JP2003336729A - オイル供給装置 - Google Patents

オイル供給装置

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JP2003336729A
JP2003336729A JP2002143479A JP2002143479A JP2003336729A JP 2003336729 A JP2003336729 A JP 2003336729A JP 2002143479 A JP2002143479 A JP 2002143479A JP 2002143479 A JP2002143479 A JP 2002143479A JP 2003336729 A JP2003336729 A JP 2003336729A
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Eiji Ichioka
英二 市岡
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    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/0421Guidance of lubricant on or within the casing, e.g. shields or baffles for collecting lubricant, tubes, pipes, grooves, channels or the like
    • F16H57/0423Lubricant guiding means mounted or supported on the casing, e.g. shields or baffles for collecting lubricant, tubes or pipes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0493Gearings with spur or bevel gears

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  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイル受け部の数が増加することを抑制する
ことのできるオイル供給装置を提供する。 【解決手段】 回転部材9により掻き上げられたオイル
をオイル受け部10に供給するオイル供給装置におい
て、回転部材9の回転速度が所定値以下の場合に、回転
部材により掻き上げられたオイルをオイル受け部10に
導く第1のオイル供給路K1と、回転部材9の回転速度
が所定値を越える場合に、回転部材9の回転により飛ば
されたオイルをオイル受け部10に導く第2のオイル供
給路K2と、第2のオイル供給路K2に設けられ、か
つ、飛ばされたオイルが第2のオイル供給路K2を形成
する壁面17に接触することを抑制するガイド機構19
とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転部材により
掻き上げられたオイルを、オイル受け部に供給するオイ
ル供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両の動力伝達装置における
発熱部を、オイルにより潤滑および冷却する方式の1つ
として掻き上げ方式が知られており、その掻き上げ方式
の一例が特開平11−218213号に記載されてい
る。この公報に記載されている変速機の潤滑装置におい
ては、ケーシングの内部に入力軸および出力軸が設けら
れている。この入力軸にはアイドルギヤが取り付けられ
ており、出力軸には後進用ドリブンギヤが取り付けられ
ている。また、ケーシングの内部には、アイドルギヤの
上方に位置する低回転用ポケット部と、後進用ドリブン
ギヤの上方に位置する高回転用ポケット部とが形成され
ている。さらに、ケーシングの内部にはオイルが封入さ
れており、アイドルギヤおよび後進用ドリブンギヤの一
部がオイルに浸漬されている。なお、入力軸と出力軸と
は動力伝達可能に連結されている。
【0003】そして、入力軸の回転速度が比較的低い回
転域では、アイドルギヤにより掻き上げられたオイルが
低回転用ポケットで捕集され、入力軸の回転速度が高い
領域では、後進用ドリブンギヤにより掻き上げられたオ
イルが高回転用ポケットで捕集される。このようにし
て、各ポケットで捕集されたオイルを、発熱部に供給す
ることで、低回転域から高回転域に亘り良好な潤滑をお
こなうことができるものとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載されている潤滑装置においては、異なる回転域
に対応して、高回転用ポケットおよび低回転用ポケット
を別々に設けなければならなかった。その結果、部品点
数が増加して、装置が大型化および大重量化するととも
に、装置の製造コストの上昇する問題があった。
【0005】この発明は上記課題を解決するためのもの
