JP2003343695A - カムフォロワ - Google Patents

カムフォロワ

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JP2003343695A
JP2003343695A JP2002154310A JP2002154310A JP2003343695A JP 2003343695 A JP2003343695 A JP 2003343695A JP 2002154310 A JP2002154310 A JP 2002154310A JP 2002154310 A JP2002154310 A JP 2002154310A JP 2003343695 A JP2003343695 A JP 2003343695A
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Japan
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side walls
claw
pair
holes
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JP2002154310A
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English (en)
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Yoshitaka Waseda
義孝 早稲田
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カムフォロワにおいて、胴体に対して支軸を抜
け止めした状態で取り付けるにあたって、支軸の軸方向
端面に打刻かしめを行うだけで、支軸の抜け止め力を増
すこと。 【解決手段】胴体2の一対の側壁6,7の貫通孔12
A,12Bに対して支軸3を嵌入し、この支軸3の端面
に打刻かしめを行うことにより抜け止め固定している。
支軸3を側壁6,7の貫通孔12A,12Bの外側開口
端よりも突出させることにより、打刻かしめにより得ら
れる爪14の背丈やボリュームを可及的に大きくできる
ようにしているとともに、この爪14の付け根側が、側
壁の貫通孔の外側開口縁に対して押し付けられるように
している。これにより、支軸3にアキシアル荷重が作用
したときに爪14が倒れにくくなり、支軸3の抜け止め
力が従来例よりも増すことになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関の
動弁機構に組み込まれるカムフォロワに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカムフォロワの1つとして、図1
7に示すようなロッカーアーム81と呼ばれるものがあ
る。図例のロッカーアーム81は、胴体82、支軸8
3、ローラ84、複数の針状ころ85を有している。
【0003】胴体82は、一対の側壁86,87と、ラ
ッシュアジャスタ90が当接されるピボット部88と、
バルブ91のステムエンドが当接されるバルブ嵌入部8
9とを有している。一対の側壁86,87間に、支軸8
3が架け渡され、この支軸83の外周に複数の針状ころ
85を介してカム92が当接されるローラ84が回転自
在に支持される。
【0004】上記支軸83は、一対の側壁86,87に
設けられる貫通孔93,94に対して嵌入されるが、こ
の支軸83の両端面が打刻かしめされることにより支軸
83が抜け止めされる。
【0005】この打刻かしめでは、図18に示すよう
に、パンチング工具などで支軸83の両端面に凹状の打
刻溝95を形成したうえで、この打刻溝95の形成に伴
い流動する肉部を側壁86,87の貫通孔93,94の
周辺に張り出させるようにする。この張り出し部分が、
支軸83の抜け出しを阻む爪96となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、支軸
