JP5986952B2 - 蒸気タービンの自動調整シール - Google Patents
蒸気タービンの自動調整シール Download PDFInfo
- Publication number
- JP5986952B2 JP5986952B2 JP2013088388A JP2013088388A JP5986952B2 JP 5986952 B2 JP5986952 B2 JP 5986952B2 JP 2013088388 A JP2013088388 A JP 2013088388A JP 2013088388 A JP2013088388 A JP 2013088388A JP 5986952 B2 JP5986952 B2 JP 5986952B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steam turbine
- turbine
- self
- seal
- labyrinth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
しかしながら、このような蒸気タービンでは、冷態停止時において上部車室の静止部とロータとの間のクリアランスが小さくなっており、タービン起動時に上部車室の静止部とロータとが接触してしまうおそれがあった。
しかしながら、このような蒸気タービンでは、定格運転時における上部車室の静止部とロータとの間のクリアランスはさらに大きくなってしまい、定格運転時におけるタービン効率が低下してしまうおそれがあった。
しかしながら、このような蒸気タービンでは、特許文献1に記載された自動調整シールを上部車室の静止部に組み込まなければならないが、船舶の推進用タービン(舶用主機タービン)として用いられる蒸気タービン(再熱タービン)は、発電所等で使用される陸用蒸気タービンよりも極めて小型で、定期的なドック時の開放点検が要求されるため、部品点数の増加は大型化、また開放時の作業煩雑化につながるため好ましくない。
しかしながら、タービン起動時から定格運転時に至るまでのシールリングおよびシールフィンに掛かる圧力、およびこの圧力に応じた弾性体の付勢力は、いずれも過去の実測・実績に左右されるところが大きく、搭載される船舶毎に仕様が異なり、過去の実測・実績に乏しく、常時可変速での運転が要求される船舶の推進用タービン(舶用主機タービン)として用いられる蒸気タービン(再熱タービン)には不向きである。
本発明に係る蒸気タービンの自動調整シールは、回転部と固定部との間に形成される隙間から蒸気の漏洩を防止または制御する、蒸気タービンの自動調整シールであって、前記回転部の外周に沿って配置されるラビリンスフィンと、前記ラビリンスフィンを半径方向内方に押し付ける弾性部材と、前記蒸気タービンの車室底部に配置され、前記ラビリンスフィンとの熱伸び差によって前記ラビリンスフィンを半径方向外方に押し広げるエキスパンションリングと、を備えている。
すなわち、冷態停止時における固定部(車室)と回転部(ロータ)との間のクリアランスを予め大きくとることができ、タービン起動時における固定部(車室)と回転部(ロータ)との接触を回避することができる。
これにより、タービン起動時から定格運転時に至るまでのいずれの状況においても、車室の静止部とロータとの接触を防止することができる。
これにより、エキスパンションリングの熱伸びを周方向に沿って(略)均一にすることができ、回転部(ロータ)とのクリアランスを周方向に沿って(略)一定にすることができる。
これにより、車室の猫反りによって狭まる固定部(下部車室)と回転部(ロータ)とのクリアランスを確実に確保することができ、当該舶用蒸気タービンの信頼性をさらに向上させることができる。
図1に示すように、本実施形態に係る蒸気タービン、特に、船舶の推進用タービン(舶用主機タービン)として用いられる蒸気タービン(再熱タービン)1は、タービンロータ2と、このタービンロータ2を収容する車室3と、を主たる要素として構成されている。
タービンロータ2は、各端部が軸受4に回転可能に支持された回転軸6と、この回転軸6の軸方向に沿って配列(配置)された複数枚のタービンディスク7a,7bとを備えている。タービンディスク7aは、回転軸6の一側(図1において右側に位置する高圧側)に配列された複数枚の(高圧側)タービンディスクであり、タービンディスク7bは、回転軸6の他側(図1において左側に位置する中圧側(または低圧側)に配列された複数枚の(中圧側または低圧側)タービンディスク7bである。そして、各タービンディスク7a,7bの外周部には、複数枚のタービンブレード(動翼)8a,8bが、周方向に沿うとともに所定の隙間をあけて取り付けられている。
一方、下部車室3bの下面中央部には、再熱蒸気入口部16が設けられており、下部車室3bの下面他端部(図1において左側に位置する端部)には、中圧タービン排気部17が設けられている。
ラビリンスフィン32は、周方向に沿って回転軸6の半径方向外側全体を取り囲むようにして配置され、周方向に6分割(6等分)されている。6分割されたラビリンスフィン32のうちの3つは、上部車室3a側に取り付けられたダミー環12に取り付けられ、残りの3つは、下部車室3b側に取り付けられたダミー環12に取り付けられている。
一方、ダミー環12の内周面には、周方向に沿うとともに半径方向外方に向かって掘り下げられ、凸部41の先端部および張出部42を受け入れる断面視L字形状を呈する凹部51が設けられている。張出部42の内周側(半径方向内側)には、ダミー環12の内周側の縁部(半径方向内側の端部)から、軸方向に沿って低圧側(図において左側)に延びる張出部52が設けられている。張出部52は、軸方向に沿って張出部42と重なり合うようにして延びており、これにより、凸部41の先端部および張出部42が凹部51内から外側(半径方向内側)に抜け出さないようになっている。
F22B)で作られており、その内周端は、断面視円弧形状を呈するように面取りされている。
一方、張出部42の内周面には、周方向に沿うとともに半径方向外方に向かって掘り下げられ、エキスパンションリング34の外周端部を受け入れる断面視矩形状を呈する凹所43が設けられている。
