JP2003343042A - 瓦葺き屋根の棟施工構造 - Google Patents

瓦葺き屋根の棟施工構造

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JP2003343042A
JP2003343042A JP2002158176A JP2002158176A JP2003343042A JP 2003343042 A JP2003343042 A JP 2003343042A JP 2002158176 A JP2002158176 A JP 2002158176A JP 2002158176 A JP2002158176 A JP 2002158176A JP 2003343042 A JP2003343042 A JP 2003343042A
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tile
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Nobutaka Hatano
伸考 波多野
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KAWARA NO HATANO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 棟部の面戸部分をより簡単にかつ十分に防水
施工することができる瓦葺き屋根の棟(乾式)施工構造
を提供すること。 【解決手段】 軸部20の上部に支承板21を有し下部
に取付ベース22を有する棟補強具2を、棟部の屋根下
地9上に所定間隔に取り付け、両側に形成されたフラン
ジ部11の下面にシール材保持部12を有する棟芯材1
の前記芯本体10を、前記棟補強具2の支承板21に取
外し可能に固定し、各シール材保持部12へ取り付けら
れたシール材3を下の瓦8の上面に接触させ、各フラン
ジ部11に、当該部分のシール材3の外側面へ被着し面
戸部分を塞ぐようにモルタル主材のカバー部材4を設
け、芯本体10の上に順に重ねられた各熨斗瓦5及び冠
瓦6をねじ7により棟芯材1へ緊結したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には瓦葺き
屋根の棟施工構造に関するものであり、さらに具体的に
は、葺き土をほとんど使用しないかあるいは全く使用し
ない、いわゆる乾式の棟施工構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆる乾式施工による棟施工構造は、
湿式施工のように練った葺き土を使用しないので、葺き
土の乾燥を待つ必要がなく短時間で施工することがで
き、乾燥による葺き土の縮み量を調整するため後日の締
め直しが不要であり、さらに、部分的な解体,補修を簡
単に行うことができるなどの利点がある。また、乾式の
棟構造において、両側部が一体に成形された熨斗瓦を使
用すると、両側の熨斗瓦を緊結する緊結手段を必要とし
ないので、施工が一層簡単になる。
【0003】例えば特開2001−152613号公報
には、前述のように一体型の熨斗瓦を使用した乾式の棟
施工構造が提案されており、この棟施工構造は以下のよ
うに構成されている。棟部の屋根下地の上には、上端部
に樋状の支承板を有する棟補強具が固定され、当該棟補
強具の支承板には角柱状の棟芯材(同公報では「受け
材」)が固定されている。前記棟芯材の両側部やや下方
には、緊結手段により相互に緊結された面戸瓦がそれぞ
れ設置されている。棟芯材の上には、両側部が面戸瓦の
上部へ被さるように防水シートが貼られ、その上には、
幅方向の中央部に長さ方向に沿って所定の間隔に孔が形
成された複数の一体型の大熨斗瓦が重ねられ、大熨斗瓦
の上には同様な孔を有する複数の一体型の小熨斗瓦が重
ねられている。一つの小熨斗瓦の下面中央へ長さ方向に
沿って形成された溝部には、熨斗瓦の蛇行を防止する蛇
行防止材が挿入されている。最上位の小熨斗瓦の上には
冠瓦が重ねられ、最上位の小熨斗瓦と冠瓦との間の空間
