JP2003342731A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

積層体およびその製造方法

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JP2003342731A JP2002150757A JP2002150757A JP2003342731A JP 2003342731 A JP2003342731 A JP 2003342731A JP 2002150757 A JP2002150757 A JP 2002150757A JP 2002150757 A JP2002150757 A JP 2002150757A JP 2003342731 A JP2003342731 A JP 2003342731A
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Hiroyuki Sugimura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、基材との密着性が高く、ガスバリ
ア性の高い、均一な層を形成することが可能な積層体の
製造方法を提供することを主目的とする。 【解決手段】 本発明は、基材上に、自己組織化単分子
膜を形成する原料として、前記基材に自己組織化単分子
膜を吸着させるための吸着基を少なくとも一つ有し、か
つ前記基材表面に自己組織化単分子膜を形成するように
単分子で配向させる配向基を少なくとも一つ有する自己
組織化単分子膜形成物質を用いて、CVD法により自己
組織化単分子膜を形成する自己組織化単分子膜形成工程
と、形成された自己組織化単分子膜から前記配向基を除
去する配向基除去工程と、前記配向基を除去した自己組
織化単分子膜上に真空成膜法を用いて酸化珪素膜を形成
する酸化珪素膜形成工程とを有することを特徴とする積
層体の製造方法を提供することにより上記目的を達成す
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装材料やディス
プレイ材料、半導体材料等の表面における酸素や水蒸気
に対する保護層として主に用いられる積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスバリア性を有する膜は、主に、内容
物の品質を変化させる原因となる酸素や水蒸気等の影響
を防ぐために、食品や医薬品等の包装材料として用いら
れたり、液晶表示パネルやEL表示パネル等に形成され
ている素子が、酸素や水蒸気に触れて性能劣化するのを
避けるための、電子デバイス等のパッケージ材料として
用いられている。また、近年においては、従来ガラス等
を用いていた部分にフレキシブル性や耐衝撃性を持たせ
る等の理由から、ガスバリア性を有する樹脂性のフィル
ムが用いられる場合もある。
【0003】このようなガスバリア性を有するフィルム
は、プラスチックフィルムを基材として、その片面また
は両面にガスバリア層を形成する構成をとるのが一般的
である。ガスバリア性を有する膜を高分子樹脂基材上に
乾式成膜する方法として、プラズマCVD法等の乾式成
膜法を用いて酸化珪素膜(シリカ膜)や酸化アルミニウ
ム膜(アルミナ膜)を形成する方法が知られている(例
えば、特開平8−176326号公報、特開平11−3
09815号公報、特開2000−6301号公報
等)。当該ガスバリアフィルムは、CVD法およびPV
D法等の様々な方法で形成されているが、特に、プラズ
マCVD法は、高分子樹脂基材に熱的ダメージを与える
ことなく、ガスバリア性と屈曲性に優れた酸化珪素膜や
酸化アルミニウム膜を形成できるという利点がある。
【0004】しかしながら、従来のガスバリアフィルム
は、2cc/m/day程度の酸素透過率(OTR)
や、2g/m/day程度の水蒸気透過率(WVT
R)を有するにすぎず、より高いガスバリア性を必要と
する用途に使用される場合には、未だ不十分なものであ
った。
【0005】また、従来はガスバリア層を形成する前処
理として、プラスチックフィルムの表面の洗浄は酸素プ
ラズマにより行われていた。この酸素プラズマによる洗
浄により、プラスチックフィルムの表面がエッチングさ
れ、若干の凹凸を形成することにより、ガスバリア層を
均一な層とすることができず、また密着性を向上させる
ことが困難であり、高いガスバリア性を有する膜を形成
することが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した問題から、基
材との密着性が高く、ガスバリア性の高い、均一な層を
形成することが可能な積層体の製造方法の提供が望まれ
ている。
【0007】
【課題が解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載するように、基材上に、自己組織化単分子膜を形成す
る原料として、前記基材に自己組織化単分子膜を吸着さ
せるための吸着基を少なくとも一つ有し、かつ前記基材
表面に自己組織化単分子膜を形成するように単分子で配
向させる配向基を少なくとも一つ有する自己組織化単分
子膜形成物質を用いて、CVD法により自己組織化単分
子膜を形成する自己組織化単分子膜形成工程と、形成さ
れた自己組織化単分子膜から前記配向基を除去する配向
基除去工程と、前記配向基を除去した自己組織化単分子
膜上に真空成膜法を用いて酸化珪素膜を形成する酸化珪
素膜形成工程とを有することを特徴とする積層体の製造
方法を提供する。
【0008】本発明によれば、基材上にCVD法によっ
て自己組織化単分子膜を形成することにより、基材表面
に均一かつ密に自己組織化単分子膜を形成することが可
能である。また、上記自己組織化単分子膜を形成してい
る配向基を除去する配向基除去工程により、上記自己組
織化単分子膜の表面を酸化物とし、上記自己組織化単分
子膜表面の酸化物上に酸化珪素膜形成工程を行うことに
より、酸化珪素膜の密着性を向上させることが可能とな
る。また、均一かつ密に形成された上記自己組織化単分
子膜上に上記酸化珪素膜が形成することにより、酸化珪
素膜も均一かつ密に形成することが可能となり、ガスバ
リア性が向上した積層体を製造することが可能となる。
【0009】上記請求項1に記載された発明において
は、請求項2に記載するように上記自己組織化単分子膜
形成工程が、熱CVD法を用いた工程であることが好ま
しい。
【0010】上記自己組織化単分子膜形成工程におい
て、熱CVD法を用いることにより、基材上に、より均
一に上記自己組織化単分子膜を形成することが可能とな
り、積層体をガスバリア性の高いものとすることが可能
となるからである。
【0011】上記請求項1または請求項2に記載された
発明においては、請求項3に記載するように、下記の一
般式(1)で示される化合物が、前記自己組織化単分子
膜形成工程における自己組織化単分子膜形成物質として
用いられることが好ましい。
【0012】R αXR β (1) (ここで、Rは、炭素数1〜30までのアルキル基あ
るいはアリール基(ベンゼン環)であり、炭素基は部分
的に分岐鎖や多重結合を有するものも含まれる。また、
炭素に結合する元素としてはフッ素や塩素等のハロゲ
ン、水素あるいは窒素等も含まれる。また、Rは、ハ
ロゲン、または−OR(Rは、炭素数1〜6のアル
キル基、アリール基、またはアリル基である。ここで、
炭素が酸素や水素だけでなく、ハロゲンや窒素と結合し
ているものも含まれる。)で示される置換基である。ま
た、Xは、Si、Ti、Al、CおよびSからなる群か
ら選択される一つの元素である。ここで、αおよびβは
1以上であり、α+βは2から4である。)
【0013】ここで、Rは上述したような配向基であ
り、Rは上述したような吸着基である。本発明におい
て、自己組織化単分子膜形成物質が上記のような物質で
あることにより、上記基材にCVD法により自己組織化
単分子膜を形成し、上記基材との密着性を向上させるこ
とが可能となる。さらに、自己組織化単分子膜形成物質
が上記のような物質であることにより、配向基除去工程
および酸化珪素膜形成工程により形成された酸化珪素膜
との密着性を向上させることが可能となり、ガスバリア
性も向上させることが可能となる。
【0014】さらに、上記請求項3に記載された発明に
おいては、請求項4に記載するように、オクタデシルト
リメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、
オクタデシルトリクロロシラン、オクチルトリエトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、(トリデカフル
オロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエ
トキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、(ヘプ
タデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシ
ル)トリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラ
ン、および3−クロロプロピルトリメトキシシランから
なる群から選択される少なくとも一つの材料が、前記自
己組織化単分子膜形成工程における自己組織化単分子膜
形成物質として用いられることが好ましい。本発明にお
いては、これらの材料を自己組織化単分子膜形成物質と
することにより、基材および酸化珪素膜との密着性をよ
り向上させることが可能となるからである。
【0015】上記請求項1から請求項4までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項5に記載
するように、上記配向基除去工程および上記酸化珪素膜
形成工程が、プラズマCVD法を用いて同時に行われる
ことが好ましい。上記配向基除去工程および上記酸化珪
素膜形成工程をプラズマCVD法により行うことによ
り、プラズマによる上記自己組織化単分子膜の配向基の
除去と、酸化珪素膜の形成とを同時に行うことが可能と
なり、製造効率やコストの面から好ましいからである。
さらに、酸化珪素膜の形成をプラズマCVD法により行
うことにより、基材等に熱的ダメージを与える可能性が
少ないことから、例えば樹脂性のフィルムや半導体等を
基材として用いることが可能となるからである。
【0016】上記請求項1から請求項5までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項6に記載
