JP3934843B2 - 半田ごて - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半田ごて、石油ファンヒーターの気化器用ヒーター、温水加熱ヒーター、自動車酸素センサ加熱用ヒーター等の一般家庭用、電子部品用、産業機器用等の各種加熱用ヒータに利用されるセラミックヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、インターネットや携帯電話、パソコン一体型テレビ等、デジタル家電と呼ばれる商品が、これからの成長産業として期待されるようになってきた。パソコンは、その利用者が、会社や法人から個人に移行するにつれ、生産量が爆発的に増加している。これに伴い、このような商品の各種回路を結線するために使用される半田ごての需要が増えてきつつある。また、市場から見ても、日本国内から、韓国、東南アジア、特に、台湾にその市場が移行しているのが最近の特徴である。このような状況下で、パソコンの生産効率の向上の観点から、半田付け後の温度回復の速い急速昇温可能な半田ごてが市場で要求されるようになってきた。
【0003】
このような中で、火傷防止のためのスライド式カバー付き半田ごてが特開平7−314130号公報に提案されているが、セラミックヒーターの立ち上がり特性に関しては、全く検討されていなかった。また、特開平9−148053号公報には、小型で高性能な半田ごてが提案されており、2層の発熱抵抗体を直列、並列に接続することにより、発熱特性を改善できることが示されているものの、上記急速昇温の要求に対し満足できるものではなかった。
【0004】
ここで、まず、従来の半田ごて用のセラミックヒーターについて、説明する。図3に示すように、従来の半田ごて10は、こて先11の内部に円柱状のセラミックヒータ1を挿入し、た構成になっており、このセラミックヒーター1に通電することによりこて先11を加熱し、半田を溶かすようになっていた。また、加熱効率を良くするため、こて先11は、セラミックヒーター1と密着するように形成されていた。
【0005】
前記円柱状のセラミックヒーター1を製造する場合は、図4に示すようにセラミックスの芯材2とセラミックシート3を用意し、セラミックシート3の一方の面にW、Mo、Re等の高融点金属のペーストを印刷して発熱抵抗体4とリード引出部5を形成した後、これらを形成した面が内側になるようにセラミックシート3を上記セラミックス製の芯材2の周囲に巻き付け、全体を焼成一体化することによりセラミックヒーター1を得ることができた。
【0006】
図4(a)に、上記のセラミックヒーター1に内蔵された発熱抵抗体4のパターンを示すように、発熱抵抗体4のパターン幅は均一に形成されていた。また、セラミックシート3上には、発熱抵抗体4に直接リード引出部5が接続され、該リード引出部5の末端には、発熱抵抗体4と同様な金属材料からなるスルーホール7が形成され、裏側の電極パッド8と該リード引出部5を接続していた。スルーホール7には、必要に応じて導体ペーストが注入されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来、半田ごては、主に熱容量の大きなものが使用され、一度加熱したら、それを継続してはんだ付け作業に使用するということが行われてきた。しかし、大熱容量の半田ごては、使用する際にこて先が加熱されるまでかなりの時間を要することが欠点であった。これに対し、最近では、冷始動時の立ち上がり特性が要求されるようになってきた。
【0008】
上述のような半田ごての昇温特性を改善するためには、その熱源であるセラミックヒーターの昇温特性を改善する必要がある。これに対応するために、現在要求されているレベルは、セラミックヒーターの最高発熱部の温度が室温から700℃まで3秒以下で昇温するタイプのセラミックヒーターが要求されている。
【0009】
