JP2003343210A - 溶接接合構造を有するタービンケーシング及びそれを適用した蒸気タービン並びにタービンケーシングの製造方法 - Google Patents

溶接接合構造を有するタービンケーシング及びそれを適用した蒸気タービン並びにタービンケーシングの製造方法

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JP2003343210A
JP2003343210A JP2002149640A JP2002149640A JP2003343210A JP 2003343210 A JP2003343210 A JP 2003343210A JP 2002149640 A JP2002149640 A JP 2002149640A JP 2002149640 A JP2002149640 A JP 2002149640A JP 2003343210 A JP2003343210 A JP 2003343210A
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turbine casing
creep rupture
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JP2002149640A
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Masayuki Yamada
政之 山田
Yoichi Tsuda
陽一 津田
Ryuichi Ishii
龍一 石井
Satoru Asai
知 浅井
Masataka Kikuchi
正孝 菊地
Joji Kaneko
丈治 金子
Takao Inukai
隆夫 犬飼
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1つのタービンケーシング内の蒸気流れの上流
側から下流側において異なる蒸気条件に対応して、それ
ぞれのケーシング材の有する材料特性の特徴を最大限生
かすことができるタービンケーシングを提供する。 【解決手段】化学組成の異なる複数のケーシング部分素
材を、溶接接合することによって得られるものであっ
て、前記ケーシング部分素材のうち、蒸気流れの上流側
の高温・高圧蒸気にさらされる部位の前記タービンケー
シング部分素材を、1%CrMo系耐熱鋼、1%CrM
oV系耐熱鋼、2.25%CrMo系耐熱鋼、12%C
r系耐熱鋼のいずれかで構成し、かつ蒸気流れの下流側
で低温・低圧蒸気にさらされる部位のケーシング部分素
材を、炭素鋼で構成したタービンケーシング。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接接合構造を有
するタービンケーシングおよびそれを適用した蒸気ター
ビン並びにタービンケーシングの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複数のタービンロータを機械的
に結合した蒸気タービンでは、その高圧側から低圧側ま
での使用蒸気条件等に応じて最適なロータ材が選定され
ている。その際、各ロータはそれぞれのタービンケーシ
ング内に納められ、その中で蒸気の持つ熱エネルギーを
回転エネルギーに変換している。そのうち、高圧、中
圧、または高中圧ケーシングは蒸気流れの上流側から下
流側まで種々の蒸気温度にさらされている。図4は従来
の高圧、中圧、または高中圧蒸気タービンケーシングの
代表的な断面構造の概念を模式的に示したものである。
図5は従来の高低圧一体型、高中低圧一体型、または中
低圧一体型蒸気タービンケーシングの代表的な断面構造
の概念を模式的に示したものである。
【0003】ここで、高圧ケーシングおよび高中圧ケー
シングの高圧蒸気入口部例えば図4のTAでは、一般に
蒸気温度は約500℃以上、圧力は約10.13MPa
(100ata)以上、中圧ケーシングおよび高中圧ケ
ーシングの中圧蒸気入口部例えば図4のTAでは、一般
に蒸気温度は約500℃以上、圧力は約2.03〜6.
08MPa(20〜60ata)である。
【0004】しかし、高圧ケーシングおよび高中圧ケー
シングの高圧蒸気出口部例えば図4のTDでは、一般に
蒸気温度は約350〜380℃、圧力は約2.03〜
6.08MPa(20〜60ata)、中圧ケーシング
および高中圧ケーシングの中圧蒸気出口部例えば図4の
TDでは、一般に蒸気温度は約250〜380℃、圧力
は約0.41〜1.52MPa(4〜15ata)とな
る。構造設計的には蒸気の最も高温・高圧環境にさらさ
れている部位に必要なクリープ破断強度を基本としてい
る。
【0005】ところが、一般にはケーシング素材は同一
組成で製造されているため、蒸気の下流側では温度が低
くなってクリープ現象が生じないにも拘らず、クリープ
破断強度に優れたケーシング素材になっているのが実情
であり、過剰な素材コストの発生を招いている。
【0006】例えば、高圧、中圧、または高中圧ケーシ
ング材としては、クリープ破断強度に優れた1%CrM
o系耐熱鋼、1%CrMoV系耐熱鋼、2.25%Cr
Mo系耐熱鋼、12%Cr系耐熱鋼のいずれが採用され
ている。
【0007】一方、蒸気タービンの小型化および機構の
簡略化といった見地から、高圧側から低圧側までを同一
材質で一体に形成するロータを適用し、それを覆うケー
シングの数を単一化した、いわゆる高低圧または高中低
圧一体型蒸気タービンが注目されている。また、より一
層の熱効率向上の観点から、高圧部分のみを独立させた
高圧タービンと中低圧タービンを組合せた構造の蒸気タ
ービンも注目されている。
【0008】これらの高低圧または高中低圧一体型、お
よび中低圧一体型蒸気タービンにおいては、高圧部、中
圧部の蒸気入口部および蒸気出口部の蒸気温度と圧力
は、上述した高圧、中圧、または高中圧ケーシングとほ
ぼ同等レベルであるが、低圧部の蒸気入口部では、一般
に蒸気温度は約250〜380℃、圧力は約0.41〜
1.52MPa(4〜15ata)であり、蒸気出口部
では、一般に蒸気温度は約30〜40℃、圧力は約0.