するように、上記自己組織化単分子膜形成工程を行う前
に、上記基材を表面処理する基材処理工程を有してもよ
い。上記基材を表面処理することにより、上記基材上に
形成する自己組織化単分子膜との密着性を向上させるこ
とが可能となるからである。
【0017】上記請求項6に記載された発明において
は、請求項7に記載するように、上記基材処理工程がU
V処理を用いた工程であることが好ましい。上記基材処
理工程をUV処理により行うことにより、例えばプラズ
マ処理等で行った場合に上記基材の表面に形成される凹
凸等を形成することがなく処理することが可能となり、
上記基材上に形成した自己組織化単分子膜の密着性をよ
り向上させることが可能となる。
【0018】本発明は、請求項8に記載するように、基
材と、前記基材の片面または両面に形成された密着性向
上層と、前記密着性向上層上に形成された酸化珪素膜か
らなるガスバリア層とを有し、前記密着性向上層は前記
基材に自己組織化単分子膜を吸着させるための吸着基を
少なくとも一つ有し、かつ前記基材上に自己組織化単分
子膜を形成するように単分子で配向させる配向基を少な
くとも一つ有する自己組織化単分子膜形成物質を原料と
して用いて形成された、自己組織化単分子膜における前
記配向基が除去された層であることを特徴とする積層体
を提供する。
【0019】本発明によれば、基材上に密着性向上層を
形成することにより、上記基材と酸化珪素膜の密着性を
向上させた層とすることが可能となる。また、密着性向
上層が、上記のような層であり、均一かつ密な層である
ことから、その上に形成された酸化珪素膜を均一かつ密
な膜とすることが可能となり、ガスバリア性の高い積層
体とすることが可能である。
【0020】上記請求項8に記載された発明において
は、請求項9に記載するように、上記基材が、有機材料
であることが好ましい。上記基材が有機材料であること
により、柔軟性が必要とされる目的にも使用することが
可能となることから、例えば包装材料や有機EL素子等
の電子デバイスにも使用することが可能となるからであ
る。
【0021】上記請求項8または請求項9に記載された
発明においては、請求項10に記載するように、上記ガ
スバリア層の厚さが5nm〜500nmであることが好
ましい。上記ガスバリア層の厚さが上記範囲より薄い場
合には、均一な層を形成することが困難であることか
ら、必要とされるガスバリア性を付与することが困難と
なり、上記ガスバリア層の厚さが上記範囲より厚い場合
には、クラックが入りやすくなり、またフィルムのカー
ルが増大すること等から、好ましくない。
【0022】上記請求項8から請求項10までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項11に
記載するように、酸素透過率が0.5cc/m/da
y以下で、水蒸気透過率が0.5g/m/day以下
であることが好ましい。酸素透過率および水蒸気透過率
を上記範囲内とすることにより、高いガスバリア性を有
する積層体とすることが可能となるからである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、ガスバリア性を有する
積層体およびその製造方法に関するものである。以下、
これらについてわけて説明する。
【0024】A.積層体の製造方法 本発明の積層体の製造方法は、基材上に、自己組織化単
分子膜を形成する原料として、前記基材に自己組織化単
分子膜を吸着させるための吸着基を少なくとも一つ有
し、かつ前記基材表面に自己組織化単分子膜を形成する
ように単分子で配向させる配向基を少なくとも一つ有す
る自己組織化単分子膜形成物質を用いて、CVD法によ
り自己組織化単分子膜を形成する自己組織化単分子膜形
成工程と、形成された自己組織化単分子膜から前記配向
基を除去する配向基除去工程と、前記配向基を除去した
自己組織化単分子膜上に真空成膜法を用いて酸化珪素膜
を形成する酸化珪素膜形成工程とを有することを特徴と
するものである。
【0025】本発明においては、自己組織化単分子膜形
成工程によって、基材上に自己組織化単分子膜を形成す
ることにより、基材表面に自己組織化単分子膜を均一か
つ密に形成することが可能であり、この均一かつ密な自
己組織化単分子膜上に酸化珪素膜を形成することによ
り、形成した酸化珪素膜を均一かつ密な酸化珪素膜とす
ることが可能となる。また、自己組織化単分子膜上に酸
化珪素膜を形成する酸化珪素膜形成工程の前に、自己組
織化単分子膜の配向基を除去する配向基除去工程を行う
ことにより、自己組織化単分子膜と酸化珪素膜の密着性
を向上させることが可能となるのである。以下、これら
の製造方法について詳しく説明する。
【0026】1.自己組織化単分子膜形成工程 本発明の自己組織化単分子膜形成工程は、基材上に、自
己組織化単分子膜を形成する原料として、上記基材に自
己組織化単分子膜を吸着させるための吸着基を少なくと
も一つ有し、かつ上記基材表面に自己組織化単分子膜を
形成するように単分子で配向する配向基を少なくとも一
つ有する自己組織化単分子膜形成物質を用いて、CVD
法により自己組織化単分子膜を形成する工程である。こ
れらについてわけて説明する。
【0027】a.自己組織化単分子膜形成物質 本発明の自己組織化単分子膜形成物質とは、自己組織化
単分子膜を形成する物質であり、後述する基材に自己組
織化単分子膜を吸着させるための吸着基を少なくとも一
つ有し、かつ後述する基材表面に自己組織化単分子膜を
形成するように単分子で配向させる配向基を少なくとも
一つ有する物質であれば、特に限定されるものではな
い。
【0028】ここで、自己組織化単分子膜とは、固体/
液体もしくは固体/気体界面で、有機分子同士が自発的
に集合し会合体を形成しながら自発的に単分子膜を形作
っていく有機薄膜である。例として、ある特定の材料で
できた基板を、その基板材料と化学的親和性の高い有機
分子の溶液または蒸気にさらすと、有機分子は基板表面
で化学反応し吸着する。その有機分子が、化学的親和性
の高い官能基と、基板との化学反応を全く起こさないア
ルキル基との2つのパートからなり、親和性の高い官能
基がその末端にある場合、分子は反応性末端が基板側を
向き、アルキル基が外側を向いて吸着する。アルキル基
同士が集合すると、全体として安定になるため、化学吸
着の過程で有機分子同士は自発的に集合する。分子の吸
着には、基板と末端官能基との間で化学反応が起こるこ
とが必要であることから、いったん基板表面が有機分子
でおおわれ単分子膜ができあがると、それ以降は分子の
吸着は起こらない。その結果、分子が密に集合し、配向
性のそろった有機単分子膜ができる。このような膜を本
発明においては、自己組織化単分子膜とするのである。
上記の自己組織化単分子膜形成物質についてそれぞれの
構成にわけて説明する。
【0029】(1)配向基 本発明における配向基とは、自己組織化単分子膜形成物
質を基材上に、単分子状態で配向させるための基のこと
をいう。この配向基が基材と化学反応をおこさない基で
あることから、後述する吸着基によって自己組織化単分
子膜形成物質が基板上に固定された場合、配向基は基材
の表面に配置される。この配向基が多数基材表面に集合
すると、配向基同士が自発的に配向するため、分子が密
に集合し配向性のそろった有機単分子膜を形成すること
が可能となる。また、この配向基が反応性の低い基であ
るために、配向基上には他の分子の吸着等が起こらない
ことから、自己組織化単分子膜は単分子状態の膜を形成
することとなる。
【0030】本発明においては、自己組織化単分子膜形
成物質が、上述した配向基を少なくとも一つ有すること
が好ましい。自己組織化単分子膜形成物質が、基材とな
る上記酸化珪素膜上に配向するための配向基を少なくと
も一つ有することによって、基材の表面において配向基
が単分子状態で配向し、自己組織化単分子膜を基材の全
面に形成することが可能となるからである。
【0031】本発明における配向基として、炭素数1〜
30までのアルキル基あるいはアリール基(ベンゼン
環)であり、炭素基は部分的に分岐鎖や二重結合のよう
な多重結合のあるもの等が含まれる。また、炭素に結合
する元素としてはフッ素や塩素等のハロゲン、水素ある
いは窒素等も含まれる。特に炭素数が3〜22までであ
ることが好ましい。具体的には、オクタデシル基、ノニ
ル基、オクテニル基、オクチル基、ペンタフルオロフェ
ニルプロピル基、ペンチル基、フェネチル基、フェニル
基、プロピル基、テトラデシル基、トリフルオロプロピ
ル基、ノナフルオロヘキシル基、イソオクチル基、イロ
ブチル基、ヘキシル基、ヘキセニル基、テキサデシル
基、ヘプチル基、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシ
ル基、エイコシル基、ドデシル基、ジメトキシメチル
基、デシル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ノナデシル
基、ペンタコンシル基、トリコンチル基、シクロヘキシ
ル基、クロロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロ
フェニル基、ブチル基、およびこれらの置換基の炭素に
結合した水素が一部ハロゲンに置換した基が好ましく、
中でもオクタデシル基、オクチル基、フェニル基、トリ
デカフルオロテトラヒドロオクチル基、イソブチル基、
ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシル基、ドデシル
基、クロロプロピル基が好ましい。
【0032】(2)吸着基 本発明における吸着基とは、自己組織化単分子膜形成物
質が、基材上に吸着するための基のことをいう。この吸
着基は、化学的親和性の高い官能基であるため、基材の
表面に存在する物質と容易に化学結合をすることによ
り、自己組織化単分子膜形成物質が、基材上に固定され
るのである。また、吸着基が複数ある場合においては、
吸着基が基材の表面に存在する物質に吸着するだけでな
く、隣り合う分子間同士においても結合が形成される場
合もあることから、自己組織化単分子膜の強度が向上す
る。
【0033】本発明においては、自己組織化単分子膜形
成物質が、吸着基を少なくとも一つ有することが好まし
い。自己組織化単分子膜を構成する分子に、このような
吸着基を少なくとも一つ有することによって、後述する
基材の表面分子に自己組織化単分子膜を構成する分子が
吸着することが可能となり、基材表面全体に均一かつ密
に自己組織化単分子膜を形成することが可能となるので
ある。
【0034】本発明においては、中でも吸着基を二つ以
