JP2003335559A - コンクリート補強材及びそれを用いたコンクリート成形体 - Google Patents

コンクリート補強材及びそれを用いたコンクリート成形体

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JP2003335559A
JP2003335559A JP2002143450A JP2002143450A JP2003335559A JP 2003335559 A JP2003335559 A JP 2003335559A JP 2002143450 A JP2002143450 A JP 2002143450A JP 2002143450 A JP2002143450 A JP 2002143450A JP 2003335559 A JP2003335559 A JP 2003335559A
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Shinji Nishibori
真治 西堀
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C13/00Fibre or filament compositions
    • C03C13/001Alkali-resistant fibres
    • C03C13/002Alkali-resistant fibres containing zirconium

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業性に優れ、コンクリート成形体の補強効
果が高く、またコンクリート成形体の靭性を維持するこ
とができるコンクリート補強材及びそれを用いたコンク
リート成形体を提供することを目的とするものである。 【構成】 本発明のコンクリート補強材は、連続した無
機繊維束に樹脂を含浸させ、それを硬化させてから切断
した長尺状のコンクリート補強材であって、表面に0.
05〜3.0mmの凹凸高低差を有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチールファイバ
や樹脂ロッド(樹脂成形体)の代替としてコンクリート
の補強材として用いるコンクリート補強材及びそれを用
いたコンクリート成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート成形体は、構造体と
して種々の用途に用いられているが、特に、トンネルの
内壁や高架壁では、剥落防止のため、補強材としてポリ
プロピレンなどの樹脂成形体やスチールファイバを混入
させて用いられている。このようなコンクリート成形体
には、応力が加わってもクラックが発生しにくく(高強
度)、またクラックが発生しても、補強材が切断されず
に剥落しない(高靭性)、すなわち、図4に示すよう
に、曲げ試験において、クラック発生時の荷重値Pが大
きく、クラックが発生した後でも、応力荷重が低くなり
にくいことが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】外部からの応力によっ
てコンクリート成形体にクラックが発生した際、クラッ
ク中で橋渡ししている補強材が、全て脆性破壊を起こす
と、コンクリートの剥落が発生しやすくなるが、スチー
ルファイバは、コンクリートと接着せず、コンクリート
との界面での摩擦力が低いため、応力がダイレクトに加
わることによる脆性破壊が発生しにくく、コンクリート
の剥落が発生しにくくなる。
【0004】しかし、スチールファイバは、金属に特有
の錆びが発生しやすい。特に、外部からの応力によって
コンクリート成形体にクラックが発生して、破壊に至ら
なかった場合においても、そのクラックを通して大気に
晒されたスチールファイバは、錆びて強度が低下し、錆
びた箇所で脆性破壊が起こりやすくなり、コンクリート
の剥落が発生しやすくなるという問題を有している。ま
た、スチールファイバは、コンクリートとの混練時にお
いて、コンクリート中の水分との濡れが悪いため、コン
クリートの流動性が悪くなって、作業性が悪くなるとい
う問題も有している。
【0005】また、ポリプロピレンなどの樹脂成形体
は、弾性率が低いため、コンクリートの補強材として用
いても、コンクリートの補強効果や靭性に乏しく、スチ
ールファイバと同等のコンクリートの補強効果や靭性を
得ようとするためには、樹脂成形体を多量に添加する必
要があり、作業性の悪化やコストアップとなるため好ま
しくない。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、作業性に優れ、コンクリート成形体の補強効果が
高く、またコンクリート成形体の靭性を維持することが
できるコンクリート補強材及びそれを用いたコンクリー
ト成形体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく種々の実験を繰り返した結果、連続した無機
繊維束を多量の樹脂で固化し、表面に小さい凹凸を付与
したコンクリート補強材をコンクリートの補強材として
用いると、コンクリートの補強効果に優れ、コンクリー
トと接着しないため、切断されにくく、また、クラック
