JP4969393B2 - 軸封装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、エクスパンションの交換は、交換技術が特殊なものであるため、特別な技能を有する指導員や作業員にて作業を行う必要があり、交換に要する工期も長くなるという問題があった。
本発明の軸封装置は、軸受台により回転可能に支持された回転軸の円周面と対向して円環状に配置されたラビリンスシール部と、前記軸受台に取付けられるとともに前記ラビリンスシール部を回転軸と同心に支持する支持部と、前記ラビリンスシール部の外周面から径方向外側に向かって延びるリング板状に形成され、周方向に関して複数に分割されたシール板と、前記回転軸の周囲を覆うケーシングに取付けられ、前記シール板を径方向に移動可能に支持するスライド支持部と、を有するスライドプレート部と、が設けられていることを特徴とする。
さらに、スライドプレート部は、シール板とスライド支持部とにより上述の熱変位量の差を吸収するため、従来のエクスパンションを用いた方法と比較して、熱やガスなどによる劣化を抑制し、損傷の発生を防止することができる。
つまり、ラビリンス室に供給されたシール流体は、ラビリンスシール部と回転軸との間の隙間からラビリンス室の外側に流出する。これにより、ラビリンスシール部と回転軸との隙間を、軸受台に向かって流れる漏れ流れの発生を抑制することができる。
つまり、スライド室に供給されたシール流体は、ラビリンスシール部とスライドプレート部との間からスライド室の外側に流出する。これにより、ラビリンスシール部とスライドプレート部との間を、軸受台に向かって流れる漏れ流れの発生を抑制することができる。
図1は、本実施形態の軸封装置を備えた送風装置の概略を説明する模式図である。
本実施形態では、本発明の軸封装置10を、火力発電所などのボイラにガスを送る遠心型の送風装置1に適用して説明する。
なお、本発明の軸封装置10は、上述のように、ボイラにガスを送る送風装置1に適用してもよいし、その他の気体を送り出す送風装置の軸封装置10に適用してもよく、特に限定するものではない。
なお、モータ2としては、公知のモータを用いることができ、特に限定するものではない。
さらに、回転軸3におけるモータ2とインペラ4との間に一方の軸受台7Aが配置され、他方の端部の近傍に他方の軸受台7Bが配置されている。
なお、インペラ4の構成としては、公知の構成を用いることができ、特に限定するものではない。
ケーシング5には回転軸3が貫通して配置され、ケーシング5と回転軸3との間には、軸封装置10が配置されている。
なお、軸受台7A,7Bとしては、公知の軸受け装置を用いることができ、特に限定するものではない。
図2は、図1の軸封装置の構成を説明する部分拡大図である。
軸封装置10は、回転軸3が回転した状態で、回転軸3とケーシング5との間のシールを行うものである
軸封装置10には、図2に示すように、回転軸3の円周面と対向して配置されたラビリンスシール部11と、ラビリンスシール部11とケーシング5との間に配置されたスライドプレート部12と、回転軸3の円周面上に配置されたフィン13と、ラビリンスシール部11を回転軸3と同心に支持する支持部14と、が設けられている。
ラビリンスシール部11は、回転軸3との間に微小隙間を形成することにより、回転軸3が回転した状態で、回転軸3とケーシング5との間のシールを行うものである。
第1ラビリンス部21、第2ラビリンス部22、回転軸3およびラビリンス円筒部23によりラビリンス室24が形成され、ラビリンス室24には、シールエアを供給する第1シールエア供給部25が設けられている。
ラビリンスシール26は、回転軸3に向かって延びる複数のリング板状の突起を備え、回転軸3との間に微小な隙間を複数形成するものである。
第2ラビリンス部22には、後述する第1シールエア供給部25が接続されている。
さらに、ラビリンス円筒部23の径方向外側の円周面には、スライドプレート部12のシール板31が接触して配置されている。
ラビリンス室24と対向する回転軸3の円周面には、後述するフィン13が配置されている。言い換えると、ラビリンス室24の内部にフィン13が配置されている。
第1シールエア供給部25は、第2ラビリンス部22のリング板状の部材に接続され、例えば、工場などで用いられている高圧空気を、ラビリンス室24に供給するものである。
第1スライド支持部32およびシール板31、第2スライド支持部33およびシール板31、ラビリンス円筒部23、および、スライド円筒部34によりスライド室35が形成され、スライド室35にはシールエアを供給する第2シールエア供給部36が設けられている。
シール板31は、ラビリンス円筒部23の外周面から、径方向外側に向かって延びるリング板状の部材であって、周方向に関して2分割された部材である。言い換えると、扇状に分割された部材である。
シール板31は、耐熱性を有する金属、例えばステンレス鋼などから形成されている。
第2シールエア供給部36は、スライド円筒部34に接続され、例えば、工場などで用いられている高圧空気を、スライド室35に供給するものである。