上有することが好ましい。自己組織化単分子膜を構成す
る分子に、上述した吸着基を少なくとも二つ有すること
によって、反応性官能基が複数あるため、基材表面に存
在する基と反応するだけでなく、隣り合う分子間同士で
も結合が形成される可能性があるため、形成された自己
組織化単分子膜をより強固なものとすることが可能とな
るからである。
【0035】さらに本発明においては、この吸着基がハ
ロゲン、または−OR(Rは、炭素数1〜6のアル
キル基、アリール基、またはアリル基である。ここで、
炭素が酸素や水素だけでなく、ハロゲンや窒素と結合し
ているものも含まれる。)で示される置換基であること
が好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基
およびフェノキシ基(その他上記の吸着基中の水素が1
個以上ハロゲンで置換された基も含む)が好ましく、中
でも塩素、メトキシ基およびエトキシ基が好ましい。
【0036】吸着基が上述したような基であることか
ら、例えば熱CVDを用いて成膜した場合、成膜時に原
料分子が反応器中で加水分解し、後述する基材と結合す
ることが可能となるからである。この結合により、自己
組織化単分子膜を、後述する基材の全面に均一かつ密に
形成することが可能となるからである。
【0037】(3)その他 本発明において、自己組織化単分子膜形成物質には、中
心となる核が存在することが好ましい。この核は、上記
の配向基と吸着基の中心に存在し、自己組織化単分子膜
形成物質の配向基や吸着基の数等を決定する。
【0038】本発明においては、この核としてSi、T
i、Al、CおよびSからなる群から選択される一つの
元素であることが好ましい。自己組織化単分子膜形成物
質の核が上記物質であることにより、後述する配向基除
去工程において、自己組織化単分子膜における上述した
配向基が除去された場合、自己組織化単分子膜の表面
に、上記の核の酸化物が形成される。これにより、自己
組織化単分子膜上に酸化珪素膜を形成した際に、酸化珪
素膜との密着性を向上させることが可能となり、ガスバ
リア性も向上させることが可能となるのである。
【0039】これまで述べてきた理由から、本発明にお
いては、自己形成単分子膜形成物質は、下記の一般式
(1)で示される化合物であることが好ましい。
【0040】R αXR β (1) ここで、Rは上述の配向基、Rは上述の吸着基、X
は上述の核となる物質である。(ここで、αおよびβは
1以上であり、α+βは2から4である。)
【0041】また、上記に示した自己組織化単分子膜形
成物質の具体的な例として、オクタデシルトリメトキシ
シラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシ
ルトリクロロシラン、オクタデシルメチルジエトキシシ
ラン、オクタデシルジメチルメトキシシラン、オクタデ
シルメチルジメトキシシラン、オクタデシルメトキシジ
クロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、オ
クタデシルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、オクタ
デシルジメチルクロロシラン、ノニルクロロシラン、オ
クテニルトリクロロシラン、オクテニルトリメトキシシ
ラン、オクチルメチルジクロロシラン、オクチルメチル
ジエトキシシラン、オクチルトリクロロシラン、オクチ
ルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、
ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシラン、ペ
ンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、ペ
ンチルトリエトキシシラン、ペンチルトリクロロシラ
ン、フェネチルトリクロロシラン、フェネチルトリメト
キシシラン、フェニルジクロロシラン、フェニルジエト
キシシラン、フェニルエチルジクロロシラン、フェニル
メチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリエトキシ
シラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメ
トキシシラン、プロピルトリクロロシラン、テトラデシ
ルトリクロロシラン、(3,3,3−トリフルオロプロ
ピル)ジメチルクロロシラン、(3,3,3−トリフル
オロプロピル)トリクロロシラン、(3,3,3−トリ
フルオロプロピル)トリメトキシシラン、(3,3,3
−トリフルオロプロピル)トリエトキシシラン、3,
3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシ
ルメチルジクロロシラン、3,3,4,4,5,5,
6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、
イソオクチルトリメトキシシラン、イソブチルメチルジ
クロロシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブ
チルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘ
キシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラ
ン、ヘキセニルトリクロロシラン、ヘキシルジクロロシ
ラン、ヘキサデシルトリクロロシラン、ヘキサデシルト
リメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、
ヘプチルトリクロロシラン、(ヘプタデカフルオロ−
1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシ
ラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ
ヒドロデシル)トリクロロシラン、(ヘプタデカフルオ
ロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)メチルジク
ロロシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−
テトラヒドロデシル)ジメチルクロロシラン、エイコシ
ルトリクロロシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ド
デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリクロロシラ
ン、ドデシルメチルジクロロシラン、ドデシルジメチル
クロロシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニ
ルジクロロシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジメトキシメチル−3,3,
3−トリフルオロプロピルシラン、デシルメチルジクロ
ロシラン、デシルトリクロロシラン、デシルトリエトキ
シシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルジメチル
クロロシラン、シクロヘキシルメチルトリクロロシラ
ン、シクロヘキシルトリクロロシラン、3−クロロプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリ
メトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラ
ン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、クロロフェ
ニルトリクロロシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブ
チルトリクロロシランであることが好ましい。
【0042】本発明においては、中でもオクタデシルト
リメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、
オクタデシルトリクロロシラン、ノニルクロロシラン、
オクテニルトリクロロシラン、オクテニルトリメトキシ
シラン、オクチルトリクロロシラン、オクチルトリエト
キシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ペンタフル
オロフェニルプロピルトリクロロシラン、ペンタフルオ
ロフェニルプロピルトリメトキシシラン、ペンチルトリ
エトキシシラン、ペンチルトリクロロシラン、フェネチ
ルトリクロロシラン、フェネチルトリメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリクロロシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキ
シシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリ
クロロシラン、テトラデシルトリクロロシラン、(3,
3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロシラン、
(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシ
ラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリエト
キシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノ
ナフルオロヘキシルトリクロロシラン、イソオクチルト
リメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イ
ソブチルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラ
ン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキ
シシラン、ヘキセニルトリクロロシラン、ヘキサデシル
トリクロロシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、
ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリクロロ
シラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テト
