JP4525435B2 - ロッカアーム - Google Patents
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Description
そして、バルブステム受け部用接続部に形成されたバルブステム受け部にエンジンのバルブステムが当接し、ピボット受け部用接続部に形成されたピボット受け部にエンジンのラッシュアジャスタのピボットが当接し、ローラ配置用開口部に回転自在に設置されたローラにエンジンのカムが摺動するものである。
しかるに、ロッカアームの軽量化のために、上記ローラとバルブステム受け部との長手方向距離はより小さく設定しようとしており、必然的にロッカアームの側壁部は、上記ローラ配置部とバルブステム受け部用接続部との短い距離の間で、側壁間距離を急激に変化させる必要が出てくることになる。
すなわちロッカアームの成形時において、側壁部のローラ配置部とバルブステム受け部用接続部でのオフセット量を大きく設定する必要があり、このため大きくオフセットさせた部位の曲げ部の外側もしくは端部にクラックが発生したり、加工精度が悪化するなどの問題が生じることになる。このためロッカアームの側壁部を大きくオフセット成形できる構造や製造法の開発が望まれていた。
前記バルブステム受け部用接続部における一対の側壁部の外側面同士の間隔が、2段以上の段差をもって階段状またはテーパ状に減少し、
前記バルブステム受け部用接続部における側壁部の外側面と前記ローラ配置用開口部における側壁部の外側面との、前記側壁部の厚さ方向の距離であるオフセット量が、前記素材の板厚の0.2〜2.0倍であることを特徴とする。
(i)バルブステム受け部用接続部における一対の側壁部の外側面同士の間隔が、該側壁部の上縁から下縁に向かって、あるいは前記ローラ配置用開口部側から該バルブステム受け部用接続部の長手方向の一方の端部に向かって、2段以上の段差をもって階段状またはテーパ状に減少するから、軽量化や小型かつ高剛性化を図ることができる。
(ii)また、バルブステム受け部用接続部における一対の側壁部の内側面同士の間隔が、前記バルブステム受け部用接続部から側壁部の下縁に向かって1段以上の段差をもって階段状に増加、すなわち、当該範囲において、側壁部の外側面および内側面の両方が、下縁に向かって階段状に接近するから、高い剛性および高い加工精度を維持したまま、さらに一層の軽量化や小型かつ高剛性化をを図ることができる。
(iii)また、前記オフセット量が素材の板厚の0.2〜2.0倍であるため、プレス成形の加工においてクラックの発生が防止されると共に、メタルフローの連続した塑性加工が可能であるから、高剛性化および高精度化を図りながらも、製造コストの上昇を抑えることができる。
(iv)さらに、針状ころを介してローラが回転自在に配置されているから、軽量化や小型かつ高剛性化に呼応して、さらなる高速追従性、低振動化(騒音化)並びに長寿命化を推進することができる。
図1、2は本発明の実施形態1に係るロッカアームを模式的に示す、図1の(a)は平面図、図1の(b)は正面図、図1の(c)は斜視図、図2の(a)は底面図、図2の(b)は右側面図である。
図1、2において、ロッカアーム100は、対向する一対の側壁部1a、1bと、側壁部1a、1bの長手方向の一方(図中、水平方向で右側)の内側面12a、12b同士を接続するバルブステム受け部用接続部2と、側壁部1a、1bの長手方向の他方(図中、水平方向で左側)の内側面13a、13b同士を接続するピボット受け部用接続部3と、側壁部1a、1bの長手方向の略中央の内側面14a、14bに挟まれた開口部であって、バルブステム受け部用接続部2とピボット受け部用接続部3との間に形成されたローラ配置用開口部4とを有している。なお、ロッカアーム100は、平面視において、長手方向に平行な面に対して面対称であるため、以下、共通する内容については添え字「a、b」を省略して一方について説明し、図中には一方のみ記載する場合がある。
なお、図1の(b)において略水平面「B4−B3−C2−C1−B4」を二重線に寄って模式的に示しているが、該略水平面を含め各面同士の接続は所定半径のフィレットによって繋がっているから、各面を規定する図中の直線は正確には見えないものである。
また、バルブステム受け部用接続部2は、上面28が略平面で、下面29が略円筒または略樽の一部に相当する形状を呈している。したがって、図示しない自動車等のエンジンのバルブステムは、狭くなった第1内側面15a、15b同士の間に挿入され、その先端が下面29に当接する。
なお、第1オフセットf1、第2オフセットf2、あるいは第3オフセットf3は、素材となる板材の厚さの0.2〜2.0倍程度が好適であるが、本発明はこれを限定するものではなく、素材の材質の変更や、形成の途中に素材の焼き鈍し工程で200HB以下の硬度にすることにより、また潤滑剤の塗布工程等を追加して、かかるオフセットを2.0〜3.0倍にすることができるものである。
ピボット受け部用接続部3には、下面39に略球の一部に相当する凹部31が形成され、凹部31に図示しないエンジンのラッシュアジャスタのピボットが摺動するものである(以下、凹部31の内面を「ピボット受け部31」と称する)。そして、ピボット受け部用接続部3の上面38には、ピボット受け部31に対応して、略球の一部に相当する凸部32が形成されている。また、ピボット受け部31と凸部の外面とを結ぶ貫通孔33が形成されている。貫通孔33は、ピボット受け部31への潤滑油の供給に供するものであるが、省略してもよい。
図中、長手方向の他方における内側面13a、13b同士の間隔が、長手方向の中央における内側面14a、14b同士の間隔よりも大きくっているから、ピボット受け部31の形成が容易になると共に、側壁部1の板厚が薄くなった分だけ軽量化が図られている。
