JP2001261403A - セメント材料補強用繊維及びセメント成形体 - Google Patents

セメント材料補強用繊維及びセメント成形体

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JP2001261403A JP2000071649A JP2000071649A JP2001261403A JP 2001261403 A JP2001261403 A JP 2001261403A JP 2000071649 A JP2000071649 A JP 2000071649A JP 2000071649 A JP2000071649 A JP 2000071649A JP 2001261403 A JP2001261403 A JP 2001261403A
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Tsutomu Iiboshi
力 飯星
Shinichi Abe
信一 阿部
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B16/00Use of organic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of organic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B16/04Macromolecular compounds
    • C04B16/06Macromolecular compounds fibrous
    • C04B16/0616Macromolecular compounds fibrous from polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
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Abstract

(57)【要約】 【課題】太径のポリアセタールモノフィラメントの短繊
維を用いてマトリックスとの付着性を改善する。このセ
メント材料補強用繊維を添加してセメント成形体の高靱
性を実現する。 【解決手段】セメント材料補強用繊維Aは、偏平な断面
を持ったポリアセタールモノフィラメントからなる短繊
維1を、長さ50mm当たり3回転乃至5回転の捩じり形
状に形成する。また偏平な断面を持ったポリアセタール
繊維の表面に微細な凹凸を形成する。またポリアセター
ル繊維2の両端にコブ3を設けて補強用繊維Bを形成す
る。前記何れかの補強用繊維をセメントマトリックスに
添加することで、ポリアセタール繊維とマトリックスと
の付着性能を向上させ、セメント成形体の高靱性を実現
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築及び土木構造
物に用いられるモルタル,コンクリート等のセメント材
料を補強するためのセメント材料補強用繊維と、このセ
メント材料補強用繊維が添加されることで高靱性を実現
したセメント成形体とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築構造物や土木構造物に用いられるモ
ルタルやコンクリート等のセメント材料に高靱性な性状
を持たせるためには、マトリックス(母材)との機械的
な付着が大きく、且つアスペクト比(長さ/直径)の大
きい(即ち、細長い)繊維を補強材として用いることが
有効であるとされている。現状では、モルタルをマトリ
ックスとし、ポリエチレン繊維,ビニロン繊維の直径が
数十μm、長さが十数mmの非常に細長い繊維(アスペク
ト比300程度)を添加したセメント成形体が、引張応力
に対して高靱性を発揮することが知られている。ここ
で、高靱性とは、引張歪み度で2%〜5%までは初クラ
ック発生時の耐力を保持する性状をいう。
【0003】ところで、アスペクト比が大きい直径数十
μmのポリエチレン繊維,ビニロン繊維では、これらの
繊維に腰がないことなどの理由から、一般に繊維どうし
が絡まり易く、且つ分散性が悪いことなどから混練性に
問題があった。特に、施工現場で打設する際には、ポン
パビリティ(ポンプによる配送性)・ワーカビリティ
(施工性)が低いという問題があった。
【0004】具体的には、繊維どうしが絡まって毛玉に