ラヒドロデシル)トリエトキシシラン、(ヘプタデカフ
ルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリク
ロロシラン、エイコシルトリクロロシラン、ドデシルト
リメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ドデ
シルトリクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3
−トリフルオロプロピルシラン、デシルトリクロロシラ
ン、デシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシ
ラン、デシルジメチルクロロシラン、シクロヘキシルメ
チルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラ
ン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロ
ロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルト
リクロロシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、ブ
チルトリメトキシシラン、ブチルトリクロロシランが好
ましく、特にオクタデシルトリメトキシシラン、オクタ
デシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリクロロシ
ラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テ
トラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、イソブチル
トリメトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,
2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン、ド
デシルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメ
トキシシランが好ましい。
【0043】b.基材 本発明に用いられる基材は、樹脂等の有機物であって
も、半導体等に使用されるガラス等の無機物であっても
よく、また用いる用途に応じて透明なものであっても不
透明なものであってもよい。しかしながら、例えば包装
材、さらには有機EL素子等の画像表示装置の基板など
の用途面を考慮すると、基材はプラスチック材料であ
り、かつ透明なフィルムであることが好ましい。
【0044】具体的には、 ・エチレン、ポリプロピレン、ブテン等の単独重合体ま
たは共重合体または共重合体等のポリオレフィン(P
O)樹脂、 ・環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂
(APO)、 ・ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレ
ン2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステル系
樹脂、 ・ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリ
アミド系(PA)樹脂、ポリビニルアルコール(PV
A)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EV
OH)等のポリビニルアルコール系樹脂、 ・ポリイミド(PI)樹脂、 ・ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、 ・ポリサルホン(PS)樹脂、 ・ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、 ・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、 ・ポリカーボネート(PC)樹脂、 ・ポリビニルブチラート(PVB)樹脂、 ・ポリアリレート(PAR)樹脂、 ・エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、
三フッ化塩化エチレン(PFA)、四フッ化エチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(FE
P)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル
(PVF)、パーフルオロエチレン−パーフロロプロピ
レン−パーフロロビニルエーテル−共重合体(EPA)
等のフッ素系樹脂、 等を用いることができる。
【0045】また、上記に挙げた樹脂以外にも、ラジカ
ル反応性不飽和化合物を有するアクリル系化合物により
なる樹脂組成物や、上記アクリル系化合物とチオール基
を有するメルカプト化合物よりなる樹脂組成物、エポキ
シアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステル
アクリレート、ポリエーテルアクリレート等のオリゴマ
ーを多官能アクリレートモノマーに溶解せしめた樹脂組
成物等の光硬化性樹脂およびこれらの混合物等を用いる
ことも可能である。さらに、これらの樹脂の1または2
種以上をラミネート、コーティング等の手段によって積
層させたものを基材フィルムとして用いることも可能で
ある。
【0046】上記に挙げた樹脂等を用いた本発明の基材
は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
【0047】本発明の基材は、従来公知の一般的な方法
により製造することが可能である。例えば、材料となる
樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイによ
り押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配
向していない未延伸の基材を製造することができる。ま
た、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延
伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸
延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方
向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸す
ることにより延伸基材を製造することができる。この場
合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜
選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれ
ぞれ2〜10倍が好ましい。
【0048】さらに、本発明の基材の表面には、自己組
織化単分子膜との密着性の向上を目的としてアンカーコ
ート剤層を形成してもよい。このアンカーコート剤層に
用いられるアンカーコート剤としては、ポリエステル樹
脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹
脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、
エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、
およびアルキルチタネート等を、1または2種以上併せ
て使用することができる。これらのアンカーコート剤に
は、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、
上記のアンカーコート剤は、ロールコート、グラビアコ
ート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート
等の公知の方法により基材上にコーティングし、溶剤、
希釈剤等を乾燥除去することによりアンカーコーティン
グすることができる。上記のアンカーコート剤の塗布量
としては、0.1〜5g/m(乾燥状態)程度が好ま
しい。
【0049】基材は、ロール状に巻き上げられた長尺品
が便利である。基材の厚さは、得られる積層体の用途に
よって異なるので一概には規定できないが、一般的な包
装材料やパッケージ材料用の基材として用いる場合に
は、3〜188μmが好ましい。
【0050】さらに本発明においては、基材を表面処理
する基材処理工程を有してもよい。基材を表面処理する
ことにより、基材上に形成する自己組織化単分子膜との
密着性を向上させることが可能となるからである。基材
上に形成する自己組織化単分子膜の基材と吸着する吸着
基は、上で述べたような化学親和性の高い官能基である
ことから、基材の表面も化学親和性を持つことが好まし
い。そのため、自己組織化単分子膜形成工程前に基材の
表面に化学親和性を導入する、UV処理、コロナ処理、
火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処
理、薬品処理等の表面処理を行ってもよい。
【0051】中でも上記基材処理工程がUV処理を用い
た工程であることが好ましい。上記基材処理工程をUV
処理により行うことにより、上記基材の表面に例えばプ
ラズマ処理等で行った場合に形成される凹凸等を形成す
ることがなく処理することが可能となり、上記基材上に
形成した自己組織化単分子膜の密着性をより向上させる
ことが可能となる。表面に微細な凹凸が形成されること
により、気相形成膜の特性が低下し、バリア性に影響す
るからである。
【0052】c.CVD法 本発明における自己組織化単分子膜形成工程は、上述し
た基材上に自己組織化単分子膜形成物質を材料として、
CVD法により自己組織化単分子膜を形成する工程であ
る。本発明に用いられるCVD法は、一般的にCVD法
と称される方法であれば特に限定されるものではない
が、本発明の自己組織化単分子膜形成工程においては、
熱CVD法を用いることが好ましい。熱CVD法におい
ては、原料となる上述した自己組織化単分子膜形成物質
を気化し、高温加熱した基材上に均一になるように材料
を送り込み、酸化、還元、置換等の反応を行わせること
から、上述した基材の全面に均一に自己組織化単分子膜
を形成することが可能となる。
【0053】本発明における熱CVD法の好ましい成膜
条件としては、上述した基材の耐熱温度以下であれば、
