JP6944866B2 - 軸受装置及び回転機械 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受装置及び回転機械に関する。
蒸気タービンやガスタービンのような回転機械は、ロータと、ロータに設けられた動翼と、ロータを収容するケーシングと、ケーシングに設けられた静翼と、を備えている。ロータが自身の軸回りに回転することで、ケーシングの内部を作動流体が流通する。
ロータの円滑な回転を促すため、ロータの軸端は軸受装置によって支持されることが一般的である。このような軸受装置の一例として、下記特許文献1に記載されたティルティングパッド軸受が知られている。この軸受は、環状をなす軸受外輪に設けられた複数のピボットと、これらピボットによって揺動可能に支持される複数の軸受パッドと、を有している。軸受パッドの内周面がロータの外周面に潤滑油を介して摺接することでこれを支持する。
ここで、ロータの振動を抑制するため、組み立て時に軸受パッドとロータとの間のすきまを加工半径すきまよりも小さくする場合がある。これにより、軸受パッドとロータとの間に初期荷重(プリロード)が与えられ、ロータの振動が低減できるとされている。
特開平10−228220号公報
しかしながら、ロータの回転時には、潤滑油のせん断発熱によって、ロータ、及び軸受パッドの温度が上昇する。この温度上昇に伴って、ロータ、及び軸受パッドには軸受隙間が詰まる側への熱膨張が生じる。その結果、ロータと軸受パッドとの間の荷重及び発熱が増大し、ロータ又は軸受パッドに損傷を生じる可能性がある。これにより、回転機械の安定的な運転が妨げられてしまう。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、より広い温度範囲で使用することが可能な軸受装置及び回転機械を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様によれば、軸受装置は、軸線回りに回転する回転軸の外周面を摺接可能に支持するパッド面を有する軸受パッドと、該軸受パッドの外周面にはめ込まれたライナと、前記軸受パッド及び前記ライナを外周側から覆うように前記軸線を中心とする環状をなし、内側に前記軸受パッド及び前記ライナを収容するキャリアリングと、該キャリアリングの内周面に設けられ、前記ライナを揺動可能に支持する支持部と、を備え、前記ライナの剛性が、前記軸受パッド、前記キャリアリング、及び前記支持部よりも低い。
この構成によれば、ライナの剛性が軸受パッド、キャリアリング、及び支持部の剛性よりも低いことから、回転軸、及び軸受パッドに熱膨張が生じた場合、軸受パッドからの荷重によってライナが優先的に変形する。これにより、回転軸と軸受パッドとの間のすきまを維持することができる。
本発明の第二の態様によれば、前記キャリアリングを外周側から支持する支持面を有するハウジングと、前記支持面、及び前記キャリアリングの外周面における周方向の同一位置にそれぞれ形成されたキー溝に挿入されるキー部材と、をさらに備え、該キー部材の剛性が、前記軸受パッド、前記支持部、及び前記キャリアリングよりも低くてもよい。
この構成によれば、キー部材の剛性が軸受パッド、支持部、及びキャリアリングの剛性よりも低いことから、回転軸、軸受パッド、及びキャリアリングに熱膨張が生じた場合、キャリアリングからの荷重によってキー部材が優先的に変形する。これにより、回転軸と軸受パッドとの間のすきまを維持することができる。
本発明の第三の態様によれば、前記ライナは、前記軸受パッドの外周面に当接するライナ支持面を有し、該ライナ支持面上には、軸線に対する径方向内側から外側に向かって凹むライナ凹部が形成されていてもよい。
この構成によれば、ライナ支持面によって軸受パッドを安定的に支持することができるとともに、ライナ凹部が形成されていることにより、当該ライナの剛性を低くすることができる。これにより、軸受パッドからの荷重が増大した場合には、ライナは、ライナ凹部が広がる方向に容易に変形することができる。
本発明の第四の態様によれば、前記キー部材の剛性が、前記ライナの剛性よりも小さくてもよい。