なり易く、この結果流動性が低くなり、鉄筋が配されて
いる部位ではジャンカ(充填不良個所)が出来易い。こ
のため、特に出隅部や入隅部では型枠の脱型後に補修を
要する場合があり、施工上問題が生じる。このようなワ
ーカビリティの問題を解決するために、添加剤を多量に
使用する必要が生じ、高コストになるという問題があっ
た。
【0005】更に、上記ビニロン繊維は、細径で傷つき
やすい。このため、マトリックスとしてモルタルに代え
てコンクリートを用いた場合、混練時に粗骨材(砂利)と
の接触により繊維が破損したり、切れてしまい、所定の
性能を発揮し得ない虞がある。
【0006】上記の如き混練性,流動性及び粗骨材によ
る損傷等の改善をはかるために、太径のモノフィラメン
トからなり、腰が強く、剪断抵抗及び耐カット性が高い
(傷による耐力低下の少ない)ポリアセタール繊維を用い
ることがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】セメント材料を補強す
るために、太径のポリアセタール繊維を用いることで、
混練性や流動性及び粗骨材による損傷等を改善すること
が出来る。しかし、既存のポリアセタール繊維は平均径
が0.9mmと極めて太く、補強用繊維として一般に用いら
れる繊維長50mm程度の場合、アスペクト比が約55と小
さいため、マトリックスとの付着力が充分ではない。こ
のため、ポリエチレン繊維,ビニロン繊維を用いた場合
と比較して、靱性が不足するという問題がある。
【0008】本発明の目的は、太径のポリアセタール繊
維を用い、マトリックスとの付着性を改善したセメント
材料補強用繊維を提供すると共に、該セメント材料補強
用繊維を添加して高靱性を実現したセメント成形体を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るセメント材料補強用繊維(以下、単に
「補強用繊維」という)は、偏平な断面を持ったポリア
セタールモノフィラメントからなる短繊維であって、長
さ50mm当たり3回転乃至5回転の捩じり形状に形成し
たことを特徴とするものである。
【0010】上記補強用繊維では、モノフィラメントか
らなり、腰が強く、剪断抵抗及び耐カット性が高いポリ
アセタール繊維を用いることにより、繊維どうしが絡ま
りにくく、マトリックスとの混練性,流動性を改善する
ことが出来、この結果、型枠に於ける出隅部,入隅部で
のジャンカを出来難くすることが出来る。またポリアセ
タール繊維が剪断抵抗及び耐カット性が高いことから、
マトリックスとしてコンクリートを用いた場合であって
も、粗骨材との接触による損傷の影響を軽減することが
出来る。このため、所定の補強性能を発揮することが出
来る。
【0011】特に、長さ50mm当たり3回転〜5回転の
捩じり形状に形成することで、偏平断面を形成する各角
部が螺旋状に捩れて全体がネジ状(ネジふし状)にな
る。このため、マトリックスとの高い付着性能を実現す
ることが出来る。特に、ポリアセタール繊維は常温での
塑性加工(曲げ塑性加工)が可能なため、該ポリアセタ
ール繊維を常温で捩じることによって、容易に加工する
ことが出来る。
【0012】ポリアセタール繊維に対する捩じり形状
が、50mm当たり3回転〜5回転の範囲にあることで、
高靱性セメント結合体として充分な付着性状を発揮出来
る。単位長さ(50mm)当たりの捩じり回数を増加させ
ることによって、付着性能を高めることが出来るが、捩
じり加工が困難となるため、5回転以下であることが望
ましい。また捩じり回数を3回転以下とした場合、付着
力が小さくなって充分な付着性能を発揮することが出来
なくなる。
【0013】また偏平な断面を持ったポリアセタールモ
ノフィラメントからなる短繊維であって、表面に微細な
凹凸を形成しても良い。この場合、繊維の単位表面積当
たりの付着性能を向上させることが可能となり、表面に
形成された凹凸を介してマトリックスとの付着性能を高
めることが出来る。ポリアセタール繊維の表面の微細な
凹凸は、例えば、小径のガラス玉を吹き付けるドライホ
ーニングを施すことで形成することが出来る。
【0014】特に、ポリアセタール繊維の断面が円形で
あると吹付装置或いはポリアセタール繊維を回転させつ
つドライホーニングを施す必要があるが、断面が偏平で
あるため、吹付装置やポリアセタール繊維を回転させる