すなわち、冷態停止時における上部車室3aとロータ2との間のクリアランスを予め大きくとることができ、タービン起動時における上部車室3aとロータ2との接触を回避することができる。
これにより、タービン起動時から定格運転時に至るまでのいずれの状況においても、車室3の静止部とロータ2との接触を防止することができる。
これにより、エキスパンションリング34の熱伸びを周方向に沿って(略)均一にすることができ、ロータ2とのクリアランスを周方向に沿って(略)一定にすることができる。
これにより、車室3の猫反りによって狭まる下部車室3bとロータ2とのクリアランスを確実に確保することができ、当該舶用蒸気タービン1の信頼性をさらに向上させることができる。
すなわち、冷態停止時における上部車室3aとロータ2との間のクリアランスを予め大きくとることができ、タービン起動時における上部車室3aとロータ2との接触を回避することができる。
これにより、タービン起動時から定格運転時に至るまでのいずれの状況においても、車室3の静止部とロータ2との接触を防止することができる。
例えば、上述した実施形態では、下部車室3b側のダミー環12に取り付けられたラビリンスフィン32のうちの真ん中に位置するラビリンスフィン32(すなわち、下部車室3b側のダミー環12の底部に位置するラビリンスフィン32)の張出部42と、この張出部42の半径方向内側に対向するようにして位置する張出部52との間にのみエキスパンションリング34が配置されたものを一具体例として挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、下部車室3b側のダミー環12に取り付けられた3つのラビリンスフィン32の張出部42と、これら張出部42の半径方向内側に対向するようにして位置する張出部52との間に配置するようにしてもよい。
2 ロータ(回転部)
3 車室
3a 上部車室
3b 下部車室
6 回転軸(回転部)
12 ダミー環(固定部)
31 自動調整シール
32 ラビリンスフィン
33 スプリング(付勢部材)
34 エキスパンションリング
41 凸部
42 張出部
51 凹部
52 張出部
Claims (10)
- 回転部と固定部との間に形成される隙間から蒸気の漏洩を防止または制御する、蒸気タービンの自動調整シールであって、
前記回転部の外周に沿って配置されるラビリンスフィンと、
前記ラビリンスフィンを半径方向内方に押し付ける弾性部材と、
前記蒸気タービンの車室底部に配置され、前記ラビリンスフィンとの熱伸び差によって前記ラビリンスフィンを半径方向外方に押し広げるエキスパンションリングと、を備えることを特徴とする蒸気タービンの自動調整シール。 - 前記エキスパンションリングは、前記ラビリンスフィンよりも線膨張係数の大きい材質からなることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンの自動調整シール。
- 前記ラビリンスフィンは、複数の分割体により構成され、前記エキスパンションリングは、前記ラビリンスフィンの複数の分割体の各々を半径方向外方に押し広げることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸気タービンの自動調整シール。
- 前記ラビリンスフィンの外周に形成される凸部と、
前記固定部に形成され、前記凸部を収容する凹部と、
前記凹部によって形成される空間において、前記凸部と前記凹部との間にエキスパンションリングが設置されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の蒸気タービンの自動調整シール。 - 前記エキスパンションリングの内周端は、断面視円弧形状を呈するように面取りされていることを特徴とする請求項4に記載の蒸気タービンの自動調整シール。
- 前記エキスパンションリングは、前記凹部によって形成される空間において、1つのみ設置され、かつ、前記蒸気タービンの軸方向における高圧側に設置されることを特徴とする請求項4または5に記載の蒸気タービンの自動調整シール。
- 前記エキスパンションリングは、前記凸部に形成され、前記蒸気タービンの軸方向における高圧側に延びる張出部と、前記凹部に形成され、前記蒸気タービンの軸方向における低圧側に延びる張出部との間に配置されることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の蒸気タービンの自動調整シール。
- 請求項1から7のいずれかに記載の蒸気タービンの自動調整シールを具備していることを特徴とする舶用蒸気タービン。
- 前記固定部は、ダミー環であることを特徴とする請求項8に記載の舶用蒸気タービン。
- 請求項8または9に記載の舶用蒸気タービンを具備していることを特徴とする船舶。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013088388A JP5986952B2 (ja) | 2013-04-19 | 2013-04-19 | 蒸気タービンの自動調整シール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013088388A JP5986952B2 (ja) | 2013-04-19 | 2013-04-19 | 蒸気タービンの自動調整シール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014211129A JP2014211129A (ja) | 2014-11-13 |
JP5986952B2 true JP5986952B2 (ja) | 2016-09-06 |
Family
ID=51931050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013088388A Active JP5986952B2 (ja) | 2013-04-19 | 2013-04-19 | 蒸気タービンの自動調整シール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5986952B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3719163A1 (de) * | 2019-04-02 | 2020-10-07 | Siemens Aktiengesellschaft | Befestigungsmittel für ein turbinen- oder ventilgehäuse |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58206805A (ja) * | 1982-05-27 | 1983-12-02 | Toshiba Corp | 蒸気タ−ビンのラビリンスパツキン |