83の両端を貫通孔93,94の外側開口端と面一とな
るように設定しているが、その場合、打刻かしめにより
得られる爪96の全体が貫通孔93,94の外側開口端
に設けられる通常の端縁処理用の面取り97に対して押
し付けられるようになっている。この状態では、爪96
の背丈やボリュームが小さく、また、爪96の全体が面
取り97に対して押し付けられているので、全体支軸8
3に対してアキシアル荷重が作用したときに、爪96が
倒れやすくなるなど、支軸83の抜け止め力が不足する
おそれがある。
【0007】また、支軸83の軸方向中間領域は、針状
ころ5の軌道面とされる関係より、支軸83の外周面全
体に対して研磨を施すようにしている。このため、支軸
83において打刻かしめにより得られる爪96と、貫通
孔93,94の面取り97との当接部分の摩擦抵抗が小
さくなっていると言え、支軸83の回り止め力が不足す
るおそれがある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のカムフォロワ
は、一対の対向する側壁を有する金属製の胴体と、この
胴体の一対の側壁間に架け渡された状態で取り付けられ
る金属製の支軸と、前記支軸において前記一対の側壁間
の領域に針状ころ軸受を介して回転自在に外装されかつ
カムが当接されるローラとを含む。前記支軸が、その外
周の少なくとも有効軌道領域が硬化されるとともに前記
領域以外が未硬化状態または焼き戻しされている。前記
一対の側壁それぞれに同軸状に設けられる各貫通孔に対
して前記支軸の両端部がすきま嵌めにて嵌入されている
とともに、この支軸の両端が前記各貫通孔における外側
開口端よりも外側に突出した状態に設定されている。前
記支軸の少なくとも軸方向一端の外径側に、前記貫通孔
の外側開口縁よりも径方向外向きへ張り出して前記外側
開口縁に押し付けられることによって前記支軸の抜け出
しを阻む爪が設けられている。前記爪において前記外側
開口縁に対して押し付けられる面が、粗面とされている
とともに、前記爪が、前記支軸の少なくとも軸方向一端
面の外径側を打刻かしめして塑性変形させたときに流動
する肉部で形成されている。
【0009】なお、上記外側開口端とは、貫通孔におい
て側壁の外側面側の端縁のことである。また、上記外側
開口縁とは、貫通孔において側壁の外側へ向けて開放し
ている部分の周縁のことである。
【0010】要するに、支軸の端面に対して打刻かしめ
を施すことにより、側壁に対して支軸を抜け止め固定す
る構造において、支軸を側壁の貫通孔の外側開口端より
も突出させることにより、打刻かしめにより得られる爪
の背丈やボリュームを従来例に比べて可及的に大きくで
きるようになるとともに、この爪の付け根側が、前記側
壁の貫通孔の外側開口縁に対して押し付けられることに
なる。このため、支軸にアキシアル荷重が作用したとき
に前記爪が倒れにくくなり、支軸の抜け止め力が従来例
よりも増すことになる。
【0011】しかも、上記前記爪において前記外側開口
縁に対して押し付けられる面を、粗面にしているから、
打刻かしめにより得られる爪と、前記側壁の外側面にお
いて貫通孔の周辺との当接部分の摩擦抵抗が、従来例の
ように支軸の外周面全体を研磨面とする場合に比べて大
きくなる。これにより、支軸の回り止め力が増す。
【0012】ところで、上記粗面としては、多数の筋状
の凹部とすることができる。この場合、打刻かしめによ
り得られる爪が側壁に対して押し付けられたときに、こ
の爪の外面に設ける多数の筋状の凹部内に側壁の肉部が
塑性変形して食い込みやすくなるとともに、食い込み量
が多くなる。これにより、支軸の回り止め力が増す。
【0013】
【発明の実施の形態】図1から図12に本発明の一実施
形態を示している。この実施形態では、カムフォロワと
して、エンドピボッドタイプのロッカーアームを例に挙
げている。
【0014】図示するエンドピボッドタイプのロッカー