005MPa(0.05ata)以下となる。
【0009】これらの高低圧または高中低圧一体型、お
よび中低圧一体型蒸気タービンにおいては、その高圧お
よび中圧部分にはクリープ破断強度に優れた1%CrM
o系耐熱鋼、1%CrMoV系耐熱鋼、2.25%Cr
Mo系耐熱鋼、12%Cr系耐熱鋼のうちのいずれかの
耐熱鋼が適用され、またその低圧部分には炭素鋼を適用
され、それらの炭素鋼と耐熱鋼はボルトにより締結され
ている。
【0010】この場合は、蒸気条件に応じたケーシング
材料の良好な配置にはなっているものの、ケーシングの
製造コストの増加や部品点数の増加につながり、ケーシ
ングのコスト増加を招いている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】蒸気タービンケーシン
グの蒸気入口側(高温・高圧側)と蒸気出口側(低温・
低圧側)では、上述したように蒸気の温度や圧力に大き
な差がある。従って、各蒸気条件に対して必要とされる
ケーシングの材料特性にも違いがある。
【0012】しかし、前述した従来の蒸気タービンでは
必ずしもケーシング材料を適材適所に配置した使い方に
はなっておらず、過剰な素材コストの発生を招いている
だけでなく、使われる蒸気の温度や圧力環境には不必要
な特性を有することによって、逆に靭性などの特性が不
十分である可能性も考えられる。
【0013】一般に、クリープ破断強度と靭性は相反す
る場合が多いため、例えば低温・低圧環境ではクリープ
現象を生じないにも拘らずクリープ破断強度に優れた材
料を使用することにより、その材料の靭性が低くなり、
タービンの長期運用による破壊トラブル発生の危険性が
考えられる。また、蒸気条件に対応したケーシング材料
の配置は良好であっても、製造コストの増加を招いてい
るケースも多い。
【0014】本発明はこのような従来の問題に対処して
なされたものであり、1つのタービンケーシング内の蒸
気流れの上流側から下流側において異なる蒸気条件に対
応して、それぞれのケーシング材の有する材料特性の特
徴を最大限生かすことができ、またケーシングおよび蒸
気タービン全体としてのコストダウンを図ることがで
き、長期運用における破壊トラブルリスクの低減効果
や、ケーシング製造コスト削減効果を生み出すことがで
きる溶接接合構造を有するタービンケーシング及びそれ
を適用した蒸気タービン並びにタービンケーシングの製
造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に対応する発明は、化学組成の異なる複数
のケーシング部分素材を、溶接接合することによって得
られるタービンケーシングである。
【0016】前記目的を達成するため、請求項2に対応
する発明は、複数のケーシング部分素材を、溶接接合す
ることによって得られるタービンケーシングを備えた蒸
気タービンである。
【0017】前記目的を達成するため、請求項3に対応
する発明は、蒸気流れの上流側の部位となる前記タービ
ンケーシング部分素材を、1%CrMo系耐熱鋼、1%
CrMoV系耐熱鋼、2.25%CrMo系耐熱鋼、1
2%Cr系耐熱鋼のいずれかで構成し、かつ蒸気流れの
下流側の部位となるケーシング部分素材を、炭素鋼で構
成した請求項1記載のタービンケーシングである。
【0018】前記目的を達成するため、請求項4に対応
する発明は、化学組成の異なる複数のケーシング部分素
材をTIG溶接又は狭開先TIG溶接を適用して互いに
溶接接合する工程を含むことを特徴とするタービンケー
シングの製造方法である。
【0019】前記目的を達成するため、請求項5に対応
する発明は、直流電源を用い、タングステン電極をマイ
ナス極とする工程を含むことを特徴とする請求項4記載
のタービンケーシングの製造方法である。
【0020】前記目的を達成するため、請求項6に対応
する発明は、次のようにしたものである。すなわち、前
記TIG溶接又は前記狭開先TIG溶接は、アーク電流
値を周期的に変化させて溶接するパルス法を適用したこ
とを特徴とする請求項4記載のタービンケーシングの製
造方法である。
【0021】前記目的を達成するため、請求項7に対応
する発明は、次のようにしたものである。すなわち、前
記TIG溶接又は前記狭開先TIG溶接は、溶加材とし
てワイヤを用い、該ワイヤを電源で通電して抵抗加熱す
るようにしたホットワイヤ法を適用したことを特徴とす
る請求項4記載のタービンケーシングの製造方法であ
る。
【0022】前記目的を達成するため、請求項8に対応
する発明は、前記TIG溶接又は前記狭開先TIG溶接
により、タービンケーシングの左右のフランジ部を同時
に、または左右交互に溶接接合する工程と、シェル部分
を溶接接合する工程とを含むことを特徴とする請求項4
〜7のいずれかに記載のタービンケーシングの製造方法
である。
【0023】前記目的を達成するため、請求項9に対応
する発明は、次のようにしたものである。すなわち、前
記TIG溶接又は前記狭開先TIG溶接は、溶接接合前
の状態では溶接開先の幅は溶接初層部位よりも溶接最終
層部位において徐々に広くなるようにしておき、溶接接
合終了後は溶接最終層部位の開先幅が溶接初層部位の開
先幅に比べて同等もしくはそれ以上になるように、溶接
接合深さに依存したある角度を設定して溶接接合するこ
とを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のタービ
ンケーシングの製造方法である。
【0024】前記目的を達成するため、請求項10に対
応する発明は、前記TIG溶接又は前記狭開先TIG溶
接を行うにあたり、溶接接合前の予熱温度を200〜2
50℃にする工程と、溶接接合終了後の後熱処理温度を
630〜700℃にて溶接接合する工程とを含むことを
特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のタービンケ
ーシングの製造方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につい
て、以下の実施例および比較例を参照して説明するが、
その前に本発明で使用する、1%CrMo系耐熱鋼、1
%CrMoV系耐熱鋼、2.25%CrMo系耐熱鋼、
12%Cr系耐熱鋼の組成について説明する。本発明で
使用する1%CrMo系耐熱鋼とは、重量%でCは0.
08〜0.20%、Niは0.1〜0.8%、Crは
0.8〜1.3%、Moは0.8〜1.3%を含み、他
はFeおよび不可避的不純物を含む耐熱鋼のことを指し
ている。
【0026】また、本発明で使用する1%CrMoV系
耐熱鋼とは、重量%でCは0.08〜0.20%、Ni
は0.1〜0.8%、Crは0.8〜1.3%、Moは
0.8〜1.3%、Vは0.2〜0.3%を含み、他は
Feおよび不可避的不純物を含む耐熱鋼を指している。
【0027】さらに、本発明で使用する2.25%Cr
Mo系耐熱鋼とは、重量%でCは0.08〜0.20
%、Niは0.1〜0.8%、Crは2.0〜2.5
%、Moは0.8〜1.3%を含み、他はFeおよび不
可避的不純物を含む耐熱鋼を指している。
【0028】また、本発明で使用する12%Cr系耐熱
鋼とは、重量%でCは0.08〜0.25%、Niは
0.1〜0.8%、Crは8.5〜12.0%、Moは
0.8〜1.3%、Vは0.2〜0.3%、Nbは0.
