JP2003342270A - カルボニル化合物の製造方法 - Google Patents

カルボニル化合物の製造方法

Info

Publication number
JP2003342270A
JP2003342270A JP2002154291A JP2002154291A JP2003342270A JP 2003342270 A JP2003342270 A JP 2003342270A JP 2002154291 A JP2002154291 A JP 2002154291A JP 2002154291 A JP2002154291 A JP 2002154291A JP 2003342270 A JP2003342270 A JP 2003342270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbonyl compound
light
column
distillate
boiling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002154291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4470358B2 (ja
Inventor
Masaru Utsunomiya
賢 宇都宮
Kazunari Takahashi
和成 高橋
Hiroaki Nakada
浩彰 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2002154291A priority Critical patent/JP4470358B2/ja
Publication of JP2003342270A publication Critical patent/JP2003342270A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4470358B2 publication Critical patent/JP4470358B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Furan Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応で生成するアルデヒド類及び/又は
ヘミアセタール類などの軽沸分を用いて、収率良くカル
ボニル化合物を得ることができる、効率の高い工業的に
有利なカルボニル化合物の製造を行う方法を提供するこ
とである。 【解決手段】 カルボニル化合物の製造方法に於いて、
アルコール類を脱水素してカルボニル化合物を生成さ
せ、カルボニル化合物を蒸留精製し、且つ「カルボニル
化合物を蒸留精製する工程」で得られる軽沸分を「アル
コール類を脱水素してカルボニル化合物を生成させる工
程」に循環することを特徴とするカルボニル化合物の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボニル化合物
の製造方法に関し、より詳細には、アルコール類を脱水
素してエステルなどのカルボニル化合物を製造する方法
に関する。本発明は、特に1、4−ブタンジオールの脱
水素によるガンマブチロラクトンの製造方法に於いて好
適である。
【0002】
【従来の技術】現在までに、特定の遷移金属触媒の存在
下、アルコールを脱水素してカルボニル化合物を製造す
る方法はいくつか提案されてきた。例えば、J.Org
anomet.Chem.,429(1992)269
−274には、イリジウム−イソプロピルホスフィン錯
体、ルテニウム−トリフェニルホスフィン錯体を触媒と
してジオールを脱水素してラクトン化合物を得る反応が
記載されており、J.Org.Chem.1987,5
2,4319−4327ではルテニウム−有機ホスフィ
ン錯体触媒に加えて、アセトンなどの水素受容体を過剰
量添加した反応が記載されている。しかしながら、これ
らの反応は水素受容体無しでは触媒活性が著しく低下
し、反応を完結させるためには長時間必要であるという
問題が残されていた。発明者らは鋭意検討を行った結
果、特開2001−240595号に於いてトリアルキ
ルホスフィン配位子を含むルテニウム錯体触媒を使用す
ることで、水素受容体の添加無しに、アルコールの脱水
素反応を行い、効率よくカルボニル化合物を製造する技
術を開発するに至ったが、工業的に実施するための課題
が全て解決されているとは言えなかった。例えば、アル
コールの脱水素によるカルボニル化合物の製造方法に於
ける課題の一つに、アルデヒド類、ヘミアセタール類を
含む軽沸分の副生が挙げられる。収率低下は経済性を低
下させるのみならず、副生廃棄物を増加させる結果とな
る。そのためできる限りカルボニル化合物を選択率良く
製造し、廃棄物の少ない効率の良いプロセスを構築する
ことが重要である。そのため、アルデヒド類及び/又は
ヘミアセタール類を含む軽沸分を有効に利用し、ガンマ
ブチロラクトンなどのカルボニル化合物を収率良く製造
する方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】反応で生成するアルデ
ヒド類及び/又はヘミアセタール類などの軽沸分を用い
て、収率良くカルボニル化合物を得ることができる、効
率の高い工業的に有利なカルボニル化合物の製造を行う
方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、蒸留塔から留出す
る軽沸分を触媒が存在する反応器にリサイクルすること
で、該軽沸分をカルボニル化合物に変換することが可能
であることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち
本発明の要旨は、カルボニル化合物の製造方法に於い
て、アルコール類を脱水素してカルボニル化合物を生成
させ、カルボニル化合物を蒸留精製し、且つ「カルボニ
ル化合物を蒸留精製する工程」で得られる軽沸分を「ア
ルコール類を脱水素してカルボニル化合物を生成させる
工程」に循環することを特徴とするカルボニル化合物の
製造方法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のカルボニル化合物の製造
方法は、アルコール類を脱水素してカルボニル化合物を
生成させ、カルボニル化合物を蒸留生成し、且つ「カル
ボニル化合物を蒸留精製する工程」で得られる軽沸分を
「アルコール類を脱水素してカルボニル化合物を生成さ
せる工程」に循環することを特徴とする。
【0006】本発明におけるカルボニル化合物の製造方
法としては、2価の1級アルコールから環状のカルボニ
ル化合物を製造する場合、軽沸分をそのままカルボニル
化合物の原料として用いることができるので特に好まし
い。本発明における「軽沸分」とは、主としてアルデヒ
ド類及び/又はヘミアセタール類を含み、その他の微量
成分を含んでも良い、生成物であるカルボニル化合物よ
りも沸点の低い成分である。その他の微量成分とは通
常、カルボニル化合物の製造時に副生する成分、原料、
触媒成分に含有される成分等であり、例えばテトラヒド
ロフラン、ジヒドロフラン、水、酢酸、酪酸などの環状
エーテル類、酸類、水等を挙げることができる。なお、
本発明において「軽沸分が、主としてアルデヒド類及び
/又はヘミアセタール類である」とは、上述のその他の
微量成分を含んでいて良く、アルデヒド類及び/又はヘ
ミアセタール類が通常50%重量以上、好ましくは80
重量%以上であることを示す。
【0007】本発明における「軽沸分」は、どのような
方法で得られたものでも良いが、特に1、4−ブタンジ
オールの脱水素によるガンマブチロラクトン製造法にお
いて好適である。なお、「軽沸分」は、沸点が生成物で
あるカルボニル化合物の沸点と近いためにカルボニル化
合物との完全な分離が困難であり、蒸留塔塔頂からカル
ボニル化合物との混合物として抜き出される。該カルボ
ニル化合物の混合物中、軽沸分の濃度は、通常20wt
%〜0.1wt%であり、好ましくは10.0wt%〜
1.0wt%であり、その他の微量成分の総濃度は通常
2.0wt%〜0.01wt%であり、好ましくは1.