高ければ高いほどよいが、50℃〜200℃の範囲内で
あることが好ましい。また、反応系中に水分、あるいは
酸素が含まれることが、上記自己組織化単分子膜形成物
質のアルコキシ基の加水分解反応がより促進され、基材
との反応性が高くなることから好ましい。
【0054】2.配向基除去工程 本発明における配向基除去工程とは、上述した自己組織
化単分子膜形成工程により形成された自己組織化単分子
膜の上記配向基を自己組織化単分子膜上から除去する工
程である。本発明の配向基除去工程は、上記自己組織化
単分子膜上から上記配向基を除去することが可能であれ
ば、方法等は特に限定されるものではない。配向基を除
去する例として、上記自己組織化単分子膜に真空紫外光
を照射すると、上記配向基は上述したような有機物等に
より構成されており、上記配向基中のC−C結合やC−
H結合が励起され、切断されることによりラジカルが生
成する。このラジカルはさらに、雰囲気中の残留酸素が
真空紫外光によって励起されて発生した原子状酸素と反
応し、有機成分は分解し、水や二酸化炭素となって除去
される。
【0055】ここで、上記自己組織化単分子膜の骨格を
形成する物質は上述したような珪素等であることから、
光照射によって除去されずに酸化物となる。この酸化物
上に、後述する酸化珪素膜形成工程により酸化珪素膜が
形成されることから密着性が向上し、ガスバリア性の高
い積層体を製造することが可能となるのである。
【0056】本発明における配向基除去工程は、具体的
には、UV照射、プラズマ照射、ラジカル照射、もしく
はイオンボンバードメント(アルゴン等)による除去処
理、さらには熱カルシネーション(加熱除去)による処
理等により行うことが可能であり、特に後述する酸化珪
素膜形成工程と同時に、プラズマCVD法により行うこ
とが好ましい。プラズマCVD法においては、プラズマ
により配向基を除去する工程と、後述する酸化珪素膜形
成工程と同時に行うことが可能であることから、製造効
率やコストの面からも好ましいからである。
【0057】3.酸化珪素膜形成工程 本発明における酸化珪素膜形成工程は、上述した配向基
除去工程により、上記自己組織化単分子膜における配向
基を除去した自己組織化単分子膜上に真空成膜法により
酸化珪素膜を形成する工程である。
【0058】本発明における真空成膜法とは、PVD法
であっても、CVD法であってもよく、真空状態におい
て行う成膜法であれば、特に限定されるものではない
が、特にプラズマCVD法により酸化珪素膜を形成する
ことが好ましい。上述したようにプラズマCVD法にお
いては、酸化珪素膜を形成するのと同時に、上述した配
向基除去工程を同時に行うことが可能となり、製造効率
やコスト面からも好ましいからである。また、プラズマ
CVD法は、高分子樹脂に熱的ダメージが加わらない程
度の低温(およそ−10〜200℃程度の範囲)で所望
の材料を成膜でき、さらに原料ガスの種類・流量、成膜
圧力、投入電力によって、得られる膜の種類や物性を制
御できるという利点があることから、上述した基材等に
熱的ダメージを与える可能性が少なく、基材として例え
ば熱的耐性の弱い樹脂性の基材等を使用することが可能
となり、種々の用途に使用できる積層体とすることが可
能となるからである。
【0059】本発明においては、プラズマCVD装置の
反応室内に、有機珪素化合物ガスと酸素ガスとの混合ガ
スを所定の流量で供給すると共に、電極に直流電力また
は低周波からマイクロ波の範囲内での一定周波数を持つ
電力を印加してプラズマを発生させ、そのプラズマ中で
有機珪素化合物ガスと、酸素原子を有するガス、中でも
酸素ガスとが反応することによって基材上に酸化珪素膜
を形成することが好ましい。使用されるプラズマCVD
装置のタイプは特に限定されず、種々のタイプのプラズ
マCVD装置を用いることができる。通常は、長尺の高
分子樹脂フィルムを基材として用い、それを搬送させな
がら連続的に酸化珪素膜を形成することができる連続成
膜可能な装置が好ましく用いられる。
【0060】本発明におけるプラズマCVD法の好まし
い成膜条件の一例を挙げると、温度条件としては、−2
0〜100℃の範囲内であり、基材の耐熱性に依存する
が、成膜温度は高ければ高いほどよい。原料ガスである
有機珪素化合物ガスと酸素原子を含むガスとの分圧比と
しては、有機珪素化合物ガスを1とした場合に、1〜5
0の範囲内、好ましくは1〜10の範囲内とすることで
ある。
【0061】そして、プラズマCVD装置のプラズマ発
生手段における単位面積当たりの投入電力を大きく設定
したり、マグネット等プラズマの閉じ込め空間を形成し
その反応性を高めること等により、その効果がより高く
得られる。
【0062】また、本発明においては、上記原料ガスの
内、有機珪素化合物ガスとしては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシ
ラン、テトラメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサ
ン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシ
ラン、ジエチルジエトキシシラン、トリエチルシラン、
トリエトキシフルオロシラン、トリエトキシクロロシラ
ン、トリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,
1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラ
ン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒド
ロオクチル)トリクロロシラン、(トリデカフルオロ−
1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)メチルジクロ
ロシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テト
ラヒドロオクチル)ジメチルクロロシラン、1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−
テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3
−テトラメチル−1,3−ジエトキシジシロキサン、テ
トラキス(トリメチルシリル)シラン、テトラキス(ジ
メチルシロキシ)シラン、1,1,3,3−テトライソ
プロピルジシロキサン、1,1,3,3−テトライソプ
ロピル−1,3−ジクロロジシロキサン、テトラエチル
シラン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジ
メチルジシロキサン、テトラデシルトリクロロシラン、
テトラ−n−ブチルシラン、テトラ−n−ブトキシシラ
ン、n−プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエ
トキシシラン、n−プロピルトリクロロシラン、プロピ
ルメチルジクロロシラン、n−プロピルジメチルクロロ
シラン、フェニルトリメチルシラン、フェニルトリメト
キシシラン、フェニルトリフルオロシラン、フェニルト
リエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニ
ルシラン、(3−フェニルプロピル)メチルジクロロシ
ラン、(3−フェニルプロピル)ジメチルクロロシラ
ン、フェニルメチルシラン、フェニルメチルジメトキシ
シラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメ
チルジクロロシラン、フェニルメチルクロロシラン、フ
ェニルエチルジクロロシラン、フェニルジメチルシラ
ン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルジメチ
ルクロロシラン、フェニルジエトキシシラン、フェニル
ジクロロシラン、フェノキシトリメチルシラン、3−フ
ェノキシプロピルトリクロロシラン、3−フェノキシプ
ロピルジメチルクロロシラン、フェノキシトリクロロシ
ラン、ペンチルトリエトキシシラン、ペンチルトリクロ
ロシラン、ペンタメチルジシロキサン、ペンタメチルク
ロロジシラン、ペンタフルオロフェニルトリメチルシラ
ン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシラ
ン、ペンタフルオロフェニルプロピルジメチルクロロシ
シラン、ペンタフルオロフェニルジメチルクロロシラ
ン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルト
リエトキシシラン、n−オクチルトリクロロシラン、n
−オクチルシラン、オクチロキシトリメチルシラン、n
−オクチルメチルジエトキシシラン、n−オクチルメチ
ルジクロロシラン、n−オクチルジメチルクロロシラ
ン、7−オクテニルトリメトキシシラン、7−オクテニ
ルトリクロロシラン、7−オクテニルジメチルシラン、
7−オクテニルジメチルクロロシラン、オクタメチルト
リシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オク
タメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラ
シロキサン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n
−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシル
トリクロロシラン、n−オクタデシルシラン、n−オク
タデシルメチルジエトキシシラン、n−オクタデシルメ
チルジクロロシラン、n−オクタデシルメトキシジクロ
ロシラン、n−オクタデシルジメチルシラン、n−オク
タデシルジメチルメトキシシラン、n−オクタデシルジ
メチルクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、3,
3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシ
ルトリクロロシラン、3,3,4,4,5,5,6,
6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、
メチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、メチルト
リス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリ−n−プ
