、0.2〜1.2重量%
のMgO、0.5〜2.0重量%のZrO2からなり、
発熱抵抗体4は、W、ReおよびMoからなる群から選
ばれる少なくとも1種を主成分とし、有機バインダーお
よび適宜添加されるセラミック成分とからなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来は、発熱抵抗体4
をスクリーン印刷したセラミックシート3を製品サイズ
に切断し、セラミックシート3の密着面に密着材を塗布
し、その上に手作業でセラミック芯材2を重ねたのち、
該セラミック芯材2を転がしてその表面にセラミックシ
ート3を密着させていた。しかしながら、この作業は、
一本一本の手加工であるため、セラミックシート3上に
重ねるセラミック芯材2の角度がずれることにより、セ
ラミックシート3が斜めに巻きつき、そのためセラミッ
クヒータ1の良品歩留まりが低下するという問題があっ
た。
【0009】そこで、密着工程を自動化しようとした
が、セラミック芯材2の外径のばらつきやセラミックシ
ート3の厚みばらつきがあり、また、密着するセラミッ
クシート3とセラミック芯材2のセットのばらつきがあ
るため、セラミック芯材2に対してセラミックシート3
が斜めに巻かれてしまい、密着加工済みのセラミック体
6を移動する際に、セラミック芯材2の全長からはみ出
したセラミックシート3を把持し、これによりセラミッ
クシート3が破断し、ひどいものは発熱抵抗体4に断線
が発生するものもあった。
【0010】また、周回密着する際に、セラミック芯材
2の外径に対し、セラミックシート3の厚みが厚過ぎる
と、密着時に密着不良が発生しやすくなり、また、セラ
ミック芯材2の外径に対し、セラミックシート3の厚み
が薄過ぎると密着時にセラミックシート3が伸びてしま
い、発熱抵抗体4が断線したり、抵抗値が増加しセラミ
ックヒータ1の耐久性が低下したりするという問題があ
った。
【0011】更にここで、セラミック芯材2の外径とセ
ラミックシート3の厚さの関係で,セラミックシート3
が薄すぎると、セラミック芯材2にセラミックシート3
を周回密着する際にセラミックシート3が伸びてしま
い、発熱抵抗体4が断線したり、抵抗値が増加するもの
が発生して抵抗値がばらついたり、セラミックヒータ1
の耐久性が低下したりすることが判った。また、セラミ
ックシート3が厚すぎると、セラミック芯材2にセラミ
ックシート3を周回密着した際にセラミックシート3の
密着不良が発生しやすくなり、耐久性が低下することが
判った。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミックヒー
タは、セラミックシートの一方の主面に発熱抵抗体と、
これに接続した電極引出部とを備え、他方の主面に上記
電極引出部と接続される電極パッドを形成し、このセラ
ミックシートを上記発熱抵抗体と電極引出部を内側にし
てセラミック芯材に周回密着して焼成一体化したセラミ
ックヒータにおいて、前記セラミック芯材の両端が前記
セラミックシートより0.2〜3mm突出していること
を特徴とする。
【0013】また、本発明のセラミックヒータは、上記
セラミック芯材の少なくとも一端に面取り加工を施した
ことを特徴とする。
【0014】また、前記セラミックシートの厚みtと前
記セラミック芯材の外径pの関係が0.03≦t/p≦
0.3であることを特徴とする。
【0015】また、前記セラミック芯材の両端付近の最
大外径のばらつきを8%以下とし、さらに前記セラミッ
クシートの厚みばらつきを8%以下としたことを特徴と
する。
【0016】そして、本発明のセラミックヒータは、セ
ラミックシートの一方の主面に発熱抵抗体と、これに接
続した電極引出部とを形成し、他方の主面に上記電極引
出部と接続される電極パッドを形成し、該セラミックシ
ートを上記発熱抵抗体と電極引出部を内側にしてセラミ
ック芯材に周回密着するとともに、該セラミック芯材の
