JP2009030486A - 舶用蒸気タービン - Google Patents
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Abstract
【課題】車室をタービンロータの軸方向にわたって略連続した一重車室構造とすることができ、これにより、部品点数を減少させて小型化し、船舶に搭載できるようにした舶用蒸気タービンを提供すること。
【解決手段】タービンロータ2と、このタービンロータ2を収容する車室3とを備えた舶用蒸気タービン1であって、前記車室3を構成する上部車室3aおよび下部車室3bがそれぞれ、高クローム鋼を材料として作られており、かつ、前記車室3が前記タービンロータ2の軸方向にわたって略連続した一重車室構造とされている。
【選択図】 図1
【解決手段】タービンロータ2と、このタービンロータ2を収容する車室3とを備えた舶用蒸気タービン1であって、前記車室3を構成する上部車室3aおよび下部車室3bがそれぞれ、高クローム鋼を材料として作られており、かつ、前記車室3が前記タービンロータ2の軸方向にわたって略連続した一重車室構造とされている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、舶用蒸気タービンに関し、特に、船舶の推進用タービンとして用いられる舶用蒸気タービンに関するものである。
船舶の経済的な運航を実現するために、推進機関の高効率化への要求が年々高まっており、舶用タービンにおいても蒸気条件の高温化により、プラント効率を向上する試みがなされている。
蒸気タービン蒸気条件の高温化による効率向上は、既に陸上発電プラント等に設置される蒸気タービン(以下、「発電用蒸気タービン」という。)において技術開発が進められている。
発電用蒸気タービンでは、舶用タービンよりも出力・外形寸法共に大きいため、材料費を低減させるという観点から、外車室の材料として比較的安価な低クローム鋼(2.25Cr-1Mo鋳鋼等)が使用されているが、低クローム鋼は高温に対する強度が低いので、外車室の強度を確保するための対策が必要となる。
例えば、車室をタービンロータの軸方向にわたって略連続した二重車室構造とし、外車室と内車室との間に形成された空間内に冷却蒸気を流すことで、外車室が高温蒸気にさらされるのを防ぎ、外車室メタル温度を下げて、強度を確保する手法がある(特許文献1)。
一方、船舶に搭載される舶用蒸気タービンで蒸気条件を高温化する場合、その設置スペースが限定されている(狭い)ことから、発電用蒸気タービンよりも構造簡略化・小型化する必要がある。
特開平5−98909号公報
蒸気タービン蒸気条件の高温化による効率向上は、既に陸上発電プラント等に設置される蒸気タービン(以下、「発電用蒸気タービン」という。)において技術開発が進められている。
発電用蒸気タービンでは、舶用タービンよりも出力・外形寸法共に大きいため、材料費を低減させるという観点から、外車室の材料として比較的安価な低クローム鋼(2.25Cr-1Mo鋳鋼等)が使用されているが、低クローム鋼は高温に対する強度が低いので、外車室の強度を確保するための対策が必要となる。
例えば、車室をタービンロータの軸方向にわたって略連続した二重車室構造とし、外車室と内車室との間に形成された空間内に冷却蒸気を流すことで、外車室が高温蒸気にさらされるのを防ぎ、外車室メタル温度を下げて、強度を確保する手法がある(特許文献1)。
一方、船舶に搭載される舶用蒸気タービンで蒸気条件を高温化する場合、その設置スペースが限定されている(狭い)ことから、発電用蒸気タービンよりも構造簡略化・小型化する必要がある。
上記特許文献1に開示された発電用蒸気タービンは二重車室構造とするために車室外形寸法を大きくする必要があり、そのまま舶用の蒸気タービンとして設置スペースが限定された船舶に搭載することは困難であるため、船舶に搭載できるよう改良して小型化を図る必要がある。
また、定期点検等のメンテナンスの為にタービンを分解する場合も、二重車室構造のタービンは部品点数が多いためにメンテナンス工期が長くなり、工事費用がかかる上、船内という条件下でメンテナンススペースを充分にとることができず、作業性も悪くなってしまうため、部品点数も極力少なくする必要がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、車室をタービンロータの軸方向にわたって略連続した一重車室構造とすることができ、これにより、部品点数を減少させて構造簡略化・小型化し、船舶に搭載できるようにした舶用蒸気タービンを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る舶用蒸気タービンは、タービンロータと、このタービンロータを収容する車室とを備えた舶用蒸気タービンであって、前記車室を構成する上部車室および下部車室がそれぞれ、高クローム鋼を材料として作られており、かつ、前記車室が前記タービンロータの軸方向にわたって略連続した一重車室構造とされている。