アーム1は、胴体2と、支軸3と、ローラ4と、複数の
針状ころ5とを有している。
【0015】胴体2は、一対の側壁6,7と、それらの
長手方向一端側および他端側を連接する連接壁8,9と
を有する形状のプレス加工品とされている。
【0016】なお、上記一方の連接壁8には、ピボット
部10が、また、上記他方の連接壁9には、バルブ嵌入
部11がそれぞれ設けられている。ピボット部10は、
上向きに半球形に膨出するものとされている。バルブ嵌
入部11は、他方の連接壁9を端面から見て上下逆さ向
きの凹形状に形成されている。このバルブ嵌入部11の
天井面は、下向きに膨らむように湾曲されている。
【0017】また、上記一対の側壁6,7の長手方向中
間には、同軸状となる貫通孔12A,12Bが設けられ
ており、この貫通孔12A,12Bに対して支軸3の両
端が嵌入されることにより、支軸3が一対の側壁6,7
間に架設された状態で取り付けられている。この支軸3
において一対の側壁6,7間の領域の外周に対してロー
ラ4が複数の針状ころ5を介して回転自在に支持されて
いる。
【0018】このようなロッカーアーム1では、図1に
示すように、胴体2のピボット部10が、図示しないシ
リンダヘッドに設置されるラッシュアジャスタ20の上
端に係合され、バルブ嵌入部11に、前記シリンダヘッ
ドに設置される動弁機構のバルブ21のステムエンドが
嵌入され、さらに、ローラ4に対して前記シリンダヘッ
ドに設置されるカム22が当接される。
【0019】そして、カム22を回転させることによ
り、ピボット部10が支点となって胴体2が傾動させら
れるようになり、バルブ嵌入部11が上下に所定ストロ
ークで反復変位させられることで、バルブ21を開閉動
作させるようになる。このように、ロッカーアーム1
は、胴体2の長手方向一端側を支点として傾動させられ
る。
【0020】ここで、上記胴体2の製造手順を説明す
る。
【0021】まず、一枚の金属板Aをプレス加工で型抜
きすることにより図6(a)に示すような外形とする。
このとき、所要領域に貫通孔A1と支軸3の貫通孔12
A,12Bとを形成しておく。
【0022】この後、前記金属板Aにおいてバルブ嵌入
部11の形成予定領域A2について、図6(b)に示す
ように、その周辺を第1受け金型Bと第1押し金型Cと
を用いたプレス加工で加圧圧縮することにより板厚を薄
くし、その加圧圧縮に伴い塑性流動する肉部を前記領域
A2に集めて、ここの板厚を厚くする(偏肉処理)。
【0023】このように板厚を厚くした領域A2を、図
6(c)に示すように、第2押し金型Dを用いたプレス
加工で加圧することにより、上向きに陥没する逆さ凹形
のバルブ嵌入部11を得る。なお、このバルブ嵌入部1
1の天井面は、半円弧形に湾曲されていて、ここの形状
は第2押し金型Dの端面形状から転写されて形成され
る。
【0024】このようにした金属板Aの両側部分を、図
6(d)に示すような第2受け金型Eを用いたプレス加
工で型曲げすることにより、図6(a)の破線に沿って
ほぼU字形に折り曲げる。これにより、一対の側壁6,
7と連接壁8,9とを得る。
【0025】この後、図示しないが、長手方向他端側の
連接壁9に上向きに突出する半球形のピボット部10を
プレス加工で絞ることにより得る。なお、貫通孔12
A,12Bは、両側壁6,7の型曲げ後に行うことがで
き、また、ピボット部10は、両側壁6,7を型曲げす
る前に形成することができる。
【0026】このようにしてから、一対の側壁6,7の
貫通孔12A,12Bに対して支軸3を嵌入させるとと
もに、この支軸3に対して針状ころ5を介してローラ4
を取り付ける。
【0027】なお、上記支軸3は、その両端面の外径側
を打刻かしめすることにより、側壁6,7の貫通孔12
A,12Bに対して抜け止め固定するようにしている。
上記打刻かしめでは、支軸3の両端面を塑性変形させて
そこに輪状の打刻溝15を作るとともに、前記塑性変形
によって流動する肉部を各貫通孔12A,12Bの外側