この構成によれば、キー部材の剛性がライナの剛性よりも小さいことから、これらキー部材及びライナに荷重が加わった場合には、キー部材が優先的に変形する。即ち、ライナによって軸受パッドが安定的に支持された状態を維持しながら、キー部材の変形によって荷重を逃がすことが可能となる。
本発明の第五の態様によれば、前記キー部材は、前記キャリアリングの外周面に当接するキー支持面を有し、該キー支持面上には、軸線に対する径方向内側から外側に向かって凹むキー凹部が形成されていてもよい。
この構成によれば、キー支持面によってキャリアリングを安定的に支持することができるとともに、キー凹部が形成されていることにより、キー部材の剛性を低くすることができる。これにより、キャリアリングからの荷重が増大した場合には、キー部材は、キー凹部が広がる方向に容易に変形することができる。
本発明の第六の態様によれば、周方向に間隔をあけて配列された複数の前記軸受パッド、前記ライナ、及び前記支持部を備え、水平方向に延びる軸線を基準として、該軸線よりも上側に位置する前記ライナのみの剛性が、前記軸受パッド、前記キャリアリング、及び前記支持部よりも低くてもよい。
軸線が水平方向に延びる回転軸を軸受装置が支持している場合、軸線よりも下側の軸受パッド、ライナ、及び支持部は、回転軸の重量を支持するため、高い剛性を有している必要がある。一方で、軸線よりも上側の軸受パッド、ライナ、及び支持部は、回転軸の重量による影響を受けない。上記の構成によれば、下側の軸受パッド、ライナ、及び支持部によって回転軸の重量を安定的に支持しつつ、上側のライナのみの剛性を低くすることで、当該上側のライナのみを優先的に変形させることができる。
本発明の第七の態様によれば、軸受装置は、軸線回りに回転する回転軸の外周面を摺接可能に支持するパッド面を有する軸受パッドと、該軸受パッドの外周面にはめ込まれたライナと、前記軸受パッド及び前記ライナを外周側から覆うように前記軸線を中心とする環状をなし、内側に前記軸受パッド及び前記ライナを収容するキャリアリングと、該キャリアリングの内周面に設けられ、前記ライナを揺動可能に支持する支持部と、前記キャリアリングを外周側から支持する支持面を有するハウジングと、前記支持面、及び前記キャリアリングの外周面における周方向の同一位置にそれぞれ形成されたキー溝に挿入されるキー部材と、を備え、該キー部材の剛性が、前記軸受パッド、前記ライナ、前記キャリアリング、及び前記支持部よりも低い。
この構成によれば、キー部材の剛性が軸受パッド、支持部、キャリアリング、及び支持部の剛性よりも低いことから、回転軸、軸受パッド、キャリアリング、及び支持部に熱膨張が生じた場合、キャリアリングからの荷重によってキー部材が優先的に変形する。これにより、回転軸と軸受パッドとの間のすきまを維持することができる。
本発明の第八の態様によれば、前記キー部材は、前記キャリアリングの外周面に当接するキー支持面を有し、該キー支持面上には、軸線に対する径方向内側から外側に向かって凹むキー凹部が形成されていてもよい。
この構成によれば、キー支持面によってキャリアリングを安定的に支持することができるとともに、キー凹部が形成されていることにより、キー部材の剛性を低くすることができる。これにより、キャリアリングからの荷重が増大した場合には、キー部材は、キー凹部が広がる方向に容易に変形することができる。
本発明の第九の態様の回転機械は、上記いずれの軸受装置を備える。
本発明によれば、より広い温度範囲で使用することが可能な軸受装置及び回転機械を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る蒸気タービンの構成を示す模式図である。 本発明の第一実施形態に係る軸受装置の構成を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る軸受装置の要部拡大図であって、ライナが変形する前の状態を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る軸受装置の要部拡大図であって、ライナが変形した状態を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る軸受装置の要部拡大図であって、キー部材が変形する前の状態を示す図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、蒸気タービン1(回転機械)は、軸線O方向に沿って延びる蒸気タービンロータ3(回転軸)と、蒸気タービンロータ3を外周側から覆う蒸気タービンケーシング2(ケーシング)と、蒸気タービンロータ3の軸端11を軸線O回りに回転可能に支持するジャーナル軸受4(軸受装置)、及びスラスト軸受5と、を備えている。