本発明に係る舶用蒸気タービンは、タービンロータと、このタービンロータを収容する車室とを備えた舶用蒸気タービンであって、前記車室を構成する上部車室および下部車室がそれぞれ、高クローム鋼を材料として作られており、かつ、前記車室が前記タービンロータの軸方向にわたって略連続した一重車室構造とされている。
本発明に係る舶用蒸気タービンによれば、車室、すなわち、上部車室および下部車室の材料として、耐熱耐食性に富み、かつ、優れた高温強度を有する高クローム鋼が使用されているので、従来の発電用蒸気タービンで必要とされた内車室を不要とし、略連続した一重車室構造とすることができる。
これにより、部品点数を減少させることができ、舶用蒸気タービン全体の小型化を図ることができる。
また、部品点数が減少することにより、製造コストおよび加工コストの低減化を図ることができる。
さらに、部品点数が減少することにより、保守点検(分解組立)時に要するメンテナンス費用の低減化を図ることができ、保守点検時に要する作業時間の短縮化を図ることができて、保守点検時に要するメンテナンススペースの縮小化を図ることができる。
これにより、部品点数を減少させることができ、舶用蒸気タービン全体の小型化を図ることができる。
また、部品点数が減少することにより、製造コストおよび加工コストの低減化を図ることができる。
さらに、部品点数が減少することにより、保守点検(分解組立)時に要するメンテナンス費用の低減化を図ることができ、保守点検時に要する作業時間の短縮化を図ることができて、保守点検時に要するメンテナンススペースの縮小化を図ることができる。
上記舶用蒸気タービンにおいて、前記車室の内部を、前記タービンロータの軸方向の一側に位置する第1のタービン車室空間と、前記タービンロータの軸方向の他側に位置する第2のタービン車室空間とに二分するダミー環が設けられており、かつ、このダミー環が上下方向に二分割された半割り構造とするとともにノズル室が一体化されているとさらに好適である。
このような舶用蒸気タービンによれば、ダミー環が、上下方向に二分割された半割り構造となっているので、ダミー環を容易に分解したり、あるいは組み立てたりすることができるとともに、従来別部品であったノズル室が一体化されることで、部品点数が低減でき、保守点検時に要する作業時間のさらなる短縮化を図ることができる。
本発明に係る舶用蒸気タービンによれば、車室をタービンロータの軸方向にわたって略連続した一重車室構造とすることができ、これにより、部品点数を減少させて小型化を図ることができるという効果を奏する。
以下、本発明に係る舶用蒸気タービンの一実施形態について、図1および図2を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係る舶用蒸気タービンの側断面図、図2は図1の要部拡大図である。
図1は本実施形態に係る舶用蒸気タービンの側断面図、図2は図1の要部拡大図である。
図1に示すように、本実施形態に係る舶用蒸気タービン1は、タービンロータ2と、このタービンロータ2を収容する車室3とを主たる要素として構成されている。
タービンロータ2は、各端部が軸受4を介して支持部(軸受台)5に対して回転可能に支持された回転軸6と、この回転軸6の軸方向に沿って配列(配置)された複数枚のタービンディスク7a,7bとを備えている。タービンディスク7aは、回転軸6の一側(図1において右側に位置する高圧側)に配列された複数枚の(高圧側)タービンディスクであり、タービンディスク7bは、回転軸6の他側(図1において左側に位置する中圧(または低圧)側)に配列された複数枚の(中圧側)タービンディスク7bである。そして、各タービンディスク7a,7bの外周部には、複数枚のタービンブレード8a,8bが、周方向に沿うとともに所定の隙間をあけて取り付けられている。
タービンロータ2は、各端部が軸受4を介して支持部(軸受台)5に対して回転可能に支持された回転軸6と、この回転軸6の軸方向に沿って配列(配置)された複数枚のタービンディスク7a,7bとを備えている。タービンディスク7aは、回転軸6の一側(図1において右側に位置する高圧側)に配列された複数枚の(高圧側)タービンディスクであり、タービンディスク7bは、回転軸6の他側(図1において左側に位置する中圧(または低圧)側)に配列された複数枚の(中圧側)タービンディスク7bである。そして、各タービンディスク7a,7bの外周部には、複数枚のタービンブレード8a,8bが、周方向に沿うとともに所定の隙間をあけて取り付けられている。