で、オイル受け部の数が増加することを抑制することの
できるオイル供給装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、回転部材によ
り掻き上げられたオイルを、オイル受け部に供給するオ
イル供給装置において、前記回転部材により掻き上げら
れたオイルの移動方向を、前記回転部材の回転速度に応
じて異なる方向に分岐させる分岐機構と、この分岐機構
により異なる方向に分岐されたオイルを、それぞれ同じ
オイル受け部に導き、かつ、相互に並列に配置された複
数のオイル供給路とが設けられていることを特徴とする
ものである。
【0007】請求項1の発明によれば、回転部材により
掻き上げられたオイルの移動方向が、回転部材の回転速
度に応じて異ならせられる。異なる方向に移動させられ
るオイルは、別々のオイル供給路を経て同じオイル受け
部に導かれる。したがって、オイルの回転速度に対応し
て、オイル受け部を複数設ける必要はない。
【0008】請求項2の発明は、回転部材により掻き上
げられたオイルをオイル受け部に供給するオイル供給装
置において、前記回転部材の回転速度が所定値以下の場
合に、この回転部材により掻き上げられたオイルをオイ
ル受け部に導く第1のオイル供給路と、前記回転部材の
回転速度が所定値を越える場合に、この回転部材の回転
により飛ばされたオイルを、前記オイル受け部と同じオ
イル受け部に導く第2のオイル供給路とを有し、前記回
転部材の回転により飛ばされたオイルが、前記第2のオ
イル供給路を形成する壁面に接触することを抑制するガ
イド機構が、この第2のオイル供給路に設けられている
ことを特徴とするものである。
【0009】請求項2の発明によれば、回転部材の回転
速度に応じて、回転部材により掻き上げられたオイルが
異なるオイル供給経路を経由して同じオイル受け部に供
給される。したがって、オイルの回転速度に対応して、
オイル受け部を複数設ける必要がない。また、第2のオ
イル供給路を飛びながら通過するオイルが、第2のオイ
ル供給路を形成する壁面に接触することを抑制できる。
【0010】請求項3の発明は、回転部材により掻き上
げられたオイルを、オイル受け部に供給するオイル供給
装置において、前記回転部材により掻き上げられたオイ
ルを、同じオイル受け部に供給する複数のオイル供給路
が設けられており、この複数のオイル供給路同士は、前
記回転部材の回転速度に応じたオイルの供給状態が相互
に異なるとともに、複数のオイル供給路同士が並列に配
置されていることを特徴とするものである。ここで、
“オイルの供給状態”には、オイルの供給量、オイルの
供給速度、オイルの輸送形態などが含まれる。オイルの
輸送形態には、飛ばしおよび保持などが含まれる。
【0011】請求項3の発明によれば、回転部材の回転
速度が所定値以下の場合は、回転部材により掻き上げら
れたオイルが、第1のオイル供給路を経てオイル受け部
に供給される。これに対して、回転部材の回転速度が所
定値を越える場合は、回転部材の回転により飛ばされた
オイルが、第2のオイル供給路を経てオイル受け部に供
給される。また、第2のオイル供給路を飛びながら通過
するオイルは、第2のオイル供給路を形成する壁面に接
触することが抑制される。
【0012】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの構成に加えて、前記回転部材が単数であること
を特徴とするものである。
【0013】請求項4の発明によれば、請求項1ないし
3のいずれかの発明と同様の作用が生じる他に、単数の
回転部材により掻き上げられるオイルがオイル受け部に
供給される。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明を図面を参照し
ながら具体的に説明する。図1は、この発明のオイル供
給装置(言い換えれば潤滑装置)を、車両用の動力伝達
装置、具体的にはトランスアクスル1に適用した場合を
示す側面図である。トランスアクスル1は、ケーシング
2を有し、このケーシング2はアルミニウム合金、鋳鉄
などの金属材料により構成されている。ケーシング2の
内部には、主軸3およびカウンタ軸4およびデファレン
シャル軸5が設けられている。そして、主軸3の回転軸
線(図示せず)と、カウンタ軸4の回転軸線(図示せ
ず)と、デファレンシャル軸5の軸線とは、相互に平行
に、かつ、略水平に配置されている。さらに、車両の高
さ方向において、カウンタ軸4の回転軸線よりも主軸3
の回転軸線の方が低い位置に配置され、主軸3の回転軸
線よりもデファレンシャル軸5の軸線の方が低い位置に
配置されている。
【0015】一方、主軸3には駆動力源の回転軸(図示
せず)が動力伝達可能に連結される。また、主軸3には
ギヤ6が取り付けられており、カウンタ軸4にギヤ7,
8が取り付けられている。また、デファレンシャル軸5
を中心として回転するリングギヤ9が設けられている。
そして、ギヤ6とギヤ7とが噛合され、ギヤ8とリング
ギヤ9とが噛合されている。さらに、主軸3には、各種