発生後の引き抜けの抵抗力が大きいため、コンクリート
成形体の靭性が維持され、コンクリートの剥落が発生し
にくくなることを見出し、本発明を提案するに至った。
【0008】すなわち、本発明のコンクリート補強材
は、連続した無機繊維束に樹脂を含浸させ、それを硬化
させてから切断した長尺状のコンクリート補強材であっ
て、表面に0.05〜3.0mmの凹凸高低差を有する
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明のコンクリート成形体は、補
強材として、連続した無機繊維束に樹脂を含浸させ、そ
れを硬化させてから切断した、表面に0.05〜3.0
mmの凹凸高低差を有するコンクリート補強材を含むこ
とを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明のコンクリート補強材は、連続した無機
繊維束に樹脂を含浸させ、それを硬化させてから切断し
た長尺状のコンクリート補強材であって、表面に0.0
5〜3.0mmの凹凸高低差を有するため、コンクリー
トの補強材として使用すると、コンクリート成形体の機
械的強度が向上するだけでなく、外部からの応力により
コンクリート成形体にクラックが発生しても、錆びるこ
とが無く、また、コンクリート成形体の靭性が維持で
き、コンクリート成形体の剥落の発生を抑制できる。
【0011】すなわち、表面の凹凸高低差が0.05m
mより小さいと、コンクリート補強材とコンクリートと
の界面での摩擦力が低すぎるため、外部からの応力によ
りコンクリート成形体にクラックが発生した際に、引き
抜けの抵抗力が小さくなりコンクリート成形体の靭性が
維持できない。また、3.0mmよりも大きいと、コン
クリート成形体を作製する際に、コンクリート補強材同
士が絡まり、コンクリート中で均一に分散できないため
好ましくない。
【0012】凹凸が、少なくともコンクリート補強材の
両端部の表面に形成されていると、上記した効果を有し
やすいが、コンクリート補強材の全表面に形成されてい
ても構わない。
【0013】また、本発明のコンクリート補強材は、表
面凹凸量100Sw/(2Sc+Lc・Lh)−100
が10以上、好ましくは200以下である。表面凹凸量
が10より小さいと、コンクリート補強材表面の摩擦力
が低すぎて、コンクリート成形体にクラックが発生した
場合に、引き抜けの抵抗力が低くなって、コンクリート
成形体の靭性が維持されにくいため好ましくない。ま
た、表面凹凸量が200よりも大きいと、表面凹凸を成
形する際に、型離れしにくいため好ましくない。
【0014】尚、上記した、Swはコンクリート補強材
1本あたりの全表面積を、Scは断面積を、Lcは理想
断面周囲長さを、Lhは長さを示す。ここで、理想断面
周囲長さとは、断面形状が理想断面形状を有していると
仮定したとき、すなわち断面形状が略円形及び略楕円形
の場合、その理想断面形状を真円と仮定して、その断面
積Scから求めたものである。また、断面形状が略四角
形の場合、その理想断面形状を四角形と仮定して、その
断面積Scと幅wから求めたものである。従って、断面
形状が略円形の場合は、理想断面周囲長さLc=2(π
・Sc)1/2であり、略四角形の場合は、Lc=2
((Sc/w)+w)となる。
【0015】また本発明のコンクリート補強材は、1本
あたりの全表面積Swが、20〜1500mm2である
と好ましい。全表面積Swが20mm2よりも小さい
と、コンクリートの補強効果が低く、コンクリート成形
体にクラックが発生した場合に、コンクリート成形体の
靭性が維持されにくい。また、全表面積Swが、150
0mm2よりも大きいと、コンクリートとの界面での摩
擦力が大きすぎるため、応力がダイレクトに加わること
による脆性破壊が発生しやすく、コンクリートの剥落が
発生しやすい。また、コンクリートとの混練時に、コン
クリートの流動性が悪くなって、作業性が悪化しやす
い。
【0016】また、本発明のコンクリート補強材は、連
続した無機繊維束を20〜70体積%含有すると好まし
い。すなわち、連続した無機繊維束が70体積%よりも
多いと、無機繊維束、たとえばガラス繊維束が、コンク
リート補強材の表面層に多く存在するようになるため、
コンクリートとの接着力が高くなりすぎて、外部からの
応力によって、コンクリート補強材が脆性破壊を起こし
やすく、コンクリートの剥落が発生しやすい。また20
体積%よりも少ないと、コンクリート補強材の弾性率が
低くなり、コンクリート成形体にクラックが発生した
際、コンクリート補強材が長さ方向に延びて切断されや
すくなり、あるいは、切断されなくても、靭性が維持さ
れなくなるため好ましくない。
【0017】また、本発明のコンクリート補強材は、断
面積が0.05〜4.0mm2、好ましくは、0.1〜
4.0mm2であり、長さが20〜80mmであると、
コンクリート混練時の作業性に優れ、コンクリートとの
接触面積が大きく、コンクリートの補強効果に優れ、コ
ンクリート成形体の靭性が維持される。すなわち、断面
積が0.05mm2よりも小さいと、コンクリートとの
混練時において、粗骨材や細骨材等との接触によりコン
クリート補強材に曲げ応力やせん断応力が加わって切断
され、コンクリートの流動性が悪くなる。断面積が4.