0wt%〜0.1wt%である。軽沸分が多すぎると循
環量が大となり循環に伴う負荷が増大し、また少なすぎ
る場合には循環して再利用する有効性が低減化してしま
う。
【0008】本発明にけるカルボニル化合物の製造方法
は、アルコール類を脱水素してカルボニル化合物を生成
する工程、カルボニル化合物を蒸留精製する工程、及び
「カルボニル化合物を蒸留精製する工程」で得られる軽
沸分を「アルコール類を脱水素してカルボニル化合物を
生成させる工程」に循環する工程を必須とし、その他の
工程を含んでいても良い。『「カルボニル化合物を蒸留
精製する工程」で得られる軽沸分を「アルコール類を脱
水素してカルボニル化合物を生成させる工程」に循環す
る』とは、「カルボニル化合物を蒸留精製する工程」で
得られる軽沸分を「アルコール類を脱水素してカルボニ
ル化合物を生成させる工程」に戻すということであり、
即ち軽沸分をリサイクルするということである。
【0009】具体的には、「カルボニル化合物を蒸留精
製する工程」において得られる留出液を「アルコール類
を脱水素してカルボニル化合物を生成させる工程」に循
環するればよい。なお、該留出液の軽沸分の濃度は上述
の通り、通常20wt%〜0.1wt%であり、好まし
くは10.0wt%〜1.0wt%であり、「アルデヒ
ド類及び/又はヘミアセタール類」以外の微量成分の総
濃度は通常2.0wt%〜0.01wt%であり、好ま
しくは1.0wt%〜0.1wt%である。
【0010】「カルボニル化合物を蒸留精製する工程」
において得られる残留液は、軽沸分の含有率が通常1w
t%以下、好ましくは0.1wt%以下である、原料で
あるアルコール類、触媒成分、などを含むカルボニル化
合物である。軽沸分が多すぎると、蒸留の工程が不効率
である。本発明におけるアルコール類としては、アルコ
ール及び多価アルコール類を意味し、具体的には、炭素
数が1〜50の飽和または不飽和なアルコール、および
ポリオール誘導体であって、特に炭素数1〜10の1級
アルコール類又は1級ジオール類が好ましい。またこれ
らのアルコールおよびポリオール類は他の置換基を有し
ていても良い。具体的にはメタノール、エタノール、1
−プロパノール、2−プロパノール1−ブタノール、2
−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、
3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノー
ル、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタ
ノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、1―オ
クタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4
−オクタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、3
−ノナノール、4−ノナノール、5−ノナノール、1−
デカノール、2−デカノール、3−デカノール、4−デ
カノール、5−デカノール、アリルアルコール、1−ブ
テノール、2−ブテノール、1−ペンテノール、2−ペ
ンテノール、1−ヘキセノール、2−ヘキセノール、3
−ヘキセノール、1−ヘプテノール、2−ヘプテノー
ル、3−ヘプテノール、1−オクテノール、2−オクテ
ノール、3−オクテノール、4−オクテノール、1−ノ
ネノール、2−ノネノール、3−ノネノール、4−ノネ
ノール、1−デセノール、2−デセノール、3−デセノ
ール、4−デセノール、5−デセノール、シクロヘキサ
ノール、シクロペンタノール、シクロヘプタノール、1
−フェネチルアルコール、2−フェネチルアルコール、
メタノールアミン、エタノールアミン、また、特に分子
内に含まれる任意の2つのヒドロキシル基が3〜6個の
炭素鎖で結ばれたポリオール類、具体的には1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘ
キサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−
シクロヘキシルジメチロール、1,3−シクロヘキシル
ジメチロール、1−ヒドロキシメチル−2−ヒドロキシ
エチルシクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−ヒドロキ
シプロピルシクロヘキサン、1−ヒドロキシル−2−ヒ
ドロキシエチルシクロヘキサン、1,2−ベンジルジメ
チロール、1,3−ベンジルジメチロール、1−ヒドロ
キシメチル−2−ヒドロキシエチルベンゼン、1−ヒド
ロキシ−2−ヒドロキシプロピルベンゼン、1−ヒドロ
キシル−2−ヒドロキシエチルベンゼン等が好ましい。
本発明においては、特に1,4−ブタンジオールが好ま
しい。
【0011】アルコール類の脱水素によりカルボニル化
合物を生成させる方法としては、例えば触媒によりアル
コール類を脱水素してカルボニル化合物を生成させる方
法が挙げられる。特に1、4−ブタンジオールの脱水素
によるガンマブチロラクトンの製造方法に用いられる触
媒は、各種の助触媒で改良されたニッケル触媒、コバル
ト触媒、パラジウム触媒、銅触媒、銅−クロム触媒など
の固体触媒を使用することも可能であるが、好ましくは
均一系錯体触媒であり、更に好ましくはルテニウム錯体
触媒であり、特に好ましくは有機リン配位子を有するル
テニウム錯体触媒である。
【0012】有機リン配位子を有するルテニウム錯体触
媒のルテニウムの供給形態としては、金属及び化合物の
いずれもが可能である。ルテニウム化合物として酸化
物、水酸化物、あるいは錯化合物等が使用される。具体
的には二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、水酸化ル