フィン13は、図3および図4に示すように、ラビリンス室24と対向する回転軸3の外周面に配置された翼列である。翼列における翼の傾きは、回転軸3の回転より発生する空気の流れが、インペラ4に向かう向きとなる傾きに設定されている。
なお、本実施形態では、フィン13が設けられた軸封装置10に適用して説明するが、フィン13が軸封装置10に設けられなくてもよく、特に限定するものではない。
送風装置1のモータ2に電力が供給されると、図1に示すように、モータ2は回転軸3を回転駆動する。回転軸3に設けられたインペラ4は、回転軸3により回転駆動され、ガスを送風装置の吐出口に向けて送り出す。具体的には、回転軸3の一方および他方の端部側から、回転軸3に沿って流入したガスは、回転駆動されるインペラ4に吸入される。インペラ4に吸入されたガスは、径方向外側に向かって送り出され、ボイラ等に向かって送風される。
まず、軸封装置10におけるシール方法について説明する。
軸封装置10におけるラビリンスシール部11は、図3に示すように、回転軸3の回転を阻害することなく、ケーシング5の内部から外部へのガスの漏れを抑制している。
具体的には、ラビリンスシール部11を、支持部14を介して軸受台7に固定することで、第1ラビリンス部21および第2ラビリンス部22におけるラビリンスシール26と回転軸3との間に、複数の微小な隙間が形成されているため、回転軸3の回転は阻害されない。
一方、ラビリンスシール26と回転軸3との間には、複数の微小な隙間が形成されているため、ケーシング5の内部から外部へのガス漏れに対する流れ抵抗が高くなり、ガスの漏れが抑制される。
ケーシング5は、回転軸3等と比較して、板厚の薄い部材から構成されているため、熱による変形が大きくなる。スライドプレート部12の第1スライド支持部32および第2スライド支持部33は、ケーシング5に取付けられているため、ケーシング5の変形にともない、回転軸3の径方向および軸線方向の変位が生じる。
一方、第1および第2スライド支持部32,33が軸線方向に変位すると、シール板31が、ラビリンス円筒部23の外周面と接触した状態を保ちつつ、当該外周面に沿って移動し、熱変位量の差が吸収される。
具体的には、回転軸3の径方向に関する熱変位量の差は、シール板31と第1スライド支持部32およびシール板31と第2スライド支持部33との間の相対移動により吸収される。一方、軸線方向に関する熱変位量の差は、ラビリンスシール部11とシール板31との間の相対移動により吸収することができる。
つまり、ラビリンス室24に供給されたシールエアは、ラビリンスシール部11と回転軸3との間の隙間からラビリンス室24の外側に流出する。これにより、ラビリンスシール部11と回転軸3との隙間を、軸受台7A,7Bに向かって流れる漏れ流れの発生を抑制することができる。
つまり、スライド室35に供給されたシールエアは、ラビリンスシール部11とスライドプレート部12との間からスライド室35の外側に流出する。これにより、ラビリンスシール部11とスライドプレート部12との間を、軸受台7A,7Bに向かって流れる漏れ流れの発生を抑制することができる。
3 回転軸
5 ケーシング
10 軸封装置
11 ラビリンスシール部
12 スライドプレート部
13 フィン
14 支持部
21 第1ラビリンス部
22 第2ラビリンス部
24 ラビリンス室
31 シール板
32 第1スライド支持部(スライド支持部)
33 第2スライド支持部(スライド支持部)
35 スライド室
Claims (4)
- 軸受台により回転可能に支持された回転軸の円周面と対向して円環状に配置されたラビリンスシール部と、
前記軸受台に取付けられるとともに前記ラビリンスシール部を回転軸と同心に支持する支持部と、
前記ラビリンスシール部の外周面から径方向外側に向かって延びるリング板状に形成され、周方向に関して複数に分割されたシール板と、前記回転軸の周囲を覆うケーシングに取付けられ、前記シール板を径方向に移動可能に支持するスライド支持部と、を有するスライドプレート部と、
が設けられていることを特徴とする軸封装置。 - 前記ラビリンスシール部には、前記回転軸の軸線に沿って並んで配置された第1ラビリンス部と、第2ラビリンス部と、前記第1ラビリンス部および前記第2ラビリンス部により形成されるラビリンス室と、が設けられ、
前記ラビリンス室には、外部からシール流体が供給されていることを特徴とする請求項1記載の軸封装置。 - 前記スライドプレート部には、前記回転軸の軸線に沿って並んで配置された第1スライド支持部と、第2スライド支持部と、第1スライド支持部および第2スライド支持部により形成されたスライド室と、が設けられ、
前記スライド室には、外部からシール流体が供給されていることを特徴とする請求項1または2に記載の軸封装置。 - 前記回転軸とともに回転し、前記ラビリンス室内の流体を、前記回転軸の軸線に沿う方向であって、前記軸受台から遠ざかる方向に向かって送り出すフィンが設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の軸封装置。
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