03〜0.20%、Nは0.03〜0.08%を含み、
他はFeおよび不可避的不純物を含む耐熱鋼、或いは、
重量%でCは0.08〜0.25%、Niは0.1〜
0.8%、Crは8.5〜12.0%、Moは0.8〜
1.3%、Vは0.2〜0.3%、Nbは0.03〜
0.20%、Nは0.03〜0.08%、Wは0.3〜
1.2%を含み、他はFeおよび不可避的不純物を含む
耐熱鋼のいずれかを指している。
【0029】〔実施例1〕本発明の実施例1について、
図1及び図2並びに表1〜表3、表4を参照して説明す
る。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】表1は、ケーシング部位TA、TB、T
C、TDに使用されるケーシング部分素材の一覧を示す
ものであり、表2は、各ケーシング部位について566
℃で、10時間クリープ破断の強度試験をした結果を
示し、表3は、各ケーシング部位について衝撃破面遷移
温度[FATT(℃)]を測定した結果を示している。
【0034】蒸気の流れに従って、TA、TB、TC、
TDの各ケーシング部位にて構成したタービンケーシン
グを考える。
【0035】図1は本発明に係わる高圧、中圧、または
高中圧蒸気タービンケーシングの代表的な断面構造の概
念を模式的に示したものであり、図4は従来の高圧、中
圧、または高中圧蒸気タービンケーシングの代表的な断
面構造の概念を模式的に示したものである。
【0036】図1は、図4のように構成された従来の蒸
気タービンケーシングを、複数(ここでは4個)のケー
シング部位TA、TB、TC、TDで構成し、各ケーシ
ング部分素材相互間を、TIG溶接方法又は狭開先TI
G溶接方法によって溶接接合したものである。なお、各
ケーシング部分素材は後述する。
【0037】TIG(Tungsten Inert Gas)溶接方法
は、アルゴンなどの不活性ガス気中でタングステン又は
トリウム入りタングステン(ThO2を1〜2%)の非消耗
性電極と被溶接材(母材)との間にアークを発生させて
溶接する方法である。溶接電源としては、直流電源、交
流電源のどちらも用いられる 狭開先TIG溶接方法は、TIG溶接方法における溶接
の開先の幅を狭める狭開先とし、接合部分の体積をでき
るだけ小さく抑え、溶接による材料の変形を少なくする
ことを狙いとしたものである。また、狭開先TIG溶接
では、HAZ(溶接熱影響部)の幅も狭くなり、溶接継
手部の品質も大きく向上する。この狭開先TIG溶接方
法は、溶接量が少なくなるので溶接施工時間の短縮も工
業上の効果としては大きい。なお、「狭開先」の厳密な
定義はなく、従来の開先幅よりも大幅に狭くすると言っ
た意味である。
【0038】本発明の製造方法として、以上述べたTI
G溶接方法又は狭開先TIG溶接方法において、更に次
のようにした、ホットワイヤ方法、パルス方法、直流棒
マイナス方法が適用可能である。
【0039】ホットワイヤ方法は、溶加ワイヤ(溶加
棒、溶加材)に通電して抵抗加熱し、溶加ワイヤの添加
速度を増して溶着速度の向上を図るようにした方法であ
る。具体的には、別電源で溶加ワイヤを通電加熱して溶
加材の添加速度を増すもので、通常のTIG溶接の3倍
程度の溶着速度が得られる。この方法は、前述したTI
G溶接に比べて入熱の集中性、熱効率を高めたものであ
り、不活性ガス気中での安定した溶接が可能なので、高
品質が要求される継手等に適用される。
【0040】パルス方法は、TIGアークの電流値を周
期的に変化させて溶接する方法で、通常、周波数として
は1〜数Hz帯、10〜数10Hz帯、10〜20kH
z帯の3帯域が使用されている。低周波帯のパルスアー
クは裏波溶接における垂れ落ち防止などに効果的であ
る。中周波は溶融金属の対流を活発にし、溶け込み形状
を制御するために用いられる。高周波パルスでは小電流
でもアークの硬直性が優れている。つまり、小電流にな
ると、アークが不安定になり、アークが揺らぎを生じる
のが一般的であるが、高周波パルスをかけると、アーク
の安定性が増すことである。
【0041】直流棒マイナス方法は、溶接電源に直流電
源を用い、タングステン電極をマイナス極となるように
した方法である。鉄鋼材料の場合には一般的には、電極
の電流容量が大きく、陽極点が溶融池に形成されてアー
クが集中し、比較的溶け込み深さの大きい直流・棒マイ
ナスが使われる。棒マイナスでは、電子放出に伴う電極
の冷却作用のため、電流容量は棒プラスよりも圧倒的に
大きい。また、この冷却作用のために電極棒の先端が溶
融しないので、先端部の整形によって指向性の良いアー
クを得ることができる。
【0042】図2は図1のタービンケーシングをタービ
ンの軸方向から見た断面の模式図であり、併せて溶接接
合における溶接ビードの積層状況を模式的に示したもの
である。図2のように、フランジ部10を溶接しビード
(溶接時に生じる盛上がり部)が成長し、溶接が完了し
ている状態を示している。溶接は、フランジ部10のケ
ーシング内側11からケーシング外側12に向かって行
い、かつ、フランジ部10の溶接を完了してからシェル
13の溶接にかかる。
【0043】また、狭開先TIG溶接において、溶接接
合前の状態では溶接開先の幅は溶接初層部位よりも溶接
最終層部位において徐々に広くなるようにしておき、溶
接接合終了後は溶接最終層部位の開先幅が溶接初層部位
の開先幅に比べて同等もしくはそれ以上になるように設
定した。さらに、溶接接合前の予熱温度として200〜
250℃、溶接接合終了後の後熱処理温度として630
〜700℃の条件で溶接接合した。
【0044】実施例1においては、表1に示すようにケ
ーシング部位TA、TB、TCに使用するケーシング部
分素材として1%CrMo系耐熱鋼を使用し、ケーシン
グ部位TDに使用するケーシング部分素材として炭素鋼
を使用した場合である。ここで、使用する1%CrMo
系耐熱鋼は、表4の実施例1の欄に示す組成のものであ
る。
【0045】
【表4】
【0046】ケーシング部分素材それぞれのクリープ破
断強度は表2に示す通り、大きなクリープ破断強度を必
要とするケーシング部位TA、TB、TCは、クリープ
破断強度例えば80(MPa)であり、大きなクリープ
破断強度を必要としない部位TDは例えば43(MP
a)であり、このようにケーシング部位TA、TB、T
Cは、ケーシング部位TDに比べて高い値が確保されて
いる。
【0047】また、ケーシング部分素材それぞれの衝撃
性質は表3に示す通りである。実施例1では、衝撃性質
を表示する代表的な特性である衝撃破面遷移温度[FA
TT(℃)]は、例えば90℃であり、従来例2に比べ
て低く衝撃性質が優れている。大きな衝撃性質を必要と
するケーシング部位TDは、−5℃と大きな衝撃性質を
必要としない他のケーシング部位TA、TB、TCに比
べて優れた衝撃性質が確保されている。
【0048】実施例1によれば、ケーシング部位TA、
TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング部位
TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。
【0049】これに対して、従来例1(実施例1と同一
組成の高圧、中圧、または高中圧蒸気タービンケーシン
グ)では、実施例1に比べてケーシング部位TA、T
B、TCで良好なクリープ破断強度が確保されるもの
の、ケーシング部位TDの衝撃性質が不十分である。
【0050】〔実施例2〕本発明の実施例2について、
図1及び図2並びに表1〜表3、表5を参照して説明す
る。図1のケーシング部位TA、TB、TCとして、表
1に示すように1%CrMoV系耐熱鋼を使用したもの
であり、ケーシング部位TDとして炭素鋼を使用したも
のである。
【0051】ここで使用する1%CrMoV系耐熱鋼
は、表5の実施例2の欄に示す組成のものである。
【0052】
【表5】
【0053】それぞれのケーシング部分素材のクリープ
破断強度は表2に示す通りである。大きなクリープ破断
強度を必要とするケーシング部位TA、TB、TCの値
は94(MPa)であり、これに対して大きなクリープ
破断強度を必要としない他のケーシング部位TDの値4
0(MPa)に比べて高い値が確保されている。
【0054】また、それぞれの素材の衝撃性質は表3に
示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシン
グ部位TDの値は−10(℃)であり、また大きな衝撃
性質を必要としない他のケーシング部位TA、TB、T
Cの値は110(℃)に比べて優れた衝撃性質が確保さ
れている。
【0055】実施例2によれば、ケーシング部位TA、
TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング部位
TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。
【0056】それに比べ、同一組成の高圧、中圧、また
は高中圧蒸気タービンケーシングでは、従来例2に示す
ように、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なクリ
ープ破断強度が確保されるものの、ケーシング部位TD
の衝撃性質が不十分である。
【0057】〔実施例3〕本発明の実施例3について、
図1及び図2並びに表1〜表3、表6を参照して説明す
る。図1のケーシング部位TA、TB、TCとして、表
1に示すように2.25%CrMo系耐熱鋼を使用し、
また1%CrMoV系耐熱鋼を使用したものであり、ケ
ーシング部位TDとして炭素鋼を使用したものである。
【0058】ここで使用する2.25%CrMo系耐熱
鋼は、表6の実施例3の欄に示す組成のものである。
【0059】
【表6】
【0060】ケーシング部位TDが炭素鋼であり、それ
ぞれの素材のクリープ破断強度は表2に示す通りであ
る。大きなクリープ破断強度を必要とするケーシング部
位TA、TB、TCは、大きなクリープ破断強度を必要
としない他のケーシング部位TDの値は40(MPa)
に比べて高い値80(MPa)が確保されている。
【0061】また、それぞれの素材の衝撃性質は表3に
示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシン
グ部位TDは−7(℃)であり、これに対して大きな衝撃
性質を必要としない他の部位TDの値は48(℃)に比べ
て優れた衝撃性質が確保されている。
【0062】実施例3によれば、ケーシング部位TA、
TB、TCで良好なクリープ破断強度、部位TDで優れ
た衝撃性質が同時に確保されている。
【0063】それに比べ、同一組成の高圧、中圧、また
は高中圧蒸気タービンケーシングでは、従来例3に示す
ように、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なクリ
ープ破断強度が確保されるものの、ケーシング部位TD
の衝撃性質が不十分である。
【0064】〔実施例4〕本発明の実施例4について、
図1及び図2並びに表1〜表4、表7を参照して説明す
る。表1に示すように、図1のケーシング部位TAには
1%CrMo系耐熱鋼、ケーシング部位TBには12%
Cr系耐熱鋼、ケーシング部位TCには1%CrMo系
耐熱鋼を使用し、ケーシング部位TDには炭素鋼を使用
したものである。
【0065】ここで、ケーシング部位TBとして使用す
る12%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例4の欄に示す組
成のものである。
【0066】
【表7】
【0067】ケーシング部位TA、TCとして使用され
る1%CrMo系耐熱鋼は、表4の実施例4の欄に示す
組成のものである。
【0068】それぞれの素材のクリープ破断強度は表2
に示す通り、大きなクリープ破断強度を必要とするケー
シング部位TA、TB、TCの値は、夫々83、13
5、81(MPa)であり、これらは大きなクリープ破
断強度を必要としない他のケーシング部位TDの値は4
6(MPa)に比べて高い値が確保されている。
【0069】また、それぞれの素材の衝撃性質は表3に
示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシン
グ部位TDの値は−7(℃)であり、大きな衝撃性質を
必要としない他のケーシング部位TA、TB、TCの値
は、夫々85、66、90(℃)に比べて優れた衝撃性
質が確保されている。
【0070】実施例4によれば、ケーシング部位TA、
TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング部位
TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。それに
比べ、同一組成の高圧、中圧、または高中圧蒸気タービ
ンケーシングでは、従来例4に示すように、ケーシング
部位TA、TB、TCで良好なクリープ破断強度が確保
されるものの、ケーシング部位TDの衝撃性質が不十分
である。
【0071】〔実施例5〕本発明の実施例5について、
図1及び図2並びに表1〜表3、表5、表7を参照して
説明する。表1に示すように、図1のケーシング部位T
Aには1%CrMoV系耐熱鋼、ケーシング部位TBに
は12%Cr系耐熱鋼、ケーシング部位TCには1%C
rMoV系耐熱鋼を使用し、ケーシング部位TDには炭
素鋼を使用したものである。
【0072】ここで、ケーシング部位TBとして使用す
る12%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例5の欄に示す組
成のものである。また、ケーシング部位TA、TCとし
て使用する1%CrMoV系耐熱鋼は、表5の実施例5
の欄に示す組成のものである。
【0073】各ケーシング部分素材のクリープ破断強度
は表2に示す通りである。大きなクリープ破断強度を必
要とするケーシング部位TA、TB、TCの値は92、
132、95(MPa)であり、これらは大きなクリー
プ破断強度を必要としない他のケーシング部位TDの値
45(MPa)に比べて高い値が確保されている。中で
も、最も高い蒸気温度にさらされるケーシング部位TB
には12%Cr系耐熱鋼を使用しており、低合金1%C
rMoV系耐熱鋼よりもクリープ破断強度に優れてい
る。
【0074】また、それぞれの素材の衝撃性質は表3に
示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシン
グ部位TDの値は−12(℃)であり、これはケーシン
グ部位TA、TB、TCの値98,62,97(℃)に
比べて優れた衝撃性質が確保されている。
【0075】実施例5によれば、ケーシング部位TA、
TB、TCで良好なクリープ破断強度、部位TDで優れ
た衝撃性質が同時に確保されている。
【0076】それに比べ、同一組成の高圧、中圧、また
は高中圧蒸気タービンケーシングでは、従来例4に示す
ように、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なクリ
ープ破断強度が確保されるものの、ケーシング部位TD
の衝撃性質が不十分である。
【0077】〔実施例6〕本発明の実施例6について、
図1及び図2並びに表1〜表3、表6、表7を参照して
説明する。表1に示すように、図1のケーシング部位T
Aには2.25%CrMo系耐熱鋼、ケーシング部位T
Bには12%Cr系耐熱鋼、ケーシング部位TCには
2.25%CrMo系耐熱鋼を使用し、ケーシング部位
TDには炭素鋼を使用したものである。
【0078】ここで、ケーシング部位TBに使用する1
2%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例6の欄に示す組成の
ものである。また、ケーシング部位TA、TCに使用す
る2.25%CrMo系耐熱鋼は、表6の実施例6の欄
に示す組成のものである。
【0079】それぞれのケーシング部分素材のクリープ
破断強度は表2に示す通りである。大きなクリープ破断
強度を必要とするケーシング部位TA、TB、TCの値
は81、137、78(MPa)であり、これは大きな
クリープ破断強度を必要としない他のケーシング部位T
D(MPa)の値39(MPa)に比べて高い値が確保
されている。
【0080】また、それぞれのケーシング部分素材の衝
撃性質は表3に示す通りである。大きな衝撃性質を必要
とするケーシング部位TDの値は−15(℃)であり、
これは大きな衝撃性質を必要としない他のケーシング部
位TA、TB、TCの値47、56、55(℃)に比べ
て優れた衝撃性質が確保されている。
【0081】実施例6によれば、ケーシング部位TA、
TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング部位
TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。
【0082】それに比べ、同一組成の高圧、中圧、また
は高中圧蒸気タービンケーシングでは、従来例4に示す
ように、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なクリ