ことなく、容易に対向する二平面に均一な凹凸を形成す
ることが出来る。
【0015】更に、ポリアセタール繊維は耐カット性が
高いため、表面に傷を付けても耐力の低下が小さく、ド
ライホーニングにより表面に凹凸を形成するのに適した
材料である。
【0016】更に、断面形状を限定することのないポリ
アセタールモノフィラメントからなる短繊維の両端にコ
ブを設けても良い。この場合、コブを介してマトリック
スとの付着性能を高めることが出来る。
【0017】また長さ50mm当たり3回転乃至5回転の
捩じり形状の形成,表面に微細な凹凸の形成,両端にコ
ブの形成の中から少なくとも2つが形成されたものであ
っても良い。このように、ポリアセタール繊維にマトリ
ックスとの付着性能を高めるための複数の形状を複合し
て形成することによって、より高い付着性能を発揮出来
る。
【0018】また本発明に係るセメント成形体は、上記
何れかの補強用繊維がセメントマトリックスに添加され
ていることを特徴とするものである。このセメント成形
体では、ポリアセタール繊維とマトリックスとが強固に
付着するため、高靱性を実現することが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、上記補強用繊維の好ましい
実施形態、及びセメント成形体の好ましい実施形態につ
いて説明する。
【0020】先ず、補強用繊維について説明する。図1
は断面が偏平のポリアセタール繊維1に捩じり加工を施
して長さ50mm当たり3回転〜5回転の捩じり形状(ネ
ジふし状)に形成した補強用繊維Aを示すものである。
この補強用繊維Aは、ポリアセタール繊維が常温での塑
性加工が可能なため、常温で捩じることにより塑性変形
を生じさせて容易な加工を施すことが可能である。
【0021】ポリアセタール繊維の断面が偏平であるこ
とから、捩じり加工した補強用繊維Aには偏平断面を構
成する各角部によって螺旋状の稜線1aが形成される。
また補強用繊維Aを固定した状態で長手方向に沿って見
たとき、該補強用繊維Aは回転することとなり、各稜線
1aが抵抗となる。このため、モルタル或いはコンクリ
ートからなるマトリックスとの付着性能を向上させるこ
とが可能となる。
【0022】本実施例では、ポリアセタール繊維1の偏
平な断面の寸法は、幅wが約1.5mm、厚さtが約0.5mmに
設定されている。幅と厚さの比(w/t)は1〜5の範
囲にあることが望ましく、前記比が5以上になると延伸
上の問題によりポリアセタール繊維1の製造が困難とな
る。
【0023】また断面が偏平のポリアセタール繊維の表
面に、ドライホーニングによって一様に微細な凹凸を形
成することで、マトリックスとの付着性能を向上させる
ことが可能である。前記凹凸は、ポリアセタール繊維の
表面に直径が約1mm程度のガラス玉を一様に吹き付ける
ことで形成することが可能である。特に、ポリアセター
ル繊維が塑性加工可能な材料であるため、ガラス玉に所
定の力を作用させて吹き付けることで、バラツキのない
凹凸を容易に形成することが可能である。
【0024】図2は断面が円形のポリアセタール繊維2
の両端にコブ3を形成した補強用繊維Bを示すものであ
る。前記コブ3は、例えば、ポリアセタールモノフィラ
メントの長い繊維を、補強用繊維Bに対応した短繊維に
切断する際に、熱を作用させて裁断するヒートカッター
を用いることによって容易に且つ低コストで形成するこ
とが可能であり、また予め所定の長さに切断された短繊
維の端部に高周波加熱を行なって形成することも可能で
ある。
【0025】コブ3の大きさ(太さ)は、ポリアセター
ル繊維2の平均径の2倍程度までであることが好まし
く、2倍以上の大きさになった場合、混練性が劣るよう
になることがある。
【0026】ここで、ポリアセタール繊維の平均径と
は、断面が円形以外の場合に、円形断面と仮定して等断
面積となる直径をいう。従って、補強用繊維Bとして
は、必ずしも断面が円形である必要はなく、偏平であっ
ても良い。
【0027】上記補強用繊維(A,B及び表面に凹凸を
形成した補強用繊維)に於いて、該補強用繊維のアスペ
クト比は50〜300の範囲であることが好ましい。特
に、アスペクト比が50よりも小さくなると付着性能が
低くなり、300よりも大きくなると混練性に問題が生
じる虞がある。
【0028】また補強用繊維の径は0.04mm〜1.5mmの範
囲にあることが望ましい。補強用繊維の径が0.04mmより