テニウム、硝酸ルテニウム、トリス(アセチルアセトナ
ト)ルテニウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセ
トナト)ルテニウム、ジメチルブタジエンアセチルアセ
トナトルテニウム、トリス(2,2,6,6−テトラメ
チル−3,5−ヘプタンジオナト)ルテニウム、テトラ
カルボニルルテニウム酸ジカリウム、ペンタカルボニル
ルテニウム、シクロペンタジエニルジカルボニルルテニ
ウム、ジブロモトリカルボニルルテニウム、ビス(トリ
−n−ブチルホスフィン)トリカルボニルルテニウム、
テトラヒドリドデカカルボニルテトラルテニウム、ドデ
カカルボニルトリルテニウム、オクタデカカルボニルヘ
キサルテニウム酸ジセシウム、ウンデカカルボニルヒド
リドトリルテニウム酸テトラフェニルホスフォニウム、
ジメチルブタジエンアセチルアセトナトルテニウム等が
挙げられ、特に好ましくは、トリス(アセチルアセトナ
ト)ルテニウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセ
トナト)ルテニウム、ジメチルブタジエンアセチルアセ
トナトルテニウムである。
【0013】これらのルテニウム金属及び/又はルテニ
ウム金属化合物の使用量は、反応液中の濃度が反応溶液
1リットル中のルテニウム金属として0.0001〜
0.1モル、好ましくは0.001〜0.1モルとなる
量である。ルテニウム錯体触媒に含まれる有機リン配位
子としては、ホスフィン、ホスファイト、アミノホスフ
ィン等が使用可能であるが、特にトリアルキルホスフィ
ンが好ましく、例えば、トリデシルホスフィン、トリノ
ニルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリヘプチ
ルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリペンチル
ホスフィン、トリブチルホスフィン、トリプロピルホス
フィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィ
ン、ジメチルオクチルホスフィン、ジオクチルメチルホ
スフィン、ジメチルヘプチルホスフィン、ジヘプチルメ
チルホスフィン、ジメチルヘキシルホスフィン、ジヘキ
シルメチルホスフィン、ジメチルペンチルホスフィン、
ジペンチルメチルホスフィン、ジメチルブチルホスフィ
ン、ジブチルメチルホスフィン、トリシクロヘキシルホ
スフィン、トリベンジルホスフィン、ジメチルシクロヘ
キシルホスフィン、ジシクロヘキシルメチルホスフィ
ン、1、2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1、
3−ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、1、4−ビ
ス(ジメチルホスフィノ)ブタン、1、2−ビス(ジオ
クチルホスフィノ)エタン、1、3−ビス(ジオクチル
ホスフィノ)プロパン、1、4−ビス(ジオクチルホス
フィノ)ブタン、1、2−ビス(ジヘキシルホスフィ
ノ)エタン、1、3−ビス(ジヘキシルホスフィノ)プ
ロパン、1、4−ビス(ジヘキシルホスフィノ)ブタ
ン、1、2−ビス(ジブチルホスフィノ)エタン、1、
3−ビス(ジブチルホスフィノ)プロパン、1、4−ビ
ス(ジブチルホスフィノ)ブタン等の単座、複座、環
状、及びアルキル基に置換基を持つホスフィン配位子等
が挙げられ、それらの内、1級のアルキル基を持つトリ
アルキルホスフィンが好ましく、さらに好ましくはトリ
オクチルホスフィンである。本反応に使用するトリアル
キルホスフィンのアルキル基はノルマル体、イソ体、及
びその混合物でも差し支えない。
【0014】「有機リン配位子を有するルテニウム錯体
触媒」の合成方法としては、例えばルテニウムトリスア
セチルアセトナートを水素雰囲気下あるいは加圧下、溶
媒中あるいは溶媒非存在下でも差し支えなく、6モル倍
以下の有機ホスフィン類と加熱攪拌することにより合成
することができる。水素圧力は0.1MPa〜5MPa
が好ましく、さらに好ましくは0.2MPa〜0.9M
Paである。また触媒調製温度は50〜250℃が好ま
しく、さらに好ましくは100〜200℃である。
【0015】本発明の方法に使用される有機リン配位子
を有するルテニウム錯体触媒はあらかじめ合成、単離し
て用いても良い。また、その前駆体をそれぞれ単独に反
応系に添加して、反応系内で触媒を調製して使用しても
良い。本発明における脱水素反応は、溶媒の存在なし
に、すなわち反応原料(アルコール類)及び生成物(カ
ルボニル化合物)そのものを溶媒として実施することが
好ましいが、反応原料以外の溶媒を使用することもでき
る。例えば、ジエチルエーテル、アニソール、テトラヒ
ドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジ
オキサンのエーテル類、ベンゼン、トルエン、エチルベ
ンゼン、テトラリン等の芳香族炭素、n−ヘキサン、n
−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ニト
ロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等のカルボン酸アミド、ヘキ
サメチルリン酸トリアミドその他のアミド類、N,N−
ジメチルイミダゾリジノン等の尿素類、ジメチルスルホ
ン等のスルホン類、ジメチルスルフォキシド等のスルフ
ォキシド類、カプロラクトン等のラクトン類、テトラグ
ライム、トリグライム等のポリエーテル類、ジメチルカ
ーボネート、エチレンカーボネート等の炭酸エステル類
等であり、好ましくはエーテル類、ポリエーテル類、お
よび反応原料、生成物のアルコール、多価アルコール、
エステル類である。
【0016】脱水素反応の反応温度は150〜250
℃、さらに好ましくは180〜220℃であり、通常液