のギヤ(例えば、プラネタリギヤ)により構成される変
速機構(図示せず)が設けられている。さらにまた、デ
ファレンシャル軸5は、ドライブシャフト(図示せず)
を介して車輪(図示せず)が連結される。なお、ケーシ
ング2の内部、具体的にはケーシング2の底部にはオイ
ル溜めA1が形成されており、リングギヤ9の一部がオ
イル溜めA1に浸漬されている。なお、他のギヤおよび
回転部材は、オイル溜めA1には浸漬されていない。す
なわち、単数または単一のリングギヤ9がオイル溜めA
1に浸漬されている。
【0016】さらに、ケーシング2の内部には、主軸3
と同心状にモータ(図示せず)が設けられているととも
に、主軸3が軸受(図示せず)により回転自在に保持さ
れている。さらに、ケーシング2の内部であって、主軸
3の上方から側方に亘ってオイル受け部10が設けられ
ている。このオイル受け部10は、サブキャッチタンク
11とオイルリザーブタンク12とに区分され、サブキ
ャッチタンク11およびオイルリザーブタンク12の上
部が開口されている。また、サブキャッチタンク11に
は潤滑穴13が形成され、オイルリザーブタンク12に
は潤滑穴14が形成されている。
【0017】前記ケーシング2の内壁の一部、具体的に
はカウンタ軸4の上部に形成されている内壁15は、略
水平に、かつ直線状に延ばされた直線部(平坦部)16
と、直線部16に連続する円弧部17とを有する。この
円弧部17は、カウンタ軸4の回転軸線を中心として形
成されている。また、円弧部17は、直線部16から離
れることにともない低位側に変位しており、円弧部17
であって、リングギヤ9の上方に位置する端部には、段
部18を介してガイド面19が連続されている。
【0018】つまり、円弧部17の最上部側の端部に直
線部16が連続されている。ガイド面19は、上位であ
るほどカウンタ軸4に近づく方向に傾斜している。具体
的には、ガイド面19と水平線(図示せず)とのなす鋭
角側の角度は、他の内面19Aと水平線とのなす鋭角側
の角度よりも小さく設定されている。そして、ガイド面
19に対応する延長線B1と直線部16との交点C1
は、直線部16上に設定されている。言い換えれば、円
弧部17と直線部16との接続部D1を基準として、円
弧部17から離れる方向に変位させた位置に交点C1が
配置されている。
【0019】また、ケーシング2の内部であって、直線
部16の下方には、略水平なガイド面20が形成されて
いる。前記直線部16とガイド面20との間にオイル供
給経路K3が形成されている。また、ガイド面20であ
って、円弧部17側の端部E1は、交点C1に直交する
垂線F1よりも円弧部17よりの位置に配置されてい
る。なお、直線部16の端部J1およびガイド面20の
端部H1は、サブキャッチタンク11の開口部の上方に
配置されている。さらに、リングギヤ9上部には、側面
形状が三角形状に構成されたリブ21が設けられてい
る。このリブ21は、ガイド面19と略平行なガイド面
22と、リングギヤ9の外周と対面するガイド面23と
を有する。リングギヤ9の歯先面とガイド面23との隙
間G1は、最小隙間が1mm程度となるように設定されて
いる。
【0020】また、ガイド面22と、ガイド面20であ
って円弧部17側の端部E1とを連続する接続面26が
形成されている。そして、ガイド面22および接続面2
6と、円弧部17との間に、オイル供給路K2が形成さ
れている。そして、オイル供給経路K2とオイル供給経
路K3とが直列に接続されている。前記ガイド面20と
共に鋭角をなす壁部25が形成されており、サブキャッ
チタンク11の外壁24が形成されている。そして、ギ
ヤ6の上方には、外壁24と壁部25との間にオイル供
給路K1が形成されている。このオイル供給経路K1
と、前記オイル供給経路K2,K3とは、相互に並列に
配置されているとともに、オイル供給経路K1,K2,
K3は、共に同じオイル受け部10に連通している。
【0021】つぎに、駆動力源から車輪に至るトルクの
伝達作用を説明する。駆動力源から主軸3に伝達された
トルクは、ギヤ6およびギヤ7を経由してカウンタ軸4
に伝達される。カウンタ軸4のトルクは、ギヤ8および
リングギヤ9を経由してデファレンシャル軸5に伝達さ
れる。ついで、デファレンシャル軸5のトルクは車輪に
伝達される。このようなトルクの伝達により、主軸3は
図中反時計方向に回転し、カウンタ軸4は時計方向に回
転し、リングギヤ9は反時計方向に回転する。このと
き、主軸3の回転速度、または変速機構の変速比などに
応じて、リングギヤ9の回転速度が変化する。なお、リ
ングギヤ9の回転速度は、ギヤ6の回転速度よりも低回
転である。
【0022】そして、リングギヤ9はオイル溜めA1に
浸漬されているため、リングギヤ9の外周にオイルが付
着し、かつ、歯溝によりオイルが保持された状態で、リ
ングギヤ9が回転する。このとき、リングギヤ9の回転
速度が所定回転速度未満である場合(例えば、低速回
転)は、リングギヤ9の回転による遠心力が弱いため、
リングギヤ9とギヤ8との噛み合い部分よりも上方にオ
イルが飛ばされることはない。しかしながら、リングギ