ープ破断強度が確保されるものの、ケーシング部位TD
の衝撃性質が不十分である。
【0083】〔実施例7〕本発明の実施例7について、
図1及び図2並びに表1〜表4、表7を参照して説明す
る。表1に示すように、図1のケーシング部位TA、T
Cには、1%CrMo系耐熱鋼、ケーシング部位TBに
は12%Cr系耐熱鋼を使用し、ケーシング部位TDに
は炭素鋼を使用したものである。
【0084】ここで、ケーシング部位TBとして使用す
る12%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例7の欄に示す組
成のものである。ケーシング部位TA、TCとして使用
する1%CrMo系耐熱鋼は、表4の実施例7の欄に示
す組成のものである。
【0085】それぞれのケーシング部位のクリープ破断
強度は表2に示す通りである。大きなクリープ破断強度
を必要とするケーシング部位TA、TB、TCの値は、
82、156、85(MPa)であり、これは大きなク
リープ破断強度を必要としない他のケーシング部位TD
の43(MPa)に比べて高い値が確保されている。
【0086】また、それぞれの素材の衝撃性質は表3に
示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシン
グ部位TDの値−8(℃)であり、これはは大きな衝撃
性質を必要としない他の部位の値87、74、93
(℃)に比べて優れた衝撃性質が確保されている。
【0087】実施例7によれば、ケーシング部位TA、
TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング部位
TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。
【0088】それに比べ、同一組成の高圧、中圧、また
は高中圧蒸気タービンケーシングでは、従来例5に示す
ように、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なクリ
ープ破断強度が確保されるものの、ケーシング部位TD
の衝撃性質が不十分である。
【0089】〔実施例8〕本発明の実施例8について、
図1及び図2並びに表1〜表3、表5、表7を参照して
説明する。表1に示すように、図1のケーシング部位T
A、TCには、1%CrMoV系耐熱鋼、ケーシング部
位TBには12%Cr系耐熱鋼を使用し、ケーシング部
位TDには炭素鋼を使用したものである。
【0090】ここで、ケーシング部位TBとして使用す
る12%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例8の欄に示す組
成のものである。また、ケーシング部位TA、TCとし
て使用する1%CrMoV系耐熱鋼は、表5の実施例8
の欄に示す組成のものである。
【0091】それぞれの素材のクリープ破断強度は表2
に示す通りである。大きなクリープ破断強度を必要とす
るケーシング部位TA、TB、TCの値は、夫々95,
150、97(MPa)であり、これは大きなクリープ
破断強度を必要としない他のケーシング部位TDに比べ
て高い値46(MPa)が確保されている。中でも、最
も高い蒸気温度にさらされるケーシング部位TBには1
2%Cr系耐熱鋼を適用しており、1%CrMoV系耐
熱鋼よりもクリープ破断強度に優れている。
【0092】また、それぞれの素材の衝撃性質は表3に
示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシン
グ部位TDの値−10(℃)は、大きな衝撃性質を必要
としない他のケーシング部位TA、TB、TCの値10
2、72、103(℃)に比べて優れた衝撃性質が確保
されている。
【0093】実施例8によれば、ケーシング部位TA、
TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング部位
TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。
【0094】それに比べ、同一組成の高圧、中圧、また
は高中圧蒸気タービンケーシングでは、従来例5に示す
ように、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なクリ
ープ破断強度が確保されるものの、ケーシング部位TD
の衝撃性質が不十分である。
【0095】〔実施例9〕本発明の実施例9について、
図1及び図2並びに表1〜表3を参照して説明する。表
1に示すように、図1のケーシング部位TAには2.2
5%CrMo系耐熱鋼、ケーシング部位TBには12%
Cr系耐熱鋼、ケーシング部位TCには2.25%Cr
Mo系耐熱鋼を使用し、ケーシング部位TDには炭素鋼
を使用したものである。
【0096】ここで、ケーシング部位TBに使用する1
2%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例9の欄に示す組成の
ものである。また、ケーシング部位TA、TCに使用す
る2.25%CrMo系耐熱鋼は、表6の実施例9の欄
に示す組成のものである。
【0097】それぞれの素材のクリープ破断強度は表2
に示す通りである。大きなクリープ破断強度を必要とす
るケーシング部位TA、TB、TCの値は、83、15
9、82(MPa)であり、これは大きなクリープ破断
強度を必要としない他のケーシング部位TDの値47
(MPa)に比べて高い値が確保されている。中でも、
最も高い蒸気温度にさらされるケーシング部位TBには
12%Cr系耐熱鋼を使用しており、2.25%CrM
o系耐熱鋼よりもクリープ破断強度に優れている。
【0098】また、それぞれの素材の衝撃性質の値は表
3に示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケー
シング部位TDの値は−6(℃)であり、これは大きな
衝撃性質を必要としない他のケーシング部位TA、T
B、TCの値50、72、52(℃)に比べて優れた衝
撃性質が確保されている。
【0099】実施例9によれば、ケーシング部位TA、
TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング部位
TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。
【0100】それに比べ、同一組成の高圧、中圧、また
は高中圧蒸気タービンケーシングでは、従来例5に示す
ように、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なクリ
ープ破断強度が確保されるものの、ケーシング部位TD
の衝撃性質が不十分である。
【0101】〔実施例10〕本発明の実施例10につい
て、図3及び図5並びに表4、表7〜表10を参照して
説明する。
【0102】
【表8】
【0103】
【表9】
【0104】
【表10】
【0105】表8は、ケーシング部位TA、TB、T
C、TDに使用するケーシング部分素材の一覧を示すも
のであり、表9は、各ケーシング部位TA、TB、T
C、TDについて566℃で、10時間クリープ破断
の強度試験をした結果を示し、表10は、各ケーシング
部位TA、TB、TC、TDについて衝撃破面遷移温度
[FATT(℃)]を測定した結果を示している。
【0106】図5は従来の高低圧一体型、高中低圧一体
型、または中低圧一体型蒸気タービンケーシングの代表
的な断面構造の概念を模式的に示したものである。これ
は、一体同一組成のケーシング部位TA、TB、TC
と、同じく一体同一組成のケーシング部位TDはボルト
により締結されている。
【0107】それに対して、図3は本発明に係わる高低
圧一体型、高中低圧一体型、または中低圧一体型蒸気タ
ービンケーシングの代表的な断面構造の概念を模式的に
示したものであり、図5のように構成された従来の蒸気
タービンケーシングを、複数(ここでは4個)のケーシ
ング部位TA、TB、TC、TDの組合せから構成し、
各ケーシング部位相互間を、前述した、TIG溶接方法
又は狭開先TIG溶接方法或いは、これらに組み合わさ
れるホットワイヤ方法、パルス方法、直流棒マイナス方
法のいずれかによって溶接接合したものである。
【0108】実施例10においては、表8に示すように
ケーシング部位TA、TB、TCは、いずれも1%Cr
Mo系耐熱鋼を使用しており、これは表4の実施例10
の欄に示す組成のものである。
【0109】表8に示すようにケーシング部位TDが炭
素鋼であり、それぞれの素材のクリープ破断強度は表9