両端が前記セラミックシートより0.2〜3mm突出す
るようにし、この両端に突出したセラミック芯材を把持
して移動させることを特徴とするセラミックヒータの製
造方法により作製することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明のセラミックヒータの
実施の形態を、図1を用いて説明する。図1(a)は、
セラミックヒータ1の部分切り欠き斜視図であり、
(b)は、そのセラミック体6部分の展開図、(c)
は、(a)のX−X断面図である。
【0018】セラミックシート3の表面には、発熱抵抗
体4と電極引出部5が形成され、さらに、その裏面側に
形成される電極パッド8との間をスルーホール13で接
合した構造となっている。こうして準備されたセラミッ
クシート3をセラミック芯材2の表面に、前記発熱抵抗
体4が内側になるように密着焼成することによりセラミ
ック体6を形成する。そしてさらに、電極パッド8にリ
ード部材7を、ロウ材を用いて接合することによりセラ
ミックヒータ1とする。
【0019】本発明のセラミックヒータ1は、セラミッ
クシート3上に発熱抵抗体4とそれにつながる電極引出
部5と電極引出部5の裏面に形成される電極パッド8を
スクリーン印刷し、該セラミックシート3を上記発熱抵
抗体4と電極引出部5を内側にしてセラミック芯材2に
周回密着する際、図2に示すように、該セラミックシー
ト3から突出する前記セラミック芯材2の突出量Aを
0.2〜3mmとしたことを特徴とする。このようにセ
ラミック芯材2を突出させないと、セラミック芯材2の
周囲にセラミックシート3を周回密着させたあと、自動
機でセラミック芯材2の両端を把時する際に、前記セラ
ミックシート3の位置合わせがずれているとセラミック
シート3がセラミック芯材2から突出し、突出したセラ
ミックシート3が自動機の把時により破断したり、場合
によっては、発熱抵抗体4が断線したりする。
【0020】なお、突出量Aを0.2〜3mmとしたの
は、突出量Aが0.2mm未満では、セラミック芯材2
にセラミックシート3を密着した後、セラミック体6を
移動するためにセラミック体6両端を把持する際に、セ
ラミックシート3からはみ出した密着液が把持する治具
に付着し、次の試料に付着したり、もしくは次の試料の
把持に悪影響を与えるからである。また、上記突出量A
が3mmを越えると、セラミックヒータ1の最高発熱部
が先端から大きくずれてしまい、先端加熱を必要とする
酸素センサ加熱用のセラミックヒータ1として使用する
場合に、有効に先端加熱できなくなるからである。
【0021】さらに好ましくは、前記突出量Aを0.7
〜1.5mmとすることが好ましい。
【0022】また、図3(a)、(b)に示すように、
セラミック芯材2の少なくとも一端の突出部には、C面
もしくはR面の面取り加工を施すことが好ましい。この
ような加工を施すことにより、例えば、自動機でセラミ
ック芯材2を掴む際や、セラミックヒータ1同志が衝突
した際にセラミック芯材2が欠けて、生のセラミック体
6の表面に付着して焼成時の反りの原因になったり、ひ
どい場合は発熱抵抗体4にクラックが発生したりするこ
とを防止することができる。上記面取り加工の寸法Bは
0.1〜1.0mm、さらに好ましくは0.3〜1.0
mmとすることが好ましい。
【0023】本発明のセラミックヒータ1の製造方法
は、セラミックシート3を所定の位置に設置する工程、
およびその上にセラミック芯材2を置く工程、セラミッ
ク芯材2を転がしてその表面にセラミックシート3を密
着する工程、上記のようにして作製したセラミック体6
の密着の信頼性を向上させるために該セラミック体6
を、同一方向に回転する3本のロールの間で回転させる
工程からなる。これらの工程を自動化することにより、
上記のようなセラミックシート3上にセラミック芯材2
を置く工程のバラツキを低減できるが、セラミック芯材