0mm2よりも大きいと、コンクリートとの接触面積が
小さくなって、コンクリートの補強効果が小さくなり、
また、コンクリート成形体の靭性が維持されにくいため
好ましくない。また、長さが20mmよりも短いと、コ
ンクリートの補強効果が小さく、また、コンクリート成
形体にクラックが発生した際、引き抜けの抵抗力が小さ
くなって、コンクリート成形体の靭性が維持されにく
い。80mmよりも長いと、コンクリートとの混練時
に、コンクリートの流動性が悪くなり、作業性が悪化す
るため好ましくない。
【0018】本発明のコンクリート補強材の断面形状
は、特に限定されないが、円形、楕円形、三角形、四角
形、星型等の形状であっても構わない。
【0019】また、本発明のコンクリート補強材は、連
続した無機繊維束が、ガラス繊維束や炭素繊維束、特に
ガラス繊維束であると、広範な種類の樹脂への含浸性に
優れ、安価であり、また、弾性率が高いため、コンクリ
ート補強材の弾性率が高くなり、外部からの応力によっ
てコンクリート成形体にクラックが発生しても、コンク
リート補強材が切断されにくく、コンクリート成形体の
靭性が維持されるため好ましい。
【0020】無機繊維束のストランド太さは、150〜
5000TEXであると、コンクリート補強材の弾性率
が高くなるため好ましい。
【0021】ガラス繊維束は、Eガラス、Tガラス、S
ガラス、Hガラス、ARガラス等の繊維からなるストラ
ンドが使用可能であるが、特に耐アルカリ性に優れたZ
rO 2を多く含む耐アルカリ性ガラス繊維からなるスト
ランドであると、コンクリート補強材が、コンクリート
中のアルカリ成分によって浸食されにくく、強度劣化し
にくいため好ましい。
【0022】この繊維束に用いるモノフィラメント径
は、特に制限されないが、繊維の製造に適した12〜2
6μmであると好ましい。
【0023】本発明のコンクリート補強材において使用
するマトリックス樹脂は、特に制限はなく、繊維が含浸
しやすく、成形が容易で、FRP製品によく使用される
ポリエステル、ビニルエステル等の熱硬化性樹脂や、成
形後に変形可能なポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が使用可能であ
る。この中でも、特にポリエチレン樹脂やポリプロピレ
ン樹脂は、耐アルカリ性に優れ、成形工程における硬化
速度を制御しやすく、成形後における変形や表面加工が
容易で、安価であり好ましい。
【0024】本発明のコンクリート成形体は、コンクリ
ート補強材を0.3〜2体積%含有すると好ましい。す
なわち、コンクリート補強材の含有率が0.3体積%よ
りも低いと、コンクリートの補強効果が低く、外部から
の応力によりコンクリート成形体にクラックが発生した
際に、コンクリートの剥落が発生しやすく、2体積%よ
りも高いと、コンクリートの流動性が悪くなり、混練作
業が困難になり好ましくない。
【0025】次に、本発明のコンクリート補強材及びそ
れを用いたコンクリート成形体の製造方法を説明する。
【0026】まず、12〜26μmのモノフィラメント
径で、ストランド太さが150〜5000texのガラ
ス繊維ストランドあるいは炭素繊維ストランドを用意す
る。次に、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂が入った
含浸ダイに上記ストランドを通過させ、ダイの出口か
ら、熱硬化性樹脂の場合には、加熱しながら引き出し、
熱可塑性樹脂の場合には、冷却しながら引き出し成型
し、20〜80mmの長さにカットすることによって、
表面に0.05〜3.0mmの凹凸12を有するコンク
リート補強材10(図1)が作製され、コンクリート補
強材の断面積は、ダイの出口の形状によって決定され
る。尚、表面の凹凸形状や断面形状は、成形時にプレス
型、歯車等によって形成される。ここで、上記したよう
にして作製したコンクリート補強材10は、図2に示す
ように、モノフィラメント12がコンクリート補強材1
0の長さ方向と平行に並び、断面方向にほぼ均一に散在
している。
【0027】さらに、普通ポルトランドセメント、高炉
セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等
のセメントをコンクリート1m3あたりの質量で225
kg以上(以後kg/m3と表す)、川砂等の細骨材1
500kg/m3以下、川砂利等の粗骨材1500kg
/m3以下に、材料分離が生じない程度に水や混和剤を
添加して混練し、次いで所定の長さにカットされたコン
クリート補強材を0.3〜2体積%になるよう添加後、
さらに混練してコンクリートを作製し、所望の形状にな
るように、型に流し込み、硬化後型を外してコンクリー
ト成形体を得る。
【0028】
【実施例】以下、本発明のコンクリート補強材及びそれ
を用いたコンクリート成形体を実施例に基づいて詳細に
説明する。
【0029】表1〜3に本発明の実施例1〜17と比較
例18、19を示す。図3は、図1に示したコンクリー
ト補強材10、粗骨材15及び細骨材16を含むコンク
リート成形体14を示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】まず、表1〜3に示すストランド太さを示
すガラス繊維ストランド及び炭素繊維ストランドと、ポ
リプロピレン樹脂及びスチールファイバを準備した。
尚、ガラス繊維ストランドは、質量%でSiO2
1.0%、ZrO2 19.5%、Li2O 1.5%、
Na2O 12.3%、K2O 2.6%、CaO 0.
5%、TiO2 2.6%の組成を有する。また、ガラ
ス繊維及び炭素繊維の集束剤としては、変性ポリプロピ
レン樹脂を用いた。
【0034】次に、実施例1、3〜8、10、12〜1
7のガラス繊維ストランド及び実施例2、9、11の炭
素繊維ストランドを240℃に加熱されたポリプロピレ
ン樹脂が入れられた含浸ダイ中に浸漬し、2m/分の速
度でダイの円筒状成形出口を通過させ、表1〜3に示す
凹凸高低差の凹凸パターンを有する成形型により凹凸を
形成し、冷却ローラで冷却し、表1〜3に示す長さにカ
ットして断面形状が略円形や略長方形のコンクリート補
強材を作製した。
【0035】コンクリート補強材の凹凸高低差、全表面
積及び断面積は、触針式表面形状測定機(サーフコム4
75A−3D、東京精密製)によって測定した。
【0036】さらに、普通ポルトランドセメントを36
3kg/m3、最大粒径5.0mmの川砂(細骨材)を
859kg/m3、最大粒径25mmの川砂利(粗骨
材)を806kg/m3、水を161kg/m3及び高性
能AE減水剤(株式会社エヌエムビー製:商品名レオビ
ルドSP−8N)を4.7kg/m3の比率で混練し、
次いで上記したコンクリート補強材、ポリプロピレン樹
脂を0.8体積%に、スチールファイバを0.5体積%
になるように添加した後、30秒間混練してコンクリー
トを作製した。尚、スチールファイバは、0.5体積%
よりも多く添加すると、著しく作業性が悪化したため、
添加量を0.5体積%とした。
【0037】コンクリート成形時の作業性の評価は、コ
ンクリートの流動性を示すスランプ値を用いて行った。
このスランプ値は、上記したコンクリートの一部を採取
し、JIS A 1101に示すコンクリートのスラン
プ試験方法に準じて測定した。尚、スランプ値が大きい
ほどコンクリートの流動性に優れ、作業性が良くなるこ
とを示している。
【0038】また、上記したコンクリートを15cm×
15cm×60cmの型枠に流し込み、16時間後脱型
してコンクリート成形体を得た。
【0039】コンクリートの補強効果とコンクリート成
形体の靭性は、コンクリート成形体の曲げ試験により評
価し、この曲げ試験では、20℃、60%RHで2週間
養生したコンクリート成形体を用い、スパン45cm、
載荷速度0.2mm/分の条件での三等分点載荷曲げ試
験を行い、コンクリートの補強効果は、最大荷重値(ク
ラック発生時の荷重値)で評価した。また、コンクリー
ト成形体の靭性は、クラック発生後のたわみ量が5mm
の時の荷重値、すなわち、コンクリート成形体の中央部
底面に取り付けた150mmのパイ型変位計によってク
ラックの開口幅を測定し、クラックの開口幅の3/4倍