に示す通りである。大きなクリープ破断強度を必要とす
るケーシング部位TA=TB=TCの値82(MPa)
は、大きなクリープ破断強度を必要としない他のケーシ
ング部位TDの値46(MPa)に比べて高い値が確保
されている。
【0110】また、それぞれの素材の衝撃性質は表10
に示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシ
ング部位TDの値−5(℃)は大きな衝撃性質を必要と
しない他のケーシング部位TA=TB=TCの値86
(℃)に比べて優れた衝撃性質が確保されている。
【0111】実施例10によれば、ケーシング部位T
A、TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング
部位TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。ま
た、ボルト締結方式に比べて製造工数の低減、部品点数
の削減によるコスト低下になる。
【0112】それに比べ、従来例6のようなボルト締結
方式では、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なク
リープ破断強度、ケーシング部位TDで優れた衝撃性質
が同時に確保はされるが、溶接接合方式に比べて、製造
工数の増加、部品点数の増加によるコスト上昇になる。
【0113】〔実施例11〕本発明の実施例11につい
て、図3及び図5並びに表5、表8〜表10を参照して
説明する。実施例11においては、表8に示すようにケ
ーシング部位TA、TB、TCに1%CrMoV系耐熱
鋼を用いた。
【0114】ここで、1%CrMoV系耐熱鋼は、表5
の実施例11の欄に示す組成のものである。
【0115】ケーシング部位TDが炭素鋼であり、それ
ぞれの素材のクリープ破断強度は表9に示す通りであ
る。
【0116】大きなクリープ破断強度を必要とするケー
シング部位TA、TB、TCの値92(MPa)は大き
なクリープ破断強度を必要としない他のケーシング部位
TDの値48(MPa)に比べて高い値が確保されてい
る。
【0117】また、それぞれの素材の衝撃性質は表10
に示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシ
ング部位TDの値−5(℃)は大きな衝撃性質を必要と
しない他のケーシング部位TA=TB=TCの値102
(℃)に比べて優れた衝撃性質が確保されている。
【0118】実施例11によれば、ケーシング部位T
A、TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング
部位TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。ま
た、ボルト締結方式に比べて製造工数の低減、部品点数
の削減によるコスト低下になる。
【0119】それに比べ、従来例7のようなボルト締結
方式では、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なク
リープ破断強度、ケーシング部位TDで優れた衝撃性質
が同時に確保はされるが、溶接接合方式に比べて、製造
工数の増加、部品点数の増加によるコスト上昇になる。
【0120】〔実施例12〕本発明の実施例12につい
て、図3及び図5並びに表6、表8〜表10を参照して
説明する。実施例11においては、表8に示すようにケ
ーシング部位TA、TB、TCとして2.25%CrM
o系耐熱鋼を用いた。
【0121】こごで、2.25%CrMo系耐熱鋼は、
表6の実施例12の欄に示す組成のものである。ケーシ
ング部位TDとして炭素鋼を用いた。
【0122】それぞれの素材のクリープ破断強度は表9
に示す通りである。大きなクリープ破断強度を必要とす
るケーシング部位TA、TB、TCの値80(MPa)
は、大きなクリープ破断強度を必要としない他のケーシ
ング部位TDの値42(MPa)に比べて高い値が確保
されている。
【0123】また、それぞれの素材の衝撃性質は表10
に示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシ
ング部位TDの値−8(℃)は、大きな衝撃性質を必要
としない他の部位の値54(℃)に比べて優れた衝撃性
質が確保されている。
【0124】実施例12によれば、ケーシング部位T
A、TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング
部位TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。ま
た、ボルト締結方式に比べて製造工数の低減、部品点数
の削減によるコスト低下になる。
【0125】それに比べ、従来例8のようなボルト締結
方式では、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なク
リープ破断強度、ケーシング部位TDで優れた衝撃性質
が同時に確保はされるが、溶接接合方式に比べて、製造
工数の増加、部品点数の増加によるコスト上昇になる。
【0126】〔実施例13〕本発明の実施例13につい
て、図3及び図5並びに表4、表7〜表10を参照して
説明する。表8に示すように、図3のケーシング部位T
Aには1%CrMo系耐熱鋼、ケーシング部位TBには
12%Cr系耐熱鋼、ケーシング部位TCには1%Cr
Mo系耐熱鋼を使用し、ケーシング部位TDには炭素鋼
を使用したものである。
【0127】ここで、ケーシング部位TBとして使用す
る12%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例13の欄に示す
組成のものである。また、ケーシング部位TA、TCと
して使用する1%CrMo系耐熱鋼は、表4の実施例1
3の欄に示す組成のものである。
【0128】それぞれの素材のクリープ破断強度は表9
に示す通りである。大きなクリープ破断強度を必要とす
るケーシング部位TA、TB、TCの値は夫々81、1
30、83(MPa)であり、大きなクリープ破断強度
を必要としない他のケーシング部位TDの値42(MP
a)に比べて高い値が確保されている。中でも、最も高
い蒸気温度にさらされるケーシング部位TBには12%
Cr系耐熱鋼を適用しており、1%CrMo系耐熱鋼よ
りもクリープ破断強度に優れている。
【0129】また、それぞれの素材の衝撃性質は表10
に示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシ
ング部位TDの値は−10(℃)であり、これは大きな
衝撃性質を必要としない他のケーシング部位TA、T
B、TCの値90、62、84(℃)に比べて優れた衝
撃性質が確保されている。
【0130】実施例13によれば、ケーシング部位T
A、TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング
部位TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。ま
た、ボルト締結方式に比べて製造工数の低減、部品点数
の削減によるコスト低下になる。
【0131】それに比べ、従来例9のようなボルト締結
方式では、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なク
リープ破断強度、ケーシング部位TDで優れた衝撃性質
が同時に確保はされるが、溶接接合方式に比べて、製造
工数の増加、部品点数の増加によるコスト上昇になる。
【0132】〔実施例14〕本発明の実施例14につい
て、図3及び図5並びに表5、表7〜表10を参照して
説明する。表4に示すように、図3のケーシング部位T
Aには1%CrMoV系耐熱鋼、ケーシング部位TBに
は12%Cr系耐熱鋼、ケーシング部位TCには1%C
rMoV系耐熱鋼を使用し、ケーシング部位TDには炭
素鋼を使用したものである。
【0133】ここで、ケーシング部位TBとして使用す
る12%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例14の欄に示す
組成のものである。また、ケーシング部位TA、TCと
して使用する1%CrMoV系耐熱鋼は、表5の実施例
14の欄に示す組成のものである。
【0134】それぞれの素材のクリープ破断強度は表9
に示す通りである。大きなクリープ破断強度を必要とす
るケーシング部位TA、TB、TCの値94、135、
92(MPa)は、大きなクリープ破断強度を必要とし
ない他のケーシング部位TDの値43(MPa)に比べ