ロポキシシラン、メチルトリ−n−オクチルシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メ
チルペンチルジクロロシラン、メチルジメトキシシラ
ン、メチルジエトキシシラン、3−メトキシプロピルト
リメトキシシラン、メトキシメチルトリメチルシラン、
イソオクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリク
ロロシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチ
ルトリエトキシシラン、イソブチルトリクロロシラン、
イソブチルメチルジメトキシシラン、イソブチルメチル
ジクロロシラン、イソブチルジメチルクロロシラン、3
−ヒドロキシプロピルトリメチルシラン、ヒドロキシメ
チルトリメチルシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、
ヘキシルトリフルオロシラン、n−ヘキシルトリエトキ
シシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルシラ
ン、ヘキシルメチルジクロロシラン、ヘキシルジクロロ
シラン、ヘキサフェニルジシロキサン、ヘキサフェニル
ジシラン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリ
シロキサン、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルシク
ロトリシロキサン、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエ
チルジシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサ
ン、n−ヘキサデシルトリクロロシラン、ヘキサクロロ
ジシロキサン、ヘキサクロロジシラン、n−ヘプチルト
リクロロシラン、n−ヘプチルメチルジクロロシラン、
1,1,1,3,3,5,5−ヘプタメチルトリシロキ
サン、(3−ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピル
トリエトキシシラン、(3−ヘプタフルオロイソプロポ
キシ)プロピルトリクロロシラン、(ヘプタデカフルオ
ロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキ
シシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テ
トラヒドロデシル)トリクロロシラン、(ヘプタデカフ
ルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)ジメチ
ルクロロシラン、エチルトリメチルシラン、エチルトリ
メトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルメチ
ルジクロロシラン、2−エチルヘキシロキシトリメチル
シラン、エチルジメチルシラン、エチルジメチルクロロ
シラン、エチルジクロロシラン、エチルビス(トリメチ
ルシロキシ)シラン、ドデシルトリメトキシシラン、ド
デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリクロロシラ
ン、ドデシルメチルジエトキシシラン、ドデシルメチル
ジクロロシラン、ドデシルジメチルクロロシラン、ドデ
カメチルペンタシロキサン、ドコシルメチルジクロロシ
ラン、1,3−ジシラブタン、1,3−ジフェニル−
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,2−
ジフェニルテトラメチルジシラン、ジフェニルシランジ
オール、ジフェニルシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルメチルシラン、ジフェニルメチルメトキ
シシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジフェニル
ジフルオロシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフ
ェニルジクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、1,
3−ジオクチルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジ
−n−オクチルテトラエトキシジシロキサン、ジ−n−
オクチルジクロロシラン、1,2−ジメチル−1,1,
2,2−テトラフェニルジシラン、1,3−ジメチルテ
トラメトキシジシロキサン、1,4−ジメチルジシリル
エタン、ジメチルメトキシシクロロシラン、ジメチルエ
トキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチル
ジフェニルシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、(3,3
−ジメチルブチル)ジメチルクロロシラン、ジメトキシ
メチルクロロシラン、ジイロプロピルクロロシラン、ジ
イソブチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジクロ
ロシラン、ジエチルシラン、ジエチルメチルシラン、ジ
エチルジヘニルシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ
エチルジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、ジ
シクロペンチルジクロロシラン、ジシクロヘキシルジク
ロロシラン、1,3−ジクロロテトラフェニルジシロキ
サン、1,3−ジクロロテトラメチルジシロキサン、ジ
クロロテトラメチルジシラン、1,7−ジクロロオクタ
メチルテトラジロキサン、(ジクロロメチル)トリメチ
ルシラン、(ジクロロメチル)トリクロロシラン、(ジ
クロロメチル)メチルジクロロシラン、(ジクロロメチ
ル)ジメチルクロロシラン、(ジクロロメチル)(クロ
ロメチル)ジメチルシラン、1,5−ジクロロヘキサメ
チルトリシロキサン、1,2−ジクロロエチルトリクロ
ロシラン、1,1−ジクロロ−3,3−ジメチル−1,
3−ジシラブタン、ジ−t−ブチルシラン、ジ−t−ブ
チルメチルシラン、ジ−t−ブチルメチルクロロシラ
ン、ジ−t−ブチルジクロロシラン、ジ−t−ブチルク
ロロシラン、ジベンジルジメチルシラン、ジベンジロキ
シジクロロシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n
−デシルトリクロロシラン、n−デシルメチルジクロロ
シラン、n−デシルジメチルクロロシラン、デカメチル
テトラシロキサン、シクロトリメチレンジメチルシラ
ン、シクロトリメチレンジクロロシラン、シクロテトラ
メチレンジメチルシラン、シクロテトラメチレンジクロ
ロシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロ
ペンチルトリクロロシラン、シクロペンタメチレンジメ
チルシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シク
ロヘキシルトリクロロシラン、(シクロヘキシルメチ
ル)トリクロロシラン、シクロヘキシルメチルジメトキ
シシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、シク
ロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルジ
メチルクロロシラン、3−クロロプロピルトリス(トリ
メチルシロキシ)シラン、3−クロロプロピルトリメチ
ルシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3
−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロ
ピルトリクロロシラン、3−クロロプロピルフェニルジ
クロロシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシ
ラン、3−クロロプロピルメチルジクロロシラン、3−
クロロプロピルジメチルメトキシシラン、3−クロロプ
ロピルジメチルクロロシラン、3−クロロプロピルジブ
チルメチルシラン、p−クロロフェニルトリメチルシラ
ン、クロロフェニルトリエトキシシラン、クロロフェニ
ルトリクロロシラン、クロロフェニルメチルジクロロシ
ラン、クロロメチルトリス(トリメチルシロキシ)シラ
ン、クロロメチルトリメチルシラン、クロロメチルトリ
メトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、ク
ロロメチルトリクロロシラン、(p−クロロメチル)フ
ェニルトリメトキシシラン、(p−クロロメチル)フェ
ニルトリクロロシラン、クロロメチルペンタメチルジシ
ロキサン、クロロメチルメチルジイソプロポキシシラ
ン、クロロメチルメチルジエトキシシラン、クロロメチ
ルメチルジクロロシラン、クロロメチルジメチルシラ
ン、クロロメチルジメチルフェニルシラン、クロロメチ
ルジメチルイソプロポキシシラン、クロロメチルジメチ
ルエトキシシラン、クロロメチルジメチルクロロシラ
ン、クロロメチルメチルビス(トリメチルシロキシ)シ
ラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、2−クロ
ロエチルトリクロロシラン、1−クロロエチルトリクロ
ロシラン、2−クロロエチルシラン、2−クロロエチル
メチルジクロロシラン、4−クロロブチルジメチルクロ
ロシラン、t−ブチルトリクロロシラン、n−ブチルト
リクロロシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、
p−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、p−
(t−ブチル)フェネチルジメチルクロロシラン、t−
ブチルメチルジクロロシラン、n−ブチルメチルジクロ
ロシラン、t−ブチルジフェニルメトキシシラン、t−
ブチルジフェニルクロロシラン、t−ブチルジメチルク
ロロシラン、n−ブチルジメチルクロロシラン、t−ブ
チルジクロロシラン、t−ブトキシトリメチルシラン、
ビス(トリメチルシリル)メタン、1,4−ビス(トリ