蒸気タービンロータ3は複数の動翼30を有している。蒸気タービンロータ3の周方向に一定の間隔をもって複数の動翼30が配列される。軸線O方向においても、一定の間隔を持って複数の動翼30の列が配列される。動翼30は、翼本体31と、動翼シュラウド34(シュラウド)と、を有している。翼本体31は、蒸気タービンロータ3の外周面から径方向外側に向かって突出している。翼本体31は、径方向から見て翼型の断面を有する。翼本体31の先端部(径方向外側の端部)には、動翼シュラウド34が設けられている。
蒸気タービンケーシング2は、蒸気タービンロータ3を外周側から覆う略筒状をなしている。蒸気タービンケーシング2の軸線O方向一方側には、蒸気を取り込む蒸気供給管12が設けられている。蒸気タービンケーシング2の軸線O方向他方側には、蒸気を排出する蒸気排出管13が設けられている。以降の説明では、蒸気排出管13から見て蒸気供給管12が位置する側を上流側と呼び、蒸気供給管12から見て蒸気排出管13が位置する側を下流側と呼ぶ。
蒸気タービンケーシング2の内周面に沿って複数の静翼21が設けられている。静翼21は、静翼台座24を介して蒸気タービンケーシング2の内周面に接続される羽根状の部材である。さらに、静翼21の先端部(径方向内側の端部)には、静翼シュラウド22が設けられている。動翼30と同様に、静翼21は内周面上で周方向及び軸線O方向に沿って複数配列される。動翼30は、隣り合う複数の静翼21の間の領域に入り込むようにして配置される。
蒸気タービンケーシング2の内部において、静翼21と動翼30が配列された領域は、作動流体である蒸気Sが流通する主流路20を形成する。蒸気タービンケーシング2の内周面と動翼シュラウド34との間には、軸線Oに対する径方向外側に向かって凹む凹部50が周方向全域にわたって形成されている。凹部50は、動翼30の先端(動翼シュラウド34)を収容するキャビティをなしている。即ち、凹部50は、動翼シュラウド34の体積に比べて十分に大きな容積を有している。
蒸気Sは、上流側の蒸気供給管12を介して、上述のように構成された蒸気タービン1に供給される。その後、蒸気タービンロータ3の回転に伴って静翼21と動翼30の列を通過し、やがて下流側の蒸気排出管13を通じて後続の装置(不図示)に向かって排出される。静翼21と動翼30の列を通過する際、前述の凹部50にも蒸気Sは流入する。
ジャーナル軸受4は、軸線Oに対する径方向への荷重を支持する。ジャーナル軸受4は、蒸気タービンロータ3の両端に1つずつ設けられている。スラスト軸受5は、軸線O方向への荷重を支持する。スラスト軸受5は、蒸気タービンロータ3の上流側の端部にのみ設けられている。
図2は、ジャーナル軸受4の詳細な構成を示す図である。同図に示すように、ジャーナル軸受4は、複数(4つ)の軸受パッド41と、軸受パッド41の外周面にはめ込まれたライナ42と、軸受パッド41及びライナ42を収容するキャリアリング43と、ライナ42を支持する支持部44と、キー部材90と、を備えている。
軸受パッド41は、軸線Oに直交する断面視で、略扇形をなしている、より詳細には、軸受パッド41の断面は、径方向内側から外側に向かうに従って、周方向における寸法が次第に拡大している。軸受パッド41における径方向内側を向く面は、蒸気タービンロータ3の外周面を摺接可能に支持するパッド面41Aとされている。パッド面41Aは、径方向内側から外側に向かって凹む円弧状をなしている。パッド面41Aの曲率半径は、蒸気タービンロータ3の外周面の曲率半径よりもわずかに大きい。即ち、パッド面41Aの一部の領域のみが、蒸気タービンロータ3の外周面に摺接する。パッド面41A上には、不図示の装置から潤滑油が供給される。潤滑油は、パッド面41Aと蒸気タービンロータ3の外周面との間で油膜を形成する。
軸受パッド41の径方向外側を向く面(パッド外周面41B)は、径方向内側から外側に向かって円弧状に突出している。パッド外周面41Bには、後述するライナ42を収容するための収容溝45が形成されている。収容溝45は、軸線Oに直交する断面視で、径方向外側から内側に向かって凹む角溝状をなしている。収容溝45は、パッド外周面41Bの円弧の略中央位置に形成されている。
ライナ42は、上記の収容溝45にはめ込まれている。本実施形態では、軸線Oよりも上方に位置する一対のライナ42(上部ライナ42A)と、軸線Oよりも下方に位置するライナ42(下部ライナ42B)とで、その形状が異なっている。
図3に示すように、上部ライナ42Aは有底筒状をなしている。具体的には、上部ライナ42Aは、ライナ底部51と、ライナ側部52と、を有している。ライナ底部51は、軸線Oに対する径方向から見て、円形をなしている。ライナ側部52は、ライナ底部51の端縁から径方向内側に向かって円筒状に延びている。ライナ底部51の径方向内側の面とライナ側部52の内周面とで囲まれる領域は、ライナ凹部53とされている。即ち、ライナ凹部53は、径方向内側に向かって開口している。さらに言い換えると、ライナ凹部53は、径方向内側から外側に向かって凹んでいる。
ライナ側部52における径方向内側の端面は、軸受パッド41の外周面(収容溝45)に当接するライナ支持面54とされている。ライナ支持面54は、軸線Oに対する径方向から見て円環状をなしている。軸受パッド41は、このライナ支持面54のみによって径方向外側から支持されている。したがって、軸受パッド41に径方向内側から外側に向かう荷重が作用した場合、後述する支持部44との間で、ライナ支持面54と、ライナ底部51の中心部のみに応力が生じる。その結果、図4に示すように、ライナ42では、ライナ底部51が径方向内側に突出するように優先的に変形する。即ち、ライナ42の剛性は、軸受パッド41、キャリアリング43、支持部44の剛性よりも低い。
一方で、下部ライナ42Bは、円柱状をなしている。即ち、下部ライナ42Bには、上部ライナ42Aに形成されているようなライナ凹部53が形成されていない。下部ライナ42Bの径方向内側を向く面は、収容溝45の内面にすきまなく当接している。
支持部44は、キャリアリング43の内周面上(リング内周面43A上)に、周方向に等間隔をあけて複数(4つ)設けられている。支持部44は、リング内周面43Aから径方向内側に向かって突出している。支持部44の先端面(径方向内側の端面)は半球面状をなしている。これにより、支持部44は、ライナ底部51の径方向外側を向く面(ライナ外面55)を点支持する。即ち、ライナ42及び軸受パッド41は、支持部44上で揺動可能に支持されている。
なお、支持部44の態様は上記に限定されない。支持部44の他の例として、上記と同様の断面形状を有し、かつ軸線O方向に連続して延びる部材を支持部44として用いることも可能である。この場合、ライナ外面55と支持部44とは線接触する。
キャリアリング43は、軸線Oを中心とする環状(円筒状)をなしている。キャリアリング43は、床面上に設置されたハウジング80によって下方から支持されている。軸線Oに直交する断面視で、ハウジング80の上半部には、上方から下方に向かって円弧状に凹む収容部81が形成されている。収容部81の内面は、キャリアリング43を支持する支持面81Aとされている。
キャリアリング43、及び支持面81Aにおける周方向の同一位置には、それぞれ一対のキー溝43C、Bキー溝82が形成されている。キー溝43Cは、キャリアリング43の外周面から軸線Oに対する径方向内側に凹む角溝状をなしている。Bキー溝82は、支持面81Aから軸線Oに対する径方向外側に凹む角溝状をなしている。キー溝43C、及びBキー溝82の周方向における位置が一致した状態で、これらキー溝43C、Bキー溝82にキー部材90が挿入されている。キー部材90は、キャリアリング43が支持面81A上で転動することを防ぐために設けられている。