車室3は、高クローム鋼(9Cr鋳鋼や12Cr鋳鋼等)で作られるとともに、上下方向に二分割された(半割り構造とされた)水平分割型の車室であり、図1において上側に位置する上部車室3aと、図1において下側に位置する下部車室3bとで構成されており、これら上部車室3aおよび下部車室3bの内周面にはそれぞれ、回転軸6の軸方向に沿って円環状の仕切板9a,9bが複数列配置されている。仕切板9aは、タービンディスク7aおよびタービンブレード8aに対応して配置された複数段の(高圧側)仕切板であり、動翼8aに向けて蒸気を噴出させるためのノズルが環上に配置され、中心を含む水平面で分割可能な構造となっている。仕切板9bは、タービンディスク7bおよびタービンブレード8bに対応して配置された複数段の(中圧側)仕切板であり、動翼8bに向けて蒸気を噴出させるためのノズルが環上に配置され、中心を含む水平面で分割可能な構造となっている。そして、上部車室3aを下部車室3bの開口部を覆うように載置するとともに、図示しない複数本のボルトを介して下部車室3bに固定することにより、タービン1の一側(図1において右側に位置する高圧側)に、タービンディスク7a及びタービンブレード8aと仕切板9aとが回転軸6の軸方向に交互に配列された第1のタービン車室空間(高圧側タービン車室空間)10が形成され、タービン1の他側(図1において左側に位置する中圧(または低圧)側)に、タービンディスク7b及びタービンブレード8bと仕切板9bとが回転軸6の軸方向に交互に配列された第2のタービン車室空間(中圧側タービン車室空間)11が形成されるようになっている。
第1のタービン車室10と第2のタービン車室11との間、すなわち、回転軸6の軸方向における略中央部に位置する車室3内には、第1のタービン車室10と第2のタービン車室11とを区画する(仕切る)ダミー環(仕切部材)12が周方向にわたって配置されている。ダミー環12は、低クローム鋼(2Cr鋳鋼等)または高クローム鋼(9Cr鋳鋼や12Cr鋳鋼等)で作られた環状の部材であり、例えば、上下方向に二分割された(半割り構造とされた)2つの半円状の部材からなっている。また、ダミー環12には、調速段ノズル18および静翼19等が組み込まれ、ノズル室を一体に構成している。
上部車室3aの上面中央部には、主蒸気入口部13が設けられており、この主蒸気入口部13内には、前進ノズル弁14が配置されている。そして、この前進ノズル弁14を通過した主蒸気は、ダミー環12に嵌め込まれた調速段ノズル18および静翼19等を通過した後、第1のタービン車室10内に供給されるようになっている。また、下部車室3bの下面一端部(図1において右側に位置する端部)には、高圧タービン排気部15が設けられている。
一方、下部車室3bの下面中央部には、再熱蒸気入口部16が設けられており、下部車室3bの下面他端部(図1において左側に位置する端部)には、中圧タービン排気部17が設けられている。
一方、下部車室3bの下面中央部には、再熱蒸気入口部16が設けられており、下部車室3bの下面他端部(図1において左側に位置する端部)には、中圧タービン排気部17が設けられている。
本実施形態に係る舶用蒸気タービン1によれば、車室3、すなわち、上部車室3aおよび下部車室3bの材料として、耐熱耐食性に富み、かつ、優れた高温強度を有する高クローム鋼が使用されているので、従来必要とされた内車室を不要とし、略連続した一重車室構造とすることができる。
これにより、部品点数を減少させることができ、舶用蒸気タービン1全体の構造簡略化・小型化を図ることができる。
また、部品点数が減少することにより、製造コストおよび加工コストの低減化を図ることができる。
さらに、部品点数が減少することにより、保守点検(分解組立)時に要するメンテナンス費用の低減化を図ることができ、保守点検時に要する作業時間の短縮化を図ることができて、保守点検時に要するメンテナンススペースの縮小化を図ることができる。
これにより、部品点数を減少させることができ、舶用蒸気タービン1全体の構造簡略化・小型化を図ることができる。
また、部品点数が減少することにより、製造コストおよび加工コストの低減化を図ることができる。
さらに、部品点数が減少することにより、保守点検(分解組立)時に要するメンテナンス費用の低減化を図ることができ、保守点検時に要する作業時間の短縮化を図ることができて、保守点検時に要するメンテナンススペースの縮小化を図ることができる。