も小さくなると耐カット性が小さくなり、コンクリート
をマトリックスとした場合、混練時に補強用繊維が損傷
し易くなる。また補強用繊維の径が1.5mmよりも大きく
なると、アスペクト比との関係から補強用繊維の長さが
長くなりすぎるため、マトリックスと分離し易くなると
いう問題が生じる虞がある。
【0029】また補強用繊維としては、補強用繊維Aの
如く断面が偏平で長さ50mm当たり3回転〜5回転の捩
じり形状に形成したネジふし状のもの、断面が偏平で表
面に微細な凹凸を形成したもの、補強用繊維Bの如く端
部にコブ3を形成したもの、のように、形状が単独であ
る必要はなく、例えば、断面が偏平なポリアセタール繊
維をネジふし状に形成すると共に表面に微細な凹凸を形
成しても良く、またネジふし形状に形成した補強用繊維
Aの端部にコブを形成しても良い。
【0030】即ち、ポリアセタール繊維に対し、長さ5
0mm当たり3回転〜5回転の捩じり形状の形成、表面に
微細な凹凸の形成、端部にコブの形成の中から選択され
た少なくとも2つを複合して形成した補強用繊維を形成
することも可能である。特に、捩じり形状に形成する場
合、ポリアセタール繊維は断面が偏平であることが必要
であるが、該捩じり形状に形成しない場合、ポリアセタ
ール繊維は断面が円形であっても良い。
【0031】次ぎに、セメント成形体について説明す
る。本発明に係るセメント成形体は、セメントマトリッ
クスに、上記各補強用繊維(A,B及び表面に凹凸を形
成した補強用繊維、これらを複合した補強用繊維)の中
から選択した補強用繊維を添加したものである。
【0032】マトリックスとしては、モルタル,コンク
リート或いは軽量骨材コンクリート等を選択的に用いる
ことが可能である。また混入率(体積混入率)は0.5%
〜10%の範囲が適当であるが、ワーカビリティ及び靱性
能等の面からみたとき、1%〜2.5%の範囲であること
が望ましい。
【0033】上記の如く、補強用繊維を添加したセメン
ト成形体では、高靱性を実現することが可能である。こ
のようなセメント成形体は、建築建造物或いは土木建造
物に於いて、地震等の外力に対するエネルギ吸収部材
(例えば、壁や梁或いは柱等)として用いたり、鉄筋を
配筋し難い柱梁接合部等に用いることで、施工性,耐震
性を向上させることが可能である。また成形に際して
は、現場で打設することが可能であり、予め工場生産す
るプレキャスト材に適用することも可能である。特に、
プレキャスト材として製作する場合は、如何なる形状で
あっても容易に製造することが可能であり、例えば、壁
材としてのパネル状に成形しても良い。
【0034】また高靱性セメント成形体は、主筋・横補
強筋等の鉄筋によって補強することも可能である。この
場合、通常のコンクリートを使用する鉄筋コンクリート
部材と同様に主筋を配置するものの、配筋に手間のかか
る横補強筋を省略または量を削減することが可能であ
り、配筋作業を従来の鉄筋コンクリート部材に対する配
筋作業と比較して効率化することが可能となる。
【0035】次ぎに、上記各補強用繊維の中から選択的
に添加して構成した複数のセメント成形体に対して引張
靱性実験を行なうと共に、何ら加工を施すことのない繊
維及び規定回数以下の回転で捩じり加工した繊維を添加
して構成した成形体との比較実験を行なった。
【0036】上記実験は、試験体として、補強用繊維の
体積混入率1.5%、水セメント比(W/C)60%、砂セ
メント比(S/C)40%とし、モルタルミキサにより練
り混ぜて製作した。試験体は円柱体(直径100mm×高さ2
00mm)とし、引張加力を行い、初クラック発生時の耐力
を保持し得る引張歪み度を、靱性能として測定した。ポ
リアセタール繊維は、長さ50mm、引張強さ1650MPa、引
張弾性率40GPa、引張伸び率8%のものを用いた。
【0037】試験体の条件と実験結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に於いて、実施例1,2,6、比較例
3に示す「回転数」は長さ50mm当たりの捩じり形状の
数であり、断面が偏平のポリアセタール繊維に常温で捩
じり加工を施して夫々の回転数に形成している。また実
施例3,4,6,7に示す「表面(凹凸)処理」,「表
面処理」はドライホーニング処理であり、このドライホ
ーニング処理としては、ポリアセタール繊維の幅が約1.