次に、本実施形態に係る蒸気タービン1、及びジャーナル軸受4の動作について説明する。蒸気タービン1を運転するに当たっては、外部の蒸気供給源(不図示)から、高温高圧の蒸気が蒸気供給管12を通じて蒸気タービンケーシング2の内部(主流路20)に供給される。蒸気は、主流路20に沿って、上流側から下流側に向かって流れる流れを形成する。この蒸気の流れは、静翼21と動翼30とに交互に衝突することで、動翼30を介して蒸気タービンロータ3に回転力を与える。蒸気タービンロータ3の回転は軸端から取り出されて、発電機等(不図示)の外部機器を駆動する。
蒸気タービン1が運転されている間、ジャーナル軸受4は蒸気タービンロータ3を回転可能に支持する。ここで、蒸気タービンロータ3の回転に伴って、当該蒸気タービンロータ3、及び軸受パッド41の温度が上昇する。この温度上昇によって、蒸気タービンロータ3、及び軸受パッド41には熱膨張が生じる。熱膨張が亢進した場合、蒸気タービンロータ3の外周面とパッド面41Aとの間のすきまが小さくなる。その結果、蒸気タービンロータ3とパッド面41Aとの間の面圧が上昇し、いわゆる抱きつきを生じてしまう可能性がある。
しかしながら、本実施形態に係るジャーナル軸受4では、ライナ42(上部ライナ42A)にライナ凹部53が形成されている。即ち、ライナ42の剛性は、軸受パッド41、キャリアリング43、支持部44の剛性よりも低い。したがって、軸受パッド41に径方向内側から外側に向かう荷重が作用した場合、ライナ支持面54と、ライナ底部51の中心部のみに応力が生じる。その結果、図4に示すように、ライナ42では、ライナ底部51が径方向内側に突出するように優先的に変形する。言い換えると、ライナ42では、ライナ凹部53が周方向に広がるような変形が生じる。これにより、蒸気タービンロータ3、及び軸受パッド41の温度が上昇した場合であっても、蒸気タービンロータ3の外周面とパッド面41Aとの間のすきまを維持することができる。言い換えれば、本実施形態のジャーナル軸受4は、より広い温度範囲で使用することができる。
以上、説明したように、本実施形態に係る構成によれば、ライナ42の剛性が軸受パッド41、キャリアリング43、及び支持部44の剛性よりも低いことから、回転軸、及び軸受パッド41に熱膨張が生じた場合、軸受パッド41からの荷重によってライナ42が優先的に変形する。これにより、回転軸と軸受パッド41との間のすきまを維持することができる。
さらに、上記の構成では、ライナ42は、軸受パッド41の外周面に当接するライナ支持面54を有し、ライナ支持面54上には、軸線Oに対する径方向内側から外側に向かって凹むライナ凹部53が形成されている。この構成によれば、ライナ支持面54によって軸受パッド41を安定的に支持することができるとともに、ライナ凹部53が形成されていることにより、当該ライナ42の剛性を低くすることができる。これにより、軸受パッド41からの荷重が増大した場合には、ライナ42は、ライナ凹部53が広がる方向に容易に変形することができる。
加えて、上記の構成では、水平方向に延びる軸線Oを基準として、軸線Oよりも上側に位置するライナ42のみの剛性が、軸受パッド41、キャリアリング43、及び支持部44よりも低い。
ここで、軸線Oよりも下側の軸受パッド41、ライナ42、及び支持部44は、蒸気タービンロータ3の重量を支持するため、高い剛性を有している必要がある。一方で、軸線Oよりも上側の軸受パッド41、ライナ42、及び支持部44は、蒸気タービンロータ3の重量による影響を受けない。上記の構成によれば、下側の軸受パッド41、ライナ42、及び支持部44によって蒸気タービンロータ3の重量を安定的に支持しつつ、上側のライナ42のみの剛性を低くすることで、当該上側のライナ42のみを優先的に変形させることができる。
以上、本発明の第一実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記実施形態では、軸受パッド41が4つ設けられている例について説明した。しかしながら、軸受パッド41の数は4つに限定されず、必要に応じて、3つや5つ以上であってもよい。