部には、熨斗瓦止め材が配置されている。冠瓦は頭部下
面へパッキンを設けたパッキン付きステンレスねじによ
り、前記熨斗瓦止め材へ緊結されている。また、各熨斗
瓦は、前記熨斗瓦止め材を貫通し各熨斗瓦の孔及び蛇行
防止材を貫通して先端部分が前記棟芯材へねじ込まれた
パッキン付きステンレスねじにより、当該棟芯材へ緊結
されている。なお、同じレベルの各熨斗瓦及び各冠瓦
は、それぞれ棟に沿って連続するように並べられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記乾式の棟施工構造
は前述のように種々の利点があるが、以下のような課題
があった。すなわち、棟が傾斜した隅棟部分のように、
棟の左右の瓦の上面凹凸形状が一定でなく複雑である場
合には、その凹凸面と面戸瓦の下端部形状とを適合させ
るのが困難なため防水構造が不十分になる。また、水平
棟であっても左右の屋根の傾斜が緩慢な場合には、軒方
向から風雨を受けたときの防水が不十分となる。本発明
の目的は、面戸部分をより簡単にかつ十分に防水施工す
ることができる乾式による瓦葺き屋根の棟施工構造を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る瓦葺き屋根
の棟施工構造は、前述の課題を解決するため以下のよう
に構成したものである。すなわち、請求項1に記載の瓦
葺き屋根の棟施工構造は、棟部の屋根下地9上には、上
端部に支承板21を有し下端部に取付ベース22を有す
る棟補強具2の前記取付ベース22を固定し、前記支承
板21には、芯本体10の両側部にフランジ部11が形
成された棟芯材1の前記芯本体10を取外し可能に固定
し、前記各フランジ部11には、下端部が直下の瓦8の
上面へ接触するシール材3をスカート状に取り付けると
ともに、当該部分のシール材3の外側面に被着しかつ当
該フランジ部11から下の面戸部分を塞ぐようにモルタ
ルを含むカバー部材4を設け、前記棟芯材1の上には両
側部が一体な適数の熨斗瓦5を重ね、最上位の熨斗瓦5
の上には冠瓦6が重ね、前記冠瓦6と熨斗瓦5をねじに
より前記芯本体10へ緊結したことを特徴としている。
【0006】請求項2に記載の瓦葺き屋根の棟施工構造
は、請求項1の棟施工構造において、前記隅棟芯材1の
フランジ部11の上面に、盛り土又はモルタルによる枕
部材1bを設けたことを特徴としている。
【0007】請求項3に記載の瓦葺き屋根の棟施工構造
は、請求項1又は2の棟施工構造において、前記フラン
ジ11には下向きのシール材保持部12を形成し、前記
シール材3を前記シール材保持部12に取り付けたこと
を特徴としている。
【0008】請求項4に記載の瓦葺き屋根の棟施工構造
は、請求項1〜3のいずれかの棟施工構造において、前
記棟芯材1の芯本体10の下面には長さ方向に沿って溝
13を形成し、当該溝13には前記支承板21の側部に
立ち上がり状に形成された側壁(21a)を案内したこ
とを特徴としている。
【0009】請求項5に記載の瓦葺き屋根の棟施工構造
は、請求項1〜4のいずれかの棟施工構造において、前
記棟芯材1は全体がプラスチックを主材として一体に成
形されており、少なくとも前記芯本体10の材質が木材
パウダーをプラスチックと配合して成形された木質材料
であることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら、本発明
に係る瓦葺き屋根用の棟施工構造の好ましい実施形態を
説明する。図1は本発明の実施形態に係る棟施工構造を
傾斜した隅棟に実施した状態の断面図、図2は図1の実
施形態に使用されている棟芯材,シール材と棟補強具と
の分解端面図、図3は棟補強具の斜視図、図4は図1の
実施形態の棟施工構造において瓦の一部を取り除いた状
態の斜視図である。
【0011】図2で示すように、棟芯材1は熨斗瓦5
(図1)を支持しかつ棟部の屋根下地9上に取り付けら
れる棟補強具2の支承板21へ固定される芯本体10
と、当該芯本体10の両側部へ長さ方向に沿って一体に
形成されたフランジ部11とから構成され、各フランジ
部11の先端部分下面には、溝状で下向きのシール材保