メチルシリル)ベンゼン、ビス(トリメチルシロキシ)
メチルシラン、1,2−ビス(トリメチルシロキシ)エ
タン、1,3−ビス(トリメチルシロキシ)1,3−ジ
メチルジシロキサン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキ
サン、ビス(トリエトキシシリル)オクタン、1,9−
ビス(トリエトキシシリス)ノナン、ビス(トリエトキ
シシリル)エタン、1,3−ビス(トリクロロシリル)
プロパン、ビス(トリクロロシリル)オクタン、1,9
−ビス(トリクロロシリル)ノナン、1,2−ビス(ト
リクロロシリル)エタン、ビス(ペンタフルオロフェニ
ル)ジメチルシラン、ビス(メチルジクロロシリル)ブ
タン、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,
3−ビス(ジクロロメチル)テトラメチルジシロキサ
ン、ビス(クロロメチル)ジメチルシラン、1,2−ビ
ス(クロロジメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ク
ロロジメチルシリル)オクタン、1,2−ビス(クロロ
ジメチルシリル)ヘキサン、ベンジルトリクロロシラ
ン、ベンジロキシトリメチルシラン、ベンジルジメチル
シラン、ベンジルジメチルクロロシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、トリス(トリメチルシリル)シラン、トリス(トリ
メチルシロキシ)シロキシジクロロシラン、トリス(ト
リメチルシロキシ)シラン、トリス(トリメチルシロキ
シ)クロロシラン、トリス(トリデカフルオロ−1,
1,2,2−テトラヒドロオクチル)ジメチルシロキシ
クロロシラン、トリ−n−プロピルクロロシラン、トリ
−n−プロピルシラン、トリス(2−クロロエトキシ)
シラン、トリフェニルシラン、トリフェニルフルオロシ
ラン、トリフェニルエトキシシラン、トリフェニルクロ
ロシラン、トリオクチルシラン、トリメチルシリルトリ
フルオロアセテート、トリメチルシリルパーフルオロ1
ブタンスルフォネート、トリメチルクロロシラン、トリ
イソプロポキシシラン、トリイソプロピルクロロシラ
ン、トリ−n−ヘキシルシラン、(3,3,3−トリフ
ルオロプロピル)メチルジクロロシラン、(3,3,3
−トリフルオロプロピル)ジメチルクロロシラン、トリ
フルオロメチルトリメチルシラン、トリフルオロメチル
トリエチルシラン、トリエチルシラノール、トリメチル
エトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン等を一種または二種以上用いることができる。
【0063】しかしながら、本発明においては、SiO
ライクな膜を形成する目的から、特に分子内に炭素−
珪素結合が少ないか、もしくは有さない有機珪素化合物
が好適に用いられる。具体的には、テトラメトキシシラ
ン(TMOS)、メチルトリメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEO
S)、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシ
ラン等を挙げることができ、中でも分子内に炭素−珪素
結合が存在しないテトラメトキシシラン(TMOS)お
よびテトラエトキシシラン(TEOS)を用いることが
好ましい。
【0064】また、酸素原子を含むガスとしては、N
O、酸素、CO、CO等を挙げることができるが、中
でも酸素ガスが好適に用いられる。
【0065】このように、原料ガスのうち有機珪素化合
物ガスとして炭素−珪素結合を有さない有機化合物を用
い、さらに上述したような開始時の基材の温度、原料ガ
スの流量比、さらにはプラズマ発生手段における投入電
力を上述した範囲内とすることにより、よりガスバリア
性の良好な積層体が得られるのは、有機珪素化合物ガス
の分解性が高くなり、膜の中に酸素原子が取り込まれや
すくなり結果としてSiOライクな膜が形成されるた
めと考えられる。
【0066】B.積層体 次に本発明における積層体について説明する。本発明の
積層体は、基材と、前記基材の片面または両面に形成さ
れた密着性向上層と、前記密着性向上層上に形成された
酸化珪素膜からなるガスバリア層とを有し、前記密着性
向上層は前記基材に自己組織化単分子膜を吸着させるた
めの吸着基を少なくとも一つ有し、かつ前記基材上に自
己組織化単分子膜を形成するように単分子で配向させる
配向基を少なくとも一つ有する自己組織化単分子膜形成
物質を原料として用いて形成された自己組織化単分子膜
における、前記配向基が除去された層であることを特徴
とするものである。
【0067】本発明においては、基材上に、密着性向上
層を設け、その密着性向上層上にガスバリア層を積層す
るという構成により、ガスバリア層と基材との密着性が
向上することから、ガスバリア性の高い積層体とするこ
とが可能である。また、密着性向上層が上記のような物
質であることから、密着性向上層を均一かつ密なものと
することが可能となり、その密着性向上層上に積層した
ガスバリア層も均一かつ密な層とすることが可能となる
ことから、積層体に高いガスバリア性を付与することが
可能となるのである。以下、これらについてそれぞれ説
明する。また、本発明に使用される基材は、上記積層体
の製造方法の自己組織化単分子膜形成工程において述べ
た基材と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0068】(密着性向上層)本発明における密着性向
上層は、上記基材に自己組織化単分子膜を吸着させるた
めの吸着基を少なくとも一つ有し、かつ上記基材上に自
己組織化単分子膜を形成するように単分子で配向させる
配向基を少なくとも一つ有する自己組織化単分子膜形成
物質を原料として用いて形成された、自己組織化単分子
膜における上記配向基が除去された層であることを特徴
とするものである。
【0069】本発明の密着性向上層は、上記積層体の製
造方法の自己組織化単分子膜形成工程において述べた自
己組織化単分子膜形成物質を原料として形成された自己
組織化単分子膜の配向基が除去された層であり、積層体
の製造方法で述べたものと同様であることから、ここで
の説明は省略する。
【0070】(ガスバリア層)本発明におけるガスバリ
ア層は、上記密着性向上層上に形成された酸化珪素膜で
あり、その製造方法や原料等は、上記積層体の製造方法
の酸化珪素膜形成工程において述べたものと同様である
ので、ここでの製造方法や原料等の説明は省略する。
【0071】本発明における酸化珪素膜は、5〜500
nmの厚さの範囲内であることが好ましい。酸化珪素膜
の厚さが5nm未満の場合は、酸化珪素膜が基材の全面
を覆うことができないことがあり、ガスバリア性を向上
させることができない可能性があるため好ましくない。
一方、酸化珪素膜の厚さが500nmを超えると、クラ
ックが入り易くなること、フィルムのカールが増大する
こと、さらに、量産し難く生産性が低下してコストが増
大すること等の不具合が起こり易くなるため好ましくな
い。
【0072】また、本発明の積層体を包装材料等、フレ
キシブル性が要求される用途として用いる場合には、形
成される酸化珪素膜の機械的特性や用途を勘案し、その
厚さを5〜30nmとすることがより好ましい。酸化珪
素膜の厚さを5〜30nmとすることによって、軟包装
材料としてのフレキシブル性を持たせることができ、フ
ィルムを曲げた際のクラックの発生を防ぐことができ
る。また、本発明の積層体が比較的薄さを要求されない
用途、例えば、フィルム液晶ディスプレイ用ガスバリア
膜、フィルム有機ELディスプレイ用ガスバリア膜また
はフィルム太陽電池用ガスバリア膜等の用途、に用いら
れる場合には、ガスバリア性が優先して要求されるの
で、前述の5〜30nmの範囲よりも厚めにすることが
好ましく、その厚さを30〜200nmとすることが生
産性等も考慮した場合により好ましい。
【0073】(積層体)本発明の積層体は、上記の基材
上に上述した密着性向上層と、その密着性向上層上に上
述したガスバリア層とを有するものであれば、特に限定
されるものではなく、透明であっても非透明であっても
よい。
【0074】なお、本発明において、積層体は透明であ
ることが好ましいが、各種の用途に供するために、基材
やその他積層材料のうち、透明性が劣る層を任意に積層
させることは自由であり、最終製品として求められる積
層体の透明性およびその程度は、各種の用途によって異
なる。例えば、本発明のガスバリア層を用いた積層体を
包装材料として用いる場合には、内容物を光線から保護
するために、有色インキ等で印刷して遮光性を出しても
かまわない。その他帯電防止剤やフィラー等、積層体全
体の透明性を悪くする要因がある添加物を練り混んだ層
を積層したり、透明性がない金属箔等を積層したりする
ことができる。ただし、フィルム液晶ディスプレイ用ガ
スバリア膜、フィルム有機ELディスプレイ用ガスバリ
ア膜またはフィルム太陽電池用ガスバリア膜等の用途に
用いられる場合には、積層体全体が透明であることが好
ましい。
【0075】また本発明においては、積層体の酸素透過
率が0.5cc/m/day以下で、水蒸気透過率が
0.5g/m/day以下であることが好ましい。酸
素透過率および水蒸気透過率を上記の範囲内とすること
により、内容物の品質を変化させる原因となる酸素と水
蒸気を殆ど透過させないので、高いガスバリア性が要求
される用途、例えば食品や医薬品等の包装材料や、電子
デバイス等のパッケージ材料用に好ましく用いることが
できる。また、高度なバリア性から、ディスプレイ材料
や、半導体材料の保護用積層体としても、好ましく用い
ることが可能となる。
【0076】ここで、本発明における酸素透過率は、酸
素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRA
N 2/20)を用い、23℃、90%Rhの条件で測
定したものである。また、水蒸気透過率は、水蒸気透過
率測定装置(MOCON社製、PERMATRAN−W
3/31)を用い、37.8℃、100%Rhの条件
で測定したものである。
【0077】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0078】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに具体
的に説明する。
【0079】(熱CVD工程;自己組織化単分子膜成
膜)UV洗浄した12μm−PET基材と、ガラス容器
に入れたオクタデシルトリメトキシシラン約0.2ml
を、テフロン(登録商標)容器内に設置し、100℃の
オーブン中に5時間放置し、熱CVDによる自己組織化
単分子膜(以下、SAMと略称する場合がある。)形成
を行った。
【0080】SAM成膜後、水滴接触角および膜厚を測
定したところ、水との接触角が約108°であり、膜厚
は1.8nmであった。SAM成膜前の水滴接触角が5
°以下であったので、熱CVDにより、SAMが形成さ
れていることがわかった。
【0081】なお、この水との接触角の測定方法は、協
和界面化学社の接触角測定装置(型番CA−Z)を用
い、被測定対象物の表面上に、純水を一滴(一定量)滴
下させ、一定時間経過後、CCDカメラを用いて水滴形
状を観察し、物理的に接触角を求める方法を用いた。
【0082】(プラズマ処理工程;SAM配向基の除
去)SAMコーティングPET基材を,容量結合型高周
波プラズマ装置の反応チャンバー(反応室)内に設置
し,減圧手段により反応チャンバー内を1.0×10
−4Pa以下まで真空にした。次いで、反応チャンバー
の内圧が10Paとなるように酸素ガスを導入した。プ
ラズマ生成、配向基除去には13.56MHzの高周波
を用いた。処理時間3分間,200Wの電力でSAM配
向基を除去した。
【0083】(プラズマCVD工程;酸化珪素膜の成
膜)プラズマ処理工程に引き続き,SAMコーティング
PET基材上に,酸化珪素膜を容量結合型高周波プラズ
マCVDにより成膜した。プラズマ処理工程の真空度を
維持したまま,原料ガスを反応チャンバー内に導入し
た。原料ガスとしては、有機珪素化合物としてテトラメ
トキシシランを用い、酸素原子を含むガスとして酸素ガ
スを用いた。テトラメトキシシラン分圧と酸素分圧比を
1:1とし、全圧が10Paとなるように反応チャンバ
ー内に導入した。プラズマ生成、原料分解には13.5
6MHzの高周波を用いた。成膜時間10分間、200
Wの電力でシリカ膜を成膜した。成膜中,基材表面温度
は100℃以下であった。成膜後のシリカ膜厚は約20
0nmであった。
【0084】シリカ成膜後,XPSおよびFTIRによ
り膜特性を評価したところ、膜中から炭素原子は検出さ
れなかった(XPS検出限界以下)。FTIRにより、
膜中にはシロキサンネットワーク以外に、OH基に起因
する結合が若干含まれることが確認された。
【0085】なお、XPSによる評価は、MgKα使
用、15kV、20mA(300W)、Arイオンス
パッタエッチング(深さ方向分析)という条件下で、XP
S220iXL(ESCALAB社製)を用いて実施さ
れた。
【0086】(酸素透過率および水蒸気透過率の測定)
酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TR
AN 2/20)を用い、23℃、90%Rhの条件で
測定したところ、実施例のサンプルの酸素透過率は約
0.4cc/m/dayであった。また、水蒸気透過
率測定装置(MOCON社製、PERMATRAN−W
3/31)を用い、37.8℃、100%Rhの条件
で測定したところ、実施例のサンプルの水蒸気透過率は
約0.4g/m/dayであった。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、基材上にCVD法によ
って自己組織化単分子膜を形成することにより、基材表
面に均一かつ密に自己組織化単分子膜を形成することが
可能である。また、上記自己組織化単分子膜を形成して
いる配向基を除去する配向基除去工程により、上記自己
組織化単分子膜の表面を酸化物とし、上記自己組織化単
分子膜表面の酸化物上に酸化珪素膜形成工程を行うこと
により、酸化珪素膜の密着性を向上させることが可能と
なる。また、均一かつ密に形成された上記自己組織化単
分子膜上に上記酸化珪素膜が形成することにより、酸化
珪素膜も均一かつ密に形成することが可能となり、ガス
バリア性が向上した積層体を製造することが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高井 治 愛知県名古屋市千種区鹿子殿十六丁目四番 35号 (72)発明者 杉村 博之 愛知県名古屋市北区名城三丁目一番名城住 宅9号棟609号 (72)発明者 井上 泰志 愛知県安城市里町七曲り十二番16 Fターム(参考) 4F100 AA20C AH06B AK42 AT00A EA011 EA05A EH66C EH662 EJ01B EJ012 EJ59C EJ61 GB15 GB41 JD02C JD03 JD04 JK06 JM03B JM032 4K030 AA06 AA09 BA35 BA44 BB13 FA10 JA01 LA01 LA11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、自己組織化単分子膜を形成す
    る原料として、前記基材に自己組織化単分子膜を吸着さ
    せるための吸着基を少なくとも一つ有し、かつ前記基材
    表面に自己組織化単分子膜を形成するように単分子で配
    向させる配向基を少なくとも一つ有する自己組織化単分
    子膜形成物質を用いて、CVD法により自己組織化単分
    子膜を形成する自己組織化単分子膜形成工程と、形成さ
    れた自己組織化単分子膜から前記配向基を除去する配向
    基除去工程と、前記配向基を除去した自己組織化単分子
    膜上に真空成膜法を用いて酸化珪素膜を形成する酸化珪
    素膜形成工程とを有することを特徴とする積層体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記自己組織化単分子膜形成工程が、熱
    CVD法を用いた工程であることを特徴とする請求項1
    に記載の積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記の一般式(1)で示される化合物
    が、前記自己組織化単分子膜形成工程における自己組織
    化単分子膜形成物質として用いられることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の積層体の製造方法。 R αXR β (1) (ここで、Rは、炭素数1〜30までのアルキル基あ
    るいはアリール基(ベンゼン環)であり、炭素基は部分
    的に分岐鎖や多重結合を有するものも含まれる。また、
    炭素に結合する元素としてはフッ素や塩素等のハロゲ
    ン、水素あるいは窒素等も含まれる。また、Rは、ハ
    ロゲン、または−OR(Rは、炭素数1〜6のアル
    キル基、アリール基、またはアリル基である。ここで、
    炭素が酸素や水素だけでなく、ハロゲンや窒素と結合し
    ているものも含まれる。)で示される置換基である。ま
    た、Xは、Si、Ti、Al、CおよびSからなる群か
    ら選択される一つの元素である。ここで、αおよびβは
    1以上であり、α+βは2から4である。)
  4. 【請求項4】 オクタデシルトリメトキシシラン、オク
    タデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリクロロ
    シラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリエ
    トキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−
    テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、イソブチ
    ルトリメトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,
    1,2,2−テトラヒドロデシル)トリエトキシシラ
    ン、ドデシルトリエトキシシラン、および3−クロロプ
    ロピルトリメトキシシランからなる群から選択される少
    なくとも一つの材料が、前記自己組織化単分子膜形成工
    程における自己組織化単分子膜形成物質として用いられ
    ることを特徴とする請求項3に記載の積層体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記配向基除去工程および前記酸化珪素
    膜形成工程が、プラズマCVD法を用いて同時に行われ
    ることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれ
    かの請求項に記載の積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記自己組織化単分子膜形成工程を行う
    前に、前記基材を表面処理する基材処理工程を有するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの
    請求項に記載の積層体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基材処理工程がUV処理を用いた工
    程であることを特徴とする請求項6に記載の積層体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 基材と、前記基材の片面または両面に形
    成された密着性向上層と、前記密着性向上層上に形成さ
    れた酸化珪素膜からなるガスバリア層とを有し、前記密
    着性向上層は前記基材に自己組織化単分子膜を吸着させ
    るための吸着基を少なくとも一つ有し、かつ前記基材上
    に自己組織化単分子膜を形成するように単分子で配向さ
    せる配向基を少なくとも一つ有する自己組織化単分子膜
    形成物質を原料として用いて形成された、自己組織化単
    分子膜における前記配向基が除去された層であることを
    特徴とする積層体。
  9. 【請求項9】 前記基材が、有機材料であることを特徴
    とする請求項8に記載の積層体。
  10. 【請求項10】 前記ガスバリア層の厚さが5nm〜5
    00nmであることを特徴とする請求項8または請求項
    9に記載の積層体。
  11. 【請求項11】 酸素透過率が0.5cc/m/da
    y以下で、水蒸気透過率が0.5g/m/day以下
    であることを特徴とする請求項8から請求項10までの
    いずれかの請求項に記載の積層体。
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