ローラ配置用開口部4に相当する位置の側壁部1には、図示しない支軸を設置するための貫通孔41が形成されている。したがって、貫通孔41に設置された支軸の周囲に針状ころを配置してローラを設置することができるから、当該ローラに当接するカムの摺動抵抗が減少し、バルブの円滑な作動と燃費の向上が可能になる。
なお、貫通孔41に替えて、支軸設置用の断面円形の凹部を内側面に形成してもよい。
図3、4は本発明の実施形態2に係るロッカアームの一部を拡大して模式的に示す、図3の(a)は平面図、図3の(b)は正面図、図4の(a)は底面図、図4の(b)は右側面図である。なお、実施の形態1(図1、2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図3、4において、ロッカアーム200のバルブステム受け部用接続部2に相当する位置の側壁部1の外側面は、第1外側面21、第2外側面22、第3外側面23に追加して、本体外側面10から軸方向の距離f4(第4オフセットに相当する)の位置に第4外側面24(図中「E1−E2−E3−E4−E5−E1」にて示す)が階段状に形成されている。
したがって、実施の形態1よりも、さらに軽量化が促進されている。このとき、前述のように、各面は略水平面によって階段状に形成されているから、寸法精度が保証され、かつ、メタルフローが連続している。なお、本発明は、外側面の段差を4段以下に限定するものではなく、5段以上であってもよい。
図5、6は本発明の実施形態3に係るロッカアームの一部を拡大して模式的に示す、図5の(a)は平面図、図5の(b)は正面図、図6の(a)は底面図、図6の(b)は右側面図である。なお、実施の形態1(図1、2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図5、6において、ロッカアーム300のバルブステム受け部用接続部2に相当する位置の側壁部1の外側面には第1外側面21および第2外側面22が形成され、一方、第2外側面22の内側である第1内側面15には、下縁に沿って第2内側面16(図中「F1−F2−F3−F4−F1」にて示す範囲)が形成されている。
なお、第1内側面15と第2内側面16との軸方向の距離g1(段差に同じ)は適宜選定できるものである。また、外側面に準じて、第3内側面等(図示しない)を形成してもよい。さらに、実施形態1、2に準じて、外側面に3段以上の段差を設けてもよい。
図7、8は本発明のその他の実施形態に係るロッカアームの一部を模式的に示す、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は斜視図である。なお、実施の形態1(図1、2)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図7において、ロッカアーム400のバルブステム受け部用接続部2に相当する位置の側壁部1の外側面には第1外側面21、第2外側面22および第3外側面23が形成され、さらに、第2外側面22のローラ配置用開口部4側には、上下方向に第4外側面24(図中「C1−C4−C5−C6−C1」にて示す範囲)が設けられている。すなわち、第2外側面22と第4外側面24とが略L字状に連結して略平面(図中「C1−C2−C3−C4−C5−C6−C1」にて示す範囲)を形成している。
段差面が階段状の場合、より軽量化が図れるものの、オフセットの大きさによっては、加工が難しくなる。一方、段差面をテーパ状にした場合、階段状の場合より重量が増すものの、加工が容易になる。したがって、これらの条件を勘案して形状を選択すればよい。
なお、前記ロッカアーム200〜500も、ロッカアーム600と同様に段差面をテーパ状にすることができるものである。
2 バルブステム受け部用接続部
3 ピボット受け部用接続部
4 ローラ配置用開口部
10 本体外側面
12 内側面(バルブステム受け部用接続部相当位置)
13 内側面(ピボット受け部用接続部相当位置)
14 内側面(ローラ配置用開口部相当位置)
15 第1内側面
16 第2内側面
21 第1外側面
22 第2外側面
23 第3外側面
24 第4外側面
28 上面(バルブステム受け部用接続部)
29 下面(バルブステム受け部用接続部)
31 ピボット受け部(凹部)
32 凸部
33 貫通孔
38 上面(ピボット受け部用接続部)
39 下面(ピボット受け部用接続部)
41 貫通孔
100 ロッカアーム
200 ロッカアーム
300 ロッカアーム
f1 第1オフセット
f2 第2オフセット
f3 第3オフセット
f4 第4オフセット
g1 距離(内側面段差)
Claims (3)
- 対向する一対の側壁部と、該一対の側壁部の長手方向の一方の内側面同士を接続するバルブステム受け部用接続部と、前記一対の側壁部の長手方向の他方の内側面同士を接続するピボット受け部用接続部と、前記バルブステム受け部用接続部とピボット受け部用接続部との間に形成されたローラ配置用開口部とを有する、板状の素材を形成してなるロッカアームであって、
前記バルブステム受け部用接続部における一対の側壁部の外側面同士の間隔が、2段以上の段差をもって階段状またはテーパ状に減少し、
前記バルブステム受け部用接続部における側壁部の外側面と前記ローラ配置用開口部における側壁部の外側面との、前記側壁部の厚さ方向の距離であるオフセット量が、前記素材の板厚の0.2〜2.0倍であることを特徴とするロッカアーム。 - 前記バルブステム受け部用接続部における一対の側壁部の内側面同士の間隔が、前記バルブステム受け部用接続部から側壁部の下縁に向かって1段以上の段差をもって階段状に増加することを特徴とする請求項1記載のロッカアーム。
- 前記一対の側壁部の前記ローラ配置用開口部に相当する位置に支軸が設置され、該支軸に針状ころを介してローラが回転自在に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のロッカアーム。
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