持部12が形成されている。芯本体10の下面両側部寄
り位置には、長さ方向に沿って幅が狭く深い溝13,1
3が平行に形成されている。棟心材1は、乾燥した木材
チップを微細に粉砕した木材パウダーをプラスチックと
配合して一体成形した、いわゆる木質材料によって構成
されている。棟心材1をプラクチックで一体成形する場
合には、成形上問題がない限り芯本体10のみを前述の
ような木質材料とし、他の部分を木質材料でないプラク
チックとすることができる。この実施形態では、プラス
チックとしてポリメタクリルスチレン樹脂(商品名「エ
スチレン MS−200」)を用いている。棟心材1の
長さは、後述の熨斗瓦5の長さや施工の作業性等を考慮
して設計されるが、この実施形態では2000mm程度
に設計されている。
【0012】各棟補強具2(図1,2,3)は、ボルト
部20aとナット部20bからなる伸縮調整可能なシャ
フト20と、当該シャフト20の上端部へ水平にかつ回
動可能に取り付けられた樋状の支承板21と、前記シャ
フト20の下端に固着され、先下がり状に開くように曲
げ加工された取付ベース22とから構成されている。こ
れらの棟補強具2は、後述するように棟芯材1を棟に沿
って屋根下地9の上に所定量浮かせた状態で取り付ける
ための取付手段と、隣合う棟芯材1相互を連結するジョ
イントとを兼ねている。支承板21の両側壁21a,2
1aには両端部にねじ通し孔等の固定孔21bがそれぞ
れ形成されており、前記両側壁21aの高さ及び肉厚
は、棟芯材1の下面に形成されている平行な溝13,1
3へほぼ適合して挿入されるように設計されている。取
付ベース22にも適数のねじ通し孔等の固定孔22aが
形成されている。
【0013】この実施形態の瓦葺き屋根の棟施工構造
は、前記棟芯材1を使用して以下のように施工される。
先ず、隅棟部の屋根下地9の上に沿って所定の間隔に棟
補強具2を配置し、棟補強具2の取付ベース22を屋根
下地(この実施形態では野地板)9の上の両側の傾斜に
合わせ、ねじ通し孔22aを通じて取付ベース22をね
じ2a等で止めることにより、各棟補強具2を棟に沿っ
て屋根下地9上に固定する。この固定後、ボルト部20
aにより支承板21のレベルを調整する。隣合う棟補強
具2相互の中心間の間隔を棟芯材1の長さと一致させる
か、あるいは、棟芯材1相互の接続部分にいずれかの棟
補強具2の支承板21が位置するように棟補強具2を配
置する。
【0014】次いで、棟芯材1を各棟補強具2の支承板
21へ固定するが、それに先立って棟芯材1の各シール
材保持部12へそれぞれスカート状(ないし板状)のシ
ール材3を保持させる。シール材3は例えばスポンジな
どの弾力性を有するパッキンであるのが好ましく、その
下端縁部分にはシリコーンを含浸させるなどの手段によ
りシール性に優れた補強シール部30を形成するのが好
ましい。シール材3を保持させた棟心材1を棟補強具2
の支承板21へ固定するには、支承板21の両側壁21
a,21aを棟芯材1の溝13,13へ案内し、隣合う
棟芯材1の端部を樋状の支承板21の中央部で当接させ
る要領で棟芯材1を配置し、芯本体10をねじ1aによ
り対応する支承板21へ取り付ける。
【0015】前述のようにシール材3は弾力性を有して
いるので、シール材3の高さ(上下方向の量)を勘案し
てレベルが調整された棟補強具2の支承板21へ棟芯材
1を固定すると、シール材3は図2で示す状態から図1
で示すようにその直下の瓦(この実施形態では桟瓦)8
の上面に押し付けられ、その凹凸に対応して弾性変形し
ながら密着する。この状態で、シール材3の外側面に被
着されかつフランジ部11と下の瓦8との間の面戸部分
を塞ぐように、棟心材1の各フランジ11にモルタルを
含むカバー部材4を塗工する。このカバー部材4は、通
常の漆喰に代わるものであるから塗工するモルタル中に
は石膏などを混練するのが好ましい。このカバー部材4
の塗工により、棟心材1のフランジ部11とその下の瓦
8との面戸部分は、図4で示すように並ぶ瓦8の上面の
凹凸形状に適合してほぼ完全に塞がれる。
【0016】次いで、前記棟心材1の芯本体10の上に
両側部が一体に成形された(一体型の)熨斗瓦5を複数
段重ねる。各段の熨斗瓦5はそれぞれ長さ方向に連続す
るように並べて重ねられるが、下段の熨斗瓦5とその上
段の熨斗瓦5はそれらの当接された端部が互い違いに位
置するように並べられる。この実施形態では、下段に二
段重ねられた熨斗瓦5は幅の広い大熨斗瓦50であり、
最上位の熨斗瓦5は比較的幅の狭い小熨斗瓦51であ
る。最下段の大熨斗瓦5を棟芯材1の上に重ねる際に
は、熨斗瓦5のガタツキを防止してその姿勢を安定させ
るため、棟心材1の各フランジ部11の上面に適量の盛
り土(練り土)又はモルタルからなる枕部材1bを敷く
のが好ましい。この枕部材1bは、当該枕部材1bの材
質が前記カバー部材4と同じである場合には、各カバー
部材4を塗工するときに同時に敷設することができる。
【0017】小熨斗瓦51の上には、さらに冠瓦(雁振
瓦)6を長さ方向へ連続するように並べて重ねる。この
とき各冠瓦6は、冠瓦6相互の当接された端部とその下
の小熨斗瓦51相互の当接された端部とが互い違いに位
置するように並べられる。各熨斗瓦5と各冠瓦6には、
それぞれねじ通し孔5a,6aが形成されており、前述
のように熨斗瓦5を多段に重ね、その上に冠瓦6を重ね
た状態では、各段の熨斗瓦5のねじ通し孔5a及び冠瓦
6のねじ通し孔6aは、棟の傾斜に対して垂直な方向へ
ほぼ一致するようになっている。熨斗瓦5及び冠瓦6を
以上のように重ねた後、例えば頭部下面にパッキン7a
を有するパキッン付きステンレスねじなどのねじ7をね
じ通し孔6a,5aに通し、このねじ7を棟心材1の芯
本体10へねじ締めて各熨斗瓦5及び冠瓦6を棟心材1
へ緊結する。
【0018】前記実施形態の瓦葺き屋根の棟施工構造に
よれば、第1に、水を加えて練った葺き土をほとんど使
用しないいわゆる乾式施工構造であって、乾燥を待たず
に作業をすることができるほか、後日の熨斗瓦や冠瓦の
締め直しを必要としないのでより短時間で施工すること
ができる。また、ねじ7を取り外すことにより、部分的
補修がより簡単に行える。
【0019】第2に、各フランジ11の下面のシール材
保持部12へそれぞれスカート状のシール材3を保持さ
せ、棟部の屋根下地9上に取り付けられる棟補強具2の
支承板21に芯本体10を固定すると、弾力性を有する
シール材3はその直下の瓦8の上面に押し付けられ、そ
の凹凸に対応して弾性変形し密着する。そして、シール
材3の外側面へ被着しかつフランジ部以下の面戸部分を
塞ぐように、フランジ部11へカバー部材4を塗工する
こにより、当該カバー部材4により面戸部分は瓦8群の
上面の凹凸形状に適合してほぼ完全に塞がれ、より十分
な防水効果が発揮される。
【0020】第3に、芯本体10の下面には長さ方向に
沿って溝13が形成されているので、当該芯本体10を
棟補強具2の支承板21へ固定するとき、前記溝13を
ガイドとして芯本体10を正確,迅速に支承板21の上
に載置することができる。第4に、棟芯材1は全体がプ
ラスチックを主材として一体に成形されるので量産化に
適するとともに、芯本体10の材質が木材パウダーをプ
ラスチックと配合して成形した木質材料であるので、ね
じを使用して瓦葺き屋根の棟部をより簡単に施工するこ
とができるほか、防水性に富んでいて腐食せずしかも棟
構造の長寿命化が図られる。第5に、隅棟芯材1のフラ
ンジ部11の上面に盛り土又はモルタルによる枕部材1
bを設けたことにより、熨斗瓦5のガタツキを防ぎかつ
その姿勢をより安定させることができる。
【0021】その他の実施形態 本発明に係る棟施工構造において、棟心材1の両側のフ
ランジ部11は施工上の支障がない限度で先下がり状に
傾斜していても差し支えない。芯本体10は、プラスチ
ック製のフランジ部11と一体な下向きの樋状部と、当
該樋状部の内部へ溝部13が形成されるように挿入され
た木材又は木質材料からなる中芯とで構成することがで
きる。前記実施形態では、棟心材1のフランジ部11へ
下向きで溝状のシール材保持部12を形成したが、シー
ル材3はフランジ部11へ接着その他の手段によって取
り付けることができるから、シール材保持部12は必須
の構成部分ではないし、また、その断面形状は前述のよ
うに溝状でなくてもよい。
【0022】前記実施形態では、前記のような棟心材を
瓦葺き屋根の例えば平の流れ(棟方向の屋根傾斜)と妻
の流れ(妻方向の屋根傾斜)が出会う傾斜した隅棟に使
用して、当該部分を施工した形態のみを示したが、瓦葺
き屋根において水平な棟を施工する場合も同様に施工す
ることができる。本発明に係る棟施工構造において、熨
斗瓦5相互の両側の隙間には、前記枕部材1bと同様な
枕部材を敷いてその上の熨斗瓦5の姿勢を安定させるこ
とができる。前記実施形態では、各熨斗瓦5と冠瓦6は
ねじ7により芯本体10へ緊結されているが、例えば図
1の二点鎖線で示すように、小熨斗瓦51と冠瓦6の間
に木材又は木質材料からなる補助棟芯材1cを設け、例
えば補助棟芯材1cへ貫通させたねじ7を芯本体10へ
ねじ込んで各熨斗瓦5を棟心材1へ緊結し、さらに別の
図示しないねじにより、冠瓦6を補助棟芯材1cへ緊結
しても実施することができる。このような形態でも、冠
瓦6は前記補助棟芯材1c及びねじ7を介して間接的に
棟芯材1へ緊結されているからである。シール部材3は
スポンジ等の弾性を有する部材であることが望ましい
が、棟補強具2の支承板21へ棟芯材1を取り付けたと
きに、その下端縁が屋根瓦8の上面へその凹凸に沿って
接触し、かつ、モルタルを含むカバー部材4の材料が被
着する(カバー部材の下地となる)ような材質の部材
(例えば布、不織布等)を使用しても実施することがで
きる。
【0023】
【発明の効果】請求項1の発明に係る瓦葺き屋根の棟施
工構造によれば、水を加えて練った葺き土をほとんど使
用しないいわゆる乾式施工構造であって、乾燥を待たず
に作業をすることができるほか、後日の熨斗瓦や冠瓦の
締め直しを必要としないのでより短時間で施工すること
ができる。また、ねじ7を取り外すことにより、部分的
補修がより簡単に行える。棟芯材1のフランジ部11に
スカート状にシール材3を取り付け、棟に沿って取り付
けた棟補強具2の支承板21へ棟芯材1を固定すると、
シール材3はその下端部が直下の瓦8の上面にほぼその
凹凸に沿って接触する。そして、シール材3の外側面へ
被着しかつフランジ部以下の面戸部分を塞ぐように、フ
ランジ部11へカバー部材4を塗工するこにより、当該
カバー部材4により面戸部分は瓦8群の上面の凹凸形状
に適合してほぼ完全に塞がれるので、より十分な防水効
果が発揮される。
【0024】請求項2の発明に係る瓦葺き屋根の棟施工
構造によりれば、隅棟芯材1のフランジ部11の上面に
盛り土又はモルタルによる枕部材1bを設けたことによ
り、熨斗瓦5のガタツキを防ぎかつその姿勢をより安定
させることができる。
【0025】請求項3の発明に係る瓦葺き屋根の棟施工
構造によれば、フランジ11には下向きのシール材保持
部12を形成し、前記シール材3を前記シール材保持部
12に取り付けるように構成したので、シール材3の取
り付けが簡単である。
【0026】請求項4の発明に係る瓦葺き屋根の棟施工
構造によれば、芯本体10の下面には長さ方向に沿って
溝13が形成されているので、当該芯本体10を棟補強
具2の支承板21へ固定するとき、前記溝13をガイド
として芯本体10を正確,迅速に支承板21の上に載置
することができる。
【0027】請求項5の発明に係る瓦葺き屋根の棟施工
構造によれば、棟芯材1は全体がプラスチックを主材と
して一体に成形されるので量産化に適するとともに、芯
本体10の材質が木材パウダーをプラスチックと配合し
て成形した木質材料であるので、ねじを使用して瓦葺き
屋根の棟部をより簡単に施工することができるほか、防
水性に富んでいて腐食せず棟構造の長寿命化が図られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る棟施工構造を傾斜した
隅棟に実施した状態の断面図である。
【図2】図1の棟施工構造に使用されている棟芯材,シ
ール材及び棟補強具との分解端面図である。
【図3】棟補強具の斜視図である。
【図4】図1の実施形態の棟施工構造において瓦の一部
を取り除いた状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 棟芯材 10 芯本体 11 フランジ部 12 シール材保持部 13 溝 1a ねじ 1b 枕部材 1c 補助棟芯材 2 棟補強具 20 シャフト 20a ボルト部 20b ナット部 21 支承板 21a 側壁 21b 固定孔 22 取付ベース 22a 固定孔 3 シール材 30 補強シール部 4 カバー部材 5 熨斗瓦 50 大熨斗瓦 51 小熨斗瓦 6 冠瓦 5a,6a ねじ通し孔 7 ねじ 7a パッキン 8 瓦(桟瓦) 9 屋根下地

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棟部の屋根下地(9)上には、上端部に
    支承板(21)を有し下端部に取付ベース(22)を有
    する棟補強具(2)の前記取付ベース(22)が固定さ
    れ、前記支承板(21)には、芯本体(10)の両側部
    にフランジ部(11)が形成された棟芯材(1)の前記
    芯本体(10)が取外し可能に固定され、前記各フラン
    ジ部(11)には、下端部が直下の瓦(8)の上面へ接
    触するシール材(3)がスカート状に取り付けられると
    ともに、当該部分のシール材(3)の外側面に被着しか
    つ当該フランジ部(11)から下の面戸部分を塞ぐよう
    にモルタルを含むカバー部材(4)が設けられ、前記棟
    芯材(1)の上には両側部が一体な適数の熨斗瓦(5)
    が重ねられ、最上位の熨斗瓦(5)の上には冠瓦(6)
    が重ねられ、前記冠瓦(6)と熨斗瓦(5)はねじによ
    り前記芯本体(10)へ緊結されていることを特徴とす
    る、瓦葺き屋根の棟施工構造。
  2. 【請求項2】 前記隅棟芯材(1)のフランジ部(1
    1)の上面に、盛り土又はモルタルによる枕部材(1
    b)を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の瓦葺
    き屋根の棟施工構造。
  3. 【請求項3】 前記フランジ(11)には下向きのシー
    ル材保持部(12)が形成され、前記シール材(3)は
    前記シール材保持部(12)に取り付けられていること
    を特徴とする、請求項1又は2に記載の瓦葺き屋根の棟
    施工構造。
  4. 【請求項4】 前記棟芯材(1)の芯本体(10)の下
    面には長さ方向に沿って溝(13)が形成され、当該溝
    (13)には前記支承板(21)の側部に立ち上がり状
    に形成された側壁(21a)が案内されていることを特
    徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の瓦葺き屋根
    の棟施工構造。
  5. 【請求項5】 前記棟芯材(1)は、全体がプラスチッ
    クを主材として一体に成形されており、少なくとも前記
    芯本体(10)の材質が木材パウダーをプラスチックと
    配合して成形された木質材料であることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の瓦葺き屋根の棟施工構
    造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009084970A (ja) * 2007-10-03 2009-04-23 Otis:Kk 棟木支持具用直立施工具
JP2010168886A (ja) * 2008-12-25 2010-08-05 Misawa Homes Co Ltd 軒先構造
WO2024039145A1 (ko) * 2022-05-25 2024-02-22 조영록 용마루와 지붕 패널의 틈새를 밀폐하기 위한 마감 부재, 그 제조 방법 및 마감 부재를 포함하는 건축 구조물

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