さらに、ライナ42の形状は上記実施形態によっては限定されず、軸受パッド41、支持部44、及びキャリアリング43に対して剛性を相対的に低くできる限りにおいては、ライナ42はいかなる形状を採ることも可能である。他の例として、例えば、ライナ42の径方向内側の端面に、中心部から放射状に広がる複数の溝を形成することも可能である。さらに他の例として、ライナ42に径方向に延びる複数の貫通孔を形成することも可能である。いずれの構成であっても、ライナ42の剛性を相対的に低くすることができる。
[第二実施形態]
続いて、本発明の第二実施形態について図5を参照して説明する。なお、上記第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、第一実施形態で説明した構成に加えて、キー部材90の剛性が、軸受パッド41、ライナ42、キャリアリング43、及び支持部44の剛性よりも低い。
より具体的には図5に示すように、軸線Oに直交する断面視で、キー部材90は、キー底部91と、キー側部92と、を有している。キー底部91、及びキー側部92は、軸線O方向に延びている。キー側部92は、キー底部91の端縁から径方向内側に向かって円筒状に延びている。キー底部91の径方向内側の面とキー側部92の内周面とで囲まれる領域は、キー凹部93とされている。即ち、キー凹部93は、径方向内側に向かって開口している。さらに言い換えると、キー凹部93は、径方向内側から外側に向かって凹んでいる。
キー側部92における径方向内側の端面は、キャリアリング43の外周面(キー溝43C)に当接するキー支持面94とされている。キャリアリング43は、このキー支持面94のみによって径方向外側から支持されている。したがって、キャリアリング43に径方向内側から外側に向かう荷重が作用した場合、又はキャリアリング43自身が熱膨張して径方向外側に広がった場合、キー支持面94と、キー底部91の中心部のみに応力が生じる。その結果、キー部材90では、キー底部91が径方向内側に突出するように優先的に変形する。即ち、キー部材90の剛性は、軸受パッド41、キャリアリング43、支持部44の剛性よりも低い。また、キー部材90の剛性は、上述のライナ42の剛性よりもさらに低く設定されている。
以上、説明したように、本実施形態に係る構成によれば、キー部材90の剛性が軸受パッド41、支持部44、及びキャリアリング43の剛性よりも低いことから、蒸気タービンロータ3、軸受パッド41、及びキャリアリング43に熱膨張が生じた場合、キャリアリング43からの荷重によってキー部材90が優先的に変形する。これにより、蒸気タービンロータ3と軸受パッド41との間のすきまを維持することができる。
さらに、上記の構成によれば、キー部材90の剛性がライナ42の剛性よりも小さいことから、これらキー部材90及びライナ42に荷重が加わった場合には、キー部材90が優先的に変形する。即ち、ライナ42によって軸受パッド41が安定的に支持された状態を維持しながら、キー部材90の変形によって荷重を逃がすことが可能となる。
加えて、上記の構成によれば、キー部材90は、キャリアリング43の外周面に当接するキー支持面94を有し、キー支持面94上にはキー凹部93が形成されている。この構成によれば、キー支持面94によってキャリアリング43を安定的に支持することができるとともに、キー凹部93が形成されていることにより、キー部材90の剛性を低くすることができる。これにより、キャリアリング43からの荷重が増大した場合には、キー部材90は、キー凹部93が広がる方向に容易に変形することができる。
以上、本発明の第二実施形態について説明した。なお、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、キー部材90の形状は上記実施形態によっては限定されず、軸受パッド41、支持部44、及びキャリアリング43に対して剛性を相対的に低くできる限りにおいては、キー部材90はいかなる形状を採ることも可能である。
また、実施形態では回転機械として蒸気タービン1に本発明を適用した例について説明したが、これに限定されることはなく、例えばガスタービン等の他の回転機械に本発明を適用してもよい。