2の全長方向の外径バラツキや反りの影響で、セラミッ
クシート3が斜めにセラミック芯材2に巻かれる可能性
が残っている。このような点からも本発明のようにセラ
ミックシート3からのセラミック芯材2の突出量Aを
0.2〜3mmとすることが好ましい。
【0024】また、本発明のセラミックヒータ1は、図
4(a)、(b)に示すように、セラミックシート3の
厚みtとセラミック芯材2の外径pの関係が0.03≦
t/p≦0.3であることが好ましい。前記セラミック
シート3の厚みtと前記セラミック芯材2の外径pの関
係t/pが0.03より小さいと、図4(c)中のC1
に示すように、セラミック芯材2にセラミックシート3
を周回密着する際にセラミックシート3が伸びてしま
い、発熱抵抗体4が断線したり、抵抗値が増加するもの
が発生して抵抗値がばらついたり、セラミックヒータ1
の耐久性が低下したりするので、好ましくない。また、
前記比率t/pが0.3を越えて大きくなると、セラミ
ック芯材2にセラミックシート3を周回密着した際にセ
ラミックシート3の密着不良が発生しやすくなり、耐久
性が低下するので、好ましくない。
【0025】また、図5(a)に示すように、前記セラ
ミック芯材2の両端付近の最大外径のばらつき8%以下
とし、さらに前記セラミックシート3の長手方向の厚み
ばらつきを8%以下とすることが好ましい。セラミック
芯材2の両端付近の最大外径のばらつきとは両端付近の
最大外径D1、D2を測定し、小さい方の外径D1に対
する両外径D1、D2の差の比(%)である。また、セ
ラミックシート3の厚みばらつきとは、セラミックシー
ト3の厚みをセラミック芯材2に巻きつける場合の両端
付近の厚みばらつきを測定し、薄い方の厚みに対する厚
い方と薄い方の差の比(%)である。この両端側の最大
外径のばらつきが8%を越えたり、前記セラミックシー
ト3の厚みばらつきが8%を越えたりすると、図5
(b)に示すように、セラミック芯材2にセラミックシ
ート3を巻きつけた際に、ずれが発生しやすくなる。そ
の結果、図5(c)、(d)に示すように、自動機20
にて、該セラミック芯材2とセラミックシート3を周回
密着させた製品を把時し移動させるときに、セラミック
シート3が押さえつけられ、破断するため好ましくな
い。さらに、好ましくは前記最大外径の差および最大厚
みばらつきを2%以下にすることが好ましい。
【0026】さらに、本発明のセラミックヒータ1の詳
細について説明する。
【0027】本発明のセラミックヒータ1の電極パッド
8には、焼成後メッキ層を形成する。このメッキ層は、
リード部材7を電極パッド8の表面にロウ付けする際
に、ロウ材の流れを良くし、ロウ付け強度を増すためで
ある。通常1〜5μm厚みのメッキ層を形成する。メッ
キ層の材質としては、Ni、Cr、もしくはこれらを主
成分とする複合材料を使用することができる。
【0028】リード部7を固定するロウ材層としては、
Au、Cu、Au−Cu、Au−Ni、Ag、Ag−C
u系のロウ材が使用される。好ましくは、Au−Cuロ
ウとしては、Au含有量が25〜95重量%としAu−
NiロウとしてはAu含有量が50〜95重量%とする
と、ロウ付け温度を1000℃程度に設定でき、ロウ付
け後の残留応力を低減できるので良い。また、湿度が高
い雰囲気中で使用する場合、Au系、Cu系のロウ材を
用いた方が、マイグレーションが発生しにくくなるので
好ましい。
【0029】また、ロウ材層の表面には、メッキ層を形
成することが腐食からロウ材層を保護するために好まし
い。
【0030】また、電極パッド8の端部からロウ材層の
端部までの距離が少なくとも0.2mm以上あるように
することが好ましい。前記距離が0.2mm未満である
と、電極パッド8の端部がロウ材の収縮時に引っ張られ
て剥離しやすくなり、ロウ付け強度が低下するので、好
ましくない。
【0031】また、前記電極パッド8に形成されるスル