開口縁を覆うように外径側へ張り出させるものである。
この張り出し部分が、一対の側壁6,7の各貫通孔12
A,12Bの外側開口縁に押し付けられて支軸3を抜け
止めする爪14となる。
【0028】この実施形態では、上記爪14による支軸
3の抜け止め力ならびに回り止め力を増すように工夫し
ているので、以下で説明する。
【0029】まず、一対の側壁6,7の両貫通孔12
A,12Bに対して支軸3の両端部を嵌入した状態にお
いて、例えば図8に示すように、上記支軸3の両端を、
一対の側壁6,7の各貫通孔12A,12Bの外側開口
端よりも突出させるようにしている。この突出寸法は、
側壁6,7の外側面から例えば5mm以内の範囲に設定
することができる。
【0030】また、上記支軸3と貫通孔12A,12B
との嵌め合いについては、いずれも「すきま嵌め」とし
ている。
【0031】さらに、上記胴体2における各貫通孔12
A,12Bの外側開口縁には、テーパ状の面取り13が
形成されている。この面取り13は、貫通孔12A,1
2Bの端縁処理のために通常施されるものである。ま
た、支軸3の両端にも、一般的な端面処理のための面取
り3aが施されている。但し、上記各貫通孔12A,1
2Bの面取り13や支軸3の面取り3aを省略したもの
も本発明に含まれる。
【0032】さらに、支軸3は、例えば高炭素クロム軸
受鋼などの金属を基材とし、その軸方向中間部分(針状
ころ5の軌道面となる有効軌道領域)の表面硬度を例え
ばロックウェル硬さ(HRC)で58以上に設定する
が、前記領域以外の軸方向両端部分は、打刻かしめを行
うために硬度を低く設定している。このようにするに
は、例えば支軸3の全体に熱硬化処理を施してから、軸
方向両端部分のみを焼きなましするなどして硬度を下げ
るか、あるいは支軸3の軸方向両端部分を除いて軸方向
中間部分のみに対して熱硬化処理を施すようにしてい
る。前記熱硬化処理は、ずぶ焼入れ、浸炭焼入れなど、
その他いろいろな周知の技術で行うことができる。
【0033】ここで、上述した支軸3に対する打刻かし
めの方法を説明する。
【0034】つまり、図7に示すように、一対の側壁
6,7の両貫通孔12A,12Bに対して支軸3の両端
部を嵌入させただけのロッカーアーム1を、横向き姿勢
にして、受け治具25上に載せる。この受け治具25の
上面の所定位置には陥没部25aを設けているので、受
け治具25の上面に対して側壁6,7の一方の外側面が
当接するとともに、受け治具25の陥没部25aの底面
に対して支軸3の片方の端面が当接するようになる。こ
のようにするために、上記陥没部25aの深さは、支軸
3の一端または他端が貫通孔12A,12Bから突出す
る寸法に等しく設定され、また、陥没部25aの直径寸
法は、支軸3に設ける爪14の外径寸法よりも若干大き
く設定される。
【0035】この状態において、支軸3の片方の端面に
おいて外径側所定位置に対して、パンチング工具26で
打刻かしめを行う。これにより、支軸3の片方の端面に
おいて外径側に凹状の打刻溝15が塑性変形により作ら
れたうえで、その塑性変形によって流動する肉部が、第
2の側壁7の外側面において貫通孔12Bの外側開口縁
を覆う状態で径方向外向きに張り出されて、貫通孔12
Bの面取り13に対して押し付けられるようになる。こ
の張り出し部分が、支軸3の抜け出しを阻む爪14とな
る。この爪14の張り出し寸法は、貫通孔12A,12
Bの面取り13以上の寸法とするのが好ましい。
【0036】引き続き、図8に示すように、胴体2を上
下ひっくり返して、支軸3の残り片方の端面において外
径側所定位置に対して、上述した打刻かしめを行う。こ
れにより、支軸3の残り片方の端面において外径側に凹
状の打刻溝15が塑性変形により作られたうえで、その
塑性変形によって流動する肉部が、第1の側壁6の外側
面において貫通孔12Aの外側開口縁を覆う状態で径方
向外向きに張り出されて、貫通孔12Aの面取り13に
対して押し付けられるようになる。この張り出し部分