5mmの2つの偏平面に対し、約4m/minの速度で60回行
なった。また実施例5,7に示す「コブ」はポリアセタ
ール繊維の両端をヒートカッターで溶かし、約1.6mm径
のコブを付けた。更に、比較例1,2は何ら加工を施す
ことのないポリアセタール繊維を用いている。
【0040】各実施例1〜7及び比較例1〜3共に同様
の評価を行った。また試験体数は各3体とし、結果の平
均値を表1に示している。
【0041】表1に明らかなように、何ら加工を施すこ
とのないポリアセタール繊維を添加した比較例1,2で
はアスペクト比の如何に関わらず靱性能は0.1%とな
り、殆ど靱性能を得ることが出来ない。また、2.5回転
の捩じり加工を施した比較例3では、靱性能が上昇する
ものの耐力の保持は0.8%にとどまり、靱性能が充分で
あるとはいえない。
【0042】これに対し、各実施例1〜7では、端部に
コブを付けた実施例5でも、最低の1.8%の靱性能を発
揮しており、捩じり加工した実施例1,2では2.1%,
2.4%の靱性能を発揮し、表面処理した場合にはアスペ
クト比55の実施例3では2.3%の靱性能を発揮し、更
に、アスペクト比95の実施例4では3.8%の靱性能を発
揮した。また捩じり加工と表面処理を施した実施例6で
は2.8%の靱性能を、端部のコブと表面処理を施した実
施例7では2.5%の靱性能を発揮した。
【0043】上記実験で明らかなように、前述した補強
用繊維を選択的に添加することによって、高靱性のセメ
ント成形体を実現することが可能である。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
補強用繊維では、モノフィラメントからなり、腰が強
く、剪断抵抗及び耐カット性が高いポリアセタール繊維
を用いることにより、繊維どうしが絡まり難くなってマ
トリックスとの混練性及び流動性を改善することが出来
る。このため、型枠の出隅部や入隅部でもジャンカが出
来難く、脱型後に補修を行なう度合いが少なくなり、施
工能率を向上させることが出来る。またコンクリートを
マトリックスとした場合であっても、粗骨材との接触に
よる損傷を押さえることが出来、所定の性能を発揮する
ことが出来る。
【0045】また断面が偏平なポリアセタール繊維を5
0mm当たり3回転〜5回転の捩じり形状に形成すること
で、マトリックスとの付着性能を向上させることが出来
る。また断面が偏平なポリアセタール繊維の表面に微細
な凹凸を形成することによって、マトリックスとの付着
性能を向上させることが出来る。またポリアセタール繊
維の端部にコブを付けることで、マトリックスとの付着
性能を向上させることが出来る。更に、ポリアセタール
繊維に対し、捩じり形状の形成,表面に対する微細な凹
凸の形成,端部に対するコブの形成の中から少なくとも
2つを選択的に形成することで、マトリックスとの付着
性能を向上させることが出来る。
【0046】また本発明に係るセメント成形体では、モ
ルタル或いはコンクリートをマトリックスとし、上記各
補強用繊維から選択された補強用繊維を添加すること
で、混練時の分散性と流動性を改善し、施工現場での打
設の際に、充分なポンパビリティ,ワーカビリティを満
足し得るように施工性を向上させ、且つ高靱性を実現す
ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ネジふし形状を持った補強用繊維を説明する斜
視図である。
【図2】端部にコブを付けた補強用繊維を説明する図で
ある。
【符号の説明】
A,B 補強用繊維 1,2 ポリアセタール繊維 3 コブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏平な断面を持ったポリアセタールモノ
    フィラメントからなる短繊維であって、長さ50mm当た
    り3回転乃至5回転の捩じり形状に形成したことを特徴
    とするセメント材料補強用繊維。
  2. 【請求項2】 偏平な断面を持ったポリアセタールモノ
    フィラメントからなる短繊維であって、表面に微細な凹
    凸を形成したことを特徴とするセメント材料補強用繊
    維。
  3. 【請求項3】 ポリアセタールモノフィラメントからな
    る短繊維であって、両端にコブを設けたことを特徴とす
    るセメント材料補強用繊維。
  4. 【請求項4】 ポリアセタールモノフィラメントからな
    る短繊維であって、長さ50mm当たり3回転乃至5回転
    の捩じり形状の形成,表面に微細な凹凸の形成,両端に
    コブの形成の中から少なくとも2つが形成されたことを
    特徴とするセメント材料補強用繊維。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4の何れかに記載さ
    れたセメント材料補強用繊維がセメントマトリックスに
    添加されていることを特徴とするセメント成形体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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