ーホールの位置と前記ロウ材層の端部との距離を少なく
とも0.2mm以上にすると、良好なロウ付け強度を維
持することができる。これにより、メッキ層の表面に形
成したロウ材層が固化する際に大きく収縮し、電極パッ
ド8を剥がしてしまうというような不具合を防止できる
からである。
【0032】次にリード部材7の材質としては、耐熱性
良好なNi系やFe−Ni系合金等を使用することが好
ましい。発熱抵抗体4からの熱伝達により、使用中にリ
ード部材7の温度が上昇し、劣化する可能性があるから
である。
【0033】中でも、リード部材7の材質としてNiや
Fe−Ni合金を使用する場合、その平均結晶粒径を4
00μm以下とすることが好ましい。前記平均粒径が4
00μmを越えると、使用時の振動および熱サイクルに
より、ロウ付け部近傍のリード部材7が疲労し、クラッ
クが発生するので好ましくない。他の材質についても、
例えばリード部材7の粒径がリード部材7の厚みより大
きくなると、ロウ材層とリード部材7の境界付近の粒界
に応力が集中して、クラックが発生するので好ましくな
い。
【0034】なお、ロウ付けの際の熱処理は、試料間の
バラツキを小さくするためには、ロウ材の融点より十分
余裕をとった高めの温度で熱処理する必要があるが、リ
ード部材7の平均結晶粒径を400μm以下と小さくす
るためには、ロウ付けの際の温度をできるだけ下げ、処
理時間を短くすればよい。
【0035】また、W、Mo、Re等の高融点金属を主
成分とする発熱抵抗体4のパターン欠陥の幅をパターン
幅の1/2以下とすることが好ましい。これは、前記欠
陥の幅がパターン幅の1/2を越えると、この部分で局
部発熱し、発熱抵抗体4の抵抗値が大きくなり、耐久性
が劣化するので、好ましくない。
【0036】このような欠陥が発生する原因は、発熱抵
抗体4をプリント形成する時に、プリント製版にゴミが
付着したためパターンが欠けてしまったり、異物が混入
し焼成時に焼失したりすることにより発生するものと思
われる。プリントや密着工程で、生のセラミックグリー
ンシート3を取り扱う工程があるが、この工程の清浄度
を向上させるとともに、万一の欠陥の発生に関して、上
記寸法以上の欠陥を取り除くための検査工程の整備が重
要である。
【0037】また、セラミック体6の材質としては、A
2388〜95重量%、SiO22〜7重量%、Ca
O0.5〜3重量%、MgO0.5〜3重量%、ZrO
21〜3重量%からなるアルミナを使用することが好ま
しい。Al23含有量をこれより少なくすると、ガラス
質が多くなるため通電時のマイグレーションが大きくな
るので好ましくない。また、逆にAl23含有量をこれ
より増やすと、内蔵する発熱抵抗体4の金属層内に拡散
するガラス量が減少し、セラミックヒータ1の耐久性が
劣化するので好ましくない。ここで、セラミックスとし
てアルミナの例を示したが、本発明で示したことは、ア
ルミナ質セラミックスに限定されることではなく、窒化
珪素質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミック
ス、炭化珪素質セラミックス等、また、セラミックヒー
タ1のみならず、Au系のロウ付けを実施する全てのも
のに当てはまる現象である。
【0038】また、セラミックヒータ1の寸法について
は、例えば外径が2〜20mm、長さが40〜200m
m程度にすることが可能である。自動車の空燃比センサ
加熱用のセラミックヒータ1としては、外径が2〜4m
m、長さが40〜65mmとすることが好ましい。
【0039】さらに、自動車用の用途では、発熱抵抗体
4の発熱長さが3〜15mmとなるようにすることが好
ましい。発熱長さが3mmより短くなると、通電時の昇
温を早くすることができるが、セラミックヒータ1の耐
久性を低下させる。また、発熱長さを15mmより長く
すると昇温速度が遅くなり、昇温速度を早くしようとす