が、支軸3の抜け出しを阻む爪14となる。
【0037】なお、上記打刻かしめを行う前に、一対の
側壁6,7において打刻かしめを行う予定位置に目印用
の浅い溝(図示、符号省略)を設けておいてもよい。こ
の溝を設けていれば、打刻かしめ時の塑性変形を容易に
行えるようになる。
【0038】このように、支軸3を側壁6,7の貫通孔
12A,12Bの外側開口端よりも突出させるように設
定していれば、支軸3に対する打刻かしめにより得られ
る爪14の背丈やボリュームを従来例に比べて可及的に
大きくできるようになるとともに、この爪14の少なく
とも付け根側が、側壁6,7の貫通孔12A,12Bの
面取り13の最小径部分に対して押し付けられることに
なる。このため、支軸3にアキシアル荷重が作用したと
きに爪14が倒れにくくなり、支軸3の抜け止め力が従
来例よりも増すことになる。なお、図4に示すように、
爪14の付け根側が、側壁6,7の貫通孔12A,12
Bの面取り13の最小径部分に対して押し付けられると
ともに、爪14の途中が面取り13の最大径部分に対し
て押し付けられることによって、爪14の途中が面取り
13に対して僅かに離れた状態になることもある。しか
し、爪14を面取り13に対して隙間なく圧接される場
合もある。
【0039】ところで、上記支軸3の外周面において、
貫通孔12A,12Bに嵌入する領域に対して、図9か
ら図12に示すようないろいろなパターンの筋状の凹部
16を多数設けることにより、結果的に表面を凹凸にす
ることができる。
【0040】図9では、筋状の凹部16を、支軸3の中
心軸線に対して傾いた斜線群と、この斜線群に対して9
0度交差する斜線群として、いわゆるローレット模様に
したものを例示している。
【0041】図10では、筋状の凹部16を、支軸3の
中心軸線に対して傾く斜線群としたものを例示してい
る。
【0042】図11では、筋状の凹部16を、支軸3の
中心軸線に沿う直線群と、この直線群に対して90度交
差する周方向に沿う直線群として、格子模様にしたもの
を例示している。
【0043】図12では、筋状の凹部16を、支軸3の
中心軸線に沿う直線群としたものを例示している。
【0044】上記凹部16は、少なくとも支軸3の軸方
向両端において爪14となる領域にのみ設けてもよい。
例えば側壁6,7の厚み寸法を3.2mm、支軸3の軸
方向長さ寸法を17.3mmとする場合だと、支軸3の
両端から3.2mmまでの領域に上記凹部16を形成す
ればよい。また、支軸3の直径寸法を8.3mmとする
場合、凹部16の深さを1mm以下に設定すればよい。
【0045】また、上記のような凹部16の替わりに、
支軸3の所定領域の表面を研磨せずに例えば研削目を残
した粗面にするだけでもよい。この表面粗さは、例えば
中心線平均粗さ(Ra)で1.6に設定することができ
る。
【0046】この場合、打刻かしめにより得られる爪1
4を側壁6,7の貫通孔12A,12Bの面取り13に
対して押し付けると、この爪14の外面に設けた多数の
筋状の凹部16内に面取り13の肉部が塑性変形して食
い込むことになる。この食い込みにより、支軸3の爪1
4と面取り13との摩擦抵抗が増大し、貫通孔12A,
12Bに対する支軸3の回り止め力が増すことになる。
【0047】以上説明した実施形態では、胴体2に対し
て支軸3を抜け止めした状態で取り付けるにあたって、
従来例と同様に支軸3の軸方向端面に打刻かしめを行う
だけで、支軸3の抜け止め力と回り止め力とを従来例よ
りも増すことができ、信頼性の高いロッカーアーム1を
提供できるようになる。
【0048】なお、本発明は上述した実施形態のみに限
定されるものではなく、種々な応用や変形が考えられ
る。
【0049】(1)上記実施形態において、支軸3の端
面に対する打刻かしめの形態としては、打刻溝15を輪
状とせずに、周方向で途切らせるようにしてもよい。ま
た、図13に示すように、支軸3の端面において外径寄
りの円周数ヶ所に対して、ドット状に凹ませる打刻かし
めを行うようにしてもよい。この場合には、支軸3の端
面の外径側の円周数ヶ所にドット状の打刻痕15が作ら
れたうえで、貫通孔12A,12Bの外側開口縁よりも
径方向外向きに張り出す爪14が作られる。
【0050】(2)上記実施形態において、支軸3を第
1の側壁6の貫通孔12Aから差し込む場合だと、支軸
3と第1の側壁6の貫通孔12Aとの嵌め合いについて
は「すきま嵌め」とし、支軸3と第2の側壁7の貫通孔
12Bとの嵌め合いについては「中間嵌め」あるいは
「しまり嵌め」とすることができる。これとは逆に、支
軸3を第2の側壁7の貫通孔12Bから差し込む場合だ
と、支軸3と第2の側壁7の貫通孔12Bとの嵌め合い
については「すきま嵌め」とし、支軸3と第1の側壁6
の貫通孔12Aとの嵌め合いについては「中間嵌め」あ
るいは「しまり嵌め」とすることができる。これらの場
合、「すきま嵌め」とする側だけに、打刻かしめを行っ
て爪14を設けるようにしてもよい。
【0051】(3)上記実施形態のロッカーアーム1に
おいて、バルブ嵌入部11について胴体2と別体に形成
しておいて胴体2に対して溶接などで固着することがで
きる。その場合には、上記胴体2の長手方向一端だけに
連接壁8を設けておけばよい。
【0052】(4)上記エンドピボットタイプのロッカ
ーアーム1では、ピボット部10について、胴体2の連
接壁8そのものを加工して得ているが、図14に示すよ
うに、胴体2の連接壁8に対してアジャストスクリュー
17を螺合装着して、このアジャストスクリュー17の
一端をラッシュアジャスタ20に対して当接させるよう
にしてもよい。この例では、アジャストスクリュー17
の螺合代を可及的に長くするために、連接壁8に対して
バーリング加工を施すことにより下向きに膨出する円筒
部10Aを設け、この円筒部10Aにねじ溝を形成して
いる。
【0053】(5)上記実施形態では、エンドピボッド
タイプのロッカーアーム1を例に挙げているが、図15
に示すようなセンタピボッドタイプのロッカーアームに
も本発明を適用できる。図15に示すセンタピボッドタ
イプのロッカーアーム1は、胴体2の長手方向中間を支
点として傾動させられるものである。具体的に、胴体2
は、一対の側壁6,7とそれらを長手方向一端側で連接
する連接壁8とを有している。一対の側壁6,7の長手
方向一端には、同軸状の貫通孔12A,12Bが設けら
れており、また、長手方向中間にも同軸状の貫通孔18
A,18Bが設けられている。この長手方向一端側の貫
通孔12A,12Bに対して支軸3が取り付けられ、長
手方向中間の貫通孔18A,18Bには円筒形のブッシ
ュ19が取り付けられている。このブッシュ19に対し
て図示しないシリンダヘッドのロッカシャフト23が摺
動可能に挿通され、このロッカシャフト23を支点とし
て胴体2が傾動するようになる。この実施形態でも、支
軸3の抜け止め構造については上記実施形態と同じとさ
れるので、その説明は省略する。
【0054】(6)上記(5)で例示したセンタピボッ
トタイプのロッカーアーム1では、バルブ嵌入部11
を、胴体2の連接壁8そのものを加工して得ているが、
図16に示すように、胴体2の連接壁8に対してアジャ
ストスクリュー17Aを螺合装着して、このアジャスト
スクリュー17Aの一端をバルブ21のステムエンドに
当接させるようにしてもよい。この例では、アジャスト
スクリュー17Aの螺合代を可及的に長くするために、
連接壁8に対してバーリング加工を施すことにより下向
きに膨出する円筒部10Bを設け、この円筒部10Bに
ねじ溝を形成している。
【0055】(7)上記各実施形態では、胴体2をプレ
ス加工品とした例を挙げているが、鉄系金属や、アルミ
ニウムなどの軽合金などを用いて、ロストワックスやダ
イカスト製法などで製作される鋳造品とすることができ
る。
【0056】
【発明の効果】本発明では、支軸の端面に対して打刻か
しめを施すことにより、胴体の一対の側壁に対して支軸
を抜け止め固定する構造のカムフォロワにおいて、打刻
かしめにより得られる爪の背丈やボリュームを可及的に
大きくできるようにしているとともに、この爪の付け根
側が、前記側壁の貫通孔の外側開口縁に対して押し付け
られるようにしている。このため、支軸にアキシアル荷
重が作用したときに前記爪が倒れにくくなり、支軸の抜
け止め力が従来例よりも増すことになり、信頼性の向上
に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るロッカーアームを示
す側面図
【図2】図1のロッカーアームの分解斜視図
【図3】図1のロッカーアームの平面図
【図4】図3の(4)−(4)線断面の矢視図
【図5】図3の(5)−(5)線断面の矢視図
【図6】図1のロッカーアームの胴体の製造手順を示す
説明図
【図7】支軸に対する打刻かしめの様子を示す説明図
【図8】支軸に対する打刻かしめの様子を示す説明図
【図9】支軸の両端に形成する凹部パターンの第1例を
示す側面図
【図10】支軸の両端に形成する凹部パターンの第2例
を示す側面図
【図11】支軸の両端に形成する凹部パターンの第3例
を示す側面図
【図12】支軸の両端に形成する凹部パターンの第4例
を示す側面図
【図13】支軸に対する打刻かしめの変形例を示す側面
【図14】図1に示すロッカーアームの変形例を示す側
面図
【図15】本発明の他の実施形態に係るロッカーアーム
を示す側面図
【図16】図15に示すロッカーアームの変形例を示す
側面図
【図17】従来例に係るロッカーアームを示す側面図
【図18】図17の(18)−(18)線断面の矢視図
【符号の説明】
1 ロッカーアーム 2 胴体 3 支軸 4 ローラ 6 胴体の第1の側壁 7 胴体の第2の側壁 8,9 胴体の連接壁 10 胴体のピボット部 11 胴体のバルブ嵌入部 12A 第1側壁の貫通孔 12B 第2側壁の貫通孔 14 爪 15 打刻溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G016 AA06 AA19 BA18 BA49 BB18 BB22 CA04 CA06 CA11 CA12 CA15 CA21 CA22 CA35 CA50 CA52 EA02 EA24 FA07 FA12 FA17 FA19 FA35 FA37 GA01 GA02 GA05 3J030 EA22 EB03 EB07 EC07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の対向する側壁を有する金属製の胴体
    と、この胴体の一対の側壁間に架け渡された状態で取り
    付けられる金属製の支軸と、前記支軸において前記一対
    の側壁間の領域に針状ころ軸受を介して回転自在に外装
    されかつカムが当接されるローラとを含み、 前記支軸が、その外周の少なくとも有効軌道領域が硬化
    されるとともに前記領域以外が未硬化状態または焼き戻
    しされており、 前記一対の側壁それぞれに同軸状に設けられる各貫通孔
    に対して前記支軸の両端部がすきま嵌めにて嵌入されて
    いるとともに、この支軸の両端が前記各貫通孔における
    外側開口端よりも外側に突出した状態に設定されてお
    り、 前記支軸の少なくとも軸方向一端の外径側に、前記貫通
    孔の外側開口縁よりも径方向外向きへ張り出して前記外
    側開口縁に押し付けられることによって前記支軸の抜け
    出しを阻む爪が設けられており、 前記爪において前記外側開口縁に対して押し付けられる
    面が、粗面とされているとともに、前記爪が、前記支軸
    の少なくとも軸方向一端面の外径側を打刻かしめして塑
    性変形させたときに流動する肉部で形成されている、カ
    ムフォロワ。
  2. 【請求項2】請求項1のカムフォロワにおいて、 前記粗面が、多数の筋状の凹部からなる、カムフォロ
    ワ。
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