さらにまた、本実施形態に係る舶用蒸気タービン1によれば、ダミー環12が、上下方向に二分割された半割り構造となっているので、ダミー環12を容易に分解したり、あるいは組み立てたりすることができ、保守点検時に要する作業時間のさらなる短縮化を図ることができる。
さらにまた、本実施形態に係る舶用蒸気タービン1によれば、ダミー環12に調速段ノズル18および静翼19が組み込まれてノズル室が一体化されているので、部品点数をさらに減少させることができて、保守点検時に要する作業時間のさらなる短縮化を図ることができ、保守点検時に要するメンテナンススペースのさらなる縮小化を図ることができる。
1 舶用蒸気タービン
2 タービンロータ
3 車室
3a 上部車室
3b 下部車室
10 第1のタービン車室空間
11 第2のタービン車室空間
12 ダミー環
2 タービンロータ
3 車室
3a 上部車室
3b 下部車室
10 第1のタービン車室空間
11 第2のタービン車室空間
12 ダミー環
Claims (2)
- タービンロータと、このタービンロータを収容する車室とを備えた舶用蒸気タービンであって、
前記車室を構成する上部車室および下部車室がそれぞれ、高クローム鋼を材料として作られており、かつ、前記車室が前記タービンロータの軸方向にわたって略連続した一重車室構造とされていることを特徴とする舶用蒸気タービン。 - 前記車室の内部を、前記タービンロータの軸方向の一側に位置する第1のタービン車室空間と、前記タービンロータの軸方向の他側に位置する第2のタービン車室空間とに二分するダミー環が設けられており、かつ、このダミー環が上下方向に二分割された半割り構造とされているとともにノズル室を一体に構成したことを特徴とする請求項1に記載の舶用蒸気タービン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007193612A JP2009030486A (ja) | 2007-07-25 | 2007-07-25 | 舶用蒸気タービン |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007193612A JP2009030486A (ja) | 2007-07-25 | 2007-07-25 | 舶用蒸気タービン |
Publications (1)
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JP2009030486A true JP2009030486A (ja) | 2009-02-12 |
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ID=40401265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007193612A Pending JP2009030486A (ja) | 2007-07-25 | 2007-07-25 | 舶用蒸気タービン |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2009030486A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013155734A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | General Electric Co <Ge> | 単一シェルケーシング、ドラムロータ及び個別ノズルリングを含む蒸気タービン |
US9194246B2 (en) | 2011-09-23 | 2015-11-24 | General Electric Company | Steam turbine LP casing cylindrical struts between stages |
JP2016063811A (ja) * | 2010-01-15 | 2016-04-28 | ザイレコ,インコーポレイテッド | 材料の冷却及び処理 |
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2007
- 2007-07-25 JP JP2007193612A patent/JP2009030486A/ja active Pending
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