ヤ9の外周であって、噛み合い部分よりも下方、図中、
噛み合い部分よりも左側においては、オイルの重力より
も遠心力の方が強くなるため、オイルがリングギヤ9か
らギヤ6に向けて飛ばされる。
【0023】このようにして、オイルがギヤ6に付着す
ると、ギヤ6の歯溝などによりオイルが保持される。そ
して、ギヤ6の回転速度はリングギヤ9の回転速度より
も高いため、ギヤ6に付着されているオイルが、遠心力
により上方に向けて飛ばされる。ギヤ6から離れたオイ
ルは、オイル供給路K1を通過してサブキャッチタンク
11およびオイルリザーブタンク12に供給される。
【0024】これに対して、リングギヤ9の回転速度が
所定回転速度以上である場合(例えば、中速回転、高速
回転)は、リングギヤ9の回転による遠心力により、オ
イルがリングギヤ9から上方に向けて飛ばされる。飛ば
されたオイルは、オイル供給路K2を通過してオイル供
給経路K3のガイド面20上に到達し、そのオイルが慣
性力で、図1において左側に向けて移動し、サブキャッ
チタンク11およびオイルリザーブタンク12に供給さ
れる。
【0025】ここで、オイル供給路K2に設けられてい
るガイド面19は、円弧部17から離れる方向に傾斜し
ているため、オイル供給路K2を通過するオイルがガイ
ド面19に沿って流れ、ついで、ガイド面19の端部か
ら離れた場合でも、そのオイルは円弧部17に接触しに
くい。このため、“円弧部17に接触したオイルが下方
に落下して、オイル供給路K2を通過する後続のオイル
の移動を妨げる。”という不具合を防止できる。言い換
えれば、オイル供給路K2を経てサブキャッチタンク1
1およびリザーブタンク12に供給されるオイルの流れ
が円滑となる。したがって、サブキャッチタンク11お
よびオイルリザーブタンク12に対するオイルの供給量
が低下することを抑制できる。
【0026】このようにして、サブキャッチタンク11
に供給されたオイルは、潤滑穴13を通過し、主として
変速機構を構成するギヤ同士の噛み合い部分などに供給
され、そのギヤ同士の噛み合い部分を潤滑および冷却す
る。また、リザーブタンク12に供給されたオイルは、
潤滑穴14を通過し、主としてモータ、軸受などの潤滑
および冷却に用いられる。これらのギヤ同士の噛み合い
部分、モータ、軸受などにより、オイル必要部位が形成
されている。上記のようにして、各部を潤滑および冷却
したオイルは、再びオイル溜めA1に戻る。
【0027】以上のように、この実施例においては、オ
イル溜めA1のオイルを、リングギヤ9の回転速度に関
わりなく、サブキャッチタンク11およびオイルリザー
ブタンク12に、オイル必要部位で必要な量のオイルを
供給することができ、潤滑性能および冷却性能の低下を
抑制できる。また、リングギヤ9の回転速度に関わりな
く、供給されるオイルを同じオイル受け部10で受ける
ことができる。したがって、リングギヤ9の回転速度に
対応して、複数のオイル受け部を設ける必要はなく、部
品点数の増加、装置の大型化および大重量化、製造コス
トの上昇を抑制できる。さらに、リングギヤ9の回転速
度に応じて、オイルの流れ方向がリブ21により異なる
方向に分岐されている。また、ガイド面19によりオイ
ルの乱流が防止されている。したがって、これらリブ2
1およびガイド面19は、いわゆる整流機構であるとい
える。
【0028】また、従来であれば、オイルポンプを用い
て強制潤滑する必要がある低回転数領域においても、オ
イルポンプを用いる必要はない。したがって、部品点数
の増加を抑制でき、大型化および大重量化およびコスト
の上昇を抑制できる。また、オイルポンプを駆動するた
めに、駆動力源の動力の一部が消費されることを抑制で
き、動力損失の低減を図ることができる。なお、ケーシ
ング2の製造工程において、鋳型の一部を加工するだけ
でリブ21および段部18およびガイド面19を形成す
ることができ、ケーシング2の製造コストが上昇するこ
とはない。さらにまた、単数のリングギヤ9の回転のみ
で、オイル溜めA1のオイルを掻き上げることができ、
部品点数を一層低減できる。なお、この実施例において
は、オイル供給経路が2経路に分岐されているが、3経
路以上に分岐されていてもよい。また、オイル受け部1
0は、オイルをオイル必要部に送るための中継所となっ
ているが、単一のオイル必要部自体がオイル受け部であ
ってもよい。
【0029】ここで、この実施例の構成とこの発明の構
成との対応関係を説明すれば、リングギヤ9がこの発明
の回転部材に相当し、リブ21がこの発明の分岐機構に
相当し、ギヤ6、オイル供給路K1が、この発明のオイ
ル供給路および第1のオイル供給路に相当し、オイル供
給路K2,K3が、この発明のオイル供給路および第2
のオイル供給路に相当し、ガイド面19がこの発明のガ
イド機構に相当し、円弧部17がこの発明の壁面に相当
し、オイル受け部10およびオイル必要部が、この発明
のオイル受け部に相当する。また、リングギヤ9の低速
回転が、この発明の“回転速度が所定値未満”に相当
し、リングリヤ9の高速回転、中速回転が、この発明の