るとセラミックヒータ1の消費電力が大きくなるので好
ましくない。ここで、発熱長さというのは、図1(b)
で示す発熱抵抗体4の往復パターンの部分である。この
発熱長さは、その目的とする用途により、選択されるも
のである。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示す。
【0041】実施例 1 ここでは、セラミック芯材2のセラミックシート3から
の突出量Aと加工性およびセラミックヒータ1の加熱特
性について調査した。
【0042】図1(a)〜(c)に示すように、Al2
3を主成分として、92重量%のAl23、4.5重
量%のSiO2、1.5重量%のCaO、1.5重量%
のMgO、0.5重量%のZrO2の組成からなるよう
に調整し有機バインダーなど有機溶剤を添加しスラリー
を形成した後、ドクターブレード法にてセラミックシー
ト3を準備した。この表面に、W−Reからなる発熱抵
抗体4と電極引出部5をプリントして発熱抵抗体4と
し、裏面には電極パッド8を形成するためにWメタライ
ズ9をスクリーン印刷した。そして、Wからなる電極引
出部5の末端には、スルーホール13を形成し、ここに
ペーストを注入することにより電極パッド8と電極引出
部5間を接続した。
【0043】次に、上記セラミックシート3と同じ材質
に調整し成型用バインダーなど有機溶剤を添加したスラ
リーを形成した後、押し出し成型により、セラミック芯
材2を作製した。次に、セラミックシート3を所定の大
きさに切断した後に自動機にて、セラミックシート3を
所定の位置に設置する工程、およびその上にセラミック
芯材2を置く工程、セラミック芯材2を転がしてその表
面にセラミックシート3を密着する工程、上記のように
して作製したセラミック体6を、同一方向に回転する3
本のロールの間で回転させる工程を実施し、セラミック
芯材2にセラミックシート3を周回密着させた。なお、
セラミック芯材2とセラミックシート3を接着させるた
め接着剤として、セラミックシート3に有機系の接着剤
をスクリーン印刷した。
【0044】今回、セラミック芯材2のセラミックシー
ト3からの突出量Aを−0.5、−0.2、0、0.
1、0.2、0.5、1.0、1.5、2.0、2.
5、3.0、3.5mmと変更し、セラミック芯材2に
セラミックシート3を周回密着し、その後自動機にて両
端を把持して移動するようにし、その作業性を確認し
た。
【0045】セラミックヒータ1の用途のひとつとし
て、エンジン始動後の早期活性化のために酸素センサを
加熱するヒータがあるが、このためには酸素センサ先端
部の加熱が必要であることを考慮し、図6に示すよう
に、各サンプルに直流電圧を印加し、該セラミックヒー
タ1の最高発熱抵抗体4の温度を950±2℃に保持
し、該セラミックヒータ1により加熱される酸素センサ
22先端の温度とセラミック芯材2の突出量Aと関係を
熱電対24を用いて温度測定装置23により調査した。
【0046】結果を、表1および表2に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表1から、まずセラミック芯材2の突出量
Aは0.2〜3.5mmが有効であるが、表2から判る
ように、セラミックヒータ1の加熱特性面からも考慮す
ると、突出量Aは0.2〜3.0mmが好適である。ま
た、セラミック芯材2とセラミックシート3を周回密着
したあと、自動機で両端を把時し移動させる際、該セラ
ミック芯材2とセラミックシート3を接着するための接
着剤として溶剤系の密着液を塗布しているが、今回、セ
ラミック芯材2の突出量Aが0.5mm以下のもので
は、周回密着した際密着液のはみ出し液があり、その後
自動機の把時したときに把時部に該密着液が付着し、次
のサンプルを把時したときに、サンプルに付着して不良
となったり、次の製品の把持がうまくできなったりする
ことが判った。そのため、好ましくは、突出量Aを0.