JPS62117202U (ja) * | 1986-01-20 | 1987-07-25 | ||
JP3358993B2 (ja) * | 1998-09-21 | 2002-12-24 | 三菱重工業株式会社 | ターボ回転機械の自動調整シール |
US8262349B2 (en) * | 2008-12-22 | 2012-09-11 | General Electric Company | Adaptive compliant plate seal assemblies and methods |
CH705551A1 (de) * | 2011-09-19 | 2013-03-28 | Alstom Technology Ltd | Selbstjustierende Einrichtung zum Steuern des Spielraums, insbesondere in radialer Richtung, zwischen rotierenden und stationären Komponenten einer thermisch belasteten Turbomaschine. |
-
2013
- 2013-04-19 JP JP2013088388A patent/JP5986952B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014211129A (ja) | 2014-11-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5646109B2 (ja) | ガスタービン | |
JP6143677B2 (ja) | 軸方向ブラシシール | |
KR101885490B1 (ko) | 정익, 가스 터빈, 분할 링, 정익의 개조 방법, 및 분할 링의 개조 방법 | |
US10012101B2 (en) | Seal system for a gas turbine | |
EP3159582B1 (en) | Shaft seal device and rotary machine | |
US10012084B2 (en) | Gas turbine rotor sealing band arrangement having a friction welded pin element | |
US20130315716A1 (en) | Turbomachine having clearance control capability and system therefor | |
EP2636851B1 (en) | Turbine assembly and method for supporting turbine components | |
JP2015078622A5 (ja) | ||
JP2013151936A (ja) | 後付け可能な、段間の傾斜シール | |
JP5336649B2 (ja) | シールプレートおよび動翼システム | |
JP5955345B2 (ja) | 蒸気タービンを含む熱機関の流体シール構造 | |
US9631507B2 (en) | Gas turbine sealing band arrangement having a locking pin | |
JP5986952B2 (ja) | 蒸気タービンの自動調整シール | |
JP2015086876A (ja) | タービンノズルを固定する方法及びシステム | |
US9816386B2 (en) | Casing arrangement for a gas turbine | |
US10208612B2 (en) | Gas turbine sealing band arrangement having an underlap seal | |
JP2009030486A (ja) | 舶用蒸気タービン | |
JP6666280B2 (ja) | 開閉弁、及び蒸気タービン | |
US11098603B2 (en) | Inner ring for a turbomachine, vane ring with an inner ring, turbomachine and method of making an inner ring | |
JP6944866B2 (ja) | 軸受装置及び回転機械 | |
US20170167613A1 (en) | Sealing structure for turbine | |
JP6253904B2 (ja) | 蒸気タービン | |
JP2023042786A (ja) | タービン段落シール機構およびタービン段落シール機構の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150519 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151224 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160105 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160719 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160808 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5986952 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |