JP2752407B2 - 外壁構造 - Google Patents

外壁構造

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は躯体、または野地板上に焼成セラミック板を
枠体とし、これにセメントモルタル等の化粧材を充填し
て外壁を形成した構造に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、セラミックを用いた外壁としてはタイル(小
板、大型平板)が使用された構造、あるいはセラミック
板が連続した外壁としては特開昭60−98054号公報、
特開昭61−294060号公報、実開昭61−56438号公
報、および特開昭61−261563号公報、等がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、この種構造では、下記する諸点におい
て種々の欠点があった。すなわち、ではセラミックの
下地にアルミ押出の下地板が必要であり、かつ目地間に
パッキング材を介在させなければならず、施工性に劣
り、コスト高となる。しかも外観上はセラミックパネル
の外壁のように見えるが実際はセラミックの存在しない
部分が多く、防火性に欠ける。は目地にコーキングが
現れ、3〜4年で劣化し、かつパネルの挟持に弾力が十
分に付加されていないし、下地は金属板であったり、躯
体であったりし、防水性、防火性、耐結露性に欠ける。
はコンクリート下地にアンカーを介してレール状の取
付具を装着し、かつリベットで各セラミックパネルの頭
部を固定しなければならず、施工性が悪く、その上、セ
ラミックパネルをデザイン的に装着することができな
い。は下地に金属パネルを全面に施工し、かつセラミ
ックパネルを逆台形状のリブで装着するため横方向から
の差し込み構造となり、破壊した際の交換が困難であ
り、その上、コーキング材が目地となっており、コス
ト、施工時間および耐候性に欠ける。等の欠点があっ
た。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこのような欠点を除去するため、躯体、また
は野地板上等に化粧板を装着する枠体、あるいはガイ
ド、もしくは目地付の下地材として有用な焼成セラミッ
ク製で凹凸脈断面等に形成した下地材を固定し、この下
地材を型枠として化粧材となるセメントモルタル等の流
動物を充填し、養生硬化して一体化し、下地材と化粧材
の特性を利用して防火性、遮音性、施工性、意匠性、耐
凍害性にすぐれた外壁構造を提案するものである。
〔実施例〕
以下に、図面を用いて本発明に係る外壁構造の一実施
例について詳細に説明する。第1図は上記外壁構造の代
表例を示す斜視図であり、1は型鋼、柱等の躯体、もし
くはコンクリート壁、ALC外壁、モルタル壁、野地板等
の下地である。は下地材で焼成セラミック板からな
り、その厚さ(高さ)は5〜50mm位、大きさは300×100
0mm、600×1800mm、900×2400mm、1000×4000mm等の任
意寸法に形成し、約700〜1300℃で焼成した板体であ
る。その原料としては陶石、長石、カオリン、および各
地の粘土等を適宜比で混合した原土を主成分とし、これ
に石綿、ワラステナイト、ガラス繊維、ウイスカ、炭素
繊維などを必要により添加したものである。また、下地
の形状としては例えば代表例として第2図(a)〜
(c)に示すように形成したものであり、(a)図は平
板上に凹脈3と凸脈4とを交互にベース部5上に形成
し、凹脈3は後記する化粧材8を充填する際の枠体とし
て機能し、そのまま化粧材8と一体に形成する。上記、
凸脈4は目地と化粧材8装着用のガイドとして機能す
る。特に、(a)図では図のように凹脈3の底面3aを傾
斜させ、後記する化粧材8の底面3aとの接触を大きく
し、かつ化粧材8を充填する際にその下端をガイドにし
て押圧を容易にするためである。また、凸脈4は平坦な
頂面としたり、図示しない曲面とすることもできる。な
お、凹脈3の幅W1は30〜600mm位、凸脈4の幅W2は5〜5
0mm位、高さH1は15〜100mm位である。(b)、(c)図
は下地材の上下端、左右端を相决り断面に形成し、特
に(b)図は嵌合部にコーキング材Aを介在させた下地
である。6は装着孔で適宜ピッチで穿設し下地1に
下地材を釘、ビス、ボルト等の固定具7で固設する際
に有用なものである。8は化粧材で凹脈3に未硬化状態
で充填し、養生硬化させて一体化したものであり、主に
セメント成分を主成分とする。例えばセメントモルタ
ル、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム等の1種からな
り、凸脈4の頂面、あるいはそれより低い寸法に充填し
一体化したものである。
次に施工法につき簡単に説明する。いま下地1として
C型チャンネルを用い、これに第2図(a)に示す下地
をスクリューネジからなる固定具7で下地1に固定
する。次に化粧材8であるセメントモルタル原料を凹脈
3に凸脈4の頂面4aから突出しない寸法まで充填し、養
生硬化させ、その後で塗料等を必要により外壁全面に塗
布し、その後凸脈4の頂面4aのみ拭き取り、乾燥硬化し
て完了する。このような工程を順次土台から軒、あるい
は縦張りでは左、右に行えばよいものである。なお、図
示しない土台との接触部には水切りBを介在させるとよ
い。また、下地材と化粧材8を一体化したパネルと
し、連結部のみ化粧材8を充填し、釘でこの複合体を下
地1に固定した後に、化粧塗膜を外壁全面に塗布し、下
地色との隠蔽により希有な外観の外壁を形成することも
できる。
以上説明したのは本発明に係る外壁構造の一実施例に
すぎず、下地材を第3図(a)〜(e)に示すように
形成することもできる。第4図(a)〜(c)は下地1
のその他の構造例であり、(a)図は下地1と下地材
との間に複合板(アルミクラフト紙イ−合成樹脂発泡体
ロ−合板、石膏ボード、シージングボード等の硬質基材
ハを一体に形成したもの)を介在させた構造、(b)図
は下地1と下地材間に防水シート(ピロアスファルト
フェルト)ニを介在させた構造、(c)図は下地1に合
成樹脂発泡体ロを設け、この発泡体ロ上に通気層となる
胴縁ホを介在させた構造である。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明に係る外壁構造によれば、
下地材を焼成セラミック板とし、かつ凹凸脈を設けた構
造のため強度があり、しかも防水性、耐久性にすぐれ
る。下地材にガイドとしても機能する凹凸脈を形成し
たため、化粧材の充填が容易である。外壁をモザイク
調、目地なし状、ブリック調など任意の外観を形成でき
る。目地はクラック、劣化、変色のおそれがない。
防水性、遮音性、施工性、意匠性にすぐれ、かつ凍害に
も強い。等の特徴がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る外壁構造の一実施例を示す斜視
図、第2図(a)〜(c)は下地材の一例を示す斜視
図、第3図(a)〜(e)は下地材のその他の実施例を
示す説明図、第4図(a)〜(c)は下地のその他の構
造例を示す説明図である。 1……下地、……下地材、8……化粧材。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下地に、下地材として表面に目地となる凸
    脈と化粧材を充填する凹脈とを交互に設けた焼成セラミ
    ック板を固設し、該凹脈をセメントを主成分とする未硬
    化状の化粧材を充填し、上記下地材と化粧材の硬化板を
    一体に形成したことを特徴とする外壁構造。
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