1…蒸気タービン(回転機械)
2…蒸気タービンケーシング
3…蒸気タービンロータ
4…ジャーナル軸受(軸受装置)
5…スラスト軸受
6…シールフィン
11…軸端
12…蒸気供給管
13…蒸気排出管
20…主流路
24…静翼台座
30…動翼
31…翼本体
34…動翼シュラウド
41…軸受パッド
42…ライナ
43…キャリアリング
44…支持部
45…収容溝
51…ライナ底部
52…ライナ側部
53…ライナ凹部
54…ライナ支持面
55…ライナ外面
80…ハウジング
81…収容部
82…Bキー溝
90…キー部材
91…キー底部
92…キー側部
93…キー凹部
94…キー支持面
41A…パッド面
41B…パッド外周面
42A…上部ライナ
42B…下部ライナ
43A…リング内周面
43B…リング外周面
43C…キー溝
81A…支持面
O…軸線

Claims (9)

  1. 軸線回りに回転する回転軸の外周面を摺接可能に支持するパッド面を有する軸受パッドと、
    該軸受パッドの外周面にはめ込まれたライナと、
    前記軸受パッド及び前記ライナを外周側から覆うように前記軸線を中心とする環状をなし、内側に前記軸受パッド及び前記ライナを収容するキャリアリングと、
    該キャリアリングの内周面に設けられ、前記ライナを揺動可能に支持する支持部と、
    を備え、
    前記ライナの剛性が、前記軸受パッド、前記キャリアリング、及び前記支持部よりも低い軸受装置。
  2. 前記キャリアリングを外周側から支持する支持面を有するハウジングと、
    前記支持面、及び前記キャリアリングの外周面における周方向の同一位置にそれぞれ形成されたキー溝に挿入されるキー部材と、
    をさらに備え、
    該キー部材の剛性が、前記軸受パッド、前記支持部、及び前記キャリアリングよりも低い請求項1に記載の軸受装置。
  3. 前記ライナは、前記軸受パッドの外周面に当接するライナ支持面を有し、該ライナ支持面上には、軸線に対する径方向内側から外側に向かって凹むライナ凹部が形成されている請求項1又は2に記載の軸受装置。
  4. 前記キー部材の剛性が、前記ライナの剛性よりも低い請求項2に記載の軸受装置。
  5. 前記キー部材は、前記キャリアリングの外周面に当接するキー支持面を有し、該キー支持面上には、軸線に対する径方向内側から外側に向かって凹むキー凹部が形成されている請求項2又は4に記載の軸受装置。
  6. 周方向に間隔をあけて配列された複数の前記軸受パッド、前記ライナ、及び前記支持部を備え、
    水平方向に延びる軸線を基準として、該軸線よりも上側に位置する前記ライナのみの剛性が、前記軸受パッド、前記キャリアリング、及び前記支持部よりも小さい請求項1から5のいずれか一項に記載の軸受装置。
  7. 軸線回りに回転する回転軸の外周面を摺接可能に支持するパッド面を有する軸受パッドと、
    該軸受パッドの外周面にはめ込まれたライナと、
    前記軸受パッド及び前記ライナを外周側から覆うように前記軸線を中心とする環状をなし、内側に前記軸受パッド及び前記ライナを収容するキャリアリングと、
    該キャリアリングの内周面に設けられ、前記ライナを揺動可能に支持する支持部と、
    前記キャリアリングを外周側から支持する支持面を有するハウジングと、
    前記支持面、及び前記キャリアリングの外周面における周方向の同一位置にそれぞれ形成されたキー溝に挿入されるキー部材と、
    を備え、
    該キー部材の剛性が、前記軸受パッド、前記ライナ、前記キャリアリング、及び前記支持部よりも低い軸受装置。
  8. 前記キー部材は、前記キャリアリングの外周面に当接するキー支持面を有し、該キー支持面上には、軸線に対する径方向内側から外側に向かって凹むキー凹部が形成されている請求項7に記載の軸受装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の軸受装置を備える回転機械。
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