7mm以上とするものが良かった。また、最近の自動車
用酸素センサでは排ガス規制の強化に対応するため素子
の温度が高温化の傾向にある、かつ温度精度が必要にな
るため、突出量は0.7〜1.5mmとすることが好ま
しい。
【0050】実施例 2 次に、セラミック芯材2の面取り特性について調査し
た。
【0051】今回、セラミック芯材2の面取り量を調査
するため、図3(a),(b)に示すようにセラミック
芯材2の両端に0、0.05、0.1、0.2、0.
3、0.5、0.8、1.0mmの面取りを形成した後
で、セラミック芯材2をセラミックシート3に周回密着
したあと、還元雰囲気中の約1600℃で焼結させた。
【0052】サンプルは、面取りの寸法Bを8種類に変
化させたものを各20本作製した。評価方法について
は、図7に示すように、試料のセラミックヒータ1を4
5度傾斜の高さ50cmのスロープから滑らせ、セラミ
ックヒータ1の先端に衝撃を加え、その後クラックチェ
ック液(探傷液)に浸漬し、双眼顕微鏡10倍でセラミ
ック芯材2およびセラミックシート3の欠け及びクラッ
ク発生数を確認した。
【0053】結果を表3に示した。
【0054】
【表3】
【0055】表3から判るように、面取りの寸法Bとセ
ラミックシート3の欠けおよびクラック発生数の関係か
ら、面取りの寸法Bは0.1〜1.0mm、さらに酸素
センサに使用する素子の内面形状を考慮すると0.3〜
1.0mmとすることが好ましい。
【0056】実施例 3 次に、図4(a)、(b)に示すように、セラミックシ
ート3の厚みtとセラミック芯材2の外径pの関係を調
査した。
【0057】上記実施例1同様にサンプルを作製する課
程で、意図的にセラミックシート3の厚みtを変えてか
つセラミック芯材2の外径pは3.3mmに固定し、セ
ラミックシート3を周回密着した。
【0058】サンプルは、セラミックシート3の厚みt
を10種類変えて各20本作製した。評価方法につい
て、セラミックヒータ1として図4(c)中のC1に示
すような、セラミック芯材2にセラミックシート3を周
回密着する際にセラミックシート3が伸びてしまい、発
熱抵抗体4が断線し、抵抗値が増加する原因となるセラ
ミックシート3の破れと、セラミック芯材2にセラミッ
クシート3を周回密着した際にセラミックシート3の合
わせ溝の密着不良との発生数を双眼顕微鏡10倍で確認
した。結果を表4に示した。
【0059】
【表4】
【0060】表4から判るように、t/pが、0.03
より小さいと、セラミック芯材2にセラミックシート3
を周回密着する際にセラミックシート3が伸びてしま
い、発熱抵抗体4が断線したり、抵抗値が増加するもの
が発生して抵抗値がばらついたり、セラミックヒータ1
の耐久性が低下したりしたので、好ましくない。また、
前記比率t/pが0.3を越えて大きくなると、セラミ
ック芯材2にセラミックシート3を周回密着した際にセ
ラミックシート3の密着不良が発生しやすくなり、耐久
性が低下するので、好ましくない。セラミックシート3
の厚みtとセラミック芯材2の外径pの比t/pの関係
は、0.03≦t/p≦0.3とすることが好ましい。
【0061】実施例 4 次に、図5(a)、(b)に示すように、セラミック芯
材2の両端付近の最大外径およびセラミックシート3の
厚みばらつきとその加工性について調査した。
【0062】今回、セラミック芯材2の両端付近の最大
外径D1、D2のばらつきおよびセラミックシート3の
厚みばらつきの関係を調査するため、上記実施例1同様
にサンプルを作製する課程で、セラミック芯材2の両端
付近の外径A・Bの比率およびセラミックシート3の厚
みばらつきを変えたものを準備し、セラミック芯材2を
セラミックシート3に周回密着した。その後、自動機の
把持部20にて両端を把持した。
【0063】サンプルは、セラミック芯材2の両端付近
の外径D1、D2の比率を6種類およびセラミックシー
ト3の厚みばらつきを6種類、各10本作製した。評価
方法について、図5(c)、(d)に示すように、自動
機の把持部20で両端を把時したときセラミックシート
3が押さえつけられ、破断する数量を双眼顕微鏡10倍
で確認した。
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】表5、表6から判るように、セラミック芯
材2の両端付近の最大外径D1、D2の比率およびセラ
ミックシート3の厚みばらつきは8%以下が好ましい。
さらにセラミックシート3の破断状態を確認すると8%
では発熱抵抗体4に到達していない微小のクラックがあ
ったため、それを考慮し好ましくは5%以下とする。
【0067】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、セラミッ
クシートの一方の主面に発熱抵抗体と、これに接続した
電極引出部とを備え、他方の主面に上記電極引出部と接
続される電極パッドを形成し、このセラミックシートを
上記発熱抵抗体と電極引出部を内側にしてセラミック芯
材に周回密着して焼成一体化したセラミックヒータにお
いて、前記セラミック芯材の両端が前記セラミックシー
トより0.2〜3mm突出するように加工することによ
り、量産に有利な自動化工程でセラミックヒータを作製
する際に、作業性が良好で、且つ断線しにくい寿命の良
好なセラミックヒータを得ることができるようになっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のセラミックヒータの斜視図で
あり、(b)はその展開図であり、(c)は(a)のX
−X断面図である。
【図2】本発明のセラミックヒータの側面図である。
【図3】(a)(b)は、本発明のセラミックヒータの
一方端の側面図である。
【図4】本発明のセラミックヒータを示し、(a)は側
面図、(b)は断面図、(c)は側面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明のセラミックヒータ
の評価方法を示す図である。
【図6】本発明のセラミックヒータの評価方法を示す図
である。
【図7】本発明のセラミックヒータの衝撃試験装置の概
略図である。
【符号の説明】
1:セラミックヒータ 2:セラミック芯材 3:セラミックシート 4:発熱抵抗体 5:電極引出部 6:セラミック体 7:リード線 8:電極パッド 9:メタライズ 10:Niめっき 11:ろう材 12:Niめっき 13:スルーホール 14:溝 15:発熱抵抗体 20:把時部 21:電源

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックシートの一方の主面に発熱抵抗
    体と、これに接続した電極引出部とを備え、他方の主面
    に上記電極引出部と接続される電極パッドを形成し、こ
    のセラミックシートを上記発熱抵抗体と電極引出部を内
    側にしてセラミック芯材に周回密着して焼成一体化した
    セラミックヒータにおいて、前記セラミック芯材の両端
    が前記セラミックシートより0.2〜3mm突出してい
    ることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 【請求項2】上記セラミック芯材の少なくとも一端に面
    取り加工を施したことを特徴とする請求項1記載のセラ
    ミックヒータ。
  3. 【請求項3】前記セラミックシートの厚みtと前記セラ
    ミック芯材の外径pの関係が0.03≦t/p≦0.3
    であることを特徴とする請求項1記載のセラミックヒー
    タ。
  4. 【請求項4】前記セラミック芯材の両端付近の最大外径
    のばらつきを8%以下とし、さらに前記セラミックシー
    トの厚みばらつきを8%以下としたことを特徴とする請
    求項1記載のセラミックヒータ。
  5. 【請求項5】セラミックシートの一方の主面に発熱抵抗
    体と、これに接続した電極引出部とを形成し、他方の主
    面に上記電極引出部と接続される電極パッドを形成し、
    該セラミックシートを上記発熱抵抗体と電極引出部を内
    側にしてセラミック芯材に周回密着するとともに、該セ
    ラミック芯材の両端が前記セラミックシートより0.2
    〜3mm突出するようにし、この両端に突出したセラミ
    ック芯材を把持して移動させることを特徴とするセラミ
    ックヒータの製造方法。
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