て高い値が確保されている。中でも、最も高い蒸気温度
にさらされるケーシング部位TBには12%Cr系耐熱
鋼を使用しており、1%CrMoV系耐熱鋼よりもクリ
ープ破断強度に優れている。
【0135】また、それぞれの素材の衝撃性質は表10
に示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシ
ング部位TDの値−14(℃)であり、これは大きな衝
撃性質を必要としない他のケーシング部位TA、TB、
TCの夫々の値100、65、96(℃)に比べて優れ
た衝撃性質が確保されている。
【0136】実施例14によれば、ケーシング部位T
A、TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング
部位TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。ま
た、ボルト締結方式に比べて製造工数の低減、部品点数
の削減によるコスト低下になる。
【0137】それに比べ、従来例9のようなボルト締結
方式では、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なク
リープ破断強度、ケーシング部位TDで優れた衝撃性質
が同時に確保はされるが、溶接接合方式に比べて、製造
工数の増加、部品点数の増加によるコスト上昇になる。
【0138】〔実施例15〕本発明の実施例15につい
て、図3及び図5並びに表6〜表10を参照して説明す
る。表8に示すように、図3のケーシング部位TAには
2.25%CrMo系耐熱鋼、ケーシング部位TBには
12%Cr系耐熱鋼、ケーシング部位TCには2.25
%CrMo系耐熱鋼を使用し、ケーシング部位TDには
炭素鋼を使用したものである。
【0139】ここで、ケーシング部位TBとして使用す
る12%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例15の欄に示す
組成のものである。また、ケーシング部位TA、TCと
して使用する2.25%CrMo系耐熱鋼は、表6の実
施例15の欄に示す組成のものである。
【0140】それぞれの素材のクリープ破断強度は表9
に示す通りである。大きなクリープ破断強度を必要とす
るケーシング部位TA、TB、TCの値82、133、
82(MPa)は、大きなクリープ破断強度を必要とし
ない他のケーシング部位TDの値44(MPa)に比べ
て高い値が確保されている。中でも、最も高い蒸気温度
にさらされるケーシング部位TBには12%Cr系耐熱
鋼を使用しており、2.25%CrMo系耐熱鋼よりも
クリープ破断強度に優れている。
【0141】また、それぞれの素材の衝撃性質は表10
に示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシ
ング部位TDの値−10(℃)であり、これは大きな衝
撃性質を必要としない他のケーシング部位TA、TB、
TCの夫々の値52、66、55に比べて優れた衝撃性
質が確保されている。
【0142】実施例15によれば、ケーシング部位T
A、TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング
部位TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。ま
た、ボルト締結方式に比べて製造工数の低減、部品点数
の削減によるコスト低下になる。
【0143】それに比べ、従来例9のようなボルト締結
方式では、ケーシング部位TA、TB、TCで良好なク
リープ破断強度、ケーシング部位TDで優れた衝撃性質
が同時に確保はされるが、溶接接合方式に比べて、製造
工数の増加、部品点数の増加によるコスト上昇になる。
【0144】〔実施例16〕本発明の実施例16につい
て、図3及び図5並びに表4、表7〜表10を参照して
説明する。表8に示すように、図3のケーシング部位T
Aには1%CrMo系耐熱鋼、ケーシング部位TBには
12%Cr系耐熱鋼、ケーシング部位TCには1%Cr
Mo系耐熱鋼を使用し、ケーシング部位TDには炭素鋼
を使用したものである。
【0145】ここで、ケーシング部位TBとして使用す
る12%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例16の欄に示す
組成のものである。また、ケーシング部位TA、TCと
して使用する1%CrMo系耐熱鋼は、表4の実施例1
6の欄に示す組成のものである。
【0146】それぞれの素材のクリープ破断強度は表9
に示す通りである。大きなクリープ破断強度を必要とす
るケーシング部位TA、TB、TCの値80、159、
81(MPa)は、大きなクリープ破断強度を必要とし
ない他のケーシング部位TDの値42(MPa)に比べ
て高い値が確保されている。中でも、最も高い蒸気温度
にさらされるケーシング部位TBには12%Cr系耐熱
鋼を使用しており、1%CrMo系耐熱鋼よりもクリー
プ破断強度に優れている。
【0147】また、それぞれの素材の衝撃性質は表10
に示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシ
ング部位TDの値−8(℃)は、大きな衝撃性質を必要
としない他のケーシング部位TA、TB、TCの値9
4、75、98(℃)に比べて優れた衝撃性質が確保さ
れている。
【0148】実施例16によれば、ケーシング部位T
A、TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング
部位TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。ま
た、ボルト締結方式に比べて製造工数の低減、部品点数
の削減によるコスト低下になる。
【0149】それに比べ、従来例10のようなボルト締
結方式では、ケーシング部位TA、TB、TCで良好な
クリープ破断強度、ケーシング部位TDで優れた衝撃性
質が同時に確保はされるが、溶接接合方式に比べて、製
造工数の増加、部品点数の増加によるコスト上昇にな
る。
【0150】〔実施例17〕本発明の実施例17につい
て、図3及び図5並びに表5、表7〜表10を参照して
説明する。表8に示すように、図3のケーシング部位T
Aには1%CrMoV系耐熱鋼、ケーシング部位TBに
は12%Cr系耐熱鋼、ケーシング部位TCには1%C
rMoV系耐熱鋼を使用し、ケーシング部位TDには炭
素鋼を使用したものである。
【0151】ここで、ケーシング部位TBとして使用す
る12%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例17の欄に示す
組成のものである。また、ケーシング部位TA、Cとし
て使用する1%CrMoV系耐熱鋼は、表5の実施例1
7の欄に示す組成のものである。
【0152】それぞれの素材のクリープ破断強度は表9
に示す通りである。大きなクリープ破断強度を必要とす
るケーシング部位TA、TB、TCの値92、155、
96(MPa)は大きなクリープ破断強度を必要としな
い他のケーシング部位TDの値44(MPa)に比べて
高い値が確保されている。中でも、最も高い蒸気温度に
さらされるケーシング部位TBには12%Cr系耐熱鋼
を使用しており、1%CrMoV系耐熱鋼よりもクリー
プ破断強度に優れている。
【0153】また、それぞれの素材の衝撃性質は表10
に示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシ
ング部位TDの値−7(℃)は、大きな衝撃性質を必要
としない他のケーシング部位TA、TB、TCの値11
0、73、112(℃)に比べて優れた衝撃性質が確保
されている。
【0154】実施例17によれば、ケーシング部位T
A、TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング
部位TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。ま
た、ボルト締結方式に比べて製造工数の低減、部品点数
の削減によるコスト低下になる。
【0155】それに比べ、従来例10のようなボルト締
結方式では、ケーシング部位TA、TB、TCで良好な
クリープ破断強度、ケーシング部位TDで優れた衝撃性
質が同時に確保はされるが、溶接接合方式に比べて、製
造工数の増加、部品点数の増加によるコスト上昇にな
る。
【0156】〔実施例18〕本発明の実施例18につい
て、図3及び図5並びに表6〜表10を参照して説明す
る。表8に示すように、図3のケーシング部位TAには
2.25%CrMo系耐熱鋼、ケーシング部位TBには
12%Cr系耐熱鋼、ケーシング部位TCには2.25
%CrMo系耐熱鋼を使用し、ケーシング部位TDには
炭素鋼を使用したものである。
【0157】ここで、ケーシング部位TBとして使用す
る12%Cr系耐熱鋼は、表7の実施例18の欄に示す
組成のものである。また、ケーシング部位TA、TCと
して使用する2.25%CrMo系耐熱鋼は、表6の実
施例18の欄に示す組成のものである。
【0158】それぞれの素材のクリープ破断強度は表9
に示す通りである。大きなクリープ破断強度を必要とす
るケーシング部位TA、TB、TCの値80、160、
79(MPa)は大きなクリープ破断強度を必要としな
い他のケーシング部位TDに比べて高い値46(MP
a)が確保されている。中でも、最も高い蒸気温度にさ
らされるケーシング部位TBには12%Cr系耐熱鋼を
使用しており、2.25%CrMo系耐熱鋼よりもクリ
ープ破断強度に優れている。
【0159】また、それぞれの素材の衝撃性質は表10
に示す通りである。大きな衝撃性質を必要とするケーシ
ング部位TDの値−5(℃)は大きな衝撃性質を必要と
しない他のケーシング部位TA、TB、TCの値55、
75、52(℃)に比べて優れた衝撃性質が確保されて
いる。
【0160】実施例18によれば、ケーシング部位T
A、TB、TCで良好なクリープ破断強度、ケーシング
部位TDで優れた衝撃性質が同時に確保されている。ま
た、ボルト締結方式に比べて製造工数の低減、部品点数
の削減によるコスト低下になる。
【0161】それに比べ、従来例10のようなボルト締
結方式では、ケーシング部位TA、TB、TCで良好な
クリープ破断強度、ケーシング部位TDで優れた衝撃性
質が同時に確保はされるが、溶接接合方式に比べて、製
造工数の増加、部品点数の増加によるコスト上昇にな
る。
【0162】<変形例>本発明は、以上述べた実施形態
に限定されず、例えば次のように変形して実施できる。
【0163】1)以上述べた本発明のケーシング又は蒸
気タービンに使用されるケーシングは、高圧、中圧、高
中圧のいずれの蒸気条件であってもよい。
【0164】2)本発明に使用されるケーシング部分素
材のうち、蒸気流れの上流側の高温・高圧蒸気にさらさ
れる部位のタービンケーシング部分素材は、1%CrM
o系耐熱鋼、1%CrMoV系耐熱鋼、2.25%Cr
Mo系耐熱鋼、12%Cr系耐熱鋼のいずれかであって
もよく、また蒸気流れの下流側で低温・低圧蒸気にさら
される部位のケーシング部分素材を、炭素鋼で形成して
もよい。
【0165】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、1つのター
ビンケーシング内の蒸気流れの上流側から下流側におい
て異なる蒸気条件に対応して、それぞれのケーシング材
の有する材料特性の特徴を最大限生かすことができ、ま
たケーシングおよび蒸気タービン全体としてのコストダ
ウンを図ることができ、長期運用における破壊トラブル
リスクの低減効果や、ケーシング製造コスト削減効果を
生み出すことができる溶接接合構造を有するタービンケ
ーシング及びそれを適用した蒸気タービン並びにタービ
ンケーシングの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧、中圧、または高中圧蒸気タービ
ンケーシングの代表的な断面構造の概念図。
【図2】図1の蒸気タービンの軸方向から見たタービン
ケーシングの断面図。
【図3】本発明の高低圧一体型、高中低圧一体型、また
は中低圧一体型蒸気タービンケーシングの代表的な断面
構造の概念図。の概念図。
【図4】従来の高圧、中圧、または高中圧蒸気タービン
ケーシングの代表的な断面構造の概念図。
【図5】従来の高低圧一体型、高中低圧一体型、または
中低圧一体型蒸気タービンケーシングの代表的な断面構
造の概念図。
【符号の説明】
TA…ケーシング部位 TB…ケーシング部位 TC…ケーシング部位 TD…ケーシング部位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 9/235 B23K 9/235 A (72)発明者 石井 龍一 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 浅井 知 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 菊地 正孝 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 金子 丈治 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 犬飼 隆夫 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB07 CB05 DA04 DC02 DF06 DG03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学組成の異なる複数のケーシング部分
    素材を、溶接接合することによって得られるタービンケ
    ーシング。
  2. 【請求項2】 複数のケーシング部分素材を、溶接接合
    することによって得られるタービンケーシングを備えた
    蒸気タービン。
  3. 【請求項3】 蒸気流れの上流側の部位となる前記ター
    ビンケーシング部分素材を、1%CrMo系耐熱鋼、1
    %CrMoV系耐熱鋼、2.25%CrMo系耐熱鋼、
    12%Cr系耐熱鋼のいずれかで構成し、かつ蒸気流れ
    の下流側の部位となるケーシング部分素材を、炭素鋼で
    構成した請求項1記載のタービンケーシング。
  4. 【請求項4】 化学組成の異なる複数のケーシング部分
    素材をTIG溶接又は狭開先TIG溶接を適用して互い
    に溶接接合する工程を含むことを特徴とするタービンケ
    ーシングの製造方法。
  5. 【請求項5】 直流電源を用い、タングステン電極をマ
    イナス極とする工程を含むことを特徴とする請求項4記
    載のタービンケーシングの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記TIG溶接又は前記狭開先TIG溶
    接は、アーク電流値を周期的に変化させて溶接するパル
    ス法を適用したことを特徴とする請求項4記載のタービ
    ンケーシングの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記TIG溶接又は前記狭開先TIG溶
    接は、溶加材としてワイヤを用い、該ワイヤを電源で通
    電して抵抗加熱するようにしたホットワイヤ法を適用し
    たことを特徴とする請求項4記載のタービンケーシング
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記TIG溶接又は前記狭開先TIG溶
    接により、タービンケーシングの左右のフランジ部を同
    時に、または左右交互に溶接接合する工程と、シェル部
    分を溶接接合する工程とを含むことを特徴とする請求項
    4〜7のいずれかに記載のタービンケーシングの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記TIG溶接又は前記狭開先TIG溶
    接は、溶接接合前の状態では溶接開先の幅は溶接初層部
    位よりも溶接最終層部位において徐々に広くなるように
    しておき、溶接接合終了後は溶接最終層部位の開先幅が
    溶接初層部位の開先幅に比べて同等もしくはそれ以上に
    なるように、溶接接合深さに依存したある角度を設定し
    て溶接接合することを特徴とする請求項4〜7のいずれ
    かに記載のタービンケーシングの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記TIG溶接又は前記狭開先TIG
    溶接を行うにあたり、溶接接合前の予熱温度を200〜
    250℃にする工程と、溶接接合終了後の後熱処理温度
    を630〜700℃にて溶接接合する工程とを含むこと
    を特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のタービン
    ケーシングの製造方法。
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