相で行われる。本発明においては、開放系において反応
で生成する水素を抜き出すことにより、脱水素反応を促
進することができるが、常圧下あるいは加圧下、減圧下
でも反応は進行し、水素、およびメタン、エタン、ブタ
ンなどの炭化水素ガス、および窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、二酸化炭素などの不活性ガスなどの存在下で行うこ
とができる。好ましくは開放系、減圧下、あるいは不活
性ガス0.001MPa/G〜1MPa/G存在下、水
素ガス0.001MPa/G〜1MPa/Gである。
【0017】脱水素反応は回分方式および連続方式のい
ずれでも実施することができる。アルコール類の脱水素
により得られるカルボニル化合物は、原料のアルコール
類に対応したカルボニル化合物であるが、例えば、ホル
ムアルデヒド、エタナール、プロパナール、ブタナー
ル、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オク
タナール、ノナナール、デカナール等のアルデヒド類、
2−プロパノン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−
ペンタノン、アダマンチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類、アセチルアセトン等のジケトン類、ガンマ
ブチロラクトン、バレロラクトン等のエステル類が挙げ
られ、好ましくはガンマブチロラクトン、バレロラクト
ン等のエステル類であり、特に好ましくはガンマブチロ
ラクトンである。
【0018】カルボニル化合物を蒸留精製する方法とし
ては、蒸留塔を用いて加圧、常圧、減圧条件下、好まし
くは多段蒸留を行う。蒸留塔塔頂部、上部側流抜き出し
部等から軽沸点成分を留出液として抜き出し、高沸点成
分を蒸留塔塔底部から残留液として抜き出し、沸点/蒸
気圧の相違により留出液と残留液とに分離する。なお、
蒸留の運転条件の詳細についてはプロセスの構成により
異なるので、具体的なプロセスにそって後述する。
【0019】本発明の軽沸分であるアルデヒド類及び/
又はヘミアセタール類は有効中間体成分であり、循環す
ることで目的カルボニル化合物の生成収率を向上させる
ことができる。すなわち、より効率の高いカルボニル化
合物の製造を達成することができる。本発明のカルボニ
ル化合物の製造方法の具体例としては、例えば下記工程
1〜5を含む製造方法(以下「製法1」ということがあ
る)が挙げられる。 工程1:アルコール類を脱水素してカルボニル化合物を
生成させる工程 工程2:工程1から液相を回収する工程 工程3:工程2で回収した液相を蒸留塔第1塔で蒸留
し、留出液と残留液を得る工程 工程4:工程3で得られた留出液を蒸留塔第2塔で蒸留
し、軽沸分を含有する留出液と、主としてカルボニル化
合物からなる残留液を得る工程 工程5:工程4で得られた留出液を工程1へ循環する工
程 図1に示すように、工程1からライン1に示す工程2を
経て、蒸留塔第1塔へとカルボニル化合物製造液が導入
される。カルボニル化合物製造液は蒸留塔第1塔に於け
る工程3によりライン2で示す留出液と、ライン3で示
す残留液に分離される。ライン2の留出液は蒸留塔第2
塔へ導入され、ライン4で示す軽沸分を含有する留出液
と、ライン5で示す主としてカルボニル化合物からなる
残留液とに分離される。本発明に於いてはライン4で示
す軽沸分を含有する留出液を工程5として工程1へと循
環する。
【0020】本発明に於ける製法1では工程1を実施す
る反応器から、抜き出し液成分を蒸留塔第1塔へ導入す
る工程2を経由する。該蒸留塔第1塔では、工程3とし
て塔底から原料であるアルコール類、及び触媒を含む高
沸成分を残留液として抜き出し、塔頂部からアルデヒド
類、及び/又はヘミアセタール類を含む軽沸分とカルボ
ニル化合物の混合液を留出液として留去し、次いで蒸留
塔第2塔へと導入する。蒸留塔第2塔で工程4として塔
頂部からアルデヒド類、及び/またはヘミアセタール類
を含む軽沸分、及びカルボニル化合物を軽沸分を含有す
る留出液として抜き出し、且つ、塔底部から精製された
主としてカルボニル化合物からなる残留液を得る。塔頂
部から抜き出される軽沸分を含有する留出液は工程5と
して工程1を実施する反応器へと循環する。
【0021】上記工程1はアルコール類を脱水素してカ
ルボニル化合物を生成させる工程であり、詳細は上述の
通り。上記工程2においては、工程1で得られる反応液
を工程3の蒸留塔第1塔へと導入する。工程1において
は通常、反応が進行する液相部分と、反応により発生す
る水素ガスが存在する気相部分とに分離している。本工
程では工程1における液相部分を抜き出すことを行う。
該反応における反応液相中には原料である1,4−ブタ
ンジオール、生成物であるガンマブチロラクトンの他
に、軽沸分としてテトラヒドロフラン、4−ヒドロキシ
ブタナール等のアルデヒド類、2−ヒドロキシテトラヒ
ドロフラン等のヘミアセタール類を含み、また触媒成
分、高沸点成分等が含まれる。上記工程3における蒸留
塔第1塔では、蒸留塔の塔頂圧力は任意であるが、減圧
蒸留塔が好ましく、塔頂圧力は1〜200mmHgが好
ましく、更に好ましくは1〜100mmHgであり、特
に好ましくは1〜50mmHgである。また塔頂温度
は、軽沸分の内、アルデヒド類及びヘミアセタール類の
副反応を低減化するために、低温度であることが好まし
く、好ましくは200℃以下であり、更に好ましくは1
50℃以下であり、特に好ましくは120℃以下であ
る。また塔頂冷却コスト、凍結防止の観点から、5℃以
上であることが好ましい。塔頂から抜き出される軽沸分
の内、4−ヒドロキシブタナール等のアルデヒド類、2
−ヒドロキシテトラヒドロフラン等のヘミアセタール類
の塔内での反応抑制の観点から、塔内での反応時間をで
きる限り低減化することが好ましく、アルデヒド類及び
ヘミアセタール類の塔内滞留時間に影響を与える還流比
は低い方がよい。好ましくは還流比100〜1であり、
特に好ましくは30〜1である。本発明において規定す
る蒸留塔物質収支は、単位時間当たりの反応器抜き出し
液成分である蒸留塔導入流量を重量で100とした場合
に、単位時間当たりの塔頂留出流量を90〜20、好ま
しくは80〜30とし、塔底からの単位時間当たりの抜
き出し流量を80〜10とすることが好ましい。蒸留塔
は充填塔、棚段塔のいずれもが使用可能であるが、多段
蒸留であることが好ましく、蒸留塔理論段で10段以上
であることが好ましく、更に好ましくは20〜50段で
ある。50段以上の蒸留塔は蒸留塔建設のための経済
性、及び運転、安全管理のため好ましくない。
【0022】上記工程4においては、蒸留塔第2塔によ
り塔頂部からアルデヒド類、及び/またはヘミアセター
ル類を含む軽沸分及びカルボニル化合物を、軽沸分を含
有する留出液として抜き出し、且つ、塔底部から精製さ
れた主としてカルボニル化合物からなる残留液を得る。
蒸留塔の塔頂圧力は任意であるが、減圧蒸留塔が好まし
く、塔頂圧力は1〜200mmHgが好ましく、更に好
ましくは1〜100mmHgであり、特に好ましくは1
〜50mmHgである。また塔頂温度は、軽沸分の内、
アルデヒド類及びヘミアセタール類の副反応を低減化す
るために、低温度であることが好ましく、好ましくは1
50℃以下であり、更に好ましくは120℃以下であ
り、特に好ましくは100℃以下である。また塔頂冷却
コスト、凍結防止の観点から、5℃以上であることが好
ましい。本工程において蒸留塔塔頂部から抜き出され、
反応器へと循環される軽沸分を含有する留出液の内、本
発明に於いて対象となる軽沸分とはアルデヒド類及び/
又はヘミアセタール類であり、これらはアルコール類、
多価アルコール類から誘導されるアルデヒド類、ヘミア
セタール類であり、且つ、製品のカルボニル化合物より
も軽沸点の物質で有れば任意である。具体的にはアルデ
ヒド類としてホルムアルデヒド、エタナール、プロパナ
ール、ブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、オク
タナール、デカナール、ベンジルアルデヒド、また、特
に分子内に含まれる任意の2つのヒドロキシル基が3−
6個の炭素鎖で結ばれたポリオール類から誘導されるア
ルデヒド類が好ましく、具体的には1−ヒドロキシプロ
パナール、1−ヒドロキシブタナール、1−ヒドロキシ
ヘキサナール等が挙げられる。特に好ましくは1、4−
ブタンジオールから誘導される1−ヒドロキシブタナー
ルである。ヘミアセタール類としては、上記アルデヒド
類と原料のアルコール類から誘導されるヘミアセタール
類、または分子内に水酸基とアルデヒド類を有する1−
ヒドロキシプロパナール、1−ヒドロキシブタナール、
1−ヒドロキシヘキサナール等と平衡を形成するものが
好ましく、特に好ましくは2−ヒドロキシテトラヒドロ
フランである。これらのアルデヒド類及び/又はヘミア
セタール類を蒸留塔塔頂部から軽沸点成分として抜き出
し、反応器へと循環する。塔頂から抜き出される軽沸分
の内、4−ヒドロキシブタナール等のアルデヒド類、2
−ヒドロキシテトラヒドロフラン等のヘミアセタール類
の塔内での反応抑制の観点から、塔内での反応時間をで
きる限り低減化することが好ましく、アルデヒド類及び
ヘミアセタール類の塔内滞留時間に影響を与える還流比
は低い方がよい。好ましくは還流比10〜1であり、特
に好ましくは5〜1である。本発明において規定する蒸
留塔物質収支は、単位時間当たりの蒸留塔第2塔導入流
量を重量で100とした場合に、単位時間当たりの塔頂
留出流量を40〜1、好ましくは30〜10とし、塔底
からの単位時間当たりの抜き出し流量を99〜60とす
ることが好ましい。その際、塔頂からの留出量を多くし
すぎると生産性が著しく低下することになり、反応器へ
と循環する軽沸点成分を含むカルボニル化合物の混合物
中のカルボニル化合物組成をできるだけ低減化した方
が、循環量を抑制でき、経済的に好適である。経済性の
観点から好ましくない。蒸留塔は充填塔、棚段塔のいず
れもが使用可能であるが、多段蒸留であることが好まし
く、蒸留塔理論段で5段以上であることが好ましく、更
に好ましくは10〜50段である。50段以上の蒸留塔
は蒸留塔建設のための経済性、及び運転、安全管理のた
め好ましくない。製品化カルボニル化合物の純度、及び
以後の精製系負担の観点から、工程4における主として
カルボニル化合物からなる残留液が、軽沸分の含有率が
1wt%以下であるカルボニル化合物であることが好ま
しく、より好ましくは0.1wt%以下である。
【0023】上記工程5においては、工程4において塔
頂部から軽沸分を含有する留出液として抜き出されたア
ルデヒド類、及び/またはヘミアセタール類を含む軽沸
分及びカルボニル化合物を、工程1に循環するものであ
る。工程3、4と同様に塔頂から抜き出される軽沸分の
内、4−ヒドロキシブタナール等のアルデヒド類、2−
ヒドロキシテトラヒドロフラン等のヘミアセタール類の
工程5での反応抑制の観点から、低温度での循環が好ま
しく、好ましくは120℃以下であり、特に好ましくは
100℃以下の循環である。また過度の低温度での運転
は経済的に不利であり、5℃以上の温度が好ましい。
【0024】また、本発明のカルボニル化合物の製造方
法の具体例としては、例えば下記工程1〜4を含む製造
方法(以下「製法2」ということがある)が挙げられ
る。 工程1:アルコール類を脱水素してカルボニル化合物を
生成させる工程 工程2:工程1から液相を回収する工程 工程3:工程2で回収した液相を蒸留塔第1塔で蒸留
し、塔頂部から軽沸分を含有する留出液、側留部から主
としてカルボニル化合物からなる留出液、塔底から残留
液を得る工程 工程4:工程3で塔頂部から得られた軽沸分を含有する