に相当するクラック発生後のたわみ量(中央補正たわみ
量)が5mmの時の荷重値を測定して評価した。尚、コ
ンクリート成形体の靭性は、スチールファイバと同程度
であることが必要とされる。また、このときの荷重値が
小さい程、コンクリートの剥落が発生しやすいことを表
している。
【0040】表1〜3に示すように、実施例1〜17
は、作業性に優れ、コンクリートの補強効果及びコンク
リート成形体の靭性に優れていた。
【0041】それに対して、比較例18は、作業性に優
れるものの、コンクリートの補強効果及びコンクリート
成形体の靭性が劣っていた。また、比較例19は、コン
クリートの補強効果及びコンクリート成形体の靭性に優
れるものの、作業性が劣っていた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコンクリ
ート補強材をコンクリートの補強材として使用すると、
外部からの応力によりクラックが発生しにくく、また、
コンクリートにクラックが発生しても、コンクリートの
剥落が発生しにくい。
【0043】また、本発明のコンクリート補強材を用い
たコンクリート成形体は、クラックが発生しにくく、コ
ンクリートの剥落が発生しにくいため、土木や建築分野
における構造体として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンクリート補強材である。
【図2】本発明のコンクリート補強材の断面拡大図であ
る。
【図3】本発明のコンクリート成形体である。
【図4】コンクリート成形体の曲げ試験における応力変
化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 コンクリート補強材 11 無機繊維束 12 凹凸 13 モノフィラメント 14 コンクリート成形体 15 粗骨材 16 細骨材 P クラック発生時の応力値

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続した無機繊維束に樹脂を含浸させ、
    それを硬化させてから切断した長尺状のコンクリート補
    強材であって、表面に0.05〜3.0mmの凹凸高低
    差を有することを特徴とするコンクリート補強材。
  2. 【請求項2】 表面凹凸量100Sw/(2Sc+Lc
    ・Lh)−100が10以上であることを特徴とする請
    求項1に記載のコンクリート補強材。ここで、コンクリ
    ート補強材において、Swは、コンクリート補強材1本
    あたりの全表面積、Scは、断面積、Lcは、理想断面
    周囲長さ、Lhは、長さを指す。
  3. 【請求項3】 1本あたりの全表面積Swが20〜15
    00mm2であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のコンクリート補強材。
  4. 【請求項4】 連続した無機繊維束を20〜70体積%
    含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のコンクリート補強材。
  5. 【請求項5】 断面積Scが0.05〜4.0mm2
    あり、長さLhが20〜80mmであることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のコンクリート補強
    材。
  6. 【請求項6】 連続した無機繊維束が、ガラス繊維スト
    ランドあるいは炭素繊維ストランドからなることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載のコンクリート補
    強材。
  7. 【請求項7】 補強材として、請求項1〜6のいずれか
    に記載のコンクリート補強材を含むことを特徴とするコ
    ンクリート成形体。
  8. 【請求項8】 コンクリート補強材を0.3〜2.0体
    積%含むことを特徴とする請求項7に記載のコンクリー
    ト成形体。
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