“回転速度が所定値を越えた場合”に相当し、オイル供
給経路K2での遠心力によるオイルの移動、およびオイ
ル供給経路K3における慣性力によるオイルの移動と、
オイル供給経路K1におけるギヤ6の回転によるオイル
の保持とが、この発明の“オイルの供給状態が相互に異
なる”に相当する。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、回転部材により掻き上げられたオイルを、回転部
材の回転速度に応じて異なるオイル供給経路を経由して
同じオイル受け部に供給することができる。したがっ
て、オイルの回転速度に対応して、オイル受け部を複数
設ける必要がなく、部品点数の増加、装置の大型化およ
び大重量化、製造コストの上昇を抑制できる。
【0031】請求項2の発明によれば、回転部材の回転
速度に応じて、回転部材により掻き上げられたオイルが
異なるオイル供給経路を経由して同じオイル受け部に供
給される。したがって、オイルの回転速度に対応して、
オイル受け部を複数設ける必要がなく、部品点数の増
加、装置の大型化および大重量化、製造コストの上昇を
抑制できる。また、第2のオイル供給路を飛びながら通
過するオイルが、第2のオイル供給路を形成する壁面に
接触することを抑制でき、オイル受け部に供給されるオ
イル量の低下を抑制できる。
【0032】請求項3の発明によれば、回転部材により
掻き上げられたオイルが、複数のオイル供給路を経てオ
イル受け部に供給される。複数のオイル供給路は、回転
部材の回転速度に応じたオイルの供給状態が相互に異な
る。したがって、オイルの回転速度に対応して、オイル
受け部を複数設ける必要がなく、部品点数の増加、装置
の大型化および大重量化、製造コストの上昇を抑制でき
る。
【0033】請求項4の発明によれば、請求項1ないし
3のいずれかの発明と同様の効果を得られる他に、単数
の回転部材により掻き上げられるオイルを、オイル受け
部に供給できる。したがって、オイルを掻き上げる回転
部材を複数設ける必要がなく、部品点数を一層低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を適用した車両のトランスアクスル
を示す側面図である。
【符号の説明】
6…ギヤ、 9…リングギヤ、 10…オイル受け部、
11…サブキャッチタンク、 12…オイルリザーブ
タンク、 17…円弧部、 19…ガイド面、21…リ
ブ、 K1,K2,K3…オイル供給路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市岡 英二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J063 AA01 AC03 BA11 CA01 XD03 XD17 XD33 XD52 XE15 XE16 XF14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転部材により掻き上げられたオイル
    を、オイル受け部に供給するオイル供給装置において、 前記回転部材により掻き上げられたオイルの移動方向
    を、前記回転部材の回転速度に応じて異なる方向に分岐
    させる分岐機構と、 この分岐機構により異なる方向に分岐されたオイルを、
    それぞれ同じオイル受け部に導き、かつ、相互に並列に
    配置された複数のオイル供給路とが設けられていること
    を特徴とするオイル供給装置。
  2. 【請求項2】 回転部材により掻き上げられたオイルを
    オイル受け部に供給するオイル供給装置において、 前記回転部材の回転速度が所定値以下の場合に、この回
    転部材により掻き上げられたオイルをオイル受け部に導
    く第1のオイル供給路と、 前記回転部材の回転速度が所定値を越える場合に、この
    回転部材の回転により飛ばされたオイルを、前記オイル
    受け部と同じオイル受け部に導く第2のオイル供給路と
    を有し、 前記回転部材の回転により飛ばされたオイルが、前記第
    2のオイル供給路を形成する壁面に接触することを抑制
    するガイド機構が、この第2のオイル供給路に設けられ
    ていることを特徴とするオイル供給装置。
  3. 【請求項3】 回転部材により掻き上げられたオイル
    を、オイル受け部に供給するオイル供給装置において、 前記回転部材により掻き上げられたオイルを、同じオイ
    ル受け部に供給する複数のオイル供給路が設けられてお
    り、この複数のオイル供給路同士は、前記回転部材の回
    転速度に応じたオイルの供給状態が相互に異なるととも
    に、複数のオイル供給路同士が並列に配置されているこ
    とを特徴とするオイル供給装置。
  4. 【請求項4】 前記回転部材が単数であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載のオイル供給装
    置。
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