留出液を工程1へ循環する工程 図2に示すように、工程1からライン1に示す工程2を
経て、蒸留塔第1塔へとカルボニル化合物製造液が導入
される。カルボニル化合物製造液は蒸留塔第1塔に於け
る工程3によりライン2で示す軽沸分を含有する留出液
と、ライン3で示す側留部から主としてカルボニル化合
物からなる留出液、ライン4で示される塔底からの残留
液に分離される。これらのうち、ライン2で示す軽沸分
を含有する留出液は本発明に於いて工程4として工程1
へと循環する。
【0025】製法2の工程1は製法1の工程1と同様で
ある。製法2の工程2は製法1の工程2と同様である。
上記工程3における蒸留塔第1塔では、蒸留塔の塔頂圧
力は任意であるが、減圧蒸留塔が好ましく、塔頂圧力は
1〜200mmHgが好ましく、更に好ましくは1〜1
00mmHgであり、特に好ましくは1〜50mmHg
である。また塔頂温度は、軽沸分の内、アルデヒド類及
びヘミアセタール類の副反応を低減化するために、低温
度であることが好ましく、好ましくは200℃以下であ
り、更に好ましくは150℃以下であり、特に好ましく
は120℃以下である。また塔頂冷却コスト、凍結防止
の観点から、5℃以上であることが好ましい。塔頂から
抜き出される軽沸分の内、4−ヒドロキシブタナール等
のアルデヒド類、2−ヒドロキシテトラヒドロフラン等
のヘミアセタール類の塔内での反応抑制の観点から、塔
内での反応時間をできる限り低減化することが好まし
く、アルデヒド類及びヘミアセタール類の塔内滞留時間
に影響を与える還流比は低い方がよい。好ましくは還流
比100〜1であり、特に好ましくは30〜1である。
本工程において蒸留塔塔頂部から抜き出され、反応器へ
と循環される軽沸分を含有する留出液の内、本発明に於
いて対象となる軽沸分とは製法1の工程4における軽沸
分と同義であり、アルデヒド類及び/又はヘミアセター
ル類である。これらはアルコール類、多価アルコール類
から誘導されるアルデヒド類、ヘミアセタール類であ
り、且つ、製品のカルボニル化合物よりも軽沸点の物質
で有れば任意である。これらのアルデヒド類及び/又は
ヘミアセタール類を蒸留塔塔頂部から軽沸点成分として
抜き出し、反応器へと循環する。塔頂から抜き出される
軽沸分の内、4−ヒドロキシブタナール等のアルデヒド
類、2−ヒドロキシテトラヒドロフラン等のヘミアセタ
ール類の塔内での反応抑制の観点から、塔内での反応時
間をできる限り低減化することが好ましく、アルデヒド
類及びヘミアセタール類の塔内滞留時間に影響を与える
還流比は低い方がよい。好ましくは還流比10〜1であ
り、特に好ましくは5〜1である。本発明において規定
する蒸留塔物質収支は、単位時間当たりの本工程の蒸留
塔導入流量を重量で100とした場合に、単位時間当た
りの塔頂留出流量を30〜1、好ましくは20〜5と
し、ライン3で示す側留部から主としてカルボニル化合
物からなる留出液を98〜50より好ましくは80〜6
0とし、ライン4で示される塔底からの残留液の単位時
間当たりの抜き出し流量を20〜1とすることが好まし
く、より好ましくは15〜5である。その際、塔頂から
の留出量を多くしすぎると生産性が著しく低下すること
になり、反応器へと循環する軽沸点成分を含むカルボニ
ル化合物の混合物中のカルボニル化合物組成をできるだ
け低減化した方が、循環量を抑制でき、経済的に好適で
ある。蒸留塔は充填塔、棚段塔のいずれもが使用可能で
あるが、多段蒸留であることが好ましく、蒸留塔理論段
で5段以上であることが好ましく、更に好ましくは10
〜50段である。50段以上の蒸留塔は蒸留塔建設のた
めの経済性、及び運転、安全管理のため好ましくない。
また、軽沸分の内、4−ヒドロキシブタナール等のアル
デヒド類、2−ヒドロキシテトラヒドロフラン等のヘミ
アセタール類の工程3以降の精製系に於ける蒸留塔内で
の反応抑制のための負荷増加を回避するという観点か
ら、工程3におけるライン3で示す側留部から抜き出す
主としてカルボニル化合物からなる留出液が、軽沸分の
含有率が1wt%以下であるカルボニル化合物であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.5wt%以下であ
る。
【0026】製法2の工程4は製法1の工程5と同様で
ある。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。 実施例1 (i)500mLのSUS製オートクレーブにルテニウ
ムトリス(アセチルアセトナト)40.6g、及び6モ
ル当量のトリ−n−オクチルホスフィン225.1gを
導入し、水素圧0.8MPaで水素ガスを導入しなが
ら、150℃で、3時間熱処理し、ルテニウム錯体触媒
を調製した。
【0028】(ii)攪拌器、冷却管、温度測定装置、サ
ンプリング口を設置した300mLの4つ口フラスコ中
に1,4−ブタンジオール101.2gを加え、205
℃まで昇温した。次いで、上記ルテニウム錯体触媒を
0.90g加え、203℃で4時間加熱攪拌した(Ru
金属濃度1000重量ppm)。その結果、1,4−ブ
タンジオール31.2重量%であり、γ−ブチロラクト
ン57.1重量%、4−ヒドロキシブタナール、2−ヒ
ドロキシテトラヒドロフランを合計で0.4重量%、テ
トラヒドロフラン等その他微量軽沸分を0.05重量
%、触媒成分などその他高沸分を11.2重量%から成
る反応液を得た。
【0029】(iii)本反応液を30段のガラス製オル
ダーショウ蒸留塔に、塔頂から数えて10段目から10
0g/hrで導入し、塔頂圧力を40mmHg、還流比
を1.45とし、また導入部の内温度(塔頂から導入す
る反応液の温度)を125℃に保ち、連続運転を行っ
た。塔頂から80g/hrの低沸点成分を抜き出し、塔
底から20g/hrで高沸点成分を抜き出した。このと
き、塔頂温度は110.6℃、反応液を導入した塔頂か
ら10段目の温度は115.3℃、塔底温度は140.