しかしながら、このような急速昇温を達成しようとすると、セラミックヒーター1の最高発熱部の表面にクラックが発生し、使用中に発熱抵抗体4が断線してしまうという問題があった。これは、発熱抵抗体4を急加熱した際にその一部分が急加熱され膨張するが、発熱抵抗体4を備えたセラミックシート3の表面は、こて先11により冷却されているので膨張できず、前記セラミックシート3の表面に引っ張り応力が発生するからである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の半田ごては、発熱抵抗体と該発熱抵抗体に接続したリード引出部とをセラミック体に内蔵してなるセラミックヒータと、前記セラミックヒータの一端側が内部に挿入されたこて先とを備え、前記セラミックヒータは、前記セラミック体の表面のうち少なくとも前記発熱抵抗体が埋設された部分を覆うように前記セラミック体の表面に設けられた被覆層を備え、前記被覆層は、その表面が前記こて先に接しており、前記セラミック体とは異なる材料からなり、熱伝導率が4〜42W/m・K、厚みが10〜500μmであることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
まず、半田ごての構造を図3を用いて説明する。こて先11の内部には、円柱状のセラミックヒーター1が挿入されており、このセラミックヒーター1に通電することによりこて先11が加熱され、半田を溶かすようになっている。
【0016】
また、図1および図2に、本発明品のセラミックヒーターの一例を示す。セラミックヒーター1は、発熱抵抗体4およびリード引出部5を表面に形成したセラミックシート3を、発熱抵抗体4およびリード引出部5がセラミックシート3とセラミックの芯材2の間に挟みこまれるように、芯材2の周囲に周回密着し、焼成一体化することによって、セラミック体に発熱抵抗体4とリード引出部5を内臓した構造となっている。セラミックシート3は、一般的に芯材2と同じ材質が用いられる。また、リード引出部5は、スルーホール7を介して電極パッド8に接続され、さらにその表面にNiメッキが施された後、不図示のロウ材によりリード9が接合されてセラミックヒータとする。
【0017】
更に、本発明は、図1に示すように、発熱抵抗体4を備えたセラミックシート3の外表面をさらに他のセラミックスからなる被覆層6で覆う構造としたことを特徴とする。
【0018】
この被覆層6の主たる作用は、断熱であり、セラミックヒーター1の外周部を被覆層6で覆うことにより、被覆層6とセラミックシート3間の界面による断熱効果が得られる結果、セラミックヒーター1表面の冷却による熱衝撃を緩和すると共に、外周部を保持しクラックの発生を緩和することができる。このように、被覆層6とセラミックシート3間の界面を形成することが、耐熱衝撃性を緩和するのに非常に有効であることを、本発明者等は見出した。
【0019】
即ち、セラミックヒーター1を急加熱した場合のクラックの発生原因は、発熱抵抗体4が急昇温した場合に、前記発熱抵抗体4を備えた部分のセラミックシート3の外表面がこて先11により冷却されているため昇温できず、前記セラミックシート3に引っ張り応力がかかるためである。これに対し、本発明のように、前記セラミックシート3の上をさらに被覆層6で覆うことにより、こて先11による冷却の影響を緩和し、発熱抵抗体4が急昇温した場合に、前記セラミックシート3が加熱されやすいようにすることで、セラミックシート3に発生する熱応力を緩和し、クラックの発生を防止することができる。
【0020】
ここで重要なのは、セラミックシート3の表面に被覆層6を形成して、両者の間に界面を形成する点にある。そのためには、被覆層6としては、セラミックシート3の表面と異なる材質である方が好ましい。
【0021】
発熱抵抗体4を加熱することにより発熱抵抗体4から周囲に熱が拡散するが、セラミックシート3と被覆層6との間には界面が形成されていることから、この界面における熱伝導が若干遅れる。この遅れにより、セラミックシート3の表面が有効に加熱されるため、発熱抵抗体4の膨張によるセラミックシート3への引っ張り応力を緩和し、セラミックシート3へのクラックの発生を防止することができるものと推定している。
【0022】
ここで、被覆層6の作用が断熱であるとしたが、これはセラミックヒーター1を急昇温させる初期の数秒間の作用を意味しており、半田ごてのこて先を加熱する数十秒の時間に影響するレベルのものではない。即ち、このセラミックヒーター1を加熱した際の数秒間の断熱により、セラミックヒーター1表面のセラミックシート3にクラックが発生することを防止できるとともに、数十秒間にわたる半田ごてのこて先の加熱は急速に行うことができるのである。
【0023】
本発明のセラミックヒーター1において、セラミックの芯材2およびセラミックシート3は、一般に同材質からなり、アルミナ、窒化珪素、ムライト等のセラミックを用いる。また発熱抵抗体4の材料は、タングステン、モリブデン、レニウム、白金、ロジウム等の高融点金属等を単独、または混合して用いる。発熱抵抗体4の厚みは、5〜50μmとする。
【0024】
被覆層6は、発熱抵抗体4を備えた部分を覆うようにセラミックシート3の外表面に被覆される。被覆層6の材質は、芯材2およびセラミックシート3からなるセラミック体の材質によって異なり、該セラミック体との熱膨張率の差が3×10-6deg-1以下のものが良い。
【0025】
例えば、セラミックシート3がアルミナ(Al23)の場合は、被覆層6としてMgAl24、Al23、3Al23・2SiO2等を用いる。セラミックシート3がSi34の場合は、被覆層6としてSiC、Si34を用いるとよい。また、セラミックシート3が3Al23・2SiO2の場合は、被覆層6としてAl23、MgAl24を用いるとよい。これは、前記セラミックシートと被覆層6の熱膨張率の差が3×10-6deg-1より大きく異なると、前記セラミック体との間に発生する応力が大きくなり、これがクラックの発生の原因となる場合があるためである。
【0026】
また、被覆層6の熱伝導率は、4〜42W/m・Kとすることが好ましい。これは、熱伝導率が小さすぎると半田ごて等の被加熱物を加熱しにくくなり、被加熱物の昇温速度が遅くなるからである。また、被覆層6の熱伝導率が大きすぎると、セラミックシート3にクラックがはいる原因となるからである。
【0027】
更に被覆層6は、少なくとも発熱抵抗体4を備えた部分のセラミックヒーター1の外表面を覆う様にし、被覆層6の厚みは10〜500μmの範囲とすることが好ましい。
【0028】
これは、発熱抵抗体4の一部分の上に被覆層6が無いとその部分のセラミックシート3にクラックが発生する原因となるためである。また、被覆層6の厚みが10μmより小さいとセラミックシート3のクラック防止効果が無くなり、被覆層6の厚みが500μmより大きいと、熱伝達が悪くなり、半田ごての被加熱物の加熱が悪くなって所望の昇温速度が得られない。なお、被覆層6の厚みについて、さらに好ましくは10〜300μmが良い。
【0029】
尚、本発明のセラミックヒーター1は、電極パッド8に接合されたリード9によって電力が供給される。一般的に、リード9の材料としてはNi線、Fe−Ni−Co合金線等が使用され、電極パッド8の金属材料としては、タングステンが使用され、リード9は、ロウ付けによって電極パッド8に接合される。
【0030】
また、図3に本発明のセラミックヒーター1が半田ごて10に装着された状態を示す断面図を示した。こて先11に密着するように挿入されたセラミックヒーター1に通電すると、こて先11が加熱され、半田に触れると半田を溶かすことができるようになる。こて先11は、半田付け作業するものの熱容量に応じて、大きさが選択され、また、セラミックヒーター1の発熱量についても、こて先11の熱容量に応じて選択されるようになっている。
【0031】
次に、本発明のセラミックヒーター1の製造方法に関してアルミナからなるセラミックヒーター1を例にして説明する。
【0032】
まず、アルミナ製の芯材2を用意する。アルミナ原料を用意し、CaO、MgO、SiO2等の焼結助剤、成型用バインダー等を混合した成型用原料を用意する。この原料を用い、押し出し成形、プレス成形等の成形方法で所望の形状のアルミナ製の芯材2を成型する。
【0033】
次に、上記と同様の原料を用い、ナイフブレード等の成形法でシート状のアルミナ製のセラミックシート3を用意する。これに、発熱抵抗体4およびリード引出部5をスクリーン印刷等の手段を用いて印刷する。このセラミックシート3を先程用意したアルミナ製の芯材2に巻き付け一体として脱脂した後、所定の条件で焼成し、セラミックヒーター1を得る。
【0034】
このセラミックヒーター1の外表面に溶射、PVD、CVD、スクリーン印刷、ディッピング等のいずれかの手法を用いて、例えばMgAl24,Al23からなる被覆層6を所望の形状で形成する。
【0035】
PVD法による被覆層6形成の一例を示すと、アルミナのターゲットに電子ビームを照射し、これにより飛散したアルミナを前記セラミックヒーター1の表面に固着させることにより、被覆層6を形成する。
【0036】
CVD法による被覆層6形成の一例を示すと、N2をキャリアガスとしたAlCl3ガスをセラミックヒーター1の表面に流すと同時に、他方からO2を含有するガスを流し、加熱したセラミックヒーター1の表面で、AlCl3とO2を化学反応させることによりAl23を生成させて被覆層6を形成させる。
【0037】
また、スクリーン印刷を用いる手法では、アルミナの焼成温度より低い温度で焼結する材料を曲面印刷法によりセラミックヒーター1の表面に印刷して被覆層6を形成し、所定の温度で焼結させて固着させる方法がある。
【0038】
さらに、ディッピング法を用いる場合は、アルミナの焼成温度より低い温度で焼結する材料の分散溶液中にセラミックヒーター1を挿入した後、前記分散液中から取り出すことによりセラミックヒーター1の表面に被覆層6を形成し、所定の温度で焼結させて固着させる方法がある。
【0039】
【実施例】
次に、本発明の実施例を示す。
【0040】
実施例 1
図1に示すような発熱抵抗体4の外周のセラミック体表面を被覆層6で覆う本発明品のセラミックヒーター1と、図3に示す従来のセラミックヒーター(被覆材無と表示)1を用意して、昇温テストを行った。セラミックヒーター1の材質としては、アルミナを用いた。昇温条件としては、被覆なしのサンプルにおいて、セラミックヒーター1の最高温度部が3秒間で700℃まで昇温する条件の電力を印加して評価した。それぞれ、5本づつ5サイクル評価し、双眼検査にてクラックの有無を確認した。
【0041】
また、本発明実施例においては、被覆層6として、溶射により、スピネル(MgO・SiO2)およびムライト(2Al23・2SiO2)の被覆層6を各々のサンプルに形成した。被覆層6を形成したサンプルのクラックは、被覆層6および被覆層6を除去したセラミックヒーター1の表面を両方とも観察した。結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
Figure 0003934843
【0043】
表1から判るように、被覆層6を形成しないNo.1は、全てのサンプルの表面にクラックが認められた。これに対し、スピネルおよびムライトの被覆層6を形成したNo.2、3は、全てのサンプルにクラックが発生しなかった。
【0044】
実施例 2
実施例1と同様にして、評価用のサンプルを作製した。本発明実施例としては、被覆層6の材質(コート材)として、ガラス、ムライト、スピネル、アルミナ、多孔質MgO、MgOの6種を用意し、溶射により形成した。多孔質MgOは、溶射条件を変更することにより多孔質とした。被覆層6の厚みは200μmとし、被覆層6は発熱抵抗体4部分より大きな面積を覆うように設けた。評価方法として、昇温テストと耐久テストを実施した。
【0045】
昇温テストは、実施例1と同様な条件とし、テスト後のクラックの発生の有無を調べ優位性を判断した。また、耐久テストは、被覆なしのセラミックヒーター1の表面温度が1100℃に保持される電力を2分間印加し、強制空冷するサイクルを5000サイクル繰り返した後の被覆層6の外観を、被覆層6を研磨等の手法で除去した後、赤色の色素の入った液に浸けたのち洗浄し、さらに乾燥した時に表面に滲みだしてくる液を観察するレッドチェックにより双眼検査し、クラックの有無を調べた。
【0046】
また、このセラミックヒーター1をそれぞれこて先11に挿入した場合の、こて先11が300℃まで加熱されるまでの時間を、それぞれ同じ電圧を印加して調査した。比較用に、被覆6を形成しないサンプルも同時に評価した。なお、各被覆層6の熱膨張率は、室温から400℃までのものを用いて評価した。結果を表2に示した。
【0047】
【表2】
Figure 0003934843
【0048】
表2に示すように、セラミックヒーター1と被覆層6の熱膨張差が4.5×10-6deg-1であるNo.8、9および被覆層6を形成しないNo.10には、耐久テスト後、被覆層6にクラックが発生した。また、熱伝導率が3W/m・Kと小さいNo.4にはクラックが発生した。これに対し、No.5〜7には耐久テスト後もクラックが発生しなかった。つまり、被覆層6の熱膨張率とセラミック体の熱膨張率の差が3×10-6deg-1以下であり、且つ上記被覆層6の熱伝導率が4〜42W/m・Kであるようにすると、耐熱性の優れたセラミックヒーター1が得られることが判る。
【0049】
また、こて先11の昇温時間については、被覆層6を形成した本発明実施例と被覆層6のない比較例(No.10)について、ほぼ同等の時間となり、有意差は見いだせなかった。
【0050】
実施例 3
次に、実施例1と同様の試料を用い、セラミックヒーター1の発熱抵抗体4を設置した部分の面積に対する被覆層6を生成した部分の面積の比率を変えて、セラミックヒーター1および被覆層6に対するクラックの有無を調査した。被覆層6としてセラミックヒーター1との熱膨張差が3×10-6deg 1であり熱伝導率が17W/m・Kであるスピネルを用いて被覆層6の厚みを200μmとし、被覆層6の被覆面積(コート面積)を表3のように変えてテストした。
【0051】
テストは、被覆層6なしでのセラミックヒーターの表面温度が900℃になるまでの昇温時間が3秒となる電圧を印加して、1000℃まで昇温させたあと室温まで冷却するサイクルを1000サイクル繰り返した後、クラックの発生の有無を調査した。結果は、表3に示した。
【0052】
【表3】
Figure 0003934843
【0053】
表3に示すように、被覆層6の設置面積が発熱抵抗体4の設置面積の2/3以下であるNo.11〜13にはクラックが発生したが、被覆材6の塗布面積を発熱抵抗体4の面積と同じもしくはそれより多くしたNo.14〜19にクラックは発生しなかった。
【0054】
実施例 4
次に、実施例1と同様の試料を用い、被覆層6の厚みの影響を調査した。被覆層6としては、実施例3と同じスピネルを用い、発熱抵抗体4より大きな面積を覆うようにして、厚みを0〜700μmまで変えて、被覆層6の厚みの影響を調査した。評価は、各セラミックヒーター1をこて先11に挿入密着させ、セラミックヒーター1に被覆層6なしでのセラミックヒーター1の表面温度が900℃になるまでの昇温時間が3秒の時と同じエネルギーを与えて、こて先11の昇温時間を測定し、さらに、このサイクルを500サイクル繰り返した後の、セラミックヒーター1のクラックの発生の有無を調査した。結果は、表4に示した。
【0055】
【表4】
Figure 0003934843
【0056】
表4に示すように、被覆層6の厚みが5μmであるNo.21にはクラックが発生した。また、被覆層6の厚みが700μmであるNo.27は、昇温が遅くが大きくなるので、本発明の範囲外となることがわかった。これに対し、被覆層6の厚みを10〜500μmとしたNo.21〜26は、クラックの発生もなく、こて先の昇温時間も良好な値を示した。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、急昇温にも絶えられ、安定な加熱特性を維持できる耐久性に優れた半田ごてを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒーターを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は、一部切り欠き図である。
【図2】本発明のセラミックヒーターを示す構造展開図である。
【図3】本発明のセラミックヒーターを内蔵した半田ごての先端部の断面図である。
【図4】従来のセラミックヒーターを示す図であり、(a)は構造展開図、(b)は斜視図である。
【符号の説明】
1:セラミックヒーター
2:芯材
3:セラミックシート
4:発熱抵抗体
5:リード引出部
6:被覆層
7:スルーホール
8:電極パッド
9:リード
10:半田ごて
11:こて先

Claims (1)

  1. 発熱抵抗体と該発熱抵抗体に接続したリード引出部とをセラミック体に内蔵してなるセラミックヒータと、前記セラミックヒータの一端側が内部に挿入されたこて先とを備え、前記セラミックヒータは、前記セラミック体の表面のうち少なくとも前記発熱抵抗体が埋設された部分を覆うように前記セラミック体の表面に設けられた被覆層を備え、前記被覆層は、その表面が前記こて先に接しており、前記セラミック体とは異なる材料からなり、熱伝導率が4〜42W/m・K、厚みが10〜500μmであることを特徴とする半田ごて。
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