1℃であった。塔頂抜き出し液の組成は、4−ヒドロキ
シブタナール、2−ヒドロキシテトラヒドロフランを合
計で0.8重量%含み、且つテトラヒドロフラン、ジヒ
ドロフランなどのその他微量成分を合計で0.1重量%
含む、ガンマブチロラクトン純度99.1%のガンマブ
チロラクトン混合物であった。
【0030】(iv)次に該塔頂抜き出し液を用いて、1
0段のガラス製オルダーショウ蒸留塔に、塔頂から数え
て1段目から100g/hrで導入し、塔頂圧力を10
mmHg、還流比を0.93とし、また導入部の内温度
(塔頂から導入する反応液の温度)を25℃に保ち、連
続運転を行った。塔頂から21g/hrで低沸点成分を
抜き出し、塔底から79g/hrで高沸点成分を抜き出
した。このとき、塔頂温度は77.9℃、塔底温度は1
00.7℃であった。塔頂抜き出し液の組成は、4−ヒ
ドロキシブタナール、2−ヒドロキシテトラヒドロフラ
ンを合計で3.0重量%含み、且つテトラヒドロフラ
ン、ジヒドロフランなどのその他微量成分を合計で0.
4重量%含む、ガンマブチロラクトン純度96.2%の
ガンマブチロラクトン混合物であった。その際、蒸留塔
塔底から得られた残留液組成は4−ヒドロキシブタナー
ル、2−ヒドロキシテトラヒドロフラン等の軽沸分を合
計で0.03重量%含む、純度99.97%のガンマブ
チロラクトンであった。
【0031】(v)攪拌器、冷却管、温度測定装置、サ
ンプリング口を設置した300mLの4つ口フラスコ中
に上記(iv)で得た蒸留塔塔頂抜き出し液100.3g
を加え、200℃まで昇温した。次いで、上記ルテニウ
ム錯体触媒を2.65g加え、203℃で5時間加熱攪
拌した(Ru金属濃度1000重量ppm)。その結
果、4−ヒドロキシブタナール、2−ヒドロキシテトラ
ヒドロフランの転化率は100モル%であり、ガンマブ
チロラクトンの選択率は86.1モル%であった。
【0032】実施例2 40段のガラス製オルダーショウ蒸留塔に、実施例1の
(ii)で得た1,4−ブタンジオール31.2重量%、
γ−ブチロラクトン57.1重量%、4−ヒドロキシブ
タナール、2−ヒドロキシテトラヒドロフランを合計で
0.4重量%、テトラヒドロフラン等その他微量軽沸分
を0.05重量%、触媒成分などその他高沸分を11.
2重量%から成る反応液を100g/hrで導入し、塔
頂圧力を40mmHg、還流比を22.5とし、また導
入部の内温度(塔頂から導入する粗ガンマブチロラクト
ンの温度)を125℃に保ち、連続運転を行った。
【0033】塔頂から10g/hrの低沸点成分を抜き
出し、塔頂より10段目から60g/hrの精製ガンマ
ブチロラクトンを抜き出し、塔底から30g/hrで高
沸点成分を抜き出した。このとき、塔頂温度は118.
1℃、精製ガンマブチロラクトンを抜き出した塔頂から
10段目の温度は123.3℃、塔底温度は152.5
℃であった。
【0034】軽沸分を含む塔頂抜き出し液の組成は、4
−ヒドロキシブタナール、2−ヒドロキシテトラヒドロ
フランを合計で9.7重量%含み、且つテトラヒドロフ
ラン、ジヒドロフランなどのその他微量成分を合計で
1.0重量%含む、ガンマブチロラクトン純度88.3
%のガンマブチロラクトン混合物であった。攪拌器、冷
却管、温度測定装置、サンプリング口を設置した300
mLの4つ口フラスコ中に、該蒸留塔塔頂抜き出し液1
00.3gを加え、200℃まで昇温した。次いで、実
施例1の(i)で調製したルテニウム錯体触媒を2.6
5g加え、200℃で5時間加熱攪拌した(Ru金属濃
度1000重量ppm)。その結果、4−ヒドロキシブ
タナール、2−ヒドロキシテトラヒドロフランの転化率
は100モル%であり、ガンマブチロラクトンの選択率
は90.3モル%であった。
【0035】[考察]実施例1、2より、4−ヒドロキシ
ブタナール、2−ヒドロキシテトラヒドロフラン等の軽
沸点アルデヒド類、ヘミアセタール類を廃棄することな
く、脱水素反応工程へ循環することにより、より選択率
高く経済的に優位に目的とするカルボニル化合物を製造
することができることがわかった。
【0036】
【発明の効果】本発明により、反応で生成するアルデヒ
ド類及び/又はヘミアセタール類などの軽沸分を用い
て、収率良くカルボニル化合物を得ることができる、効
率の高い工業的に有利なカルボニル化合物の製造を行う
方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカルボニル化合物の製造方法の一例
を示す行程図である。
【図2】 本発明のカルボニル化合物の製造方法の一例
を示す行程図である。
【符号の説明】
1:ライン1 2:ライン2 3:ライン3 4:ライン4 5:ライン5 A:反応器 B:蒸留塔第1塔 C:蒸留塔第2塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 浩彰 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社内 Fターム(参考) 4C037 EA03 4H039 CA42 CH90

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボニル化合物の製造方法に於いて、
    アルコール類を脱水素してカルボニル化合物を生成さ
    せ、カルボニル化合物を蒸留精製し、且つ「カルボニル
    化合物を蒸留精製する工程」で得られる軽沸分を「アル
    コール類を脱水素してカルボニル化合物を生成させる工
    程」に循環することを特徴とするカルボニル化合物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 「カルボニル化合物を蒸留精製する工
    程」において得られる留出液が、軽沸分を1〜20wt
    %含有する留出液であり、該留出液を「アルコール類を
    脱水素してカルボニル化合物を生成させる工程」に循環
    する請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 「カルボニル化合物を蒸留精製する工
    程」において得られる残留液が、軽沸分の含有率が1w
    t%以下である純度99wt%以上のカルボニル化合物
    である請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 下記工程1〜5を含む請求項1〜3のい
    ずれかに記載の製造方法。 工程1:アルコール類を脱水素してカルボニル化合物を
    生成させる工程 工程2:工程1から液相を回収する工程 工程3:工程2で回収した液相を蒸留塔第1塔で蒸留
    し、留出液と残留液を得る工程 工程4:工程3で得られた留出液を蒸留塔第2塔で蒸留
    し、軽沸分を含有する留出液と、主としてカルボニル化
    合物からなる残留液を得る工程 工程5:工程4で得られた留出液を工程1へ循環する工
  5. 【請求項5】 下記工程1〜4を含む請求項1〜3のい
    ずれかに記載の製造方法。 工程1:アルコール類を脱水素してカルボニル化合物を
    生成させる工程 工程2:工程1から液相を回収する工程 工程3:工程2で回収した液相を蒸留塔第1塔で蒸留
    し、塔頂部から軽沸分を含有する留出液、側留部から主
    としてカルボニル化合物からなる留出液、塔底から残留
    液を得る工程 工程4:工程3で塔頂部から得られた軽沸分を含有する
    留出液を工程1へ循環する工程
  6. 【請求項6】 アルコール類の脱水素によるカルボニル
    化合物の生成が、有機リン配位子を有するルテニウム錯
    体触媒を用いたアルコール類の脱水素によるカルボニル
    化合物の生成である請求項1〜5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 有機リン配位子が、トリアルキルホスフ
    ィンである請求項6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 軽沸分が、主としてアルデヒド類及び/
    又はヘミアセタール類である請求項1〜7のいずれかに
    記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 アルコール類が、1級アルコール類又は
    1級ジオール類である請求項1〜8のいずれかに記載の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 アルコール類が、1,4−ブタンジオ
    ールであり、カルボニル化合物がガンマブチロラクトン
    であり、且つ、軽沸分が主として4−ヒドロキシブチル
    アルデヒド及び/又は2−ヒドロキシテトラヒドロフラ
    ンである請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
JP2002154291A 2002-05-28 2002-05-28 カルボニル化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP4470358B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002154291A JP4470358B2 (ja) 2002-05-28 2002-05-28 カルボニル化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002154291A JP4470358B2 (ja) 2002-05-28 2002-05-28 カルボニル化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003342270A true JP2003342270A (ja) 2003-12-03
JP4470358B2 JP4470358B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=29771129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002154291A Expired - Fee Related JP4470358B2 (ja) 2002-05-28 2002-05-28 カルボニル化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4470358B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03141272A (ja) * 1989-10-24 1991-06-17 Mitsubishi Kasei Corp ラクトン類の製造法
JPH0491085A (ja) * 1990-08-03 1992-03-24 Mitsubishi Kasei Corp ラクトン類の製造法
JPH0673042A (ja) * 1992-08-25 1994-03-15 Tonen Chem Corp γ‐ブチロラクトンの製造方法
JPH0710859A (ja) * 1993-06-11 1995-01-13 Huels Ag ジオールの触媒的脱水素化法
JPH11286482A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Tonen Corp γ−ブチロラクトンの精製方法
WO2001016126A2 (de) * 1999-09-01 2001-03-08 Basf Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung von gamma-butyrolacton
JP2001240595A (ja) * 1999-12-21 2001-09-04 Mitsubishi Chemicals Corp アルコールの脱水素によるカルボニル化合物の製造方法
JP4120159B2 (ja) * 2000-11-30 2008-07-16 三菱化学株式会社 カルボニル化合物の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03141272A (ja) * 1989-10-24 1991-06-17 Mitsubishi Kasei Corp ラクトン類の製造法
JPH0491085A (ja) * 1990-08-03 1992-03-24 Mitsubishi Kasei Corp ラクトン類の製造法
JPH0673042A (ja) * 1992-08-25 1994-03-15 Tonen Chem Corp γ‐ブチロラクトンの製造方法
JPH0710859A (ja) * 1993-06-11 1995-01-13 Huels Ag ジオールの触媒的脱水素化法
JPH11286482A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Tonen Corp γ−ブチロラクトンの精製方法
WO2001016126A2 (de) * 1999-09-01 2001-03-08 Basf Aktiengesellschaft Verfahren zur herstellung von gamma-butyrolacton
JP2001240595A (ja) * 1999-12-21 2001-09-04 Mitsubishi Chemicals Corp アルコールの脱水素によるカルボニル化合物の製造方法
JP4120159B2 (ja) * 2000-11-30 2008-07-16 三菱化学株式会社 カルボニル化合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4470358B2 (ja) 2010-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20120004513A (ko) 1,6-헥산디올 및 카프로락톤을 제조하기 위한 방법
JPS6331450B2 (ja)
US4275243A (en) Process for producing hydroxybutyraldehyde
WO2008056501A1 (fr) Procédé de coproduction de butanol normal et d'isobutyraldéhyde
JP4918751B2 (ja) ガンマブチロラクトンの製造において副生する高沸点化合物の処理方法及びガンマブチロラクトンの製造方法
KR100338852B1 (ko) 프로필렌옥시드의회수방법
JP4470358B2 (ja) カルボニル化合物の製造方法
JPH06279344A (ja) ヒドロキシブチルアルデヒド類の製法
CN116685401A (zh) 在加氢甲酰化中将乙烯与烯丙醇共进料以制备1,4-丁二醇和正丙醇
CN107876092A (zh) 酯交换合成碳酸苯甲酯和碳酸二苯酯的高稳定性钛催化剂
EP1193238B1 (en) Process for producing 2,4,5-trialkylbenzaldehydes
JP2841689B2 (ja) バレルアルデヒドの精製法
JP4089310B2 (ja) ルテニウム錯体触媒の分離方法
US11208394B2 (en) Chemical process to manufacture branched-caprolactone
JP3864617B2 (ja) アルコールの製造方法
JPS61238751A (ja) ジアルデヒドの分離方法
JP4110844B2 (ja) ヒドロキシアルデヒド類の製造方法
JP4140213B2 (ja) カルボニル化合物の製造方法
JP4039103B2 (ja) エステル化合物の製造方法
JP3875772B2 (ja) ジアルデヒドの製造方法
JP4042424B2 (ja) エステル化合物の製造方法
JP3756537B2 (ja) ジメチルデカンジアールおよびその製造方法
JP2005281255A (ja) 精製アルコールの製造方法
CN1264784C (zh) 羰基化合物的制备方法
JP2003171372A (ja) カルボニル化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090410

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20090410

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090916

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20091102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4470358

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees